JPH11183176A - 音叉型振動子及び音叉型振動ジャイロ - Google Patents

音叉型振動子及び音叉型振動ジャイロ

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JPH11183176A
JPH11183176A JP9349738A JP34973897A JPH11183176A JP H11183176 A JPH11183176 A JP H11183176A JP 9349738 A JP9349738 A JP 9349738A JP 34973897 A JP34973897 A JP 34973897A JP H11183176 A JPH11183176 A JP H11183176A
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inertia
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JP9349738A
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Masaki Yanai
雅紀 谷内
Hiroshi Ishikawa
寛 石川
Yoshio Sato
良夫 佐藤
Kazuji Kikuchi
一二 菊池
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Fujitsu Ltd
Fujitsu Towa Electron Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Fujitsu Towa Electron Ltd
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    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01CMEASURING DISTANCES, LEVELS OR BEARINGS; SURVEYING; NAVIGATION; GYROSCOPIC INSTRUMENTS; PHOTOGRAMMETRY OR VIDEOGRAMMETRY
    • G01C19/00Gyroscopes; Turn-sensitive devices using vibrating masses; Turn-sensitive devices without moving masses; Measuring angular rate using gyroscopic effects
    • G01C19/56Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces
    • G01C19/5607Turn-sensitive devices using vibrating masses, e.g. vibratory angular rate sensors based on Coriolis forces using vibrating tuning forks

Abstract

(57)【要約】 【課題】 全長を長くすることなく捩り振動のQ値を高
めることができる音叉型振動子を提供する。 【解決手段】 音叉型振動子1において、両アーム2,
3間の中心位置である捩り振動の中心軸から両アーム
2,3の重心位置までの距離である回転半径の二乗に、
両アーム2,3の質量を乗算して求められるアーム2,
3の慣性モーメントに対する、ベース4の部分質量に同
一の捩り振動の中心軸からの回転半径の二乗を乗算して
求められるベース4の慣性モーメントの総和が1.0 以上
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音叉を形成する2
つのアームと、これらを支持するベースとを有し、両ア
ームが捩り振動する音叉型振動子、及び、音叉型振動子
を備えて回転角速度を検出する音叉型振動ジャイロに関
する。
【0002】
【従来の技術】ジャイロスコープは、航空機,大型船
舶,宇宙衛星等の移動体の位置を確認する手段として使
用されており、最近では、民生用の分野でカーナビゲー
ション,VTR,スチルカメラ等の機器の手振れの検出
用としても利用されている。
【0003】このようなジャイロスコープの中で、圧電
体を使った振動ジャイロが実用化されている。圧電振動
ジャイロは、所定振動している物体に回転角速度が加わ
ると、その振動と直角の方向にコリオリ力が生じる原理
を利用している。このような圧電振動ジャイロとして種
々のタイプのものが提案されているが、特に最近では、
圧電単結晶を材料とした音叉型振動ジャイロの研究が盛
