JPH11181769A - アンカーの免震構造およびその免震工法 - Google Patents

アンカーの免震構造およびその免震工法

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JPH11181769A
JPH11181769A JP35173397A JP35173397A JPH11181769A JP H11181769 A JPH11181769 A JP H11181769A JP 35173397 A JP35173397 A JP 35173397A JP 35173397 A JP35173397 A JP 35173397A JP H11181769 A JPH11181769 A JP H11181769A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構造ないし工法でありながら、地震時
であってもアンカー体の破断を防止することができるア
ンカーの免震構造および免震工法を提供する。 【解決手段】 地盤2に埋め込んだアンカー体10内の
テンドン12を定着具21より緊張し、その反力を定着
具より直接又は支圧板23を介して締付対象物側の台座
25に伝達させて、テンドンを緊張状態に維持するよう
にした構造であって、定着具21と台座25との間、定
着具と支圧板との間又は支圧板と台座25との間の少な
くとも一箇所に、バネ26を配設し、地震時における地
盤の変形挙動に伴う地盤と支圧板との間の相対変位を吸
収するように作用しているので、地震時において、地盤
とアンカー体頭部15との間に相対変位が生じた場合で
あっても、アンカー体10には大きな荷重が作用するこ
とはない。皿バネ27は、変形が進んでも荷重が余り変
化しないので、テンドン12の緊張力をほとんど低下さ
せることなくその破断を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地盤や構造物など
の締付対象物にアンカー体を埋め込み、アンカー体内部
に配設された緊張材としてのテンドンをその外部端に固
定した定着具より緊張し、その反力を該定着具より直接
又は支圧板を介して締付対象物側に伝達させて、テンド
ンを緊張状態に維持するようにしたアンカーの免震構造
および免震工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、切土のり面などの永久対策工法と
して、アンカー体を地盤に打設するグラウンドアンカー
工法が採用されるケースが増加してきている。また、シ
ートパイルや擁壁にアンカー体を打設する場合もある。
【0003】このアンカー体は、通常、PC鋼線やPC
鋼棒などの線状部材から成るテンドンをシース内に入れ
た構成とし、そのアンカー体頭部を除くアンカー作用部
およびアンカー引張り部を地盤側に挿入し、アンカー体
頭部の定着部において、アンカー体頭部におけるテンド
ンの余長部に固定した定着具によりテンドンに緊張力を
与え、その反力を支圧板を通して地盤に伝達し、のり面
などを安定化させるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、地震時
における地盤の変形挙動は、アンカー体の基部が位置す
る地盤の深部よりアンカー体の頭部が位置する地表面部
での変位が大きくなる傾向があり、その結果、締付対象
物とアンカー体頭部との間に相対変位が生じるが、従来
のアンカー構造にあってはアンカー体の軸方向の変位に
対する余裕がないため、アンカー体の定着部と頭部の相
対変位が直接テンドンの緊張力に反映されることとな
る。すなわち、アンカー体を定着している地盤の深部に
比べ、アンカー体頭部となっている地表面部の変位が大
きくなると、テンドンの剛性が非常に高いことから、テ
ンドンには非常に大きな荷重(特に引張力)が作用する
こととなる。
【0005】アンカー体の設計にあたっては、テンドン
の極限荷重に対して75%の降伏荷重となるようにテン
ドンの断面形状などが決定されるのが一般である。した
がって、設計荷重の1/0.75倍以上の荷重がテンド
ンに作用すると、テンドンが破断される。
【0006】上述したように、大きな地震が発生する
と、設計荷重の1/0.75倍以上の荷重がテンドンに
作用する惧れがあり、この場合には、テンドンが破断す
る結果となる。実際のところ、過去の地震時において
も、テンドンが破断した事例がいくつか報告されてい
る。
【0007】そこで、本発明は、上記課題を解決するた
め、アンカー体の設計荷重を大きくすることなく、簡単
な構造ないし工法でありながら、地震時であってもアン
カー体の破断を防止することができるアンカーの免震構
造および免震工法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、次のように構成したものである。
