JPH11263012A - 静電型アクチュエータ及びその製造方法 - Google Patents
静電型アクチュエータ及びその製造方法Info
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- JPH11263012A JPH11263012A JP6910498A JP6910498A JPH11263012A JP H11263012 A JPH11263012 A JP H11263012A JP 6910498 A JP6910498 A JP 6910498A JP 6910498 A JP6910498 A JP 6910498A JP H11263012 A JPH11263012 A JP H11263012A
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- B41J—TYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
- B41J2/00—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed
- B41J2/005—Typewriters or selective printing mechanisms characterised by the printing or marking process for which they are designed characterised by bringing liquid or particles selectively into contact with a printing material
- B41J2/01—Ink jet
- B41J2/135—Nozzles
- B41J2/14—Structure thereof only for on-demand ink jet heads
- B41J2/14314—Structure of ink jet print heads with electrostatically actuated membrane
Landscapes
- Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 静電気力によって相対変位する対向部材を備
えた静電型アクチュエータにおいて、対応部材同士の貼
り付きを防止する疎水膜を確実に形成することが可能な
形状の静電型アクチュエータを提供する。 【解決手段】 静電型アクチュエータを用いたインクジ
ェットヘッド1のインク室6の底壁(共通電極)5の表
面及びセグメント電極17の表面を含む振動室15は、
外部を結ぶ管15bと接続しており、この管15bは更
にバイパス管15cを介して外部に連通している。ま
た、管15bを取り出すための第1の貫通穴27aとバ
イパス管15cを取り出すための第2の貫通穴27bが
キャビティプレート3に形成されている。第1の貫通穴
27aから管15bの解放端を封止材20aで封止した
後、振動室15内部に、バイパス管15cを介して疎水
膜を形成するための化合物を処理槽内で注入される。注
入後、処理槽外で第2の貫通穴よりバイパス管15cの
解放端を封止材20bで封止することにより、振動室1
5は気密封止される。
えた静電型アクチュエータにおいて、対応部材同士の貼
り付きを防止する疎水膜を確実に形成することが可能な
形状の静電型アクチュエータを提供する。 【解決手段】 静電型アクチュエータを用いたインクジ
ェットヘッド1のインク室6の底壁(共通電極)5の表
面及びセグメント電極17の表面を含む振動室15は、
外部を結ぶ管15bと接続しており、この管15bは更
にバイパス管15cを介して外部に連通している。ま
た、管15bを取り出すための第1の貫通穴27aとバ
イパス管15cを取り出すための第2の貫通穴27bが
キャビティプレート3に形成されている。第1の貫通穴
27aから管15bの解放端を封止材20aで封止した
後、振動室15内部に、バイパス管15cを介して疎水
膜を形成するための化合物を処理槽内で注入される。注
入後、処理槽外で第2の貫通穴よりバイパス管15cの
解放端を封止材20bで封止することにより、振動室1
5は気密封止される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は対向電極間に電圧を
印加することにより発生する静電気力を駆動源として利
用している静電型アクチュエータに関するものである。
更に詳しくは、本発明は、静電気力により相対変位する
部材の表面に疎水膜を備えた静電型アクチュエータにお
ける当該疎水膜の形成方法に関するものである。
印加することにより発生する静電気力を駆動源として利
用している静電型アクチュエータに関するものである。
更に詳しくは、本発明は、静電気力により相対変位する
部材の表面に疎水膜を備えた静電型アクチュエータにお
ける当該疎水膜の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェットプリンタのインクジェッ
トヘッド等には、半導体の微細加工技術を用いて形成さ
れた微小構造のアクチュエータが用いられている。この
微小構造のアクチュエータとしては、その駆動源として
静電気力を利用した静電駆動方式のものが知られてい
る。例えば、本出願人によって、静電気力を利用してイ
ンク液滴を吐出するタイプのインクジェットヘッドが特
開平5−50601号、同6−70882号公報に開示
されている。
トヘッド等には、半導体の微細加工技術を用いて形成さ
れた微小構造のアクチュエータが用いられている。この
微小構造のアクチュエータとしては、その駆動源として
静電気力を利用した静電駆動方式のものが知られてい
る。例えば、本出願人によって、静電気力を利用してイ
ンク液滴を吐出するタイプのインクジェットヘッドが特
開平5−50601号、同6−70882号公報に開示
されている。
【0003】この形式のインクジェットヘッドは、イン
クノズルに連通しているインク室の底面が弾性変形可能
な振動板として形成されている。この振動板には、ほぼ
一定の間隔で基板が対向配置されている。これらの振動
板および基板には、それぞれ対向電極が配置され、これ
らの対向電極の間の空間は封止された状態となってい
る。対向電極間に電圧を印加すると、これらの間に発生
する静電気力によってインク室の底面(振動板)が基板
の側に静電吸引あるいは静電反発されて振動する。この
インク室の底面の振動に伴って発生するインク室の内圧
変動によりインクノズルからインク液滴が吐出される。
対向電極間に印加する電圧を制御することにより、記録
に必要な時にのみインク液滴を吐出する、所謂インク・
オン・デマンド方式が実現される。
クノズルに連通しているインク室の底面が弾性変形可能
な振動板として形成されている。この振動板には、ほぼ
一定の間隔で基板が対向配置されている。これらの振動
板および基板には、それぞれ対向電極が配置され、これ
らの対向電極の間の空間は封止された状態となってい
る。対向電極間に電圧を印加すると、これらの間に発生
する静電気力によってインク室の底面(振動板)が基板
の側に静電吸引あるいは静電反発されて振動する。この
インク室の底面の振動に伴って発生するインク室の内圧
変動によりインクノズルからインク液滴が吐出される。
対向電極間に印加する電圧を制御することにより、記録
に必要な時にのみインク液滴を吐出する、所謂インク・
オン・デマンド方式が実現される。
【0004】ここで、対向電極間に繰り返し電圧を印加
してインクジェットヘッドを駆動している間に、対向電
極の表面、すなわち、対向しているインク室底面および
基板の表面に水分が付着すると、これらの極性分子の帯
電によって、静電吸引特性あるいは静電反発特性が低下
する恐れがある。また、基板の表面に吸着した極性分子
が相互に水素結合して、インク室底面が基板側に貼り付
いたままの状態(スティッキング状態)となり、動作不
能となる恐れがある。
してインクジェットヘッドを駆動している間に、対向電
極の表面、すなわち、対向しているインク室底面および
基板の表面に水分が付着すると、これらの極性分子の帯
電によって、静電吸引特性あるいは静電反発特性が低下
する恐れがある。また、基板の表面に吸着した極性分子
が相互に水素結合して、インク室底面が基板側に貼り付
いたままの状態(スティッキング状態)となり、動作不
能となる恐れがある。
【0005】このような弊害を回避するために、インク
室底面および基板表面に疎水化処理を施すことが考えら
れる。例えば、パーフルオロデカン酸(PFDA)の配
向単分子層をこれらの表面に形成することにより、これ
らの表面を疎水化することが考えられる。
室底面および基板表面に疎水化処理を施すことが考えら
れる。例えば、パーフルオロデカン酸(PFDA)の配
向単分子層をこれらの表面に形成することにより、これ
らの表面を疎水化することが考えられる。
【0006】PFDAを用いた疎水化処理が施された静
電型アクチュエータの例は、例えば、特開平7−130
07号公報、USP5、331、454に開示されてい
る。これらの公報においては、静電型アクチュエータで
あるマイクロメカニカル装置における対向電極の表面に
PFDAの配向単分子層を形成することにより、これら
が駆動中に膠着状態に陥ること等を防止するようにして
いる。
電型アクチュエータの例は、例えば、特開平7−130
07号公報、USP5、331、454に開示されてい
る。これらの公報においては、静電型アクチュエータで
あるマイクロメカニカル装置における対向電極の表面に
PFDAの配向単分子層を形成することにより、これら
が駆動中に膠着状態に陥ること等を防止するようにして
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】PFDAを用いた疎水
化処理の他に、本発明者等は、HMDS等(ヘキサメチ
ルジシラザン、(CH3)3SiNHSi(C
H3)3)を用いて疎水化処理を行うことを提案してい
る。即ち、疎水膜を形成するための化合物を対向電極の
間の空間に気密封止して、静電型アクチュエータの耐久
性を向上させることを提案している。
化処理の他に、本発明者等は、HMDS等(ヘキサメチ
