JPH11176472A - イオン伝導性高分子固体電解質及び該固体電解質を含む電気化学素子及び電池 - Google Patents

イオン伝導性高分子固体電解質及び該固体電解質を含む電気化学素子及び電池

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JPH11176472A
JPH11176472A JP9351987A JP35198797A JPH11176472A JP H11176472 A JPH11176472 A JP H11176472A JP 9351987 A JP9351987 A JP 9351987A JP 35198797 A JP35198797 A JP 35198797A JP H11176472 A JPH11176472 A JP H11176472A
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solid electrolyte
electrolyte
polymer solid
halogen
ion
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JP9351987A
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Masahiro Yanai
將浩 谷内
Ikuo Kato
幾雄 加藤
Toshiyuki Kahata
利幸 加幡
Toshishige Fujii
俊茂 藤井
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Ricoh Co Ltd
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Ricoh Co Ltd
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Publication date
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高分子固体電解質及びゲル電解質に難燃性化
合物を添加することにより、前記電解液及びゲル電解質
の問題点を解決し、イオン伝導度が高く、十分な固体強
度を有し、難燃性が付与された電池用高分子固体電解質
及びゲル電解質に関するものであり、繰り返し充放電を
行なっても、電池エネルギー密度の低下を生じることが
なく、且つ過充電、外部ショート、釘刺し、押しつぶし
等の過酷な条件においても安全性を十分に確保でき、耐
電圧性、電気伝導性に優れ、負荷特性、低温特性に優れ
た高分子固体電解質及びゲル電解質を提供するととも
に、高い信頼性、安全性を有するポリマー電池を提供す
ること。 【解決手段】 高分子マトリクスおよび電解質塩を少な
くとも含有する高分子固体電解質において、少なくとも
1種の難燃剤を含有していることを特徴とするイオン伝
導性高分子固体電解質。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な高分子固体
電解質及びゲル電解質、特に難燃性、自己消火性を付与
した高分子固体電解質及びゲル電解質及び該高分子固体
電解質及びゲル電解質を使用した二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】電池の3大構成要素として、正極、負
極、電解液があげられるが、従来、一般的には電池は液
体素子であるため電解液の漏れ、電解液の揮発による電
池寿命の低下を防止するため電池容器には剛直で密封性
が高く、且つ耐電圧性に優れた構造(円筒、角型、コイ
ン型等)が求められている。特に、近年、電池には様々
な形状が要求され、偏平で大面積の電池開発も行なわれ
ている。このような電池として固体電池が検討されてい
る。
【0003】固体電池の固体電解質としてはNASIK
ON、LISICONなどの無機伝導性ガラス、高分子
固体電解質などが注目されているが、無機系電解質は安
定性が低い、電池システムが限定されるなどの問題があ
り、また、高分子固体電解質は加工性の点で優れている
もののイオン伝導度が低い、隔膜強度が低いなどの問題
が指摘されており、高分子固体電解質として、例えばシ
ロキサン(USP5,1123,512号明細書に記
載)、ホスファゼン(USP4,840,856号明細
書に記載)などを用いることでイオン伝導度の向上を目
指したが、イオン伝導度が未だ不満足で、電池性能を確
保することは困難であった。
【0004】また、近年注目されてきている高分子マト
リクス、溶媒、電解質塩からなるゲルは熱可塑性の高分
子マトリクスからなるゲルと架橋性高分子マトリクスか
らなるゲルがあり、電池性能を確保することができる
が、電池として固体強度は十分であるが、イオン伝導度
は未だ十分でないか、又はイオン伝導度は高いが固体強
度が十分でないなどの両方の要件を必ずしも満足するも
のが得られていないのが現状である。
【0005】また、難燃性、自己消火性付与に関して
は、現在使用されている電解液溶媒では必ずしも満足の
いくものでなく、自己消火性はない。そこで、電解液に
自己消火性化合物としてリン酸エステル類を添加するこ
とが提案されている(特開平4−184870号公報)
が、電解液中に15wt%以上添加されており、難燃性
は付与されるが、電池特性において問題があった。
【0006】そこで、含有率を低下させ電池特性を劣化
させることなく、難燃性、自己消火性を電解液に付与す
るものとしてトリアルコキシホスフェート、ハロゲン化
トリアルコキシホスフェート(USP5,580,68
4号明細書/特開平8−88023号公報)、ハロゲン
化炭化水素(特開平9−22723号公報)、フッ素化
炭酸エステル(特開平8−138740号公報)、さら
にリン酸エステルのリチウム塩添加(特開平8−138
733号公報)などが提案されているが安全性の面で十
分ではなかった。
【0007】また、ゲル電解質においては高分子マトリ
クスにPANを用いた易炭化性を利用した難燃性付与し
たものも提案されているが電池特性の面で十分ではなか
った。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高分子固体
電解質及びゲル電解質に難燃性化合物を添加することに
より、前記電解液及びゲル電解質の問題点を解決し、イ
オン伝導度が高く、十分な固体強度を有し、難燃性が付
与された電池用高分子固体電解質及びゲル電解質に関す
るものであり、繰り返し充放電を行なっても、電池エネ
ルギー密度の低下を生じることがなく、且つ過充電、外
部ショート、釘刺し、押しつぶし等の過酷な条件におい
ても安全性を十分に確保でき、耐電圧性、電気伝導性に
優れ、負荷特性、低温特性に優れた高分子固体電解質及
びゲル電解質を提供するとともに、高い信頼性、安全性
を有するポリマー電池を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の特徴は高分子マ
トリクス及び電解質塩を少なくとも含有する高分子固体
電解質において、少なくとも1種の難燃剤を含有させた
ものを使用することにより前記従来技術の問題点を解消
した点にある。
