JP3719572B2 - 環境衛生検査用の検体採取容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療機関や食品及び医薬品製造所等で使用される検体採取容器、特に、2種類以上の試薬等の液体を用いて検査対象物の汚染を検査するのに適した環境衛生検査用の検体採取容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、環境衛生検査を行なう方法には、微生物による汚染度を判定できる試薬を使う方法がある。この方法では、所定の拭き取り具(通常綿棒が使用される)で検査対象物を拭き取って検体を採取し、この後、検体に試薬等の液体を添加し、検査のための次の工程に進む。一般的には、検体に添加する試薬等の液体が2種類以上ある場合、各試薬を対応する容器からピペット等で一定量ずつ採取して検体に順次添加する。しかし、この方法では、各試薬をピペット等を用いて検体に順次添加する作業が煩雑であり、かつ、その作業の過程で検体が検査対象物の汚染物質とは別の物質により汚染されてしまう可能性が高く、汚染度を正確に判定できないという問題があった。
【0003】
そこで、このような問題を少しでも解消するために、図12及び図13に示すような検体採取容器が考えられている。図12に示す容器は、一端に綿球100が固定され、他端を栓101で密封された細長いパイプ状の綿棒軸102と、内部に試薬が充填された軟質の合成樹脂でできたボトル103と、容器本体104と、ボトル103及び容器本体104を保持すると共に容器本体104を密封する保持部材105とを備えている。綿棒軸102を保持部材105の中心孔に挿通させてその他端側(栓101がある側)をボトル103内に入れ、綿棒軸102の一端側及び綿球100を容器本体104内に挿入した状態で、ボトル103及び容器本体104を保持部材105で接続してある。この容器では、ボトル103を押圧して綿棒軸102の他端側を破損させると、ボトル103内の試薬が綿棒軸102内を通って綿球100に添加される。
【0004】
一方、図13に示す容器は、一端に綿球110が固定された綿棒軸111と、綿球110及び綿棒軸111が挿入された容器本体112と、内部に試薬が充填されたガラスカプセル113と、ガラスカプセル113を収納した軟質の合成樹脂でできたボトル114と、ボトル114及び容器本体112を保持すると共に容器本体112を密封する保持部材115とを備えている。ボトル114を押圧してガラスカプセル113を破損すると、ガラスカプセル113内の試薬がボトル114内に流出し、さらに保持部材115の連通路115aを通って容器本体112内に流入し、綿球110に添加される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記2つの従来例のいずれも、検体を採取した綿球100、110には、容器内部において1種類の試薬しか添加することができない。そのため、検体に2種類以上の試薬等の液体を添加するような検査を行なう場合には、容器内部において1番目の試薬を検体に添加した後に、保持部材105、115を容器本体104、112から外し、試薬が検体に添加されてできた検液の一定量をその容器本体から滴下させて他の容器に移し、これとは別の容器から2番目の試薬をピペットで一定量採取して前記他の容器内の検液に添加しなければならず、作業が依然として煩雑であり、かつ、2番目以降の試薬の添加を容器の外部で行なうために検体(検液)が検査対象物の汚染物質とは別の物質により汚染されてしまう可能性が依然として高く、汚染度を正確に判定できないという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、2種類以上の試薬等の液体を容器内部で順次添加することができ、検査作業を簡単し、かつ、正確な汚染度の判定が可能な環境衛生検査用の検体採取容器を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため請求項1記載の発明は、一端側が開口した合成樹脂製の筒状の容器本体と、拭き取り部材付きのスティックを保持し、該スティック及び拭き取り部材を容器本体内に挿入した状態で容器本体の開口部内に密に嵌合する嵌合部と拭き取り部材が臨む空間に連通する筒状部とを有する合成樹脂製の蓋体と、第1の液体が内部に充填され、蓋体の筒状部内の空間と第1の壁部で仕切られた第1の液室、及び第2の液体が内部に充填され、第1の液室と第2の壁部で仕切られた第2の液室を含む少なくとも2つの独立した液室を形成する液室形成手段と、第1の壁部を外力により開口させる第1の開口手段と、第2の壁部を外力により開口させる第2の開口手段とを備えていることを特徴とする。
【0008】
このような構成から、検体を拭き取った拭き取り部材及びスティックを容器本体内に挿入して容器本体の開口部内に蓋体の嵌合部を嵌合させた状態で、第1の開口手段により第1の壁部を開口させると、第1の液室が蓋体の筒状部内の空間と連通するので、第1の液体がその筒状部内の空間及び拭き取り部材が臨む空間を通って拭き取り部材に付着した検体に添加される。この後、第2の開口手段により第2の壁部を開口させると、第2の液室が第1の液室と連通するので、第2の液体が第1の液室、蓋体の筒状部内の空間及び拭き取り部材が臨む空間を通って検体に添加される。また、試薬等の液体を容器外部でピペット等を使って検体に添加する必要がなく、検体が検査対象物の汚染物質とは別の物質で汚染されることはない。
【0009】
請求項2記載の発明は、前記液室形成手段は、前記蓋体の筒状部内に軸方向に摺動自在に密に嵌合した筒体で、一端側の開口が前記第1の壁部をなす薄膜で塞がれかつ他端が開口した合成樹脂製の第1の筒体と、一端側が開口した有底の筒体で、その開口端を第1の筒体の開口端と合致させて第1の筒体に固定された押圧により変形可能な合成樹脂製の第2の筒体と、前記両筒体により形成される1つの空間内を前記第1の液室と第2の液室に仕切る前記第2の壁部をなす合成樹脂製の仕切り部材とからなり、前記第1の開口手段は、蓋体の嵌合部と一体に形成されて薄膜を破る針状部と、第1の筒体を、薄膜が針状部の先端から所定距離だけ離れた位置に位置決めすると共に針状部側へのみ変位可能に保持する保持部とを含み、かつ、前記第2の開口手段は、第2の筒体を介して外力を受けると第2の壁部を開口するように仕切り部材の一部に形成された開口形成部を含むことを特徴とする。
【0010】
このような構成から、容器の構成部材の大部分が合成樹脂でできており、ガラスのような廃棄や焼却がしにくい材質のものを含んでいないので、その構成部材を分別せずに廃棄や焼却を行なえる。また、薄膜が針状部の先端で破られると第1の液体が検体に添加されると共に、合成樹脂製の仕切り部材の開口形成部が外力を受けて第2の壁部を開口すると第2の液体が検体に添加されるので、作業者にとって危険な破片が発生しない。さらに、第1の液体の添加時には第1の筒体を針状部側へ変位させればよく、第2の液体の添加時には第2の筒体を押圧して変形させればよいので、かつ、液体の添加作業を簡単に行なうことができる。