ルジシラザン、(CH3)3SiNHSi(C
H3)3)を用いて疎水化処理を行うことを提案してい
る。即ち、疎水膜を形成するための化合物を対向電極の
間の空間に気密封止して、静電型アクチュエータの耐久
性を向上させることを提案している。
【0008】本発明者等の知見によれば、アクチュエー
タの耐久性と、アクチュエータ内に気密封止された化合
物の濃度とは密接な関係があることが得られた。詳細に
説明すると、本発明者等は、対向表面に疎水基を有し、
かつ水酸基と反応可能な有機珪素化合物の一つであるヘ
キサメチルジシラザン(HMDS)からなる疎水膜を付
着した直後から外部(大気中)に放置した場合における
疎水膜の耐久性を調べたところ、図7に示すように、放
置した直後から急激に低下して数分後に所定のレベルに
おちつき、その後、さらに数日間放置すると、耐久性は
再び徐々に回復することが分かった。より詳しく現象を
説明すると、図7の領域Bの範囲内で対向部材間を封止
したものは、対向部材間(対向する電極から構成される
キャパシタ)の充放電を400〜500万回繰り返す
と、対向部材間にゲル状の異物が発生し、アクチェエー
タを作動させることが困難となる。このゲル状の異物
は、対向部材間の隙間を早く封止するほど、発生する時
期が遅くなる(領域A)。即ち対向部材間の隙間内のH
MDS濃度を上げるほど、ゲル状の異物が発生しにくく
なるということが分かった。一方、気密封止まで所定時
間以上放置したものもゲル状の異物が発生しにくくなる
(領域C)。
タの耐久性と、アクチュエータ内に気密封止された化合
物の濃度とは密接な関係があることが得られた。詳細に
説明すると、本発明者等は、対向表面に疎水基を有し、
かつ水酸基と反応可能な有機珪素化合物の一つであるヘ
キサメチルジシラザン(HMDS)からなる疎水膜を付
着した直後から外部(大気中)に放置した場合における
疎水膜の耐久性を調べたところ、図7に示すように、放
置した直後から急激に低下して数分後に所定のレベルに
おちつき、その後、さらに数日間放置すると、耐久性は
再び徐々に回復することが分かった。より詳しく現象を
説明すると、図7の領域Bの範囲内で対向部材間を封止
したものは、対向部材間(対向する電極から構成される
キャパシタ)の充放電を400〜500万回繰り返す
と、対向部材間にゲル状の異物が発生し、アクチェエー
タを作動させることが困難となる。このゲル状の異物
は、対向部材間の隙間を早く封止するほど、発生する時
期が遅くなる(領域A)。即ち対向部材間の隙間内のH
MDS濃度を上げるほど、ゲル状の異物が発生しにくく
なるということが分かった。一方、気密封止まで所定時
間以上放置したものもゲル状の異物が発生しにくくなる
(領域C)。
【0009】この特異な現象は、疎水膜を形成するため
の化合物が対向部材間に過多に存在すると、静電型アク
チュエータに充放電を繰り返すうちに化合物がゲル化し
やすく、極めて過多な化合物が封止されれば逆にゲル化
が抑制されるということを示唆している。また、気密封
止まで所定時間以上放置すれば、過多な化合物が加水分
解により除去され、異物化の原因となる過多な化合物が
除去されるものと考えられる。
の化合物が対向部材間に過多に存在すると、静電型アク
チュエータに充放電を繰り返すうちに化合物がゲル化し
やすく、極めて過多な化合物が封止されれば逆にゲル化
が抑制されるということを示唆している。また、気密封
止まで所定時間以上放置すれば、過多な化合物が加水分
解により除去され、異物化の原因となる過多な化合物が
除去されるものと考えられる。
【0010】即ち、このような実験結果から、耐久性の
ある疎水膜を得るためには、対向表面間に疎水膜を形成
するための化合物を注入した後、1) 対向表面間の隙間
に存在する疎水膜を形成するための化合物の濃度が所定
値以上に保たれた状態のまま当該隙間を気密封止する
か、2)数日間大気中に対向部材を放置した後隙間を封止
すればよいということが分かった。
ある疎水膜を得るためには、対向表面間に疎水膜を形成
するための化合物を注入した後、1) 対向表面間の隙間
に存在する疎水膜を形成するための化合物の濃度が所定
値以上に保たれた状態のまま当該隙間を気密封止する
か、2)数日間大気中に対向部材を放置した後隙間を封止
すればよいということが分かった。
【0011】隙間に化合物の濃度が所定値以上に保たれ
た状態のまま当該隙間を気密封止する方法1)で静電型ア
クチュエータを製造する場合、本発明者等の実験によれ
ば、化合物の濃度が0.3〜0.8%以上の状態で隙間
を気密封止すれば、疎水膜の耐久性を実用上十分なもの
にできることが確認されている。
た状態のまま当該隙間を気密封止する方法1)で静電型ア
クチュエータを製造する場合、本発明者等の実験によれ
ば、化合物の濃度が0.3〜0.8%以上の状態で隙間
を気密封止すれば、疎水膜の耐久性を実用上十分なもの
にできることが確認されている。
【0012】このように、できる限り化合物の濃度の高
い状態で対向部材間の隙間を封止することが望ましい
が、HMDSを充填した槽内で隙間をエポキシ系の接着
剤を用いて封止する場合にはHMDS以外の接着剤の成
分で槽内を汚してしまい、品質管理上好ましくない。
い状態で対向部材間の隙間を封止することが望ましい
が、HMDSを充填した槽内で隙間をエポキシ系の接着
剤を用いて封止する場合にはHMDS以外の接着剤の成
分で槽内を汚してしまい、品質管理上好ましくない。
【0013】本発明の課題は、このような点に鑑みて、
耐久性のある疎水膜を備えた静電型アクチュエータを提
供するとともに、疎水膜を形成するための化合物を濃度
の高い状態に保って確実にアクチュエータ内に注入し、
かつ、槽外で封止することが可能な、即ち大量生産に適
した形状の静電型アクチュエータを提供することにあ
る。
耐久性のある疎水膜を備えた静電型アクチュエータを提
供するとともに、疎水膜を形成するための化合物を濃度
の高い状態に保って確実にアクチュエータ内に注入し、
かつ、槽外で封止することが可能な、即ち大量生産に適
した形状の静電型アクチュエータを提供することにあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、略一定の間隔
で対向配置され相対変位可能な複数の対向部材と、これ
らの各対向部材の間に選択的に静電気力を発生させて当
該対向部材を選択的に相対変位させる駆動手段を有する
静電型アクチュエータにおいて、各対向部材の一方の部
材側に設けられ、前記駆動手段により選択的に通電され
るセグメント電極と、各対向部材が形成された面を壁面
の一部とし、夫々にセグメント電極が形成された振動室
と、各振動室に連通し、前記セグメント電極と電気的に
接続するリードが夫々に形成された第1の管と、前記振
動室側と反対側の端で、前記第1の管の全てに接続する
と共に、前記各リードと電気的に接続する端子が夫々に
形成された第1の凹部と、前記対向部材間に疎水膜を形
成する化合物を封入するために、前記第1の管の端子が
設けられた側の端を封止する第1の封止部材と、前記第
1の管の複数に連通する第2の管と、前記第2の管に接
続する第2の凹部と、前記第2の管の前記第2の凹部側
の端を封止する第2の封止部材を備えたことを特徴とす
る。 また、本発明の静電型アクチュエータの製造方法
は、上記の静電型アクチュエータの製造方法において、
前記第1の管を前記第1の封止材で封止し、前記化合物
が充満した処理槽内にアクチュエータを置き、前記化合
物を対向部材間に侵入させ、該対向部材間に疎水膜を付
着させた後、前記処理槽外で前記第2の管を前記第2の
封止材で封止することを特徴とする。 前記化合物は、
例えば、疎水基を有し、かつ水酸基と反応可能な有機珪
素化合物であることが好ましい。これらは分子量がフッ
素化合物に比べより微少な隙間に注入しやすいためであ
る。即ち、化合物を処理槽内充満させ、その中に置かれ
たアクチュエータ内に化合物を侵入させて疎水膜を形成
する方法では、分子量の小さな化合物である有機珪素化
合物を用いることが好ましい。
で対向配置され相対変位可能な複数の対向部材と、これ
らの各対向部材の間に選択的に静電気力を発生させて当
該対向部材を選択的に相対変位させる駆動手段を有する
静電型アクチュエータにおいて、各対向部材の一方の部
材側に設けられ、前記駆動手段により選択的に通電され
るセグメント電極と、各対向部材が形成された面を壁面
の一部とし、夫々にセグメント電極が形成された振動室
と、各振動室に連通し、前記セグメント電極と電気的に
接続するリードが夫々に形成された第1の管と、前記振
動室側と反対側の端で、前記第1の管の全てに接続する
と共に、前記各リードと電気的に接続する端子が夫々に
形成された第1の凹部と、前記対向部材間に疎水膜を形
成する化合物を封入するために、前記第1の管の端子が
設けられた側の端を封止する第1の封止部材と、前記第
1の管の複数に連通する第2の管と、前記第2の管に接
続する第2の凹部と、前記第2の管の前記第2の凹部側
の端を封止する第2の封止部材を備えたことを特徴とす
る。 また、本発明の静電型アクチュエータの製造方法
は、上記の静電型アクチュエータの製造方法において、
前記第1の管を前記第1の封止材で封止し、前記化合物
が充満した処理槽内にアクチュエータを置き、前記化合
物を対向部材間に侵入させ、該対向部材間に疎水膜を付
着させた後、前記処理槽外で前記第2の管を前記第2の
封止材で封止することを特徴とする。 前記化合物は、
例えば、疎水基を有し、かつ水酸基と反応可能な有機珪
素化合物であることが好ましい。これらは分子量がフッ
素化合物に比べより微少な隙間に注入しやすいためであ
る。即ち、化合物を処理槽内充満させ、その中に置かれ
たアクチュエータ内に化合物を侵入させて疎水膜を形成
する方法では、分子量の小さな化合物である有機珪素化
合物を用いることが好ましい。
【0015】より具体的な有機珪素化合物は、例えば、
式R3−Si−X、もしくは式R3−SiNHSi−
R3(Rはアルキル基、Xはハロゲンもしくはアミノ基
を示す)で表される化合物であり、ヘキサメチルジシラ
ザン((CH3)3SiNHSi(CH3)3)、ヘキ
サエチルジシラザン((C2H5)3SiNHSi(C
2H5)3)、トリメチルクロロシラン((CH3)3
SiCl)、トリエチルクロロシラン((C2H5)3
