JPH11172000A - ポリシロキサンおよびそれを含有する組成物 - Google Patents

ポリシロキサンおよびそれを含有する組成物

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JPH11172000A
JPH11172000A JP36363797A JP36363797A JPH11172000A JP H11172000 A JPH11172000 A JP H11172000A JP 36363797 A JP36363797 A JP 36363797A JP 36363797 A JP36363797 A JP 36363797A JP H11172000 A JPH11172000 A JP H11172000A
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JP
Japan
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group
polysiloxane
silane coupling
coupling agent
inorganic material
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JP36363797A
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English (en)
Inventor
Eiji Ando
英治 安藤
Hirofumi Yasuda
弘文 安田
Susumu Takahashi
進 高橋
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NUC Corp
Original Assignee
Nippon Unicar Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のシランカップリング剤では効果が十分
得られない無機材料に対しても効果的で、かつ複合材料
の機械的特性、耐水性、耐候性、接着性、加工成形性等
の改善効果が十分満足できる新規なポリシロキサンと、
該ポリシロキサンで処理した材料と、該ポリシロキサン
を含有する複合材料組成物の提供。 【解決手段】 本発明のポリシロキサンは、次の一般式
(1)で表される化合物である。 (SiO2ab2(a+1) (1) [式中、X、Yは、それぞれ下式で表される基である。 【化1】 その際、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜18のアル
キル基、1価のアリール基、アラルキル基もしくは反応
性有機基から選択される基であるが、式(1)の分子中
の少なくとも1つのRは、反応性有機基であり、Zは、
炭素数1〜6のアルキル基である。また、aは1〜5
0、bは0または1以上の整数、mは0または1以上の
整数である。]

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規ポリシロキサ
ンと、該ポリシロキサンまたは該ポリシロキサンとシラ
ンカップリング剤との混合物で表面処理した無機材料
と、該ポリシロキサンまたは該ポリシロキサンとシラン
カップリング剤との混合物を含有する組成物に関する。
さらに詳しくは、本発明は、反応性有機基と加水分解性
基を合わせ持ち、シランカップリング剤と同様の性能を
発揮し、特別な骨格を有するため、シランカップリング
剤の性能を発揮しにくい材料に対しても有効である新規
なポリシロキサンに関し、また、該ポリシロキサンまた
は該ポリシロキサンとシランカップリング剤との混合物
で表面処理した無機材料に関し、さらに、該ポリシロキ
サンまたは該ポリシロキサンとシランカップリング剤と
の混合物、無機材料および有機材料を含有する組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】シランカップリング剤は、一般に分子中
に2個以上の異なった反応基を有する有機シラン化合物
であり、一方の反応基が無機材料表面と反応し、他方の
反応基が有機材料と反応することにより、無機材料と有
機材料とを結合させる作用を有する。そのため、シラン
カップリング剤は、繊維強化プラスチックにおけるガラ
ス繊維の表面処理剤として使用される以外に、エラスト
マー、塗料、接着剤、シーラント、レジンコンクリート
などの無機充填剤または無機基材等の無機材料と有機材
料とを組み合わせた複合材料において、無機材料と有機
材料との界面改質剤として使用され、機械的特性、電気
的特性、耐水性、耐候性、接着性、加工成形性の向上な
どの面で、複合材料の設計に大きな役割を果たしてい
る。
【0003】しかしながら、無機材料の種類によって
は、シランカップリング剤のもつ界面改質の作用効果に
差があり、その効果をほとんど示さないものがある。例
えば、シランカップリング剤が有効に作用する無機材料
としては、砂、石英、ノバキュライト等の天然シリカ;
湿式法シリカ、コロイドシリカ、シリカエアロゲル等の
合成シリカ;カオリン、マイカ、タルク、ウオラストナ
イト、石綿等の天然ケイ酸塩;ケイ酸カルシウム、ケイ
酸アルミニウム等の合成ケイ酸塩;アルミナ、水和アル
ミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネシウ
ム等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム等の金属水酸化物;アルミニウム、ブロンズ、銅
