JPH11176623A - マグネット用組成物及びマグネット並びにマグネットの製造方法 - Google Patents

マグネット用組成物及びマグネット並びにマグネットの製造方法

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JPH11176623A
JPH11176623A JP36286797A JP36286797A JPH11176623A JP H11176623 A JPH11176623 A JP H11176623A JP 36286797 A JP36286797 A JP 36286797A JP 36286797 A JP36286797 A JP 36286797A JP H11176623 A JPH11176623 A JP H11176623A
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magnet
weight
fine particles
magnetic
ethyl acrylate
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JP36286797A
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English (en)
Inventor
Kenichi Ishiguro
顕一 石黒
Takeshi Imamura
剛 今村
Kyota Hizuka
恭太 肥塚
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F41/00Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties
    • H01F41/02Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets
    • H01F41/0253Apparatus or processes specially adapted for manufacturing or assembling magnets, inductances or transformers; Apparatus or processes specially adapted for manufacturing materials characterised by their magnetic properties for manufacturing cores, coils, or magnets for manufacturing permanent magnets
    • H01F41/0273Imparting anisotropy
    • H01F41/028Radial anisotropy

Abstract

(57)【要約】 【課題】 変形が少なく且つ磁力の大きいマグネットを
製造する。 【解決手段】 非結晶性のエラストマーから構成される
バインダーと、磁性粉と、粒径1μm以下の微粒子とを
含有し、又粒径1μm以下の微粒子が二酸化シリカ、酸
化アルミニウム、二酸化チタニウムの何れか一種又は少
なくとも二種以上の微粒子の混合物であり、更にバイン
ダーである非結晶性のエラストマーが、エチレンエチル
アクリレート共重合体を100重量%として、エチルア
クリレートの含有量が20〜40重量%であるエチレン
エチルアクリレート共重合体であり、磁性粉の含有量が
マグネット全体を100重量%として、90重量%以上
であり、更に又非結晶性のエラストマーの粉体と、前記
の含有量の磁性粉及び粒径1μm以下の微粒子の混合物
又は混練物を、押し出し成形機のシリンダに供給した
後、配向ダイを介して磁場中で押し出し成形し、更に磁
場中で押し出し成形時のシリンダ及び配向ダイの温度を
150〜200°Cに設定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マグネット用組成
物、マグネット及びマグネットの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、樹脂又はゴムから構成されるバイ
ンダーを用いて成形されるマグネットは、ハードフェラ
イト又は希土類金属間の化合物から構成される磁性粉を
樹脂又はゴムと混合した材料を、押し出し成形や射出成
形により、必要な形状の成形物とした後、この成形物に
着磁処理を施して所定の磁気特性を付与することによ
り、製造されてきた。このようにして製造されたマグネ
ットに含有するフェライト又は希土類金属間の化合物の
単位胞は、一般的に一軸異方性の特性を有している。そ
れ故、高磁力を得るためには、成形を磁場中で行い、材
料中の磁性粉の向きを揃える(以下、「配向」と称す
る)ことが重要である。従って、高い磁気特性が要求さ
れるマグネットの大半は、磁場を印加しながら、押し出
し成形又は射出成形を行う磁場の配向成形によって製造
される。
【0003】磁場を印加しながら、射出成形を行う場合
には、溶融した樹脂材料に磁場を印加して配向を行った
後、磁性粉の向きが保持される程度の粘度となるまで、
金型内で冷却を行うので、成形されたマグネットの磁気
特性は、特に高いものとなる。他方、磁場を印加しなが
ら、押し出し成形を行う場合には、磁性粉の配向が乱れ
てしまう程度の粘度の状態で、成形材料において、ダイ
からその材料中のマグネットを押し出してしまうので、
成形したマグネットの磁気特性は、射出成形したものと
比較して、一般的に低くなる。
【0004】しかし、押し出し成形により得られたマグ
ネットは、射出成形により得られたマグネットと比較す
ると、(1)連続成形されるので、マグネットの一個当
たりの加工時間が短いこと、(2)金型構造が簡単で且
つ小型であるので、金型費用が安いこと、等の利点があ
り、(1)及び(2)等の利点を活かすために、磁力を
向上させることが課題となっている。
【0005】従来、プラスチックマグネットを製造する
のに、図4に示すような装置が用いられてきた。図4、
図5及び図6を簡単に説明すると、図4の(A)及び
(B)は、磁場中の押し出し成形装置の一部断面図であ
り、又図5の(A)及び(B)は、押し出し方向の磁場
が、成形品に与える影響を示す説明図であり、更に図6
は、ダイ内面と、成形材料の外周部との接触抵抗が、磁
性粉の配向に与える影響を示す説明図である。
【0006】図1で、4は一軸押し出し機、5はニップ
ル、6は配向ダイ、7は磁場発生コイル、及び8はヨー
クである。図1に示す磁場中の押し出し成形装置を用い
る磁場中の押し出し成形では、材料中の磁性粉を配向さ
せるので、配向ダイから押し出された成形品は、樹脂の
温度が高く且つ粘度が小さい状態となっている。このた
めに、図5に示すように、配向ダイの出口で発生してい
る押し出し方向の磁場B2に、樹脂自体が内含している
応力及び重力により変形が生じて、必要とされる形状が
得られなかったり、又成形物中の磁性粉10の配向が乱
されて、その結果、磁気特性が低下してしまうことがあ
る。尚、B1は、配向磁場である。
【0007】また、ダイ内面と材料外周部との接触抵抗
により、材料がダイへ引っ掛かり、その結果、マグネッ
トの表面が荒れたり、更に図6に示すように、材料の外
周部の樹脂の流れが遅延し、その結果、材料の径方向の
断面での流速差V1が生じ、磁性粉10の配向が乱され
て、磁気特性が低下してしまうこともある。更に、多極
に配向された成形品の場合、十分に冷却固化されない
と、成形品自体の磁場によっても、変形が生じたり、磁
性粉の配向が乱されて、その結果、磁気特性が低下す
る。四極配向時の押し出し成形品9は、図7に示される
ような変形が生じる。
【0008】他方、特開平4−291382号公報に開
示されているように、冷却方法ではなく、マグネット材
料を工夫することにより、配向ダイから排出されたマグ
ネットの粘度を、変形及び磁性粉の配向の乱れが生じな
い範囲に、収めるようにした方法が提案されている。こ
の方法では、マグネット材料に増粘用の微粒子を混合す
ること、又その増粘用の微粒子として、二酸化シリカ、
酸化アルミニウム、炭酸カルシウム及び含水けい酸の何
れかを用いることが、提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記の特開平4−29
1382号公報に示されている方法によれば、確かに、
ダイから排出されたマグネットの粘度が大きくなるの
で、マグネット材料の変形等を防止することができる
が、押し出し成形では、押し出すことが可能な材料の粘
度範囲が限定されるので、バインダーである樹脂又はゴ
ムと溶融混合することが可能な磁性粉と微粒子との総量
には、上限がある。従って、材料に増粘用の微粒子を添
加した場合、その添加量の分だけ、材料中の磁性粉の混
合量は制限されるので、材料に添加できる上限に近い磁
性粉量が必要とされるような高磁力のマグネットを得る
ことは、不可能である。
【0010】また、単に増粘用の微粒子を、材料に添加
するだけならば、同量の磁性粉を材料に添加した方が、
押し出されてきたマグネットの粘度と磁力の両者が、大
きくなるので、増粘用の微粒子を添加しても効果がな
く、意味のないものとなる。上記のように、従来の技術
では、押し出し成形により、磁力が大きく且つ変形の少
ないマグネットを得ることは、難しかった。
【0011】本発明は、変形が少なく且つ磁力の大きい
マグネットを製造することが可能なマグネット用組成物
と、又変形が少なく且つ磁力の大きいマグネットと、更
に変形が少なく且つ磁力の大きいマグネットを製造する
方法とを、提供することが、目的である。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のマグネ
ット用組成物は、非結晶性のエラストマーからなるバイ
ンダーと、磁性粉と、粒径1μm以下の微粒子とを含有
することを特徴とする。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1記載の
マグネット用組成物において、粒径1μm以下の微粒子
が二酸化シリカ(SiO2 )、酸化アルミニウム(Al
2 3 )、二酸化チタニウム(TiO2 )の何れか一種
又は少なくとも二種以上の混合物であることを特徴とす
る。
【0014】請求項3に記載の発明は、請求項1又は2
の何れか1項記載のマグネット用組成物において、バイ
ンダーである非結晶性のエラストマーが、エチレンエチ
ルアクリレート共重合体を100重量%として、エチル
アクリレートの含有量が20〜40重量%であるエチレ
ンエチルアクリレート共重合体であり、磁性粉の含有量
がマグネット全体を100重量%として、90重量%以
上であることを特徴とする。
【0015】請求項4に記載のマグネットは、請求項1
〜3の何れか1項に記載の組成物を磁場中で押し出し成
形して形成されることを特徴とする。
【0016】請求項5に記載のマグネットの製造方法
は、非結晶性のエラストマーの粉体と、マグネット全体
を100重量%として90重量%以上の磁性粉と、粒径
1μm以下の微粒子の混合物又は混練物を、磁場中で押
し出し成形することを特徴とする。
【0017】請求項6に記載のマグネットの製造方法
は、エチレンエチルアクリレート共重合体を100重量
%として、エチルアクリレートの含有量が20〜40重
量%であるエチレンエチルアクリレート共重合体の粉体
と、マグネット全体を100重量%として、90重量%
以上の含有量の磁性粉と、粒径1μm以下の微粒子とを
含有し、且つ温度250°C及び荷重10Kgでのメル
トフローレートが15〜55g/10分である混練物
を、押し出し成形機のシリンダに供給した後、配向ダイ
を介して磁場中で押し出し成形し、更に磁場中で押し出
し成形時の前記シリンダ及び配向ダイの温度を150〜
200°Cに設定したことを特徴とする。
【0018】本発明では、マグネット材料中に粒径1μ
m以下の微粒子が、磁性粉と共にバインダー中に分散し
ていることにより、磁場中で押し出し成形でのマグネッ
トの製造の際に、配向ダイから排出されてきたマグネッ
トの粘度を大きくし、又マグネットの変形、更に磁性粉
の配向の乱れを小さくすることができる。また、多くの
場合に、後述するような理由から、磁性粉の粒径は1μ
m以上であることが多いので、微粒子は、バインダー中
で微粒子より大きな磁性粉の間を補うように、存在する
ことになり、その結果、マグネット中の磁性粉の充填率
を損なうことなく、磁性粉と混在させることができる。
従って、変形が少なく且つ磁力の大きいマグネットを得
ることが、可能となる。
【0019】粒径が、1μmより大きい微粒子を、材料
に混合しても、マグネットの粘度は大きくなるが、他
方、粒径が、1μmより大きい磁性粉を添加した方が、
相対的にマグネットの単位体積当たりに含有する磁性粉
量が多くなり、磁気力も上がるので、特に1μmより大
きい微粒子を添加する効果が無くなってしまう。逆に、
前記の1μmより大きい微粒子により、磁性粉の配向が
妨げられ、その結果、マグネットの磁気力が低下するこ
ともあり得る。
【0020】磁性粉は、工業的には、磁性体を粉砕する
ことにより、得られることから、粒径が1μmより小さ
くなると、磁性粉の表面の結晶格子の歪んでいる部分
が、磁性粉の一粒当たりに占める割合が大きくなり、そ
の結果、磁気性能が低下する。また、磁性粉が希土類金
属間の化合物の場合、磁性粉の表面の酸化により、同様
に磁気性能は、低下する。従って、粒径1μm以下の微
粒子の代わりに、粒径1μm以下の磁性粉を添加して
も、特に磁気力の上昇は、期待できない。
【0021】また、バインダーがエラストマー樹脂であ
るので、エラストマーの融点付近でも、十分な柔軟性を
具備するため、エラストマーの融点付近の温度でも、配
向ダイ内で材料が固まることなく、磁場中の押し出し成
形を行うことができる。エラストマーの融点付近の温度
で成形できれば、配向ダイから排出された成形品を、迅
速に融点以下まで、冷却固化させることができるので、
成形品の変形及び磁性粉の配向の乱れが生じるのを、更
に防止することが可能となる。更に、エラストマーの柔
軟性により、成形材料が磁性粉及び粒径1μm以下の微
粒子を多量に含有していても、プラスチックマグネット
にクラックが発生しにくいので、磁力の大きいマグネッ
トを得ることが可能となる。
【0022】粒径1μm以下の微粒子だけを、選択的に
入手しようとする場合、微粒子の組成によっては、1μ
m以下の粒子を製造することが、難しい。また、仮に製
造できたとしても、1μm以下の微粒子と1μm以上の
微粒子とが混在した状態で、製造されてしまい、更に微
粒子同士の凝集の問題等の理由から、前記の両者の分級
が難しい場合がほとんどである。従って、二酸化シリカ
(SiO2 )、酸化アルミニウム(Al2 3 )、及び
二酸化チタニウム(TiO2 )は、粒径1μm以下の微
粒子だけを選択的に入手することが可能である。また、
これらは、粒径数10nmの粒子を製造することも可能
であるので、他の微粒子と比較して、マグネット材料中
に多量に混合することも可能である。更に、これらは、
マグネットのバインダーである樹脂及びゴム、磁性粉で
あるフェライト及び希土類の金属間化合物、滑剤、酸化
防止剤、及び可塑剤等の添加剤と、ほとんどの場合無反
応であり、マグネットの性質を損ねることもほとんどな
い。従って、磁場中の押し出し成形時での変形がより少
なく、化学的に安定な材料のマグネットを得ることが可
能となる。
【0023】非結晶性エラストマーから構成されるバイ
ンダーを、エチレンエチルアクリレート共重合体を10
0重量%として、エチルアクリレートの含有量が20〜
40重量%であるエチレンエチルアクリレート共重合体
とすると、この共重合体は、結晶化度が20%以下のエ
ラストマーであり、広い温度範囲での柔軟性があるの
で、成形時の変形が小さく、又環境の変動下でも、クラ
ックを発生しない磁力の大きいプラスチックマグネット
を得ることが可能となる。
【0024】上述した成分から構成される組成物を、マ
グネットの成形のために用いる時、前記組成物の非結晶
性エラストマーは、粉体であっても、又ペレットであっ
ても良いが、前記エラストマーを粉体とし、粉体の非結
晶性エラストマーを磁性粉と混合、又は混練することに
より、ペレット形状の非結晶性エラストマーと、磁性粉
とを、混合、又は混練した場合よりも、磁性粉を材料中
に均一に分散させることができる。特に、混練時に、本
発明では、材料の含有量がマグネット全体を100重量
%として90重量%以上になっても、磁性粉を材料中に
均一に分散させることができる。前記の均一な分散によ
り、成形時に、圧力変動が小さくなり、押し出し方向で
磁力・形状の変動の小さいプラスチックマグネットを得
ることが、可能となる。また、成形時の圧力変動が小さ
いことにより、異方性を有する磁性粉を安定して、配向
させることができるので、磁力の大きなプラスチックマ
グネットを得ることが可能となる。
【0025】更に、エチレンエチルアクリレート共重合
体を100重量%として、エチルアクリレートの含有量
が20〜40重量%であるエチレンエチルアクリレート
共重合体の粉体と、マグネット全体を100重量%とし
て、90重量%以上の含有量の磁性粉と、及び粒径1μ
m以下の微粒子とを含有する混練物であり、且つ温度2
50°C及び荷重10Kgでのメルトフローレートが1
5〜55g/10分である混練物を、シリンダ及び配向
ダイの温度が、150〜200°Cで且つ磁場中で押し
出し成形することにより、異方性の磁性粉を十分に配向
させると共に、マグネットの変形及び表面の荒れ、及び
磁性粉の配向乱れがほとんど生じない範囲にダイから排
出された直後の成形材料の粘度がなるように、成形の際
に、ダイが通過する時の材料粘度を収めることが可能と
なる。従って、表面の荒れ及び変形が少なく、磁力の大
きいプラスチックマグネットを得ることが、可能とな
る。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、実施例と
比較例を基にし、且つ以下に図面を参照して、説明する
が、本発明は、この実施例に限定されない。実施例及び
比較例として、図1及び図2に示すように、多極に磁気
配向され、且つ円周方向に非対称性の磁気特性を有する
マグネットローラ1を作製した。前記マグネットローラ
1は、直径D=15mm、内径d=8mm、及び長さL
=300mmの円筒形のマグネット2を、直径D=8m
m及び長さL=370mmの鉄製の芯金3に被せたもの
である。図1において、破線は、マグネット2の磁極の
位置を示し、又S、Nは、その極性を示し、更にPは、
磁束密度を表している。
【0027】尚、上記のようなマグネットローラ1は、
例えば、非磁性の現像スリーブ内に挿入され、これらが
画像形成装置の現像装置に組み込まれて、使用されるも
のである。そして、前記マグネットローラ1を固定し、
現像スリーブを回転駆動しながら、その表面にトナーと
キャリアを有する二成分系の現像剤を担持して搬送し、
その現像剤によって、像担持体の表面の静電潜像をトナ
ー像として可視像化する。
【0028】実施例 マグネット材料の磁性粉として、異方性ストロンチウム
フェライト(戸田工業株式会社(製):FH801)1
000重量部、非結晶性エラストマーのバインダーとし
て、エチレンエチルアクリレート共重合体(以下、EE
Aと称す)を100重量%として、エチルアクリレート
含有量が35%である共重合体(三井デュポンポリケミ
カル株式会社(製):A−709)100重量部、滑剤
として、ステアリン酸亜鉛(株式会社サトー商事
(製):SZ−2000)1重量部を、それぞれ用意し
た。磁性粉は、希土類の金属間化合物でも良い。また、
バインダーは、他の非結晶性のエラストマーでも良い。
更に、滑剤は、上記したもの以外のものでも良いし、添
加量も本実施例に限定されず、また、無添加でも良い。
また、本実施例で用いられた滑剤と、その他の滑剤と
を、併用しても良い。更に、上記の添加剤の他に、酸化
防止剤及び可塑剤等の添加剤を加えても良い。
【0029】また、粒径1μm以下の微粒子として、平
均粒径0.03μmの二酸化シリカ(日本アエロジル株
式会社(製):AEROSIL50)5重量部を準備し
た。粒径1μm以下の微粒子は、酸化アルミニウム、二
酸化チタンでも良いし、これら以外のものでもバインダ
ー、磁性粉、添加剤と無反応で、粒径1μm以下の微粒
子であれば良い。但し、磁性粉の含有量を下げず、材料
の粘度と磁性粉の粘度とを、磁性粉の配向及び材料の可
塑性を妨げるまでに、大きくし過ぎないためには、粒径
1μm以下の微粒子の添加量は10重量部を超えないの
が望ましい。
【0030】上記の材料を混合機で混合した後、この混
合物を一軸混練機に投入した。この投入の際の混練機の
シリンダの温度を180°Cとし、混練機を作動させる
ことにより、上記材料を加熱・溶融・混練し、続いて前
記混練機から排出された材料を用いて、造粒機で4mm
程度のペレットを作製した。前記ペレットを、図4に示
した配向ダイを有する一軸押し出し成形機のシリンダに
投入し、続いて170°Cで磁場中の押し出し成形を行
い、図1に示したように、多極に配向され、円周方向に
非対称の磁気特性を有する直径15mm及び内径8mm
の円筒形のマグネットを作製した。その後、前記円筒形
のマグネットを、長さ300mmになるように、切断し
て所望のマグネットを得た。更に、前記マグネット内
に、直径8mm及び長さが370mmの鉄製の芯金3を
圧入し、マグネットローラとした。
【0031】比較例 マグネットの材料として、異方性のストロンチウムフェ
ライト900重量部、非結晶のエラストマーのバインダ
ーとして、EEAを100重量%とした際のエチルアク
リレートの含有量が35重量%であるEEA105重量
部、及び滑剤として、ステアリン酸亜鉛1重量部をそれ
ぞれ用意した。前記の材料を、混合機で混合した後、こ
の混合物を一軸混練機に投入した。続いて、シリンダー
温度180°Cで、加熱・溶融・混練し、混練機から排
出された材料を造粒機で4mm程度のペレットにした。
その後、前記ペレットを材料として、実施例と同様の工
程で、同寸法のマグネットローラを作製した。
【0032】実施例と比較例との比較結果 マグネットローラの変形の度合いを示す指標として、図
3に示すように、円周方向で、マグネットの山及び谷部
分の肉厚T1 とT2 とを測定し、山の測定値と隣接する
両側の谷の測定値の平均値の差を、各山に対して算出し
たものの平均値を変形量と定義して、実施例と比較例と
を比較した。また、マグネットローラの磁力を表す指標
として、磁力測定器のプローブを各ローラで磁力最大の
極に突き当てて測定した際の表面磁力について実施例と
比較例を比較した。上記の実施例と比較例では、それぞ
れ三本ずつのマグネットローラについて、変形の度合い
と最大磁力とを測定し、その結果を比較して、表1に示
した。
【0033】
【表1】
【0034】表1の結果から、実施例のマグネットロー
ラは、比較例のマグネットローラより、変形が少なく、
磁力が大きいことが判る。
【0035】
【発明の効果】請求項1に記載のマグネット用組成物に
よれば、マグネット材料中に粒径1μm以下の微粒子
が、微粒子より大きな磁性粉の間を補うように存在する
ことにより、磁場中の押し出し成形でのマグネットの製
造の際に、配向ダイから排出されたマグネットの粘度を
大きくし、又マグネットの変形及び磁性粉の配向の乱れ
を小さくすることが、可能になり、更にバインダーがエ
ラストマーの樹脂であるので、エラストマーの融点の付
近でも、マグネット材料に十分な柔軟性を具備させるこ
とが、可能となるため、変形が少なく且つ磁力の大きい
マグネットを得ることが、可能となる。
【0036】請求項2に記載のマグネット用組成物によ
れば、粒径1μm以下の微粒子を、二酸化シリカ(Si
2 )、酸化アルミニウム(Al2 3 )、及び二酸化
チタニウム(TiO2 )とすることにより、粒径1μm
以下の微粒子だけを選択的に入手でき、又マグネットの
バインダーである樹脂とゴム、磁性粉であるフェライト
と希土類の金属間化合物、滑剤、酸化防止剤、及び可塑
剤等の添加剤と、大抵の場合、反応しない粒径1μm以
下の微粒子を入手することが、可能となるので、変形が
より少なく、且つ化学的に安定な材料のマグネットを得
ることが、可能となる。
【0037】請求項3に記載のマグネット用組成物によ
れば、非結晶性のエラストマーのバインダーを、エチレ
ンエチルアクリレート共重合体を100重量%として、
エチルアクリレートの含有量が20〜40重量%である
エチレンエチルアクリレート共重合体とすることによ
り、成形時の変形が小さく、又環境の変動下でも、クラ
ックを発生しない磁力の大きいプラスチックマグネット
を得ることが、可能となる。また、非結晶性のエラスト
マーのバインダーを、エチレンエチルアクリレート共重
合体を100重量%として、エチルアクリレートの含有
量が20〜40重量%であるエチレンエチルアクリレー
ト共重合体とすることにより、磁性粉の含有量を、マグ
ネット全体を100重量%として、90重量%以上にし
ても、割れ及び欠けの発生しにくい磁力の大きいマグネ
ットを得ることが、可能となる。
【0038】また、請求項4に記載の発明によれば、上
記の何れかに記載の成分から構成される組成物を、磁場
中で押し出し成形することにより、磁力が大きく、且つ
変形が少ないマグネットを得ることが可能となる。
【0039】粉体の非結晶性のエラストマーを磁性粉と
混合又は混練することにより、成形時に圧力変動が小さ
くなり、且つ押し出し方向で磁力・形状の変動の小さい
プラスチックマグネットを得ることが可能となる。ま
た、成形時の圧力変動が小さいことにより、異方性を有
する磁性粉を安定して、配向させることができるので、
磁力の大きなプラスチックマグネットを得ることが可能
となる。
【0040】請求項6に記載のマグネットの製造方法に
よれば、エチレンエチルアクリレート共重合体を100
重量%として、エチルアクリレートの含有量が20〜4
0重量%であるエチレンエチルアクリレート共重合体の
粉体と、マグネット全体を100重量%として、90重
量%以上の含有量の磁性粉と、及び粒径1μm以下の微
粒子とから構成され、且つ温度250°C及び荷重10
Kgでのメルトフローレートが15〜55g/10分で
ある混練物を、シリンダ温度150〜200°Cで、且
つ磁場中で押し出し成形することにより、表面の荒れ、
変形が少なく、及び磁力の大きいプラスチックマグネッ
トを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す多極に磁気配向された
状態を示す模式図である。
【図2】本発明の一実施例を示す多極に磁気配向され、
且つ円周方向に非対称性の磁気特性を有するマグネット
ローラの外観図である。
【図3】本発明のマグネットの山及び谷部分を示す外観
図である。
【図4】(A)及び(B)は、磁場中の押し出し成形装
置の一部断面図である。
【図5】(A)及び(B)は、押し出し方向の磁場が、
成形品に与える影響を示す説明図である。
【図6】ダイ内面と、成形材料の外周部との接触抵抗
が、磁性粉の配向に与える影響を示す説明図である。
【図7】(A)及び(B)は、四極配向時の押し出し成
形品の変形状況を示す外観図である。
【符号の説明】
1 マグネットローラ 2 マグネット 3 鉄製の芯金 4 一軸押し出し機 5 ニップル 6 配向ダイ 7 磁場発生コイル 8 ヨーク 9 四極配向時の押し出し成形品 10 磁性粉

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非結晶性のエラストマーからなるバイン
    ダーと、磁性粉と、粒径1μm以下の微粒子とを含有す
    ることを特徴とするマグネット用組成物。
  2. 【請求項2】 粒径1μm以下の微粒子が二酸化シリカ
    (SiO2 )、酸化アルミニウム(Al2 3 )、二酸
    化チタニウム(TiO2 )の何れか一種又は少なくとも
    二種以上の混合物であることを特徴とする請求項1記載
    のマグネット用組成物。
  3. 【請求項3】 バインダーである非結晶性のエラストマ
    ーが、エチレンエチルアクリレート共重合体を100重
    量%として、エチルアクリレートの含有量が20〜40
    重量%であるエチレンエチルアクリレート共重合体であ
    り、磁性粉の含有量がマグネット全体を100重量%と
    して、90重量%以上であることを特徴とする請求項1
    又は2の何れか1項記載のマグネット用組成物。
  4. 【請求項4】 上記請求項1〜3の何れか1項に記載の
    組成物を磁場中で押し出し成形して形成されることを特
    徴とするマグネット。
  5. 【請求項5】 非結晶性のエラストマーの粉体と、マグ
    ネット全体を100重量%として90重量%以上の磁性
    粉と、粒径1μm以下の微粒子の混合物又は混練物を、
    磁場中で押し出し成形することを特徴とするマグネット
    の製造方法。
  6. 【請求項6】 エチレンエチルアクリレート共重合体を
    100重量%として、エチルアクリレートの含有量が2
    0〜40重量%であるエチレンエチルアクリレート共重
    合体の粉体と、マグネット全体を100重量%として、
    90重量%以上の含有量の磁性粉と、粒径1μm以下の
    微粒子とを含有し、且つ温度250°C及び荷重10K
    gでのメルトフローレートが15〜55g/10分であ
    る混練物を、押し出し成形機のシリンダに供給した後、
    配向ダイを介して磁場中で押し出し成形し、更に磁場中
    で押し出し成形時の前記シリンダ及び配向ダイの温度を
    150〜200°Cに設定したことを特徴とするマグネ
    ットの製造方法。
JP36286797A 1997-12-12 1997-12-12 マグネット用組成物及びマグネット並びにマグネットの製造方法 Pending JPH11176623A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001068332A (ja) * 1999-08-26 2001-03-16 Pilot Corp 可撓性樹脂磁石組成物
JP2006071733A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Ricoh Co Ltd マグネットローラ、現像ローラ、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置

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JP2006071733A (ja) * 2004-08-31 2006-03-16 Ricoh Co Ltd マグネットローラ、現像ローラ、現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置

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