SiCl)、トリメチルアミノシラン((CH3)3S
iNH2)、トリエチルアミノシラン((C2H5)3
SiNH2)等が含まれる。また、前記有機珪素化合物
は、例えば、ジメチルジクロロシラン((CH3)2S
iCl2)等の式R2−Si−X(Rはアルキル基、X
はハロゲン、アミノ基、もしくはシリル化アミンを示
す)で表される化合物であってもよい。
式R3−Si−X、もしくは式R3−SiNHSi−
R3(Rはアルキル基、Xはハロゲンもしくはアミノ基
を示す)で表される化合物であり、ヘキサメチルジシラ
ザン((CH3)3SiNHSi(CH3)3)、ヘキ
サエチルジシラザン((C2H5)3SiNHSi(C
2H5)3)、トリメチルクロロシラン((CH3)3
SiCl)、トリエチルクロロシラン((C2H5)3
SiCl)、トリメチルアミノシラン((CH3)3S
iNH2)、トリエチルアミノシラン((C2H5)3
SiNH2)等が含まれる。また、前記有機珪素化合物
は、例えば、ジメチルジクロロシラン((CH3)2S
iCl2)等の式R2−Si−X(Rはアルキル基、X
はハロゲン、アミノ基、もしくはシリル化アミンを示
す)で表される化合物であってもよい。
【0016】本発明を適用可能な静電型アクチュエータ
はインクジェット記録装置に用いるインクジェットヘッ
ドである。この場合には、静電型アクチュエータを、前
記第1および第2の部材の相対変位によって容積が変動
するインク室と、当該インク室に連通しているインクノ
ズルとを有する構成とし、前記駆動手段を、前記第1の
部材および前記第2の部材に形成した対向電極と、これ
らの対向電極の間に電気パルスを印加する電圧印加手段
とを備えた構成とし、前記電気パルスの印加に応じて前
記インクノズルからインク液滴を吐出させるようにすれ
ばよい。
はインクジェット記録装置に用いるインクジェットヘッ
ドである。この場合には、静電型アクチュエータを、前
記第1および第2の部材の相対変位によって容積が変動
するインク室と、当該インク室に連通しているインクノ
ズルとを有する構成とし、前記駆動手段を、前記第1の
部材および前記第2の部材に形成した対向電極と、これ
らの対向電極の間に電気パルスを印加する電圧印加手段
とを備えた構成とし、前記電気パルスの印加に応じて前
記インクノズルからインク液滴を吐出させるようにすれ
ばよい。
【0017】このように、本発明では、各振動室内に形
成されたセグメント電極と駆動回路を接続するために必
要不可欠な第1の管に対して、バイパスとして機能する
第2の管を設けることにより、疎水膜付着後に処理槽外
で第2の管のみを用いて、疎水膜を形成する化合物を所
定濃度に保った状態で、各振動室(対向部材間の隙間)
を気密封止することが可能である。第1の管の総断面積
に比べ第2の管の断面積は小さいため、処理槽外で封止
工程を行っても、第2の管を用いないものに比べ、封止
が完了するまでの間の振動室内の化合物の濃度低下が抑
制される。また、第1の管は、振動室の数が増えれば
(インクジェットヘッドの場合はノズル数が増加する)
それだけ必要となるが、第2の管は一本あれば十分機能
するので、付着工程後、隙間を封止する箇所も1カ所で
すみ、封止する面積もバイパス管を設けないものに比べ
小さいので、より迅速に封止を行えるという利点を有す
る。
成されたセグメント電極と駆動回路を接続するために必
要不可欠な第1の管に対して、バイパスとして機能する
第2の管を設けることにより、疎水膜付着後に処理槽外
で第2の管のみを用いて、疎水膜を形成する化合物を所
定濃度に保った状態で、各振動室(対向部材間の隙間)
を気密封止することが可能である。第1の管の総断面積
に比べ第2の管の断面積は小さいため、処理槽外で封止
工程を行っても、第2の管を用いないものに比べ、封止
が完了するまでの間の振動室内の化合物の濃度低下が抑
制される。また、第1の管は、振動室の数が増えれば
(インクジェットヘッドの場合はノズル数が増加する)
それだけ必要となるが、第2の管は一本あれば十分機能
するので、付着工程後、隙間を封止する箇所も1カ所で
すみ、封止する面積もバイパス管を設けないものに比べ
小さいので、より迅速に封止を行えるという利点を有す
る。
【0018】封止材として用いられる接着剤の中には、
加熱して硬化させるものがあるが、温度が加わることで
封止用接着剤の粘度が一旦低下し、接着剤が壁面を伝わ
って流動することがある。
加熱して硬化させるものがあるが、温度が加わることで
封止用接着剤の粘度が一旦低下し、接着剤が壁面を伝わ
って流動することがある。
【0019】しかしながら、本発明では、振動室側と反
対側の端で、第1の管の全てに接続すると共に、前記各
リードと電気的に接続する端子が夫々に形成された第1
の凹部と、バイパス管としての第2の管に接続する第2
の凹部とが区切られて形成されている。即ち、第1の管
を封止する箇所の第1の凹部と、第2の管を封止する箇
所の第2の凹部は区画されて形成されているため、第1
の封止材が流動して、第2の管を塞いでしまう可能性が
なく、第2の管を通して疎水膜を形成するための化合物
を振動室に侵入させることができなくなるという不具合
が生じない。
対側の端で、第1の管の全てに接続すると共に、前記各
リードと電気的に接続する端子が夫々に形成された第1
の凹部と、バイパス管としての第2の管に接続する第2
の凹部とが区切られて形成されている。即ち、第1の管
を封止する箇所の第1の凹部と、第2の管を封止する箇
所の第2の凹部は区画されて形成されているため、第1
の封止材が流動して、第2の管を塞いでしまう可能性が
なく、第2の管を通して疎水膜を形成するための化合物
を振動室に侵入させることができなくなるという不具合
が生じない。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、図面を参照して本発明の
静電型アクチュエータインクジェットヘッドをインクジ
ェットヘッドに適用した例について説明する。
静電型アクチュエータインクジェットヘッドをインクジ
ェットヘッドに適用した例について説明する。
【0021】(全体構成)図1は本発明を適用しうるイ
ンクジェットヘッドの分解斜視図である。また、図2は
組み立てられたインクジェットヘッドの断面構成図(図
3のII-II断面)、図3はその平面図、図4はその部分
(IV-IV)断面図である。
ンクジェットヘッドの分解斜視図である。また、図2は
組み立てられたインクジェットヘッドの断面構成図(図
3のII-II断面)、図3はその平面図、図4はその部分
(IV-IV)断面図である。
【0022】これらの図に示すように、インクジェット
ヘッド1は、インク液滴を基板の上面に設けたインクノ
ズルから吐出させるフェイスインクジェットタイプであ
り、静電駆動方式のものである。インクジェットヘッド
1は、キャビティープレート3を挟み、上側にノズルプ
レート2、下側にガラス基板4がそれぞれ積層された3
層構造となっている。
ヘッド1は、インク液滴を基板の上面に設けたインクノ
ズルから吐出させるフェイスインクジェットタイプであ
り、静電駆動方式のものである。インクジェットヘッド
1は、キャビティープレート3を挟み、上側にノズルプ
レート2、下側にガラス基板4がそれぞれ積層された3
層構造となっている。
【0023】キャビティープレート3は、例えばシリコ
ン基板であり、プレートの表面には底壁が振動板5とし
て機能するインク室6を構成することになる凹部7と、
凹部7の後部に設けられたインク供給口8を形成するこ
とになる細溝9と、各々のインク室6にインクを供給す
るためのインクリザーバ10を構成することになる凹部
11とがエッチングによって形成されている。このキャ
ビティープレート3の下面は鏡面研磨によって平滑化さ
れている。
ン基板であり、プレートの表面には底壁が振動板5とし
て機能するインク室6を構成することになる凹部7と、
凹部7の後部に設けられたインク供給口8を形成するこ
とになる細溝9と、各々のインク室6にインクを供給す
るためのインクリザーバ10を構成することになる凹部
11とがエッチングによって形成されている。このキャ
ビティープレート3の下面は鏡面研磨によって平滑化さ
れている。
【0024】このキャビティープレート3の上側に接合
されるノズルプレート2は、キャビティープレート3と
同様に、例えばシリコン基板である。ノズルプレート2
において、インク室6の上面を規定している部分には各
インク室6に連通する複数のインクノズル21が形成さ
れている。
されるノズルプレート2は、キャビティープレート3と
同様に、例えばシリコン基板である。ノズルプレート2
において、インク室6の上面を規定している部分には各
インク室6に連通する複数のインクノズル21が形成さ
れている。
【0025】静電型アクチュエータは、一時的に各イン
ク室内の圧力を上昇させて、対応するインクノズルから
インク滴を吐出させるために、各インク室に対して夫々
設けられている。静電型アクチュエータは微少な隙間を
もって対向する2個の電極部材を有しており、本実施形
態では、一方の電極は後述する変形可能な振動板5とし
てインク室6の底に形成されており、他方の電極は、ガ
ラス基板4の凹部16に形成されている。なお、後述す
るように、本実施形態では、キャビティープレート3が
導体であるため、振動板5自体が静電型アクチュエータ
の一方の電極として機能している。
ク室内の圧力を上昇させて、対応するインクノズルから
インク滴を吐出させるために、各インク室に対して夫々
設けられている。静電型アクチュエータは微少な隙間を
もって対向する2個の電極部材を有しており、本実施形
態では、一方の電極は後述する変形可能な振動板5とし
てインク室6の底に形成されており、他方の電極は、ガ
ラス基板4の凹部16に形成されている。なお、後述す
るように、本実施形態では、キャビティープレート3が
導体であるため、振動板5自体が静電型アクチュエータ
の一方の電極として機能している。
【0026】ノズルプレート2をキャビティープレート
3に接合することにより、上記の凹部7、11、および
細溝9が塞がれて、インク室6、インク供給口8、イン
クリザーバ10のそれぞれが区画形成される。
3に接合することにより、上記の凹部7、11、および
細溝9が塞がれて、インク室6、インク供給口8、イン