【0009】(1)請求項1に記載の発明は、地盤や構
造物などの締付対象物にアンカー体を埋め込み、アンカ
ー体内部に配設された緊張材としてのテンドンをその外
部端に固定した定着具より緊張し、その反力を該定着具
より直接又は支圧板を介して締付対象物側に伝達させ
て、テンドンを緊張状態に維持するようにしたアンカー
の免震構造において、前記定着具と前記締付対象物との
間、前記定着具と支圧板との間、および前記支圧板と前
記締付対象物側との間の少なくとも一箇所に、地震時に
おける前記締付対象物の変形挙動に伴う該締付対象物と
前記定着具ないしは支圧板との間の相対変位を吸収する
弾性部材を配設したことを特徴とするものである。
【0010】地震時において、締付対象物とアンカー体
頭部との間に相対変位が生じるが、定着具と締付対象物
との間、定着具と支圧板との間、および支圧板と前記締
付対象物側との間の少なくとも一箇所に弾性部材が配設
され、該弾性部材が地震時における締付対象物の変形挙
動に伴う該締付対象物と前記定着具ないしは支圧板との
間の相対変位を吸収するので、アンカー体に大きな荷重
が作用することはなく、もってアンカー体の破断を防止
することができる。
【0011】かかる作用効果は、上記弾性部材として、
皿バネやコイルバネ、板バネなど任意のスプリング又は
ゴム体などの弾性材料を用いて得ることができる。
【0012】(2)請求項2に記載の発明は、上記弾性
部材が皿バネから成る構成としたものである。
【0013】上記したように、地盤などの締付対象物の
地震に伴う変形を弾性部材がアンカー体に作用しないよ
うに吸収するが、この弾性部材の種類としては、アンカ
ーとしての機能を損なわないように、できるだけ変形が
進行してもその緊張力(荷重)が低下しないものがよ
い。
【0014】皿バネは荷重と変位の関係において変形が
進んでも荷重が余り変化しない範囲を有しており、この
範囲を活用すればアンカー緊張力がほとんど変化しない
ように設定することができる。
【0015】(3)請求項3に記載の発明は、前記弾性
部材が、複数の皿バネをそれぞれの大径開口部同士また
は小径開口部同士が接するように重ね合わせて成る構成
としたものである。
【0016】皿バネは1段だけ設けることもできるが、
2個以上を多段に重ねて設けることもでき、そのように
直列数を多くすることにより、変形に追従できる距離を
大きくすることができ、大地震にも容易に対応できる。
【0017】(4)請求項4に記載の方法発明は、地盤
や構造物などの締付対象物にアンカー体を埋め込み、ア
ンカー体内部に排泄された緊張材としてのテンドンをそ
の外部端に直接又は支圧板を介して定着具を配し、該定
着具と前記締付対象物との間、前記定着具と支圧板との
間、および前記支圧板と前記締付対象物との間の少なく
とも一箇所に、地震時における前記締付対象物の変形挙
動に伴う該締付対象物と前記定着具ないしは支圧板との
間の相対変位を吸収する弾性部材を配設した後、前記テ
ンドンを定着具より緊張し、その反力を該定着具より前
記弾性部材又は該弾性部材および支圧板を介して締付対
象物側に伝達させて、テンドンを緊張状態に維持するこ
とを特徴とするものである。
【0018】請求項1ないし3に記載した免震構造は、
任意の工法により施工することができるが、この方法発
明によれば、アンカーの免震構造を容易に施工すること
ができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1〜図3は永久土留めアンカー
に適用した実施の形態例を示す。図2に全体を示すアン
カー体10は、図3に示す切土のり面1の永久対策工法
として地盤2に打設される。図1にそのアンカー体10
の定着部11の構造を示す。
【0020】図1および図2において、アンカー体10
は、線状部材13(鋼材)から成るテンドン12をシー
ス14内に入れた構成であり、そのアンカー体頭部15
を除くアンカー引張り部16、アンカー作用部17およ
び先端部18を地盤2側に挿入している。図2の例で
は、アンカー引張り部16は地盤表面のコンクリート部
3を貫通して地盤2内に延長し、アンカー作用部17お
よび先端部18が地盤2中に差し込まれている。なお、
シース14の内外には、内部グラウト19および外部グ
ラウト20が注入されている。
【0021】アンカー体頭部15を処理する定着部11
において、テンドン12の外部端つまりテンドン13の
余長部分13aには、定着具21が固定されている。こ
の定着具21は、テンドン余長部分13aを通す穴を有
しており、この穴にテンドン余長部分を通した後、例え
ば穴に楔22を軸方向外部から差し込むことにより、テ
ンドン余長部分13aに固定されるようになっている。
【0022】また、テンドン13の余長部分13aは、
定着具21に至る手前側において支圧板23を貫通させ
