JPH11171771A - 脂溶性抗腫瘍薬のリポソーム化製剤 - Google Patents

脂溶性抗腫瘍薬のリポソーム化製剤

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JPH11171771A
JPH11171771A JP9340999A JP34099997A JPH11171771A JP H11171771 A JPH11171771 A JP H11171771A JP 9340999 A JP9340999 A JP 9340999A JP 34099997 A JP34099997 A JP 34099997A JP H11171771 A JPH11171771 A JP H11171771A
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mol
liposome
alkenoyl
alkanoyl
lipid
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JP9340999A
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English (en)
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Yuji Kasuya
裕司 粕谷
Junichi Okada
純一 岡田
Kenji Hanaoka
健司 花岡
Shinichi Kurakata
慎一 蔵方
Akira Matsuda
彰 松田
Takuma Sasaki
琢磨 佐々木
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、抗腫瘍薬である1−(2−C−シア
ノ−2−デオキシ−β−D−アラビノ−ペントフラノシ
ル)−N4−パルミトイルシトシンを含有するリポソー
ム化製剤を提供する。 【解決手段】リポソームを構成する脂質として、ジ(C
10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホスファチジ
ルコリン、コレステロール、ジ(C10-18アルカノイル
またはアルケノイル)ホスファチジルグリセロール及び
/またはポリエチレングリコール部分の平均分子量が1
000乃至5000のN−モノメトキシポリエチレング
リコールサクシニル−ジ(C10-18アルカノイルまたは
アルケノイル)ホスファチジルエタノールアミンを含有
するリポソーム化製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1−(2−C−シ
アノ−2−デオキシ−β−D−アラビノ−ペントフラノ
シル)−N4−パルミトイルシトシンを効率的に腫瘍組
織に蓄積させることを可能とするリポソーム化製剤に関
する。
【0002】
【従来の技術】1−(2−C−シアノ−2−デオキシ−
β−D−アラビノ−ペントフラノシル)シトシン(1-(2
-C-cyano-2-deoxy-β-D-arabino-pentofuranosyl)cytos
ine。以下、CNDACとする。)およびその幾つかの
誘導体は優れた抗腫瘍活性を有する(特開平4−235
182号および特開平5−194497号参照)。1−
(2−C−シアノ−2−デオキシ−β−D−アラビノ−
ペントフラノシル)−N4−パルミトイルシトシン(1-
(2-C-cyano-2-deoxy-β-D-arabino-pentofuranosyl)-N4
-palmitoylcytosine。以下、化合物Aとする。)はCN
DACのN4位がパルミトイル化された脂溶性の誘導体
である(特開平5−194497号参照)。化合物Aは
経口投与により抗腫瘍活性を示すものの、腫瘍組織への
薬物の蓄積効率を更に高めるべく、剤形および投与経路
の改良が求められていた。また、化合物Aは水溶性が極
めて低いため、静脈内投与を可能とするためには、従
来、毒性が懸念される界面活性剤や有機溶媒等の添加剤
を大量に使用する必要があり、改善が求められていた。
【0003】一般的に、腫瘍組織近傍の血管は正常組織
より物質透過性が高く、通常では血管外に漏出しない高
分子量の化合物やリポソーム等の微粒子が漏出する(Y.