んに行われており、その技術開発には小型化,低背化が
求められている。
【0004】図16は、音叉型振動ジャイロに使用される
音叉型振動子1の一般的な構成を示す斜視図である。音
叉型振動子1は、底面が例えば正方形である直方体状を
なす2つのアーム2,3と、両アーム2,3を支持する
直方体状のベース4とを有する。これらのアーム2,3
及びベース4は、LiTaO3 ,LiNbO3 等の圧電
単結晶で一体的に構成されている。そして、このような
構成の音叉型振動子1を、回転角速度を検出する物体に
取り付け、音叉型振動子1の両アーム2,3を捩り振動
させ、その物体に回転角速度が加わった場合にその捩り
振動と直角の方向に生じるコリオリ力に伴う起電力を検
出して、その物体の回転角速度を検出する。
【0005】図17に、このような音叉型振動子1の捩り
振動の様子を示す。図17において、矢印は捩り振動の方
向を示し、また、捩り振動前の両アーム2,3の位置を
点線で表し、捩り振動後の両アーム2,3の位置を実線
で表している。図17に示すような捩り振動が発生した場
合、その振動は両アーム2,3だけでなくベース4の回
転も生じさせてしまう。このような場合に、音叉型振動
子1の支持部(ノード部)は回転の中心部分に限られる
ことになって、外部振動に対する支持が弱くなるという
問題がある。一方、強固に支持するようにすれば、Q値
が低下するという問題が生じる。
【0006】このような問題を解消するために、図18に
示すような構成の音叉型振動子1が提案されている。こ
の音叉型振動子1は、アーム2,3に加えて、そのベー
ス4の反対側の面に2つのアーム12,13を形成したH型
の構成をなす。このH型の音叉型振動子1では、アーム
2,3とアーム12,13とでそれぞれ捩り振動を生じさ
せ、両捩り振動にて相捩じれの状態を形成してベース4
の回転をなくすようにする。この結果、外部振動に対す
る支持が容易になり、捩り振動のQ値を高くすることが
できる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図18に
示すようなH型の音叉型振動子1では、アーム12,13の
分だけ全長が長くなって大型化し、音叉型振動ジャイロ
の小型化,低背化の要求を満たさないという問題があ
り、また、上側のアーム2,3と下側のアーム12,13と
のバランスをとらなければならず、そのためアームの加
工が難しくて量産性が悪くなり、加工コスト,部品コス
トが高くなるという問題がある。
【0008】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、全長を長くすることなくQ値を高めることがで
きると共に量産性が良い音叉型振動子、及び、これを使
用する音叉型振動ジャイロを提供することを目的とす
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る音叉型振
動子は、音叉を形成する2つのアームと、これらを支持
するベースとを有し、前記両アームが捩り振動する音叉
型振動子において、前記両アームの捩り振動の中心軸か
ら前記両アームの重心位置までの距離の二乗に前記両ア
ームの質量を乗算した前記両アームの慣性モーメントに
対する、前記ベースの部分質量に前記捩り振動の中心軸
からの回転半径の二乗を乗算した前記ベースの慣性モー
メントの総和が1.0 以上であることを特徴とする。
【0010】請求項2に係る音叉型振動子は、請求項1
において、前記アームの幅に対する前記ベースの幅の比
が1.0 以上であることを特徴とする。
【0011】請求項3に係る音叉型振動子は、請求項1
において、前記アームの長さが前記ベースの長さより長
いことを特徴とする。
【0012】請求項4に係る音叉型振動子は、請求項1
において、前記ベースは、ベース本体部と、1または複
数の付加質量部とを有し、前記ベース本体部及び付加質
量部とにて前記ベースの慣性モーメントを形成するよう
に構成したことを特徴とする。
【0013】請求項5に係る音叉型振動子は、請求項4
において、前記付加質量部は、50kg/cm2 以上の硬
さを有することを特徴とする。
【0014】請求項6に係る音叉型振動子は、請求項4
または5において、前記ベースは、前記ベース本体部と
前記付加質量部とを接着させる接着部を更に有し、該接
着部は使用温度範囲内で50kg/cm2 以上の硬さを有
することを特徴とする。
【0015】請求項7に係る音叉型振動子は、請求項1
〜6の何れかにおいて、前記ベースの回転運動の実質的
に中心の位置に設けられ、前記ベースを支持するための
支持部材を更に備えることを特徴とする。
【0016】請求項8に係る音叉型振動ジャイロは、請
求項1〜7の何れかに記載の音叉型振動子を有すること
を特徴とする。