られており、定着具21はこの支圧板23の貫通穴を外
側において覆うように位置されている。従って、この支
圧板23を介して定着具21よりテンドン13に緊張力
を与え、その反力を支圧板23を通して地盤2側に伝達
させることができ、これにより切土のり面1を安定化さ
せることができる。なお、この支圧板23の外側には、
定着具21を覆ってヘッドキャップ24が取り付けられ
ている。
【0023】更に、上記構成における支圧板23と地盤
2側との間、正確にはコンクリート部3の表面に設けた
台座25との間には、弾性部材としてのバネ26が介装
されている。ここでは、バネ26は、2つの皿バネ27
をその大径開口部27a(図4参照)を互いに向き合わ
せて上下に重ねたものから成る。
【0024】皿バネ27は、円板の中心に孔を開けたリ
ングを円錐状に形成した円形の皿型をしたバネで、外縁
と内縁に荷重を加えて円錐高さを低くする方向に撓ま
せ、バネ作用を得る。この実施形態の場合、図4に示す
ように、皿バネ27は、テンドン12の外部端つまり余
長部分13aを通す大径の開口部27aおよび小径の開
口部27bを有し、軸方向に荷重pを加えたときの軸方
向変位量uが図5の如き関係になる特性を有する。すな
わち、図5に示す荷重pと変位量uとの関係において、
皿バネ27は変形(変位量u)が進んでも荷重pが余り
変化しない作動領域Aを有する。このような作動領域A
つまり荷重が部分的に一定な荷重特性は、有効高さhと
板厚tの比を例えばh/t=1.4前後とすることで得
られる。従って、この作動領域Aにてバネ27が働くよ
うに、与える緊張力(与える荷重領域)に合わせてバネ
特性を設定することにより、アンカー緊張力がほとんど
変化しない状態を作り出すことができる。図1および図
2におけるバネ26の2つの皿バネ27のバネ特性も、
与える緊張力の動作範囲が、そのバネ特性上の平坦な作
動領域Aに来るように設定されている。
【0025】上記のように地盤2とテンドン12との
間、この例では支圧板23と台座25との間にバネ26
が設置され、このバネ26が地震時における地盤2の変
形挙動に伴う地盤2と支圧板23との間の相対変位を吸
収するように作用しているので、地震時において、地盤
2とアンカー体頭部15との間に相対変位が生じた場合
であっても、テンドン12には大きな荷重が作用するこ
とはない。
【0026】しかも、皿バネ27は、上述したように、
変形が進んでも荷重が余り変化しないので、テンドン1
2の緊張力をほとんど低下させることなくその破断を防
止することができるのである。
【0027】上記実施の形態では、バネ26を、図6
(a)に示すように、2つの皿バネ27をその大径開口
部27aを互いに向き合わせて上下に重ねたものから構
成した。しかし、バネ26は、図6(b)に示すよう
に、2つの皿バネ27をその小径開口部27b(図4参
照)を互いに向き合わせて上下に重ねたものから構成す
ることもできるし、図6(c)に示すように、2つ又は
3つ以上の皿バネ27を同じ方向に重なるように上下に
重ねたものから構成することもできる。皿バネ27の直
列に重ねる数を増加させることにより、バネ26のスト
ロークを大きくすることができ、大地震にも容易に対応
することもできる。
【0028】なお、上記バネ26には、皿バネ以外の任
意の形態のバネ、例えばコイルバネや板バネ、重ね板バ
ネ、ゴム体などを用いることができる。
【0029】更に、上記実施の形態では、バネ26つま
り皿バネ27をテンドン12の支圧板23と締付対象物
の台座25との間に配設したが、バネ26はテンドン1
2の定着具21と支圧板23との間に配設することもで
きる。
【0030】また、上記実施の形態から支圧板23を省
略した形態とすることもでき、かかる形態においては、
テンドン12の定着具21と締付対象物の台座25との
間にバネ26を設置することとなる。
【0031】図7(a)〜図7(c)は、締付対象物で
ある構造物5に埋め込んだテンドン12に本発明を適用
した実施の形態例を示したものである。このうち図7
(a)は、構造物5と定着具21との間に設置される台
座28に鋼製台座28aを用いた例であり、図7(b)
はコンクリートの構造物5と定着具21との間に設置さ
れる台座28にコンクリート製台座28bを用いた例、
そして図7(c)はコンクリートの構造物5と定着具2
1との間に設置される台座28に鋳鋼製台座28cを用
いた例である。
【0032】台座28は、構造物5の種類、アンカー力
の大きさとアンカー角、定着具21の種類など、設計・
施工時の諸条件によって選定される。特に力学的に十分
安定したものであることが大切であり、いずれも、アン
カー体頭部15の底面がアンカー体10の軸に対し直角
となるよう設置できる形状とされている。
【0033】台座28a〜28cのいずれにおいても、
