JPH11181832A - 建設車両におけるキャビンの移動機構 - Google Patents

建設車両におけるキャビンの移動機構

Info

Publication number
JPH11181832A
JPH11181832A JP35173097A JP35173097A JPH11181832A JP H11181832 A JPH11181832 A JP H11181832A JP 35173097 A JP35173097 A JP 35173097A JP 35173097 A JP35173097 A JP 35173097A JP H11181832 A JPH11181832 A JP H11181832A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
cabin
shaft
moving mechanism
attached
fitted
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP35173097A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3950214B2 (ja
Inventor
Katsunori Misumi
剋徳 三隅
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sakai Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sakai Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sakai Heavy Industries Ltd filed Critical Sakai Heavy Industries Ltd
Priority to JP35173097A priority Critical patent/JP3950214B2/ja
Publication of JPH11181832A publication Critical patent/JPH11181832A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3950214B2 publication Critical patent/JP3950214B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Component Parts Of Construction Machinery (AREA)
  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】機構部の小型化が可能であって、メンテナンス
性にも優れ、機構部の組み付けが簡易化できる建設車両
におけるキャビンの移動機構を提供する。 【解決手段】キャビン2の移動方向に適宜間隔をおいて
一側に駆動スプロケット3、他側に従動スプロケット4
を配設するとともに、ローラチェーン7の一端部7aを
駆動スプロケット3に掛け回してキャビン2の底部2c
に固着した固定ブラケット8に取り付け、他端部7bを
従動スプロケット4に掛け回してキャビン2の底部2c
に固着した固定ブラケット9に取り付けるようにした。
さらに、一方のシャフト10に摺動可能かつ回動可能に
嵌着したキャビン支持部15を、キャビン2に固設する
とともに、他方のシャフト11に摺動可能かつ回動可能
に嵌着したキャビン支持部16を、キャビン2に、車両
の前後方向、左右方向及び上下方向の軸回りに関し回動
自在なジョイント部20を介して取り付けた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建設車両の本体に
移動可能に搭載されるキャビンの移動機構に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】路上を自走しながら路盤を掻き起こし、
地盤改良剤とともに破砕、混合を行うスタビライザ等の
建設車両においては、運転者が車両自体の走行状態や搭
載した作業装置の稼働状態を容易に視認できるようにす
る目的で、運転席を囲む筐体、いわゆるキャビンを可動
型としたタイプのものがある。図7は、この移動型キャ
ビンを搭載したスタビライザの一例を示す説明図であ
り、図7(a)は平面説明図、図7(b)は図7(a)
におけるG−G断面図である。本スタビライザ51の場
合、本体52にキャビン53を左右方向に移動可能に搭
載しており、本体52の後方中央部には掻き起こし装置
54が配置されるとともに、前方中央部にはエンジンや
油圧ポンプ等を収納したボンネット55が配置される。
