JPH11179909A - 静電型アクチュエータ - Google Patents

静電型アクチュエータ

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JPH11179909A
JPH11179909A JP4174098A JP4174098A JPH11179909A JP H11179909 A JPH11179909 A JP H11179909A JP 4174098 A JP4174098 A JP 4174098A JP 4174098 A JP4174098 A JP 4174098A JP H11179909 A JPH11179909 A JP H11179909A
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JP
Japan
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compound
electrostatic actuator
ink
opposing
concentration
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Withdrawn
Application number
JP4174098A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Sato
和彦 佐藤
Hiroyuki Maruyama
博幸 丸山
Koji Kitahara
浩司 北原
Keiichi Mukoyama
恵一 向山
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J2/00Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
    • B41J2/005Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
    • B41J2/01Ink jet
    • B41J2/135Nozzles
    • B41J2/14Structure thereof only for on-demand ink jet heads
    • B41J2/14314Structure of ink jet print heads with electrostatically actuated membrane

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Materials Applied To Surfaces To Minimize Adherence Of Mist Or Water (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 静電気力によって相対変位する対向部材を備
えた静電型アクチュエータにおいて、対向部材同士の貼
り付きを防止する疎水膜を形成した後、対向部材間に疎
水膜を形成する化合物の濃度を所定値以上に保った状態
で、対向部材間を気密封止する工程をより容易に行うこ
とが可能な形状の静電型アクチュエータを提供する。 【解決手段】 静電型アクチュエータを用いたインクジ
ェッドヘッド1のインク室6の底壁(共通電極)5の表
面およびセグメント電極18の表面を含む振動室15
は、外部を結ぶ管15bと接続しており、この管15b
の一部を封止材20で封止することにより、振動室15
内部に、疎水膜を形成するための化合物が封止される。
振動室の体積をV、前記管の断面積をS、長さをLとし
たとき、これらの関係がV・L/S≧25を満たすよう
にしたため、処理槽内で化合物を注入後、処理槽外で封
止材20により振動室15を気密封止するまでの間に、
振動室15内の化合物の濃度が低下する速度を緩和で
き、処理槽外で化合物を濃度の高い状態に保って、槽外
で封止することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は対向電極間に電圧を
印加することにより発生する静電気力を駆動源として利
用している静電型アクチュエータに関するものである。
更に詳しくは、本発明は、静電気力により相対変位する
部材の表面に疎水膜を備えた静電型アクチュエータにお
ける当該疎水膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタのインクジェッ
トヘッド等には、半導体の微細加工技術を用いて形成さ
れた微小構造のアクチュエータが用いられている。この
微小構造のアクチュエータとしては、その駆動源として
静電気力を利用した静電駆動方式のものが知られてい
る。例えば、本出願人によって、静電気力を利用してイ
ンク液滴を吐出するタイプのインクジェットヘッドが特
開平5−50601号、同6−70882号公報に開示
されている。
【0003】この形式のインクジェットヘッドは、イン
クノズルに連通しているインク室の底面が弾性変形可能