テンドン12の外部端に定着具21を固定している点は
同じである。しかし、図7(a)の鋼製台座28aを用
いた例においては、テンドン12の外部端に固定した定
着具21に至る手前に配設した支圧板23と鋼製台座2
8aとの間に、バネ26として2つの皿バネ27が互い
に向き合わせて配置されている。これに対し、図7
(b)のコンクリート製台座28bを用いた例において
は、テンドン12の外部端に固定した定着具21と、コ
ンクリート製台座28bの上に配設した支圧板23との
間に、バネ26として2つの皿バネ27が互いに向き合
わせて配置されている。また、図7(c)の鋳鋼製台座
28cを用いた例においては、支圧板23が存在せず、
定着具21と鋳鋼製台座28cとの間に、バネ26とし
て2つの皿バネ27が互いに向き合わせて配置されてい
る。ただしこれらは選択的であって、テンドン12の定
着具21と締付対象物である構造物5との間、テンドン
12の定着具21と支圧板23との間、又はテンドン1
2の支圧板21と締付対象物側の台座28との間のいず
れか任意の一箇所、又はこれらの複数箇所に、バネ26
を、テンドン12の緊張力の経時的減少を補う作用をす
るように配設することができる。
【0034】その作用効果は、既に述べたところと同じ
であり、バネ26をアンカー体頭部に組み込むことによ
って、各種要因に伴うテンドン12の一軸方向の変形に
対して追随できるだけでなく、テンドン12の緊張力を
ほとんど低下させることなく維持することができる。ま
た、このような板バネの機能によって再緊張の必要性を
軽減ないしはなくすことができる。
【0035】図8は、締付対象物である建築基礎の浮き
上がり防止アンカー30に適用した実施形態例を示した
ものである。これは、地下水位以下に構築された構造物
6が地下水位の浮き上がりにより浮き上がろうとするの
を防止するアンカーであり、基本的構成は図2の土留め
のアンカー体10と同じである。従って、そのアンカー
体頭部15の定着部11において、上記定着具21ない
し支圧板23と地盤2側との間にバネ26を介装するこ
とにより、地震時における地盤の変形挙動に追随させ、
テンドン12の緊張力をほとんど低下させることなくそ
の破断を防止することができる。
【0036】図9〜図10は、締付対象物であるプレス
トレスコンクリート板のPCアンカー31に本発明を適
用した実施の形態例である。
【0037】プレストレスコンクリート板32にはいわ
ゆるポストテンション工法により次のようにしてプレス
トレスが与えられる。すなわち、図9に示すように、コ
ンクリート板32の硬化後、予め埋め込んだシース33
にPC鋼線34から成るテンドン12を通して緊張さ
せ、このPC鋼線34の端部を固定後、モルタルを注入
し定着させてプレストレスを与える。
【0038】図10に、このPC鋼線34から成るテン
ドン12の端部を固定する定着部11の構造を示す。P
C鋼線34は定着具35の外向きに広がったテーパ穴3
6に挿通され、該テーパ穴36には外側から中空円錐状
の楔37が挿入されており、これにより定着具35がし
っかりとPC鋼線34に固定されている。
【0039】そして、コンクリート板32の端面と、こ
れから突出しているPC鋼線34に固定の定着具35と
の間には、バネ26として、2つの皿バネ27が互いに
向き合わせて配置されている。この皿バネ27の作用効
果は、既に述べたところと同じである。すなわち、バネ
26をコンクリート板32から突出しているアンカー体
頭部に組み込むことによって、地震による地盤の変形に
対して追随できるだけでなく、テンドン12の緊張力を
ほとんど低下させることなくその破断を防止することが
できる。
【0040】なお、皿バネ27は、図11に示すよう
に、小径開口部27aを重ねるようにして配置するとと
もに、支圧板23から延長してクリアランスを保持しつ
つ当該小径開口部27bを貫通するガイドパイプ38を
設け、このガイドパイプ38に沿って安定した状態で圧
縮するようにすることもできる。
【0041】また、以上では法面対策としてのアンカー
工を例にとって説明したが、橋桁の連結部、桁と橋台の
連結部など、地震時に相対的に変位が大きくなり、構造
物の破壊や変状をきたす可能性のある構造物で、アンカ
ー体を使用する構造物にも本発明を適用することができ
ることはもちろんであるし、建築構造物の基礎やコンク
リート構造物に使用するアンカー体にも適用できること
も言うまでもない。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のような優れた効果が得られる。
【0043】(1)本発明にかかるアンカー免震構造に
よれば、定着具と締付対象物との間、定着具と支圧板と
の間又は支圧板と締付対象物側との間の少なくとも一箇
所に、弾性部材が、地震時における締付対象物の変形挙
