JPH11181691A - 抄紙用フェルトの洗浄方法 - Google Patents

抄紙用フェルトの洗浄方法

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JPH11181691A
JPH11181691A JP34804397A JP34804397A JPH11181691A JP H11181691 A JPH11181691 A JP H11181691A JP 34804397 A JP34804397 A JP 34804397A JP 34804397 A JP34804397 A JP 34804397A JP H11181691 A JPH11181691 A JP H11181691A
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felt
carbon atoms
acid
group
papermaking
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JP34804397A
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Hitoshi Ito
仁 伊藤
Tetsuro Sasaki
哲朗 佐々木
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Hakuto Co Ltd
Original Assignee
Hakuto Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 紙パルプ工業の中性紙製紙工程における
抄紙用フェルトを清浄な状態に保つための効果的な抄紙
用フェルトの洗浄方法を提供する。 【解決手段】 アミノポリ酢酸あるいはその塩を含有す
る洗浄液、またはアミノポリ酢酸あるいはその塩と両
性、非イオン性及び陰イオン性界面活性剤のうちの少な
くとも1種の界面活性剤を含有する洗浄液を用いる中性
紙抄造時における抄紙用フェルトの洗浄方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製紙工業の中性紙
製造工程において使用される抄紙用フェルトの洗浄方法
に関し、詳しくは該フェルトを清澄にし、均一な搾水性
を保持するための洗浄方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製紙工程は、パルプ調製、抄造、脱水、
乾燥等の工程から成り立っている。パルプは抄造して、
抄き網部において大部分の水を取り去り湿紙とするが、
この湿紙は、なお多くの水分を有している。このまま加
熱乾燥すると多量の蒸気を必要とするので、脱水工程を
設けプレス脱水してから乾燥工程へ送られる。脱水工程
は、上下2段のロールからなるプレスロールと、湿紙を
運搬するフェルトの組み合わせからなり、フェルトに載
せられた湿紙はロールの間を通してプレス脱水される。
プレスにおける脱水性は、フェルトの搾水性に大きく依
存しており、フェルトに汚れが付着し目詰まりがある
と、脱水が充分に行われず、また均一な脱水が出来ない
ため、ドライヤー工程での蒸気の増大やプレス工程での
紙切れの原因となる。従って、フェルトを常に清浄な状
態に保つことが生産性を増大させる上で極めて重要であ
る。
【0003】紙の抄紙方法にはpHを4〜6の条件で抄
紙する所謂酸性抄紙法と、pH6〜8で抄紙するアルカ
リ抄紙法があり、従来酸性抄紙法が一般的であった。近
年に至って、工程内装置の腐食が少ないこと、安価な炭
酸カルシウムを填料として使用できること、さらに製造
された紙の保存が長期間行えること、高い白色度、不透
明度の紙が得られる等の多くの利点から、中性紙の生産
が増加し、従来の酸性抄紙から中性抄紙へと切り換える
製紙工場が急増してきている。
【0004】紙の酸性抄造には、ロジン系サイズ剤を紙
中に定着させるため硫酸バンドを用いているので、フェ
ルトに硫酸バンドによる汚れや、木材樹脂類による汚れ
がある。このフェルトの汚れを洗浄するには、硫酸バン
ドによる汚れに対しては、例えば塩酸、硫酸、スルファ