な振動板として形成されている。この振動板には、一定
の間隔で基板が対向配置されている。これらの振動板お
よび基板には、それぞれ対向電極が配置され、これらの
対向電極の間の空間は封止された状態となっている。対
向電極間に電圧を印加すると、これらの間に発生する静
電気力によってインク室の底面(振動板)が基板の側に
静電吸引あるいは静電反発されて振動する。このインク
室の底面の振動に伴って発生するインク室の内圧変動に
よりインクノズルからインク液滴が吐出される。対向電
極間に印加する電圧を制御することにより、記録に必要
な時にのみインク液滴を吐出する、所謂インク・オン・
デマンド方式が実現される。
【0004】ここで、対向電極間に繰り返し電圧を印加
してインクジェットヘッドを駆動している間に、対向電
極の表面、すなわち、対向しているインク室底面および
基板の表面に水分が付着すると、これらの極性分子の帯
電によって、静電吸引特性あるいは静電反発特性が低下
する恐れがある。また、基板の表面に吸着した極性分子
が相互に水素結合して、インク室底面が基板側に貼り付
いたままの状態(スティッキング状態)となり、動作不
能となる恐れがある。
【0005】このような弊害を回避するために、インク
室底面および基板表面に疎水化処理を施すことが考えら
れる。例えば、パーフルオロデカン酸(PFDA)の配
向単分子層をこれらの表面に形成することにより、これ
らの表面を疎水化することが考えられる。
【0006】PFDAを用いた疎水化処理が施された静
電型アクチュエータの例は、例えば、特開平7−130
07号公報、USP5、331、454に開示されてい
る。これらの公報においては、静電型アクチュエータで
あるマイクロメカニカル装置における対向電極の表面に
PFDAの配向単分子層を形成することにより、これら
が駆動中に膠着状態に陥ること等を防止するようにして
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】PFDAを用いた疎水
化処理の他に、本発明者等は、HMDS等(ヘキサメチ
ルジシラザン、(CHSiNHSi(C
)を用いて疎水化処理を行うことを提案してい
る。即ち、疎水膜を形成するための化合物を対向電極の
間の空間に気密封止して、静電型アクチュエータの耐久
性を向上させることを提案している。
【0008】本発明者等の知見によれば、アクチュエー
タの耐久性と、アクチュエータ内に気密封止された化合
物の濃度とは密接な関係があることが得られた。詳細に
説明すると、本発明者等は、対向表面に疎水基を有し、
かつ水酸基と反応可能な有機珪素化合物の一つであるヘ
キサメチルジシラザン(HMDS)からなる疎水膜を付
着した直後から外部(大気中)に放置した場合における
疎水膜の耐久性を調べたところ、図7に示すように、放
置した直後から急激に低下して数分後に所定のレベルに
おちつき、その後、さらに数日間放置すると、耐久性は
再び徐々に回復することが分かった。より詳しく現象を
説明すると、図7の領域Bの範囲内で対向部材間を封止
したものは、対向部材間(対向する電極から構成される
キャパシタ)の充放電を400〜500万回繰り返す
と、対向部材間にゲル状の異物が発生し、アクチェエー
タを作動させることが困難となる。このゲル状の異物
は、対向部材間の隙間を早く封止するほど、発生する時
期が遅くなる(領域A)。即ち対向部材間の隙間内のH
MDS濃度を上げるほど、ゲル状の異物が発生しにくく
なるということが分かった。一方、気密封止まで所定時
間以上放置したものもゲル状の異物が発生しにくくなる
(領域C)。
【0009】この特異な現象は、疎水膜を形成するため
の化合物が対向部材間に過多に存在すると、静電型アク
チュエータに充放電を繰り返すうちに化合物がゲル化し
やすく、極めて過多な化合物が封止されれば逆にゲル化
が抑制されるということを示唆している。また、気密封
止まで所定時間以上放置すれば、過多な化合物が加水分
解により除去され、異物化の原因となる過多な化合物が
除去されるものと考えられる。
【0010】即ち、このような実験結果から、耐久性の
ある疎水膜を得るためには、対向表面間に疎水膜を形成
するための化合物を注入した後、1) 対向表面間の隙間
に存在する疎水膜を形成するための化合物の濃度が所定
値以上に保たれた状態のまま当該隙間を気密封止する
か、2)数日間大気中に対向部材を放置した後隙間を封止
すればよいということが分かった。
【0011】隙間に化合物の濃度が所定値以上に保たれ
た状態のまま当該隙間を気密封止する方法1)で静電型ア
クチュエータを製造する場合、本発明者等の実験によれ
ば、化合物の濃度が0.3〜0.8%以上の状態で隙間
を気密封止すれば、疎水膜の耐久性を実用上十分なもの
にできることが確認されている。
【0012】このように、できる限り化合物の濃度の高
い状態で対向部材間の隙間を封止することが望ましく、
このためにはHMDSを充填した槽内で隙間を封止する
作業を行う工程を採用することが好ましいが、反面、以
下の点が課題となることがある。即ち、槽内で封止材、
具体的にはエポキシ系の接着剤を用いて隙間を封止する