【0011】
請求項3記載の発明は、前記第1の開口手段は、前記蓋体の筒状部と第1の筒体を螺合するねじ結合部を含んでいることを特徴とする。
このような構成から、第1の筒体をねじ結合部の締め方向又は緩め方向のいずれか一方へ回転させると、第1の筒体が針状部側へ変位して薄膜が針状部により破られるので、第1の液体の添加時に第1の筒体に力を加え易い。
【0012】
請求項4記載の発明は、前記仕切り部材の開口形成部は、第2の壁部から軸方向に延びた突部と、該突部の根元に設けられた薄肉の脆弱部とから構成されていることを特徴とする。
このような構成から、第2の液体の添加時には、第2の筒体を押圧して突部に外力を加えると、突部がその根元に設けられた薄肉の脆弱部の箇所で折れて第2の壁部が開口するので、突部のできるだけ先端に近い箇所に外力を加えることにより、突部をより小さい力で折ることができる。
【0013】
請求項5記載の発明は、前記液室形成手段は、前記蓋体の筒状部内に軸方向に摺動自在に密に嵌合した筒体で、一端側の開口が前記第1の壁部をなす第1の薄膜で塞がれかつ他端が開口した合成樹脂製の第1の筒体と、該筒体の他端側開口部内に嵌合する嵌合部及び第1の筒体内の空間と連通する空間を形成しかつ他端が開口した筒状部を有する合成樹脂製の第2の蓋体と、該蓋体の筒状部内に軸方向に摺動自在に密に嵌合した筒体で、前記第1の薄膜との間に前記第1の液室を形成するように一端側の開口が前記第2の壁部をなす第2の薄膜で塞がれかつ該薄膜との間に前記第2の液室を形成するように他端が閉塞した合成樹脂製の第2の筒体とからなり、前記第1の開口手段は、前記蓋体の嵌合部と一体に形成されて前記第1の薄膜を破る第1の針状部と、第1の筒体を、第1の薄膜が第1の針状部の先端から所定距離だけ離れた位置に位置決めすると共に第1の針状部側へのみ変位可能に保持する第1の保持部とを含み、かつ、前記第2の開口手段は、第2の蓋体の嵌合部と一体に形成されて第2の薄膜を破る第2の針状部と、第2の筒体を、第2の薄膜が第2の針状部の先端から所定距離だけ離れた位置に位置決めすると共に第2の筒体を第2の針状部側へのみ変位可能に保持する第2の保持部とを含むことを特徴とする。
【0014】
このような構成から、容器の構成部材を分別せずに廃棄や焼却を行なえる。また、第1の薄膜が第1の針状部の先端で破られると第1の液体が検体に添加されると共に、第2の薄膜が第2の針状部の先端で破られると第2の液体が検体に添加されるので、作業者にとって危険な破片が発生しない。さらに、第1の液体の添加時には第1の筒体を針状部側へ、第2の液体の添加時には第2の筒体を針状部側へそれぞれ変位させればよいので、液体の添加作業を簡単に行なうことができる。
【0015】
請求項6記載の発明は、前記液室形成手段は、両端が開口した筒体で、一端側開口端が前記蓋体の筒状部の外周に密に嵌合した押圧により変形可能な合成樹脂製の第1の筒体と、一端側が開口した有底の筒体で、その開口端を前記第1の筒体の他端側開口端と合致させて第1の筒体に固定された押圧により変形可能な合成樹脂製の第2の筒体と、前記第1の壁部を有する合成樹脂製の第1の仕切り部材と、前記第2の壁部を有し、第1の仕切り部材で仕切られて前記両筒体内にできる1つの空間を前記第1の液室と第2の液室に仕切る合成樹脂製の第2の仕切り部材とからなり、前記第1の開口手段は、第1の筒体を介して外力を受けると第1の壁部を開口するように第1の仕切り部材の一部に形成された開口形成部を含み、かつ、前記第2の開口手段は、第2の筒体を介して外力を受けると第2の壁部を開口するように第2の仕切り部材の一部に形成された開口形成部を含むことを特徴とする。
【0016】
このような構成から、容器の構成部材を分別せずに廃棄や焼却を行なえる。また、合成樹脂製の第1の仕切り部材の開口形成部が外力を受けて第1の壁部を開口すると第1の液体が検体に添加され、合成樹脂製の第2の仕切り部材の開口形成部が外力を受けて第2の壁部を開口すると第2の液体が検体に添加されるので、作業者にとって危険な破片が発生しない。さらに、第1の液体の添加時には第1の筒体を押圧して変形させ、第2の液体の添加時には第2の筒体を押圧して変形させればよいので、液体の添加作業を簡単に行なうことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る環境衛生検査用の検体採取容器を示す縦断面図、図2は図1の一部を拡大して示す断面図、図3は図1の外観を示す平面図である。
この検体採取容器は、図1及び図3に示すように、一端側が開口し、試験管状に形成された筒状の容器本体1と、調理器具等の検査対象物を拭う綿球部(拭き取り部材)2が先端に取り付けられた細長い棒状のスティック3とを備えている。このスティック3はABS等の硬質の合成樹脂でできている。
【0018】
また、検体採取容器は、スティック3の端部が取り外し可能に固定され、綿球部2及びスティック3を容器本体1内に挿入した状態で容器本体1の開口端に取り付けられる蓋体4と、第1の液体(例えばATP除去試薬)が内部に充填された第1の液室5及び第2の液体(例えばATP抽出試薬)が内部に充填された第2の液室6の2つの独立した液室を形成する液室形成手段7と、第1の液室5の一部を外力により開口させる第1の開口手段8と、第2の液室6の一部を外力により開口させる第2の開口手段9とを備えている。
【0019】
容器本体1は、低密度ポリエチレン等の軟質の合成樹脂製であり、透明、不透明のいずれであってもよいが、内部を確認できるという点から透明のものが好ましい。容器本体1の底部先端には吐出口10が設けてある。11は吐出口10を開閉する吐出口開閉用蓋体であり、吐出口10の先端部の汚染を防止するために吐出口10の外側に被せてある。この吐出口開閉用蓋体11は連結紐12を介して容器本体1と一体に成形されており、吐出口開閉用蓋体11を外した際の紛失が防止できるようになっている。また、容器本体1の胴部には、押圧によって変形する蛇腹状に形成された絞り部1aが形成されている。
【0020】
蓋体4は、図1及び図2に示すように、ABS等の硬質の合成樹脂でできており、容器本体1の開口部内に密に嵌合する嵌合部4aと、該嵌合部4aより大きな外径を有し、容器本体1内の空間(綿球部2が臨む空間)に連通する筒状部4bとを有する。嵌合部4aの先端側中央には軸方向にスティック3の先端を挿入する取付穴4cが形成されている。嵌合部4aに形成された取付穴4cの外側には、容器本体1内と筒状部4b内を連通する複数の連通路(この連通路は1つであってもよい)4dが形成されている。取付穴4cには、スティック3の端部が取外し可能に固定されている。さらに、蓋体4の筒状部4bの外周面のほぼ中央部には突起4eが、その外周面の突起4eより後端部側に寄った位置には雄ねじ4fがそれぞれ設けられている。突起4eは、周方向にほぼ等間隔に複数個配置されている。