ミン酸、クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、ホスホン酸等の
無機酸あるいは有機酸が使用され、樹脂類汚れに対して
は、アルキルベンゼンスルホン酸塩、高級アルコール硫
酸エステル塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキ
ルスルホサクシネート等の陰イオン性界面活性剤あるい
は、高級アルコール及びアルキルフェノールのアルキレ
ンオキサイド付加物、ポリアルキレンオキサイド等の非
イオン性界面活性剤が使用されてきた。
【0005】一方、中性抄造では、工程水のpHが高い
ことに加え、洗浄用シャワー水をアルカリ性とすること
があり、プロセス水中の塩類がフェルト上で析出し易い
状況にある。硫酸バンドを使わないので、硫酸バンドに
よる汚れはないが、中性抄紙用に使われるアルケニル無
水コハク酸、あるいはアルキルケテンダイマーなどのサ
イズ剤がフェルト汚れの主因となり易い。特にアルケニ
ル無水コハク酸は加水分解されると水中のカルシウム、
マグネシウムと塩を作り、これは粘着性が高いので、填
料として使用される炭酸カルシウムや微細繊維等の懸濁
物質のバインダーとして働き、フェルトの目詰まりを促
進させる。
【0006】このように、酸性紙抄造時におけるフェル
ト汚れと、中性紙抄造時におけるフェルト汚れは全く異
なっており、フェルトの洗浄においても酸性抄造時と中
性抄造時とは別々に考えなくてはならない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、中性抄造時
における抄紙用フェルトを,清浄な状態に保つための抄
紙用フェルト洗浄方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、中性紙抄
造時における抄紙用フェルトを清浄な状態に維持するこ
とを意図し、抄紙用のフェルト洗浄方法を鋭意検討した
結果、アミノポリ酢酸あるいはその塩を含む洗浄液が、
またはアミノポリ酢酸あるいはその塩と両性、非イオン
性及び陰イオン性界面活性剤のうちから選ばれた界面活
性剤の1種以上とを組み合わせて含む洗浄液が抄紙用フ
ェルト汚れに対して、優れた洗浄効果を示すことを見い
だし、本発明を完成するに至った。
【0009】すなわち、本請求項1の発明は、抄紙工程
におけるフェルトを、アミノポリ酢酸あるいはその塩を
含む洗浄液にて洗浄することを特徴とする抄紙用フェル
トの洗浄方法であり、請求項2の発明は、抄紙工程にお
けるフェルトを、アミノポリ酢酸あるいはその塩と、両
性界面活性剤、非イオン性界面活性剤及び陰イオン性界
面活性剤のうちから選ばれた界面活性剤の1種以上を含
む洗浄液にて洗浄することを特徴とする抄紙用フェルト
の洗浄方法であり、請求項3の発明は、アミノポリ酢酸
が、エチレンジアミン四酢酸である請求項1または2記
載の抄紙用フェルトの洗浄方法であり、請求項4の発明
は両性界面活性剤が、一般式(I)〔式中、R1 は炭素
数6〜30の飽和あるいは不飽和のアルキル基、または
炭素数8〜18の脂肪酸と炭素数1〜3のアルキルアミ
ンからなる脂肪酸アミドアルキル基であり、R2及びR3
はそれぞれ独立に水素、メチル基、エチル基あるいはヒ
ドロキシエチル基であり、A1 は炭素数1〜6のアルキ
レン基あるいはヒドロキシアルキレン基であり、X1
−COOあるいは−SO3である〕、一般式(II)〔式
中、R4 は炭素数6〜30の飽和あるいは不飽和のアル
キル基、または炭素数8〜18の脂肪酸と炭素数1〜3
のアルキルアミンからなる脂肪酸アミドアルキル基であ
り、X2は−COOあるいは−SO3である〕、一般式
(III)〔式中、R5は炭素数6〜22の飽和あるいは不
飽和のアルキル基であり、R6 は水素あるいは炭素数1
〜12の飽和あるいは不飽和のアルキル基であり、A2
はメチレン基あるいはエチレン基であり、X3は−CO
Oあるいは−SO3であり、mとnはそれぞれ独立に0
〜3の整数である〕で表される化合物であり、
【化6】
【化7】
【化8】 非イオン性界面活性剤が、一般式(IV)〔式中、R7は炭
素数6〜22の飽和あるいは不飽和のアルキル基であ
り、pとqはそれぞれ1以上の整数で、pとqの和は1
0〜30である〕で表される化合物であり、