【0017】ここで、本発明の原理について説明する。
図17に示すような音叉型振動子1の捩り振動に対して、
支持部がその振動を抑圧しているとした場合、言い換え
ると、支持部がその振動のエネルギの漏れを少なくして
いるとした場合、アーム2,3が発生するモーメントM
は以下のような式(1)の運動方程式になっていると考
えられる。 M=I×(d2 θ/dt2 )+Kθ …(1) 但し、 θ:捩り振動に伴うベース4の回転角度 K:支持部の反力(減衰を伴う) I:捩り振動の回転中心軸からのベース4の慣性モーメ
ントの総和(具体的には以下の(2)式で表される) I=∫r1 2 dm1 +∫r2 2 dm2 +………+∫rn 2 dmn …(2) ri (1≦i≦n):ベース4のi番目の回転半径 mi (1≦i≦n):ベース4のi番目の部分質量
【0018】よって、アーム2,3が発生するモーメン
トMを大きくして、ベース4の回転運動を示すθを小さ
くするようにすれば、ベース4の動きが少なくなり、支
持部の影響を受けにくくなることが理解できる。従っ
て、ベース4の慣性モーメントを大きくすることによっ
て、θを小さくでき、図18のような全長が長く量産性が
悪いいH型の構成にすることなく、高いQ値が得られる
音叉型振動子1の構成を実現できる。
【0019】そこで、本発明の音叉型振動子では、両ア
ームの慣性モーメントに対する、ベースの慣性モーメン
トの総和の比を1.0 以上として、Q値を高めるようにす
る。ベースの慣性モーメントを大きくする1つの手法と
して、両アーム及びベースのサイズを調整する。具体的
には、アームの幅に対するベースの幅を所定倍率以上と
するか、及び/または、アームの長さよりベースの長さ
を長くする。
【0020】ベースの慣性モーメントを大きくする他の
手法としては、慣性モーメントは必ずしも圧電体にて生
じさせる必要がない点を考慮して、ベースに1または複
数の付加質量部を設ける。但し、この付加質量部にて慣
性モーメントを生じさせるためには付加質量部が50kg
/cm2 以上の硬さを有する剛体であることが必要であ
る。また、この付加質量部をベースに設ける為の接着層
も、付加質量部と同様に50kg/cm2 以上の硬さを有
することが必要である。
【0021】また、Q値を高めるためには、更に、回転
中心位置でベースを支持するような支持部材を設けるよ
うにした方が良い。
【0022】以上のような構成により、本発明の音叉型
振動子は全長を長くすることなく高いQ値が得られる。
また、量産性が良い音叉型振動子提供できる。従って、
このような音叉型振動子を使用することにより、小型
化,低背化,低コストを実現した音叉型振動ジャイロを
提供できる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面を参照して具体的に説明する。
【0024】図1は、本発明の音叉型振動子の構成を示
す斜視図である。音叉型振動子1は、底面が例えば正方
形である直方体状をなす2つのアーム2,3と、両アー
ム2,3を支持する直方体状のベース4とを有する。2
つのアーム2,3は同形状であり、各アーム2,3の長
さ(アーム長)をLA 、各アーム2,3の幅(アーム
幅)をWA 、各アーム2,3の厚さ(アーム厚)を
A 、両アーム2,3間の距離(アーム間距離)をDと
する。また、ベース4の長さ(ベース長)をLB 、ベー
ス4の幅(ベース幅)をWB とする。
【0025】そして、このような構成の音叉型振動子1
を有する音叉型振動ジャイロを、回転角速度を検出する
物体に取り付け、音叉型振動子1の両アーム2,3を捩
り振動させ、その物体に回転角速度が加わった場合にそ
の捩り振動と直角の方向に生じるコリオリ力に伴う起電
力を検出して、その物体の回転角速度を検出する。
【0026】本発明の音叉型振動子1では、アーム2,
3の慣性モーメントに対するベース4の慣性モーメント
の総和が1.0 以上、望ましくは1.0 〜9.0 である。この
アーム2,3の慣性モーメントは、両アーム2,3間の
中心位置である捩り振動の中心軸から両アーム2,3の
重心位置までの距離である回転半径の二乗に、両アーム
2,3の質量を乗算して求められ、ベース4の慣性モー
メントの総和は、ベース4の部分質量に同一の捩じれ振
動の中心軸からの回転半径の二乗を乗算して求められ
る。
【0027】図2は、アームの慣性モーメントに対する
ベースの慣性モーメントの比の値と捩り振動のQ値との
関係を示すグラフであり、横軸に比の値、縦軸にQ値を
とって両者の特性を示している。アームの慣性モーメン
トに対するベースの慣性モーメントの比の値が大きくな
るに従って捩り振動のQ値が高くなり、その比の値が1.
0 以上である場合に、精度良い回転角速度の検出を行え
るに充分大きなQ値が得られている。なお、その比が9.