【0010】該難燃剤としてリン系化合物を使用すると
燃焼の際にポリ燐酸皮膜を高分子固体電解質表面に形成
し、可燃性ガスの発生を抑える、あるいは蒸発潜熱によ
り燃焼温度を下げるなどの働きにより、難燃化が考えら
れる。特にPEO等の含酸素系高分子マトリクスに対
し、難燃化の効果がある。
【0011】また、リン系化合物とハロゲン系化合物を
併用することにより、ハロゲン系化合物単独あるいはリ
ン系化合物単独に比べて、併用することでリン系化合物
の難燃化機構以外に燃焼の際に発生する−OOHまたは
−OHラジカルをハロゲン、特に臭素がラジカル失活に
寄与し、燃焼サイクルを断つことができ、延焼を抑える
ことができる。さらに、ハロゲン系化合物が熱分解する
ことにより発生するハロゲンガスによって燃焼表面の可
燃性ガスが抑制されるため自己消火性を持つと考えられ
る。また、併用することで相乗効果があるため少量で難
燃化することができ、懸念される電池特性への影響はな
い。
【0012】さらに、リン系化合物のうち含窒素リン系
化合物を使用すると含窒素系化合物の特徴である易炭化
性が付与されることになり、高分子固体電解質表面層の
酸素のシャットダウン及び内部からの可燃性ガスの発生
を抑制することができ、なおいっそうの難燃化が達成で
きる。
【0013】また、通常に用いられている電解質塩の中
で電解質塩としてLiPF6が特異的に難燃剤と併用す
ることで自己消火性を付与することができる。理由は不
明だがおそらく、LiPF6の燃焼による分解反応の際
の−Fラジカルの発生による−OOH及び−OHラジカ
ルの失活とポリリン酸表面皮膜形成による酸素のシャッ
トダウン及び内部からの可燃性ガスの発生を抑制するた
めと考えられる。それに加えて、難燃剤の相乗効果によ
り難燃化がより有効に働くものと考えられる。
【0014】また、ハロゲン置換炭酸エステルを使用す
ることにより、イオン伝導度の向上した燃焼し難い高分
子電解質を創出することができ、さらにリン系化合物を
添加することによりハロゲン系の難燃剤と同様な相乗効
果が起き、難燃性が向上する。
【0015】そのハロゲン置換炭酸エステルの中で、特
にハロゲン置換鎖状炭酸エステルが低温のイオン伝導度
向上に効果がある。さらに、難燃性に関しては沸点が1
00℃前後にあり、揮発によって燃焼熱をうばう、また
熱分解によるハロゲンラジカルによる−OOH及び−O
Hラジカルの失活及びハロゲンガスによって燃焼表面の
可燃性ガスが抑制されるため難燃性が付与され、リン系
化合物を添加することによりさらに難燃効果が向上する
と考えられる。
【0016】また、高分子マトリクスが架橋型高分子マ
トリクスであることにより、上記のハロゲン置換炭酸エ
ステルのような溶媒を含有保持しつつ、高分子固体電解
質としての弾性を保ち、高分子マトリクスが熱的に融解
しないなど電池の安全性に効果がある。さらに、高分子
マトリクスに対し少なくとも200重量%以上の非水電
解液を含有することによりイオン伝導度を上げることが
できる。
【0017】また、高分子固体電解質を構成する高分子
マトリクスが単官能性アクリレートモノマーと多官能性
アクリレートモノマーを重合することによって、架橋型
高分子マトリクスを形成でき、イオン伝導度の高い高分
子固体電解質とすることができる。さらに、多官能性ア
クリレートモノマーを重合(例えばラジカル重合)によ
り高分子マトリクスを形成するので、未反応な末端ビニ
ル基が微量残留することが考えられ、この未反応な末端
ビニル基は電気的反応性が低いと考えられる。この微量
が末端ビニル基が残留することで、燃焼の際の−OOH
及び−OHラジカルを失活させることに寄与することが
出来ると考えられ、燃焼性を抑制する効果があると考え
られる。
【0018】次に該アクリレートモノマーが少なくとも
一種のアルキレンオキサイドで変性されたものであるこ
とにより、通常電解液に使用される非水溶媒に相溶性が
向上し、さらにLiイオンとの高分子マトリクスの配位
結合により、配位架橋構造をとり、イオン伝導度を低下
させることなく、より強固な高分子固体電解質となり、
より安全性が付与されると考えられる。上記のような高
分子固体電解質を構成要素とすることにより、より安全
なリチウム二次電池を得ることができる。なお、ここで
高分子固体電解質は非水溶媒を含まない固体電解質及び
非水溶媒を含んだゲル電解質のことを意味する。
【0019】以下に本発明のイオン伝導性高分子固体電
解質の構成を詳細に説明する。本発明の高分子固体電解
質としては、少なくとも高分子マトリクス及び電解質塩
を有しており、さらに少なくとも一種の難燃剤を有する
ことを特徴としている。本発明で用いる難燃剤としては
有機系のリン系化合物、ハロゲン系化合物などが挙げら
れるが、これらに限定されるものではない。特に、リン
系化合物は燃焼の際に高分子固体電解質の表面にポリリ
ン酸の皮膜を形成し、酸素のシャットダウンや高分子固
体電解質内部からの可燃性ガスの発生を抑えるので好ま
しい。また、ハロゲン系化合物はリン系化合物と相乗効
果により難燃性の効果を挙げることができ、それぞれを
混合すれば難燃剤の添加量を少なくすることができ、電
池特性への影響を防ぐことができる。また、含ハロゲン
リン系化合物も同様な効果があげられる。難燃剤自体は
イオン伝導性がないので、添加量を減じることができれ
ばより電池性能に影響を及ぼすことがなくなるのでより
効果的である。
【0020】具体的に例示すると、リン系化合物として
は、トリメチルホスフェート、ジメチルエチルホスフェ
ート、メチルエチルプロピルホスフェート、メチルジエ
チルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリプロ
ピルホスフェート、トリブチルホスフェート、メチルエ
チレンホスフェート、メチルトリメチレンホスフェー
ト、トリメチロールホスフェート、などが挙げられ、含
ハロゲンリン系化合物としては、トリクロロエチルホス
フェート、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェート、
トリスクロロプロピルホスフェート、トリスジクロロプ
ロピル−クロロプロピルホスフェート、ビスクロロプロ
ピル−ジクロロプロピルホスフェート、ビスクロオレチ
ル・ジクロロプロピルホスフェート、トリフェニルホス
フェート、トリス(ジブロモプロピル)ホスフェート、
クロロホスフェート、ブロモホスフェート、リン酸トリ
(トリフルオロエチル)、リン酸メチル(ジトリフルオ
ロエチル)、リン酸エチル(ジトリフルオロエチル)、
リン酸ジエチル(トリフルオロエチル)、リン酸プロピ
ル(ジトリフルオロエチル)、リン酸ジプロピル(トリ
フルオロエチル)、リン酸トリ(ペンタフルオロプロピ
ル)、リン酸メチル(ジペンタフルオロプロピル)、リ
ン酸ジメチル(ペンタフルオロプロピル)、リン酸エチ
ル(ジペンタフルオロプロピル)、リン酸ジエチル(ペ
ンタフルオロプロピル)、リン酸ブチル(ジペンタフル
オロプロピル)などが挙げられ、含窒素リン系化合物と
しては、塩化ホスフォニル誘導体(下記式a)、ホスフ
ォノアミド系(下記式b)、ジエチルビス(ヒドロキシ
エチル)アミノメチルホスフェート、また特公昭52−
49814号公報(下記式c)、特公昭53−9266
号公報(下記式d)に例示されているような化合物など