ことは、容易な作業ではない。また、HMDS以外の接
着剤の成分で槽内を汚染することは、品質管理上好まし
くない。
【0013】従って、槽内に所定時間置かれた静電型ア
クチュエータを、槽内から取り出した後迅速に隙間の封
止を行う工程を採用するほうが、静電型アクチュエータ
の大量生産には適しているが、化合物の濃度の高い状態
に保って槽外で封止することは困難であった。
【0014】本発明の課題は、このような点に鑑みて、
耐久性のある疎水膜を備えた静電型アクチュエータを提
供するとともに、アクチュエータ内に注入された疎水膜
を形成するための化合物を濃度の高い状態に保って、槽
外で封止することが可能な、即ち大量生産に適した形状
の静電型アクチュエータを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、一定の間隔で
対向配置され相対変位可能な対向部材と、これらの対向
部材の間に静電気力を発生させて当該対向部材を相対変
位させる駆動手段と、前記対向部材の対向表面に形成し
た疎水膜とを有する静電型アクチュエータにおいて、前
記対向部材が形成された面を壁面の一部とする振動室
と、該振動室と外部を結ぶ管と、前記管の一部を封止
し、前記振動室に前記疎水膜を形成する化合物を気密封
止するための封止材とを備え、前記振動室の体積をV、
前記管の断面積をS、長さをLとしたとき、これらの関
係がV・L/S≧25を満たすようにしている。
【0016】前記化合物は、例えば、疎水基を有し、か
つ水酸基と反応可能な有機珪素化合物であることが好ま
しい。これらは分子量がフッ素化合物に比べより微少な
隙間に注入しやすいためである。即ち、化合物を処理槽
内充満させ、その中に置かれたアクチュエータ内に化合
物を侵入させて疎水膜を形成する方法では、分子量の小
さな化合物である有機珪素化合物を用いることが好まし
い。
【0017】より具体的な有機珪素化合物は、例えば、
式R−Si−X、もしくは式R−SiNHSi−
(Rはアルキル基、Xはハロゲンもしくはアミノ基
を示す)で表される化合物であり、ヘキサメチルジシラ
ザン((CHSiNHSi(CH)、ヘキ
サエチルジシラザン((CSiNHSi(C
)、トリメチルクロロシラン((CH
SiCl)、トリエチルクロロシラン((C
SiCl)、トリメチルアミノシラン((CH
iNH)、トリエチルアミノシラン((C
SiNH)等が含まれる。また、前記有機珪素化合物
は、例えば、ジメチルジクロロシラン((CH
iCl)等の式R−Si−X(Rはアルキル基、X
はハロゲン、アミノ基、もしくはシリル化アミンを示
す)で表される化合物であってもよい。
【0018】本発明を適用可能な静電型アクチュエータ
はインクジェット記録装置に用いるインクジェットヘッ
ドである。この場合には、静電型アクチュエータを、前
記第1および第2の部材の相対変位によって容積が変動
するインク室と、当該インク室に連通しているインクノ
ズルとを有する構成とし、前記駆動手段を、前記第1の
部材および前記第2の部材に形成した対向電極と、これ
らの対向電極の間に電気パルスを印加する電圧印加手段
とを備えた構成とし、前記電気パルスの印加に応じて前
記インクノズルからインク液滴を吐出させるようにすれ
ばよい。
【0019】このように、本発明では、対向部材が形成
された面を壁面の一部とする振動室と、該振動室と外部
を結ぶ管と、管の一部を封止し、振動室に疎水膜を形成
する化合物を気密封止するための封止材とを備えてお
り、前記振動室の体積をV、前記管の断面積をS、長さ
をLとしたとき、これらの関係がV・L/S≧25を満
たすようにしたため、所定濃度以上の化合物が充満した
処理槽内にアクチュエータを入れ、アクチュエータ内の
対向部材間に化合物が満たされた後、槽内から取り出し
た後の静電型アクチュエータの対向部材間の隙間内の化
合物の濃度の低下する速度を緩和でき、槽外で隙間の封
止を行っても十分静電型アクチュエータの耐久性を確保
できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明の
静電型アクチュエータインクジェットヘッドをインクジ
ェットヘッドに適用した例について説明する。
【0021】(全体構成)図1は本発明を適用したイン
クジェットヘッドの分解斜視図である。また、図2は組
み立てられたインクジェットヘッドの断面構成図(図3
のII-II断面)、図3はその平面図、図4はその部分(I
V-IV)断面図である。
【0022】これらの図に示すように、インクジェット
ヘッド1は、インク液滴を基板の上面に設けたインクノ
ズルから吐出させるフェイスインクジェットタイプであ
り、静電駆動方式のものである。インクジェットヘッド
1は、キャビティープレート3を挟み、上側にノズルプ
レート2、下側にガラス基板4がそれぞれ積層された3
層構造となっている。
【0023】キャビティープレート3は、例えばシリコ
ン基板であり、プレートの表面には底壁が振動板5とし
て機能するインク室6を構成することになる凹部7と、
凹部7の後部に設けられたインク供給口8を形成するこ