したがって、本体52の中央部にキャビン53が位置し
ている場合には、これら掻き起こし装置54やボンネッ
ト55が運転者の視界を遮ることから、作業の際はその
建設現場に応じて、キャビン53を右端或いは左端に移
動させて良好な視界を確保するようにしている。
【0003】従来のキャビン53の移動機構について説
明すると、本体52の左右端部には駆動モータ(図示せ
ず)の回転軸に接続された駆動スプロケット56と従動
スプロケット57が配設され、これら両スプロケット間
にエンドレスのチェーン58がトラック状に掛け回され
ており、キャビン53は底部に取り付けたブラケット5
3′を介してこのチェーン58に取り付けられている。
また、キャビン53の重量支持は、本体52内に、左右
方向に沿って平行に配設される一対のシャフト59及び
60で行い、キャビン53の底部に固設された円筒形状
のキャビン支持部61,62がシャフト59,60にそ
れぞれ摺動可能に嵌着されている。したがって、駆動モ
ータの正逆回転により、キャビン53はチェーン58の
回動に追従し(キャビン支持部61,62は各々シャフ
ト59,60を摺動して)、左右方向に移動するように
なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来のキャビンの移動機構には、以下に示す問題点があっ
た。キャビン53は、視認性を良好にするため、なるべ
く本体52の左右端ぎりぎりの位置まで移動できる構造
であることが望ましいが、そのためには、駆動スプロケ
ット56と従動スプロケット57を本体52の左右端部
ぎりぎりに配置させなければならない。したがって、移
動機構全体の占有空間が大きくなってしまい、その他の
搭載機器や油圧管の配置設計に制限が加わるという問題
があった。また、両スプロケット間に掛け渡されるチェ
ーン58の長さが長くなることから、チェーン58のた
るみが生じやすくなり、移動機構のメンテナンスの頻度
が増加するという問題もあった。
【0005】また、一対のキャビン支持部61,62を
それぞれシャフト59,60上を摺動させることによ
り、キャビン53をスライド移動させる機構に関して
は、両シャフトが完全に平行となっていることが条件で
ある。従来はこのシャフトの平行度を出すために、先
ず、シャフト59,60を取り付けるための支持板材
(図示せず)を本体52にそれぞれ精度良く固着させな
ければならず、また、シャフト59,60をこれら支持
板材にボルトで締結固定させる際は、ボルトを一旦緩め
てシャフト59,60を自由状態にしたうえで、キャビ
ン53を最右端から最左端まで移動させて両シャフトの
平行度を出すという作業が必要となっていた。したがっ
て、極めて効率の悪い機構部の組み付け形態となってい
た。
【0006】本発明は、以上に述べた問題を解決するた
めに創作されたものであり、機構部の小型化が可能であ
って、メンテナンス性にも優れ、さらに、機構部の組み
付けが簡易化できる建設車両におけるキャビンの移動機
構を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】先ず、機構部を小型化
し、メンテナンス性の向上を図るための手段として、本
発明は、建設車両の本体に移動可能に搭載されるキャビ
ンの移動機構であって、キャビンの移動方向に適宜間隔
をおいて一側に駆動輪体、他側に従動輪体を配設すると
ともに、条体の一端部を前記駆動輪体に掛け回してキャ
ビンにおける前記他側の部位に取り付け、他端部を前記
従動輪体に掛け回してキャビンにおける前記一側の部位
に取り付けたことを特徴とする建設車両におけるキャビ
ンの移動機構を構成した。
【0008】次に、機構部の組み付けを簡易化するため
の手段として、本発明は、平行な一対の軸をキャビンの
移動方向に沿って建設車両の本体に横設し、各軸に摺動
可能かつ回動可能に嵌着したキャビン支持部にてキャビ
ンを支持し、スライド移動させるキャビンの移動機構で
あって、一方の軸に嵌着されたキャビン支持部は、キャ
ビン側に固設されているとともに、他方の軸に嵌着され
たキャビン支持部は、キャビン側に、車両の前後方向、
左右方向及び上下方向の軸回りに関し回動自在なジョイ
ント部を介して取り付けられていることを特徴とする建
設車両におけるキャビンの移動機構を構成した。なお、
前記ジョイント部として、球面軸受を介在させる構成と
すれば、構造が簡単となり、経済的なキャビンの移動機
構が実現される。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面に基づきながら説明する。図1は本発明に係るキ
ャビンの移動機構を装備したスタビライザの外観図であ
り、図1(a)はその平面図、図1(b)は同側面図、
