JPH11179298A - ワーク洗浄装置 - Google Patents

ワーク洗浄装置

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JPH11179298A
JPH11179298A JP9355736A JP35573697A JPH11179298A JP H11179298 A JPH11179298 A JP H11179298A JP 9355736 A JP9355736 A JP 9355736A JP 35573697 A JP35573697 A JP 35573697A JP H11179298 A JPH11179298 A JP H11179298A
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JP
Japan
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work
rotation
rotating
cleaning
rotary member
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JP9355736A
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English (en)
Inventor
Takeshi Sugawara
猛 菅原
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Aisin Kiko Co Ltd
Original Assignee
Aisin Kiko Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ワークに対する複数の加工工程途中
でクランプ工具などが当接、把持する加工位置決め基準
位置に残存した切粉、ゴミ、汚れなどを除去できるワー
ク洗浄装置を提供することを課題とする。 【解決手段】本発明、ワーク洗浄装置1は、外周面に凸
部22を有し、回転によって該凸部22でワーク8を持
ち上げ該凸部22の解離によってワーク8を落とす回転
部材2と、該回転部材2を回転する回転駆動部材4とを
もつことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ワーク洗浄装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加工対象とするワークに対し、加
工ラインの複数領域に設置された種々の加工機により、
順に加工を施した製品(部品)を得る場合、各加工機で
の加工毎に、予めワークを規定位置(加工基準位置)に
確実に保持するためクランプ装置によりクランプし、か
つ位置決めする操作がなされる。
【0003】前記各加工機での加工に先立つワークに汚
れ、ゴミ、切粉、不純物などが付着していると、クラン
プ装置によるクランプ時に精度よく位置決めすることが
できない。そこで、加工工程に移行する前にワークを洗
浄するためのワーク洗浄装置が提案されている。例え
ば、図9〜11図に示すリング状のワーク8を洗浄する
場合に用いられる従来のワーク洗浄装置1Bを以下に説
明する。
【0004】ワーク洗浄装置1Bは、ワーク8を回転さ
せるために配設されそれぞれ回転駆動源M1、M2を備
えた回転体2b、3bと、回転体2b、3bによるワー
ク8の回転状態を保持する2枚の第1垂直壁板51、第
2垂直壁板52をもつハウジング5と、洗浄後のワーク
8を後工程に搬送するため搬送傾斜通路T2に戻すため
のエアー(油圧)シリンダ60、ピストン軸61、押し
上げ部材62をもつ垂直駆動部材6と、洗浄液を加圧し
て送給する圧力ポンプ70bをもつ供給通路71b、供
給通路71bから分岐しハウジング5の第1垂直壁板5
1および第2垂直壁板52に噴射口73b、73bを開
口する噴射管72b、72bをもちワーク8の回転軸心
