JPH11175876A - 車両運行管理システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 業務開始時に乗務員に余分な負担をかけるこ
となく、実車または空車など車両の状態情報の登録を記
録媒体に対して自動的にしかも確実に行うことができる
車両運行管理システムを提供すること。 【解決手段】 車両１に搭載された運行管理計２に着脱
自在に装着される記録媒体１２に、各種の運行データを
時間とともに記録する車両運行管理システムにおいて、
業務終了時に前記車両１の最終積荷状態を車両状態情報
として運行管理計２内のメモリ５に記録しておき、次の
業務開始時、前記運行管理計２に装着される記録媒体１
２に前記メモリ５に記録されている車両状態情報を転送
させるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、運送会社のトラ
ックなどに適用される車両運行管理システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】近年、運送業界におけるＯＡ化は、事務
所内だけでなくトラック内まで及んでおり、従来におい
ては乗務員が手書きにより記録していた乗務記録の内容
や走行距離、車速などを自動的に記録し、帰社後、事務
所内のコンピュータから出力する車両運行管理システム
が導入され、実用に供されるようになっている。

【０００３】従来の車両運行管理システムにおいては、
車両に搭載される運行管理計に着脱自在に設けられる記
録媒体に対して、記録すべき事象が発生すると、これを
運行データとして時系列的に記録していた。ここで、記
録すべき事象に起因する運行データとしては、車速や走
行距離など車両に設けられたセンサからの出力データな
ど車両に関するものや、時計回路からの正時（９：０
０，１０：００など）を表す時刻データのほかに、「積
込」や「荷卸」などの作業や、「休憩」や「車の点検」
などの作業を行った都度、乗務員（運転手）が運行管理
計本体と接続された登録ターミナルを用いて入力する作
業データなどがある。

【０００４】ところで、運送業界においては、車両の状
態を示す場合に、荷物を積んでいる状態を「実車」、荷
物を積んでない空の状態を「空車」と称している。この
実車または空車の情報についても、運行管理計に装着さ
れる記録媒体に登録しておく必要がある。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
車両運行管理システムにおいては、その業務開始時に当
該車両における積荷の有無に応じて、実車、空車の別を
登録ターミナルを用いて手動で入力し、前記記録媒体に
登録しなければならないとともに、前日の夜に荷物を積
み込む宵積みが行われているか否かの確認などを行う必
要があった。また、出発の間際に登録ターミナルを用い
て入力を行うことは、乗務員にとって負担となるととも
に、登録を忘れたり、登録間違いを起こすおそれが多い
といった問題があった。

【０００６】この発明は、上述の事柄に留意してなされ
たもので、その目的は、業務開始時に乗務員に余分な負
担をかけることなく、実車または空車など車両の状態情
報の登録を記録媒体に対して自動的にしかも確実に行う
ことができる車両運行管理システムを提供することであ
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、この発明では、車両に搭載された運行管理計に着脱
自在に装着される記録媒体に、各種の運行データを時間
とともに記録する車両運行管理システムにおいて、業務
終了時に前記車両の最終積荷状態を車両状態情報として
運行管理計内のメモリに記録しておき、次の業務開始
時、前記運行管理計に装着される記録媒体に前記メモリ
に記録されている車両状態情報を転送させるようにして
いる。

【０００８】例えば、一日の配送業務の終了時に、乗務
員がトラックにおける積荷の状態を車両状態情報（実車
あるいは空車）として登録ターミナルを用いて運行管理
計本体内のメモリに記録しておく。そして、翌日、配送
業務開始時に、記録媒体を前記運行管理計に装着するこ
とにより、前記メモリ内に記録されていた車両状態情報
は、前記装着された記録媒体に転送される。これによ
り、乗務員は、配送業務開始時に実車または空車の登録
作業を行う必要がなくなる。

【０００９】なお、車両状態情報としては、実車または
空車の別のみならず、積荷の品名や個数なども記録する
ようにしてもよい。

【００１０】

【発明の実施の形態】発明の実施の形態を図面を参照し
ながら説明する。図１〜図４は、この発明の一つの実施
の形態を示す。まず、図１はこの発明の車両運行管理シ
ステムを説明するための図で、１は車両としてのトラッ
ク、２はこのトラック１の運転席近傍に設けられる運行
管理計（車載装置ともいう）である。

【００１１】前記運行管理計２は、図２に示すように、
データ処理などを行うＣＰＵ３、プログラムを内蔵した
ＲＯＭ４、メモリとしてのＲＡＭ５、時計回路６、電源
回路７、インタフェース８などよりなり、速度センサ９
やエンジン回転数センサ１０などトラック１に設けられ
た各種のセンサからの情報や時計回路６からの情報など
の自動的に入力されるデータと、登録ターミナル１１か
ら入力される手動入力データとを、運行管理計２に着脱
自在に装着されるメモリカードなどの記録媒体１２に時
間の経過とともに記録するように構成されている。

【００１２】前記登録ターミナル１１は、運行管理計２
に対して信号ケーブル１３を介して着脱自在に接続さ
れ、その操作・表示パネル部１１ａには、図３に示すよ
うに、「積込」や「手持」など作業項目を入力するため
のキーや、積荷の有無を示す「実車／空車」キーや、走
行している道路が高速道路であるか一般道路であるかを
示す「高速／一般」キーなどの操作キーや、テンキーな
ど各種の入力キーを有する操作部１５と、登録内容や時
刻などを表示するための例えば液晶タイプの表示部１６
とが形成されている。

【００１３】再び図１において、１７は運送会社の事務
所で、この事務所１７には、データ処理などを行う汎用
コンピュータ１８が設けられている。この汎用コンピュ
ータ１８には、メモリカード１２に記録されたデータを
読み取るための読取装置１９が接続されている。汎用コ
ンピュータ１８は、読取装置１９から受け取ったデータ
をもとに各用途にマッチした運転日報、車両管理帳票を
作成し、その結果をメモリに保存したり、プリンタ（図
示してない）により出力したり、あるいはディスプレイ
２０に表示させることができる。

【００１４】上記のように構成された車両運行管理シス
テムの動作について、図４をも参照しながら説明する。
図１に示すように、朝、事務所１７を出発したトラック
１が、複数の荷卸し先２１を所定の順序で回ってそれぞ
れ荷卸しを行った後、夕方、事務所１７に戻ってきたも
のとする。

【００１５】前記トラック１の乗務員２２は、運行管理
計２からメモリカード１２を抜き取った後、登録ターミ
ナル１１を用いて、業務終了時におけるトラック１の最
終積荷状態を車両状態情報として入力する（ステップＳ
１）。この車両状態情報としては、実車または空車の状
態だけでもよいが、実車の場合、その積荷の品名や個数
など翌日の乗務員に引き継ぎたい情報を入力すればより
好ましい。

【００１６】上記入力により、運行管理計２のメモリ５
に最終積荷状態が車両状態情報として記録される（ステ
ップＳ２）。

【００１７】翌朝、前記トラック１を運行させるとき、
その乗務員２２が予め所定の配送情報などを入力してあ
る記録媒体１２を運行管理計２にセットすると、ステッ
プＳ３においてＹＥＳの方向に進み、メモリ５内に記録
されている車両状態情報が記録媒体１２に転送され（ス
テップＳ４）、記録媒体１２の初期状態（配送前状態）
に反映され、その日の配送準備が完了状態となる。

【００１８】上述のように、この発明の車両運行管理シ
ステムにおいては、業務開始時に乗務員に余分な負担を
かけることなく、実車または空車の登録を記録媒体１２
に対して自動的に行うことができるとともに、登録を忘
れたり、登録間違いをおこすおそれがなくなる。

【００１９】そして、前記運行管理計２に記録媒体１２
をセットしない限り、メモリ５には前記最終積荷状態が
車両状態情報として記録された状態を維持するから、前
記入力された情報がなくなったり、入力行為が無駄にな
ることはない。

【００２０】なお、上述の説明では、一日の業務終了時
にトラック１の最終積荷状態を車両状態情報として入力
するようにしていたが、これに限られるものではなく、
例えば一連の業務が終了して事務所１７にトラック１が
戻ってきたときに上記手順を行ってもよいことはいうま
でもない。

【００２１】

【発明の効果】この発明の車両運行管理システムによれ
ば、業務開始時に乗務員に余分な負担をかけることな
く、実車または空車など車両の状態情報の登録を記録媒
体に対して自動的にしかも確実に行うことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の車両運行管理システムの構成を概略
的に示す図である。

【図２】前記車両運行管理システムにおける運行管理計
の構成を概略的に示す図である。

【図３】前記運行管理計に接続される登録ターミナルの
操作・表示パネル部の構成例を示す図である。

【図４】実車また空車の登録手順を説明するためのフロ
ーチャートである。

【符号の説明】

１…車両、２…運行管理計、５…メモリ、１２…記録媒
体。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両に搭載された運行管理計に着脱自在
   に装着される記録媒体に、各種の運行データを時間とと
   もに記録する車両運行管理システムにおいて、業務終了
   時に前記車両の最終積荷状態を車両状態情報として運行
   管理計内のメモリに記録しておき、次の業務開始時、前
   記運行管理計に装着される記録媒体に前記メモリに記録
   されている車両状態情報を転送させるようにしたことを
   特徴とする車両運行管理システム。