とになる細溝9と、各々のインク室6にインクを供給す
るためのインクリザーバ10を構成することになる凹部
11とがエッチングによって形成されている。このキャ
ビティープレート3の下面は鏡面研磨によって平滑化さ
れている。
【0024】このキャビティープレート3の上側に接合
されるノズルプレート2は、キャビティープレート3と
同様に、例えばシリコン基板である。ノズルプレート2
において、インク室6の上面を規定している部分には各
インク室6に連通する複数のインクノズル21が形成さ
れている。
【0025】静電型アクチュエータは、一時的に各イン
ク室内の圧力を上昇させて、対応するインクノズルから
インク滴を吐出させるために、各インク室に対して夫々
設けられている。静電型アクチュエータは微少な隙間を
もって対向する2個の電極部材を有しており、本実施形
態では、一方の電極は後述する変形可能な振動板5とし
てインク室6の底に形成されており、他方の電極は、ガ
ラス基板4の凹部16に形成されている。なお、後述す
るように、本実施形態では、キャビティープレート3が
導体であるため、振動板5自体が静電型アクチュエータ
の一方の電極として機能している。
【0026】ノズルプレート2をキャビティープレート
3に接合することにより、上記の凹部7、11、および
細溝9が塞がれて、インク室6、インク供給口8、イン
クリザーバ10のそれぞれが区画形成される。
【0027】なお、インクリザーバ10の底面を規定す
る部分にはインクリザーバ10にインクを供給するため
の孔12aが設けられており、基板接合後、後述するガ
ラス基板4に設けられた孔12bと共にインク供給孔1
2を形成する。インク供給孔12には、不図示の接続チ
ューブを介して不図示のインクタンクに接続される。イ
ンク供給孔12から供給されたインクは、各インク供給
口8を経由して独立した各インク室6に供給される。
【0028】キャビティープレート3の下側に接合され
るガラス基板4は、シリコンと熱膨張率が近いホウ珪酸
ガラス基板である。このガラス基板4において、各々の
振動板5に対向する部分には振動室(隙間)15を構成
することになる凹部16が形成されている。この凹部1
6の底面には、振動板5に対向する個別電極17が形成
されている。個別電極17は、ITOからなるセグメン
ト電極部18と端子部19を有している。
【0029】このガラス基板4をキャビティープレート
3に接合することにより、各インク室6の底面を規定し
ている振動板5と個別電極17のセグメント電極部18
は、非常に狭い隙間を隔てて対向する。この隙間15は
キャビティープレート3とガラス基板4の間に配置した
封止材20によって封止される。
【0030】振動板5は薄肉とされており、面外方向、
すなわち、図2において上下方向に弾性変形可能となっ
ている。この振動板5は、各インク室側の共通電極とし
て機能する。この共通電極としての振動板5の底面51
にはヘキサメチルジシラザン((CHSiNHS
i(CH、以下単にHMDSと呼ぶ)を用いて有
機珪素化合物からなる疎水膜22が形成されている。こ
の振動板5に対向する個別電極17のセグメント電極部
18の表面にも、HMDSを用いて有機珪素化合物から
なる疎水膜23が形成されている。隙間15を挟み、振
動板5と、対応する各セグメント電極部18とによって
対向電極が形成されている。
【0031】振動板5と個別電極17との間には電圧印
加装置25が接続されている。電圧印加装置25の一方
の出力は各個別電極17の端子部19に接続され、他方
の出力はキャビティープレート3に形成された共通電極
端子26に接続されている。キャビティープレート3自
体は導電性をもつため、この共通電極端子26から振動
板(共通電極)5に電圧を供給することができる。ま
た、より低い電気抵抗で振動板5に電圧を供給する必要
がある場合には、例えば、キャビティープレート3の一
方の面に金等の導電性材料の薄膜を蒸着やスパッタリン
グで形成すれば良い。本例では、キャビティープレート
3とガラス基板4との接続に陽極接合を用いているの
で、キャビティープレート3の流路形成面側に導電膜を
形成してある。
【0032】このように構成したインクジェットヘッド
1においては、電圧印加装置25からの駆動電圧が対向
電極間に印加されると、対向電極間に充電された電荷に
よるクーロン力が発生し、振動板5はセグメント電極部
18の側へ撓み、インク室5の容積が拡大する。次に、
電圧印加装置25からの駆動電圧を解除して対向電極間
の電荷を放電すると、振動板5はその弾性復帰力によっ
て復帰し、インク室6の容積が急激に収縮する。この時
発生する内圧変動により、インク室6に貯留されたイン
クの一部が、インク室6に連通しているインクノズル2
1から記録紙に向かって吐出する。
【0033】なお、インクジェットヘッド1で使用され
るインクとしては、水、アルコール、トルエン等の主溶
媒にエチレングリコール等の界面活性剤と、染料または
顔料とを溶解または分散させることにより調製される。
さらに、インクジェットヘッド1にヒータを設けておけ
ば、ホットメルトインクも使用できる。
