JPH11181143A - 防錆用成形体及びその製造方法 - Google Patents
防錆用成形体及びその製造方法Info
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- JPH11181143A JPH11181143A JP35789397A JP35789397A JPH11181143A JP H11181143 A JPH11181143 A JP H11181143A JP 35789397 A JP35789397 A JP 35789397A JP 35789397 A JP35789397 A JP 35789397A JP H11181143 A JPH11181143 A JP H11181143A
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- molded article
- preventive
- thermoplastic resin
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Abstract
(57)【要約】
【課題】防錆効果を十分に有し、さらに防錆効果の持続
性が改良された防錆用樹脂成形体を提供すること。 【解決手段】熱可塑性樹脂100重量部、充填剤50〜
400重量部よりなる防錆剤含有多孔質成形体であっ
て、該成形体中の防錆剤の量が熱可塑性樹脂に対する飽
和溶解量以上である防錆用成形体。
性が改良された防錆用樹脂成形体を提供すること。 【解決手段】熱可塑性樹脂100重量部、充填剤50〜
400重量部よりなる防錆剤含有多孔質成形体であっ
て、該成形体中の防錆剤の量が熱可塑性樹脂に対する飽
和溶解量以上である防錆用成形体。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は防錆用成形体及びそ
の製造方法に関する。
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、金属製品の発錆を防止する目
的で、油や防錆油に金属部品を浸漬あるいは塗布する方
法が知られている。しかしながら、これらの方法では、
使用前に、塗布した油の除去が必要であり、この作業に
手間がかかるばかりか、使用する洗浄剤、洗浄ガスの環
境汚染等の問題から、これら洗浄剤等の使用は控えられ
る傾向となっている。
的で、油や防錆油に金属部品を浸漬あるいは塗布する方
法が知られている。しかしながら、これらの方法では、
使用前に、塗布した油の除去が必要であり、この作業に
手間がかかるばかりか、使用する洗浄剤、洗浄ガスの環
境汚染等の問題から、これら洗浄剤等の使用は控えられ
る傾向となっている。
【0003】そこで、洗浄の手間がかからない気化性の
防錆剤の使用が主流となっており、例えば、気化性の防
錆剤を紙に塗布したいわゆる防錆紙や、ポリオレフィン
系樹脂に代表される熱可塑性樹脂等に気化性の防錆剤を
含有させた防錆用樹脂製成形体が知られているが、前者
においては十分な防錆効果は得られず、さらに成形性の
観点から後者が主に用いられている。
防錆剤の使用が主流となっており、例えば、気化性の防
錆剤を紙に塗布したいわゆる防錆紙や、ポリオレフィン
系樹脂に代表される熱可塑性樹脂等に気化性の防錆剤を
含有させた防錆用樹脂製成形体が知られているが、前者
においては十分な防錆効果は得られず、さらに成形性の
観点から後者が主に用いられている。
【0004】しかしながら、樹脂に対する防錆剤の飽和
溶解度は低く(通常、高くて数wt%)、十分な防錆効果
を発現するだけの量を樹脂に含有させることは困難であ
り、さらに、防錆効果を持続させることも困難であっ
た。また、防錆用樹脂成形体の製造において、防錆剤を
熱可塑性樹脂に加熱しながら練り込み、さらに成形加工
する必要があるが、気化性防錆剤は一般的に蒸気圧が高
いため、製造工程において防錆有効成分が揮散するた
め、初期においてもその防錆効果の発現が十分ではな
く、さらに作業環境の面からもこのような製造方法は好
ましいと言えるものではなかった。
溶解度は低く(通常、高くて数wt%)、十分な防錆効果
を発現するだけの量を樹脂に含有させることは困難であ
り、さらに、防錆効果を持続させることも困難であっ
た。また、防錆用樹脂成形体の製造において、防錆剤を
熱可塑性樹脂に加熱しながら練り込み、さらに成形加工
する必要があるが、気化性防錆剤は一般的に蒸気圧が高
いため、製造工程において防錆有効成分が揮散するた
め、初期においてもその防錆効果の発現が十分ではな
く、さらに作業環境の面からもこのような製造方法は好
ましいと言えるものではなかった。
【0005】そこで、防錆有効成分の溶解度の高い極性
基を有する樹脂をポリオレフィン系樹脂に配合し、防錆
効果の持続性を改良する方法が提案されている(特公昭
47−4295)。しかしながらこのような極性基を有
する樹脂をポリオレフィン系樹脂に配合すると、ポリオ
レフィン系樹脂の特性が損なわれ、得られる防錆用樹脂
成形体は物性的に満足のいくものではなっか。
基を有する樹脂をポリオレフィン系樹脂に配合し、防錆
効果の持続性を改良する方法が提案されている(特公昭
47−4295)。しかしながらこのような極性基を有
する樹脂をポリオレフィン系樹脂に配合すると、ポリオ
レフィン系樹脂の特性が損なわれ、得られる防錆用樹脂
成形体は物性的に満足のいくものではなっか。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで初期の防錆効果
を十分に有し、さらに防錆効果の持続性が改良された防
錆用樹脂成形体の開発が望まれていた。
を十分に有し、さらに防錆効果の持続性が改良された防
錆用樹脂成形体の開発が望まれていた。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果本発明に至っ
た。すなわち本発明は、熱可塑性樹脂100重量部、充
填剤50〜400重量部よりなる防錆剤含有多孔質成形
体であって、該成形体中の防錆剤の量が熱可塑性樹脂に
対する飽和溶解量以上である防錆用成形体および該成形
体の製造方法を提供するものである。
を解決するために鋭意検討を重ねた結果本発明に至っ
た。すなわち本発明は、熱可塑性樹脂100重量部、充
填剤50〜400重量部よりなる防錆剤含有多孔質成形
体であって、該成形体中の防錆剤の量が熱可塑性樹脂に
対する飽和溶解量以上である防錆用成形体および該成形