が挙げられ、さらに、ハロゲン系化合物としては、ジブ
ロモジクロロプロパン、四臭化エタン、四臭化ブタンな
どが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】
【化3】
【0024】
【化4】
【0025】難燃化化合物の中では、特にリン系化合物
が好ましく、その中でもリン系化合物と複合した含ハロ
ゲンリン系化合物、含窒素リン系化合物が好ましい。リ
ン系化合物単独よりも含ハロゲンリン系化合物のような
複合化合物の方がより少ない量で難燃化に効果をもたら
す。また、リン系化合物、含ハロゲンリン系化合物、含
窒素化合物に置換されるアルキル基は粘性の問題から低
級アルキル基が好ましく(長鎖になるほど粘性があが
り、イオン伝導度の低下をもたらすため)、特に炭素数
1〜4のものが好ましい。
【0026】上記のような難燃剤は電解液に単独で溶媒
として使用した場合、電解液の伝導度を低下させ、電池
のエネルギー密度を低下させる性質がある。これと同様
に高分子固体電解質においても、添加量が多い場合、イ
オン伝導度を低下させる。この場合の難燃剤の添加量
は、1〜20重量%、より好ましくは3〜16重量%添
加されていれば良い。また、リン系化合物では1〜15
重量%、より好ましくは5〜10重量%、ハロゲン系化
合物では1〜20重量%、より好ましくは10〜16重
量%、含ハロゲンリン系化合物では1〜15重量%、よ
り好ましくは5〜10重量%、含窒素リン系化合物では
1〜15重量%、より好ましくは3〜10重量%添加さ
れていれば良い。このような範囲で添加することによ
り、イオン伝導度の低下や電池のエネルギー密度の低下
などの電池性能への影響を及ぼさず、十分な難燃化を得
ることができる。難燃化剤の添加量が1重量%よりも少
ない場合、難燃化の効果が少なくなり燃焼性が抑制され
ない。また、添加量が20重量%よりも多い場合、電池
特性、特にイオン伝導度を低下させ、電池のエネルギー
密度の低下をもたらす。
【0027】また、本発明における電解質塩として、ま
た、ルイス酸複塩としては、たとえばLiBF4、Li
AsF6、LiPF6、LiSbF6などが挙げられる。
スルホン酸電解質塩としては、たとえばLiCF3
3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3
23、LiC(CH3)(CF3SO22、LiCH
(CF3SO22、LiCH2(CF3SO2)、LiC2
5SO3、LiN(C25SO22、LiB(CF3
22などが挙げられるが、これに限定されるものでは
ない。
【0028】本発明使用の電解質塩としては、他にLi
ClO4、LiCF3CO3、NaClO3、NaBF4
NaSCN、KBF4、Mg(ClO42、Mg(B
42等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
なく、通常の非水電解液に用いられるものであれば特に
制限はない。なお、これら電解質塩は混合し、使用して
も良い。特にLiPF6は電解質としてイオン伝導度が
高いばかりでなく、LiPF6が使用されていると燃焼
の際に自己消火性が付与される。理由は不明だが、燃焼
の際に、熱分解を起こし、高分子固体電解質の外表面に
ポリリン酸皮膜を形成するため、酸素のシャットダウン
と内側からの可燃性気体の蒸散を抑えるなどの働きをす
るためと考えられる。LiPF6の難燃化の効果的な使
用量はゲル電解質に使用する電解液濃度としては0.5
〜3.0mol/lが好ましく、特に1.0〜2.0m
ol/lが好ましい。また、高分子固体電解質に対し
て、難燃化の効果的な使用量は5〜40重量%が好まし
く、さらに好ましくは10〜25重量%がイオン伝導度
の面からも好ましい。
【0029】さらに、非水電解液を含有する場合、非水
電解液としては、電解質塩を非水溶媒に溶解させたもの
が挙げられ、非水電解液中の電解質塩の濃度は非水溶媒
中、通常1.0〜7.0mol/l、特に、1.0〜
5.0mol/lが好ましい。また、非水電解液はマト
リクスを形成する高分子量重合体に対し、通常200重
量%以上、400〜900重量%が好ましく、特に50
0〜800重量%が好ましい。
【0030】また、非水溶媒としては電解液構成溶媒と
して例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボ
ネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネー
ト、γ−ブチロラクトン、ジメチルカーボネート、ジエ
チルカーボネート、メチルエチルカーボネート、スルホ
ラン、ジオキソラン、テトラヒドロフラン、2−メチル
テトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,2−
ジメトキシエタン、1,2−エトキシメトキシエタンの
他、メチルグライム、メチルトリグライム、メチルテト
ラグライム、エチルグライム、エチルジグライム、ブチ
ルジグライム等が挙げられるが、これらに限定されるも
のではなく、これら溶媒は単独でも2種以上混合して用
いてもよい。
【0031】また、本発明で用いるハロゲン置換炭酸エ
ステルとしては、ハロゲン置換鎖状炭酸エステルとし
て、例えば下記一般式(I)で表わされるものがあげら
れる。
【0032】
【化5】 (式中、R1、R2は炭素数1〜4のハロゲン置換あるい
は非置換アルキル基、水素、ハロゲンを示す。但し、R
1とR2の少なくとも一方には少なくとも1個のハロゲン
が必ず存在する。また、R1、R2は同一であっても、ま
た異なっていても良い。)
【0033】一般式(I)において、R1及びR2として
は、炭素数1〜4の非置換のアルキル基の場合にはメチ
ル基、エチル基等が好ましい。また、ハロゲン置換アル
キル基の場合には、クロロメチル基、2−クロロエチル
基、ジクロロメチル基、2,2−ジクロロエチル基、ト
リクロロメチル基、2,2,2−トリクロロエチル基、
ペンタクロロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタク
ロロプロピル基、ヘプタクロロプロピル基、2,2,
3,3,4,4,4−ヘプタクロロブチル基、フルオロ
メチル基、2−フルオロエチル基、ジフルオロメチル
基、2,2−ジフルオロエチル基、トリフルオロメチル
基、2,2,2−トリフルオロエチル基、ペンタフルオ
ロエチル基、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロ
ピル基、ブロモメチル基、2−ブロモエチル基、ジブロ
モメチル基、2,2−ジブロモエチル基、トリブロモメ
チル基、2,2,2−トリブロモエチル基、アイオドメ
チル基、2−アイオドエチル基等の2位以上の位置でハ
ロゲン置換されたものが好ましい。ハロゲン元素として
は、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられるが、特
に難燃化には臭素原子置換のものが好ましく、サイクル
特性向上にはフッ素原子置換のものが特に効果がある。
【0034】また、ハロゲン置換環状炭酸エステルも使
用することができる。例えば下記一般式(II)で表さ
れるものが挙げられる。