【0034】(製造方法)以下静電型アクチュエータの
最適な製造方法について説明する。
【0035】図5には上記構成のインクジェットヘッド
1の製造工程の一例の概略フローチャートを示してあ
る。この図に示すように、まず、ステップST1におい
て、インクジェットヘッド1を構成しているキャビティ
ープレート3、ノズルプレート2、ガラス基板4をそれ
ぞれウエハから加工して製造する。次に、ステップST
2において、それらの3部材を相互に組み立てて(接合
して)インクジェットヘッドを形成する。すなわち、間
隔15が形成されるように、キャビティープレート3の
底面側にガラス基板4を組み付ける。この状態では、共
通電極である振動板5の底面51、およびセグメント電
極部18の表面のいずれにも疎水膜は形成されていな
い。
【0036】次に、ステップST3の前処理(乾燥)工
程において、インクジェットヘッド1に対して前処理を
施し、その表面に付着している水分を除去、あるいは可
能な限り低減する。例えば、ドライエアーを供給した処
理槽内にインクジェットヘッド1を放置すれば良い。こ
のような前処理工程を行うと、HMDSの付着状況の安
定化を図ることができる。すなわち、振動板5の底面5
1、およびセグメント電極部18の表面から余分な付着
水分を低減・除去して、HMDSの付着状況の安定化を
図り、次の工程におけるHMDSの付着状態にばらつき
が発生するのを回避できる。なお、ドライエアーを用い
る方法の他、処理槽内を真空にして加熱する真空加熱工
程、処理槽内を真空雰囲気および窒素雰囲気に交互に切
り換える工程、及びこれらの組合せを前処理工程として
採用することができる。
【0037】次に、ステップST4のHMDS付着工程
において、共通電極である振動板5の底面51、および
セグメント電極部18の表面に、それぞれHMDSから
なる疎水膜22、23を形成する。例えば、HMDSを
入れた容器を前記処理槽内に置き、ドライエアーの供給
を止め、常温、常湿で雰囲気圧力を大気圧として、この
状態を、HMDSが拡散により十分隙間15に侵入する
まで(本形態では約20時間程度)維持する。この結
果、共通電極である振動板5の底面51およびセグメン
ト電極部18の表面にはHMDSからなる疎水膜22、
23が形成される。この時の処理槽内のHMDS濃度
は、約0.8%以上にすれば良い。後述するように処理
槽外でアクチュエータの対向電極間の隙間を気密封止す
るため、気密封止するまでに隙間内のHMDSの濃度が
低下し、気密封止後の隙間内のHMDSの濃度は処理槽
内の濃度より低くなる。この濃度の低下分を予め見込ん
で、気密封止後のHMDSの濃度が少なくとも0.3%
以上となるように処理槽内のHMDSの濃度が設定され
ている。
【0038】図6には、シリコン製の振動板5の底面お
よびITO製のセグメント電極部18の表面に形成され
たHMDSの疎水層22a、23aの分子結合状態を示
してある。この図に示すように、各表面では、OH基が
疎水基であるOSi(CH3)3 基と入れ代わった状態
となる。
【0039】次に、ステップST5の気密封止工程にお
いて、処理槽内からインクジェットヘッド1を取り出し
て、3分以内で処理槽外で振動板5とセグメント電極部
18との間の空間を気密封止し、隙間15を形成する。
この時、気密封止された隙間15のHMDS濃度は約
0.3%以上になる。
【0040】図7は疎水膜22、23を形成した直後に
インクジェットヘッドを外部に放置した場合における放
置時間と疎水膜22、23の耐久性の相関関係のグラフ
である。なお、このグラフは、封止工程における処理槽
内のHMDS濃度が0.8%以上になるようにした場合
に得られたものである。また、耐久性は、振動板5の1
回の振動を1サイクルとして測定したものである。
【0041】このグラフから分かるように、HMDSか
らなる疎水膜22、23を形成した後に、その状態のま
ま封止せずに処理槽内から取り出して、大気中に放置し
ておくと、疎水膜22、23の耐久性は処理槽内から取
り出した直後(右下がり領域A)に急激に低下する。そ
して、数分後に所定の耐久性レベルに安定する。(安定
領域B)。その後、さらに放置しておくと、数日後には
耐久性が再び徐々に回復する。(右上がり領域C)。ま
た、右上がり領域Cの耐久性は、疎水膜22、23を形
成した直後(右下がり領域A)の耐久性に比べれば低い
レベルである。
【0042】本例の製造方法では、隙間15のHMDS
濃度が約0.3%以上になるように当該隙間15を気密
封止している。すなわち、図7の右下がり領域Aで隙間
15を気密封止したことになる。このため、振動板5の
表面およびセグメント電極部18の表面に形成された疎
水膜22、23の耐久性としては、疎水膜22、23が
形成された直後あるいはそれに近いものになる。図8か
ら明らかなように、疎水膜22、23を形成した後、隙
間15のHMDS濃度が約0.3%以上のまま気密封止
すれば、数千万〜数十億サイクル程度の耐久性が得られ
る。
【0043】図8は、図7における右下がり領域Aに含
まれる放置時間内で隙間15を気密封止したときに得ら