線P4(援用して示す実施例の図6参照)とほぼ平行位
置に配設された洗浄噴射部7bとよりなる。
【0005】このワーク洗浄装置1Bは、前工程(ブロ
ーチ加工工程)と後工程(研削工程)との間の搬送傾斜
通路T1、T2の途中のスペースEに設置されて用いら
れる。また、洗浄対象としてのワーク8は、加工ライン
に設置されたブローチ盤(図示せず)を用い、ブローチ
加工を施すことにより形成されたスプライン溝(歯溝)
82および内歯83よりなる加工済内周面81(援用し
て示す実施例の図6、図7参照)を備えている。
【0006】このワーク8は、ブローチ加工後、後工程
で加工位置決め基準位置となる加工済内周面81を洗浄
するため、図11に示されるようにワーク洗浄装置1B
にセットされ、反時計方向(矢印S1参照)に回転する
回転体2b、3bにより、時計方向(矢印S2参照)に
回転させながら、洗浄噴射部7b(図9参照)の噴射口
73b、73bからほぼ水平方向に噴射された洗浄液
を、加工済内周面81に吹きつけられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、ブローチ加
工時に前記ワーク8のスプライン溝82に詰まった切粉
A(図6、図7参照)は、従来のワーク洗浄装置1Bに
よって洗浄しても、ワーク8へ絡み付いたり、ワーク8
の面への面接触による吸着などの理由からスプライン溝
82から除去できずに残存しやすい。
【0008】そして、スプライン溝82に切粉Aが残存
した状態のワーク8は、後工程に供給されると、クラン
プ工具により加工位置決め基準位置となる加工済内周面
81に直に当接せず、かつ切粉Aを挟んだ状態でクラン
プされ、いわゆる、かたいだ状態で保持され、そのま
ま、ワーク8の外周面80を研削盤(図示せず)により
研削加工されるため、目的とする加工精度を得ることが
できない。
【0009】本発明は、前記問題点に鑑みなされたもの
で、ワークに対する複数の加工工程途中でクランプ工具
などが当接、把持する加工位置決め基準位置に残存した
切粉、ゴミ、汚れなどを除去できるワーク洗浄装置を提
供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明、ワーク
洗浄装置は、外周面に凸部を有し、回転によって該凸部
でワークを持ち上げ該凸部の解離によってワークを落と
す回転部材と、該回転部材を回転する回転駆動部材とを
もつことを特徴とする。請求項2の発明、ワーク洗浄装
置は、請求項1記載の構成において前記回転部材は、外
周面に複数の凸部をもつ多角形である。
【0011】請求項3の発明、ワーク洗浄装置は、請求
項1、2記載の構成において前記回転部材に回転連動
し、該回転部材とともに前記ワークを持ち上げおよび落
とす第2回転部材をもつ。請求項4の発明、ワーク洗浄
装置は、請求項1、2記載の構成において前記回転部材
の回転に同期して回転し、前記ワークを揺動する回転揺
動部材をもつ。
【0012】請求項5の発明、ワーク洗浄装置は、請求
項1、2、3、4記載の構成においてエアーを含む洗浄
液を前記ワークに所定の傾斜角で吹きつける洗浄液噴射
部をもつ。請求項6の発明、ワーク洗浄装置は、請求項
1、2、3、4、5記載の構成において前記ワークを回
転領域に回転可能に保持するハウジングをもつ。
【0013】請求項7の発明、ワーク洗浄装置は、請求
項6記載の構成において上下に移動可能に保持され前記
ワークを前記回転領域より搬送領域に戻す押し上げ部材
と、該押し上げ部材を上下に移動する垂直駆動部材をも
つ。
【0014】
【発明の実施の形態】前記回転部材は、回転することに
よってワークを持ち上げたり、ワークを落とす、いわゆ
る振動を発生させるための凸部を外周面にもつ。凸部
は、回転時にその外周面がワークを持ち上げおよび落と
したりすることを繰り返し行える形状のものであればよ
く、例えば、外周面が三角、四角、六角、八角、十角、