体の製造方法を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。本
発明で用いる熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン、例えば
ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィンの単
独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−
ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペン
テン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体等のエチレ
ンとC3−C18のα−オレフィンとの共重合体や、エチ
レン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体等の
エチレン性不飽和結合を有する有機カルボン酸誘導体と
エチレンとの共重合体、エチレン−ビニルアルコール共
重合体、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ
カーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレ
ン、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル等が挙げら
れる。
発明で用いる熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン、例えば
ポリエチレン、ポリプロピレン等のα−オレフィンの単
独重合体、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−
ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチル−1−ペン
テン共重合体、エチレン−ヘキセン共重合体等のエチレ
ンとC3−C18のα−オレフィンとの共重合体や、エチ
レン−メチルメタクリレート共重合体、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチ
レン−酢酸ビニル−メチルメタクリレート共重合体等の
エチレン性不飽和結合を有する有機カルボン酸誘導体と
エチレンとの共重合体、エチレン−ビニルアルコール共
重合体、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリ
カーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリスチレ
ン、ポリメタクリル酸メチル、アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル等が挙げら
れる。
【0009】また、エラストマーとしては、天然ゴム、
イソプレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、スチレ
ン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ニト
リルゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム等
が挙げられ、熱可塑性エラストマーとしては、スチレン
系、水添スチレン系、オレフィン系、特殊ポリオレフィ
ン系、ウレタン系、エステル系、ポリアミド系、塩化ビ
ニル系、塩化ビニル/ニトリルゴム系、塩化ビニル/ウ
レタン系等が挙げらる。これらは、単独あるいは2種以
上を組み合わせて用いることができる。
イソプレンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、スチレ
ン−ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、ニト
リルゴム、シリコンゴム、アクリルゴム、フッ素ゴム等
が挙げられ、熱可塑性エラストマーとしては、スチレン
系、水添スチレン系、オレフィン系、特殊ポリオレフィ
ン系、ウレタン系、エステル系、ポリアミド系、塩化ビ
ニル系、塩化ビニル/ニトリルゴム系、塩化ビニル/ウ
レタン系等が挙げらる。これらは、単独あるいは2種以
上を組み合わせて用いることができる。
【0010】上記熱可塑性樹脂のうち、とりわけ炭素数
3〜8のα−オレフィン類から選ばれた少なくとも1種
のα−オレフィンとエチレンとの共重合体が、充填剤の
受容性、得られる防錆用成形体の強度の観点から好まし
く、少なくとも20重量%以上が炭素数3〜8のα−オ
レフィン類から選ばれた少なくとも1種のα−オレフィ
ンとエチレンとの共重合体である線状低密度ポリエチレ
ンであって、その密度が0.87〜0.92、好ましく
は0.870〜0.915g/cm3のものが低温延伸
性の点からさらに好ましい。
3〜8のα−オレフィン類から選ばれた少なくとも1種
のα−オレフィンとエチレンとの共重合体が、充填剤の
受容性、得られる防錆用成形体の強度の観点から好まし
く、少なくとも20重量%以上が炭素数3〜8のα−オ
レフィン類から選ばれた少なくとも1種のα−オレフィ
ンとエチレンとの共重合体である線状低密度ポリエチレ
ンであって、その密度が0.87〜0.92、好ましく
は0.870〜0.915g/cm3のものが低温延伸
性の点からさらに好ましい。
【0011】本発明で用いる充填剤は、無機、あるいは
有機のものが挙げられ、無機充填剤としては、例えば、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の
炭酸塩、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシ
ウム等の硫酸塩、りん酸マグネシウム、りん酸カルシウ
ム等のりん酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム等の水酸化物、アルミナ、シリカ、酸化マグネシウ
ム酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン等の酸化物、
アルミニウム粉、ゼオライト、カオリン、シラス、白
土、珪藻土、タルク、カーボンブラック、クレー等が挙
げられる。
有機のものが挙げられ、無機充填剤としては、例えば、
炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウム等の