れる当該隙間内のHMDS濃度と、疎水膜22、23の
耐久性の相関関係のグラフである。このグラフから分か
るように、インクジェットヘッド1は隙間15が0.3
%以上のHMDS濃度となるように気密封止されている
ので、疎水膜22、23の耐久性は、約2千万サイクル
以上になる。従って、疎水膜22、23を形成してから
数日間放置した後に、隙間15を気密封止した場合と同
等あるいはそれ以上の耐久性を持つ疎水膜を得ることが
できる。例えば、隙間15のHMDS濃度を約0.4%
以上にすると、1億サイクル以上の耐久性を持つ疎水膜
22、23を得ることができる。
【0044】ここで、隙間15のHMDS濃度を高める
にしたがって疎水膜22、23の耐久性は上昇する。但
し、HMDS濃度が約0.8%となると疎水膜の耐久性
は50億サイクル程度に飽和する。このため、処理槽内
のHMDS濃度の管理誤差、処理槽外に取り出してから
気密封止までの濃度の低下等を考慮すれば、処理槽内の
HMDS濃度を1.0%ないし2.0%前後に設定する
ことが最も好ましい。
【0045】以上説明したように、本例の方法によれ
ば、HMDSからなる疎水膜22、23の耐久性を充分
なものとするために、疎水膜形成後に数日間に渡って放
置する必要がない。即ち、短時間で静電型アクチュエー
タを製造できるという利点を有する。
【0046】ここで、ステップST4のHMDS付着工
程を行うと、キャビティープレート3のその他の表面に
も疎水膜が形成されて疎水性が付与されてしまい、イン
ク流路の気泡の排出性が悪化する等の問題が生じる。し
かしながら、ステップST5の気密封止工程を行った後
に、RCA洗浄(アンモニア、過酸化水素水の混合液を
用いた洗浄)等を行うことにより簡単にインク流路表面
から疎水膜を除去することが可能である。このため、気
泡の排出性悪化等の問題が併発されることを防止でき
る。
【0047】(インクジェットヘッドの隙間の封止部分
の構造)以下、図7、図9を用いて、インクジェットヘ
ッドのインクジェットヘッドの隙間の封止部分の構造に
ついて説明する。
【0048】HMDSの濃度の高い状態で対向部材間の
隙間を封止することが望ましいことは、前述した通りで
ある。このためにはHMDSを充填した槽内で隙間を封
止する作業を行う工程を採用することが好ましいが、反
面、以下の欠点も併せ持つ。即ち、槽内で封止材、具体
的にはエポキシ系の接着剤を用いて隙間を封止すること
は、容易な作業ではない。また、HMDS以外の接着剤
の成分で槽内を汚染することは、品質管理上好ましくな
い。
【0049】従って、槽内に所定時間置かれた静電型ア
クチュエータを、槽内から取り出した後迅速に隙間の封
止を行う工程を採用するほうが、静電型アクチュエータ
の大量生産には適している。
【0050】槽内から取り出した直後から、隙間内のH
MDSが低下し、封止までの間に時間がかかれば耐久性
が低下することは、図7からも明らかである。即ち、図
7の領域Aの部分の傾きは、槽内から取り出した後の静
電型アクチュエータの対向部材間の隙間のHMDSの濃
度の低下する速度を表し、この速度が大きいほど、素早
く封止する必要がある。
【0051】本実施例は、対向部材間の隙間を封止する
構造に関し、封止までの隙間内のHMDSの濃度の低下
を抑えるものである。
【0052】図9は、図1に示したインクジェットヘッ
ドの対向部材間の隙間の封止部分を示す平面図である。
符号18は個別電極であり、端子部19と個別電極18
はリード部17bによって接続されている。これら電極
17、17bはガラス基板4上に設けられた凹部16に
ITOを蒸着することにより形成される。
【0053】図示のように、凹部16は2つの部分に区
画されている。アクチュエータ部分(振動室15)とな
る部分の凹部の寸法は幅b、長さaであり、振動室15
と外部とをつなぐ管15bとなる部分の凹部の寸法は幅
d、長さLである。尚、ガラス基板4とキャビティープ
レート3を接合し、HMDSを振動室15内に入れ付着
させた後、管15bの解放端は封止材20によって閉じ
られる。
【0054】振動室15の体積をV(a×b×g、gは
対向部材間(振動板5と電極17間の距離)とし、管1
5bの断面積をS(d×g)としたとき、以下の式で表
される値Kの大小が、槽内から取り出した後の静電型ア
クチュエータの対向部材間の隙間のHMDSの濃度の低
下する速度に関係し、K≧25であれば、槽外で隙間の
封止を行っても十分静電型アクチュエータの耐久性を確
保できることが実験で得られた。
【0055】K=V・L/S図7の領域Aの実線部分は
K=10、波線部分はK=25の場合の耐久性と気密封
止までの時間の相関を示すものである。図から明らかな
ように1分以内で封止すれば、K=25であれば1億パ
ルス程度の耐久性を得ることができるのに対し、K=1
0では1000万パルス程度の耐久性を得ることも難し
い。K=10で1億パルスの耐久性を得るためには、槽
外に出して10秒程度で封止工程を終了させる必要があ
り、大量生産を前提とした工程では事実上不可能であ
る。