クリザーバ10のそれぞれが区画形成される。
【0027】なお、インクリザーバ10の底面を規定す
る部分にはインクリザーバ10にインクを供給するため
の孔12aが設けられており、基板接合後、後述するガ
ラス基板4に設けられた孔12bと共にインク供給孔1
2を形成する。インク供給孔12には、不図示の接続チ
ューブを介して不図示のインクタンクに接続される。イ
ンク供給孔12から供給されたインクは、各インク供給
口8を経由して独立した各インク室6に供給される。
る部分にはインクリザーバ10にインクを供給するため
の孔12aが設けられており、基板接合後、後述するガ
ラス基板4に設けられた孔12bと共にインク供給孔1
2を形成する。インク供給孔12には、不図示の接続チ
ューブを介して不図示のインクタンクに接続される。イ
ンク供給孔12から供給されたインクは、各インク供給
口8を経由して独立した各インク室6に供給される。
【0028】キャビティープレート3の下側に接合され
るガラス基板4は、シリコンと熱膨張率が近いホウ珪酸
ガラス基板である。このガラス基板4において、各々の
振動板5に対向する部分には振動室(隙間)15を構成
することになる凹部16が形成されている。この凹部1
6の底面には、振動板5に対向する個別電極17が形成
されている。個別電極17は、ITOからなるセグメン
ト電極部18と端子部19を有している。
るガラス基板4は、シリコンと熱膨張率が近いホウ珪酸
ガラス基板である。このガラス基板4において、各々の
振動板5に対向する部分には振動室(隙間)15を構成
することになる凹部16が形成されている。この凹部1
6の底面には、振動板5に対向する個別電極17が形成
されている。個別電極17は、ITOからなるセグメン
ト電極部18と端子部19を有している。
【0029】このガラス基板4をキャビティープレート
3に接合することにより、各インク室6の底面を規定し
ている振動板5と個別電極17のセグメント電極部18
は、非常に狭い隙間を隔てて対向する。この隙間15は
キャビティープレート3とガラス基板4の間に配置した
封止材20によって封止される。
3に接合することにより、各インク室6の底面を規定し
ている振動板5と個別電極17のセグメント電極部18
は、非常に狭い隙間を隔てて対向する。この隙間15は
キャビティープレート3とガラス基板4の間に配置した
封止材20によって封止される。
【0030】振動板5は薄肉とされており、面外方向、
すなわち、図2において上下方向に弾性変形可能となっ
ている。この振動板5は、各インク室側の共通電極とし
て機能する。この共通電極としての振動板5の底面51
にはヘキサメチルジシラザン((CH3)3SiNHS
i(CH3)3、以下単にHMDSと呼ぶ)を用いて有
機珪素化合物からなる疎水膜22が形成されている。こ
の振動板5に対向する個別電極17のセグメント電極部
18の表面にも、HMDSを用いて有機珪素化合物から
なる疎水膜23が形成されている。隙間15を挟み、振
動板5と、対応する各セグメント電極部18とによって
対向電極が形成されている。
すなわち、図2において上下方向に弾性変形可能となっ
ている。この振動板5は、各インク室側の共通電極とし
て機能する。この共通電極としての振動板5の底面51
にはヘキサメチルジシラザン((CH3)3SiNHS
i(CH3)3、以下単にHMDSと呼ぶ)を用いて有
機珪素化合物からなる疎水膜22が形成されている。こ
の振動板5に対向する個別電極17のセグメント電極部
18の表面にも、HMDSを用いて有機珪素化合物から
なる疎水膜23が形成されている。隙間15を挟み、振
動板5と、対応する各セグメント電極部18とによって
対向電極が形成されている。
【0031】振動板5と個別電極17との間には電圧印
加装置25が接続されている。電圧印加装置25の一方
の出力は各個別電極17の端子部19に接続され、他方
の出力はキャビティープレート3に形成された共通電極
端子26に接続されている。キャビティープレート3自
体は導電性をもつため、この共通電極端子26から振動
板(共通電極)5に電圧を供給することができる。ま
た、より低い電気抵抗で振動板5に電圧を供給する必要
がある場合には、例えば、キャビティープレート3の一
方の面に金等の導電性材料の薄膜を蒸着やスパッタリン
グで形成すれば良い。本例では、キャビティープレート
3とガラス基板4との接続に陽極接合を用いているの
で、キャビティープレート3の流路形成面側に導電膜を
形成してある。
加装置25が接続されている。電圧印加装置25の一方
の出力は各個別電極17の端子部19に接続され、他方
の出力はキャビティープレート3に形成された共通電極
端子26に接続されている。キャビティープレート3自
体は導電性をもつため、この共通電極端子26から振動
板(共通電極)5に電圧を供給することができる。ま
た、より低い電気抵抗で振動板5に電圧を供給する必要
がある場合には、例えば、キャビティープレート3の一
方の面に金等の導電性材料の薄膜を蒸着やスパッタリン
グで形成すれば良い。本例では、キャビティープレート
3とガラス基板4との接続に陽極接合を用いているの
で、キャビティープレート3の流路形成面側に導電膜を
形成してある。
【0032】このように構成したインクジェットヘッド
1においては、電圧印加装置25からの駆動電圧が対向
電極間に印加されると、対向電極間に充電された電荷に
よるクーロン力が発生し、振動板5はセグメント電極部
18の側へ撓み、インク室5の容積が拡大する。次に、
電圧印加装置25からの駆動電圧を解除して対向電極間
の電荷を放電すると、振動板5はその弾性復帰力によっ
て復帰し、インク室6の容積が急激に収縮する。この時
発生する内圧変動により、インク室6に貯留されたイン
クの一部が、インク室6に連通しているインクノズル2
1から記録紙に向かって吐出する。
1においては、電圧印加装置25からの駆動電圧が対向
電極間に印加されると、対向電極間に充電された電荷に
よるクーロン力が発生し、振動板5はセグメント電極部
18の側へ撓み、インク室5の容積が拡大する。次に、
電圧印加装置25からの駆動電圧を解除して対向電極間
の電荷を放電すると、振動板5はその弾性復帰力によっ
て復帰し、インク室6の容積が急激に収縮する。この時
発生する内圧変動により、インク室6に貯留されたイン
クの一部が、インク室6に連通しているインクノズル2
1から記録紙に向かって吐出する。
【0033】なお、インクジェットヘッド1で使用され
るインクとしては、水、アルコール、トルエン等の主溶
媒にエチレングリコール等の界面活性剤と、染料または
顔料とを溶解または分散させることにより調製される。
さらに、インクジェットヘッド1にヒータを設けておけ
ば、ホットメルトインクも使用できる。
るインクとしては、水、アルコール、トルエン等の主溶
媒にエチレングリコール等の界面活性剤と、染料または
顔料とを溶解または分散させることにより調製される。
さらに、インクジェットヘッド1にヒータを設けておけ
ば、ホットメルトインクも使用できる。
【0034】(製造方法)以下静電型アクチュエータの
最適な製造方法について説明する。
最適な製造方法について説明する。
【0035】図5には上記構成のインクジェットヘッド
1の製造工程の一例の概略フローチャートを示してあ
る。この図に示すように、まず、ステップST1におい
て、インクジェットヘッド1を構成しているキャビティ
ープレート3、ノズルプレート2、ガラス基板4をそれ
ぞれウエハから加工して製造する。次に、ステップST
2において、それらの3部材を相互に組み立てて(接合
して)インクジェットヘッドを形成する。すなわち、間
隔15が形成されるように、キャビティープレート3の
底面側にガラス基板4を組み付ける。この状態では、共
通電極である振動板5の底面51、およびセグメント電
極部18の表面のいずれにも疎水膜は形成されていな
い。
1の製造工程の一例の概略フローチャートを示してあ
る。この図に示すように、まず、ステップST1におい
て、インクジェットヘッド1を構成しているキャビティ
ープレート3、ノズルプレート2、ガラス基板4をそれ
ぞれウエハから加工して製造する。次に、ステップST
2において、それらの3部材を相互に組み立てて(接合
して)インクジェットヘッドを形成する。すなわち、間
隔15が形成されるように、キャビティープレート3の
底面側にガラス基板4を組み付ける。この状態では、共
通電極である振動板5の底面51、およびセグメント電
極部18の表面のいずれにも疎水膜は形成されていな
い。
【0036】次に、ステップST3の前処理(乾燥)工
程において、インクジェットヘッド1に対して前処理を
施し、その表面に付着している水分を除去、あるいは可
能な限り低減する。例えば、ドライエアーを供給した処
理槽内にインクジェットヘッド1を放置すれば良い。こ
のような前処理工程を行うと、HMDSの付着状況の安
定化を図ることができる。すなわち、振動板5の底面5
1、およびセグメント電極部18の表面から余分な付着
水分を低減・除去して、HMDSの付着状況の安定化を
図り、次の工程におけるHMDSの付着状態にばらつき
が発生するのを回避できる。なお、ドライエアーを用い
る方法の他、処理槽内を真空にして加熱する真空加熱工
程、処理槽内を真空雰囲気および窒素雰囲気に交互に切
り換える工程、及びこれらの組合せを前処理工程として
採用することができる。
程において、インクジェットヘッド1に対して前処理を
施し、その表面に付着している水分を除去、あるいは可
能な限り低減する。例えば、ドライエアーを供給した処
理槽内にインクジェットヘッド1を放置すれば良い。こ
のような前処理工程を行うと、HMDSの付着状況の安
定化を図ることができる。すなわち、振動板5の底面5
1、およびセグメント電極部18の表面から余分な付着
水分を低減・除去して、HMDSの付着状況の安定化を
図り、次の工程におけるHMDSの付着状態にばらつき
が発生するのを回避できる。なお、ドライエアーを用い
る方法の他、処理槽内を真空にして加熱する真空加熱工
程、処理槽内を真空雰囲気および窒素雰囲気に交互に切
り換える工程、及びこれらの組合せを前処理工程として
採用することができる。
【0037】次に、ステップST4のHMDS付着工程