Matsumuraら、Cancer Res. 46, 6387-6392(1986)/
D. D. Lasic とF. Martin(編)、「Stealth Liposome
s」、CRC Press、pp119-126(1995)参照。)。また、
リンパ組織が未発達であるため、漏出した物質は再度循
環系に移行しにくい。特にサイズの大きな物質は漏出後
拡散しにくいので、この傾向が顕著である(Y. Matsumu
raら、Cancer Res. 46, 6387-6392(1986)参照。)。
従って、水溶性の高分子や微粒子をキャリヤーとするこ
とにより脂溶性薬物の静脈内投与を可能とし、かつ、腫
瘍組織への薬物のターゲティングが可能であると考えら
れる。
【0004】リポソームは、生体適合性に優れ、表面物
性やサイズ等の制御が容易であり、物性の異なる種々の
化合物を包含しうる等の点から、薬物のターゲティング
に利用することができる(D.D.Lasic、「Liposomes: fr
om basic to applications」、Elsevier Science Publi
shers、pp.261-471(1993)参照)。しかしながら、実
際上リポソームを構成する単位脂質量当たりに包含され
る薬物量が少量に限られ実用的でないなどの問題点があ
り、これまで抗腫瘍剤としてはドキソルビシンのリポソ
ーム化製剤等のごく一部の成功例しかない(D. D. Lasi
c、Nature 380、561-562(1996))。特に、脂溶性の高
い薬物の場合、通常では包含可能な薬物は全脂質モル数
に対し3mol%程度が限界であり(Moriら、Pharm. R
es. 10、507-514(1993)参照。)、治療上必要な量が
投与できず実用化された例はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、化合物A
を安全に静脈内投与できる製剤とし、かつ効率的に腫瘍
組織へ蓄積させることが可能な製剤が求められていた。
リポソーム化製剤とすることはこのための有効な手段と
考えられるが、化合物Aのリポソーム化製剤について報
告例はなく、包含特性も未知であった。
【0006】発明者等は、脂溶性の高い薬物に属する化
合物Aのリポソーム化製剤について鋭意検討を行い、脂
溶性の高い薬物の包含量として従来報告のない高い割
合、すなわち、全脂質モル数に対し23mol%の化合
物Aが包含されたリポソーム化製剤を製造することに成
功した。これにより、毒性が強い界面活性剤および有機
溶媒を使用することなく治療上必要な量の化合物Aを静
脈内投与することを可能とした。さらに、該リポソーム
化製剤を静脈内投与することにより、従来の懸濁製剤の
経口投与を陵駕する腫瘍中薬物濃度が得られることを見
出し、本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)化合物
Aを含有することを特徴とするリポソーム化製剤、
(2)リポソーム構成成分として水溶性高分子鎖を有す
る脂質を含有することを特徴とする(1)に記載のリポ
ソーム化製剤、(3)水溶性高分子鎖を有する脂質が、
ポリエチレングリコール部分の平均分子量が1000乃
至5000のN−モノメトキシポリエチレングリコール
サクシニル−ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケノ
イル)ホスファチジルエタノールアミンである(2)に
記載のリポソーム化製剤、(4)リポソームを構成する
脂質が、ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケノイ
ル)ホスファチジルコリン、コレステロール、ジ(C
10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホスファチジ
ルグリセロール及びポリエチレングリコール部分の平均
分子量が1000乃至5000のN−モノメトキシポリ
エチレングリコールサクシニル−ジ(C10-18アルカノ
イルまたはアルケノイル)ホスファチジルエタノールア
ミンからなる(1)に記載のリポソーム化製剤、(5)
リポソームを構成する脂質が、ジ(C10-18アルカノイ
ルまたはアルケノイル)ホスファチジルコリン(総脂質
に対して20乃至80モル%)、コレステロール(総脂
質に対して20乃至60モル%)、ジ(C10-18アルカ
ノイルまたはアルケノイル)ホスファチジルグリセロー
ル(総脂質に対して5乃至40モル%)及びポリエチレ
ングリコール部分の平均分子量が1000乃至5000
のN−モノメトキシポリエチレングリコールサクシニル
−ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホス
ファチジルエタノールアミン(総脂質に対して1乃至1
0モル%)からなる(1)に記載のリポソーム化製剤、
(6)リポソームを構成する脂質が、ジパルミトイルホ
スファチジルコリン(総脂質に対して30モル%)、コ
レステロール(総脂質に対して40モル%)、ジパルミ
トイルホスファチジルグリセロール(総脂質に対して2
5モル%)、ポリエチレングリコール部分の平均分子量
が2000のN−モノメトキシポリエチレングリコール
サクシニル−ジステアロイルホスファチジルエタノール
アミン(総脂質に対して5モル%)からなる(1)に記
載のリポソーム化製剤、(7)リポソームを構成する脂
質が、ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケノイル)
ホスファチジルコリン、ジ(C10-18アルカノイルまた
はアルケノイル)ホスファチジルグリセロール及びポリ
エチレングリコール部分の平均分子量が1000乃至5
000のN−モノメトキシポリエチレングリコールサク
シニル−ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケノイ
ル)ホスファチジルエタノールアミンからなる(1)に
記載のリポソーム化製剤、(8)リポソームを構成する
脂質が、ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケノイ
ル)ホスファチジルコリン(総脂質に対して60乃至9
0モル%)、ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケノ
イル)ホスファチジルグリセロール(総脂質に対して5
乃至40モル%)及びポリエチレングリコール部分の平
均分子量が1000乃至5000のN−モノメトキシポ
リエチレングリコールサクシニル−ジ(C10-18アルカ
ノイルまたはアルケノイル)ホスファチジルエタノール
アミン(総脂質に対して1乃至10モル%)からなる
(1)に記載のリポソーム化製剤、(9)リポソームを
構成する脂質が、ジミリストイルホスファチジルコリン
(総脂質に対して65モル%)、ジミリストイルホスフ
ァチジルグリセロール(総脂質に対して30モル%)、
ポリエチレングリコール部分の平均分子量が2000の
N−モノメトキシポリエチレングリコールサクシニル−
ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(総脂
質に対して5モル%)からなる(1)に記載のリポソー
ム化製剤、(10)リポソームの体積平均粒子径が50
乃至400nmであることを特徴とする(1)乃至
(9)に記載のリポソーム化製剤、(11)(1)ない
し(10)に記載のリポソーム化製剤を介して化合物A
を腫瘍組織に送達する方法、からなる。
【0008】上記の発明において、「リポソーム」と
は、当業者周知の通り(D.D.Lasic、「liposomes: from
basic to applications」、Elsevier Science Publish
ers、pp.1-171(1993)参照。)、膜状に集合した脂質
および内部の水相から構成される閉鎖小胞を意味する。
【0009】「リポソーム化製剤」とは、内部に薬物を
包含させたリポソームの水中分散型製剤を意味し、該薬
物はリポソームを構成する膜状に集合した脂質相に包含
されていてもよくリポソーム内部の水相に包含されてい
てもよい。
【0010】本発明において使用するリポソームの直径
(「体積平均粒子径」)としては、静脈内投与後の血中
滞留性および/または腫瘍組織への集積性が高い50乃
至400nmが望ましく、より好適には50乃至200
nmである(A.L.Klibanovら、Biochim. Biophys. Acta
1062, 142-148(1991)及びD.D.Lasic、「liposomes:
from basic to applications」、Elsevier Science Pub
lishers、pp.261-471(1993)参照)。リポソームの
「体積平均粒子径」は、動的光散乱法等の原理に基づき
求めることができる(D.D.Lasic、「liposomes: from b
asic to applications」、Elsevier Science Publisher
s、pp.1-171(1993)参照)。
【0011】上記「リポソーム」及び「リポソーム化製
剤」の定義において、脂質とは、グリセロリン脂質、グ
リセロ糖脂質、スフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂
質、ステロール類、炭素数10乃至20のアルキル、ア
ルケニル、アルカノイルまたはアルケノイル鎖を有する
合成有機化合物等の群から選ばれる化合物を意味する。
グリセロリン脂質とは、ホスファチジルコリン、ホスフ
ァチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、
ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミ
ン、N−モノメトキシポリエチレングリコールサクシニ
ルホスファチジルエタノールアミン等を意味し、グリセ
ロ糖脂質とは、ジガラクトシルジグリセリド、ガラクト
シルジグリセリド等を意味し、スフィンゴリン脂質と
は、スフィンゴミエリン等を意味し、スフィンゴ糖脂質
とは、セレブロシド、ガングリオシド等を意味しステロ
ール類とは、コレステロール、コレステロールヘミサク
シネート、3β−[N−(N’、N’−ジメチルアミノ
エタン)−カルバモイル]−コレステロール、エルゴス
テロール、ラノステロール等を意味し、炭素数10乃至
20のアルキル、アルケニル、アルカノイルまたはアル
ケノイル鎖を有する合成有機化合物とは、ステアリン
酸、ステアリルアミン、ステアリン酸ヒドラジド、ステ
アリン酸エステル、N−[1−(2、3−ジオレイルオ
キシ)プロピル]−N、N、N−トリメチルアンモニウ
ムクロライド、N−α−トリメチルアンモニオアセチル
ドデシル−D−グルタメートクロライド、O−パルミト
イルプルラン等を意味する。
【0012】ここで、ホスファチジルコリン、ホスファ
チジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホ
スファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミ
ン、スルホキシリボシルジグリセリド、ジガラクトシル
ジグリセリド、ガラクトシルジグリセリド、スフィンゴ
ミエリン、セレブロシド、ガングリオシド、N−モノメ
トキシポリエチレングリコールサクシニルホスファチジ
ルエタノールアミン等は各々二本ずつ飽和または不飽和
の脂肪酸エステル鎖を有するが、その脂肪酸(アルカノ
イルまたはアルケノイル基)部分の炭素数が10乃至1
8である脂質をリポソーム構成成分として使用すること
ができる。「C10-18アルカノイルまたはアルケノイ
ル」基としては、デシリル、ウンデシリル、ラウロイ
ル、トリデシリル、ミリストイル、ペンタデシリル、パ
ルミトイル、ヘプタデシリル、ステアロイル、オレオイ
ル基等を挙げることができるが、これらのうち好適なも
のはラウロイル、ミリストイル、パルミトイル及びステ
アロイル基である。
【0013】これらの試薬(脂質等)は、購入すること
ができる。また、卵黄レシチンおよび大豆レシチン等の
ように、通常種々の炭素数および/または不飽和度の脂
肪酸エステル鎖を有する脂質が混合した状態で入手でき
るものは、これらを単一成分に分離精製することなく使
用することができる。
【0014】さらに、上記(3)に記載したように、
「水溶性高分子鎖を有する脂質」をリポソーム構成成分
として使用することにより、血中滞留性、腫瘍組織への
集積特性が特に優れた修飾リポソームを製造することが
できる(例えば、D.D.LasicとF.Martin(編)、「Steal
th liposomes」、CRC Press、pp.103-117(1995)参
照)。「水溶性高分子鎖」としてはポリエチレングリコ
ール(PEG)、ポリアクリルアミド、プルランのよう
な多糖類等をあげることができる。「水溶性高分子鎖を
有する脂質」としては、例えばN−モノメトキシポリエ
チレングリコールサクシニルホスファチジルエタノール
アミン、O−(C10-18アルカノイルまたはアルケノイ
ル)プルラン、N−(C10-18アルカノイルまたはアル
ケノイル)ポリアクリルアミド等をあげることができる
が、好適にはPEG部分の平均分子量が1000乃至5
000のN−モノメトキシポリエチレングリコールサク
シニル−ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケノイ
ル)ホスファチジルエタノールアミンまたはO−パルミ
トイルプルランであり、最も好適にはPEG部分の平均
分子量が2000のN−モノメトキシポリエチレングリ
コールサクシニル−ジステアロイルホスファチジルエタ
ノールアミンである。
【0015】また、必要に応じて抗酸化作用等を目的と
して、α−トコフェロール等の添加物を脂質構成成分と
して使用することができる。
【0016】リポソーム内部を構成する水相には、通
常、塩化ナトリウム水溶液、緩衝液(リン酸緩衝液、酢
酸緩衝液等)、単糖類若しくは二糖類の水溶液(グルコ