炭酸塩、硫酸バリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシ
ウム等の硫酸塩、りん酸マグネシウム、りん酸カルシウ
ム等のりん酸塩、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニ
ウム等の水酸化物、アルミナ、シリカ、酸化マグネシウ
ム酸化カルシウム、酸化亜鉛、酸化チタン等の酸化物、
アルミニウム粉、ゼオライト、カオリン、シラス、白
土、珪藻土、タルク、カーボンブラック、クレー等が挙
げられる。
【0012】また有機充填剤としては、パルプ粉等のセ
ルロース系粉末、ナイロン粉末、ポリカーボネート粉
末、ポリプロピレン粉末等の合成樹脂粉末、活性炭、キ
トサン粉末、キチン粉末、でんぷん等の有機充填剤が例
示できるが、これら有機充填剤を使用する場合は、使用
する上述した熱可塑性樹脂の加工温度で融解しないもの
が選定される。
ルロース系粉末、ナイロン粉末、ポリカーボネート粉
末、ポリプロピレン粉末等の合成樹脂粉末、活性炭、キ
トサン粉末、キチン粉末、でんぷん等の有機充填剤が例
示できるが、これら有機充填剤を使用する場合は、使用
する上述した熱可塑性樹脂の加工温度で融解しないもの
が選定される。
【0013】かかる充填剤は、表面処理されているもの
を用いても良く、またこれらは、単独もしくは2種以上
を組み合わせて使用してもよい。防錆剤の分散性に優れ
る均質な多孔成形体が得られ、さらに得られる防錆用成
形体からの防錆剤の放出性が均一になるという観点か
ら、平均粒径が0.5〜100μmの充填剤が好ましく
用いられる。
を用いても良く、またこれらは、単独もしくは2種以上
を組み合わせて使用してもよい。防錆剤の分散性に優れ
る均質な多孔成形体が得られ、さらに得られる防錆用成
形体からの防錆剤の放出性が均一になるという観点か
ら、平均粒径が0.5〜100μmの充填剤が好ましく
用いられる。
【0014】本発明に用いられる防錆剤は金属の発錆を
防止するに好適な防錆有効成分を含有するものであれば
特に制限はなく、防錆有効成分そのものでも防錆有効成
分を適当な後述するような溶媒で希釈した防錆有効成分
溶液でもよく、通常、市販の防錆剤が用いられ、取扱い
の観点から溶媒で希釈した防錆有効成分溶液が好ましく
用いられる。
防止するに好適な防錆有効成分を含有するものであれば
特に制限はなく、防錆有効成分そのものでも防錆有効成
分を適当な後述するような溶媒で希釈した防錆有効成分
溶液でもよく、通常、市販の防錆剤が用いられ、取扱い
の観点から溶媒で希釈した防錆有効成分溶液が好ましく
用いられる。
【0015】防錆有効成分としては、防錆効果の観点か
ら、JIS−Z0103に記載の気化性を有する防錆有
効成分が好ましく、例えば主に有機アミンと無機酸又は
有機酸との塩等が挙げられ、有機アミンとしては、脂肪
族、脂環族、芳香族、および複素環式のモノアミンであ
って、アミルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミ
ン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、シク
ロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、アニリ
ン、ジフェニルアミン、ベンジルアミン、ナフチルアミ
ン、モルホリン、ベンゾトリアゾール、アルキルベンゾ
トリアゾール等が挙げられる。
ら、JIS−Z0103に記載の気化性を有する防錆有
効成分が好ましく、例えば主に有機アミンと無機酸又は
有機酸との塩等が挙げられ、有機アミンとしては、脂肪
族、脂環族、芳香族、および複素環式のモノアミンであ
って、アミルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミ
ン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、シク
ロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、アニリ
ン、ジフェニルアミン、ベンジルアミン、ナフチルアミ
ン、モルホリン、ベンゾトリアゾール、アルキルベンゾ
トリアゾール等が挙げられる。
【0016】またかかるアミンと塩を形成する酸として
は、有機酸及び無機酸のいずれでもよく、例えば、カプ
リル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、コハ
ク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、安息香酸、ナフ
トエ酸、亜硝酸、りん酸、亜りん酸、炭酸等が挙げられ
る。これら防錆有効成分は1種単独で用いても良いし、
2種以上を組み合わせて用いても良い。とりわけ、蒸気
圧の異なる防錆有効成分を組み合わせて用いることは、
初期効力の向上と、防錆効果の長期化に有効である。
は、有機酸及び無機酸のいずれでもよく、例えば、カプ
リル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、コハ
ク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、安息香酸、ナフ
トエ酸、亜硝酸、りん酸、亜りん酸、炭酸等が挙げられ
る。これら防錆有効成分は1種単独で用いても良いし、
2種以上を組み合わせて用いても良い。とりわけ、蒸気
圧の異なる防錆有効成分を組み合わせて用いることは、
初期効力の向上と、防錆効果の長期化に有効である。
【0017】防錆有効成分溶液を用いる場合、該溶液中
の防錆有効成分の濃度は、用いる溶媒、熱可塑性樹脂の
種類、また防錆用成形体が使用される環境等により適宜
選択すればよいが、防錆効果の観点から、0.5wt%以
上が好ましい。
の防錆有効成分の濃度は、用いる溶媒、熱可塑性樹脂の
種類、また防錆用成形体が使用される環境等により適宜
選択すればよいが、防錆効果の観点から、0.5wt%以
上が好ましい。
【0018】また、防錆有効成分の濃度の上限は、用い
る溶媒に対する飽和溶解度までの量の間で経済性を考慮
して、所望の量を適宜選択することができる。
る溶媒に対する飽和溶解度までの量の間で経済性を考慮
して、所望の量を適宜選択することができる。
【0019】防錆有効成分を希釈する溶媒としては、使
用する防錆有効成分あるいは熱可塑性樹脂との親和性に
より種々のものが選択することができ、特定のものに限