動に伴う該締付対象物と前記定着具ないしは支圧板との
間の相対変位を吸収する弾性部材が配設される。
【0044】従って、地震時において、締付対象物とア
ンカー体頭部との間に相対変位が生じるが、弾性部材が
地震時における締付対象物の変形挙動に伴う該締付対象
物とアンカー体の定着具ないしは支圧板との間の相対変
位を吸収するので、アンカー体に大きな荷重が作用する
ことはなく、もってアンカー体の破断を防止することが
できる。
【0045】(2)本発明にかかるアンカー免震工法に
よれば、上述したアンカー免震構造を容易に施工するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例における永久土留めアンカ
ー体の定着部の構造を示す断面図である。
【図2】本発明の実施形態例における永久土留めアンカ
ー体の全体を示す断面図である。
【図3】本発明を永久土留めアンカーに適用した実施形
態例を示す概略図である。
【図4】本発明で用いた皿バネの構成と軸方向変位量と
を示す斜視図である。
【図5】軸方向に加えられる荷重pと軸方向変位量uと
の関係を示す皿バネの荷重特性図である。
【図6】本発明で用いるバネの構成例を示す図である。
【図7】本発明を構造物のアンカー体に適用した実施形
態例を示したもので、(a)は鋼製台座を、(b)はコ
ンクリート製台座を、そして(c)は鋳鋼製台座を用い
た場合を示す図である。
【図8】本発明を浮き上がり防止アンカーに適用した実
施形態例を示した図である。
【図9】本発明をプレストレスコンクリート板のPCア
ンカーに適用した実施形態例を示した図である。
【図10】図9におけるプレストレスコンクリート板の
PCアンカー定着部の構成を示した拡大断面図である。
【図11】皿バネをガイドパイプに沿って圧縮する状況
を示す説明図である。
【符号の説明】
1 切土のり面 2 地盤 3 コンクリート部 5 構造物 6 構造物 10 アンカー 11 定着部 12 テンドン 13 線状部材 13a テンドンの余長部分(アンカー体の外部端) 14 シース 15 アンカー
体頭部 16 アンカー引張り部 17 アンカー
作用部 18 先端部 19 内部グラ
ウト 20 外部グラウト 21 定着具 22 楔 23 支圧板 24 ヘッドキャップ 25 台座 26 バネ(弾性部材) 27 皿バネ 27a 大径の開口部 27b 小径の
開口部 28 台座 28a 鋼製台
座 28b コンクリート製台座 28c 鋳鋼製
台座 30 浮き上がり防止アンカー 31 PCアン
カー31 32 コンクリート板 33 シース 34 PC鋼線 35 定着具 36 テーパ穴 37 楔

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 地盤や構造物などの締付対象物にアンカ
    ー体を埋め込み、アンカー体内部に配設された緊張材と
    してのテンドンをその外部端に固定した定着具より緊張
    し、その反力を該定着具より直接又は支圧板を介して締
    付対象物側に伝達させて、テンドンを緊張状態に維持す
    るようにしたアンカーの免震構造において、 前記定着具と前記締付対象物との間、前記定着具と支圧
    板との間、および前記支圧板と前記締付対象物側との間
    の少なくとも一箇所に、地震時における前記締付対象物
    の変形挙動に伴う該締付対象物と前記定着具ないしは支
    圧板との間の相対変位を吸収する弾性部材を配設したこ
    とを特徴とするアンカーの免震構造。
  2. 【請求項2】 前記弾性部材が皿バネから成ることを特
    徴とする請求項1に記載のアンカーの免震構造。
  3. 【請求項3】 前記弾性部材が、複数の皿バネをそれぞ
    れの大径開口部同士または小径開口部同士が接するよう
    に重ね合わせて成ることを特徴とする請求項1に記載の
    アンカーの免震構造。
  4. 【請求項4】 地盤や構造物などの締付対象物にアンカ
    ー体を埋め込み、アンカー体内部に配設された緊張材と
    してのテンドンをその外部端に直接又は支圧板を介して
    定着具を配し、該定着具と前記締付対象物との間、前記
    定着具と支圧板との間、および前記支圧板と前記締付対
    象物との間の少なくとも一箇所に、地震時における前記
    締付対象物の変形挙動に伴う該締付対象物と前記定着具
    ないしは支圧板との間の相対変位を吸収する弾性部材を
    配設した後、前記テンドンを定着具より緊張し、その反
    力を該定着具より前記弾性部材又は該弾性部材および支
    圧板を介して締付対象物側に伝達させて、テンドンを緊
    張状態に維持することを特徴とするアンカーの免震工
    法。
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