【化9】 陰イオン性界面活性剤が、一般式(V)〔式中、R8
炭素数5〜21の飽和あるいは不飽和のアルキル基であ
り、X4は−COOYあるいは−CH2SO3Yであり、
Yは水素、ナトリウム、あるいはトリエタノールアミン
を表す〕
【化10】 で表される化合物である請求項2記載の抄紙用フェルト
の洗浄方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0011】本発明において洗浄活性成分であるアミノ
ポリ酢酸あるいはその塩(以下「アミノポリ酢酸類」と
記す)としては、例えばニトリロ三酢酸、エチレンジア
ミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、トリエチレ
ンテトラミン六酢酸、イミノ二酢酸、ヒドロキシエチル
イミノ二酢酸、あるいはそれらの塩等を挙げることがで
き、特に好ましくはエチレンジアミン四酢酸あるいはそ
の塩である。塩としてはナトリウム塩、カリウム塩、ア
ンモニウム塩等を挙げることができ、中でも安価かつ工
業的に入手しやすいナトリウム塩が好ましい。
【0012】アミノポリ酢酸類と共に用いられる場合の
界面活性剤のうち、両性界面活性剤としては、ベタイン
型、スルホベタイン型、イミダゾリウムベタイン型、グ
リシン型、アラニン型のいずれも使用することができ
る。好ましい両性界面活性剤は、一般式(I)のベタイ
ン型あるいはスルホベタイン型、一般式(II)のイミダ
ゾリウムベタイン型、一般式(III) のグリシン型、ある
いはアラニン型化合物である。
【0013】一般式(I)において、R1は炭素数6〜3
0、好ましくは炭素数8〜18の飽和あるいは不飽和の
アルキル基、または炭素数8〜18の脂肪酸と炭素数1
〜3のアルキルアミンからなる脂肪酸アミドアルキル基
であり、R2及びR3はそれぞれ独立に水素、メチル基、
エチル基あるいはヒドロキシエチル基であり、A1 は炭
素数1〜6、好ましくは1〜3のアルキレン基あるいは
ヒドロキシアルキレン基であり、X1は−COOあるい
は−SO3である。これら炭素数範囲は、実験の結果見
いだされたものであり、この範囲の外では洗浄効果が悪
くなることがある。
【0014】R1 における炭素数6〜30の飽和あるい
は不飽和のアルキル基の例としては、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基、ドデシル基、ミリスチル基、セチル
基、ステアリル基、イソステアリル基、オレイル基、牛
脂アルキル基、大豆アルキル基、ヤシアルキル基等を挙
げることができる。
【0015】R1 における脂肪酸アミドアルキル基にお
ける炭素数8〜18の脂肪酸は、例えばオクタン酸、デ
カン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ス
テアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、牛脂脂肪
酸、大豆油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸等が挙げられ、炭素数
1〜3のアルキルアミン中のアルキル基としてはメチレ
ン基、エチレン基、プロピレン基がある。
【0016】一般式(I)におけるA1の炭素数1〜6
のアルキレン基あるいはヒドロキシアルキレン基の具体
的な例としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン
基、イソプロピレン基、ヒドロキシエチレン基、ヒドロ
キシプロピレン基等を挙げることができる。
【0017】一般式(I)で表される化合物の具体例と
しては、ジメチルヤシアルキルアミノ酢酸ベタイン、ヤ
シ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイ
ン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ−2−
ヒドロキシ−3−プロピルスルホベタイン、牛脂脂肪酸
アミドプロピルジメチルアミノエチルスルホベタイン等
を挙げることができる。
【0018】一般式(II)におけるR4は炭素数6〜3
0、好ましくは炭素数8〜18の飽和あるいは不飽和の