定されることはない。例えば、ケロシン、ヘキサン、ガ
ソリン、灯油、機械油、ギヤー油、シリンダー油等の脂
肪族炭化水素類、トルエン、キシレン、メチルナフタレ
ン等の芳香族炭化水素類、ジクロロエタン、クロロホル
ム等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコ
ール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等の
ケトン類、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル
類、エステル類、すなわち、フタル酸ジオクチル、フタ
ル酸ジブチル、フタル酸ジメチル等のフタル酸エステル
類、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジメチル等のア
ジピン酸エステル類、セバシン酸ジメチル等のセバシン
酸エステル類、りん酸トリクレジル、りん酸トリエチ
ル、りん酸トリメチル等のりん酸エステル類、アセトニ
トリル等のニトリル類、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、
大豆油、綿実油、ひのき精油、ひば精油、月桃精油、ワ
サビ抽出油、からし抽出油等の植物油類等が挙げられ
る。
用する防錆有効成分あるいは熱可塑性樹脂との親和性に
より種々のものが選択することができ、特定のものに限
定されることはない。例えば、ケロシン、ヘキサン、ガ
ソリン、灯油、機械油、ギヤー油、シリンダー油等の脂
肪族炭化水素類、トルエン、キシレン、メチルナフタレ
ン等の芳香族炭化水素類、ジクロロエタン、クロロホル
ム等のハロゲン化炭化水素類、メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、エチレングリコール等のアルコ
ール類、アセトン、シクロヘキサノン、イソホロン等の
ケトン類、エチルエーテル、ジオキサン等のエーテル
類、エステル類、すなわち、フタル酸ジオクチル、フタ
ル酸ジブチル、フタル酸ジメチル等のフタル酸エステル
類、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジメチル等のア
ジピン酸エステル類、セバシン酸ジメチル等のセバシン
酸エステル類、りん酸トリクレジル、りん酸トリエチ
ル、りん酸トリメチル等のりん酸エステル類、アセトニ
トリル等のニトリル類、ジメチルアセトアミド、ジメチ
ルホルムアミド等のアミド類、ジメチルスルホキシド、
大豆油、綿実油、ひのき精油、ひば精油、月桃精油、ワ
サビ抽出油、からし抽出油等の植物油類等が挙げられ
る。
【0020】本発明の防錆用成形体は、上述した、熱可
塑性樹脂100重量部と充填剤50〜400重量部より
なり、防錆剤を該熱可塑性樹脂に対する飽和溶解量以上
含有する多孔質成形体である。
塑性樹脂100重量部と充填剤50〜400重量部より
なり、防錆剤を該熱可塑性樹脂に対する飽和溶解量以上
含有する多孔質成形体である。
【0021】ここで言う飽和溶解量とは、通常25℃に
おける飽和溶解量であり、例えば、以下のような測定方
法により求めた飽和溶解度から決定することができる。
熱可塑性樹脂の成形体、例えば0.5mm厚のシートを作
成し、25℃の状態中で所望の防錆剤に浸漬し、日毎の
重量変化を測定する。重量の変化がなくなった時点を飽
和状態と判断し、飽和溶解度を以下の式にしたがって算
出する。 Cs=((W1−W0)/W0)×100 Cs:飽和溶解度(wt%) W0 :浸漬前の成形体の重量(g) W1 :浸漬後の成形体の重量(g) 飽和溶解度は、用いる熱可塑性樹脂の種類、防錆剤の種
類等に依存するが、一般に0.1〜10wt%の範囲であ
る。
おける飽和溶解量であり、例えば、以下のような測定方
法により求めた飽和溶解度から決定することができる。
熱可塑性樹脂の成形体、例えば0.5mm厚のシートを作
成し、25℃の状態中で所望の防錆剤に浸漬し、日毎の
重量変化を測定する。重量の変化がなくなった時点を飽
和状態と判断し、飽和溶解度を以下の式にしたがって算
出する。 Cs=((W1−W0)/W0)×100 Cs:飽和溶解度(wt%) W0 :浸漬前の成形体の重量(g) W1 :浸漬後の成形体の重量(g) 飽和溶解度は、用いる熱可塑性樹脂の種類、防錆剤の種
類等に依存するが、一般に0.1〜10wt%の範囲であ
る。
【0022】本発明の防錆用成形体は上記により求めた
防錆剤の熱可塑性樹脂に対する飽和溶解量以上の量を含
有するものである。防錆剤の含有量が、熱可塑性樹脂に
対する飽和溶解量未満の場合、樹脂中における防錆剤の
拡散性が低く、より高い防錆効果を得ることが難しい。
1.2倍以上が好ましく、1.5倍以上がより好まし
い。
防錆剤の熱可塑性樹脂に対する飽和溶解量以上の量を含
有するものである。防錆剤の含有量が、熱可塑性樹脂に
対する飽和溶解量未満の場合、樹脂中における防錆剤の
拡散性が低く、より高い防錆効果を得ることが難しい。
1.2倍以上が好ましく、1.5倍以上がより好まし
い。
【0023】防錆剤の含有量の上限値は、防錆用成形体
の使用形態、期間等により適宜選択するればよいが、成
形性の観点から通常、飽和溶解量の50倍以下であり、
好ましくは30倍以下、より好ましくは20倍以下であ
る。
の使用形態、期間等により適宜選択するればよいが、成
形性の観点から通常、飽和溶解量の50倍以下であり、
好ましくは30倍以下、より好ましくは20倍以下であ
る。
【0024】また、本発明の防錆用成形体には、本発明
の効果を損なわない範囲で、他の添加剤、例えば、フェ
ノール系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、いおう系酸化
防止剤等の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑
剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、界面
活性剤、顔料、染料、難然剤、発泡剤、可塑剤、吸湿
剤、カーバメート系化合物、ピレスロイド系化合物、有
機りん系化合物等の殺虫活性を有する化合物、昆虫成長
調節剤、共力剤、防黴剤、抗菌剤、展着剤、芳香剤、消
臭剤等を配合しても良い。
の効果を損なわない範囲で、他の添加剤、例えば、フェ
ノール系酸化防止剤、りん系酸化防止剤、いおう系酸化
防止剤等の酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、滑
剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、界面
活性剤、顔料、染料、難然剤、発泡剤、可塑剤、吸湿
剤、カーバメート系化合物、ピレスロイド系化合物、有
機りん系化合物等の殺虫活性を有する化合物、昆虫成長
調節剤、共力剤、防黴剤、抗菌剤、展着剤、芳香剤、消
臭剤等を配合しても良い。
【0025】本発明の防錆用成形体の形状は特に制限は
ないが、使いやすさの観点からフィルムまたはシート状
である方が好ましい。かかる防錆用成形体は、熱可塑性
樹脂100重量部、充填剤50〜400重量部よりなる
樹脂組成物をシート状とし、該シート状物を少なくとも
一軸方向に1.1〜10倍に延伸して得られる多孔質成
形体に防錆剤を熱可塑性樹脂に対する飽和溶解量以上の
量を含有せしめることにより製造することができる。
ないが、使いやすさの観点からフィルムまたはシート状
である方が好ましい。かかる防錆用成形体は、熱可塑性
樹脂100重量部、充填剤50〜400重量部よりなる
樹脂組成物をシート状とし、該シート状物を少なくとも
一軸方向に1.1〜10倍に延伸して得られる多孔質成
形体に防錆剤を熱可塑性樹脂に対する飽和溶解量以上の
量を含有せしめることにより製造することができる。
【0026】シート状物の製造方法は、通常の押出成形
方法が例示でき、例えばインフレーション成形、T−ダ
イ成形等によりシート状に成形すればよい。延伸方法
は、例えば、ロール延伸、引き抜きダイ、チューブラー
延伸、テンター等の方法を用いて一軸または二軸に延伸
すればよい。二軸延伸の場合、同時二軸延伸であっても
良いし、縦方向に一軸に延伸した後、横方向に延伸を行
ういわゆる逐次延伸であっても良い。
方法が例示でき、例えばインフレーション成形、T−ダ
イ成形等によりシート状に成形すればよい。延伸方法
は、例えば、ロール延伸、引き抜きダイ、チューブラー
延伸、テンター等の方法を用いて一軸または二軸に延伸
すればよい。二軸延伸の場合、同時二軸延伸であっても
良いし、縦方向に一軸に延伸した後、横方向に延伸を行
ういわゆる逐次延伸であっても良い。
【0027】延伸倍率は少なくとも一軸方向に通常1,
1〜10倍の範囲である。延伸倍率が1.1倍未満で
は、気孔率(樹脂成形体の単位重量当たりの微細孔の全
体積の割合)が低くなり、熱可塑性樹脂に対する飽和溶
解度以上の防錆有効成分を安定的に保持することが困難
となり、一方、10倍を超える場合には樹脂が破断して
しまったり、必要以上に微細孔の径が大きくなる。延伸
して得られた成形体はそのまま使用することもできる
し、必要によリアニーリング処理をして後収縮を押さえ
るようにすることもできる。アニーリングの温度は、延
伸温度と樹脂の融点の間にあることが好ましい。
1〜10倍の範囲である。延伸倍率が1.1倍未満で
は、気孔率(樹脂成形体の単位重量当たりの微細孔の全
体積の割合)が低くなり、熱可塑性樹脂に対する飽和溶
解度以上の防錆有効成分を安定的に保持することが困難
となり、一方、10倍を超える場合には樹脂が破断して
しまったり、必要以上に微細孔の径が大きくなる。延伸
して得られた成形体はそのまま使用することもできる
し、必要によリアニーリング処理をして後収縮を押さえ
るようにすることもできる。アニーリングの温度は、延
伸温度と樹脂の融点の間にあることが好ましい。
【0028】延伸を行う際の温度は、使用する熱可塑性
樹脂により適宜設定すればよいが、延伸時の安定性の観
点から通常、約10℃以上使用する熱可塑性樹脂の融点
以下であり、好ましくは室温付近(約23℃)から使用
する熱可塑性樹脂の融点より約20〜30℃低い温度の
範囲が好ましい。
樹脂により適宜設定すればよいが、延伸時の安定性の観
点から通常、約10℃以上使用する熱可塑性樹脂の融点
以下であり、好ましくは室温付近(約23℃)から使用
する熱可塑性樹脂の融点より約20〜30℃低い温度の
範囲が好ましい。
【0029】防錆剤を多孔質成形体に含有させる方法と
しては、種々の方法を選択することができ、例えば、多
孔質成形体を浸漬する方法、バーコーター等で多孔質成
形体上に防錆剤を塗布する方法、紙や不織布等の吸収性
の良い基材に防錆剤を含浸させた後、多孔質成形体と接
触させておくことにより、多孔質成形体側に毛細管現象
を利用して移行させる方法、多孔質成形体と紙や不織布
等の吸収性の良い基材とを重ねて巻き、防錆剤中に浸漬
する方法等が挙げられる。
しては、種々の方法を選択することができ、例えば、多
孔質成形体を浸漬する方法、バーコーター等で多孔質成
形体上に防錆剤を塗布する方法、紙や不織布等の吸収性
の良い基材に防錆剤を含浸させた後、多孔質成形体と接
触させておくことにより、多孔質成形体側に毛細管現象
を利用して移行させる方法、多孔質成形体と紙や不織布
等の吸収性の良い基材とを重ねて巻き、防錆剤中に浸漬
する方法等が挙げられる。
【0030】本発明の防錆用成形体は、その使用形態に
応じて、防錆用成形体の少なくとも片面に、一種あるい
は二種以上の熱可塑性樹層および/または一種あるいは
二種以上の緩衝作用を有する緩衝層を配した防錆用多層
成形体として用いてもよい。
応じて、防錆用成形体の少なくとも片面に、一種あるい
は二種以上の熱可塑性樹層および/または一種あるいは
二種以上の緩衝作用を有する緩衝層を配した防錆用多層
成形体として用いてもよい。
【0031】熱可塑性樹脂層は、単にフィルムやシート
であっても良いし、不織布のような種々の形状に加工し
たものでも良い。また緩衝層としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリウレタン、ゴム、熱可塑性エラス
トマー等の発泡体、エアセル、段ボール等のリブ形状を
有するもの等が例示でき、材質は特に限定されることは
ない。また、熱可塑性樹脂層および/または緩衝層を防
錆シートに配する方法としては、例えば、サンドラミネ
ーション、熱ラミネーション、ホットメルトラミネーシ
ョン、ドライラミネーション等のラミネーション法、接
着剤による接着法等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂
層と緩衝層とを同時に配することもできる。
であっても良いし、不織布のような種々の形状に加工し
たものでも良い。また緩衝層としては、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポリウレタン、ゴム、熱可塑性エラス