十二角、その他多角形状に形成された角柱あるいは角筒
や、円柱あるいは円筒の外周面にそれらの軸心線に平行
に延びる種々の断面形状(三角、四角、半円)の突条を
円周方向に等間隔あるいは不等間隔に設けたものや、円
柱あるいは円筒の外周面にそれらの軸心線に平行に延び
る凹条(溝)を円周方向に等間隔あるいは不等間隔に設
けたものなど、いわゆる円周方向にいわゆる高低、段差
を備え、回転することによって、外周面に載置されたワ
ークを持ち上げおよび落とすことができる形状を備えた
もので形成できる。
【0015】回転部材の材質は、金属材、樹脂材、ゴム
(硬質)等を用いることができる。また、回転部材とし
て外周面が多角面形状となったものを用いる場合、外周
面を周方向に区画する各面の互いに隣り合う二つにより
形成される内角の頂部(側稜)を円弧状の面取りを施す
ことが好ましい。回転部材に前記面取りを施すことによ
って、ワーク外周面に打痕が発生することを防止でき
る。回転部材を樹脂材製、硬質ゴム製とした場合には、
その材料性から回転駆動力をワークに伝達しやすいとと
もに、その比重が比較的低いためそれ自身を回転させる
回転駆動力が小さなものですむ。
【0016】回転駆動部材は、前記回転部材を回転し得
るものであればよく、回転部材の回転軸にプリー、タイ
ミングベルト、ギアなどを介して間接的に回転連動する
電動モータや、回転部材の回転軸に直接的に回転連動す
る電動モータなどを用いることができる。前記第2回転
部材は、回転部材と同じものを用いることができる。
【0017】前記回転揺動部材は、回転部材の回転に同
期して回転し、回転部材によってワークを持ち上げおよ
び落としワークを回転しながら振動への振動付与時に、
前記回転部材に同期するとともに偏心して回転すること
によりワークをその軸心線より偏った位置に揺動移動す
る。回転揺動部材の揺動量は、回転揺動部材の回転中心
軸に対し、例えば、円柱状体の中心軸を前記回転中心軸
に対する傾斜度は、5度〜20度ほどである。
【0018】洗浄液噴射部は、エアーを含む洗浄液をワ
ークに所定の傾斜角で吹きつけることにより、効率よく
ワークを洗浄できる。すなわち、エアーと洗浄液との交
互の吹き付けにより振動が発生することにより洗浄効果
を増すことができ、さらにワークに所定の傾斜角で吹き
つけることにより、ワークの回転しつつある洗浄対象領
域に洗浄死角(洗浄残り)のない状態で洗浄し終える。
【0019】
【実施例】本発明、ワーク洗浄装置の実施例を図1〜図
8に基づいて説明する。図1に示す実施例のワーク洗浄
装置1は、振動付与回転部材2と、揺動付与回転部材3
と、回転駆動部材4と、ハウジング5と、垂直駆動部材
6と、洗浄液噴射部7とよりなる。
【0020】ワーク洗浄装置1は、加工ラインのブロー
チ盤(図示せず)でブローチ加工されたリング状のワー
ク8を後工程の研削機(図示せず)に搬送途中に設けら
れたワーク搬送用の上方傾斜通路T1と下方傾斜通路T
2(図1参照)の間の空間Eに設置され、ワーク8の加
工済内周面81を洗浄することを目的とし用いられる。
【0021】振動付与回転部材2は、硬質ゴム製の六角
柱状本体20と、その軸方向の両端に設けられ軸心線P
1(図2参照)に沿って突出する中心軸23を備えてい
る。中心軸23は、ハウジング5の第1垂直壁板51、
第2垂直壁板52に保持された図略の軸受け部によって
回転可能に軸支されている。また中心軸23は、ハウジ
ング5の第2垂直壁板52より外部に突出する他端23
0(図2参照)にプーリー24が装着されている。
【0022】六角柱状本体20の外周面は、図8に示さ
れるように、ピン角形状の六角柱状本体20aを形成す
る六つの面21が互いに隣り合う二つにより60°の内
角θで区画される、互いに隣り合う二つの面21の接続
領域(頂点)22aを、軸心線P1(中心軸23)側よ
り視認して1R(アール)の面取りがなされた円弧状と
した側稜22とよりなる。
【0023】六角柱状本体20は、外径〔外周の対辺間