【0056】図10は、他の実施例のインクジェットヘ
ッドの隙間の封止部分の平面図を示すものである。な
お、図9と同一の符号のものは、図9で説明した実施例
と同一のものを指す。
【0057】列状に配置された複数の振動室15には、
それぞれ、各振動室15と封止部20aを結ぶ管15b
が接続されており、更に、この各管15bを結ぶバイパ
ス管15cが設けられている。このバイパス管15cの
解放端側にも封止部20bが設けられている。
【0058】本実施例のインクジェットヘッドは、以下
の手順により、HMDSが振動室15内に封止され、製
造される。
【0059】まず、ガラス基板4の所定の位置をエッチ
ングし凹部を形成し、凹部内の所定の位置に個別電極1
7を形成する。このガラス基板4と、振動板5が設けら
れたキャビティープレート3を陽極接合することにより
振動室15,管15b、15cが形成される。各管15
bの解放端を封止材20aにより封止した後、所定濃度
のHMDSが充填された槽内にインクジェットヘッドを
入れ、所定時間槽内に放置する。その後、インクジェッ
トヘッドを槽外に取り出し、バイパス管15cの解放端
を封止材20bにより封止し、振動室内に所定濃度以上
のHMDSを入れたまま、振動室を外気から遮断する。
【0060】このようなバイパス管を設けることによ
り、インクジェットヘッド自体の面積を増やすことな
く、バイパス管を設けないものに比べK値を50〜60
倍程度を上げることができる。即ち、槽内から取り出し
た後の静電型アクチュエータの対向部材間の隙間のHM
DSの濃度の低下を抑制することができる。
【0061】また、HMDS付着工程後、隙間を封止す
る箇所も1カ所ですみ、封止する面積もバイパス管を設
けないものに比べ小さいので、より迅速に封止を行える
という利点を有する。
【0062】[その他の実施の形態]なお、上述の実施
形態では、対向部材間に気密封止される化合物としてH
MDSを例にとって説明したが、これに限らず、疎水基
を有し、かつ水酸基と反応可能な有機珪素化合物であれ
ば本発明に適用可能である。この有機珪素化合物は、例
えば、式R−Si−X、もしくは式R−SiNHS
i− R(Rはアルキル基、Xはハロゲンもしくはア
ミノ基を示す)で表される化合物であり、HMDSの他
に例えば、ヘキサエチルジシラザン((C
iNHSi(C)、トリメチルクロロシラン
((CHSiCl)、トリエチルクロロシラン
((CSiCl)、トリメチルアミノシラン
((CHSiNH)、トリエチルアミノシラン
((CSiNH)等が含まれる。また、例
えば、ジメチルジクロロシラン((CHSiCl
)等の式R−Si−X(Rはアルキル基、Xはハロ
ゲンもしくはアミノ基を示す)で表される有機珪素化合
物を本発明に適用してもよい。また、アクチュエータ内
に所定濃度以上を保って気密封止することによって疎水
膜が形成され、その疎水膜の耐久性が向上する性質を示
す化合物であれば、有機珪素化合物に限らず、例えばフ
ッ素を含む化合物であっても本発明に適用可能である。
【0063】また、前述したインクジェットヘッド1
は、インク液滴を基板の上面に設けたインクノズルから
吐出させるフェイスインクジェットタイプであるが、基
板の端部に設けたインクノズルから吐出させるエッジイ
ンクジェットタイプにも本発明のインクジェットヘッド
を適用できる。
【0064】また、上記の例では、インクジェットヘッ
ドに対して本発明を適用した例であるが、本発明はイン
クジェットヘッド以外の静電型アクチュエータ、例え
ば、例えば、特開平7−54259号公報に開示されて
いるようなマイクロメカニカル装置、静電型アクチュエ
ータを用いた表示装置、マイクロポンプ等に対しても同
様に適用できる。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の静電型ア
クチュエータにおいては、対向部材が形成された面を壁
面の一部とする振動室と、該振動室と外部を結ぶ管と、
管の一部を封止し、振動室に疎水膜を形成する化合物を
気密封止するための封止材とを備えており、前記振動室
の体積をV、前記管の断面積をS、長さをLとしたと
き、これらの関係がV・L/S≧25を満たすようにし
たため、疎水膜を形成するための化合物が所定濃度以上
充満した処理槽内にアクチュエータを入れ、アクチュエ
ータ内の対向部材間に化合物が満たされた後、槽内から
取り出した後の静電型アクチュエータの対向部材間の隙
間内の化合物の濃度の低下する速度を緩和できる。従っ
て、槽外で隙間の封止を行っても十分静電型アクチュエ
ータの耐久性を確保できる。従って、耐久性のある疎水
膜を備えた静電型アクチュエータを提供するとともに、
アクチュエータ内に注入された疎水膜を形成するための
化合物を濃度の高い状態に保って、槽外で封止すること
が可能な、即ち大量生産に適した形状の静電型アクチュ
エータを提供できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェットヘッドの分解
斜視図である。
【図2】図1のインクジェットヘッドの概略縦断面図で
ある。