トマー等の発泡体、エアセル、段ボール等のリブ形状を
有するもの等が例示でき、材質は特に限定されることは
ない。また、熱可塑性樹脂層および/または緩衝層を防
錆シートに配する方法としては、例えば、サンドラミネ
ーション、熱ラミネーション、ホットメルトラミネーシ
ョン、ドライラミネーション等のラミネーション法、接
着剤による接着法等が挙げられる。また、熱可塑性樹脂
層と緩衝層とを同時に配することもできる。
【0032】防錆用成形体へ上記の層を配する場合、そ
の層構成は使用される環境や目的に応じて設定すればよ
い。例えば、防錆用成形体を金属部品の下に敷いて用い
る場合、金属に接する側から、熱可塑性樹脂層(例えば
ポリエチレン層)、防錆用成形体、不織布層等、が例示
される。
の層構成は使用される環境や目的に応じて設定すればよ
い。例えば、防錆用成形体を金属部品の下に敷いて用い
る場合、金属に接する側から、熱可塑性樹脂層(例えば
ポリエチレン層)、防錆用成形体、不織布層等、が例示
される。
【0033】本発明の防錆用成形体は、金属の発錆を有
効に防止するすることができ、その施工方法は特に限定
されることはない。例えば、金属がフィルムで包装され
ている場合は、包装された内側に投入されていれば良い
し、木やプラスチック等の箱に金属が包装される場合
は、箱内の底面、側面、天板等に貼り付けたり、金属部
品の上に置いたり、立てかけたり、上部から吊り下げた
り、といった任意の方法を取ることができる。さらに、
該防錆シートで金属部品を直接くるんでも、挟み込んで
も良い。本発明の防錆用成形体により発錆を防止するこ
とのできる金属は特に限定されず、所望の金属に適応し
た防錆有効成分を選択すれば良い。
効に防止するすることができ、その施工方法は特に限定
されることはない。例えば、金属がフィルムで包装され
ている場合は、包装された内側に投入されていれば良い
し、木やプラスチック等の箱に金属が包装される場合
は、箱内の底面、側面、天板等に貼り付けたり、金属部
品の上に置いたり、立てかけたり、上部から吊り下げた
り、といった任意の方法を取ることができる。さらに、
該防錆シートで金属部品を直接くるんでも、挟み込んで
も良い。本発明の防錆用成形体により発錆を防止するこ
とのできる金属は特に限定されず、所望の金属に適応し
た防錆有効成分を選択すれば良い。
【0034】
【発明の効果】本発明の防錆シートは、多量の防錆剤を
保持させることが可能であり、防錆剤の安定的かつ持続
的な放出を可能にしたものである。とりわけ、金属部品
の海外輸出時等の結露が生じ易く、かつ長期にわたる輸
送及び保管等で、従来の技術では十分な防錆効果が得難
かった使用形態において有効である。
保持させることが可能であり、防錆剤の安定的かつ持続
的な放出を可能にしたものである。とりわけ、金属部品
の海外輸出時等の結露が生じ易く、かつ長期にわたる輸
送及び保管等で、従来の技術では十分な防錆効果が得難
かった使用形態において有効である。
【0035】また本発明の防錆用成形体を箱内の床面に
敷くことは緩衝作用をも付与する働きもあり、とりわ
け、緩衝層を配した防錆用多層成形体は緩衝性能に優れ
るの。
敷くことは緩衝作用をも付与する働きもあり、とりわ
け、緩衝層を配した防錆用多層成形体は緩衝性能に優れ
るの。
【0036】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれら実施例に限定されることはな
い。なお、実施例および比較例中での評価方法は以下の
通りである。
明するが、本発明はこれら実施例に限定されることはな
い。なお、実施例および比較例中での評価方法は以下の
通りである。
【0037】[防錆性能評価方法]JIS−G5501に
規定の鋳鉄(FC−25、250mmΦ、厚さ10mmに切
削加工したもの)を試験材料とし、試験開始直前にJI
S−K2246に記載の方法で試験サンプルを洗浄した
後、プラスチック段ボール製の箱(内寸282×325
×310mm)内に設置した。箱内には、水分の供給用と
して、50mmΦのシャーレ中に50ccの水を入れたもの
を4つ設置した。また、防錆シート等は、上部より吊り
下げた。この箱を密封し、30℃で20時間の後、2℃
で3時間放置し、その時の錆の発錆度合いで評価した。
尚、錆の発錆度合いはJIS−K−2246記載の方法
に従って評価した。
規定の鋳鉄(FC−25、250mmΦ、厚さ10mmに切
削加工したもの)を試験材料とし、試験開始直前にJI
S−K2246に記載の方法で試験サンプルを洗浄した
後、プラスチック段ボール製の箱(内寸282×325
×310mm)内に設置した。箱内には、水分の供給用と
して、50mmΦのシャーレ中に50ccの水を入れたもの
を4つ設置した。また、防錆シート等は、上部より吊り
下げた。この箱を密封し、30℃で20時間の後、2℃
で3時間放置し、その時の錆の発錆度合いで評価した。
尚、錆の発錆度合いはJIS−K−2246記載の方法
に従って評価した。
【0038】(実施例1)熱可塑性樹脂として、線状低
密度ポリエチレン(住友化学工業(株)製、商品名:エ
クセレンVL200)100重量部と充填剤として炭酸
カルシウム(白石カルシウム(株)製、商品名:ホワイ
トンSSB(赤)120重量部とをバンバリーミキサー
により120℃で5分間混練して樹脂組成物を得た。こ
の樹脂組成物をTダイ押出し機を用いて厚さ1mmのシー
トに成形した。得られたシートをロール延伸機を用い、
50℃で1軸方向に4倍に延伸し、多孔質体を得た。
密度ポリエチレン(住友化学工業(株)製、商品名:エ
クセレンVL200)100重量部と充填剤として炭酸
カルシウム(白石カルシウム(株)製、商品名:ホワイ
トンSSB(赤)120重量部とをバンバリーミキサー
により120℃で5分間混練して樹脂組成物を得た。こ
の樹脂組成物をTダイ押出し機を用いて厚さ1mmのシー
トに成形した。得られたシートをロール延伸機を用い、
50℃で1軸方向に4倍に延伸し、多孔質体を得た。
【0039】得られた多孔質体を防錆溶液としての市販
防錆油(大和化成(株)製、商品名:VERZONE
Origin Oil #220、防錆有効成分として
有機アミンのカルボン酸塩の混合物を50wt%機械油中
に含む気化性防錆油)中に飽和に達するまで含浸し、防
錆成形体を得た。得られた該成形体中の防錆剤の含有量
は38wt%であった。得られた防錆用成形体は表1に示
すとおり、良好な防錆性能を示した。なお、上記防錆油
のエクセレンVL200に対する飽和溶解量は4wt%で
あった。
防錆油(大和化成(株)製、商品名:VERZONE