【0021】
前記液室形成手段7は、蓋体4の筒状部4bに軸方向に摺動自在に密に嵌合した筒体で、一端側の開口が蓋体4の筒状部4b内と第一の液室5を仕切る第1の壁部をなす薄膜16で塞がれかつ他端が開口した第1の筒体13と、一端側が開口した有底の筒体で、その開口端を第1の筒体13の開口端と合致させて第1の筒体13に接着或いは溶着により固定された押圧により変形可能な第2の筒体14と、両筒体13,14の間に挟持され、該両筒体により形成される1つの空間内を第1の液室5と第2の液室6に仕切る第2の壁部をなす仕切り部材15とから構成されている。第1の筒体13及び第2の筒体14は、共に低密度ポリエチレン等の軟質の合成樹脂製であり、仕切り部材15はABS,PS等の硬質の合成樹脂でできている。
【0022】
第1の筒体13は、内側筒部13aと外側筒部13bを有し、両筒部がスティック3とは反対側の端部で連続した2重筒構造のものである。第1の筒体13の内側筒部13aは、蓋体4の筒状部4b内周に摺動自在に密に嵌合しており、内側筒部13aの一端側の開口は薄膜16で塞がれている。一方、第1の筒体13の外側筒部13bの内周面には、蓋体4の突起4eと係合する位置決め用の係止部13cと、蓋体4の雄ねじ4fと螺合する雌ねじ13dとが形成されている。また、外側筒部13bの外周面には、第1の筒体13を回転させる際のすべり止めのためのローレットが切られている(図3参照)。
【0023】
係止部13cは、周方向に連続する環状の凹部と、この凹部の左右に形成された左側凸部及び右側凸部とからなる。この係止部13cと、蓋体4の複数個の突起4eとの係合関係は次のようになっている。
係止部13cの凹部を突起4eに係合させると、第1の筒体13が、薄膜16が針状部17の先端から所定距離だけ離れた基準位置(図1の位置)に位置決めされて蓋体4に保持されるようになっている。また、その基準位置で、第1の筒体13を雄ねじ4fと雌ねじ13dからなるねじ結合部の緩み方向へ回そうとしても、係止部13cの右側凸部が突起4eに当たり、第1の筒体13の後退方向(図1で左方向)への変位が阻止されるので、同筒体13を緩み方向へ回すことができず、筒体13が蓋体4から抜けないようになっている。一方、その基準位置で、第1の筒体13を一定の大きさ以上の力でねじ結合部の締め方向へ回転させると、外側筒部13bの弾性変形により係止部13cの左側凸部13が突起4eを乗り越え、この突起4eが係止部13cの凹部から外れるので、第1の筒体13が基準位置から針状部17側へのみ変位できるようになっている。
このように、第1の筒体13を前記基準位置に位置決めすると共に針状部17側へのみ変位可能に保持する保持部が、突起4eと係止部13cにより構成されている。
【0024】
仕切り部材15は、第1の筒体13の内側筒部13aの他端側の開口を塞いでこの筒部13a内に密閉した第1の液室5を形成していると共に、第2の筒体14の開口を塞いでこの筒体14内に密閉した第2の液室6を形成している。
前記第1の開口手段8は、内側筒部13aの一端側の開口を塞ぐ薄膜16と、先端を薄膜16側へ向けて蓋体4の嵌合部4aの後端側中央に一体に形成されて薄膜16を破る針状部17と、突起4eと係止部13cからなる前記保持部とから構成されている。このように、第1の筒体13を一定の大きさ以上の外力で締め方向へ回転(例えば右回転)すると、第1の筒体13が蓋体4に対して図1の位置から右方へ移動するので、針状部17が薄膜16を破って第1の液室5が開口する。
【0025】
前記第2の開口手段9は、仕切り部材15に、外力により折れる脆弱部15eを形成することにより構成されている。すなわち、仕切り部材15は、第1の筒体13の内側筒部13aの内周及び第2の筒体14の内周にそれぞれ気密に嵌合する環状の筒部15aと、この筒部の外周に形成された環状突部15bと、筒部15aの左端部から中央へ向かって鋭角に折れ曲がって延びた仕切り壁部15cと、該壁部15cの中心部から鋭角に折れ曲がって軸方向に延びた棒状の突出部15dとが一体に形成されたものである。この突出部15dの根元すなわち突出部15dと仕切り壁部15cとの境界部が薄肉の脆弱部15eになっている。このように、ABS,PS等の硬質で脆い材質の合成樹脂でできた仕切り部材15は、軟質の合成樹脂でできた第2の筒体14に外力を加え、この筒体14を押圧により変形させて仕切り部材15の突出部15dを軸方向にほぼ垂直な方向(図1の矢印で示す方向)に押すと、突出部15dが脆弱部15eの箇所で折れて破損し(開口し)、この破損により開口した箇所を介して両液室5,6が連通するようになっている。
【0026】
上記のように構成された環境衛生検査用の検体採取容器は、例えば、次のように使用される。
保管や搬送時には、容器本体1に蓋体4が取り付けられ、滅菌された状態で適宜包装されている。
検体採取現場で、容器本体1から蓋体4を外し、容器本体1内からスティック3を抜き、予め湿らせてある綿球部2で検査対象物を拭いて検体を採取する。
この後、検体を拭き取った綿球部2及びスティック3を容器本体1に挿入し、蓋体4で容器本体1内を密封する。
【0027】
この状態で、第1の筒体13を一定の大きさ以上の外力で締め方向へ回転(例えば右回転)すると、第1の筒体13が蓋体4に対して図1の位置から右方へ移動し、薄膜16が針状部17で破られて第1の液室5が開口する。これによって、第1の液室5が蓋体4内の空間及び連通路4dを介して容器本体1内の空間(拭き取り部材である綿球部2が臨む空間)と連通する。
このとき、容器本体1の絞り部1aを押圧して変形させる動作とその押圧を解除する動作を繰り返すことによるポンピング作用により、第1の液室5内の第1の液体が蓋体4の筒状部4b内の空間、連通路4d及び容器本体1内の空間を通って綿球部2で採取した検体に添加される。この添加から第1の液体が検体に作用する所定時間が経過するまでに、必要な場合には容器全体を振動させることにより、第1の液体が検体に効率よく添加される。
第1の液体の添加から所定時間が経過した後、第2の筒体14を押圧して変形させることにより仕切り部材15の突出部15dを軸方向にほぼ垂直な方向に押すと、突出部15dがその根元にある脆弱部15eの箇所で折れて破損する。これによって、その破損により開口した箇所を介して両液室5,6が連通する。
【0028】
この後も、絞り部1aの押圧動作を繰り返すことにより、第2の液室6内の第2の液体が第1の液室5、蓋体4の筒状部4b内の空間、連通路4d、及び容器本体1内の空間を通って綿球部2に付いた検体(ここでは、第1の液体が添加された検液)に添加される。この添加から第2の液体が検体に作用するまでの所定時間が経過するまでに、必要な場合には容器全体を振動させることにより、第2の液体が検体に効率よく添加される。
この後、吐出口開閉用蓋体11を外し、綿球部2で拭き取った検体に第1の液体及び第2の液体を順次添加してできた検液を、絞り部1aの押圧動作を繰り返すことにより、吐出口10から一定量だけ他の容器上に滴下させ、次の検査工程に移る。