ース水溶液、トレハロース水溶液等)を使用することが
でき、好適にはグルコース水溶液またはトレハロース水
溶液である。
【0017】上記に挙げた脂質の群の中で、保存時およ
び生体中でのリポソームの形態安定性、物質透過性、対
象とする薬物の包含特性、およびリポソームの体内動態
特性等を考慮し、種々の脂質の種類および混合比が選択
される。
【0018】リポソームを構成する脂質の組成(脂質成
分および各脂質成分の総脂質に対するモル比)として
は、例えば、以下の(A)乃至(D)の組成を挙げるこ
とができる。
【0019】 (A) DAPC (20乃至80モル%、好適には30モル%) コレステロール (20乃至60モル%、好適には40モル%) DAPG ( 5乃至40モル%、好適には25モル%) PEG−DAPE ( 1乃至10モル%、好適には 5モル%) (B) DAPC (60乃至90モル%、好適には65モル%) DAPG ( 5乃至40モル%、好適には30モル%) PEG−DAPE ( 1乃至10モル%、好適には 5モル%) (C) DAPC (20乃至80モル%、好適には30モル%) コレステロール (20乃至60モル%、好適には40モル%) DAPG ( 5乃至40モル%、好適には30モル%) (D) DAPC (60乃至95モル%、好適には70モル%) DAPG ( 5乃至40モル%、好適には30モル%) 上記の組成において、DAPCはジ(C10-18アルカノ
イルまたはアルケノイル)ホスファチジルコリンを示
し、DAPGはジ(C10-18アルカノイルまたはアルケ
ノイル)ホスファチジルグリセロールを示し、PEG−
DAPEはポリエチレングリコール部分の平均分子量が
1000乃至5000のN−モノメトキシポリエチレン
グリコールサクシニル−ジ(C10-18アルカノイルまた
はアルケノイル)ホスファチジルエタノールアミンを示
す。
【0020】これらのうち好適な組成は(A)または
(B)の組成であり、更に好適な組成は以下に示す
(a)または(b)の組成である。
【0021】 (a) DPPC (20乃至80モル%、好適には30モル%) コレステロール (20乃至60モル%、好適には40モル%) DPPG ( 5乃至40モル%、好適には25モル%) PEG2000−DSPE ( 1乃至10モル%、好適には 5モル%) (b) DMPC (60乃至90モル%、好適には65モル%) DMPG ( 5乃至40モル%、好適には30モル%) PEG2000−DSPE ( 1乃至10モル%、好適には 5モル%) なお、上記の組成において、DPPCはジパルミトイル
ホスファチジルコリン(dipalmitoylphosphatidylcholi
ne)を示し、DMPCはジミリストイルホスファチジル
コリン(dimirystoylphosphatidylcholine)を示し、D
PPGはジパルミトイルホスファチジルグリセロール
(dipalmitoylphosphatidylglycerol)を示し、DMP
Gはジミリストイルホスファチジルグリセロール(dimi
rystoylphosphatidylglycerol)を示し、PEG200
0−DSPEはポリエチレングリコール部分の平均分子
量が2000のN−モノメトキシポリエチレングリコー
ルサクシニル−ジステアロイルホスファチジルエタノー
ルアミン(N-monomethoxypoly(ethyleneglycol) succin
yl-distearoylphosphatidylethanolamine)を示す。
【0022】化合物Aを含有するリポソーム化製剤とし
て好適なものは、以下の処方例AまたはBを用いて[実
施例1]で述べる方法で製造されるものである。
【0023】処方例A DPPC 30(μmol) コレステロール 40(μmol) DPPG 25(μmol) PEG2000−DSPE 5(μmol) 化合物A 1乃至30(mg) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 5重量%グルコース水溶液で2mLとした。
【0024】処方例B DMPC 65(μmol) DMPG 30(μmol) PEG2000−DSPE 5(μmol) 化合物A 1乃至30(mg) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 5重量%グルコース水溶液で2mLとした。
【0025】
【発明の実施の形態】リポソームは、当業者周知の方法
(D.D.Lasic、「liposomes: from basic toapplication
s」、Elsevier Science Publishers、pp.1-171(1993)