Origin Oil #220、防錆有効成分として
有機アミンのカルボン酸塩の混合物を50wt%機械油中
に含む気化性防錆油)中に飽和に達するまで含浸し、防
錆成形体を得た。得られた該成形体中の防錆剤の含有量
は38wt%であった。得られた防錆用成形体は表1に示
すとおり、良好な防錆性能を示した。なお、上記防錆油
のエクセレンVL200に対する飽和溶解量は4wt%で
あった。
【0040】(実施例2)熱可塑性樹脂として線状低密
度ポリエチレン(住友化学工業(株)製、商品名:エク
セレンVL200)40重量部と線状低密度ポリエチレ
ン(住友化学工業(株)製、商品名:スミカセン−L
FS240A)60重量部とした以外は実施例1と同様
にして防錆成形体を得た。得られた防錆成形体中の防錆
溶液の含有量は33wt%であった。得られた防錆成形体
は表1に示すとおり、良好な防錆性能を示した。
度ポリエチレン(住友化学工業(株)製、商品名:エク
セレンVL200)40重量部と線状低密度ポリエチレ
ン(住友化学工業(株)製、商品名:スミカセン−L
FS240A)60重量部とした以外は実施例1と同様
にして防錆成形体を得た。得られた防錆成形体中の防錆
溶液の含有量は33wt%であった。得られた防錆成形体
は表1に示すとおり、良好な防錆性能を示した。
【0041】(実施例3)実施例1で得られた多孔質体
の片面に、200℃で低密度ポリエチレンを50マイク
ロの厚みになるように流しながら、不織布をラミネート
した。得られたラミネート多孔質体を実施例1と同様の
条件で防錆剤を含浸し、防錆用成形体を得た。得られた
防錆用成形体中の防錆溶液含有率は40wt%であった。
得られた防錆成形体は表1に示すとおり、良好な防錆性
能を示した。
の片面に、200℃で低密度ポリエチレンを50マイク
ロの厚みになるように流しながら、不織布をラミネート
した。得られたラミネート多孔質体を実施例1と同様の
条件で防錆剤を含浸し、防錆用成形体を得た。得られた
防錆用成形体中の防錆溶液含有率は40wt%であった。
得られた防錆成形体は表1に示すとおり、良好な防錆性
能を示した。
【0042】(比較例1)防錆用成形体を全く入れず
に、防錆性能評価試験を実施した。結果を表1に示し
た。
に、防錆性能評価試験を実施した。結果を表1に示し
た。
【0043】(比較例2)熱可塑性樹脂として線状低密
度ポリエチレン(住友化学工業(株)製、商品名:エク
セレンVL200)100重量部と充填剤として炭酸カ
ルシウム(白石カルシウム(株)製、商品名:ホワイト
ンSSB(赤)120重量部とをバンバリーミキサーに
より120℃で5分間混練して樹脂組成物を得た。得ら
れた組成物をTダイ押出し機を用いて厚さ1mmのシート
に成形した。
度ポリエチレン(住友化学工業(株)製、商品名:エク
セレンVL200)100重量部と充填剤として炭酸カ
ルシウム(白石カルシウム(株)製、商品名:ホワイト
ンSSB(赤)120重量部とをバンバリーミキサーに
より120℃で5分間混練して樹脂組成物を得た。得ら
れた組成物をTダイ押出し機を用いて厚さ1mmのシート
に成形した。
【0044】得られたシートを防錆溶液としての市販防
錆油(大和化成(株)製、商品名:VERZONE O
rigin Oil #220、防錆有効成分として有
機アミンのカルボン酸塩の混合物を50wt%機械油中に
含む気化性防錆油)中に含浸し、防錆シートを得た。得
られた防錆シート中の防錆溶液の含有量は4wt%であっ
た。評価結果を表1に示した。
錆油(大和化成(株)製、商品名:VERZONE O
rigin Oil #220、防錆有効成分として有
機アミンのカルボン酸塩の混合物を50wt%機械油中に
含む気化性防錆油)中に含浸し、防錆シートを得た。得
られた防錆シート中の防錆溶液の含有量は4wt%であっ
た。評価結果を表1に示した。
【0045】(比較例3)熱可塑性樹脂として線状低密
度ポリエチレン(住友化学工業(株)製、商品名:エク
セレンVL200)100重量部をTダイ押出し機を用
いて厚さ1mmのシートに成形した。得られたシートをロ
ール延伸機を用い、50℃で1軸方向に4倍に延伸し
た。得られたシートを防錆溶液としての市販防錆油(大
和化成(株)製、商品名:VERZONE Origi
n Oil #220、防錆有効成分として有機アミン
のカルボン酸塩の混合物を50wt%機械油中に含む気化
性防錆油)中に含浸し、防錆シートを得た。得られた防
錆シート中の防錆溶液の含有量は2wt%であった。評価
結果を表1に示した。
度ポリエチレン(住友化学工業(株)製、商品名:エク
セレンVL200)100重量部をTダイ押出し機を用
いて厚さ1mmのシートに成形した。得られたシートをロ
ール延伸機を用い、50℃で1軸方向に4倍に延伸し
た。得られたシートを防錆溶液としての市販防錆油(大
和化成(株)製、商品名:VERZONE Origi
n Oil #220、防錆有効成分として有機アミン
のカルボン酸塩の混合物を50wt%機械油中に含む気化
性防錆油)中に含浸し、防錆シートを得た。得られた防
錆シート中の防錆溶液の含有量は2wt%であった。評価
結果を表1に示した。
【0046】(比較例4)熱可塑性樹脂として線状低密
度ポリエチレン(住友化学工業(株)製、商品名:エク
セレンVL200)100重量部と充填剤として炭酸カ
ルシウム(白石カルシウム(株)製、商品名:ホワイト
ンSSB(赤)40重量部とをバンバリーミキサーによ
り120℃で5分間混練して樹脂組成物を得た。得られ
た組成物をTダイ押出し機を用いて厚さ1mmのシートに
成形した。
度ポリエチレン(住友化学工業(株)製、商品名:エク
セレンVL200)100重量部と充填剤として炭酸カ
ルシウム(白石カルシウム(株)製、商品名:ホワイト
ンSSB(赤)40重量部とをバンバリーミキサーによ
り120℃で5分間混練して樹脂組成物を得た。得られ
た組成物をTダイ押出し機を用いて厚さ1mmのシートに
成形した。
【0047】得られたシートをロール延伸機を用い、5
0℃で1軸方向に4倍に延伸した。得られたシートを防
錆溶液としての市販防錆油(大和化成(株)製、商品
名:VERZONE Origin Oil #22
0、防錆有効成分として有機アミンのカルボン酸塩の混
合物を50wt%機械油中に含む気化性防錆油)中に含浸
し、防錆シートを得た。得られた防錆シート中の防錆溶
液の含有量は4wt%であった。評価結果を表1に示し
た。
0℃で1軸方向に4倍に延伸した。得られたシートを防
錆溶液としての市販防錆油(大和化成(株)製、商品