【0029】
このように、第1の実施の形態によれば、2種類の試薬等の液体を容器内部で順次添加することができる。したがって、図12及び図13に示す上記従来例のように、2番目に添加する試薬等の液体を容器外部でピペット等を使って検体に添加する必要がなく、検体が検査対象物の汚染物質とは別の物質で汚染されることはない。したがって、検査作業が簡単になり、正確な汚染度の判定が可能となる。
また、第1の実施の形態によれば、容器の構成部材の大部分すなわちスティック3および綿球2を除く容器の構成部材の全てが合成樹脂でできており、ガラスのような廃棄や焼却がしにくい材質のものを含んでいないので、容器の構成部材を分別せずに廃棄や焼却を行なえる。また、薄膜16が針状部17の先端で破られると第1の液体が検体に添加される構成であり、かつ、合成樹脂製の仕切り部材15が外力を受けてその脆弱部15eの箇所で破損して開口すると第2の液体が検体に添加される構成であるので、作業者にとって危険な破片が発生しない。そのため、図13に示す上記従来例のように、作業者が破損したガラスカプセル113の破片により怪我をしたり、その破片が試薬に混入したりする恐れがなく、かつ、廃棄する際に破損したガラスカプセル113を他の部材と分別する必要がない。したがって、取り扱いが安全で、廃棄や焼却がし易く、かつ、破片が試薬に混入したりしない。
また、第1の液体の添加時には第1の筒体13をねじ結合部の締め方向へ回転させると、第1の筒体13が針状部17側へ変位して薄膜16が針状部17により破られるので、第1の液体の添加作業を簡単に行なうことができる。また、第2の液体の添加時には第2の筒体14を押圧して変形させることにより、仕切り部材15の突部15dに力を加えればよいので、第2の液体の添加作業を簡単に行なうことができる。
【0030】
なお、上記第1の実施の形態において、3種類以上、例えば3種類の試薬を容器内部で順次添加できるようにするためには、例えば、前記第2の筒体14の閉塞端を開口端とし、この開口端に第2の筒体14と同様に一端側が開口した有底の筒体である第3の筒体の開口端を取り付ける共に、これら両筒体の間に、両筒体内にできる1つの空間を第2の液室と第3の液室とに仕切る仕切り部材15と同様の仕切り部材を配置すればよい。
また、上記第1の実施の形態において、綿球部2に代えて、拭き取り部材として、液体を含浸できる材質のもの例えばスポンジやガーゼを使用してもよい。
【0031】
また、上記第1の実施の形態では、蓋体4の嵌合部4aが容器本体1の開口部内に密に嵌合しているが、その嵌合部4aを容器本体1の開口部内に螺合させるようにしてもよい。
【0032】
次に、上記第1の実施の形態で用いた仕切り部材15の変形例を、図4、図5に基づいて説明する。
まず、図4に基づいて仕切り部材15の変形例を説明する。この変形例の仕切り部材15Aは、上記仕切り部材15と同様の環状の筒部15a及び環状突部15bと、筒部15aから鈍角で折れ曲がって延びた仕切り壁部15fと、該壁部15fの中心部から鈍角で折れ曲がって軸方向に延びた板状の突出部15gとが一体に形成されたものである。この突出部15gの根元すなわち突出部15gと仕切り壁部15fとの境界部には、薄肉部の外周を切り欠いてさらに折れ易くした脆弱部15eが設けられている。この脆弱部15eは、断面が長方形の突出部15gの全周にわたって形成されている。この仕切り部材15Aも、上記仕切り部材15と同様に、ABS,PS等の硬質で脆い材質の合成樹脂でできている。
【0033】
このように構成された仕切り部材15Aでは、突出部15gの長辺を含む面に図4の矢印で示す方向の力が加わると、突出部15gが脆弱部15eの箇所で折れて破損し(開口し)、この破損により開口した箇所を介して前記両液室5,6が連通する。
この仕切り部材15Aによれば、板状の突出部15gの根元に、薄肉部の外周を切り欠いて折れ易くした脆弱部15eを設けているので、上記仕切り部材15と比べてより小さい力で突出部15gを破損させることができる。
【0034】
図5は上記仕切り部材15の別の変形例を示している。この変形例の仕切り部材15Bは、上記仕切り部材15と同様の環状の筒部15a及び環状突部15bと、筒部15aから径方向に延び、中心部に貫通孔15iを有する仕切り壁部15hと、その貫通孔15iを開閉するためのコマ15jとからなる。コマ15jは、仕切り壁部15hの面に当接する板部15kと、板部15kの一端面の中心から僅かに突出し、貫通孔15iに嵌合してこの孔を塞ぐ栓となる短軸部15mと、板部15kの他端面の中心からこの面に垂直な方向に十分な長さだけ突出した長軸部15nとから構成されている。仕切り部材15Bは、ABS等の硬質の合成樹脂でできている。
【0035】
このように構成された仕切り部材15Bでは、図5で示すようにコマ15jの短軸部15mが貫通孔15iを塞いだ状態で、コマ15jの長軸部15nに同図の矢印で示す方向の力が加わると、短軸部15mが貫通孔15iから外れて貫通孔15iが開き(開口し)、この貫通孔15iを介して前記両液室5,6が連通する。
この仕切り部材15Bによれば、コマ15jの短軸部15mにより貫通孔15ikを開閉する形式であり、上述した仕切り部材15,15Aとは異なり、外力を受けて破損する構成ではないので、再利用に適し、資源の節約及びコストの低減を図ることができる。
【0036】
次に、上記第1の実施の形態に係る環境衛生検査用の検体採取容器の変形例を図6に基づいて説明する。
この変形例の検体採取容器は、蓋体4の筒状部4bの外周面には、突起4eのみが設けられ、前記雄ねじ4fが設けられていない点、及び、第1の筒体13の外側筒部13bの内周面には、突起4eと係合する位置決め用の係止部13cのみが設けられ、前記雌ねじ13dが設けられていない点でのみ上記第1の実施の形態のものと異なる。なお、図6では、図1で示す第2の筒体14及び仕切り部材15を省略してある。
【0037】
この変形例における突起4eと係止部13cの形状及び両部材の係合関係は、上記第1の実施の形態のものとほぼ同じで、次のようになっている。
係止部13cの凹部を突起4eに係合させると、第1の筒体13が、薄膜16が針状部17の先端から所定距離だけ離れた基準位置(図6の位置)に位置決めされて蓋体4に保持されるようになっている。また、その基準位置で、第1の筒体13を後退方向(図6で左方向)へ変位させようとしても、係止部13cの右側凸部13c1が突起4eに当たり、筒体13の後退方向への変位が阻止されるので、筒体13が蓋体4から抜けないようになっている。さらに、その基準位置で、第1の筒体13を一定の大きさ以上の力で前進方向(図6で右方向)へ変位させると(押し込むと)、外側筒部13bの弾性変形により係止部13cの左側凸部13c2が突起4eを乗り越え、この突起4eが係止部13cの凹部から外れるので、第1の筒体13が基準位置から針状部17側へのみ変位できるようになっている。