寸法(軸心線Pを介して径方向にそれぞれ対向する2つ
の面21の間の寸法)〕D1(図8参照)が25mm、
全長L1(図2に示す中心軸23を除く軸心線P方向に
沿って延びる長さ)が100mmに設定されている。前
記外径D1は、ワーク8の外径D(図3参照)に対しそ
の比率が1:5の範囲に設定される。これは、単位時間
にワーク8を上下に振動させ得る回数が決定されるから
である。
【0024】なお、振動付与回転部材2は、六角柱状本
体20を用いた形状に限定されるものではなく、その他
の多角形状体や、外周面に突条や凹条(溝)を円周方向
に複数、形成し、円周方向にいわゆる高低、段差を備
え、回転することによって、外周面に載置されたワーク
8を持ち上げおよび落とすことができ、かつ振動を付与
できる形状を備えたものを用いることができる。また、
六角柱状本体20の材質も前記場合に限定されるもので
はなく、例えば、金属材、樹脂材などを用いることがで
きる。
【0025】揺動付与回転部材3は、硬質ゴム製の円柱
状本体30と、その軸方向の両端に設けられ、円柱状本
体30の軸心線P2に対して傾斜角度θ1(図2参照)
が10度、傾斜した状態で交差し偏心する軸心線P3を
もつ中心軸31とよりなる。前記円柱状本体30の材質
は、限定されるものではなく、その他、金属材や、樹脂
材を用いることもできる。円柱状本体30は、外径D2
(図2参照)が25mm、全長L2(図2参照)が10
0mmに設定されている。
【0026】中心軸31は、前記振動付与回転部材2の
六角柱状本体20の中心軸23と平行な位置で、ハウジ
ング5の第1垂直壁板51、第2垂直壁板52に保持さ
れた図略の軸受け部によって回転可能に軸支されてい
る。また中心軸31は、ハウジング5の第2垂直壁板5
2より外部に突出する他端310(図2参照)にプーリ
ー32が装着される。
【0027】プーリー32と前記振動付与回転部材2の
中心軸23に装着されたプーリー24とには、タイミン
グベルト33が張設されている。回転駆動部材4は、モ
ーターが用いられ、その駆動軸40が前記揺動付与回転
部材3の中心軸31に回転駆動力を伝達可能に連結され
ている。このため回転駆動部材4の駆動軸40からの回
転駆動力は、中心軸31とともに回転するプーリー3
2、タイミングベルト33、プーリー24の順に伝達さ
れ、かつ揺動付与回転部材3と振動付与回転部材2とを
同時に回転させる。
【0028】ハウジング5は、図略の基材に連結された
固定保持部材に固定保持され、所定の巾Wを隔てて平行
に直立する第1垂直壁板51、第2垂直壁板52よりな
る。第1垂直壁板51、第2垂直壁板52は、所定の強
度を備えた材質、金属材や、樹脂材よりなり、ワーク8
を回転領域に回転可能に保持する。垂直駆動部材6は、
図略の基材に連結された固定保持部材に保持されたエア
ーシリンダ60と、エアーシリンダ60によって上(矢
印Y1)方向および下(矢印Y2)方向に駆動制御可能
に保持されたピストン軸61と、ピストン軸61の上端
610に連結された押し上げ部材62とよりなる。押し
上げ部材62の上面620は、ワーク8の外周面80の
凸状曲面形状にほぼフイットする凹状曲面形状に形成さ
れている。
【0029】ー対の洗浄液噴射部7、7は、エアーを混
入した洗浄液を加圧して送給する圧力ポンプ70をもつ
供給通路71と、供給通路71から分岐しハウジング5
の第1垂直壁板51および第2垂直壁板52に、垂直線
からほぼ60度の傾斜角度で開口する噴射口73、73
をもつ噴射管72、72とからなる。なお、供給通路7
1は、エアーを混入した洗浄液を図略の制御部によって
各噴射管72からの噴射タイミング、噴射圧力、噴射量
などを、目的に応じて種々設定できる。また、第2噴射
管72は、その噴射口73を、第1垂直壁板51と第2
垂直壁板52とで形成された間隔E1に向かい、かつワ
ーク8の加工済内周面81に最も効率よく、噴射できる
位置に設けたり、噴射目的とする位置に噴射角度θ2を