【図3】図1のインクジェットヘッドの平面図である。
【図4】図1のインクジェットヘッドの一部を示す概略
横断面図である。
【図5】図1のインクジェットヘッドの製造工程を示す
概略フローチャートである。
【図6】形成されたHMDSの疎水層を示す模式図であ
る。
【図7】疎水膜を形成した直後にインクジェットヘッド
を外部に放置した場合における放置時間と疎水膜の耐久
性の相関関係のグラフである。
【図8】図7の右下がり領域に含まれる放置時間内で隙
間を気密封止したときに得られる隙間内のHMDS濃度
と疎水膜の耐久性の相関関係のグラフである。
【図9】図1に示したインクジェットヘッドの対向部材
間の隙間の封止部分を示す平面図である。
【図10】本発明の他の実施例のインクジェットヘッド
の隙間の封止部分を示す平面図である。
【符号の説明】
1 インクジェットヘッド 2 ノズルプレート 3 キャビティープレート 4 ガラス基板 5 振動板(共通電極) 6 インク室 8 インク供給口 10 インクリザーバ 15 隙間 17 個別電極 18 セグメント電極部 20 封止材 25 電圧印加装置 26 共通電極端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 向山 恵一 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ ーエプソン株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定の間隔で対向配置され相対変位可能
    な対向部材と、これらの対向部材の間に静電気力を発生
    させて当該対向部材を相対変位させる駆動手段と、前記
    対向部材の対向表面に形成した疎水膜とを有する静電型
    アクチュエータにおいて、 前記対向部材が形成された面を壁面の一部とする振動室
    と、該振動室と外部を結ぶ管と、前記管の一部を封止
    し、前記振動室に前記疎水膜を形成する化合物を気密封
    止するための封止材とを備え、 前記振動室の体積をV、前記管の断面積をS、長さをL
    としたとき、これらの関係がV・L/S≧25を満たす
    ことを特徴とする静電型アクチュエータ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記化合物は、疎水
    基を有し、かつ水酸基と反応可能な有機珪素化合物であ
    ることを特徴とする静電型アクチュエータ。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記有機珪素化合物
    は、式R−Si−X、もしくは式R−SiNHSi
    − R(Rはアルキル基、Xはハロゲンもしくはアミ
    ノ基を示す)で表される化合物であることを特徴とする
    静電型アクチュエータ。
  4. 【請求項4】 請求項2において、前記化合物が、ヘキ
    サメチルジシラザン((CHSiNHSi(CH
    )、ヘキサエチルジシラザン((C
    iNHSi(C)、トリメチルクロロシラン
    ((CHSiCl)、トリエチルクロロシラン
    ((CSiCl)、トリメチルアミノシラン
    ((CHSiNH)、トリエチルアミノシラン
    ((CSiNH)のいずれかであることを
    特徴とする静電型アクチュエータ。
  5. 【請求項5】 請求項2において、前記有機珪素化合物
    は、式R−Si−X(Rはアルキル基、Xはハロゲンも
    しくはアミノ基を示す)で表される化合物であることを
    特徴とする静電型アクチュエータ。
  6. 【請求項6】 請求項5において、前記化合物が、ジメ
    チルジクロロシラン((CHSiCl)である
    ことを特徴とする静電型アクチュエータ。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかにおいて、前
    記対向部材間の前記化合物の濃度が0.3%以上である
    ことを特徴とする静電型アクチュエータ。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至6のいずれかにおいて、前
    記対向部材間の前記化合物の濃度が0.8%以上である
    ことを特徴とする静電型アクチュエータ。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかの項におい
    て、前記対向部材の相対変位によって容積が変動するイ
    ンク室と、当該インク室に連通しているインクノズルと
    を有し、前記駆動手段は、前記対向部材のそれぞれに形
    成した対向電極と、これらの対向電極の間に電気パルス
    を印加する電圧印加手段とを備え、前記電気パルスの印
    加に応じて前記インクノズルからインク液滴が吐出され
    るようになっていることを特徴とする静電型アクチュエ
    ータ。
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