等の金属等が挙げられる。これに対して、一方、シラン
カップリング剤が有効に作用しないか、或いはその作用
効果が少ない無機材料としては、例えば、炭酸カルシウ
ム、炭酸マグネシウム、硫黄カルシウム、硫黄バリウ
ム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム等のアルカリ土類
金属の炭酸塩、硫酸塩、または亜硫酸塩;およびカーボ
ンブラック等が挙げられる。
【0004】これまで、このような無機材料の種類によ
って起こるシランカップリング剤の問題点を解消するた
めに、種々の手段が提案されてきた。例えば、特公平3
−17764号では、シランカップリング剤にアルコキ
シ基を有するオルガノポリシロキサンを併用することが
提案されている。これは、上記したシランカップリング
剤のもつ欠点を解消する点では、少しは効果があるもの
の、シランカップリング剤とオルガノポリシロキサンが
無機固体粒子の表面に作用する際に、一方の成分の効果
が得られても他方の成分の効果が十分得られないという
問題が生じ、その結果、複合材料の機械的特性、耐水
性、耐候性、接着性、加工成形性等の面で十分満足でき
るものではなかった。また、特開平5−43696号で
は、他の解決手段として、下式で示されるような1分子
中に加水分解性基と反応性有機基を有する反応性オルガ
ノポリシロキサンが提案されている。
【0005】
【化13】 (式中、Y=有機反応性官能基;Z=縮合性シリルアル
キル基;Q=ポリオキシアルキレン基;R=H、一価炭
化水素基、ハロゲン化アルキル基;M=Y、Z、Q、
R;o=0〜500;p、q、r=0〜200) これは、前記したシランカップリング剤のもつ欠点を解
消する点では、ある程度の効果を示すものの、複合材料
の機械的特性、耐水性、耐候性、接着性、加工成形性等
の面では、上記解決手段と同様に、十分に満足できるも
のではなかった。
【0006】かかる状況の下に、上述した従来のシラン
カップリング剤のもつ欠点を解消するため、従来のシラ
ンカップリング剤では効果が得られない無機材料に対し
ても有効であり、複合材料の機械的特性、耐水性、耐候
性、接着性、加工成形性等への改善効果が十分満足でき
るような新規ポリシロキサンの出現が望まれていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
のシランカップリング剤では効果が得られない無機材料
に対しても有効であって、複合材料の機械的特性、耐水
性、耐候性、接着性、加工成形性等への改善効果が十分
満足できる新規ポリシロキサンと、該ポリシロキサンで
処理した材料と、該ポリシロキサンを含有する組成物を
提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
従来のシランカップリング剤のもつ欠点を解消するた
め、鋭意研究を重ねた結果、1分子中に加水分解性基と
反応性有機基をもち、かつ、特別な骨格を有する、以下
の新規なポリシロキサンを製造し、この新規なポリシロ
キサンを用いることにより上記課題を解決できることを
見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成に至
ったものである。
【0009】すなわち、本発明によれば、次の一般式
(1)で表される新規なポリシロキサンが提供される。 (SiO2ab2(a+1) (1) [式中、X、Yは、それぞれ下式で表される基である。
【0010】
【化1】 その際、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜18のアル
キル基、1価のアリール基、アラルキル基もしくは反応
性有機基から選択される基であるが、式(1)の分子中
の少なくとも1つのRは、反応性有機基であり、Zは、
炭素数1〜6のアルキル基である。また、aは1〜5
0、bは0または1以上の整数、mは0または1以上の
整数である。]
【0011】また、本発明によれば、上記ポリシロキサ
ンまたは上記ポリシロキサンとシランカップリング剤と
の混合物で表面処理をした無機材料が提供される。さら
に、本発明によれば、上記ポリシロキサン、有機材料お
よび無機材料を含有する組成物、または上記ポリシロキ
サン、シランカップリング剤、有機材料および無機材料
を含有する組成物が提供される。
【0012】本発明は、上記した如く、新規ポリシロキ
サンと、該ポリシロキサンまたは該ポリシロキサンとシ
ランカップリング剤との混合物で表面処理した無機材料
と、該ポリシロキサンまたは該ポリシロキサンとシラン
カップリング剤との混合物を含有する組成物に係わるも
のであるが、その好ましい態様としては、次のものが包
含される。 (1)式(1)の式中、少なくとも1つのRが、−C3
6NHC24NH2、−CH=CH2、−C36SH、
−C36NH2
【0013】
【化2】 、又は
【0014】
【化3】 から選ばれる反応性有機基であることを特徴とする前記
の新規なポリシロキサン。 (2)式(1)のポリシロキサンあるいは該ポリシロキ
サンとシランカップリング剤との混合物が、無機材料に
対して、0.05〜30.0重量%の割合で使用される
ことを特徴とする表面処理をした無機材料 (3)式(1)のポリシロキサンが、該ポリシロキサン
とシランカップリング剤との混合物中に1〜99重量%
の割合で含有することを特徴とする表面処理をした前記
(2)に記載の無機材料 (4)前記(1)記載のポリシロキサンでもって表面処
理をした前記(2)又は前記(3)に記載の無機材料