【0035】
【化6】 (式中、R3、R4は炭素数1〜2のハロゲン置換あるい
は非置換アルキル基、水素、ハロゲンを示す。但し、R
3とR4の少なくとも一方には、少なくとも1個のハロゲ
ンが必ず存在する。また、R3、R4は同一であっても、
また異なっていても良い。)
【0036】前式において、R3及びR4としては炭素数
1〜2の非置換アルキル基の場合にはメチル基が好まし
い。また、ハロゲン置換アルキル基の場合にはクロロメ
チル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、フル
オロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチ
ル基、ブロモメチル基、ジブロモメチル基、トリブロモ
メチル基、ヨードメチル基等の1以上のハロゲンで置換
されたアルキル基が好ましい。ハロゲン元素としては、
フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等があげられるが、特に難
燃化には臭素原子置換のものが好ましく、サイクル特性
向上にはフッ素原子置換のものが特に効果がある。
【0037】一般式(I)で表わされるハロゲン置換鎖
状炭酸エステルと一般式(II)で表わされるハロゲン
置換環状炭酸エステルは単独でも2種以上混合して用い
ても良い。具体的にハロゲン置換鎖状炭酸エステルを例
示すると、メチル−2−クロロエチル炭酸エステル、メ
チル−2,2,2−トリクロロエチル炭酸エステル、メ
チル−2,2,2−トリフルオロエチル炭酸エステル、
ジ(2,2,2−トリフルオロエチル)炭酸エステル、
メチル−2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル
炭酸エステル等が挙げられる。また、ハロゲン置換環状
炭酸エステルとしてはフルオロメチルエチレンカーボネ
ート、ジフルオロメチルエチレンカーボネート、トリフ
ルオロメチルエチレンカーボネート、フルオロエチレン
カーボネート、クロロエチレンカーボネート、ブロモエ
チレンカーボネート、ヨードエチレンカーボネート、ト
リブロモエチレンカーボネート、トリヨードエチレンカ
ーボネート、トリクロロエチレンカーボネート、トリク
ロロメチルエチレンカーボネート、トリブロモメチルエ
チレンカーボネート、トリヨードメチルエチレンカーボ
ネート等が挙げられるが、これらに限定されるものでは
ない。
【0038】これらハロゲン置換炭酸エステルを使用す
ることにより、特に難燃化効果とともにイオン伝導度、
弾性率、溶媒保持率を向上したゲル電解質を得ることが
でき、また低温のイオン伝導度を向上することができ
る。また、これら非水電解液の構成溶媒中のハロゲン置
換鎖状炭酸エステル混合比率は5〜80容量%が好まし
く、さらに20〜70容量%が好ましく、特に30〜5
0容量%が好ましい。また、ハロゲン置換環状炭酸エス
テル混合比率は20〜95容量%が好ましく、さらに3
0〜80容量%が好ましく、特に50〜70容量%が好
ましい。
【0039】次に、本発明における高分子固体電解質の
高分子マトリクスとしては、ポリエチレンオキサイド、
ポリプロピレンオキサイド、ポリフッ化ビニリデン、ポ
リアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリシロキサン、
ポリフォスファゼン、ポリアクリレートなどが挙げられ
るが、これらに限定されるものではない。さらに、エチ
レンオキシド鎖を側鎖に有するポリシキロサンあるいは
エチレンオキシド鎖を側鎖または主鎖に有する架橋型高
分子、例えばウレタン、アクリル、エポキシ等の架橋に
よるものが挙げられる。架橋型高分子マトリクスについ
て詳述すると、本発明で用いる重合性化合物はその分子
内に酸素原子、窒素原子、硫黄原子等の炭素以外のヘテ
ロ原子を含むものである。
【0040】また、本発明で用いる重合性化合物の種類
は特に制約されず、熱重合および活性光線重合などの重
合反応を生起して重合体を得るものが包含されるが、架
橋高分子マトリクスを形成することができる単官能性モ
ノマーと多官能性モノマーの組み合わせが好ましく、特
に、前記多官能性モノマーとして、三官能性モノマーを
使用するのが好ましい。
【0041】本発明で用いる重合性化合物としては、例
えば単官能および多官能の(メタ)アクリレートのモノ
マーあるいはプレポリマーが挙げられる。なお、本明細
書における(メタ)アクリレートは、アクリレートまた
は、メタアクリレートを意味する。
【0042】単官能アクリレートとしては、アルキル
(メタ)アクリレート(メチル(メタ)アクリレート、
ブチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メ
タ)アクリレート等)、脂環式(メタ)アクリレート、
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート(ヒドロキシ
エチルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート
等)、ヒドロキシポリオキシアルキレン(オキシアルキ
レン基の炭素数は好ましくは1〜4)(メタ)アクリレ
ート(ヒドロキシポリオキシエチレン(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシポリオキシプロピレン(メタ)アクリ
レート等)およびアルコキシアルキル(アルコキシ基の
炭素数は好ましくは1〜4)(メタ)アクリレート(メ
トキシエチルアクリレート、エトキシエチルアクリレー
ト、フェノキシエチルアクリレート等)が挙げられる。
【0043】その他の(メタ)アクリレートの具体例と
しては、たとえばメチルエチレングリコール(メタ)ア
クリレート、エチルエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、プロピルエチレングリコール(メタ)アクリレ
ート、フェニルエチレングリコール、エトキシジエチレ
ングリコールアクリレート、メトキシエチルアクリレー
ト、メトキシジエチレングリコールメタクリレート、メ
トキシトリエチレングリコールアクリレート、メトキシ
トリエチレングリコールメタクリレート、メトキシテト
ラエチレングリコールメタクリレート等のアルキルエチ
レングリコール(メタ)アクリレート、エチルプロピレ
ングリコールアクリレート、ブチルプロピレングリコー
ルアクリレート、メトキシプロピレングリコールアクリ
レート等のアルキルプロピレングリコール(メタ)アク
リレート等が挙げられる。
【0044】前記(メタ)アクリレートは複素環基を含
有していても良く、該複素環基としては、酸素、窒素、
イオウ等のヘテロ原子を含む複素環の残基である。この
(メタ)アクリレート中に含まれる複素環基の種類は特
に限定されるものではないが、たとえばフリフリル基、
テトラヒドロフルフリル基を有するフルフリル(メタ)
アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリ
レートが好ましい。その他複素環基を有する(メタ)ア
クリレートとしては、フルフリルエチレングリコール