【0038】
このような構成により、この変形例の検体採取容器では、第1の筒体13を一定の大きさ以上の力で前進方向へ押し込むと、第1の筒体13が蓋体4に対して図69で示す基準位置から右方へ変位し、薄膜16が針状部17で破られて第1の液室5が開口する。これによって、第1の液室5が、蓋体4の筒状部4b内の空間及び連通路4dを介して容器本体1内の空間と連通する。
この変形例によれば、上記第1の実施の形態における雄ねじ4fと雌ねじ13dを設けていないので、その分だけ構成が簡単になり、製造が容易となり、コストを低減できる。
【0039】
次に、上記第1の実施の形態に係る環境衛生検査用の検体採取容器の別の変形例を図7及び図8に基づいて説明する。図8は図7の一部拡大図である◎
この変形例の検体採取容器は、上記第1の実施の形態において、前記蓋体4及び第1の筒体13の構成のみを変更したものである。なお、図7では、図1で示す第2の筒体14及び仕切り部材15を省略してある。
この変形例では、第1の実施の形態における蓋体4に相当する蓋体4Aには雄ねじ4fが設けられておらず、蓋体4Aの筒状部4bの開口端近くの内周面にV字形の突起4gが設けられている。一方、第1の筒体13Aは、第1の実施の形態における第1の筒体13を外側筒部13bのない構造に変形したもので、この筒体13Aには前記雌ねじ13dが設けられていない。第1の筒体13Aの筒状部13fの外周面には、突起4gと係合する位置決め用の係止部13gが設けられている。この係止部13gはV字形の溝であり、この溝の右側傾斜面はその左側傾斜面より勾配が急になっている(図8参照)。
【0040】
この変形例における突起4gと係止部13gの係合関係は、次のようになっている。
蓋体4Aの突起4gが第1の筒体13Aの係止部13gと係合するように第1の筒体13Aを蓋体4Aに嵌合させると、第1の筒体13Aが、薄膜16が針状部17の先端から所定距離だけ離れた基準位置(図7の位置)に位置決めされて蓋体4Aに保持されるようになっている。また、その基準位置で、第1の筒体13Aを後退方向(図7で左方向)へ変位させようとしても、係止部13gの右側傾斜面が突起4gに当たり、筒体13Aの後退方向への変位が阻止されるので、筒体13Aが蓋体4Aから抜けないようになっている。さらに、その基準位置で、第1の筒体13Aを一定の大きさ以上の力で前進方向(図7の矢印で示す方向)へ変位させると、蓋体4Aの筒状部4bの開口端側が弾性変形により拡径し、突起4gが係止部13gの左側傾斜面を乗り越え、この突起4gがV字形の溝である係止部13gから外れるので、第1の筒体13Aが基準位置から針状部17側へのみ変位できるようになっている。
【0041】
したがって、この変形例では、第1の筒体13Aを一定の大きさ以上の力で前進方向へ押し込むと、第1の筒体13Aが蓋体4Aに対して図7の基準位置から右方へ変位し、薄膜16が針状部17で破られて第1の液室5の一部が開口する。これによって、第1の液室5が蓋体4Aの筒状部4b内の空間及び連通路4dを介して容器本体1内の空間と連通する。
【0042】
以上の説明から明らかなように、図1で示す第1の実施の形態では、前記第1の開口手段8は保持部(突起4e及び係止部13c)とねじ結合部(雄ねじ4fと雌ねじ13d)を含み、第1の筒体13を締め方向へ回転すると同筒体13が針状部17側へ変位する構成(ねじ式の開口手段)である。これに対して、図6に示す変形例では、第1の開口手段8は、突起4eと係止部13cとからなる保持部を含み、第1の筒体13Aを右方へ押し込むと同筒体が針状部17側へ変位する構成(押し込み式の開口手段)であり、かつ図7に示す別の変形例では、第1の開口手段8は、突起4gと係止部13gとからなる保持部を含み、第1の筒体13Aを右方へ押し込むと同筒体が針状部17側へ変位する構成(押し込み式の開口手段)である。
【0043】
次に、本発明の第2の実施の形態に係る環境衛生検査用の検体採取容器を図9及び図10に基づいて説明する。図9は第2の実施の形態に係る検体採取容器を、図1に示す第1の実施の形態に係る検体採取容器と同じ構成を有する容器本体1及びスティック3の途中から先端側を省略して示しており、図10は図9の一部拡大図である。
この検体採取容器は、上記第1の実施の形態において、第1の筒体13に僅かな変更を加えると共に、第2の開口手段9として、仕切り部材15を含む折り欠き式の開口手段に代えて、第1の開口手段8と同様の前記ねじ式の開口手段を用いたものである。すなわち、第1の実施の形態では、第1の開口手段8にねじ式の構造を、第2の開口手段9に折り欠き式の構造を採用しているのに対して、第2の実施の形態では、第1の開口手段8と第2の開口手段9の両方にねじ式の構造を採用している。
【0044】
具体的には、第2の実施の形態の検体採取容器では、液室形成手段7が、蓋体4の筒状部4b内に軸方向に摺動自在に密に嵌合し、一端側の開口が薄膜16で塞がれかつ他端が開口した第1の筒体13Bと、この筒体13Bの開口部内に密に嵌合した嵌合部40aと嵌合部40aより大きい外径を有する筒状部40bとを有する第2の蓋体40と、この第2の蓋体40の筒状部40b内に軸方向に摺動自在に密に嵌合し、一端側の開口が前記第2の壁部をなす薄膜16aで塞がれかつ他端が栓20で閉塞された第2の筒体130とから構成されている。第2の蓋体40は、蓋体4と同様にABS等の硬質の合成樹脂でできており、第1の筒体13B及び第2の筒体130は、前記第1の筒体13と同様に低密度ポリエチレン等の軟質の合成樹脂でできている。
【0045】
第1の筒体13Bは、図1で示す第1の筒体13の一部を変更したもので、内側筒部13aの開口端近くの内周面に溝13hが設けられている(図10参照)と共に、外側筒部13bをこの筒部13bと内側筒部13aの連結部よりも後方へ延ばし、この延長部の後端部内周に突起13iが設けられている。第1の筒体13Bのその他の構成は,前記第1の筒体13と同じである。
【0046】
第2の蓋体40の嵌合部40aの中央には、薄膜16aを破る針状部17aがその先端を薄膜16a側へ向けて一体に形成されている。嵌合部40aの針状部17aの外側には、第1の筒体13Bの内側筒部13a内と筒状部40b内とを連通する複数の連通路(この連通路は1つであってもよい)40dが形成されている。また、嵌合部40aの外周には、第1の筒体13Bの内側筒部13aの溝13hと係合する突起40g(図10参照)が形成されている。さらに、筒状部40bの外周面には、そのほぼ中央部にある突起40eと、突起40eより後端部側に寄った位置にある雄ねじ40fと、突起40eより前方にあり第1の筒体13Bの突起13iと係合する突起40hとが設けられている。突起40eは、蓋体4の突起4eと同様に周方向にほぼ等間隔に複数個配置されている。
第2の蓋体40の嵌合部40aを第1の筒体13Bの内側筒部13a内に嵌合して、突起40hと突起13iを係合させると共に突起40gと溝13hを係合させることにより、第2の蓋体40が第1の筒体13Bに固定されている。