において、共通電極である振動板5の底面51、および
セグメント電極部18の表面に、それぞれHMDSから
なる疎水膜22、23を形成する。例えば、HMDSを
入れた容器を前記処理槽内に置き、ドライエアーの供給
を止め、常温、常湿で雰囲気圧力を大気圧として、この
状態を、HMDSが拡散により十分隙間15に侵入する
まで(本形態では約20時間程度)維持する。この結
果、共通電極である振動板5の底面51およびセグメン
ト電極部18の表面にはHMDSからなる疎水膜22、
23が形成される。この時の処理槽内のHMDS濃度
は、約0.8%以上にすれば良い。後述するように処理
槽外でアクチュエータの対向電極間の隙間を気密封止す
るため、気密封止するまでに隙間内のHMDSの濃度が
低下し、気密封止後の隙間内のHMDSの濃度は処理槽
内の濃度より低くなる。この濃度の低下分を予め見込ん
で、気密封止後のHMDSの濃度が少なくとも0.3%
以上となるように処理槽内のHMDSの濃度が設定され
ている。
において、共通電極である振動板5の底面51、および
セグメント電極部18の表面に、それぞれHMDSから
なる疎水膜22、23を形成する。例えば、HMDSを
入れた容器を前記処理槽内に置き、ドライエアーの供給
を止め、常温、常湿で雰囲気圧力を大気圧として、この
状態を、HMDSが拡散により十分隙間15に侵入する
まで(本形態では約20時間程度)維持する。この結
果、共通電極である振動板5の底面51およびセグメン
ト電極部18の表面にはHMDSからなる疎水膜22、
23が形成される。この時の処理槽内のHMDS濃度
は、約0.8%以上にすれば良い。後述するように処理
槽外でアクチュエータの対向電極間の隙間を気密封止す
るため、気密封止するまでに隙間内のHMDSの濃度が
低下し、気密封止後の隙間内のHMDSの濃度は処理槽
内の濃度より低くなる。この濃度の低下分を予め見込ん
で、気密封止後のHMDSの濃度が少なくとも0.3%
以上となるように処理槽内のHMDSの濃度が設定され
ている。
【0038】図6には、シリコン製の振動板5の底面お
よびITO製のセグメント電極部18の表面に形成され
たHMDSの疎水層22a、23aの分子結合状態を示
してある。この図に示すように、各表面では、OH基が
疎水基であるOSi(CH3)3 基と入れ代わった状態
となる。
よびITO製のセグメント電極部18の表面に形成され
たHMDSの疎水層22a、23aの分子結合状態を示
してある。この図に示すように、各表面では、OH基が
疎水基であるOSi(CH3)3 基と入れ代わった状態
となる。
【0039】次に、ステップST5の気密封止工程にお
いて、処理槽内からインクジェットヘッド1を取り出し
て、3分以内で処理槽外で振動板5とセグメント電極部
18との間の空間を気密封止し、隙間15を形成する。
この時、気密封止された隙間15のHMDS濃度は約
0.3%以上になる。
いて、処理槽内からインクジェットヘッド1を取り出し
て、3分以内で処理槽外で振動板5とセグメント電極部
18との間の空間を気密封止し、隙間15を形成する。
この時、気密封止された隙間15のHMDS濃度は約
0.3%以上になる。
【0040】図7は疎水膜22、23を形成した直後に
インクジェットヘッドを外部に放置した場合における放
置時間と疎水膜22、23の耐久性の相関関係のグラフ
である。なお、このグラフは、封止工程における処理槽
内のHMDS濃度が0.8%以上になるようにした場合
に得られたものである。また、耐久性は、振動板5の1
回の振動を1サイクルとして測定したものである。
インクジェットヘッドを外部に放置した場合における放
置時間と疎水膜22、23の耐久性の相関関係のグラフ
である。なお、このグラフは、封止工程における処理槽
内のHMDS濃度が0.8%以上になるようにした場合
に得られたものである。また、耐久性は、振動板5の1
回の振動を1サイクルとして測定したものである。
【0041】このグラフから分かるように、HMDSか
らなる疎水膜22、23を形成した後に、その状態のま
ま封止せずに処理槽内から取り出して、大気中に放置し
ておくと、疎水膜22、23の耐久性は処理槽内から取
り出した直後(右下がり領域A)に急激に低下する。そ
して、数分後に所定の耐久性レベルに安定する。(安定
領域B)。その後、さらに放置しておくと、数日後には
耐久性が再び徐々に回復する。(右上がり領域C)。ま
た、右上がり領域Cの耐久性は、疎水膜22、23を形
成した直後(右下がり領域A)の耐久性に比べれば低い
レベルである。
らなる疎水膜22、23を形成した後に、その状態のま
ま封止せずに処理槽内から取り出して、大気中に放置し
ておくと、疎水膜22、23の耐久性は処理槽内から取
り出した直後(右下がり領域A)に急激に低下する。そ
して、数分後に所定の耐久性レベルに安定する。(安定
領域B)。その後、さらに放置しておくと、数日後には
耐久性が再び徐々に回復する。(右上がり領域C)。ま
た、右上がり領域Cの耐久性は、疎水膜22、23を形
成した直後(右下がり領域A)の耐久性に比べれば低い
レベルである。
【0042】本例の製造方法では、隙間15のHMDS
濃度が約0.3%以上になるように当該隙間15を気密
封止している。すなわち、図7の右下がり領域Aで隙間
15を気密封止したことになる。このため、振動板5の
表面およびセグメント電極部18の表面に形成された疎
水膜22、23の耐久性としては、疎水膜22、23が
形成された直後あるいはそれに近いものになる。図8か
ら明らかなように、疎水膜22、23を形成した後、隙
間15のHMDS濃度が約0.3%以上のまま気密封止
すれば、数千万〜数十億サイクル程度の耐久性が得られ
る。
濃度が約0.3%以上になるように当該隙間15を気密
封止している。すなわち、図7の右下がり領域Aで隙間
15を気密封止したことになる。このため、振動板5の
表面およびセグメント電極部18の表面に形成された疎
水膜22、23の耐久性としては、疎水膜22、23が
形成された直後あるいはそれに近いものになる。図8か
ら明らかなように、疎水膜22、23を形成した後、隙
間15のHMDS濃度が約0.3%以上のまま気密封止
すれば、数千万〜数十億サイクル程度の耐久性が得られ
る。
【0043】図8は、図7における右下がり領域Aに含
まれる放置時間内で隙間15を気密封止したときに得ら
れる当該隙間内のHMDS濃度と、疎水膜22、23の
耐久性の相関関係のグラフである。このグラフから分か
るように、インクジェットヘッド1は隙間15が0.3
%以上のHMDS濃度となるように気密封止されている
ので、疎水膜22、23の耐久性は、約2千万サイクル
以上になる。従って、疎水膜22、23を形成してから
数日間放置した後に、隙間15を気密封止した場合と同
等あるいはそれ以上の耐久性を持つ疎水膜を得ることが
できる。例えば、隙間15のHMDS濃度を約0.4%
以上にすると、1億サイクル以上の耐久性を持つ疎水膜
22、23を得ることができる。
まれる放置時間内で隙間15を気密封止したときに得ら
れる当該隙間内のHMDS濃度と、疎水膜22、23の
耐久性の相関関係のグラフである。このグラフから分か
るように、インクジェットヘッド1は隙間15が0.3
%以上のHMDS濃度となるように気密封止されている
ので、疎水膜22、23の耐久性は、約2千万サイクル
以上になる。従って、疎水膜22、23を形成してから
数日間放置した後に、隙間15を気密封止した場合と同
等あるいはそれ以上の耐久性を持つ疎水膜を得ることが
できる。例えば、隙間15のHMDS濃度を約0.4%
以上にすると、1億サイクル以上の耐久性を持つ疎水膜
22、23を得ることができる。
【0044】ここで、隙間15のHMDS濃度を高める
にしたがって疎水膜22、23の耐久性は上昇する。但
し、HMDS濃度が約0.8%となると疎水膜の耐久性
は50億サイクル程度に飽和する。このため、処理槽内
のHMDS濃度の管理誤差、処理槽外に取り出してから
気密封止までの濃度の低下等を考慮すれば、処理槽内の
HMDS濃度を1.0%ないし2.0%前後に設定する
ことが最も好ましい。
にしたがって疎水膜22、23の耐久性は上昇する。但
し、HMDS濃度が約0.8%となると疎水膜の耐久性
は50億サイクル程度に飽和する。このため、処理槽内
のHMDS濃度の管理誤差、処理槽外に取り出してから
気密封止までの濃度の低下等を考慮すれば、処理槽内の
HMDS濃度を1.0%ないし2.0%前後に設定する
ことが最も好ましい。
【0045】以上説明したように、本例の方法によれ
ば、HMDSからなる疎水膜22、23の耐久性を充分
なものとするために、疎水膜形成後に数日間に渡って放
置する必要がない。即ち、短時間で静電型アクチュエー
タを製造できるという利点を有する。
ば、HMDSからなる疎水膜22、23の耐久性を充分
なものとするために、疎水膜形成後に数日間に渡って放
置する必要がない。即ち、短時間で静電型アクチュエー
タを製造できるという利点を有する。
【0046】ここで、ステップST4のHMDS付着工
程を行うと、キャビティープレート3のその他の表面に
も疎水膜が形成されて疎水性が付与されてしまい、イン
ク流路の気泡の排出性が悪化する等の問題が生じる。し
かしながら、ステップST5の気密封止工程を行った後
に、RCA洗浄(アンモニア、過酸化水素水の混合液を
用いた洗浄)等を行うことにより簡単にインク流路表面
から疎水膜を除去することが可能である。このため、気
泡の排出性悪化等の問題が併発されることを防止でき
る。
程を行うと、キャビティープレート3のその他の表面に
も疎水膜が形成されて疎水性が付与されてしまい、イン
ク流路の気泡の排出性が悪化する等の問題が生じる。し
かしながら、ステップST5の気密封止工程を行った後
に、RCA洗浄(アンモニア、過酸化水素水の混合液を
用いた洗浄)等を行うことにより簡単にインク流路表面
から疎水膜を除去することが可能である。このため、気
泡の排出性悪化等の問題が併発されることを防止でき
る。
【0047】(インクジェットヘッドの隙間の封止部分
の構造)以下、図7、図9を用いて、インクジェットヘ
ッドのインクジェットヘッドの隙間の封止部分の構造に
ついて説明する。
の構造)以下、図7、図9を用いて、インクジェットヘ
ッドのインクジェットヘッドの隙間の封止部分の構造に