図2はキャビンの移動機構を示す概略斜視図、図3はキ
ャビンの移動機構を示す詳細説明図であり、図3(a)
はその平面図、図3(b)は同側面図、図4は図3
(a)におけるA−A矢視図、図5は図3(a)におけ
るB−B断面図である。
【0010】図1において、符号Sはスタビライザを示
し、左右両側に走行用の履帯Cを有する本体1の上方
に、キャビン2が左右方向に移動可能に搭載され、本体
1の後方中央部には掻き起こし装置Kが配置され、掻き
起こし及び掻き起こした路盤片と地盤改良剤の混合が行
われる。ボンネットM内にはエンジン及び油圧ポンプ等
が収納される。キャビン2は縦長のボックス形状を呈し
ており、その底部の前後端には、後述するシャフト10
及び11を挿通させるための空間として切欠き2a及び
2bが施されている。
【0011】以下、図2及び図3を主に参照しながらキ
ャビン2の移動機構について説明する。本体1の上面に
はキャビン2(仮想線で示す)の移動方向、すなわち左
右方向に適宜間隔をおいて左側に駆動輪体となる駆動ス
プロケット3、右側に従動輪体となる従動スプロケット
4が配設されている。キャビン2の前寄りにおける本体
1の上面には、角パイプからなるフレーム材6が、その
両端部を本体1の側縁より若干突出するように左右方向
に沿って固着されており、従動スプロケット4は、その
回転軸心を車両の前後方向に向けて、このフレーム材6
に固着されたブラケット6a及び6bに軸支される。一
方、駆動スプロケット3は、その回転軸心を、従動スプ
ロケット4の回転軸心の方向と平行に、すなわち車両の
前後方向に向け、減速機付き油圧モータ5に接続された
回転軸5aの先端部に取り付けられる。図4に示すよう
に、駆動スプロケット3及び従動スプロケット4は、各
回転軸心が、左右方向においてスタビライザSの中心O
に対し対称となるように配置されているが、図3(a)
に示すように、その回転面同士は同一面上に配置されて
おらず、いわゆる段違いとなるように駆動スプロケット
3は従動スプロケット4よりも前寄りに位置している。
【0012】なお、本実施形態では減速機付き油圧モー
タ5として、ネガティブブレーキ機構を内蔵したものを
使用している。これは、圧油の供給がストップしたと
き、すなわちモータ部が停止状態であるとき、制動体が
作動してモータ部の回転軸に常にブレーキがかかるよう
にするための制動機構であり、後述するように、ローラ
チェーン7に取り付けられるキャビン2の移動時以外、
キャビン2を確実に固定するためのものである。
【0013】駆動スプロケット3及び従動スプロケット
4には、有端の条体であるローラチェーン7が掛けら
れ、その一端部7aは駆動スプロケット3の下側から上
側に掛け回され、従動スプロケット4が配設される側、
すなわちキャビン2の右側寄りの部位に取り付けられ、
他端部7bは従動スプロケット4の下側から上側に掛け
回され、駆動スプロケット3が配設される側、すなわち
キャビン2の左側寄りの部位に取り付けられる。本実施
形態では、ローラチェーン7の一端部7a及び他端部7
bの取り付け部位を、切欠き2aによって露呈したキャ
ビン2の底部2cとしており、底部2cの前側左右端に
固設した固定ブラケット8及び9にそれぞれ取り付けて
いる。一端部7a及び他端部7bの先端にはボルト加工
されたピンが各々取り付けられており、固定ブラケット
8,9にナットにて締結固定する態様となっている。
【0014】以上の構成により、駆動スプロケット3と
従動スプロケット4は段違いに配設されていることか
ら、ローラチェーン7は、駆動スプロケット3の上端か
ら固定ブラケット8にわたって緊張される部位と従動ス
プロケット4の上端から固定ブラケット9にわたって緊
張される部位が平行となり、駆動スプロケット3の下端
から従動スプロケット4の下端にわたって緊張される部
位は両スプロケットの段差分だけ左右方向に対し傾斜す
るようになる。無論、この傾斜角度はローラチェーン7
自体の許容偏角範囲内である。
【0015】次に、キャビン2を支持するキャビン支持
部について説明する。先ず、本体1の上面には、平行な
一対の軸となる断面真円形のシャフト10及び11が左
右方向に沿って横設される。シャフト10は、フレーム
材6の両端部に取り付けられた取り付け板12,12′
にボルトにより締結固定され、キャビン2の切欠き2a
の部位を挿通するように配置される。また、シャフト1
1は、キャビン2の後寄りに位置するフレーム材13の
両端部の取り付け板14,14′にボルトにより締結固
定され、キャビン2の切欠き2b(図1参照)の部位を
挿通するように配置される。そして、シャフト10及び
11には、キャビン2を支持するキャビン支持部15,