アルキル基、あるいは炭素数8〜18の脂肪酸と炭素数
1〜3のアルキルアミンからなる脂肪酸アミドアルキル
基であり、X2 は−COOあるいは−SO3 である。こ
れら好ましい炭素数範囲は、実験の結果見いだされたも
のであり、この範囲の外では洗浄効果が悪くなることが
ある。
【0019】R4 における炭素数6〜30の飽和あるい
は不飽和のアルキル基の例としては、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基、ドデシル基、ミリスチル基、セチル
基、ステアリル基、イソステアリル基、オレイル基、牛
脂アルキル基、大豆アルキル基、ヤシアルキル基等を挙
げることができる。
【0020】R4 における脂肪酸アミドアルキル基にお
ける炭素数8〜18の脂肪酸は、例えばオクタン酸、デ
カン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ミリスチン酸、ス
テアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、牛脂脂肪
酸、大豆油脂肪酸、ヤシ油脂肪酸等が挙げられ、炭素数
1〜3のアルキルアミン中のアルキル基としてはメチレ
ン基、エチレン基、プロピレン基がある。
【0021】一般式(II)で表される化合物の具体例と
しては、2−ヤシアルキル−N−カルボキシメチル−N
−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイン、2−ヤシ
油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ−N−カルボキ
シメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリウムベタイ
ン等を挙げることができる。
【0022】一般式(III)におけるR5は炭素数6〜2
2、好ましくは炭素数8〜18の飽和あるいは不飽和の
アルキル基であり、R6 は水素、炭素数1〜12の飽和
あるいは不飽和のアルキル基であり、A2 はメチレン基
あるいはエチレン基を表し、X3は−COOあるいは−
SO3を表し、mとnはそれぞれ独立に0〜3の整数
で、好ましくはmとnがともに0、あるいはmが1〜3
であり、nが0である。
【0023】R5 における炭素数6〜22の飽和あるい
は不飽和のアルキル基の例としては、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基、ドデシル基、ミリスチル基、セチル
基、ステアリル基、イソステアリル基、オレイル基、牛
脂アルキル基、大豆アルキル基、ヤシアルキル基等を挙
げることができる。
【0024】R6 における炭数数1〜12の飽和あるい
は不飽和のアルキル基の例としては、メチル基、エチル
基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチ
ル基、1−ブテニル基、イソブテニル基、ペンチル基、
イソペンチル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル
基、ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、
オクチル基、イソオクチル基等を挙げることができる。
【0025】一般式(III)で表される化合物の具体例と
しては、ヘキシルグリシン、オクチルジアミノエチルグ
リシン、ヤシアルキルジアミノエチルグリシン、ラウリ
ルβ−アラニン、ヤシアルキルβ−アラニン等を挙げる
ことができる。
【0026】好ましい非イオン性界面活性剤としては、
上記一般式(IV)表示の化合物が挙げられ、一般式(I
V)におけるR7は炭素数6〜22の飽和あるいは不飽和
のアルキル基であり、pとqはそれぞれ独立に1以上の
整数で、p+qは10〜30、好ましくは15〜25で
ある。
【0027】R7 における炭素数6〜22の飽和あるい
は不飽和のアルキル基の例としては、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基、ドデシル基、ミリスチル基、セチル
基、ステアリル基、イソステアリル基、オレイル基、牛