ついて説明する。
【0048】HMDSの濃度の高い状態で対向部材間の
隙間を封止することが望ましいことは、前述した通りで
ある。このためにはHMDSを充填した槽内で隙間を封
止する作業を行う工程を採用することが好ましいが、反
面、以下の欠点も併せ持つ。即ち、槽内で封止材、具体
的にはエポキシ系の接着剤を用いて隙間を封止すること
は、容易な作業ではない。また、HMDS以外の接着剤
の成分で槽内を汚染することは、品質管理上好ましくな
い。
隙間を封止することが望ましいことは、前述した通りで
ある。このためにはHMDSを充填した槽内で隙間を封
止する作業を行う工程を採用することが好ましいが、反
面、以下の欠点も併せ持つ。即ち、槽内で封止材、具体
的にはエポキシ系の接着剤を用いて隙間を封止すること
は、容易な作業ではない。また、HMDS以外の接着剤
の成分で槽内を汚染することは、品質管理上好ましくな
い。
【0049】従って、槽内に所定時間置かれた静電型ア
クチュエータを、槽内から取り出した後迅速に隙間の封
止を行う工程を採用するほうが、静電型アクチュエータ
の大量生産には適している。
クチュエータを、槽内から取り出した後迅速に隙間の封
止を行う工程を採用するほうが、静電型アクチュエータ
の大量生産には適している。
【0050】槽内から取り出した直後から、隙間内のH
MDSが低下し、封止までの間に時間がかかれば耐久性
が低下することは、図7からも明らかである。即ち、図
7の領域Aの部分の傾きは、槽内から取り出した後の静
電型アクチュエータの対向部材間の隙間のHMDSの濃
度の低下する速度を表し、この速度が大きいほど、素早
く封止する必要がある。
MDSが低下し、封止までの間に時間がかかれば耐久性
が低下することは、図7からも明らかである。即ち、図
7の領域Aの部分の傾きは、槽内から取り出した後の静
電型アクチュエータの対向部材間の隙間のHMDSの濃
度の低下する速度を表し、この速度が大きいほど、素早
く封止する必要がある。
【0051】本実施例は、対向部材間の隙間を封止する
構造に関し、封止までの隙間内のHMDSの濃度の低下
を抑えるものである。
構造に関し、封止までの隙間内のHMDSの濃度の低下
を抑えるものである。
【0052】図9は、図1に示したインクジェットヘッ
ドの対向部材間の隙間の封止部分を示す平面図である。
符号18は個別電極であり、端子部19と個別電極18
はリード部17bによって接続されている。これら電極
17、17bはガラス基板4上に設けられた凹部16に
ITOを蒸着することにより形成される。
ドの対向部材間の隙間の封止部分を示す平面図である。
符号18は個別電極であり、端子部19と個別電極18
はリード部17bによって接続されている。これら電極
17、17bはガラス基板4上に設けられた凹部16に
ITOを蒸着することにより形成される。
【0053】図示のように、凹部16は2つの部分に区
画されている。アクチュエータ部分(振動室15)とな
る部分の凹部の寸法は幅b、長さaであり、振動室15
と外部とをつなぐ管15bとなる部分の凹部の寸法は幅
d、長さLである。尚、ガラス基板4とキャビティープ
レート3を接合し、HMDSを振動室15内に入れ付着
させた後、管15bの解放端は封止材20によって閉じ
られる。
画されている。アクチュエータ部分(振動室15)とな
る部分の凹部の寸法は幅b、長さaであり、振動室15
と外部とをつなぐ管15bとなる部分の凹部の寸法は幅
d、長さLである。尚、ガラス基板4とキャビティープ
レート3を接合し、HMDSを振動室15内に入れ付着
させた後、管15bの解放端は封止材20によって閉じ
られる。
【0054】振動室15の体積をV(a×b×g、gは
対向部材間(振動板5と電極17間の距離)とし、管1
5bの断面積をS(d×g)としたとき、以下の式で表
される値Kの大小が、槽内から取り出した後の静電型ア
クチュエータの対向部材間の隙間のHMDSの濃度の低
下する速度に関係し、K≧25であれば、槽外で隙間の
封止を行っても十分静電型アクチュエータの耐久性を確
保できることが実験で得られた。
対向部材間(振動板5と電極17間の距離)とし、管1
5bの断面積をS(d×g)としたとき、以下の式で表
される値Kの大小が、槽内から取り出した後の静電型ア
クチュエータの対向部材間の隙間のHMDSの濃度の低
下する速度に関係し、K≧25であれば、槽外で隙間の
封止を行っても十分静電型アクチュエータの耐久性を確
保できることが実験で得られた。
【0055】K=V・L/S 図7の領域Aの実線部分はK=10、波線部分はK=2
5の場合の耐久性と気密封止までの時間の相関を示すも
のである。図から明らかなように1分以内で封止すれ
ば、K=25であれば1億パルス程度の耐久性を得るこ
とができるのに対し、K=10では1000万パルス程
度の耐久性を得ることも難しい。K=10で1億パルス
の耐久性を得るためには、槽外に出して10秒程度で封
止工程を終了させる必要があり、大量生産を前提とした
工程では事実上不可能である。
5の場合の耐久性と気密封止までの時間の相関を示すも
のである。図から明らかなように1分以内で封止すれ
ば、K=25であれば1億パルス程度の耐久性を得るこ
とができるのに対し、K=10では1000万パルス程
度の耐久性を得ることも難しい。K=10で1億パルス
の耐久性を得るためには、槽外に出して10秒程度で封
止工程を終了させる必要があり、大量生産を前提とした
工程では事実上不可能である。
【0056】(本発明の静電アクチュエータの実施形
態)以下、本発明の特徴である静電型アクチュエータの
封止部分の構造について図10、図11、図12、図1
3に示す一実施形態を用いて説明する。
態)以下、本発明の特徴である静電型アクチュエータの
封止部分の構造について図10、図11、図12、図1
3に示す一実施形態を用いて説明する。
【0057】図10は、本実施形態ののインクジェット
ヘッドの斜視図を示し、図11は分解斜視図を示す。図
1と同一の符号のものは、図1で説明した例と同一のも
のを示す。
ヘッドの斜視図を示し、図11は分解斜視図を示す。図
1と同一の符号のものは、図1で説明した例と同一のも
のを示す。
【0058】また、図12は図10及び図11のインク
ジェットヘッドの隙間の封止部分の平面図を示すもので
ある。図9と同一の符号のものは、図9で説明した例と
同一のものを示す。
ジェットヘッドの隙間の封止部分の平面図を示すもので
ある。図9と同一の符号のものは、図9で説明した例と
同一のものを示す。
【0059】キャビティプレート3には、複数の振動室
15に接続されている管15bの解放端側に第1の凹部
31の一部を構成する貫通孔27aが形成され、更に、
各管15bを結ぶバイパス管15cの解放端側に第2の
凹部32の一部を構成する貫通孔27bが形成されてい
る。また、電極基板4にも第1、第2の凹部の一部分と
なる凹部が31a、31bが設けられており、凹部31
aには端子部19が設けられる。
15に接続されている管15bの解放端側に第1の凹部
31の一部を構成する貫通孔27aが形成され、更に、
各管15bを結ぶバイパス管15cの解放端側に第2の
凹部32の一部を構成する貫通孔27bが形成されてい
る。また、電極基板4にも第1、第2の凹部の一部分と
なる凹部が31a、31bが設けられており、凹部31
aには端子部19が設けられる。
【0060】ノズルプレート2には、キャビティプレー
ト3に形成された貫通孔27aと貫通孔27bを合わせ
た面積より一回り大きな貫通穴28が形成されている。
ト3に形成された貫通孔27aと貫通孔27bを合わせ
た面積より一回り大きな貫通穴28が形成されている。
【0061】各管15bの解放端側に封止部20aが形
成され、また、バイパス管15cの解放端側に封止部2
0bが形成されている。よって、列状に配置された複数
の振動室15は気密封止されている。
成され、また、バイパス管15cの解放端側に封止部2
0bが形成されている。よって、列状に配置された複数
の振動室15は気密封止されている。
【0062】個々のインクジェットヘッド1を構成する
インクノズル21、インク室5、電極17等の各要素
は、各基板102、103、104に複数セット形成さ
れる。各要素が形成された基板を接合した後、接合され
た基板100を切断することにより、同時に複数個のイ
ンクジェットヘッドを得ることができる。
インクノズル21、インク室5、電極17等の各要素
は、各基板102、103、104に複数セット形成さ
れる。各要素が形成された基板を接合した後、接合され
た基板100を切断することにより、同時に複数個のイ
ンクジェットヘッドを得ることができる。
【0063】図13は、各要素が形成され、互いに接合
される3枚の基板を示す斜視図である。本実施の形態で
は、両端の列に夫々3個の、中央の5列には、1列当た
り5個のインクジェットヘッドを形成するための各要素
が各基板に形成されており、接合した基板を切断するこ
とにより、2枚のシリコンウエハ102、103と1枚
のガラス基板104から計31個のインクジェットヘッ
ドを得ることができる。
される3枚の基板を示す斜視図である。本実施の形態で
は、両端の列に夫々3個の、中央の5列には、1列当た
り5個のインクジェットヘッドを形成するための各要素
が各基板に形成されており、接合した基板を切断するこ
とにより、2枚のシリコンウエハ102、103と1枚
のガラス基板104から計31個のインクジェットヘッ
ドを得ることができる。
【0064】キャビティプレート3を構成することにな
るウエハ103には第1の凹部31の一部を構成するこ
とになる貫通孔27a、第2の凹部32の一部を構成す
る貫通孔27bが形成されている。また、ノズルプレー
ト2を構成することになるウエハ102には、貫通孔2
7aと貫通孔27bを合わせた面積より一回り大きな貫
通穴28が形成されている。また、これらの貫通孔27
a、27b、28は、3枚の基板が接合されたときに、
電極端子19、26が接合基板の表面に露出させるため
の孔でもある。
るウエハ103には第1の凹部31の一部を構成するこ
とになる貫通孔27a、第2の凹部32の一部を構成す
る貫通孔27bが形成されている。また、ノズルプレー
ト2を構成することになるウエハ102には、貫通孔2