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0016】1.ポリシロキサン 本発明のポリシロキサンは、次の一般式(1)で表され
る化合物である。 (SiO2ab2(a+1) (1) [式中、X、Yは、それぞれ下式で表される基である。
【0017】
【化1】 その際、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜18のアル
キル基、1価のアリール基、アラルキル基もしくは反応
性有機基から選択される基であるが、式(1)の分子中
の少なくとも1つのRは、反応性有機基であり、Zは、
炭素数1〜6のアルキル基である。また、aは1〜5
0、bは0または1以上の整数、mは0または1以上の
整数である。] 式中、aは、上述したように、1〜50であることが必
要である。aが50を越えると、ポリシロキサンの分子
量が大きくなって、製品が高粘度になり、その結果、取
扱い性が悪くなるばかりでなく、無機材料表面への移行
性が悪くなり、反応性が悪くなるので好ましくない。m
は、0または1以上の整数であるが、好ましくは、1〜
50の範囲、さらに好ましくは、1〜20の範囲が望ま
しい。mが大きすぎると、無機材料との反応性が悪くな
り、一方、mが小さすぎると、製品安定性が悪くなるの
で好ましくない。分子中の少なくとも1つのRは、反応
性有機基である。反応性有機基は、有機材料との反応性
を良くするために必要であるが、この数が少ないと、有
機材料との密着性が悪くなり、また一方、この数が多す
ぎても密着性の向上には寄与しない。上記反応性有機基
は、一般式:−R1−Z1で表される置換基である。式
中、R1は、直接結合または炭素原子数1〜20の二価
炭化水素基、例えば−CH2−、−CH2CH2−、−C
2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−(C
24−、−(CH26−、−(CH28−、−(CH
212−、(CH216−であり、好ましくはプロピレン
基が望ましい。また、Z1は、反応性を有する官能基、
例えば、アミノ基、メタクリル基、ビニル基、エポキシ
基、メルカプト基、水酸基、カルボキシル基、アシル
基、メタクリロ基、イソシアネート基、ウレイド基、ア
ミド基、イミド基、イミノ基、アルデヒド基、ニトロ
基、ニトリル基、オキシム基、アゾ基、ヒドラゾン基で
あり、これらの中では、アミノ基、メタクリル基、ビニ
ル基、エポキシ基、メルカプト基が有用であって、好ま
しい。反応性有機基の具体例としては、例えば、−C3
6NHC24NH2、−CH=CH2、−C36SH、
−C36NH2
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】 等を挙げることができる。
【0020】本発明のポリシロキサンは、種々の製法に
より製造することができるが、特に限定されるものでは
ない。その一例としては、例えば、次の(イ)、(ロ)
および(ハ)の化合物、または(イ)および(ハ)の化
合物を、酸性化合物またはアルカリ性化合物からなる触
媒の存在下、極性有機化合物中で平衡反応させることに
より製造される。 (イ)の化合物:1,1,1,3,3,3−ヘキサエト
キシジシロキサン、1,1,1,3,3,5,5,5−
オクタエトキシトリシロキサン、1,1,1,3,3,
5,5,7,7,7−デカエトキシエトラシロキサン、
1,1,1,3,3,5,5,7,7,9,9,9−ド
デカエトキシペンタシロキサン、1,1,1, 3,3,
3−ヘキサメトキシジシロキサン、1,1,1,3,
3,5,5,5−オクタメトキシトリシロキサン、1,
1,1,3,3,5,5,7,7,7−デカメトキシテ
トラシロキサン、1,1,1,3,3,5,5,7,
7,9,9,9−ドデカメトキシペンタシロキサン、
1,1,1,3,3,3−ヘキサプロポキシジシロキサ
ン、1,1,1,3,3,5,5,5−オクタプロポキ
シトリシロキサン、1,1,1,3,3,5,5,7,
7,7−デカプロポキシテトラシロキサン、1,1,
1,3,3,5,5,7,7,9,9,9ードデカプロ
ポキシペンタシロキサン、1,1,1,3,3,3−ヘ
キサブトキシジシロキサン、1,1,1,3,3,5,
5,5−オクタブトキシトリシロキサン、1,1,1,
3,3,5,5,7,7,7−デカブトキシテトラシロ
キサン、1,1,1,3,3,5,5,7,7,9,
9,9−ドデカブトキシペンタシロキサン等から選ばれ
るアルキルポリシリケートまたはテトラエチルシリケー
ト。 (ロ)の化合物:1,1,3,3,5,5,7,7,−
オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,1,3,
3,5,5,7,7,9,9,11,11−ドデカメチ
ルシクロペンタシロキサン等から選ばれる環状ジメチル
シロキサン。 (ハ)の化合物:上記環状ジメチルシロキサンの全ての
または一部のメチル基が反応性有機基で置換されている
環状シロキサン(反応性有機基は、上記と同じ)。
【0021】上記反応で触媒として用いられる酸性化合
物としては、例えば、硫酸、塩酸、リン酸、活性白土、
塩化鉄等が、また、アルカリ性化合物としては、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ7ム、ナトリウム
アルコキシド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシ
ド、テトラ−n−ブチルホスホニウムヒドロキシド等が
挙げられる。また、溶媒として用いられる極性有機化合
物としては、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルホスファミ
ド、ジメチルスルホキシド、ホスフィンオキシド等が好
ましい。上記平衡反応の条件としては、通常採用されて
いる条件ならばいずれでもよいが、例えば硫酸を使用す
る場合は、反応温度0〜40℃、反応時間30分〜12
時間が好ましく、また、例えば水酸化カリウムを使用す
る場合は、反応温度90〜150℃、反応時間3〜24
時間が好ましい。上記酸性化合物あるいはアルカリ性化
合物は、上記平衡反応を押し進める上で一定量の存在を
必要とするが、その使用量は、上記(イ)〜(ハ)など
の原材料の合計量に対して0.01〜10重量%程度が
望ましい。
【0022】反応生成物は、反応終了後に常法に従って
精製される。すなわち、触媒として用いられる酸性化合
物またはアルカリ性化合物の残留物は、中和して生成し
た塩を濾過するか、あるいは、加熱分解してストリッピ
ングするかのいずれかの方法により除去されるし、ま
た、未反応原料は、必要に応じてストリッピングするこ
とにより除去される。
【0023】また、本発明のポリシロキサンは、上記し
た製法以外に、次の製法でも製造することができる。す
なわち、例えば、上記(イ)および(ロ)の化合物(た
だし(ロ)の化合物としては、シクロメチルハイドロジ
ェンポリシロキサンを用いる)を用いて前記平衡反応を
行うことにより得られた反応生成物と、反応性有機基と
ビニル基との両者を合わせ持つ有機化合物とを、触媒の
存在下、反応温度10〜100℃、反応時間30分〜9
6時間で付加反応させることにより製造することができ
る。この製法に用いられる上記反応性有機基とビニル基
との両者を合わせ持つ有機化合物としては、例えば、C
2=CHCH2NHC24NH2、CH2=CHCH2
H、CH2=CHCH2NH、
【0024】
【化4】
【0025】
【化5】 等を挙げることができる。さらに、上記触媒としては、
Ni、Rh、Pd、Pt等の第VIII族遷移金属もし
くはそれらの化合物または錯体を用いることができる
が、塩化白金酸等の白金系触媒が比較的安価に入手でき
るため、これを用いることが好ましい。
【0026】2.シランカップリング剤 本発明で前記の新規なポリシロキサンと併用して用いら
れるシランカップリング剤は、一般的にシランカップリ
ング剤として広く市販されているものを入手して使用で
きる。これらのシランカップリング剤としては、例え
ば、次の一般式(2) R2・R3 cSiY´3-C (2) (式中、R2は、珪素原子に直接結合した炭素原子を含
み、かつ官能置換基を有する有機基で、R3は、上記R2
及び1価の炭化水素基からなる群から選ばれる基で、Y
´は、加水分解しうる基で、cは、0〜2の整数であ
る。)で表される化合物が挙げられ、具体的には、γ−
アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエ
トキシシラン、γ−アミノプロピルジメチルエトキシシ
ラン、γ−アミノプロピルフェニルジエトキシシラン、
N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエ
トキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノ
プロピルトリメトキシシラン、γ−フェニルアミノプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエ
トキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−
メルカプトピロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプ
トピロピルメチルジメトキシシラン、ビニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリエトキシシラン、ジエトキシジビ
ニルシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シ
ラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、
γ−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、γ−
イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキ
シシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラ
ン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルジメチルメトキシシラン等が例
示される。また、ビス(3−トリエトキシシリルプロピ
ル)テトラスルファン、ビス(3−トリメトキシシリル
プロピル)テトラスルファン、ビス(3−トリエトキシ
シルプロピル)ジスルファン、ビス(3−トリメトキシ
シルプロピル)ジスルファン等も使用可能である。シラ
ンカップリング剤は、無機材料を充填するのに用いられ
る有機材料である合成樹脂やエラストマーの種類によっ
て適宜選択される。
【0027】3.無機材料 本発明のポリシロキサンは、例えば2つの素材間、特に
無機材料と有機材料間の接着性の改質剤として利用する
ことができる。本発明で用いられる無機材料は、射出成