変更可能なものや、あるいは予め最も効率よく、ワーク
8の加工済内周面81に噴射できる位置に予め、調整設
定されている。
【0030】前記のように構成された実施例のワーク洗
浄装置1を用い、ワーク8の加工済内周面81を洗浄す
る場合を以下に説明する。ワーク洗浄装置1は、ワーク
8の洗浄に先立ち、予め、垂直駆動部材6の押し上げ部
材62がエアーシリンダ60の作動に伴うピストン軸6
1に連動し下(矢印Y2)方向に移動し、その上面62
0をワーク搬送用の上方傾斜通路T1と下方傾斜通路T
2(図1参照)とを結ぶ直線に一致する高さ位置より約
20mm下にセットされる。
【0031】この状態で、加工ラインの前工程で図略の
ブローチ盤(図示せず)を用い、リング状のワーク8
は、内周部にブローチ加工が施され、図6および図7に
示されるように、周方向に沿って等間隔に所定深さおよ
び巾の複数のスプライン溝(歯溝)82と、各溝82間
に断面台形状の内歯83とをもつ加工済内周面81が形
成される。
【0032】このワーク8は、ブローチ加工後、後工程
(研削加工工程)で外周面80を研削盤(図示せず)に
より研削加工され、目的とする加工精度を得るために加
工位置決め基準位置となる加工済内周面81の洗浄を必
要とする。このため、ワーク8は、ブローチ加工後、搬
送リフター(図示せず)により上方傾斜通路T1に搬送
される。
【0033】すると、ワーク8は、自らの転がりによっ
て図3に示されるように位置移動し(位置aから位置b
参照)ワーク洗浄装置1にセットされる。次いで、ワー
ク8は、回転駆動部材4から伝達された回転駆動力によ
り互いに同期して反時計方向(矢印S1参照)に回転す
る振動付与回転部材2と揺動付与回転部材3とによって
時計方向(矢印S2参照)に回転する。
【0034】このとき、ワーク8は、図3および図4に
示されるように、振動付与回転部材2の六角柱状本体2
0の六つの面21と、円弧状の側稜22とが交互に当接
し、かつ持ち上げ作用(図4のe1位置)と落とし作用
(図4のe2位置)との落差eにより振動を付与され
る。前記振動によって衝撃を受け、スプライン溝82に
詰まっていた切粉Aを離脱させる。一方振動回転するワ
ーク8は、これと同時に揺動付与回転部材3の偏心して
回転する円柱状本体30(図1参照)によって左右の揺
動を付与され、かつ回転に伴う位置変移によって加工済
内周面81における周方向の全域および巾方向の全域
を、噴射管72、72の噴射口73、73に向けること
ができ、噴射口73、73から噴射しエアーを混入した
洗浄液を衝撃力の高い状態で受ける。
【0035】そして、ワーク8の加工済内周面81のス
プライン溝82から離脱させた切粉Aは、ワーク8外に
吹き飛ばされ除去できる。このように、実施例のワーク
洗浄装置1によれば、前記従来のワーク洗浄装置1B
(図9〜図11参照)によっては、除去が困難としてい
たワーク8の加工済内周面81のスプライン溝82に詰
まった切粉Aを効率よく、かつ確実に離脱させるととも
に、吹き飛ばし除去できる。
【0036】この後、図5に示されるように、垂直駆動
部材6の押し上げ部材62がエアーシリンダ60の作動
に伴うピストン軸61に連動し上(矢印Y1)方向に移
動し(位置bから位置b1参照)、その上面620をワ
ーク搬送用の上方傾斜通路T1と下方傾斜通路T2とを
結ぶ直線に一致する高さ位置にセットされる。すると、
洗浄済のワーク8は、自らの転がりによって位置移動し
(位置b1から位置c参照)、下方傾斜通路T2を介し
て後工程に搬送される。
【0037】従って、実施例のワーク洗浄装置1によれ
ば、ワーク8に対し洗浄液での洗浄時に、回転を付与す
るのみの構成の前記従来のワーク洗浄装置1Bによって
は除去しにくい切粉Aを振動を付与するとともにエアー
混入洗浄液を所定の噴射角度でワーク8の加工済内周面
81に向けて噴射することによって、容易に除去するこ
とができ、かつワーク8を左右に揺動することによって
加工済内周面81の全域にエアー混入洗浄液による洗浄
を施すことができる。
【0038】このため、複数の加工工程途中でクランプ
工具などが当接、把持する加工位置決め基準位置となる
ワーク8の加工済内周面81に残存した切粉による、カ
タギの発生での加工精度の低下を防止できる。なお、前
記実施例では、振動付与回転部材2と揺動付与回転部材
3とを用いた場合で説明したが、これに限定されるもの
ではなく、例えば、前記揺動付与回転部材3に代えて、
前記振動付与回転部材2と同じ第2の振動付与回転部材
(回転部材)を用いることができ、かつこの場合にはワ
ーク8により強い振動を付与することによって切粉Aを
離脱することができる。
【0039】
【効果】(1)請求項1の発明、ワーク洗浄装置による
と、ワークの洗浄液での洗浄時に、少なくともワークの
外周部の一部を前記回転部材の回転時に凸部で持ち上
げ、凸部の解離によって落とす、いわゆる振動をワーク
に付与できる。このため、請求項1の発明、ワーク洗浄
装置を用いれば、ワークに対し洗浄液での洗浄時に、回
転を付与するのみの構成の前記従来のワーク洗浄装置に
よっては除去しにくい切粉を振動によって容易に除去す
ることができ、かつワークに対する複数の加工工程途中
でクランプ工具などが当接、把持する加工位置決め基準
位置に残存した切粉による、カタギの発生での加工精度
の低下を防止できる。 (2)請求項2の発明、ワーク洗浄装置によると、請求
項1記載の構成において前記回転部材は、外周面に複数
の凸部をもつ多角形であるため、ワークに付与できる回
転部材の1回転当たりの振動数が増え請求項1記載のワ
ーク洗浄装置による効果を高めることができる。 (3)請求項3の発明、ワーク洗浄装置によると、請求
項1、2記載の構成において前記回転部材に回転連動
し、該回転部材とともに前記ワークを持ち上げおよび落
とす第2回転部材をもつため、ワークに対しその周方向
の2つの領域で振動を付与できるため、請求項1、2記
載のワーク洗浄装置による効果を高めることができる。 (4)請求項4の発明、ワーク洗浄装置によると、請求
項1、2記載の構成において回転部材の回転に同期して
回転し、前記ワークを揺動する回転揺動部材をもつた
め、ワークに対し回転部材により振動を付与できる他、
回転揺動部材により揺動を付与できるため、請求項1、
2記載のワーク洗浄装置による効果を高めることができ
る。 (5)請求項5の発明、ワーク洗浄装置によると、請求
項1、2、3、4記載の構成においてエアーを含む洗浄
液を前記ワークに所定の傾斜角で吹きつける洗浄液噴射
部をもつため、請求項1、2、3、4記載のワーク洗浄
装置による効果をさらに高めることができる。 (6)請求項6の発明、ワーク洗浄装置によると、請求
項1、2、3、4、5記載の構成において前記ワークを
回転領域に回転可能に保持するハウジングをもつため、
請求項1、2、3、4、5記載のワーク洗浄装置の効果
の他、ワークを転倒させず、ほぼ同じ位置で洗浄でき、
洗浄後、後工程に搬送しやすい効果を得ることができ
る。 (7)請求項7の発明、ワーク洗浄装置によると、請求
項6記載のワーク洗浄装置の構成において、上下に移動
可能に保持され前記ワークを前記回転領域より搬送領域
に戻す押し上げ部材と、該押し上げ部材を上下に移動す
る垂直駆動部材をもつため、請求項6のワーク洗浄装置
による効果を得ることができ他、押し上げ部材を下に移
動することにより洗浄前のワークを前工程に連通する搬
送通路から洗浄位置にセットでき、押し上げ部材を上に
移動することにより洗浄後のワークを後工程に連通する
搬送通路に搬送できる効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】使用状態にある実施例のワーク洗浄装置の要部
を示す斜視図。
【図2】図1における実施例のワーク洗浄装置から洗浄
液噴射部を除いた状態を示す平面図。
【図3】実施例のワーク洗浄装置から洗浄液噴射部およ
びハウジングを除いた状態を示すとともに、前工程(ブ
ローチ加工工程)から洗浄対象とするワークが搬送リフ
ターにより傾斜搬送通路へ搬送され、ワーク洗浄装置の
洗浄領域にセットされた状態を示す側面図。
【図4】実施例のワーク洗浄装置により洗浄時のワーク
が振動付与回転部材によって振動を付与されるととも
に、揺動付与回転部材によって振動を付与される状態を
示す側面図。
【図5】実施例のワーク洗浄装置により洗浄を終了した
ワークが垂直駆動部材によって、搬送傾斜通路にまで戻
されて後工程(研削工程)に移動する状態を示す側面
図。
【図6】実施例のワーク洗浄装置により洗浄対象となる
ワーク全体を示す斜視図。
【図7】図6におけるワークの洗浄対象領域である加工
済内周面の一部を拡大して示す斜視図。
【図8】実施例のワーク洗浄装置における振動付与回転
部材として用いた六角柱状本体20の面取りがなされる
前の角状の側稜および面取りがなされた後の円弧状とし
た側稜とを比較して示す側面図。
【図9】使用状態にある従来例のワーク洗浄装置の要部
を示す斜視図。
【図10】図9における従来例のワーク洗浄装置から洗
浄液噴射部を除いた状態を示す平面図。
【図11】図9における従来例のワーク洗浄装置から洗
浄液噴射部およびハウジングを除いた状態を示すととも
に、ワークの洗浄状態を示す側面図。
【符号の説明】
1…ワーク洗浄装置 2…振動付与回転部材 3…揺動
付与回転部材 4…回転駆動部材 5…ハウジング 6…垂直
駆動部材 7…洗浄液噴射部 8…ワーク

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周面に凸部を有し、回転によって該凸部
    でワークを持ち上げ該凸部の解離によってワークを落と
    す回転部材と、該回転部材を回転する回転駆動部材とを
    もつことを特徴とするワーク洗浄装置。
  2. 【請求項2】前記回転部材は、外周面に複数の凸部をも
    つ多角形である請求項1記載のワーク洗浄装置。
  3. 【請求項3】前記回転部材に回転連動し、該回転部材と
    ともに前記ワークを持ち上げおよび落とす第2回転部材
    をもつ請求項1、2記載のワーク洗浄装置。
  4. 【請求項4】前記回転部材の回転に同期して回転し、前
    記ワークを揺動する回転揺動部材をもつ請求項1、2記
    載のワーク洗浄装置。
  5. 【請求項5】エアーを含む洗浄液を前記ワークに所定の
    傾斜角で吹きつける洗浄液噴射部をもつ請求項1、2、
    3、4記載のワーク洗浄装置。
  6. 【請求項6】前記ワークを回転領域に回転可能に保持す
    るハウジングをもつ請求項1、2、3、4、5記載のワ
    ーク洗浄装置。
  7. 【請求項7】上下に移動可能に保持され前記ワークを前
    記回転領域より搬送領域に戻す押し上げ部材と、該押し
    上げ部材を上下に移動する垂直駆動部材をもつ請求項6
    記載のワーク洗浄装置。
JP9355736A 1997-12-24 1997-12-24 ワーク洗浄装置 Pending JPH11179298A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116871219A (zh) * 2023-09-08 2023-10-13 青州市金川液压有限公司 一种轴类零件加工用清洗装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116871219A (zh) * 2023-09-08 2023-10-13 青州市金川液压有限公司 一种轴类零件加工用清洗装置
CN116871219B (zh) * 2023-09-08 2023-11-17 青州市金川液压有限公司 一种轴类零件加工用清洗装置

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