参照。)に従い製造し、サイズを調節することができ
る。すなわち、上記で選ばれた脂質および塩化ナトリウ
ム水溶液、緩衝液、グルコース水溶液等を用い、薄膜
法、逆相蒸発法、エタノール注入法、エーテル注入法、
脱水−再水和法等により製造でき、超音波照射法、凍結
融解後の超音波照射法、エクストルージョン法、フレン
チプレス法、ホモジナイゼーション法等の方法によりサ
イズが調節できる。本発明においても、これらの方法に
従いリポソームを製造し、必要に応じてリポソームのサ
イズを調節することができる。
【0026】また、リポソーム化製剤中の薬物濃度は製
造時における薬物の配合量のほか、製造後に超遠心分離
等の濃縮工程または塩化ナトリウム水溶液等による希釈
工程を挿入することにより適宜調節することができる。
本発明のリポソーム化製剤の場合、1乃至30mg/m
Lの化合物Aを包含するように薬物濃度を調節すること
ができる。
【0027】化合物Aのように脂溶性が高い(試験例1
参照。)化合物は、該化合物を脂質の1成分とみなして
他の脂質と混合しリポソームを製造することにより、リ
ポソームに包含させることができる(D.D.Lasic、「lip
osomes: from basic to applications」、Elsevier Sci
ence Publishers、pp.261-471(1993)参照。)。脂溶
性化合物が期待通りリポソーム内に包含されているか、
あるいはリポソームから独立して凝集塊を形成し分散し
ているか、厳密に判断することは困難であるが、エクス
トルージョンの可否およびエクストルージョン後の化合
物の回収率から推定することができる。すなわち、エク
ストルージョン法によるサイズ調節時には、分散液が5
0乃至400nm程度の細孔を通過するが、脂溶性薬物
の凝集塊はこの細孔を通過することができず目詰まりを
起こしエクストルージョンが不可能となる(Moriら、Ph
arm. Res. 10、507-514(1993)参照。)。
【0028】本発明のリポソーム化製剤の投与量は、症
状、年齢、および、製剤中に含有される有効成分(化合
物A)の量によって異なるが、例えば、成人に対して1
日あたり、化合物Aとして0.1mg(好適には1m
g)乃至2000mg(好適には500mg)に相当す
る製剤を1回または数回にわけて静脈内または直接腫瘍
組織に投与することができる。また、治療に最適な化合
物Aの有効量を維持するために、連続的に投与すること
もできる。
【0029】
【実施例】以下、実施例および試験例により本発明をさ
らに詳細に説明する。ただし、これらは本発明を限定す
るものではない。なお、下記の例で使用した脂質は、コ
レステロールを除き全て川原油化(株)より購入した。
また、化合物Aの分子量は490.65、製造は特開平
5−194497記載の方法に従った。
【0030】[実施例1] 化合物Aを包含したリポソ
ームの製造 ジパルミトイルホスファチジルコリン(dipalmitoylpho
sphatidylcholine、DPPC)、ジミリストイルホスフ
ァチジルコリン(dimirystoylphosphatidylcholine、D
MPC)、コレステロール、ジパルミトイルホスファチ
ジルグリセロール(dipalmitoylphosphatidylglycero
l、DPPG)、ジミリストイルホスファチジルグリセ
ロール(dimirystoylphosphatidylglycerol、DMP
G)、ポリエチレングリコール部分の平均分子量が20
00のN−モノメトキシポリエチレングリコールサクシ
ニル−ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン
(N-monomethoxypoly(ethylene glycol) succinyl-dist
earoylphosphatidylethanolamine、PEG2000−D
SPE)、化合物A、および5重量%グルコース水溶液
を使用し、Banghamら(J. Mol. Biol. 8、660-668(196
4)参照。)の方法によりリポソームの粗分散液を得
た。処方例を表1に示す。また、これらの処方における
全脂質モル数に対する化合物Aのモル比を表2に示す。
これらのリポソームを以下、化合物Aリポソームとす
る。
【0031】
【表1】・処方例1 DPPC 30(μmol) コレステロール 40(μmol) DPPG 25(μmol) PEG2000−DSPE 5(μmol) 化合物A 5(mg) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 5重量%グルコース水溶液で2mLとした。