【0047】
前記第2の筒体130は、図1で示す第1の筒体13とほぼ同じ構成を有するもので、内側筒部130aと外側筒部130bを有し、両筒部が後端側で連続した2重筒構造のものである。内側筒部130aは、第2の蓋体40の筒状部40b内に気密にかつ摺動自在に嵌合しており、内側筒部130aの一端側の開口は薄膜16aで塞がれている。一方、外側筒部130bの内周面には、第2の蓋体40の突起40eと係合する位置決め用の係止部130cと、第2の蓋体40の雄ねじ40fと螺合する雌ねじ130dとが形成されている。また、外側筒部130bの外周面には、第2の筒体130を回転させる際のすべり止め用のローレット130eが切られている。
【0048】
係止部130cは第1の筒体13Bの係止部13cと同様の構成を有し、係止部130cと突起40eの結合関係は上述した第1の筒体13Bの係止部13cと蓋体4の突起4eの結合関係と同じである。すなわち、第2の筒体130が、係止部130cと突起40eの係合により、基準位置(図9の位置)に位置決めされかつこの位置から針状部17a側へのみ変位可能に第2の蓋体40に保持されるようになっている。
【0049】
このように構成された第2の実施の形態では、蓋体4の筒状部40b内の空間と第1の筒体13Bの内側筒部13a内の空間とが薄膜(第1の薄膜)16で仕切られていると共に、内側筒部13a内の空間と連通路40dを介して連通した第2の蓋体40の筒状部40b内の空間と、第2の筒体130の内側筒部130a内の空間とが薄膜(第2の薄膜)16aで仕切られている。そして、両薄膜16,16aの間の密閉された空間が第1の液室5になっており、薄膜16aと栓20の間の密閉された空間が第2の液室6になっている。
【0050】
このような構成により、検体を採取した綿球部2及びスティック3を容器本体1内に挿入して蓋体4の嵌合部4aを容器本体1の開口部内に密に嵌合した状態で、第1の筒体13Bを一定の大きさ以上の外力で締め方向へ回転(例えば右回転)すると、第1の筒体13Bが蓋体4に対して図9で示す基準位置から右方へ変位し、薄膜16が針状部17で破られて第1の液室5の一部が開口する。これによって、第1の液室5が蓋体4内の空間及び連通路4dを介して容器本体1内の空間と連通する。
この後、容器本体1の絞り部1aを押圧する動作を繰り返すことにより、第1の液体が第1の液室5内から蓋体4の筒状部4b内の空間、連通路4d及び容器本体1内の空間を通って綿球部2で採取した検体に添加される。
第1の液体の添加から所定時間が経過した後、第2の筒体130を一定の大きさ以上の外力で締め方向へ回転(例えば右回転)すると、第1の筒体130が第2の筒体40に対して図9で示す基準位置から右方へ変位し、薄膜16aが針状部17aで破られて第2の液室6の一部が開口する。これによって、第2の液室6が既に開口している第1の液室5、蓋体4の筒状部4b内の空間、及び連通路4dを介して容器本体1内の空間と連通する。
この後、絞り部1aを押圧する動作を繰り返すことにより、第1の液体が第2の液室6内から第1の液室、蓋体4内の空間、連通路4d及び容器本体1内の空間を通って検体に添加される。
第2の実施の形態によれば、第1の筒体13Bを締め方向へ回転(例えば右回転)させ、さらに第3の筒体130を締め方向へ回転(例えば右回転)させるという、熟練を必要としない簡単な操作により、第1の液体及び第2の液体を、密閉された容器内部において綿球部2で拭き取った検体に順次添加することができる。そのため、2種類の試薬等の液体を検体に添加するような検査を行う場合に、操作が簡単になり、検体(検液)が検査対象物に付いた汚染物質以外の物質で汚染される可能性が極めて低くなり、正確な汚染度の判定を行うことができる。
【0051】
また、第2の実施の形態によれば、綿球部2及びスティック3を除く容器の構成部材の全てを合成樹脂で作っており、ガラスのように廃棄や焼却がしにくく、その破片により怪我をしたりする恐れのある材質のものを使っていないので、破片により怪我をすることもなく、安全に扱うことができ、廃棄や焼却がし易く、かつ、検体に添加される試薬に破片等が混入しない。
【0052】
なお、第2の実施の形態において、第1の液体を添加する際には第1の筒体13Bを締め方向に回転(右回転)させ、かつ、第2の液体を添加する際には第2の筒体130を緩み方向に回転(左回転)させるように構成してもよい。
【0053】
次に、本発明の第3の実施の形態に係る環境衛生検査用の検体採取容器を図11に基づいて説明する。
この検体採取容器は、第1の開口手段8及び第2の開口手段9の両方に前記折り欠き式の構造を採用している点で図1に示す第1の実施の形態と異なる。
【0054】
具体的には、この検体採取容器の蓋体41は、ABS等の硬質の合成樹脂でできており、容器本体1の開口部内に密に嵌合した嵌合部41aと、該嵌合部41aより大きな外径を有する筒状部41bとから構成されている。嵌合部41aの先端側中央には取付穴41cが形成されており、かつ、嵌合部41aの取付穴41cの外側には、嵌合部41aの後端側内部にできる空間と容器本体1内の空間とを連通する複数の連通路(この連通路は1つであってもよい)41dが形成されている。取付穴41cには、スティック3の端部が挿入されて取外し可能に固定されている。
【0055】
また、この検体採取容器では、2つの独立した液室を形成する液室形成手段7が、両端が開口した筒体で一端側が蓋体41に固定された第1の筒体131と、一端側が開口した有底の筒体で、その開口端を第1の筒体131の他端側の開口端と合致させて第1の筒体131に固定された第2の筒体14と、蓋体41と第1の筒体131の間に固定された前記第1の壁部をなす第1の仕切り部材15Eと、両筒体131,14の間に固定された前記第2の壁部をなす第2の仕切り部材15Fとから構成されている。第1の仕切り部材15Eは、容器本体1内の空間に連通する蓋体41内の空間と、両筒体131,14により形成される1つの空間とを仕切っている。一方、第2の仕切り部材15Fは、両筒体131,14により形成される1つの空間を、第1の液室5と第2の液室6に仕切っている。
【0056】
第1の筒体131は、蓋体41の筒状部41bの外周に密に嵌合する大径筒部131aと、該筒部より外径の小さい小径筒部131bと、両筒部を接続する段差部とを備えている。第1の仕切り部材15Eは、蓋体41の筒状部41bの内周全体及び第1の筒体131の内周にそれぞれ気密に嵌合する環状の筒部15sと、この筒部の外周に形成された環状突部15bと、筒部15sの左端部から鋭角に折れ曲がって延びた仕切り壁部15cと、該壁部15cの中心部から鋭角に折れ曲がって軸方向に延びた棒状の突出部15dとが一体に形成されたものである。この突出部15dの根元が薄肉の脆弱部15eになっている。第2の仕切り部材15Fは第1の仕切り部材15Eと同じ構成を有する。なお、両筒体131,14は、それぞれ低密度ポリエチレン等の軟質の合成樹脂でできている。また、両仕切り部材15E,15FはABS等の硬質の合成樹脂でできている。