(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリルエチレ
ングリコール(メタ)アクリレート、フルフリルプロピ
レングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフ
ルフリルプロピレングリコール(メタ)アクリレート等
のフルフリル基あるいはテトラヒドロフルフリル基を有
するアルキレングリコールアクリレートが挙げられる。
【0045】前記(メタ)アクリレート化合物は、およ
びそのプレポリマーの分子量は通常500未満、好まし
くは300以下である。なお、前記(メタ)アクリレー
ト化合物は単独で使用してもよいが二種類以上を混合し
て使用することもできる。また、前記(メタ)アクリレ
ート化合物の使用割合は、非水電解液に対して50重量
%以下、好ましくは5〜40重量%、さらに好ましくは
10〜30重量%である。
【0046】さらに多官能(メタ)アクリレートとして
は、(メタ)アクリロイル基を二個以上有するモノマー
あるいはプレポリマーが挙げられる。特に3個の(メ
タ)アクリロイル基を有する3官能の(メタ)アクリレ
ートが、保液性、イオン伝導度、強度にすぐれた固体電
解質を与える点で最も好ましい。前記多官能(メタ)ア
クリレートとしては、エチレングリコールジメタクリレ
ート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ト
リエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプ
ロピレングリコールジアクリレート、EO変性トリメチ
ロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロ
ールプロパントリアクリレート、ブタンジオール(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。架橋型高分子マトリ
クスを形成するには、特に単官能モノマーと多官能モノ
マーの組み合わせが好ましい。単官能性モノマーに多官
能性モノマーを併用する場合、該多官能性モノマーが多
官能(メタ)アクリレートである場合、該多官能(メ
タ)アクリレートの添加量は非水電解液に対して4重量
%以下、好ましくは0.05〜2重量%である。特に、
3官能(メタ)アクリレートを併用する場合には2重量
%以下、好ましくは0.05〜0.5重量%が好まし
い。
【0047】前記モノマーの重合開始剤としては、カル
ボニル化合物(ベンゾイン類(ベンゾイン、ベンゾイン
メチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイ
ンイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ
ル、α−フェニルベンゾイン等)、アントラキノン類
(アントラキノン、メチルアントラキノン、クロルアン
トラキノン等)その他の化合物(ベンジル、ジアセチ
ル、アセトフェノン、ベンゾフェノン、メチルベンゾイ
ルフォーメート等)、イオウ化合物(ジフェニルスルフ
ィド、ジチオカーバメート等)、多縮合環係炭化水素の
ハロゲン化物(α−クロルメチルナフタリン等)、色素
類(アクリルフラビン、フルオレセン等)、金属塩類
(塩化鉄、塩化銀等)、オニウム塩類(p−メトキシベ
ンゼンジアゾニウム、ヘキサフルオロフォスフェート、
ジフェニルアイオドニウム、トリフェニルスルフォニウ
ム等)などの光重合開始剤が挙げられる。これらは単独
でもあるいは二種以上の混合物としても使用できる。
【0048】好ましい光重合開始剤はカルボニル化合
物、イオウ化合物およびオニウム塩類である。熱重合開
始剤としてはアゾビスイソバレロニトリル、アゾビスイ
ソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイド、エチルメチルケトンペルオキシ
ド、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキ
シジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボ
ネート等のパーオキシジカーボネート等を挙げることが
できる。さらに、増感剤、貯蔵安定剤も必要により併用
でき、上記熱重合開始剤、光重合開始剤等も併用して使
用することもできる。
【0049】増感剤としては、尿素、ニトリル化合物
(N,N−ジ置換−p−アミノベンゾニトリル等)、リ
ン化合物(トリ−n−ブチルホスフィン等)が好まし
く、貯蔵安定剤としては、第4級アンモニウムクロライ
ド、ベンゾチアゾール、ハイドロキノンが好ましい。重
合開始剤の使用量は全不飽和カルボン酸エステルに対
し、通常0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜7重
量%である。増感剤、貯蔵安定剤の使用量は全不飽和カ
ルボン酸エステル100重量部に対し、通常0.1−5
重量部が好ましい。
【0050】該固体電解質は電池、コンデンサ、セン
サ、エレクトロクロミックデバイス、半導体デバイス等
の電気化学素子における固体電解質層として利用するこ
とができる。本発明の高分子固体電解質を電池電解質と
して用いる場合について詳述する。一般的には電池は正
極活物質からなる正極、負極活物質からなる負極、およ
び電解質より構成される。本発明の高分子固体電解質そ
のものに隔膜としての機能を兼用させることも可能であ
るが、極間の電解を均一にし、強度を向上させ、得られ
る電池の信頼性向上のために隔膜と一体化することが好
ましく、特に二次電池においてはこのような配慮が必要
である。
【0051】本発明の電池において用いられる正極活物
質はTiS2、MoS2、Co25、V25、MnO2
CoO2等の遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲン化合
物およびこれらとLiとの複合体(Li複合酸化物;L
iMnO2、LiMn24、LiCoO2、LiNiO2
等)が挙げられ、導電材として有機物の熱重合物である
一次元グラファイト化物、弗化カーボン、グラファイト
あるいは1/102S/cm以上の電気伝導度を有する
導電性高分子、具体的にはポリアニリン、ポリピロー
ル、ポリアズレン、ポリフェニレン、ポリアセチレン、
ポリフタロシアニン、ポリ−3−メチルチオフェン、ポ
リピリジン、ポリジフェニルベンジジン等の高分子およ
びこれらの誘導体が挙げられるが、100%の放電深度
に対しても高いサイクル特性を示し、無機材料に比べ比
較的過放電に強い導電性高分子を使用することが好まし
い。また、バインダーとして、例えばポリ弗化ビニリデ
ンを使用することもできる。さらに、電極はこれらを必
要に応じて集電体に塗布、接着、圧着等の方法により担
持することにより製造することができる。
【0052】本発明の電池に用いられる負極材料として
はリチウム、リチウムアルミ合金、リチウムスズ合金、
リチウムマグネシウム合金などの金属負極、炭素、炭素
ボロン置換体、酸化スズ等のリチウムイオンを吸蔵しう
るインターカレート物質などが例示できる。本発明の電
池に用いられる炭素質負極活物質としてはグラファイ
ト、ピッチコークス、合成高分子、天然高分子の焼成体