【0032】・処方例2 DPPC 30(μmol) コレステロール 40(μmol) DPPG 25(μmol) PEG2000−DSPE 5(μmol) 化合物A 10(mg) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 5重量%グルコース水溶液で2mLとした。
【0033】・処方例3 DPPC 30(μmol) コレステロール 40(μmol) DPPG 25(μmol) PEG2000−DSPE 5(μmol) 化合物A 15(mg) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 5重量%グルコース水溶液で2mLとした。
【0034】・処方例4 DPPC 30(μmol) コレステロール 40(μmol) DPPG 25(μmol) PEG2000−DSPE 5(μmol) 化合物A 20(mg) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 5重量%グルコース水溶液で2mLとした。
【0035】・処方例5 DPPC 30(μmol) コレステロール 40(μmol) DPPG 25(μmol) PEG2000−DSPE 5(μmol) 化合物A 30(mg) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 5重量%グルコース水溶液で2mLとした。
【0036】・処方例6 DMPC 65(μmol) DMPG 30(μmol) PEG2000−DSPE 5(μmol) 化合物A 10(mg) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 5重量%グルコース水溶液で2mLとした。
【0037】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 処方例 全脂質モル数に対する化合物Aのモル比(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 9 2 17 3 23 4 29 5 38 6 17 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 孔径50乃至200nmのポリカーボネート製メンブラ
ンフィルタ(野村マイクロサイエンス社)を装着したエ
クストルーダ(Liposofast-Basic、AVESTIN社製)を用
い、化合物Aリポソームの粗分散液を該メンブランを通
過させ(以下、所定サイズの孔径のポリカーボネート製
メンブランフィルタを装着したエクストルーダを用いた
リポソームのメンブラン通過を、所定サイズのエクスト
ルージョンという。)、化合物Aリポソームのエクスト
ージョンの可否を調べ、同時にそのサイズを調節した。
【0038】エクストルージョンの可否の検討結果を表
3に示す。この結果より、処方時の化合物A濃度を7.
5mg/mL以下とすることにより、エクストルージョ
ンが可能であることが示された。このエクストルージョ
ンが可能な化合物A濃度の上限は、使用する脂質の濃度
を高め分散液中の脂質量に対する化合物Aの比率を低下
させること、およびエクストルージョン後に遠心分離等
で濃縮すること等により、さらに高められることが容易
に推定されるが、以後の検討では、脂質濃度が50m
M、化合物A濃度が5.0mg/mLのリポソームを使
用した。
【0039】エクストルージョンを行った後の化合物A
リポソームの分散液を150mM塩化ナトリウム水溶液
で希釈することによって脂質濃度を約0.1mMとし、
粒子径測定機(Nicomp Particle Sizer Model 370、Nic
omp Particle Sizing Systems社製)を使用して体積平
均粒子径(volume-weighted diameter。以下、Dvとす
る。)および数平均粒子径を測定し、(1)式を用いて
多分散指数(polydispersity。以下、PDとする。)を
算出した。こうして求められたDvおよびPDの値を表
3に示す。
【0040】いずれのリポソームも粒子径分布が狭く平
均粒子径が50乃至200nmの範囲にあり、血中滞留
性および/または腫瘍組織への集積の適したサイズに調
節できたことを確認した。
【0041】 多分散指数=体積平均粒子径/数平均粒子径 (1)
【0042】