16が摺動可能かつ回動可能に嵌着されている。キャビ
ン支持部15,16は円筒形状を呈し、各々の両端部に
は、シャフトに接触するリング状のブッシュ(図示せ
ず)が内嵌された構造となっている。
【0016】シャフト10に嵌着されるキャビン支持部
15は、キャビン2の底部2cに取着された一対のブラ
ケット19に、ボルトにより固定されている。一方、シ
ャフト11に嵌着されるキャビン支持部16は、キャビ
ン2の底部2dに、車両の前後方向、左右方向及び上下
方向の軸回りに関し回動自在となるジョイント部20を
介して取り付けられる。本実施形態では、このジョイン
ト部20として球面軸受21を介在させる構成としてあ
る。図5に示すように、先ず、キャビン2の底部2d
に、球面軸受21を固着させたブラケット22をボルト
及びナットにより締結固定する。このとき球面軸受21
の回転軸心の方向はキャビン2の移動方向と略直交する
方向であり、本例では前後方向である。なお、球面軸受
21は、凹球面を有したケーシング21a内に凸球面体
21cを球面対偶をもって内嵌し、該凸球面体21cに
挿嵌される回転軸(本例では支持軸25)の軸心を所定
範囲内で偏角自在に支持する公知構造の軸受である。そ
して、キャビン支持部16の上部に、支持軸25用の貫
通孔が穿設された支持板23及び24を前後方向に対向
させて固着し、前記球面軸受21を支持板23,24間
に位置させて支持軸25を挿通させる。支持軸25の一
端側はボルト部25aが形成され、ナット26及びワッ
シャ27で支持板24に締結固定する。符号28はカラ
ー、符号29は給脂用のニップルである。以上の構成に
より、凸球面体21c及び支持軸25からなるジョイン
ト部20は、キャビン2に対してスタビライザSの前後
方向、左右方向及び上下方向の全ての軸まわりに関し回
動自在となる。
【0017】次に、キャビン2の移動機構の作用につい
て説明する。運転者が、キャビン2の内部に設けられた
切換スイッチをONの状態にすると、電磁弁が開いて減
速機付き油圧モータ5に圧油が供給され、駆動スプロケ
ット3が回転する。キャビン2を右方向に移動させる場
合は、駆動スプロケット3を図4に示すP方向に回転さ
せる。すると、固定ブラケット9がローラチェーン7の
他端部7bにより引っ張られると同時に、固定ブラケッ
ト8がローラチェーン7の一端部7aを引っ張ることに
より、支持部材15,16がシャフト10,11を摺動
し、キャビン2は右方向へと移動していく。逆にキャビ
ン2を左方向に移動させる場合は、駆動スプロケット3
をQ方向に回転させると、固定ブラケット8がローラチ
ェーン7の一端部7aにより引っ張られると同時に、固
定ブラケット9がローラチェーン7の他端部7bを引っ
張ることにより、キャビン2は左方向に移動する。
【0018】なお、最右端或いは最左端におけるキャビ
ン2の停止は、支持部材15,16の側面部が取り付け
板12,12′,14,14′の側面に当接したとき或
いは任意の位置で、運転者が切換スイッチをOFFにす
ることによって行われる。このOFF操作により、電磁
弁が閉じて減速機付き油圧モータ5への圧油供給がスト
ップし、モータ部の駆動が停止するとともに、内蔵した
ネガティブブレーキ機構の制動体が作動してモータ部の
回転軸にブレーキがかかり、キャビン2は確実にその停
止位置が保持される。無論、図4に示すように、キャビ
ン2が最右端に位置するときには、ローラチェーン7の
他端部7bと固定ブラケット9は従動スプロケット4と
衝突しない位置であり、同様にキャビン2が最左端に位
置したときには、ローラチェーン7の一端部7aと固定
ブラケット8は駆動スプロケット3と衝突しない位置で
ある。
【0019】以上のように、キャビン2の移動方向に適
宜間隔をおいて一側に駆動スプロケット3、他側に従動
スプロケット4を配設するとともに、ローラチェーン7
の一端部7aを駆動スプロケット3に掛け回してキャビ
ン2の前記他側の部位に取り付けた固定ブラケット8に
取着し、他端部7bを従動スプロケット4に掛け回して
キャビン2の前記一側の部位に取り付けた固定ブラケッ
ト9に取着させる構成とすれば、図4に示すように、駆
動スプロケット3と従動スプロケット4との距離L3に
対して、キャビン2の総移動距離(右移動距離L1+左
移動距離L2)を大きく採れるという効果が生じること
になる。すなわち、キャビン2の規定の移動距離に対し
て、駆動スプロケット3と従動スプロケット4との間隔
を縮めることが可能となるのであり、機構部の小型化が
実現されることになる。また、両スプロケット間に掛け
渡される分のローラチェーン7の長さは短くなることか
ら、たるみの発生が低減され、機構部のメンテナンス性
も向上する。
【0020】次に、シャフト10とシャフト11との平