が挙げられるが、本発明ではフェノール、ポリイミド
などの合成高分子、天然高分子を400〜800℃の還
元雰囲気で焼成することにより得られる絶縁性ないし半
導体炭素体、石炭、ピッチ、合成高分子あるいは天然
高分子を800〜1300℃での還元雰囲気で焼成する
ことにより得られる導電性炭素体、コークス、ピッ
チ、合成高分子、天然高分子を2000℃以上の温度で
還元雰囲気下焼成することにより得られるもの、および
天然グラファイトなどのグラファイト系炭素体が用いら
れる。特に、メゾフェースピッチ、コークスを2500
℃以上の還元雰囲気下焼成してなる炭素体および天然グ
ラファイトが好ましく、これらの複合体も負極として良
好な電極特性を有する。炭素体のシート化炭素体と結着
剤から湿式抄紙法を用いたり、炭素材料に適当な結着剤
を混合した塗料から塗布法により作製される。電極はこ
れを必要に応じて集電体に塗布、接着、圧着等の方法に
より担持することにより製造することができる。
【0053】本発明の電池は高分子ゲル電解質を従来の
電池における固体電解質のかわりに用いて製造すること
ができる。電極や隔膜等の電池要素に高分子ゲル電解質
形成用組成物を含浸させ、加熱あるいは活性光線の照射
等の重合手段により粘弾性体とし、固体電解質と電池要
素の一体化を行なうことが好ましく、電池要素と前記固
体電解質が一体化していれば正極、負極での電極反応お
よびイオンの移動をスムーズに進行させることができ、
電池の内部抵抗を大幅に低減することができる。
【0054】本発明に使用する正極集電体としては、た
とえばステンレス鋼、金、白金、ニッケル、アルミニウ
ム、モリブデン、チタン等の金属シート、金属箔、金属
網、パンチングメタル、エキスパンドメタル、あるいは
金属めっき繊維、金属蒸着線、金属含有合成繊維等から
なる網や不織布が挙げられる。特にアルミニウム、ステ
ンレスを用いることが好ましく、さらに好ましくは軽量
性、電気化学安定性からアルミニウムが好ましい。ま
た、正極集電体層および負極集電体層の表面は粗面化し
てあることが好ましい。粗面化処理としてはエミリー紙
による研磨、ブラスト処理、化学的あるいは電気化学的
エッチングがあり、これにより集電体を粗面化すること
ができる。特にステンレス鋼の場合はブラスト処理、ア
ルミニウムの場合にはエッチング処理したエッチドアル
ミニウムが好ましい。
【0055】本発明の電池においてはセパレータを使用
することもできる。セパレータの例としてはガラス繊
維、フィルター、ポリエステル、テフロン、ポリフロ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレン等の高分子繊維から
なる不織布フィルター、ガラス繊維とそれらの高分子繊
維を混用した不織布フィルターなどを挙げることができ
る。
【0056】本発明の固体電池は上述したイオン伝導性
高分子固体電解質を構成要素とすることで、電池の破壊
などによる電池の燃焼を抑えることができ、充放電の繰
り返し後でも電池のエネルギー密度の低下のない、電池
特性の優れた、安全性の高い固体二次電池とすることが
できる。なお、本発明の固体電池は形状、形態等は特に
限定されるものではなく、円筒型、角型、コイン型、カ
ード型、大容量用型など様々に適応できる。
【0057】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
部および%はそれぞれ重量部および重量%を示す。な
お、非水溶媒および電解質塩は十分に精製を行ない、水
分20ppm以下としたもので、さらに脱酸素および脱
窒素を行なった電池グレードのものを使用し、すべての
操作は不活性ガス雰囲気下で行った。また、イオン伝導
度の測定は25℃で対極として底面を除いた内周面を絶
縁テープで被覆したSUS製円筒状容器(内径20m
m)を用い、この容器に固体電解質を充填しその固体電
解質表面に作用極として直径18mmのSUS製円柱体
を圧着させることによって行なった。(イオン伝導度測
定用セル)
【0058】高分子固体電解質の燃焼性試験はサンプル
は13φ×100mmのロッド状に成形したものをSU
S金網上に置き、プロパンガスバーナーにて30秒接炎
して、サンプルが燃焼するかについて評価した。 (評価は〇:不燃、あるいは着火するが、途中で消える △:着火後、時間がかかるが完全に燃焼する ×:直ちに完全燃焼 の3段階とした) なお、以下の実施例において、部は重量部を示す。
【0059】実施例1 イオン伝導性高分子固体電解質(I) プロピレンカーボネート/エチレンカーボネート(35
/65:vol比)に溶解した2.0mol/lのLi
N(CF3SO2)2溶液の電解液70部にトリメチルホ
スフェート10部を添加し、60℃に加熱し、ポリアク
リロニトリル20部を添加したのち、10℃まで冷却
し、固体化した。この高分子固体電解質のイオン伝導度
及び高分子固体電解質強度を示す弾性率及び難燃性を示
す燃焼性試験の結果を表1に示した。
【0060】実施例2 イオン伝導性高分子固体電解質(II) プロピレンカーボネート/エチレンカーボネート(40
/60:vol比)に溶解した1.5mol/lのLi
BF4溶液の電解液75部にトリス(ジブロモプロピ
ル)ホスフェートを8部添加し、60℃に加熱し、ポリ
アクリロニトリル17部を添加したのち、10℃まで冷
却し、固体化した。この高分子固体電解質のイオン伝導
度及び高分子固体電解質強度を示す弾性率及び難燃性を
示す燃焼性試験の結果を表1に示した。
【0061】実施例3 イオン伝導性高分子固体電解質(III) プロピレンカーボネート/エチレンカーボネート(30
/70:vol比)に溶解した1.0mol/lのLi
BF4溶液の電解液70部にジエチルビス(ヒドロキシ
エチル)アミノメチルホスフェートを10部添加し、7
0℃に加熱し、ポリ弗化ビニリデン20部を添加したの
ち、10℃まで冷却し、固体化した。この高分子固体電
解質のイオン伝導度及び高分子固体電解質強度を示す弾
性率及び難燃性を示す燃焼性試験の結果を表1に示し
た。
【0062】実施例4 イオン伝導性高分子固体電解質(IV) プロピレンカーボネート/エチレンカーボネート(37
/63:vol比)に溶解した1.5mol/lのLi
PF6溶液の電解液72部にジエチルビス(ヒドロキシ
エチル)アミノメチルホスフェートを8部添加し、70
℃に加熱し、ポリ弗化ビニリデン20部を添加したの
ち、10℃まで冷却し、固体化した。この高分子固体電
解質のイオン伝導度及び高分子固体電解質強度を示す弾
性率及び難燃性を示す燃焼性試験の結果を表1に示し
た。
【0063】実施例5 イオン伝導性高分子固体電解質(V) エチレンカーボネート/トリクロロメチルエチレンカー
ボネート(65/35:vol比)に溶解した1.0m
ol/lのLiPF6溶液の電解液70部にリン酸トリ
(トリフルオロエチル)を10部添加し、70℃に加熱
し、ポリ弗化ビニリデン20部を添加したのち、10℃
まで冷却し、固体化した。この高分子固体電解質のイオ
ン伝導度及び高分子固体電解質強度を示す弾性率及び難
燃性を示す燃焼性試験の結果を表1に示した。
【0064】実施例6 イオン伝導性高分子固体電解質(VI) プロピレンカーボネート/エチレンカーボネート/ジ
(2,2,2−トリフルオロエチル)炭酸エステル(2
0/50/30:vol比)に溶解した1.0mol/
lのLiPF6溶液の電解液70部にトリス(ジブロモ
プロピル)ホスフェートを10部添加し、60℃に加熱
し、ポリアクリロニトリル20部を添加したのち、10
℃まで冷却し、固体化した。この高分子固体電解質のイ
オン伝導度及び高分子固体電解質強度を示す弾性率及び
難燃性を示す燃焼性試験の結果を表1に示した。
【0065】実施例7 イオン伝導性高分子固体電解質(VII) プロピレンカーボネート/エチレンカーボネート/ジ
(2,2,2−トリフルオロエチル)炭酸エステル(1
0/40/50:vol比)に溶解した2.0mol/
lのLiN(CF3SO22溶液の電解液78部にジエ
チルビス(ヒドロキシエチル)アミノメチルホスフェー
トを9部添加し、単官能性モノマーとしてエチルジエチ
レングリコールメタクリレート12.5部、多官能性モ
ノマーとしてPO変性トリメチロールプロパントリアク
リレート0.18部、光開始剤としてベンゾインブチル
エーテル0.056部を添加混合溶解し、光重合性溶液
を調整し、コールドミラー集光装置付き高圧水銀灯にて
照射し、電解液を固体化した。この高分子固体電解質の
イオン伝導度及び高分子固体電解質強度を示す弾性率及
び難燃性を示す燃焼性試験の結果を表1に示した。
【0066】実施例8 イオン伝導性高分子固体電解質(VIII) プロピレンカーボネート/エチレンカーボネート(40
/60:vol比)に溶解した2.0mol/lのLi
BF4溶液の電解液70部にリン酸トリ(ジトリフルオ
ロエチル)を10部添加し、単官能性モノマーとしてメ
チルジエチレングリコールメタアクリレート20部、光
開始剤としてベンゾインイソプロピルエーテル0.05
6部を添加混合溶解し、光重合性溶液を調整し、実施例
7と同様に電解液を固体化した。(電解液350重量%
含有)この高分子固体電解質のイオン伝導度及び高分子
固体電解質強度を示す弾性率及び難燃性を示す燃焼性試
験の結果を表1に示した。
【0067】実施例9 イオン伝導性高分子固体電解質(IX) プロピレンカーボネート/エチレンカーボネート/メチ
ル−2,2,2−トリフルオロエチル炭酸エステル(4
0/50/10:vol比)に溶解した2.0mol/
lのLiPF6溶液の電解液76部にリン酸エチル(ジ
トリフルオロエチル)を10部添加し、単官能性モノマ
ーとしてメチルジエチレングリコールアクリレート1
3.8部、多官能性モノマーとしてトリメチロールプロ
パントリアクリレート0.2部、光開始剤としてベンゾ
インイソプロピルエーテル0.056部を添加混合溶解
し、光重合性溶液を調整し、実施例7と同様に電解液を
固体化した。この高分子固体電解質のイオン伝導度及び
高分子固体電解質強度を示す弾性率及び難燃性を示す燃
焼性試験の結果を表1に示した。
【0068】実施例10 電気化学素子(I)の作製 ポリ弗化ビニリデン3重量部をN−メチルピロリドン3
8重量部に溶解して、活物質としてLiCoO2を50
重量部と、導電剤として黒鉛を9重量部加えてホモジナ
イザーにて不活性雰囲気下で混合分散し、正極用塗料を
調整した。これを大気中にてワイヤーバーを用いて20
μmSUS箔上に塗布し、125℃30分間乾燥させ、
膜厚60μmの電極を作製した。これを正極とし、対極
はLi板として、実施例9で調整した光重合性溶液を浸
透させ、高圧水銀灯を照射し、電解液を固体化し、充放
電試験を行なった。充放電試験は北斗電工製HJ−20
1B充放電測定装置を用いて、0.4mAの電流で電池
電圧が3.7Vになるまで充電し、1時間の休止後、
0.4mAの電流で、電池電圧が2.5Vまで放電し、
以下この充放電を繰り返したところ、良好なサイクル特
性を示し、電池容量密度の50サイクル後の劣化はほと
んど見られなかった(容量保持率96.3%)。
【0069】実施例11 電気化学素子(II)の作製 (負極電池特性の評価)ポリ弗化ビニリデン2重量部を
N−メチルピロリドン58重量部に溶解してコークスの
2500℃焼成品40重量部を加えて、ロールミル法に
て不活性雰囲気下で混合分散し、負極用塗料を調整し
た。これを大気中にてワイヤーバーを用いて20μm銅
箔上に塗布、100℃15分間乾燥させ、膜厚60μm
の電極を作製した。これを負極とし、対極はLi板とし
て、実施例9で調整した光重合性溶液を浸透させ、高圧
水銀灯を照射し、電解液を固体化し、充放電試験を行な
った。充放電試験は北斗電工製HJ−201B充放電測
定装置を用いて、1.5mAの電流で0Vになるまで定
電流で以降3時間定電圧充電し、1時間の休止後、1.
5mAの電流で電池電圧が0.8Vまで放電し、以下こ
の充放電を繰り返したところ、良好なサイクル特性を示
し、電池容量密度の50サイクル後の劣化はほとんど見
られなかった(容量保持率97.5%)。
【0070】比較例1 トリメチルホスフェート10部を添加せずに、電解液を
80部とした以外は実施例1と同様に電解液の固体化を
行なった。この高分子固体電解質のイオン伝導度及び高
分子固体電解質強度を示す弾性率及び難燃性を示す燃焼
性試験の結果を表1に示した。
【0071】比較例2 プロピレンカーボネート/エチレンカーボネート(40
/60:vol比)に溶解した1.5mol/lのLi
CF3SO3溶液の電解液80部にトリス(ジブロモプロ
ピル)ホスフェート0.5部添加し、60℃に加熱し、
ポリアクリロニトリル19.5部を添加したのち、10
℃まで冷却し、固体化した。この高分子固体電解質のイ
オン伝導度及び高分子固体電解質電解質強度を示す弾性
率及び難燃性を示す燃焼性試験の結果を表1に示した。
【0072】比較例3 プロピレンカーボネート/エチレンカーボネート(40
/60:vol比)に溶解した1.0mol/lのLi
ClO4溶液の電解液55部にトリス(ジブロモプロピ
ル)ホスフェート30部添加し、60℃に加熱し、ポリ
アクリロニトリル15部を添加したのち、10℃まで冷
却し、固体化した。この高分子固体電解質のイオン伝導
度及び高分子固体電解質電解質強度を示す弾性率及び難
燃性を示す燃焼性試験の結果を表1に示した。
【0073】比較例4 エチレンカーボネート/ジメチルカーボネート(30/
70:vol比)に溶解した1.0mol/lのLiC
3SO3溶液の電解液99.5部にトリメチルホスフェ
ート0.5部を添加し、イオン伝導度及び電解液の燃焼
性試験の結果を表1に示した。
【0074】比較例5 エチレンカーボネート/ジエチルカーボネート(50/
50:vol比)に溶解した3.0mol/lのLiB
4溶液の電解液70部にトリメチルホスフェート30
部を添加し、イオン伝導度及び電解液の燃焼性試験の結
果を表2に示した。
【0075】比較例6 ポリ弗化ビニリデン3重量部をN−メチルピロリドン3
8重量部に溶解して、活物質としてLiCoO2を50
重量部と導電剤として黒鉛9重量部を加えてホモジナイ
ザーにて不活性雰囲気下で混合分散し、正極用塗料を調
整した。これを大気中にてワイヤーバーを用いて20μ
mSUS箔上に塗布し、125℃30分間乾燥させ、膜
厚60μmの電極を作製した。これを正極とし、対極は
Li板として、電解質層として比較例3の高分子固体電
解質を使用し、充放電試験を行なった。充放電試験は北
斗電工製HJ−201B充放電測定装置を用いて、0.