形積層、トランスファー成形、圧縮成型、コーティン
グ、注型等各種の成形又はコーティング加工において使
用するために適した無機固体粒子であって、具体的に
は、例えば、砂、石英、ノバキュライト等の天然シリ
カ;湿式法シリカ、コロイドシリカ、シリカエアロゲル
等の合成シリカ;カオリン、マイカ、タルク、ウオラス
トナイト、石綿等の天然ケイ酸塩;ケイ酸カルシウム、
ケイ酸アルミニウム等の合成ケイ酸塩;アルミナ、水和
アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化マグネ
シウム等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム等の金属水酸化物;アルミニウム、ブロン
ズ、銅等の金属;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、
硫酸カルシウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム等ア
ルカリ土類金属の炭酸塩、硫酸塩及び亜硫酸塩;並びに
カーボンブラック等が挙げられる。さらに、これらの無
機固体粒子が充填剤又は顔料として分類されるものであ
る場合には、それは補強性の材料であっても、そうでな
くてもよい。
【0028】4.有機材料 本発明のポリシロキサンは、例えば2つの素材間、特に
無機材料と有機材料間の接着性の改質剤として利用する
ことができる。本発明で用いられる有機材料としては、
例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、メタクリル
樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、
変性フェニレンエーテル、ポリサルホン、ポリエーテル
サルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレー
ト、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリイミド、液晶性ポリエステ
ル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアミノビスマレ
イミド、ポリビスアミドトリアゾール、フェノール樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、エポキシ樹脂、ジアリルフタレート樹
脂、ポリウレタン、シリコーン樹脂等の合成樹脂、ブタ
ジエンゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、スチ
レン−ブタジエン共重合ゴム、イソブチレン−イソプレ
ン共重合ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴ
ム、エチレン−プロピレン共重合ゴム、エチレン−プロ
ピレン−ジエン共重合ゴム等の合成ゴムおよび天然ゴ
ム、羊毛、麻、絹、木綿等の天然繊維、木材、紙等の植
物および植物加工品等を挙げることができる。
【0029】5.組成物 本発明の組成物は、例えば、次の(1)〜(3)の工程
により調製される。 (1)無機材料は、本発明の新規なポリシロキサンある
いは該ポリシロキサンとシランカップリング剤との混合
物でもって表面処理され、有機材料との接着性が改質さ
れる。その際、処理方法は、例えば、従来無機材料にシ
ランカップリング剤で処理する際に一般的に使用されて
いる直接処理法や、有機材料と無機材料の混練り時にシ
ランカップリング剤を添加して使用するインテグラルブ
レンド法であってよい。 (2)表面処理された無機材料は、通常の方法により有
機材料と配合される。その際、有機材料は、前記したも
のの中から1種以上のものを適宜選択し使用することが
できる。また、配合時には、本発明の特性を損なわない
範囲で、その使用目的に応じて各種添加剤や補助資材を
配合することができる。それら各種添加剤や補助資材と
しては、安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定
剤、帯電防止剤、滑剤、加工性改良剤、分散剤、中和
剤、発泡剤、気泡防止剤、着色剤、架橋剤等が挙げられ
る。 (3)本発明のポリシロキサンあるいは該ポリシロキサ
ンとシランカップリング剤との混合物、無機材料および
有機材料に、必要に応じて上記各種添加剤や補助資材を
適当量配合した組成物は、一般的な方法により、均一に
混合又は混練され、所望とする形状に成形される。この
方法には、通常、例えば、ブレンダー、ロール、ニーダ
ー、バンバリーミキサー、コンティニュアスミキサー、
一軸押出機または二軸押出機等の装置が用いられる。
【0030】本発明の組成物で用いられるポリシロキサ
ンあるいは該ポリシロキサンとシランカップリング剤と
の混合物の使用量は、通常、無機材料に対して、0.0
5〜30.0重量%であり、望ましくは0.1〜10.
0重量%である。使用量が0.05重量%よりも少ない
と、複合材料の機械的強度、流れ特性が十分でなく、3
0.0重量%よりも多いと、無機材料が凝集し、粗粒と
なる傾向があり望ましくないし、また、コスト的にも不
利である。さらに、本発明のポリシロキサンをシランカ
ップリング剤と併用し混合物として用いる場合、ポリシ
ロキサンの含有量は、通常、1〜99重量%であり、好
ましくは30〜70重量%が望ましい。ポリシロキサン
の含有量が1重量%よりも少ないと、特にアルカリ土類
金属の炭酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩に対して処理効果が殆
どなくなる傾向があり望ましくない。また一方、ポリシ
ロキサンの含有量が99重量%よりも多くても補強効果
が低下する。
【0031】本発明の新規なポリシロキサンは、反応性
有機基と加水分解性基とを合わせ持つため、シランカッ
プリング剤と同様の性能を発揮するばかりでなく、さら
に、特別な分子骨格を有するため、シランカップリング
剤の性能を発揮しにくかった材料に対しても有効にその
性能を発揮することができる。
【0032】このように、本発明の新規なポリシロキサ
ンを配合した組成物は、その機械的特性、耐水性、耐候
性、接着性、加工成形性等が大幅に改善されるため、特
に無機材料と有機材料とを組み合わせた複合材料の分野
で有用である。
【0033】
【実施例】次に実施例に基づいて本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0034】[ポリシロキサンの合成] 実施例1 撹拌機、温度計、還流冷却器、及び窒素導入管を備えた
1 lの四つ口セパラブルフラスコに、1,1,1,
3,3,5,5,7,7,9,9,9−ドデカエトキシ
ペンタシロキサン83.8g、1,3,5,7−テトラ
キス(N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピ
ル)−1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロ
キサン216.2g、1,1,3,3,5,5,7,7
−オクタメチルシクロテトラシロキサン200g、ジメ
チルスルホキシド10g、及び水酸化カリウム0.2g
を加え、130℃にて6時間撹拌した。ついで、この反
応液に炭酸水素ナトリウムを1g加えて撹拌したのち、
減圧下で未反応物を除去し、さらに濾過した。得られた
生成物は、25℃での粘度が100mm2/s、屈折率
が1.4421であり、また1H−NMRの分析では、
次のようなスペクトルが観測された。 δ(ppm);0.3(108H、Si−CH3)、
0.7(24H、Si−CH2)、1.3(72H、C
−NH−C、NH2、O−C−CH3)、1.7(24
H、C−CH2−C)、2.8(72H、CH2−N−C
2、N−C−CH2−N)、4.0(24H、O−CH
2) 以上のことにより、得られた生成物は、以下の平均構造
を有するポリシロキサンであることが確認できた。以
下、このポリシロキサンを「ポリシロキサンA」と略称
する。 Q5(D2D*O1/2Et)12 式中、*は、C36NHC24NH2、Etは、エチル
基であり、Qは、次の四官能性基を表し、
【0035】
【化6】 Dは、次の二官能性基を表す。
【0036】
【化7】 なお、D*は、上記二官能基のメチル基の1つが上記*
の反応性有機基で置換されていることを意味する。以
下、実施例にある式中の表示は、特記しない限り、同様
とする。
【0037】実施例2 撹拌機、温度計、還流冷却器、及び窒素導入管を備えた
300mlの四つ口セパラブルフラスコに、1,1,
1,3,3,5,5,7,7,9,9,9−ドデカエト
キシペンタシロキサン22.1g、1−γ−メルカプト
プロピル−1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチル
シクロテトラシロキサン127.9g、ジメチルスルホ
キシド3g、及び硫酸4.5gを加え、常温にて6時間
撹拌した。ついで、この反応液に炭酸水素ナトリウムを
25gを加えて撹拌したのち、減圧下で未反応物を除去
し、さらに、濾過した。得られた生成物は、25℃での
粘度が15mm2/s、屈折率が1.4312であり、
また1H−NMRの分析では、次のようなスペクトルが
観測された。 δ(ppm);0.3(108H、Si−CH3)、
0.7(24H、Si−CH2)、1.3(60H、S
i−C−CH2、O−C−CH3)、1.7(12H、S
H)、2.5(24H、CH2−S)、4.0(24
H、O−OCH3) 以上のことにより、得られた生成物は、以下の平均構造
を有するポリシロキサンであることが確認できた。以
下、このポリシロキサンを「ポリシロキサンB」と略称
する。 Q5(D2D*O1/2Et)12 式中、*は、C36SHである。
【0038】実施例3 撹拌機、温度計、還流冷却器、及び窒素導入管を備えた
300mlの四つ口セパラブルフラスコに、1,1,
1,3,3,5,5,7,7,9,9,9−ドデカエト
キシペンタシロキサン29.7g、1−ビニル−1,
3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシ
ロキサン120.3g、ジメチルスルホキシド3g、及
び水酸化カリウム0.06gを加え、130℃にて6時
間撹拌した。ついで、この反応液に硫酸水素ナトリウム
を0.3g加えて撹拌したのち、減圧下で未反応物を除
去し、さらに、濾過した。得られた生成物は、25℃で
の粘度が33mm2/s、屈折率が1.4128であ
り、また1H−NMRの分析では、次のようなスペクト
ルが観測された。 δ(ppm);0.3(108H、Si−CH3)、
1.3(36H、O−C−CH3)、4.0(24H、
Si−O−CH2)、6.1(36H、CH2=CH−S
i) 以上のことにより、得られた生成物は、以下の平均構造
を有するポリシロキサンであることが確認できた。以
下、このポリシロキサンを「ポリシロキサンC」と略称
する。 Q5(D2D*O1/2Et)12 式中、*は、CH=CH2である。
【0039】実施例4 撹拌機、温度計、還流冷却器、及び窒素導入管を備えた
300mlの四つ口セパラブルフラスコに、1,1,
1,3,3,5,5,7,7,9,9,9−ドデカメト
キシペンタシロキサン8.3g、1,5−ビス(γ−メ
タクリロキシプロピル)1,3,3,5,7,7−ヘキ
サメチルシクロテトラシロキサン141.7g、ジメチ
ルスルホキシド3g、及び硫酸6.7gを加え、常温に
て7時間撹拌した。ついで、この反応液に炭酸水素ナト
リウムを3.3g加えて撹拌したのち、減圧下で未反応
物を除去し、さらに、濾過した。得られた生成物は、2
5℃での粘度が150mm2/s、屈折率が1.408
5であり、また1H−NMRの分析では、次のようなス
ペクトルが観測された。 δ(ppm);0.3(504H、Si−CH3)、
0.7(48H、Si−CH2)、2.0(120H、
Si−C−CH2、C=CCH3−CO)、3.5(36
H、Si−OCH3)、4.2(48H、COO−CH2
−C)、5.6(24H、CH2=C)、6.2(24
H、CH2=C) 以上のことにより、得られた生成物は、以下の平均構造
を有するポリシロキサンであることが確認できた。以
下、このポリシロキサンを「ポリシロキサンD」と略称
する。 Q5(D62*O1/2Me)12 式中、*は、次の置換基である。
【0040】
【化8】 式中、Meはメチル基であり、前記二官能性基の末端が
メトキシ基であることを表している。
【0041】実施例5 撹拌機、温度計、還流冷却器、及び窒素導入管を備えた
300mlの四つ口セパラブルフラスコに、式 Q(D
D´O1/2Me)4で表されるポリシロキサン90.2g
(式中、D´は、前記Dのケイ素に結合したメチル基が
水素で置換された基を表す)、アリルグリシジルエーテ
ル59.8g、トルエン50g、及び塩化白金酸1pp
mを加え、80℃にて4時間還流撹拌した。次いで反応
液を冷却した後、炭酸水素ナトリウムを1.5g加えて
撹拌し、減圧下で未反応物および溶剤を除去したのち濾
過した。得られた生成物は、25℃での粘度が7mm2
/s、屈折率が1.4250であり、また1H−NMR
の分析では、次のようなスペクトルが観測された。 δ(ppm);0.3(36H、Si−CH3)、0.
7(8H、Si−CH2)、1.7(8H、Si−C−
CH2)、2.7(8H、Si−C−C−CH2)、3.
2(8H、C−O−CH2−C)、
【0042】
【化9】 以上のことにより、得られた生成物は、以下の平均構造
を有するポリシロキサンであることが確認できた。以
下、このポリシロキサンを「ポリシロキサンE」と略称
する。 Q5(DD*O1/2Me)4 式中、*は、次の置換基である。
【0043】
【化10】
【0044】また、比較例として次の構造を有するポリ
シロキサンを準備した。以下、このポリシロキサンを
「ポリシロキサンF」と略称する。 Q5(D31/2Et)12 同様に、さらに比較例として次の構造を有するポリシロ
キサンを準備し、これを「ポリシロキサンG」と略称す
る MD5D*D**M 式中、*は、次の置換基である。
【0045】
【化11】 また、**は、OMeである。ただし、Mは、次の一官
能性基を表す。
【0046】
【化12】
【0047】[ポリフェニレンサルファイド樹脂と無機
材料との複合材料] 実施例6〜9、および比較例1〜5 合成樹脂としてポリフェニレンサルファイド樹脂(以
下、PPS樹脂と記載する)、無機材料として炭酸カル
シウムを用いて複合材料を作成し、その物性を評価し
た。具体的には、PPS樹脂(呉羽化学製)100重量
部、平均繊維経0.8μm、平均繊維長25μm、平均
アスペクト比31の炭酸カルシウム(丸尾カルシウム
製)50重量部および各種表面処理剤を、表1に示す配
合で加え(数字は全て重量部を示す)、ブレンダーで2
分間混合した後、これを押出機でシリンダー温度310
℃にて溶融混練して押出し、ペレットを作成した。つい
で、このペレットを用いて、東洋精機製キャピログラフ
1B型装置により、キャピラリー1mmφ×10mm
L、温度310℃、剪断速度1200/sec.の条件
で溶融粘度を測定した。さらに、上記ペレットを用い
て、射出成形機により、シリンダー温度320℃、金型
温度150℃でASTM D638に準拠した引張試験
片およびASTM D790に準拠した曲げ試験片をそ
れぞれ射出成形し、引張強度、伸び、曲げ強度、および
曲げ弾性率を評価した。評価結果は、表1に記載した。
【0048】
【表1】
【0049】[合成ゴム材料と無機材料との複合材料] 実施例10、および比較例6〜8 合成ゴム材料としてスチレン−ブタジエン共重合ゴム
(以下、SBRと記載する)とブタジエンゴム(以下、
BRと記載する)、無機材料として沈降シリカを用いて
複合材料を作成し、その物性を評価した。具体的には、
SBR1712100重量部、BR 30重量部、沈降
シリカ70重量部、各種添加剤および各種表面処理剤
を、表2に示す配合で加え(数字は全て重量部を示す)
バンバリーとロールを用いて混合混練し、コンパウンド
を得た。該コンバウンドをそのtc90と同じ時間だけ
温度160℃でプレス加硫して物性を評価した。評価結
果は、表2に記載した。
【0050】
【表2】
【0051】[不飽和ポリエステル樹脂と無機材料との
複合材料] 実施例11〜12、および比較例9〜13 合成樹脂として不飽和ポリエステル樹脂、無機材料とし
てガラスパウダーを用いて複合材料を作成し、その物性
を評価した。具体的には、不飽和ポリエステル樹脂(日
本触媒製、銘柄G−227)100重量部に、表3に示