0 以上になると、Q値がほぼ一定となる反面、その比を
大きくする手段(ベース及び付加質量部)の形状が大型
化するので、実用上望ましくない。また、Q値は2000以
上が実用上ベストである。
【0028】以下、このような高いモーメントの比の値
を得るようにした本発明の実施の形態について説明す
る。
【0029】(第1の実施の形態)第1の実施の形態
は、図3に示すように、ベース4の幅(ベース幅WB
を大きくすることにより、ベース4の慣性モーメントを
大きくして、上記モーメントの比の値を大きくすること
を実現した例である。
【0030】アーム2,3の形状(アーム長LA =8.00
mm,アーム幅WA =1.00mm,アーム厚TA =1.00m
m,アーム間距離D=0.45mm)と、ベース4の長さ
(ベース長LB =4.00mm)とは一定として、ベース4
の幅(ベース幅WB )を2.90〜3.90mmの範囲で0.10m
m間隔にて変化させた場合のアーム2,3の慣性モーメ
ント(アームモーメント:MA )とベース4の慣性モー
メント(ベースモーメント:MB )とアームモーメント
に対するベースモーメントの比(モーメント比:MB
A )との測定結果を表1に示す。また、表1での結果
におけるベース幅WB とモーメント比MB /MA との関
係を表すグラフを、前者を横軸、後者を縦軸にとって図
4に示す。
【0031】
【表1】
【0032】表1,図4に示すように、ベース幅WB
大きくしていくにつれてベースモーメントMB が増加
し、モーメント比MB /MA も増加していく。そして、
ベース幅WB を少なくとも3.30mm以上とすることによ
り、1.0 より大きいモーメント比MB /MA を実現でき
ている。
【0033】また、音叉型振動子1においてベース4の
幅(ベース幅WB )を変化させた場合の支持部の変位を
シミュレーションした。その結果を図5に示す。図5の
例では、アーム2,3の長さ(アーム長LA )を7mm
で一定とし、3種類のベース幅WB についてのシミュレ
ーション結果を、横軸にアーム2,3の先端からの長
さ、縦軸に支持部の変位をとって示す。横軸の7(m
m)の位置がアーム2,3とベース4との境界位置であ
り、また、□−□はベース幅WB が10.3mm、△−△は
ベース幅WB が6.3 mm、○−○はベース幅WB が2.3
mmの場合の特性をそれぞれ示す。ベース4の幅を広げ
て慣性モーメントを大きくした場合に、ベース4の回転
が少なくなり、回転運動の変位が小さくなっていること
が分かる。
【0034】(第2の実施の形態)第2の実施の形態
は、図6に示すように、ベース4の長さ(ベース長
B )を長くすることにより、ベース4の慣性モーメン
トを大きくして、上記モーメントの比の値を大きくする
ことを実現した例である。
【0035】アーム2,3の形状(アーム長LA =8.00
mm,アーム幅WA =1.00mm,アーム厚TA =1.00m
m,アーム間距離D=0.45mm)と、ベース4の幅(ベ
ース幅WB =2.45mm)とは一定として、ベース4の長
さ(ベース長LB )を4.00〜14.00 mmの範囲で1.00m
m間隔にて変化させた場合のアーム2,3の慣性モーメ
ント(アームモーメントMA )とベース4の慣性モーメ
ント(ベースモーメントMB )とアームモーメントに対
するベースモーメントの比(モーメント比MB/MA
との測定結果を表2に示す。また、表2での結果におけ
るベース長LBとモーメント比MB /MA との関係を表
すグラフを、前者を横軸、後者を縦軸にして図7に示
す。
【0036】
【表2】
【0037】表2,図7に示すように、ベース長LB
長くしていくにつれてベースモーメントMB が増加し、
モーメント比MB /MA も増加していく。そして、ベー
ス長LB を少なくとも10.00 mm以上とすることによ
り、1.0 より大きいモーメント比MB /MA を実現でき
ている。
【0038】(第3の実施の形態)第3の実施の形態
は、図8に示すように、ベース4の両端部に接着層6を
介して付加質量部5を設けることにより、ベース4の慣
性モーメントを大きくして、上記モーメントの比の値を
大きくすることを実現した例である。付加質量部5は、
慣性モーメントとなるために50kg/cm2 以上の硬さ
を有する剛体である必要があり、付加質量部5は例えば
銅製である。なお、この付加質量部5は密度が大きい材
料で構成されている程慣性モーメント増大の効果は大き