行度にずれが生じているときのジョイント部20の作用
について、図6に基づいて説明する。図6(a−i)
は、水平面上においてシャフト11が他方のシャフト1
0(本図においては省略)に対し偏角θをなして取り付
けられた場合におけるジョイント部20の側面作用説明
図であり、図6(a−ii)は同平面作用説明図であ
る。シャフト10の軸線に対して平行となるシャフト1
1の基準軸線を符号V、この基準軸線Vに直交する軸線
をV′で表すと、キャビン支持部16は基準軸線Vに対
し偏角θをなしてシャフト11に取り付けられることに
なり、このとき凸球面体21c及び支持軸25から構成
されるジョイント部20は、水平面に関し、球面軸受2
1のケーシング21a内を、軸線V′に対し偏角θ分だ
け回動することになる。すなわち、ジョイント部20
は、車両の上下方向の軸回りに関し回動することにな
る。ここで、キャビン支持部16がシャフト11上を摺
動していくためには、図6(a−i)に示す距離L4
(ジョイント部20の回動中心点30とシャフト10の
軸線との最短距離)が常に一定であることが条件とな
る。したがって、シャフト11の軸線Xが基準軸線Vよ
りも距離L5だけシャフト10側寄りに近接している場
合には、キャビン支持部16は、この距離L5の寸法分
を調整するように、すなわち、ジョイント部20の回動
中心点30を基準軸線V側に移動させるようにT方向に
回動することになり、結果としてジョイント部20が球
面軸受21のケーシング21a内を回動する。つまり、
ジョイント部20は、車両の左右方向の軸回りに関し回
動することになる。なお、回動中心点30は、シャフト
11が基準軸線Vで取り付けられているときに比べてそ
の位置が若干下方に下がるので、キャビン2はシャフト
10の軸線回りに関しT′方向に回動し、若干後向きに
傾斜することになる。
【0021】次に、シャフト10とシャフト11が鉛直
面上においてずれが生じている場合について説明する。
図6(b−i)は、鉛直面上においてシャフト11がシ
ャフト10に対し偏角αをなして取り付けられた場合に
おけるジョイント部20の側面作用説明図であり、図6
(b−ii)は同平面作用説明図である。キャビン支持
部16が、基準軸線Vに対し偏角αをなす軸線X′を有
したシャフト11に嵌着されると、図6(b−ii)に
示すように、凸球面体21c及び支持軸25から構成さ
れるジョイント部20は、球面軸受21のケーシング2
1a内を、車両の前後方向の軸回りに関し偏角α分だけ
回動することになる。そして、図6(b−i)に示すよ
うに、シャフト11の軸線X′が基準軸線Vよりも距離
L6だけ下方に位置している場合には、この距離L6の
寸法分に対応して、キャビン2がシャフト10の軸線回
りに関しT′方向に回動することになり、結果としてジ
ョイント部20が球面軸受21のケーシング21a内
を、車両の左右方向の軸回りに関し回動することにな
る。なお、ジョイント部20の回動中心点30は、距離
L4を半径としてシャフト10の軸線回りに円弧を描き
ながら下方に移動していることになるので、キャビン支
持部16は若干T方向に回動することになる。
【0022】以上、シャフト10及び11が水平面上に
おいてのみ、或いは鉛直面上においてのみ偏角をなして
いる場合について述べたが、無論、シャフト10とシャ
フト11が互いにねじれの位置関係にあるときには、ジ
ョイント部20はキャビン2の移動に伴って、車両の前
後方向、左右方向及び上下方向の全ての軸回りに関して
回動することになる。
【0023】このように、一方のシャフトに嵌着したキ
ャビン支持部をキャビンに固設し、他方のシャフトに嵌
着したキャビン支持部を、キャビンに、車両の前後方
向、左右方向及び上下方向の軸回りに関し回動自在なジ
ョイント部を介して取り付ける構造とすれば、両シャフ
トが平行でない場合であってもキャビンの移動がスムー
スに行われることから、従来のように、シャフトを取り
付けるための支持部材(本実施形態で示すフレーム材
6,13及び取り付け板12,12′,14,14′)
の固設作業に精度を要する必要がなくなり、また、キャ
ビンを最右端から最左端まで移動させて両シャフトの平
行度を出すという煩わしい作業が不要となり、機構部の
組み付け作業の効率が向上することになる。また、ジョ
イント部として汎用の球面軸受を介在させる構成とすれ
ば、構造が簡単となるので、経済的なキャビンの移動機
構が実現されることになる。
【0024】以上、本発明に係る建設車両におけるキャ
ビンの移動機構について、その好適な実施形態を説明し
た。上記実施形態では、建設車両をスタビライザとして
説明したが、無論その他の建設車両においても本発明は