す配合の表面処理剤(ポリシロキサンおよびシラン類)
であらかじめ処理したガラスパウダー(フェロー製、銘
柄フリット3134)40重量部、MEKPO 1.5
重量部およびナフテン酸コバルト1.5重量部を加え、
十分に混合し、減圧脱泡した後、型枠に注入し、室温に
て12時間硬化させ、さらに温度60℃にて6時間硬化
させ、型から外し、5cm×5cmの大きさの試験片に
切断した。該試験片を用いてJIS A5704に準じ
て煮沸を12サイクル行い、煮沸前後の試験片の光透過
率の評価をJIS A5705に準じて行った。評価結
果は、表3に記載した。
【0052】
【表3】
【0053】以上、説明したように、本発明の新規なポ
リシロキサンは、[ポリシロキサンの合成]に関する実施
例である実施例1〜5のようにして、製造することがで
きる。また、本発明の新規なポリシロキサンまたは該ポ
リシロキサンとシランカップリング剤との混合物を表面
処理剤として使用した複合材料が、本発明の範囲外のポ
リシロキサンやシランカップリング剤を表面処理剤とし
て使用した複合材料に比べて、機械的特性が優れいてい
るということは、[ポリフェニレンサルファイド樹脂と
無機材料との複合材料]に関する実施例である実施例6
〜9や、[合成ゴム材料と無機材料との複合材料]に関す
る実施例である実施例10の実験結果よりみて、明らか
である。
【0054】さらに、本発明の新規なポリシロキサンを
表面処理剤として使用した複合材料が、本発明の範囲外
のポリシロキサンやシランカップリング剤を表面処理剤
として使用した複合材料に比べて、煮沸前の光透過率お
よび煮沸後の光透過率残存率に優れているということ
は、[不飽和ポリエステル樹脂と無機材料との複合材料]
に関する実施例である実施例11の実験結果よりみて明
らかである。そして、このことから、本発明のポリシロ
キサンは、接着性や耐水性に優れていることがわかる。
【0055】
【発明の効果】本発明の新規なポリシロキサンは、反応
性有機基と加水分解性基とを合わせ持つため、シランカ
ップリング剤と同様の性能を発揮するばかりでなく、さ
らに、特別な分子骨格を有するため、シランカップリン
グ剤の性能を発揮しにくかった材料に対しても有効にそ
の性能を発揮することができる。このように、本発明の
新規なポリシロキサンは、有機材料と無機材料との複合
材料等に配合することにより、その複合材料の機械的特
性、耐水性、耐候性、接着性、加工成形性等を改善する
ことができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の一般式(1)で表される新規なポリ
    シロキサン。 (SiO2ab2(a+1) (1) [式中、X、Yは、それぞれ下式で表される基である。 【化1】 その際、Rは、それぞれ独立して炭素数1〜18のアル
    キル基、1価のアリール基、アラルキル基もしくは反応
    性有機基から選択される基であるが、式(1)の分子中
    の少なくとも1つのRは、反応性有機基であり、Zは、
    炭素数1〜6のアルキル基である。また、aは1〜5
    0、bは0または1以上の整数、mは0または1以上の
    整数である。]
  2. 【請求項2】 式中、反応性有機基が、アミノ、メタク
    リル、ビニル、エポキシおよびメルカプトからなる群か
    ら選択される1つの官能基を有する有機基であることを
    特徴とする請求項1記載のポリシロキサン。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のポリシロキサンで表面処
    理をした無機材料。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のポリシロキサンとシラン
    カップリング剤との混合物で表面処理をした無機材料。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のポリシロキサン、無機材
    料および有機材料を含有する組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のポリシロキサン、シラン
    カップリング剤、無機材料および有機材料を含有する組
    成物。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001040198A (ja) * 1999-04-19 2001-02-13 General Electric Co <Ge> 熱可塑性成形用組成物
GB2367556A (en) * 2000-10-05 2002-04-10 Dow Corning Sa Polysiloxane barrier coating composition
JP2005206757A (ja) * 2004-01-26 2005-08-04 Ge Toshiba Silicones Co Ltd 室温硬化性オルガノポリシロキサン組成物
JP2007516821A (ja) * 2003-11-06 2007-06-28 メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング モノリシック成形品の製造方法
JP2007217465A (ja) * 2006-02-14 2007-08-30 Yokohama Rubber Co Ltd:The タイヤ用ゴム組成物

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