4mAの電流で電池電圧が3.7Vになるまで充電し、
1時間の休止後、0.4mAの電流で電池電圧が2.5
Vまで放電し、以下この充放電を繰り返したところ、サ
イクル特性の劣化が激しかった。50サイクル後の電池
容量密度は容量保持率43.0%であった。
【0076】
【表1】
【0077】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的説明から明らかな
ように、本発明のイオン伝導性電解質は、高分子マトリ
クスおよび電解質塩を少なくとも含有する高分子固体電
解質に少なくとも1種の難燃剤を含有させることにより
イオン伝導度が低下することなく、難燃性の優れた安全
性の高い高分子固体電解質が作成できる。また該難燃剤
として少なくともリン系化合物を用いること、リン系化
合物とハロゲン系化合物を併用すること、およびリン系
化合物のうち含窒素リン系化合物を使用することで、特
に電解溶媒や高分子マトリクスに酸素元素を含む高分子
固体電解質に難燃化効果があがり、よりイオン伝導度の
高い高分子固体電解質の安全性を高めることができる。
すなわち難燃剤として少なくともリン系化合物を用いる
ことで燃焼の際にポリ燐酸皮膜を高分子固体電解質表面
に形成し、可燃性ガスの発生を抑え、あるいは蒸発潜熱
により燃焼温度を下げるなどの働きにより、特に電解溶
媒や高分子マトリクスに酸素元素を含む高分子固体電解
質に難燃化効果があがり、よりイオン伝導度の高い高分
子固体電解質の安全性を高めることができる。またリン
系化合物とハロゲン系化合物を併用することにより、ハ
ロゲン系化合物単独あるいはリン系化合物単独に比べ
て、併用によりリン系化合物の難燃化機構以外に燃焼の
際に発生する−OOHまたは−OHラジカルをハロゲ
ン、特に臭素がラジカル失活に寄与し、燃焼サイクルを
断つことができ、延焼を抑えることができ、ハロゲン系
化合物が熱分解することにより発生するハロゲンガスに
よって燃焼表面の可燃性ガスが抑制されるため自己消火
性を持ち、また、併用することで相乗効果があるため少
量で難燃化することができ、懸念される電池特性への影
響が少なくなる。またリン系化合物のうち含窒素リン系
化合物を使用すると含窒素系化合物の特徴である易炭化
性が付与されることになり、高分子固体電解質表面層の
酸素のシャットダウン及び内部からの可燃性ガスの発生
を抑制することができ、なおいっそうの難燃化が達成で
きるという著しい効果を呈する。さらに、イオン伝導性
高分子固体電解質が電解質塩としてLiPF6を含有す
ることにより、高分子固体電解質のイオン伝導度を特に
向上させることができ、かつ、内部からの可燃性ガス発
生が抑制され自己消火性が付与され、ポリ燐酸皮膜形成
をも伴ってより高い自己消火能をもつ高分子固体電解質
を得ることができる。さらに少なくともリン系化合物と
ハロゲン置換炭酸エステルを含有していること、及び、
前記ハロゲン置換炭酸エステルがハロゲン置換鎖状炭酸
エステルであることにより、特に弾性率向上に効果があ
り、ハロゲン置換炭酸エステルは誘電率の高い溶媒であ
り、難燃の効果のみならず、イオン伝導度を向上した高
分子固体電解質を得ることができる。即ちハロゲン置換
鎖状炭酸エステルであることにより、イオン伝導度の向
上した燃焼し難い高分子電解質を創出することができ、
さらにリン系化合物との難燃剤としての相乗効果が起
き、ハロゲン置換鎖状炭酸エステルであることにより、
イオン伝導度の向上に効果があり、しかも難燃性につい
ては沸点との関係で燃焼熱を奪い熱分解により生成した
ハロゲンラジカルによる−OOH、−OHラジカルの失
活及びハロゲンガスによる消火効果があるだけでなく、
高分子マトリクスが架橋型高分子マトリクスであること
により、上記のハロゲン置換炭酸エステルのような溶媒
が高分子マトリクスとしての架橋型高分子マトリクスの
含有保持されて、高分子固体電解質としての弾性を保つ
効果があり、高分子マトリクスが架橋型高分子マトリク
スであることにより、架橋型高分子マトリクスを形成で
き、電解溶媒の保持力を向上させ、イオン伝導度の高い
高分子固体電解質とすることができる。さらに高分子マ
トリクスに対して少なくとも200重量%以上の非水電
解液を含有できることによりイオン伝導度を特に向上さ
せることができ、高分子固体電解質を構成する高分子マ
トリクスとして単官能性アクリレートモノマーと多官能
性モノマーを重合したものを用いることにより、さらに
電解溶媒の保持力を向上させ、イオン伝導度を向上させ
ることができる。この高分子マトリクスがアクリレート
モノマーを重合したものであり、該アクリレートモノマ
ーが少なくとも一種のアルキレンオキサイドで変性され
たものである点により、さらに電解溶媒の保持力を向上
させ、イオン伝導度を向上させることができるという極
めて優れた効果を奏する。また、このようなイオン伝導
性高分子固体電解質を用いた本発明の固体電池は液もれ
がなく、安全で充放電効率、サイクル特性など電池特性
の優れた全固体電気化学素子及び非水系固体二次電池と
なり得るという極めて優れた効果を発揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 俊茂 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高分子マトリクスおよび電解質塩を少な
    くとも含有する高分子固体電解質において、少なくとも
    1種の難燃剤を含有していることを特徴とするイオン伝
    導性高分子固体電解質。
  2. 【請求項2】 該難燃剤が少なくともリン系化合物であ
    ることを特徴とする請求項1に記載のイオン伝導性高分
    子固体電解質。
  3. 【請求項3】 該難燃剤が少なくともリン系化合物及び
    ハロゲン系化合物又は含ハロゲンリン系化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1又は2に記載のイオン伝導性高
    分子固体電解質。
  4. 【請求項4】 該難燃剤が少なくとも含窒素リン系化合
    物を含有していることを特徴とする請求項1又は2に記
    載のイオン伝導性高分子固体電解質。
  5. 【請求項5】 該イオン伝導性高分子固体電解質が電解
    質塩としてLiPF6を含有することを特徴とする請求
    項1及至4のうち何れかに記載のイオン伝導性高分子固
    体電解質。
  6. 【請求項6】 高分子マトリクスおよび電解質塩を少な
    くとも含有する高分子固体電解質において、少なくとも
    リン系化合物とハロゲン置換炭酸エステルを含有してい
    ることを特徴とする請求項1及至5のうち何れかに記載
    のイオン伝導性高分子固体電解質。
  7. 【請求項7】 該ハロゲン置換炭酸エステルがハロゲン
    置換鎖状炭酸エステルであることを特徴とする請求項6
    に記載のイオン伝導性高分子固体電解質。
  8. 【請求項8】 高分子マトリクスが架橋型高分子マトリ
    クスである請求項1及至7のうち何れかに記載のイオン
    伝導性高分子固体電解質。
  9. 【請求項9】 高分子マトリクスに対して少なくとも2
    00重量%以上の非水電解液を含有することを特徴とす
    る請求項1及至8のうち何れかに記載のイオン伝導性高
    分子固体電解質。
  10. 【請求項10】 高分子固体電解質を構成する高分子マ
    トリクスが単官能性アクリレートモノマーと多官能性モ
    ノマーを重合したものであることを特徴とする請求項1
    及至9のうち何れかに記載のイオン伝導性高分子固体電
    解質。
  11. 【請求項11】 高分子固体電解質を構成する高分子マ
    トリクスがアクリレートモノマーを重合したものであ
    り、該アクリレートモノマーが少なくとも一種のアルキ
    レンオキサイドで変性されたものである請求項1及至1
    0のうち何れかに記載のイオン伝導性高分子固体電解
    質。
  12. 【請求項12】 請求項1及至11のうち何れかに記載
    のイオン伝導性高分子固体電解質を構成要素とすること
    を特徴とする固体電池。
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