実施可能であり、駆動輪体及び従動輪体として摩擦車、
条体としてベルトを使用しても良い。その他、各構成部
材の形状や取り付け位置等については、図面に記載した
ものに限られることなく、本発明の主旨を逸脱しない範
囲で設計変更が可能である。
【0025】
【発明の効果】本発明に係る建設車両におけるキャビン
の移動機構によれば、次のような効果を奏する。 (1)キャビンの移動方向に適宜間隔をおいて一側に駆
動輪体、他側に従動輪体を配設するとともに、条体の一
端部を駆動輪体に掛け回してキャビンの前記他側の部位
に取り付け、他端部を従動輪体に掛け回してキャビンの
前記一側の部位に取り付ける構成とすれば、所定のキャ
ビンの移動距離を確保しつつ、駆動輪体と従動輪体との
距離を小さくすることが可能となり、機構部の小型化が
実現される。また、駆動輪体及び従動輪体としてスプロ
ケット、条体としてローラチェーンを利用した場合、両
スプロケット間に掛け渡される分のローラチェーンの長
さは短くなることから、ローラチェーンのたるみの発生
が低減され、機構部のメンテナンス性が向上されること
になる。 (2)一方の軸に摺動可能かつ回動可能に嵌着したキャ
ビン支持部をキャビンに固設するとともに、他方の軸に
摺動可能かつ回動可能に嵌着したキャビン支持部を、キ
ャビンに、車両の前後方向、左右方向及び上下方向の軸
回りに関し回動自在なジョイント部を介して取り付ける
構造とすれば、両軸が完全に平行でない場合であっても
キャビンの移動がスムースに行われることから、軸の配
設作業が容易なものとなり、機構部の組み付け作業の効
率が向上する。また、ジョイント部として汎用の球面軸
受を介在させる構成とすれば、構造が簡単となるので、
経済的なキャビンの移動機構が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るキャビンの移動機構を装備したス
タビライザの外観図であり、図1(a)はその平面図、
図1(b)は同側面図である。
【図2】本発明に係るキャビンの移動機構を示す概略斜
視図である。
【図3】本発明に係るキャビンの移動機構を示す詳細説
明図であり、図3(a)はその平面図、図3(b)は同
側面図である。
【図4】図3(a)におけるA−A矢視図である。
【図5】図3(a)におけるB−B断面図である。
【図6】ジョイント部の作用説明図である。
【図7】従来のキャビンの移動機構を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
S …スタビライザ 1 …本体 2 …キャビン 3 …駆動スプロケット 4 …従動スプロケット 5 …減速機付き油圧モータ 7 …ローラチェーン 8,9 …固定ブラケット 10,11 …シャフト 15,16 …キャビン支持部 20 …ジョイント部 21 …球面軸受 21c…凸球面体 25 …支持軸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建設車両の本体に移動可能に搭載される
    キャビンの移動機構であって、キャビンの移動方向に適
    宜間隔をおいて一側に駆動輪体、他側に従動輪体を配設
    するとともに、条体の一端部を前記駆動輪体に掛け回し
    てキャビンにおける前記他側の部位に取り付け、他端部
    を前記従動輪体に掛け回してキャビンにおける前記一側
    の部位に取り付けたことを特徴とする建設車両における
    キャビンの移動機構。
  2. 【請求項2】 平行な一対の軸をキャビンの移動方向に
    沿って建設車両の本体に横設し、各軸に摺動可能かつ回
    動可能に嵌着したキャビン支持部にてキャビンを支持
    し、スライド移動させるキャビンの移動機構であって、 一方の軸に嵌着されたキャビン支持部は、キャビン側に
    固設されているとともに、他方の軸に嵌着されたキャビ
    ン支持部は、キャビン側に、車両の前後方向、左右方向
    及び上下方向の軸回りに関し回動自在なジョイント部を
    介して取り付けられていることを特徴とする建設車両に
    おけるキャビンの移動機構。
  3. 【請求項3】 前記ジョイント部は、球面軸受を介在し
    てなる請求項2に記載の建設車両におけるキャビンの移
    動機構。
JP35173097A 1997-12-19 1997-12-19 建設車両におけるキャビンの移動機構 Expired - Fee Related JP3950214B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35173097A JP3950214B2 (ja) 1997-12-19 1997-12-19 建設車両におけるキャビンの移動機構