鎖アルキル基、大豆アルキル基、ヤシアルキル基等を挙
げることができる。
【0028】一般式(IV)で表される化合物の具体例と
しては、ラウリルアミン、ステアリルアミン、オレイル
アミン、ヤシアルキルアミン、牛脂アルキルアミン、大
豆アルキルアミン等のエチレンオキサイド10〜30モ
ル付加物を挙げることができる。
【0029】好ましい陰イオン性界面活性剤としては、
上記一般式(V)表示の化合物が挙げられ、一般式(V)
におけるR8は炭素数5〜21、好ましくは炭素数11
〜17の飽和あるいは不飽和のアルキル基であり、X4
は−COOYあるいは−CH2SO3Yであり、Yは水
素、ナトリウム、またはトリエタノールアミンである。
【0030】R8 における炭素数5〜21の飽和あるい
は不飽和のアルキル基の例としては、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基、ドデシル基、ミリスチル基、セチル
基、ステアリル基、イソステアリル基、オレイル基、牛
鎖アルキル基、大豆アルキル基、ヤシアルキル基等を挙
げることができる。
【0031】一般式(V)で表される化合物の具体例とし
ては、ラウロイルメチルアラニン、牛脂メチルタウリン
酸ナトリウム等を挙げることができる。
【0032】本発明における抄紙用フェルトの洗浄方法
は、アミノポリ酢酸類を単独に、又は両性、非イオン性
及び陰イオン性界面活性剤から選ばれた界面活性剤1種
以上と組み合わせてシャワー水と共にフェルトへ吹き付
けることにより達成される。
【0033】アミノポリ酢酸類は、主として塩類の洗浄
に効果があり、界面活性剤は主として有機質の汚れの洗
浄に効果がある。有機質の汚れの中には金属塩となって
いるものがあり、これらの汚れに対しては、アミノポリ
酢酸類と界面活性剤を組み合わせることにより効率よく
洗浄できる。さらに、アミノポリ酢酸類と界面活性剤を
組み合わせると、アミノポリ酢酸類と界面活性剤との相
溶性がよいため一液化し易く、適用上有利である。
【0034】シャワー水中のアミノポリ酢酸類単独系、
またはアミノポリ酢酸類/界面活性剤混合系の濃度はそ
れぞれ1〜2重量%と高い濃度が効果があるが、経済的
見地からみると、アミノポリ酢酸類単独系、または、ア
ミノポリ酢酸類/界面活性剤混合系をそれぞれシャワー
水に対して通常0.001〜1重量%、さらに好ましく
は0.01〜0.2重量%となるように添加される。ア
ミノポリ酢酸類と、両性、非イオン性及び陰イオン性界
面活性剤のうちから選ばれた界面活性剤を併用する場合
には、その配合比は特に限定されるものではないが、好
ましいアミノポリ酢酸類と界面活性剤の重量比は8:2
〜4:6である。しかし本発明は、シャワー水中の濃
度、アミノポリ酢酸類と界面活性剤との混合比率につい
て制限を加えるものではない。
【0035】アミノポリ酢酸類と界面活性剤を併用する
場合は、それぞれ別々にシャワー水に添加してもよい
が、両者を混合した溶液を作り、これをシャワー水に添
加するのが実際上好都合である。
【0036】アミノポリ酢酸類単独、またはアミノポリ
酢酸類/界面活性剤混合物のシャワー水ヘの添加は、断
続的に行うことも可能であるが、洗浄効果を考えれば常
時連続的に添加するのが好ましい。また、フェルトの汚
れ程度に応じてアミノポリ酢酸類と界面活性剤の濃度、
配合比を適宜変えて最適化することが望ましい。
【0037】また、本発明の抄紙用フェルト洗浄方法の
効果を損わない範囲において、他の工程添加剤、例えば
消泡剤、スケールコントロール剤等を併用することに何
ら制限を加えるものではない。
【0038】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0039】[実施例に用いた化合物〕化合物A〜Qを
以下に示した。 化合物A;エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム〔帝国
化学産業(株)製「クレワットT」(商品名)を使用し
た。〕 化合物B;ジエチレントリアミン五酢酸五ナトリウム
〔帝国化学産業(株)製「クレワットDP−80」(商
品名)を使用した。〕 化合物C;C613(NHC242NHCH2COOH
【0040】以下の製造方法により合成した。冷却器及
び攪拌器を付けた500mLの三つ口丸底フラスコに、
ジエチレントリアミン103gを入れ、180℃に加熱
しながら、n−塩化ヘキシル30gを約1〜2時間かけ
て添加し、さらに180℃に2時間保った。内容物を除
冷し、ジエチレントリアミン塩酸塩を濾別した後、減圧
蒸留して沸点130−180℃(15mmHg)の留分
を得た。冷却器及び攪拌器を付けた500mLの三つ口
丸底フラスコにこの留分35gを採り90〜95℃に加
熱しながら、当量のモノクロル酢酸ナトリウム23gを
水200gに溶かした水溶液を約30分かけて添加し
た。冷却後、析出物を除去し、目的とするヘキシルジエ
チレントリアミン酢酸水溶液を得た。 化合物D;(ヤシアルキル)−NHCH2CH2COOH
〔ライオン(株)製「リポミンCA」(商品名)を使用し
た。〕 化合物E;C49+(CH32CH2COO-
【0041】以下の製造方法により合成した。冷却器及
び攪拌器を付けた1L三つ口丸底フラスコに、モノクロ
ル酢酸ナトリウム58g及び水400gを入れ溶解し
た。これにジメチルブチルアミン78gを入れ、90〜
95℃にて約6時間撹拌しつつ保った。冷却後、残留物
をフィルターで濾過して、目的物であるブチルジメチル
アミノ酢酸ベタイン水溶液を得た。 化合物F;(ヤシアルキル)−CONHC36+(CH
32CH2COO-〔ライオン(株)製「エナジコールC−
30B」(商品名)を使用した。〕 化合物G;C1225+(CH32CH2CH2SO3 -
【0042】以下の製造方法により合成した。冷却器及
び攪拌器を付けた1Lの三つ口丸底フラスコに、2−ク
ロロエタンスルホン酸ナトリウム79gおよびイソプロ
ピルアルコール200gに入れ溶解させた。これにN,
N−ジメチルドデシルアミン107gを加え、加熱還流
下約6時間反応させた。冷却、濾過した後、減圧下、イ
ソプロピルアルコール及びN,N−ジメチルドデシルア
ミンを留去し、目的物であるN,N−ジメチル−N−ラ
ウリル−N−(2−スルホエチル)アンモニウム塩を得
た。 化合物H;
【化11】 〔日本油脂(株)製「ニッサンアノンGLM−R」(商品
名)を使用した。〕 化合物I;(牛脂アルキル)−〔(CH2CH2O)5H〕2
〔日本油脂(株製「ニッサンナイミーンT2−210」
(商品名)を使用した。〕 化合物J;C1837N〔(CH2CH2O)10H〕2〔花王
(株)製「アミート320」(商品名)を使用した。〕 化合物K;C1123CON(CH3)CH2OONa〔ラ
イオン(株)製「エナジコールL−30AN」(商品名)
を使用した。〕 化合物L;(ヤシアルキル)−CON(CH3)CH2
2SO3Na〔日本油脂(株)製「ダイヤポンK」(商品
名)を使用した。〕 化合物M;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル
(EO付加モル数:10)〔旭電化工業(株)製「アデカ
トールNP−700」(商品名)を使用した。〕 化合物N;テトラデセンスルホン酸ナトリウム〔ライオ
ン(株)製「リポランLB−440」(商品名)を使用
した。〕 化合物O;C1225+(CH331〔日本油脂(株)
製「ニッサンカチオンBB」(商品名)を使用した。〕
【0043】[試験1]中性中質紙の抄造工程から採っ
た抄造フェルトを、10cm×20cmの大きさに切っ
て試験用のフェルトとした。このフェルトを各水準につ
いて2枚づつ、所定濃度の化合物を含む洗浄液中に浸
し、30℃にて30分間保った。次いでこのフェルトを
取りだし、1枚はクロロホルムを抽出溶媒としてソック
スレー抽出装置で5時間抽出し、抽出物を樹脂分とし、
もう1枚は電気炉で900℃、3時間灰化して残渣を灰
分とした。洗浄前のフェルト中の樹脂分と灰分を別途測
定しておき、それぞれの洗浄率を求めた。結果を表1に
示した。
【0044】[試験2]中性上質紙と中性中質紙の混抄
を行っている抄造工程から採った抄造フェルトを、10
cm×20cmの大きさに切って試験用のフェルトとし
た。このフェルトを、所定濃度の化合物を含み30℃に
調整した洗浄液に30分間浸潰した。浸潰後のフェルト
について、ガラス製セパラブル濾過器(容量500m
L、濾過面35mmφ)にセットし、差圧10mmHg
に吸引しつつ、水500mLを濾過器に注ぎ、水がフェ
ルトを通過するのに要した時間を測定し、この時間を通
水時間とした。通水時間はフェルトの搾水能力を評価す
る特性値であり、フェルトに付着あるいは目詰まりして
いる汚れの量との間に相関関係があることに基づいてい
る。結果を表2に示した。
【0045】本発明の洗浄方法を適用したフェルトの洗
浄で、表1の結果からフェルト上の樹脂分と灰分の汚れ
成分が洗われ、表2の結果からフェルトの目詰まりがな
くなり、抄造工程でのフェルトの汚れがよく取り除かれ
ていることが認められた。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】表1、2の結果から、本発明の抄紙用フェ
ルト洗浄方法は中性紙抄造工程でのフェルト汚れに対し
て極めて高い洗浄効果を奏することが認められた。
【0049】
【発明の効果】本発明の抄紙用フェルト洗浄方法によれ
ば、中性紙抄造時に生じるフェルト汚れに対し、十分な
洗浄効果を有するため、フェルトの搾水性が均一に保た
れ、作業性を向上させることができる。また、ピッチ汚
れによる紙の汚点、欠点等の品質低下あるいは紙切れが
なくなり、生産性を向上させることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI D06M 13/402 D06M 13/402 13/47 13/47

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 抄紙工程におけるフェルトを、アミノポ
    リ酢酸あるいはその塩を含む洗浄液にて洗浄することを
    特徴とする抄紙用フェルトの洗浄方法。
  2. 【請求項2】 抄紙工程におけるフェルトを、(A)ア
    ミノポリ酢酸あるいはその塩と、(B)両性界面活性
    剤、非イオン性界面活性剤及び陰イオン性界面活性剤の
    うちから選ばれた界面活性剤の1種以上を含む洗浄液に
    て洗浄することを特徴とする抄紙用フェルトの洗浄方
    法。
  3. 【請求項3】 アミノポリ酢酸が、エチレンジアミン四
    酢酸である請求項1または2記載の抄紙用フェルトの洗
    浄方法。
  4. 【請求項4】 両性界面活性剤が、一般式(I) 〔式
    中、R1は炭素数6〜30の飽和あるいは不飽和のアル
    キル基、または炭素数8〜18の脂肪酸と炭素数1〜3
    のアルキルアミンからなる脂肪酸アミドアルキル基であ
    り、R2及びR3はそれぞれ独立に水素、メチル基、エチ
    ル基あるいはヒドロキシエチル基であり、A1は炭素数
    1〜6のアルキレン基あるいはヒドロキシアルキレン基
    であり、X1は−COOあるいは−SO3である〕、一般
    式(II) 〔式中、R4は炭素数6〜30の飽和あるいは不
    飽和のアルキル基、または炭素数8〜18の脂肪酸と炭
    素数1〜3のアルキルアミンからなる脂肪酸アミドアル
    キル基であり、X2 は−COOあるいは−SO3であ
    る〕、一般式(III)〔式中、R5は炭素数6〜22の飽
    和あるいは不飽和のアルキル基であり、R6 は水素また
    は炭素数1〜12の飽和あるいは不飽和のアルキル基で
    あり、A2 はメチレン基あるいはエチレン基であり、X
    3は−COOあるいは−SO3であり、mとnはそれぞれ
    独立に0〜3の整数である〕で表される化合物であり、 【化1】 【化2】 【化3】 非イオン性界面活性剤が、一般式(IV)〔式中、R7は炭
    素数6〜22の飽和あるいは不飽和のアルキル基であ
    り、pとqはそれぞれ1以上の整数で、pとqの和は1
    0〜30である〕で表される化合物であり、 【化4】 陰イオン性界面活性剤が、一般式(V)〔式中、R8
    炭素数5〜21の飽和あるいは不飽和のアルキル基であ
    り、X4は−COOYあるいは−CH2SO3Yであり、
    Yは水素、ナトリウムあるいはトリエタノールアミンを
    表す〕 【化5】 で表される化合物である請求項2記載の抄紙用フェルト
    の洗浄方法。
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