名:VERZONE Origin Oil #22
0、防錆有効成分として有機アミンのカルボン酸塩の混
合物を50wt%機械油中に含む気化性防錆油)中に含浸
し、防錆シートを得た。得られた防錆シート中の防錆溶
液の含有量は4wt%であった。評価結果を表1に示し
た。
【0048】(比較例5)市販の防錆紙(有効成分:ジ
シクロヘキシルアミンナイトライト3%)を用いて防錆
性能評価を行った。評価結果を表1に示した。
シクロヘキシルアミンナイトライト3%)を用いて防錆
性能評価を行った。評価結果を表1に示した。
【0049】(比較例6)市販の防錆フィルム(有効成
分:ジイソプロピルアミンナイトライト3%、厚み10
0μm)を用いて防錆性能評価を行った。評価結果を表
1に示した。
分:ジイソプロピルアミンナイトライト3%、厚み10
0μm)を用いて防錆性能評価を行った。評価結果を表
1に示した。
【0050】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 101/00 C08L 101/00
Claims (11)
- 【請求項1】熱可塑性樹脂100重量部、充填剤50〜
400重量部よりなる防錆剤含有多孔質成形体であっ
て、該成形体中の防錆剤の量が熱可塑性樹脂に対する飽
和溶解量以上である防錆用成形体。 - 【請求項2】防錆剤含有多孔質成形体がフィルム状また
はシート状である請求項1記載の防錆用成形体。 - 【請求項3】防錆剤の量が熱可塑性樹脂に対する飽和溶
解量の1〜50倍である請求項1または2記載の防錆用
成形体。 - 【請求項4】防錆剤が気化性防錆剤である請求項1〜3
のいずれか1項記載の防錆用成形体。 - 【請求項5】防錆剤が防錆有効成分溶液である請求項1
〜4のいずれか1項記載の防錆用成形体。 - 【請求項6】防錆有効成分溶液中の防錆有効成分の濃度
が0.5wt%以上である請求項5記載の防錆用成形体。 - 【請求項7】熱可塑性樹脂がポリオレフィン系樹脂であ
る請求項1記載の防錆用成形体。 - 【請求項8】ポリオレフィン系樹脂が、エチレンと炭素
数3〜18のα−オレフィンとの共重合体である請求項
7記載の防錆用成形体。 - 【請求項9】請求項1記載の防錆用成形体に熱可塑性樹
脂層および/または緩衝層を配してなる防錆用多層成形
体。 - 【請求項10】金属の発錆防止用途に用いる請求項1〜
9記載の成形体。 - 【請求項11】熱可塑性樹脂100重量部、充填剤50
〜400重量部からなるシート状物を少なくとも一軸方
向に1.1〜10倍に延伸して得られる多孔質樹脂成形
体に、該熱可塑性樹脂に対する飽和溶解量以上の量の防
錆剤を含有せしめる請求項1記載の防錆用成形体の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35789397A JPH11181143A (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 防錆用成形体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35789397A JPH11181143A (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 防錆用成形体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11181143A true JPH11181143A (ja) | 1999-07-06 |
Family
ID=18456484
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35789397A Pending JPH11181143A (ja) | 1997-12-25 | 1997-12-25 | 防錆用成形体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11181143A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006213759A (ja) * | 2005-02-01 | 2006-08-17 | Konica Minolta Opto Inc | 光学材料及び光学素子 |
JP2021160768A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 大日本印刷株式会社 | 防錆性フィルム |
JP2021160770A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 大日本印刷株式会社 | 防錆性フィルム |
JP2021160769A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 大日本印刷株式会社 | 防錆性フィルム |
JP2021160772A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 大日本印刷株式会社 | 防錆性フィルム |
-
1997
- 1997-12-25 JP JP35789397A patent/JPH11181143A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006213759A (ja) * | 2005-02-01 | 2006-08-17 | Konica Minolta Opto Inc | 光学材料及び光学素子 |
JP2021160768A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 大日本印刷株式会社 | 防錆性フィルム |
JP2021160770A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 大日本印刷株式会社 | 防錆性フィルム |
JP2021160769A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 大日本印刷株式会社 | 防錆性フィルム |
JP2021160772A (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-11 | 大日本印刷株式会社 | 防錆性フィルム |
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