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35173097A JP3950214B2 (ja) 1997-12-19 1997-12-19 建設車両におけるキャビンの移動機構

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH11181832A true JPH11181832A (ja) 1999-07-06
JP3950214B2 JP3950214B2 (ja) 2007-07-25

Family

ID=18419227

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35173097A Expired - Fee Related JP3950214B2 (ja) 1997-12-19 1997-12-19 建設車両におけるキャビンの移動機構

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3950214B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005030561A1 (ja) * 2003-09-26 2005-04-07 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 産業機械のキャブスライド装置
EP1983106A2 (de) 2007-04-19 2008-10-22 Wirtgen GmbH Selbstfahrende Baumaschine
US8800705B2 (en) 2010-08-30 2014-08-12 Barko Specialty Equipment, Llc Roll-out cab for off-road equipment
CN105460792A (zh) * 2015-12-31 2016-04-06 太原重工股份有限公司 起重机司机室安装结构

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005030561A1 (ja) * 2003-09-26 2005-04-07 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. 産業機械のキャブスライド装置
US7222688B2 (en) 2003-09-26 2007-05-29 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Cab sliding device of industrial machine
AU2004276114B2 (en) * 2003-09-26 2007-11-08 Mitsubishi Nichiyu Forklift Co., Ltd. Cab slide device of industrial machinery
EP1983106A2 (de) 2007-04-19 2008-10-22 Wirtgen GmbH Selbstfahrende Baumaschine
EP1983106A3 (de) * 2007-04-19 2011-07-13 Wirtgen GmbH Selbstfahrende Baumaschine
US8590983B2 (en) 2007-04-19 2013-11-26 Wirtgen Gmbh Automotive construction machine
US9181664B2 (en) 2007-04-19 2015-11-10 Wirtgen Gmbh Automotive construction machine
US10100471B2 (en) 2007-04-19 2018-10-16 Wirtgen Gmbh Automotive construction machine
US8800705B2 (en) 2010-08-30 2014-08-12 Barko Specialty Equipment, Llc Roll-out cab for off-road equipment
CN105460792A (zh) * 2015-12-31 2016-04-06 太原重工股份有限公司 起重机司机室安装结构

Also Published As

Publication number Publication date
JP3950214B2 (ja) 2007-07-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH10502601A (ja) ゴムタイヤ車輪等で走行するクレーンの車輪転向方法および装置
JPH11181832A (ja) 建設車両におけるキャビンの移動機構
JP4406376B2 (ja) 走行装置および作業機械
JPH07237566A (ja) 無限軌道車
JP2018184783A (ja) 電気駆動式作業機械のケーブルブラケット
JP3732622B2 (ja) 三次元自走台車およびそれに用いるレ−ル
KR100285233B1 (ko) 선회작업기의 제어밸브장치
CN216101501U (zh) 履带式搬运机用驱动装置
JP2006257727A (ja) ブルドーザ
JP4520338B2 (ja) 軌道走行可能な作業車両
JP2601197Y2 (ja) スキッドステアローダの走行系動力伝達装置
JPH06270851A (ja) 4クロ−ラ型無限軌道車
CN216102476U (zh) 搬运机用电动底盘
JPH11222151A (ja) 走行装置
JP2524385Y2 (ja) 電動走行装置
JP7224279B2 (ja) 作業車
JP4570119B2 (ja) トラクタ
JPH02296934A (ja) バックホウのクローラ走行装置
JP2017222211A (ja) 作業車両
JP2699776B2 (ja) 移動棚設備
JP6601323B2 (ja) セミクローラ型作業車両
JP2000135993A (ja) トラクター
JP2007203849A (ja) トラクタモーア
JP2019199257A (ja) 作業車両
KR960010045Y1 (ko) 하수관 내부 조사용 자주차의 카메라 헤드 방향 전환장치

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20041015

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061005

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20061018

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Effective date: 20061212

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Effective date: 20070411

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070420

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees