JP2001028305A - 樹脂磁石用組成物及び樹脂磁石成形物 - Google Patents

樹脂磁石用組成物及び樹脂磁石成形物

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JP2001028305A
JP2001028305A JP11200145A JP20014599A JP2001028305A JP 2001028305 A JP2001028305 A JP 2001028305A JP 11200145 A JP11200145 A JP 11200145A JP 20014599 A JP20014599 A JP 20014599A JP 2001028305 A JP2001028305 A JP 2001028305A
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magnetic
magnet
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Yasuaki Shiomura
恭朗 塩村
Hajime Tamura
一 田村
Munenori Iizuka
宗紀 飯塚
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Bridgestone Corp
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    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速で押出成形した場合でも、磁力低下を招
くことなく、磁力特性及び形状精度に優れた高性能な樹
脂磁石成形物を確実に得ることができる樹脂磁石用組成
物を提供することを目的とする。 【解決手段】 樹脂バインダーに磁性粉を分散混合して
なる樹脂磁石用組成物において、上記磁性粉が、粒度分
布の50%粒径と80%粒径との差が1.5μm以下の
磁性粉であることを特徴とする樹脂磁石用組成物を提供
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は樹脂バインダーに磁
性粉を混合分散してなる樹脂磁石用組成物に関し、更に
詳述すれば、押出成形法により所望の形状に成形して着
磁することにより、電子写真装置や静電記録装置に用い
られるマグネットローラ等の樹脂磁石成形物の成形材料
として好適に使用される樹脂磁石用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、複写機、プリンタ等の電子写
真装置や静電記録装置などにおいて感光ドラム等の潜像
保持体上の静電潜像を可視化する現像方式として、回転
するスリーブ内に樹脂磁石により成形されたマグネット
ローラを配設し、スリーブ表面に担持した磁性現像剤
(トナー)を該マグネットローラの磁力特性により潜像
保持体に飛翔させる所謂ジャンピング現像によって、潜
像保持体表面にトナーを供給し、静電潜像を可視化する
現像方法が知られている。
【0003】従来、上記マグネットローラは、熱可塑性
樹脂バインダーに磁性粉を混合した樹脂磁石用組成物
を、周囲に磁場を形成した金型を用いて射出成形又は押
出成形することによりローラ状に成形すると共に、所望
の磁力特性に着磁させることによって製造されている。
また、近年、電子写真方式の進歩に伴って、マグネット
ローラに対してもより複雑な磁力パターンが要求される
傾向があり、この要求に応えるため、目的とする磁力パ
ターンに応じた磁極を着磁させた複数のマグネット片
(ピース)を上記樹脂磁石用組成物で成形し、これをシ
ャフトの周辺に貼り合せることにより所望の磁力パター
ンを構成することも行われている。
【0004】このような、マグネットローラを得るため
の樹脂磁石用組成物としてはフェライトや希土類磁石等
の磁性粉をナイロン6、ナイロン12等のポリアミド樹
脂、ポリプロピレン樹脂、塩化ビニル樹脂、エチレンー
エチルアクリレート共重合体樹脂(EEA)のような熱
可塑性樹脂に混合分散したものが従来から用いられてい
る。
【0005】また、上記マグネットローラの成形法とし
ては主に射出成形と押出成形が用いられており、それぞ
れ以下の特徴がある。即ち、磁場中の射出成形では、溶
融した樹脂磁石用組成物を磁場を印加した金型に射出し
て組成物中の磁性粉を所望の状態に配向させるが、この
場合射出成形では、金型内で磁性粉の配向が保持される
程度の粘度まで樹脂磁石用組成物が冷却されるために得
られる成形物の磁気特性は高い。一方、押出成形では実
質的に磁性粉の配向が乱れてしまう程度の粘度でしか成
形できないため、口金との摩擦により磁性粉の配向が乱
れたり、また口金を通過した直後に成形物自身の磁場や
重力により変形を生じ、磁気特性が射出成形に比べ低く
なるのが一般的である。特に押出速度の遅い領域では射
出成形に近い磁力が得られるものの、生産性を上げるた
めに速度を早くすると磁力性能が急激に低下する傾向に
ある。しかしながら、押出し成形は射出成形に比べ成形
タクトが短く、連続加工できるために加工時間が短くな
り、かつ金型構造が簡単且つ小型にできるために金型費
用が安価にできる点が特徴である。また、マグネットロ
ーラで必要とされる磁力の均一性に関しては、押出成形
は連続成形であるために射出成形に比べ優れているのが
一般的である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような樹脂磁石用
組成物からなるマグネットローラなどの成形物の磁力性
能を向上させるために多くの試みがなされている。例え
ば、特開平9−106904号公報、特公昭55−26
605号公報、特公昭63−34610号公報には、粒
径の異なる磁性粉をブレンドして圧縮密度を上げること
により、実質的に樹脂磁石用組成物中への磁性粉の充填
量を向上させて、磁力性能を上げることが提案されてい
る。しかしながら、この方法は射出成形法では効果が見
られるものの、押出成形法のような成形物の流れが磁力
性能に影響を与える成形方法では必ずしもよい結果が得
られていない。
【0007】そこで、押出成形法においては、磁性粉の
配向の乱れによる磁気特性の低下を改善するために多く
の試みがなされており、例えば押出成形時の成形物表面
の流れの乱れを抑えるために口金の壁面との摩擦を低減
させる方法が試みられている。一般的には金属石鹸等の
滑剤を添加する方法が知られており、また特開平10−
50510号公報にはシリコンオイルを添加することで
磁性粉の配向度を高める方法が提案されている。しかし
ながら、シリコンオイルなどの潤滑剤の添加は樹脂磁石
用組成物を混練りする段階でスリップしたりして十分な
分散ができない場合がある。この場合、押出成形により
得られた成形品の機械的強度が劣り、その後のマグネッ
トピース貼り付けや軸の挿入等のマグネットローラ製造
時に、ハンドリングに問題を生じる場合がある。
【0008】また、樹脂磁石用組成物にシリカを添加す
ることにより、組成物の粘度特性をニュートニアン的な
ものからビンガム的なものに変化させることにより、全
体の流れを均一化させて磁力の低下を防ぐ方法も提案さ
れている。しかしながらシリカを添加する方法では一定
量以上添加しないとその効果が見られないこと、またシ
リカのような無機充填材を添加することは実質的に磁性
粉の添加量を制限することになり、高磁力品が得られな
いという問題がある。
【0009】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、高速で押出成形した場合でも、磁力低下を招くこと
なく、磁力特性及び形状精度に優れた高性能な樹脂磁石
成形物を確実に得ることができる樹脂磁石用組成物及び
その成形物を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】本
発明者は、上記目的を達成するため、樹脂磁石用組成物
中に混合分散する磁性粉の粒度分布に着目し、磁性粉の
粒径分布と押出成形時の押出性能との関係について鋭意
検討を重ねたところ、磁性粉の粒径分布を制御すること
により、押出し時の樹脂組成物の流れの乱れによる磁力
の低下を抑制し得、磁性粉の充填量を減らすことなく
(充填量の低下による磁力低下を招くことなく)、押出
速度の速い領域でも磁力特性が高く形状精度に優れた樹
脂磁石成形物を得ることが可能であり、具体的には、粒
径分布の粒径の大きい部分をカットし、実質的に粒径分
布をシャープにすることによって、押出し時の成形金型
内での樹脂の流れを均一にすることが出来、それにより
速度の速い領域で押出成形した際の磁力の向上が図ら
れ、更にこの場合、一般に磁力レベルが高いといわれる
小粒径側を残すことにより、流れの小さいところでの磁
力の低下も招かず、かつ流れの速いところでは流動特性
をコントロールでき、この点からも磁力の向上を達成し
得ることが見出された。
【0011】そこで、本発明者は、更に検討を進めた結
果、樹脂バインダーに磁性粉を混合分散して樹脂磁石用
組成物を調製する際に、磁性粉の粒度分布を50%粒径
と80%粒径との差が1.5μm以下となるように調整
することにより、押出し時の樹脂の流れを良好にコント
ロールし得、高速で押出成形した場合でも磁力特性が高
く形状精度に優れた樹脂磁石成形物が確実に得られるこ
とを見出し、本発明を完成したものである。
【0012】従って、本発明は、樹脂バインダーに磁性
粉を分散混合してなる樹脂磁石用組成物において、上記
磁性粉が、粒度分布の50%粒径と80%粒径との差が
1.5μm以下の磁性粉であることを特徴とする樹脂磁
石用組成物、及び該樹脂磁石成形物を所望の形状に成形
してなることを特徴とする樹脂磁石成形物を提供するも
のである。
【0013】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の樹脂磁石用組成物は、上述のように、樹脂バイ
ンダーに磁性粉を混合分散したものであり、その磁性粉
の粒度分布を適正化して、高速での押出成形でも良好な
形状精度と高磁力が得られるようにしたものである。
【0014】上記樹脂バインダーとしては、樹脂磁石の
バインダーとして通常用いられる樹脂を使用することが
でき、具体的には、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、塩
化ビニル樹脂、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフ
タレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(P
PS)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エ
チレン−エチルアクリレート(EEA)、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体(EVOH)などが挙げられ、
これらの1種又は2種以上を混合して用いることができ
る。
【0015】この場合、特に制限されるものではない
が、樹脂バインダーとして、塩化ビニル又はその共重合
体とEVAとの混合樹脂を用いることが特に好ましく、
これにより押出成形時に樹脂流の乱れが生じることをよ
り効果的に防止し得、より効果的に高磁力の樹脂磁石を
得ることができる。即ち、可塑性に優れる塩化ビニル樹
脂(共重合体を含む)を用いることにより、組成物中の
磁性粉の配向性を高め、かつEVAを併用することによ
り成形物に十分な機械的強度を与えることができるもの
である。なお、上記塩化ビニル共重合体樹脂としては、
塩化ビニルホモポリマー又は塩化ビニルと、エチレン、
アクリル、酢酸ビニルなどとの共重合体が挙げられる。
また、塩化ビニル又はその共重合体とEVAとの混合樹
脂に、更に上掲したその他の樹脂を第3樹脂成分として
混合しても差し支えない。
【0016】次に、上記樹脂バインダー中に混合分散さ
れる磁性粉としては、従来からマグネットローラ等の樹
脂磁石成形物に用いられている公知の磁性粉を用いるこ
とができ、Srフェライト、Baフェライトなどのマグ
ネトプランパイト型フェライトやSm−Co合金、Nd
−Fe−B合金、Sm−Fe−N合金、Ce−Co合金
等の希土類系合金粉末などを例示することができる。
【0017】本発明の樹脂磁石用組成物は、上記磁性粉
の粒度分布を適正化したものであり、50%粒径と80
%粒径との差が1.5μm以下に制御された磁性粉を用
いるものである。この場合、本発明で用いられる磁性粉
は、特に制限されるものではないが、上記50%粒径が
1〜4μm、特に1.5〜2.5μmであることが好ま
しい。
【0018】なお、上記50%粒径とは、細かい粒子か
らの積算体積が50%に達したときの粒径であり、また
上記積算体積が80%に達したときの粒径が80%粒径
である。磁性粉の粒度分布は、市販の粒度分布測定機を
用いて行うことができ、得られた測定結果を解析するこ
とにより、上記50%粒径及び80%粒径は容易に求め
ることができる。
【0019】ここで、磁性粉の粒度分布は、例えば市販
の磁性粉を粉砕し、更に必要に応じて分級することによ
り、容易に行うことができる。この場合、粉砕,分級は
公知の方法により行うことができ、例えば通常のハンマ
ーミル(サンプルミル)や湿式粉砕機(ウエットミル)
を用いて粉砕することができ、また分級については気流
式遠心分級機などにより容易に行うことができる。
【0020】この磁性粉には、必要に応じて有機珪素化
合物や有機チタネート化合物等の公知のカップリング剤
を用いて表面処理を施すことができる。また、磁性粉の
配合割合は、磁性粉の種類や要求される磁力の強さ等に
応じて適宜選定されるもので特に制限されるものではな
いが、本発明では組成物の80〜97重量%、特に85
〜95重量%の充填量によって高磁力化を達成すること
ができる。この場合、磁性粉の配合割合が80重量%未
満であると、用途によっては磁力が不十分となる場合が
あり、例えばマグネットローラの場合には必ずしも十分
な磁力が得られない場合がある。一方、97重量%を超
えると磁性粉充填量の非常に高いコンパウンドとなって
しまい、このため組成物の流れが非常に悪くなり、良好
に成形することが困難になる場合がある。
【0021】本発明の樹脂磁石用組成物には、上記の樹
脂バインダー成分および磁性粉に加えて必要に応じて磁
性粉分散剤、滑剤、可塑剤等の各種添加剤を適量添加す
ることができる。これら添加剤の添加量は、特に制限さ
れるものではないが、合計で7重量%以下が好ましく、
より好ましくは5重量%以下である。
【0022】ここで、上記磁性粉の分散剤としては、フ
ェノール系分散剤やアミン系の分散剤等を用いることが
できる。また、滑剤としてはパラフィンワックス、マイ
クロリスタリンワックス等のワックス類やステアリン
酸、オレイン酸等の脂肪酸又はこれらの金属塩(ステア
リシ酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等)などを用いる
ことができる。更に、可塑剤としてはフタル酸ジオクチ
ル、トリメリット酸、トリ−2−エチルヘキシル、アジ
ピン酸プロピレングリコール等のモノエステル系及びポ
リエステル系可塑剤や、エポキシ脂肪酸エステル、エポ
キシトリグリセリド等のエポキシ系可塑剤を用いること
ができる。その他、有機錫系安定剤等の添加剤を必要に
応じて用いることができる。
【0023】また、場合によっては本発明の樹脂磁石用
組成物に、マイカやウィスカ或いはタルク、炭素繊維、
ガラス繊維等の補強効果の大きな充填材を本発明の目的
を妨げない範囲で適宜添加することができる。即ち、成
形物に要求される磁力が比較的低く、上記磁性粉の充填
量が少ない場合には、成形物の剛性が低くなりやすく、
このような場合には剛性を補うためにマイカやウィスカ
等の充填材を添加して成形品の補強を行うことができ
る。この場合、本発明に好適に用いられる充填材として
はマイカ或いはウィスカが好ましく、ウィスカとして
は、炭化ケイ素,窒化ケイ素等からなる非酸化物系ウィ
スカ、ZnO,MgO,TiO2,SnO2,Al23
からなる金属酸化物系ウィスカ、チタン酸カリウム,ホ
ウ酸アルミニウム,塩基性硫酸マグネシウム等からなる
ふく酸化物系ウィスカなどが挙げられるが、これらの中
ではプラスチックとの複合化が容易な点から複酸化物系
ウィスカが特に好適に用いられる。上記充填材を用いる
場合の配合割合は、特に制限されるものではないが、通
常は樹脂磁石用組成物全体の0〜20重量%、特に0〜
10重量%程度とされる。
【0024】本発明の樹脂磁石成形物は、所望の形状に
成形されてマグネットローラ等の樹脂磁石成形物とする
ことができる。この場合、成形法は射出成形でも押出成
形でもよいが、射出成形法に比べて成形タクトが短く連
続加工できるために加工時間を短くすることができ、ま
た金型構造が簡単かつ小型にできるために金型費用が安
価であることなどから、押出成形法が好ましく採用され
る。また、押出成形法によれば、長手方向に沿った表面
磁力の磁力差が小さい均一な磁力を有する成形物が得ら
れ、磁力均一性に優れたマグネットローラが得られると
いう利点もある。この場合、従来は、押出成形法には押
出し速度を速くすると得られる成形物の磁力が低下する
という欠点があったが、本発明の樹脂磁石用組成物を用
いることにより、高速での押出成形でも磁力低下を招く
ことなく、良好な磁力を有するマグネットローラ等の樹
脂磁石成形物を安定的に得ることができるものである。
【0025】また、本発明の樹脂磁石用組成物を用いて
マグネットローラを得る場合、通常マグネットローラ
は、樹脂磁石からなるローラ本体と、該ローラ本体の両
端から突出するシャフト部とを具備した構成とされる
が、この場合、金属等からなるシャフトを押出成形によ
り得られた円筒状のローラ本体に圧入してローラ本体と
シャフト部とからなるマグネットローラを得ることがで
きる。また、高度で複雑な磁力特性が要求される場合な
どには、樹脂磁石用組成物を用いて複数の樹脂磁石片
(ピース)を成形し、これらを金属等からなるシャフト
の外周に貼り合わせてローラ本体を形成してもよい。
【0026】また、成形時には、樹脂磁石用組成物に磁
場を印加して組成物中の磁性粉を配向させることがで
き、これにより容易に高磁力を得ることができる。更
に、磁場を印加しながら成形を行うことにより成形と同
時に着磁を施すこともでき、またより複雑な磁力パター
ンが要求される場合には、成形後に一旦脱磁して公知の
着磁機を用いて所望のパターンに着磁すればよい。
【0027】なお、本発明の樹脂磁石用組成物は、上記
マグネットローラの成形材料として好適に使用されるも
のであるが、その用途はこれに限定されるものではな
く、電気モータ用の部品など、種々の樹脂磁石成形物用
の成形材料として好適に使用される。
【0028】
【発明の効果】本発明の樹脂磁石用組成物は、樹脂バイ
ンダー中に混合分散された磁性粉の粒度分布を適正化し
たことにより、高速で押出成形した場合でも、磁力低下
を招くことなく、磁力特性及び形状精度に優れた高性能
な樹脂磁石成形物を確実に得ることができるものであ
る。
【0029】
【実施例】実施例,比較例を示して本発明をより具体的
に説明するが、本発明は下記実施例に限定されるもので
はない。
【0030】[磁性粉の調製]市販のSrフェライト粉
末(戸田工業社製、MA951)を気流式遠心分級機で
分級して粒度を調整したもの(A粉)、湿式粉砕機(ウ
ェットミル)で更に細かく粉砕した後に分級して粒度を
調整したもの(B粉)、及び粒度調整を行わない市販品
の3種類の磁性粉を用意した。これら磁性粉の粒度分布
を日本レーザー社製の乾式粒度分布測定器(HELOS
&LODOS)を用いて測定したところ、表1及び図1
に示した通りであった。なお、測定はバイブレーター式
のサンプル供給機を用い、レーザー径φ2mm、分散圧
3barで行い、解析はフラウンホーファーHRLD
(V3.2Re1.2)を用いた。ここで得られるQ3
値(細かい粒子からの積算の体積に相当する)が50%
に達する時の粒径を50%粒径、80%に達する時の粒
径を80%粒径とした。
【0031】
【表1】
【0032】[樹脂磁石用組成物の調製]ヘンジェルミ
キサーにより上記磁性粉、バインダー樹脂、可塑剤及び
その他添加剤をブレンドした後、2軸押出機で混練りし
てペレット化し、表2に示した組成の樹脂磁石用組成物
を調製した。
【0033】
【表2】 *1:太陽塩ビ社製の塩化ビニル樹脂 *2:東ソー社製のエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂
【0034】[サンプル成形物の作成]φ50の押出機
に磁場配向用の口金(口金表面磁力10000G)を取
りつけ、この押出機に上記ペレット状の樹脂磁石用組成
物を投入して押出成形し、断面扇状のピ一ス(外径φ1
8mm、内径φ6.0mm、中心角90°)を成形し
た。押出し条件は、温度80〜300℃(樹脂によって
異なる)、圧力40〜180kgf/cm2とし、低速
(押出速度0.5m/min)と高速(押出速度1.5
m/min)の2条件で成形を行った。
【0035】上記樹脂磁石用組成物及びサンプル成形物
について、下記の特性を評価した。結果を表3に示す。
【0036】[押出し性能]上記サンプル成形物を押出
し成形する際、速い速度で押出した時(押出速度1.5
m/min)のブレーカーリング直前で測定される上記
圧力を樹脂圧として測定した。
【0037】[粘度]上記ペレット状の樹脂磁石用組成
物を80℃のオーブンで24hr乾燥させた後、吸湿し
ない状態を保ち、島津製フローテスター(JISK72
10の参考図4と同様のもの)を用いて、ダイスφ1×
L2にて測定した。この場合、まず、試験荷重を100
kgf/cm2にセットし、測定温度100℃程度から
スタートして荷重をかけ、ダイから樹脂磁石用組成物が
流動するまで、5℃ずつ昇温する。次に、荷重100k
gf/cm2でダイから流動する温度を維持しながら、
荷重を流動しなくなるまで5〜10kgf/cm2程度
ずつ小さくしていき、粘度特性を測定して、下記方法に
より評価した。 [粘度の評価法]上記方法によって求められた粘度特性
を次の2つのメジャーにて評価する。 <降伏応力η0> 上記測定方法において、剪断速度3
0S−1以下の点が3点以上とされる場合には、それら
の点から外挿して、剪断速度0S−1のときの剪断応力
を求め、降伏応力η0とする、なお、組成物の種類によ
っては、上記方法では剪断速度30S−1以下で3点取
れないことがあるが、その場合は測定されたデータの
内、最も小さい剪断速度からの3点より外挿し、剪断速
度0S−1のときの剪断応力を求め、降伏応力η0とす
る。 <一次直線の傾きC値> 上記測定方法で得られたデー
タのうち、剪断速度が最も小さいときの剪断応力をη
1、その時の剪断速度をγ1とし、剪断速度が2番目に
小さい時の剪断応力をη2、その時の剪断速度をγ2と
し、下記式によりC値を算出する。 C=(η2−η1)/{η0(γ2−γ1)}
【0038】[磁力測定]成形した扇状成形物(ピー
ス)を30cm長に切り取り、φ6mmの鉄製シャフト
に4つ貼り合わせロール形状としマグネットローラとし
た。このマグネットローラの表面磁力を東陽テクニカ製
4048ガウスメーターにて測定した。測定ポイントは
30cmの長さ中の両端3cmを除く部分をシャフト方
向に2mm毎測定し隣り同士の磁力の差をばらつき(そ
の中で一番大なものを最大ばらつき)、測定した点で一
番大きなものを最大磁力とした。
【0039】
【表3】
【0040】[評価] 比較例1:磁性粉としてMA951を91重量%配合し
たもの。低速押出しでの磁力はそこそこ発揮されるが、
生産性に重要な速度の速い領域では磁力が大幅に低下し
た。 比較例2:磁性粉としてMA951を91.7重量%配
合したもの、ブロードな粒度分布をもつこの磁性粉は高
充填した場合にも十分な流動性を示し、低速押出しでは
非常に高い磁力性能を示すが高速ではやはり急激に磁力
が低下し、実用押出速度領域では磁力が低い。 実施例1:磁性粉として粒度の大きい部分のみをカット
し粒度分布をシャープにしたA粉を使用し、磁性粉の配
合量を91重量%としたもの。低速押出しでは比較例1
と同様の磁力性能だが、高速での磁力の低下が小さく十
分な磁力性能を発揮する。 実施例2:磁性粉としてA粉を91.2重量%配合した
もの。磁性粉の粒度分布がシャープになると、通常は比
較例2のように高充填できなくなってくるが、このくら
いの充填量でも磁力的は高いレベルを示し、かつ高速押
出しでは最も高い磁力レベルを発揮する。 実施例3:市販の磁性粉MA951を更に細かく粉砕
し、粒度の大きい部分をカットして粒度分布をA粉より
更にシャープにしたB粉を、磁性粉として90.5重量
%配合したもの。磁性粉の粒度分布をシャープにするこ
とによって、更にに速度による磁力差が小さくなった。
また、充填量が小さいので低速押出しでは磁力レベルが
比較的低いが、高速領域では全く問題の無い磁力レベル
を発揮している。 実施例4:磁性粉として上記B粉を91重量%配合した
もの。粒度分布をシャープにすると高充填が難しくなり
充填量による磁力アップは小さくなるものの、高速領域
では十分な磁力レベルを発揮している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例,比較例で用いた磁性粉の粒度分布を示
すグラフである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂バインダーに磁性粉を分散混合して
    なる樹脂磁石用組成物において、上記磁性粉が、粒度分
    布の50%粒径と80%粒径との差が1.5μm以下の
    磁性粉であることを特徴とする樹脂磁石用組成物。
  2. 【請求項2】 上記磁性粉の50%粒径が1〜4μmで
    ある請求項1記載の樹脂磁石用組成物。
  3. 【請求項3】 磁性粉がフェライト粉末又は希土類金属
    化合物であり、その配合量が組成物の80〜97重量%
    である請求項1又は2記載の樹脂磁石用組成物。
  4. 【請求項4】 樹脂バインダーが、塩化ビニル樹脂又は
    その共重合体とエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂とを
    含有する混合樹脂である請求項1〜3のいずれか1項に
    記載の樹脂磁石用組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹
    脂磁石用組成物を、所望の形状に成形してなることを特
    徴とする樹脂磁石成形物。
  6. 【請求項6】 押出成形法により成形されたものである
    請求項5記載の樹脂磁石成形物。
  7. 【請求項7】 電子写真装置や静電記録装置に用いられ
    るマグネットローラである請求項5又は6記載の樹脂磁
    石成形物。
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