いが、密度が低くても剛体であれば慣性モーメント増大
の効果は期待できる。また、接着層6はエポキシ樹脂製
である。
【0039】アーム2,3の形状(アーム長LA =8.00
mm,アーム幅WA =1.00mm,アーム厚TA =1.00m
m,アーム間距離D=0.45mm)と、ベース4の本体部
の形状(ベース長LB =4.00mm,ベース幅WB =2.45
mm)とは一定として、銅製の付加質量部5を設置した
ベース4の幅(ベース幅WB )を2.45〜5.45mmの範囲
で0.30mm間隔にて変化させた場合のアーム2,3の慣
性モーメント(アームモーメントMA )とベース4の慣
性モーメント(ベースモーメントMB )とアームモーメ
ントに対するベースモーメントの比(モーメント比MB
/MA )との測定結果を表3に示す。なお、表2では、
ベース幅WB =2.45mmは付加質量部5を付加していな
い場合を示しており、それから設置する銅製の付加質量
部5の幅を0.30mmずつ増加させた場合の特性を示して
いる。また、表3での結果におけるベース幅WB とモー
メント比MB /MA との関係を表すグラフを、前者を横
軸、後者を縦軸にして図9に示す。
【0040】
【表3】
【0041】ベース4に上述したような付加質量部5を
設置する場合に使用する接着層6も、付加質量部5と同
様の条件を満たす必要があり、音叉型振動子1の使用温
度範囲内で接着層6は50kg/cm2 以上の硬さを有し
ている。この接着層6の硬さと捩り振動のQ値との関係
を表すグラフを、前者を横軸、後者を縦軸にして図10に
示す。なお、図10に示す特性では、ベース4の慣性モー
メントは一定としている。接着層6の硬さに応じてQ値
が変動することが分かる。
【0042】なお、上述した例では、銅製の付加質量部
を設けるようにしたが、付加質量部の材料は、銅以外に
鉄,アルミナ,半田等の金属を使用できる。
【0043】また、上述した例では、ベース4の両端部
に付加質量部5を設けるようにしたが、ベース4の下端
部に付加質量部5を設けるような構成も可能である。図
11〜図14は、このような場合の構成例を示す図である。
図11に示す例は、ベース4の慣性を大きくするためにベ
ース4の下端部に、ベース4の幅方向に長尺である直方
体状の付加質量部5を設けた例である。図12に示す例
は、ベース4の幅方向に長尺である直方体状の付加質量
部5をベース4の下端部に設けた例である。図13に示す
例は、図11及び図12の構成を組み合わせた形状の付加質
量部5をベース4の下端部に設けた例である。図14は円
盤状の付加質量部5をベース4の下端部に設けた例であ
る。
【0044】また、図11に示すように、付加質量部5に
はその表面に絶縁膜を介して引出し電極11を設け、この
引出し電極11によってアーム2,3上の駆動電極,検出
電極と支持基板(プリント基板)上の配線とを接続する
ことも可能である。
【0045】(第4の実施の形態)図15(a),(b)
は、第4の実施の形態における音叉型振動子1の構成を
示す、斜視図,上側から見た平面図である。捩り振動の
Q値を高めるためには、回転中心位置での支持が必要で
あり、第4の実施の形態では、音叉型振動子1(ベース
4)を接続ピン12付きのステム10で支持させるための支
持部材7をベース4の下面に設ける。この支持部材7
は、ステム10への振動漏れを防ぐべく、ステム10とのア
イソレーションを図るために、ゴム状弾性体を使用す
る。アーム2,3に形成された駆動電極15,検出電極16
と接続する引出し電極13がベース4に設けられ、この引
出し電極13とステム10の接続ピン12とがリード線14で接
続される。
【0046】
【発明の効果】以上のように本発明では、ベースの幅を
大きくするか、ベースの幅を長くするか、または、ベー
スに付加質量部を設けるかして、両アームの慣性モーメ
ントに対する、ベースの慣性モーメントの総和の比を所
定値以上として、Q値を高めるようにしたので、全長を
長くすることなくQ値を高めることができる音叉型振動
子を実現できる。また、アームの難しい加工性を必要と
せず、量産性に優れる。また、回転中心位置でベースを
支持するような支持部材を設けるようにしたので、更に
Q値を高めた音叉型振動子を実現できる。そして、この
ような音叉型振動子を使用するので、小型化,低背化を
実現した高性能の音叉型振動ジャイロを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音叉型振動子の構成を示す斜視図であ