7aと貫通孔27bを合わせた面積より一回り大きな貫
通穴28が形成されている。また、これらの貫通孔27
a、27b、28は、3枚の基板が接合されたときに、
電極端子19、26が接合基板の表面に露出させるため
の孔でもある。
【0065】なお、符号72a、72bは基板102と
基板103を接合する際に位置決めに用いられる基板接
合用の基準マークであり、基板102に設けられた基板
切断用の基準マーク73は、接合された基板100を切
断するときに、切断位置を合わせるための基準となるマ
ークである。
基板103を接合する際に位置決めに用いられる基板接
合用の基準マークであり、基板102に設けられた基板
切断用の基準マーク73は、接合された基板100を切
断するときに、切断位置を合わせるための基準となるマ
ークである。
【0066】本実施形態のインクジェットヘッドは、以
下の手順により、HMDSが振動室15内に封止され、
製造される。
下の手順により、HMDSが振動室15内に封止され、
製造される。
【0067】ノズルプレート2を形成するウエハ10
2、キャビティプレート3を形成するウエハ103の所
定の位置をエッチングし、ノズル等となる孔を形成す
る。これと同時にウエハ102には貫通孔28が形成さ
れ、ウエハ103には貫通孔27aと貫通孔27bが形
成される。
2、キャビティプレート3を形成するウエハ103の所
定の位置をエッチングし、ノズル等となる孔を形成す
る。これと同時にウエハ102には貫通孔28が形成さ
れ、ウエハ103には貫通孔27aと貫通孔27bが形
成される。
【0068】同様に、ガラス基板104も所定の位置を
エッチングして凹部を形成し、凹部内の所定の位置に個
別電極17を形成する。
エッチングして凹部を形成し、凹部内の所定の位置に個
別電極17を形成する。
【0069】このガラス基板104と振動板5が設けら
れたキャビティプレート3を形成するウエハ103を陽
極接合することにより個々のヘッドの構成要素となる振
動室15、管15b、バイパス管15cが形成される。
更にウエハ103の上にノズルプレート2を形成するウ
エハ102を接合することにより、個々のヘッドの構成
要素となるインク室6が形成されると共に、各ノズル2
1とインク室6が連通する。
れたキャビティプレート3を形成するウエハ103を陽
極接合することにより個々のヘッドの構成要素となる振
動室15、管15b、バイパス管15cが形成される。
更にウエハ103の上にノズルプレート2を形成するウ
エハ102を接合することにより、個々のヘッドの構成
要素となるインク室6が形成されると共に、各ノズル2
1とインク室6が連通する。
【0070】各管15bの解放端をウエハ103に形成
した各貫通孔27aから封止部材20aにより封止した
後、所定濃度のHMDSが充填された槽内に接合された
基板100を入れ、所定時間槽内に放置する。その後、
接合された基板100を槽外に取り出し、各バイパス管
15cの解放端をウエハ103に形成した各貫通孔27
bから封止部材20bにより封止し、振動室内に所定濃
度以上のHMDSを入れたまま、各振動室15を外気か
ら遮断する。その後、接合された基板100を切断し、
個々のインクジェットヘッド1に分離する。
した各貫通孔27aから封止部材20aにより封止した
後、所定濃度のHMDSが充填された槽内に接合された
基板100を入れ、所定時間槽内に放置する。その後、
接合された基板100を槽外に取り出し、各バイパス管
15cの解放端をウエハ103に形成した各貫通孔27
bから封止部材20bにより封止し、振動室内に所定濃
度以上のHMDSを入れたまま、各振動室15を外気か
ら遮断する。その後、接合された基板100を切断し、
個々のインクジェットヘッド1に分離する。
【0071】気密封止する封止部材は、例えばエポキシ
系接着剤であり、この種の接着剤は加熱することにより
硬化させる。接着剤を加熱した場合接着剤の粘度は一旦
低下する。各管15bとバイバス管15cの位置に対応
するように、それぞれ第1の凹部31と第2の凹部32
を形成することにより、即ち、封止材で封止する箇所は
隣接しているが、2つの凹部を形成することにより仕切
られているため、封止用の接着剤を加熱硬化の際に各管
15bの封止材が壁面を伝わってバイパス管15cを塞
ぐことがなくなる。
系接着剤であり、この種の接着剤は加熱することにより
硬化させる。接着剤を加熱した場合接着剤の粘度は一旦
低下する。各管15bとバイバス管15cの位置に対応
するように、それぞれ第1の凹部31と第2の凹部32
を形成することにより、即ち、封止材で封止する箇所は
隣接しているが、2つの凹部を形成することにより仕切
られているため、封止用の接着剤を加熱硬化の際に各管
15bの封止材が壁面を伝わってバイパス管15cを塞
ぐことがなくなる。
【0072】また、このようなバイパス管を設けること
により、インクジェットヘッド自体の面積を増やすこと
なく、バイパス管を設けないものに比べK値を50〜6
0倍程度を上げることができる。即ち、槽内から取り出
した後の静電型アクチュエータの対向部材間の隙間のH
MDSの濃度の低下を抑制することができる。
により、インクジェットヘッド自体の面積を増やすこと
なく、バイパス管を設けないものに比べK値を50〜6
0倍程度を上げることができる。即ち、槽内から取り出
した後の静電型アクチュエータの対向部材間の隙間のH
MDSの濃度の低下を抑制することができる。
【0073】さらに、HMDS付着工程後、隙間を封止
する箇所もインクジェットヘッド1個当たり1カ所です
み、封止する面積もバイパス管を設けないものに比べ小
さいので、より迅速に封止を行えるという利点を有す
る。
する箇所もインクジェットヘッド1個当たり1カ所です
み、封止する面積もバイパス管を設けないものに比べ小
さいので、より迅速に封止を行えるという利点を有す
る。
【0074】本実施形態では、所定濃度のHMDSが充
填された槽内に多数のインクジェットヘッドが形成され
た3枚の基板を接合した基板を入れ、所定時間槽内に放
置しているが、この形態に限定されるものではなく、キ
ャビティプレート3を形成するウエハ103と電極基板
4を形成するガラス基板104が接合され各振動室15
が形成された後であれば、同様な効果がえられる。よっ
て、振動室に所定濃度以上のHMDSが封入された状態
で振動室が外気から遮断し、その後で、ノズルプレート
2を形成するウエハ102を接合してもよい。
填された槽内に多数のインクジェットヘッドが形成され
た3枚の基板を接合した基板を入れ、所定時間槽内に放
置しているが、この形態に限定されるものではなく、キ
ャビティプレート3を形成するウエハ103と電極基板
4を形成するガラス基板104が接合され各振動室15
が形成された後であれば、同様な効果がえられる。よっ
て、振動室に所定濃度以上のHMDSが封入された状態
で振動室が外気から遮断し、その後で、ノズルプレート
2を形成するウエハ102を接合してもよい。
【0075】[その他の実施の形態]なお、上述の実施
形態では、対向部材間に気密封止される化合物としてH
MDSを例にとって説明したが、これに限らず、疎水基
を有し、かつ水酸基と反応可能な有機珪素化合物であれ
ば本発明に適用可能である。この有機珪素化合物は、例
えば、式R3−Si−X、もしくは式R3−SiNHS
i− R3(Rはアルキル基、Xはハロゲンもしくはア
ミノ基を示す)で表される化合物であり、HMDSの他
に例えば、ヘキサエチルジシラザン((C2H5)3S
iNHSi(C2H5)3)、トリメチルクロロシラン
((CH3)3SiCl)、トリエチルクロロシラン
((C2H5)3SiCl)、トリメチルアミノシラン
((CH3)3SiNH2)、トリエチルアミノシラン
((C2H5)3SiNH2)等が含まれる。また、例
えば、ジメチルジクロロシラン((CH3)2SiCl
2)等の式R2−Si−X(Rはアルキル基、Xはハロ
ゲンもしくはアミノ基を示す)で表される有機珪素化合
物を本発明に適用してもよい。また、アクチュエータ内
に所定濃度以上を保って気密封止することによって疎水
膜が形成され、その疎水膜の耐久性が向上する性質を示
す化合物であれば、有機珪素化合物に限らず、例えばフ
ッ素を含む化合物であっても本発明に適用可能である。
形態では、対向部材間に気密封止される化合物としてH
MDSを例にとって説明したが、これに限らず、疎水基
を有し、かつ水酸基と反応可能な有機珪素化合物であれ
ば本発明に適用可能である。この有機珪素化合物は、例
えば、式R3−Si−X、もしくは式R3−SiNHS
i− R3(Rはアルキル基、Xはハロゲンもしくはア
ミノ基を示す)で表される化合物であり、HMDSの他
に例えば、ヘキサエチルジシラザン((C2H5)3S
iNHSi(C2H5)3)、トリメチルクロロシラン
((CH3)3SiCl)、トリエチルクロロシラン
((C2H5)3SiCl)、トリメチルアミノシラン
((CH3)3SiNH2)、トリエチルアミノシラン
((C2H5)3SiNH2)等が含まれる。また、例
えば、ジメチルジクロロシラン((CH3)2SiCl
2)等の式R2−Si−X(Rはアルキル基、Xはハロ
ゲンもしくはアミノ基を示す)で表される有機珪素化合
物を本発明に適用してもよい。また、アクチュエータ内
に所定濃度以上を保って気密封止することによって疎水
膜が形成され、その疎水膜の耐久性が向上する性質を示
す化合物であれば、有機珪素化合物に限らず、例えばフ
ッ素を含む化合物であっても本発明に適用可能である。
【0076】また、前述したインクジェットヘッド1
は、インク液滴を基板の上面に設けたインクノズルから
吐出させるフェイスインクジェットタイプであるが、基
板の端部に設けたインクノズルから吐出させるエッジイ
ンクジェットタイプにも本発明のインクジェットヘッド
を適用できる。
は、インク液滴を基板の上面に設けたインクノズルから
吐出させるフェイスインクジェットタイプであるが、基
板の端部に設けたインクノズルから吐出させるエッジイ
ンクジェットタイプにも本発明のインクジェットヘッド
を適用できる。
【0077】また、上記の例では、インクジェットヘッ
ドに対して本発明を適用した例であるが、本発明はイン
クジェットヘッド以外の静電型アクチュエータ、例え
ば、例えば、特開平7−54259号公報に開示されて