【0057】
第1の筒体131は、その段差部と蓋体41の筒状部41bの間で仕切り部材15Eの環状突部15bを挟み、大径筒部131bを筒状部41bにきつく嵌合させることにより蓋体41に固定されている。一方、第2の筒体14は、その開口を第1の筒体131の開口に合致させ、両筒体131,14間で仕切り部材15Fの環状突部15bを挟んだ状態で、両筒体のフランジ部を溶着することにより、第1の筒体131に固定されている。
【0058】
このように構成された検体採取容器では、検体を採取した綿球部2及びスティック3を容器本体1に挿入して蓋体41の嵌合部41aを容器本体1の開口部内に密に嵌合した後、第1の筒体131を押圧して変形させることにより仕切り部材15Eの突出部15dを軸方向にほぼ垂直な方向(図11の矢印で示す方向)に押すと、突出部15dがその根元にある脆弱部15eの箇所で折れて破損し、第1の液室5が開口する。これによって、第1の液室5が、仕切り部材15Eの筒部15s内及び蓋体41の筒状部41b内の空間及び連通路41dを介して容器本体1内の空間と連通する。この後、絞り部1aの押圧動作を繰り返すことにより、第1の液体が綿球部2で採取した検体に添加される。
この添加から所定時間が経過した後、第2の筒体14を押圧して変形させることにより仕切り部材15Fの突出部15dを軸方向にほぼ垂直な方向に押すと、突出部15dがその根元にある脆弱部15eの箇所で折れて破損し、第2の液室6が開口する。これによって、第2の液室6が、既に開口した第1の液室5、筒部15s内及び蓋体41の筒状部41b内の空間、及び連通路41dを介して容器本体1内の空間と連通する。この後、絞り部1aの押圧動作を繰り返すことにより、第2の液体が綿球部2で採取した検体に添加される。
このように、第3の実施の形態によれば、第1の液体の添加時には第1の筒体131を押圧して変形させると共に、第2の液体の添加時には第2の筒体14を押圧して変形させるという、熟練を必要としない簡単な操作により、第1の液体及び第2の液体を、密閉された容器内部において検体に順次添加することができる。そのため、2種類の試薬等の液体を検体に添加するような検査を行う場合に、操作が簡単になり、検体(検液)が検査対象物に付いた汚染物質以外の物質で汚染される可能性が極めて低くなり、正確な汚染度の判定を行うことができる。
【0059】
また、第3の実施の形態によれば、上記各実施の形態と同様に、破片により怪我をすることもなく、安全に扱うことができ、廃棄や焼却がし易く、破片が試薬に混入したりしない、という効果が得られる。
【0060】
なお、第3の実施の形態において、蓋体41の嵌合部41aに複数の連通路41dを設ける代わりに、取付穴41cを貫通孔に変更し、スティック3を一端側が開口したパイプ状に形成することにより、蓋体41内の空間をスティック3内の空間(綿球部2が臨む空間)と直接連通するように構成してもよい。
なお、上記各実施の形態において、3種類以上の試薬を容器内部で検体に添加できるようにするために、液室形成手段7が3つ以上の液室を形成するように構成する場合、各液室に対応する各開口手段を、前記ねじ式の構造、押し込み式の構造、折り欠き式の構造及び図8に示すようなコマ式の構造のいずれか1つを適宜選択して構成することができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、検体を拭き取った拭き取り部材及びスティックを容器本体内に挿入して蓋体の嵌合部を容器本体の開口部内に密に嵌合した状態で、第1の開口手段により第1の壁部を開口させると、第1の液室が蓋体の筒状部内の空間と連通するので、第1の液体が蓋体の筒状部内の空間及び拭き取り部材が臨む空間を通って拭き取り部材に付着した検体に添加され、この後、第2の開口手段により第2の壁部を開口させると、第2の液室が第1の液室と連通するので、第2の液体が第1の液室、蓋体の筒状部内の空間及び拭き取り部材が臨む空間を通って検体に添加される。したがって、2種類以上の試薬等の液体を容器内部で順次添加することができる。また、試薬等の液体を容器外部でピペット等を使って検体に添加する必要がなく、検体が検査対象物の汚染物質とは別の物質で汚染されることはない。したがって、検査作業が簡単になり、かつ、正確な汚染度の判定が可能となる。
【0062】
請求項2記載の発明によれば、容器の構成部材の大部分が合成樹脂でできており、ガラスのような廃棄や焼却がしにくい材質のものを含んでいないので、その構成部材を分別せずに廃棄や焼却を行なえる。また、薄膜が針状部の先端で破られると第1の液体が検体に添加されると共に、合成樹脂製の仕切り部材の開口形成部が外力を受けて第2の壁部を開口すると第2の液体が検体に添加されるので、作業者にとって危険な破片が発生しない。そのため、図13に示す上記従来例のように、作業者が破損したガラスカプセル113の破片により怪我をしたり、その破片が試薬に混入したりする恐れがなく、かつ、廃棄する際に破損したガラスカプセル113を他の部材と分別する必要がない。したがって、取り扱いが安全で、廃棄や焼却がし易く、かつ、破片が試薬に混入したりしない。また、第1の液体の添加時には第1の筒体を針状部側へ変位させればよく、第2の液体の添加時には第2の筒体を押圧して変形させればよいので、液体の添加作業を簡単に行なうことができる。
【0063】
請求項3記載の発明によれば、第1の筒体をねじ結合部の締め方向又は緩め方向のいずれか一方へ回転させると、第1の筒体が針状部側へ変位して薄膜が針状部により破られるので、第1の液体の添加時に第1の筒体に力を加え易く、第1の筒体を針状部側へ容易に変位させることができる。
【0064】
請求項4記載の発明によれば、第2の液体の添加時には、第2の筒体を押圧して突部に外力を加えると、突部がその根本に設けられた薄肉の脆弱部の箇所で折れて第2の壁部が開口するので、突部のできるだけ先端に近い箇所に外力を加えることにより、突部をより小さい力で折ることができ、第2の液体の添加を容易に行なえる。
【0065】
請求項5記載の発明によれば、容器の構成部材を分別せずに廃棄や焼却を行なえる。また、第1の薄膜が第1の針状部の先端で破られると第1の液体が検体に添加されると共に、第2の薄膜が第2の針状部の先端で破られると第2の液体が検体に添加されるので、作業者にとって危険な破片が発生しない。したがって、取り扱いが安全で、廃棄や焼却がし易く、かつ、破片が試薬に混入したりしない。さらに、第1の液体の添加時には第1の筒体を針状部側へ、第2の液体の添加時には第2の筒体を針状部側へそれぞれ変位させればよいので、液体の添加作業を簡単に行なうことができる。
【0066】