る。
【図2】アームの慣性モーメントに対するベースの慣性
モーメントの比と捩り振動のQ値との関係を表すグラフ
である。
【図3】第1の実施の形態における音叉型振動子の構成
を示す斜視図である。
【図4】ベース幅WB とモーメント比MB /MA との関
係を表すグラフである。
【図5】ベース幅WB を変化させた場合のアーム先端か
らの長さと支持部の変位との関係を表すグラフである。
【図6】第2の実施の形態における音叉型振動子の構成
を示す斜視図である。
【図7】ベース長LB とモーメント比MB /MA との関
係を表すグラフである。
【図8】第3の実施の形態における音叉型振動子の構成
を示す斜視図である。
【図9】付加質量部の幅を含むベース幅WB とモーメン
ト比MB /MA との関係を表すグラフである。
【図10】接着層の硬さと捩り振動のQ値との関係を表
すグラフである。
【図11】付加質量部の他の例を示す斜視図である。
【図12】付加質量部の更に他の例を示す斜視図であ
る。
【図13】付加質量部の更に他の例を示す斜視図であ
る。
【図14】付加質量部の更に他の例を示す斜視図であ
る。
【図15】第4の実施の形態における音叉型振動子の構
成を示す斜視図及び平面図である。
【図16】音叉型振動ジャイロに使用される音叉型振動
子の一般的構成を示す斜視図である。
【図17】音叉型振動子の捩り振動の様子を示す模式図
である。
【図18】従来の音叉型振動子の構成を示す斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 音叉型振動子 2,3 アーム 4 ベース 5 付加質量部 6 接着層 7 支持部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 寛 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 佐藤 良夫 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1番 1号 富士通株式会社内 (72)発明者 菊池 一二 神奈川県横浜市港北区新横浜3丁目18番3 号 富士通東和エレクトロン株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 音叉を形成する2つのアームと、これら
    を支持するベースとを有し、前記両アームが捩り振動す
    る音叉型振動子において、前記両アームの捩り振動の中
    心軸から前記両アームの重心位置までの距離の二乗に前
    記両アームの質量を乗算した前記両アームの慣性モーメ
    ントに対する、前記ベースの部分質量に前記捩り振動の
    中心軸からの回転半径の二乗を乗算した前記ベースの慣
    性モーメントの総和が1.0 以上であることを特徴とする
    音叉型振動子。
  2. 【請求項2】 前記アームの幅に対する前記ベースの幅
    の比が1.0 以上である請求項1記載の音叉型振動子。
  3. 【請求項3】 前記アームの長さが前記ベースの長さよ
    り長い請求項1記載の音叉型振動子。
  4. 【請求項4】 前記ベースは、ベース本体部と、1また
    は複数の付加質量部とを有し、前記ベース本体部及び付
    加質量部とにて前記ベースの慣性モーメントを形成する
    ように構成した請求項1記載の音叉型振動子。
  5. 【請求項5】 前記付加質量部は、50kg/cm2 以上
    の硬さを有する請求項4記載の音叉型振動子。
  6. 【請求項6】 前記ベースは、前記ベース本体部と前記
    付加質量部とを接着させる接着部を更に有し、該接着部
    は使用温度範囲内で50kg/cm2 以上の硬さを有する
    請求項4または5記載の音叉型振動子。
  7. 【請求項7】 前記ベースの回転運動の実質的に中心の
    位置に設けられ、前記ベースを支持するための支持部材
    を更に備える請求項1〜6の何れかに記載の音叉型振動
    子。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7の何れかに記載の音叉型振
    動子を有することを特徴とする音叉型振動ジャイロ。
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