いるようなマイクロメカニカル装置、静電型アクチュエ
ータを用いた表示装置、マイクロポンプ等に対しても同
様に適用できる。
ドに対して本発明を適用した例であるが、本発明はイン
クジェットヘッド以外の静電型アクチュエータ、例え
ば、例えば、特開平7−54259号公報に開示されて
いるようなマイクロメカニカル装置、静電型アクチュエ
ータを用いた表示装置、マイクロポンプ等に対しても同
様に適用できる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の静電型ア
クチュエータにおいては、各振動室内に形成されたセグ
メント電極と駆動回路を接続するために必要不可欠な第
1の管に対して、バイパスとして機能する第2の管を設
け、かつ、第1の管と第2の管を取り出すための各凹部
を夫々の間が仕切られるように形成している。そのた
め、疎水膜を形成する化合物を注入する工程の前に行う
第1の管の封止の際に、封止用接着剤を加熱硬化させて
も封止用接着剤が第2の管を塞いでしまうおそれがな
く、第2の管を通して疎水膜を形成する化合物を確実に
注入することができる。また、処理槽外で封止工程を行
っても、第1の管の総面積に比べ第2の管の断面積は小
さいので、第2の管を用いないものに比べて、封止が完
了するまでの間の振動室内の化合物の濃度の低下は抑制
される。故に、槽外で隙間の封止を行っても十分なアク
チュエータの耐久性を確保することが可能で、大量生産
に適した静電型アクチュエータを提供することが可能と
なる。
クチュエータにおいては、各振動室内に形成されたセグ
メント電極と駆動回路を接続するために必要不可欠な第
1の管に対して、バイパスとして機能する第2の管を設
け、かつ、第1の管と第2の管を取り出すための各凹部
を夫々の間が仕切られるように形成している。そのた
め、疎水膜を形成する化合物を注入する工程の前に行う
第1の管の封止の際に、封止用接着剤を加熱硬化させて
も封止用接着剤が第2の管を塞いでしまうおそれがな
く、第2の管を通して疎水膜を形成する化合物を確実に
注入することができる。また、処理槽外で封止工程を行
っても、第1の管の総面積に比べ第2の管の断面積は小
さいので、第2の管を用いないものに比べて、封止が完
了するまでの間の振動室内の化合物の濃度の低下は抑制
される。故に、槽外で隙間の封止を行っても十分なアク
チュエータの耐久性を確保することが可能で、大量生産
に適した静電型アクチュエータを提供することが可能と
なる。
【図1】本発明を適用したインクジェットヘッドの分解
斜視図である。
斜視図である。
【図2】図1のインクジェットヘッドの概略縦断面図で
ある。
ある。
【図3】図1のインクジェットヘッドの平面図である。
【図4】図1のインクジェットヘッドの一部を示す概略
横断面図である。
横断面図である。
【図5】図1のインクジェットヘッドの製造工程を示す
概略フローチャートである。
概略フローチャートである。
【図6】形成されたHMDSの疎水層を示す模式図であ
る。
る。
【図7】疎水膜を形成した直後にインクジェットヘッド
を外部に放置した場合における放置時間と疎水膜の耐久
性の相関関係のグラフである。
を外部に放置した場合における放置時間と疎水膜の耐久
性の相関関係のグラフである。
【図8】図7の右下がり領域に含まれる放置時間内で隙
間を気密封止したときに得られる隙間内のHMDS濃度
と疎水膜の耐久性の相関関係のグラフである。
間を気密封止したときに得られる隙間内のHMDS濃度
と疎水膜の耐久性の相関関係のグラフである。
【図9】図1に示したインクジェットヘッドの対向部材
間の隙間の封止部分を示す平面図である。
間の隙間の封止部分を示す平面図である。
【図10】本発明の実施形態のインクジェットヘッドの
斜視図である。
斜視図である。
【図11】図10に示したインクジェットヘッドの分解
斜視図である。
斜視図である。
【図12】図10に示したインクジェットヘッドの対向
部材間の隙間の封止部分を示す平面図である。
部材間の隙間の封止部分を示す平面図である。
【図13】図10に示すインクジェットヘッドを構成す
る要素が多数形成され、互いに接合された後個々のイン
クジェットヘッドに切断分離される3枚の基板を示す分
解斜視図である。
る要素が多数形成され、互いに接合された後個々のイン
クジェットヘッドに切断分離される3枚の基板を示す分
解斜視図である。
1 インクジェットヘッド 2 ノズルプレート 3 キャビティープレート 4 ガラス基板 5 振動板(共通電極) 6 インク室 8 インク供給口 10 インクリザーバ 15 隙間 17 個別電極 18 セグメント電極部 20 封止材 25 電圧印加装置 26 共通電極端子 27a 第1の貫通孔 27b 第2の貫通孔 31 第1の凹部 32 第2の凹部
Claims (10)
- 【請求項1】 略一定の間隔で対向配置され相対変位可
能な複数の対向部材と、これらの各対向部材の間に選択
的に静電気力を発生させて当該対向部材を選択的に相対
変位させる駆動手段を有する静電型アクチュエータにお
いて、 各対向部材の一方の部材側に設けられ、前記駆動手段に
より選択的に通電されるセグメント電極と、 各対向部材が形成された面を壁面の一部とし、夫々にセ
グメント電極が形成された振動室と、 各振動室に連通し、前記セグメント電極と電気的に接続
するリードが夫々に形成された第1の管と、 前記振動室側と反対側の端で、前記第1の管の全てに接
続すると共に、前記各リードと電気的に接続する端子が
夫々に形成された第1の凹部と、 前記対向部材間に疎水膜を形成する化合物を封入するた
めに、前記第1の管の端子が設けられた側の端を封止す
る第1の封止部材と、 前記第1の管の複数に連通する第2の管と、 前記第2の管に接続する第2の凹部と、 前記第2の管の前記第2の凹部側の端を封止する第2の
封止部材を備えたことを特徴とする静電型アクチュエー
タ。 - 【請求項2】 請求項1において、前記化合物は、疎水
基を有し、かつ水酸基と反応可能な有機珪素化合物であ
ることを特徴とする静電型アクチュエータ。 - 【請求項3】 請求項2において、前記有機珪素化合物
は、式R3−Si−X、もしくは式R3−SiNHSi
− R3(Rはアルキル基、Xはハロゲンもしくはアミ
ノ基を示す)で表される化合物であることを特徴とする
静電型アクチュエータ。 - 【請求項4】 請求項2において、前記化合物が、ヘキ
サメチルジシラザン((CH3)3SiNHSi(CH
3)3)、ヘキサエチルジシラザン((C2H5)3S
iNHSi(C2H5)3)、トリメチルクロロシラン
((CH3) 3SiCl)、トリエチルクロロシラン
((C2H5)3SiCl)、トリメチルアミノシラン
((CH3)3SiNH2)、トリエチルアミノシラン
((C2H5)3SiNH2)のいずれかであることを
特徴とする静電型アクチュエータ。 - 【請求項5】 請求項2において、前記有機珪素化合物
は、式R2−Si−X(Rはアルキル基、Xはハロゲンも
しくはアミノ基を示す)で表される化合物であることを
特徴とする静電型アクチュエータ。 - 【請求項6】 請求項5において、前記化合物が、ジメ
チルジクロロシラン((CH3)2SiCl2)である
ことを特徴とする静電型アクチュエータ。 - 【請求項7】 請求項1乃至6のいずれかにおいて、前
記対向部材間の前記化合物の濃度が0.3%以上である
ことを特徴とする静電型アクチュエータ。 - 【請求項8】 請求項1乃至6のいずれかにおいて、前
記対向部材間の前記化合物の濃度が0.8%以上である
ことを特徴とする静電型アクチュエータ。 - 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれかの項におい
て、前記対向部材の相対変位によって容積が変動するイ
ンク室と、当該インク室に連通しているインクノズルと
を有し、前記駆動手段は、前記対向部材のそれぞれに形
成した対向電極と、これらの対向電極の間に電気パルス
を印加する電圧印加手段とを備え、前記電気パルスの印
加に応じて前記インクノズルからインク液滴が吐出され
るようになっていることを特徴とする静電型アクチュエ
ータ。 - 【請求項10】 請求項1乃至9記載の静電型アクチュ
エータの製造方法において、前記第1の管を前記第1の
封止材で封止し、前記化合物が充満した処理槽内にアク
チュエータを置き、前記化合物を対向部材間に侵入さ
せ、該対向部材間に疎水膜を付着させた後、前記処理槽
外で前記第2の管を前記第2の封止材で封止することを
特徴とする静電型アクチュエータの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6910498A JPH11263012A (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 静電型アクチュエータ及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6910498A JPH11263012A (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 静電型アクチュエータ及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11263012A true JPH11263012A (ja) | 1999-09-28 |
Family
ID=13392998
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6910498A Withdrawn JPH11263012A (ja) | 1998-03-18 | 1998-03-18 | 静電型アクチュエータ及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11263012A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1998
- 1998-03-18 JP JP6910498A patent/JPH11263012A/ja not_active Withdrawn
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