請求項6記載の発明によれば、容器の構成部材を分別せずに廃棄や焼却を行なえる。また、合成樹脂製の第1の仕切り部材の開口形成部が外力を受けて第1の壁部を開口すると第1の液体が検体に添加され、合成樹脂製の第2の仕切り部材の開口形成部が外力を受けて第2の壁部を開口すると第2の液体が検体に添加されるので、作業者にとって危険な破片が発生しない。したがって、取り扱いが安全で、廃棄や焼却がし易く、かつ、破片が試薬に混入したりしない。さらに、第1の液体の添加時には第1の筒体を押圧して変形させ、第2の液体の添加時には第2の筒体を押圧して変形させればよいので、液体の添加作業を簡単に行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る環境衛生検査用の検体採取容器を示す縦断面図。
【図2】図1の一部を拡大して示した縦断面図。
【図3】図1で示す検体採取容器の外観を示す平面図。
【図4】図1で示す検体採取容器で用いた仕切り部材の変形例を示す断面図。
【図5】図1で示す検体採取容器で用いた仕切り部材の別の変形例を示す断面図。
【図6】図1に示す第1の実施の形態の変形例を、一部を省略して示した縦断面図。
【図7】図1に示す第1の実施の形態の別の変形例を、一部を省略して示した縦断面図。
【図8】図7の一部を拡大して示した断面図。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係る環境衛生検査用の検体採取容器を示す縦断面図。
【図10】図9の一部を拡大して示した断面図。
【図11】本発明の第3の実施の形態に係る環境衛生検査用の検体採取容器を示す縦断面図。
【図12】従来例を示す縦断面図。
【図13】別の従来例を示す縦断面図。
【符号の説明】
1 容器本体
1a 絞り部
2 綿球部(拭き取り部材)
3 スティック
4,4A,41 蓋体
4a,40a,41a 嵌合部
4b,40b,41b 筒状部
4c 取付穴
4d,40d,41d 連通路
4e,40e 突起(保持部)
4f 雄ねじ(ねじ結合部)
5 第1の液室
6 第2の液室
7 液室形成手段
8 第1の開口手段
9 第2の開口手段
10 吐出口
11 吐出口開閉用蓋体
12 連結紐
13,13A,13B,131 第1の筒体
13c,130c 係止部(保持部)
13d 雌ねじ(ねじ結合部)
14,130 第2の筒体
15,15A〜15F 仕切り部材(拭き取り部材)
15e 脆弱部(開口形成部)
16,16a 薄膜
17,17a 針状部
40 第2の蓋体
Claims (6)
- 一端側が開口した合成樹脂製の筒状の容器本体と、拭き取り部材付きのスティックを保持し、該スティック及び拭き取り部材を容器本体内に挿入した状態で容器本体の開口部内に密に嵌合する嵌合部と前記拭き取り部材が臨む空間に連通する筒状部とを有する合成樹脂製の蓋体と、第1の液体が内部に充填され、前記蓋体の筒状部内の空間と第1の壁部で仕切られた第1の液室、及び第2の液体が内部に充填され、前記第1の液室と第2の壁部で仕切られた第2の液室を含む少なくとも2つの独立した液室を形成する液室形成手段と、前記第1の壁部を外力により開口させる第1の開口手段と、前記第2の壁部を外力により開口させる第2の開口手段とを備えていることを特徴とする環境衛生検査用の検体採取容器。
- 前記液室形成手段は、前記蓋体の筒状部内に軸方向に摺動自在に密に嵌合した筒体で、一端側の開口が前記第1の壁部をなす薄膜で塞がれかつ他端が開口した合成樹脂製の第1の筒体と、一端側が開口した有底の筒体で、その開口端を前記第1の筒体の開口端と合致させて第1の筒体に固定された押圧により変形可能な合成樹脂製の第2の筒体と、前記両筒体により形成される1つの空間内を前記第1の液室と第2の液室に仕切る前記第2の壁部をなす合成樹脂製の仕切り部材とからなり、前記第1の開口手段は、前記蓋体の嵌合部と一体に形成されて前記薄膜を破る針状部と、前記第1の筒体を、前記薄膜が前記針状部の先端から所定距離だけ離れた位置に位置決めすると共に前記針状部側へのみ変位可能に保持する保持部とを含み、かつ、前記第2の開口手段は、前記第2の筒体を介して外力を受けると前記第2の壁部を開口するように前記仕切り部材の一部に形成された開口形成部を含むことを特徴とする環境衛生検査用の検体採取容器。
- 前記第1の開口手段は、前記蓋体の筒状部と前記第1の筒体を螺合するねじ結合部を含んでいることを特徴とする請求項2記載の環境衛生検査用の検体採取容器。
- 前記仕切り部材の開口形成部は、前記第2の壁部から軸方向に延びた突部と、該突部の根元に設けられた薄肉の脆弱部とから構成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の環境衛生検査用の検体採取容器。
- 前記液室形成手段は、前記蓋体の筒状部内に軸方向に摺動自在に密に嵌合した筒体で、一端側の開口が前記第1の壁部をなす第1の薄膜で塞がれかつ他端が開口した合成樹脂製の第1の筒体と、該筒体の他端側開口部内に嵌合する嵌合部及び第1の筒体内の空間と連通する空間を形成しかつ他端が開口した筒状部を有する合成樹脂製の第2の蓋体と、該蓋体の筒状部内に軸方向に摺動自在に密に嵌合した筒体で、前記第1の薄膜との間に前記第1の液室を形成するように一端側の開口が前記第2の壁部をなす第2の薄膜で塞がれかつ該薄膜との間に前記第2の液室を形成するように他端が閉塞した合成樹脂製の第2の筒体とからなり、前記第1の開口手段は、前記蓋体の嵌合部と一体に形成されて前記第1の薄膜を破る第1の針状部と、前記第1の筒体を、前記第1の薄膜が前記第1の針状部の先端から所定距離だけ離れた位置に位置決めすると共に第1の針状部側へのみ変位可能に保持する第1の保持部とを含み、かつ、前記第2の開口手段は、前記第2の蓋体の嵌合部と一体に形成されて前記第2の薄膜を破る第2の針状部と、前記第2の筒体を、前記第2の薄膜が前記第2の針状部の先端から所定距離だけ離れた位置に位置決めすると共に前記第2の筒体を第2の針状部側へのみ変位可能に保持する第2の保持部とを含むことを特徴とする請求項1記載の環境衛生検査用の検体採取容器。
- 前記液室形成手段は、両端が開口した筒体で、一端側開口端が前記蓋体の筒状部の外周に密に嵌合した押圧により変形可能な合成樹脂製の第1の筒体と、一端側が開口した有底の筒体で、その開口端を前記第1の筒体の他端側開口端と合致させて第1の筒体に固定された押圧により変形可能な合成樹脂製の第2の筒体と、前記第1の壁部を有する合成樹脂製の第1の仕切り部材と、前記第2の壁部を有し、前記第1の仕切り部材で仕切られて前記両筒体内にできる1つの空間を前記第1の液室と第2の液室に仕切る合成樹脂製の第2の仕切り部材とからなり、前記第1の開口手段は、前記第1の筒体を介して外力を受けると前記第1の壁部を開口するように前記第1の仕切り部材の一部に形成された開口形成部を含み、かつ、前記第2の開口手段は、前記第2の筒体を介して外力を受けると前記第2の壁部を開口するように前記第2の仕切り部材の一部に形成された開口形成部を含むことを特徴とする請求項1記載の環境衛生検査用の検体採取容器。
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