【表3】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 処方例 エクストルージョン 体積平均粒子径 多分散指数 番号 サイズ 可否 Dv(nm) PD −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 100nm ○ (未測定) 2 200nm ○ 179.1 1.25 2 100nm ○ 133.6 1.41 2 50nm ○ 111.0 1.36 3 100nm ○ (未測定) 4 100nm × (未測定) 5 100nm × (未測定) 6 50nm ○ 53.0 1.77 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− [比較例1] 中性界面活性剤による化合物Aの可溶化 医薬品添加物として静脈内投与可能な中性界面活性剤で
あるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60により化合物
Aの水溶液中への溶解性改善を試みたが、化合物Aを1
mg/mL溶解するのに必要なポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油の濃度は、50mg/mL以上と極めて高く、
毒性が問題にならない界面活性剤の使用量で治療に適し
た濃度の化合物Aを溶解することが不可能であることが
わかった。
【0043】[試験例1] 化合物Aの親水性/親油性
の評価 当業者周知の方法(A. Martinら、「Physical pharmacy
(3rd ed.)」、Lea &Febiger、pp.272-313(1983)参
照。)に従って求められたn−オクタノール/水溶液系
における化合物Aの分配係数は、水溶液相のpHが3乃
至7である場合に95乃至4300と、化合物Aはきわ
めて親油性が高いことがわかった。従って、化合物Aは
脂質成分に混合しリポソームに包含させることが妥当で
あると判断された。
【0044】[試験例2] 化合物Aの回収率の決定 リポソームの分散液を生理食塩水で希釈することによ
り、製造時の処方から計算される分散液中の総脂質濃度
を0.5mMとした。このリポソームの分散液100μ
Lに、pH4の酢酸緩衝液(0.83Mの酢酸と0.1
7Mの酢酸ナトリウムからなるもの。)100μLおよ
びメタノール800μLを加え、ボルテックスミキサー
を使用して10分間振とうし、遠心分離(1000g×
5min.)後の上清を、表4に示す条件にて逆相高速
液体クロマトグラフィーにより分析し、7.2乃至8m
in.で溶出される化合物Aの濃度を測定した。
【0045】
【表4】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 測定機 LC−10A(島津製作所社製) カラム YMC−A312(YMC社製) カラム温度 40℃ 検出波長 247nm 移動相 アセトニトリルと蒸留水の混合液 (体積比:3/7) 流速 1mL/min. インジェクション体積 20μL −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 化合物Aの回収率は、リポソーム製造時の処方から計算
される分散液中の化合物A濃度に対する、分散液中の実
際の化合物Aの濃度の割合として算出した。
【0046】こうして求められた化合物Aの回収率を表
5に示す。このように、処方に付した化合物Aは高い割
合でリポソームの分散液中に回収されることがわかっ
た。
【0047】
【表5】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 処方例 エクストルージョンのサイズ 回収率(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 2 200nm 72.1 2 100nm 77.6 2 50nm 99.5 6 50nm 97.5 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− [試験例3] 各種の化合物A製剤投与後の腫瘍中化合
物A濃度の測定 6週齢のCDF1マウスの皮下にマウス結腸ガンcol
on26を移植し、10乃至14日後に表6に示す処方
で製造した化合物A製剤を投与した。本発明の方法以外
に静脈内投与可能な製剤の製造は困難であったため、経
口投与用の懸濁製剤を対照とした。
【0048】静脈内投与に使用したリポソーム化製剤の
薬物投与量は50mg/kg、経口投与に使用した懸濁
製剤の薬物投与量は100mg/kgとした。各製剤を
投与して0.5乃至24時間後、マウスを脱血死させ腫
瘍組織を摘出し、その重量を測定した。この腫瘍組織に
0.5乃至3mLの150mL塩化ナトリウム水溶液を
加え、ホモジナイゼーションした。試験例2と同様にし
て測定した各ホモジネート中の化合物A濃度、および腫
瘍組織と添加した塩化ナトリウム水溶液との重量比から
算出した希釈度から腫瘍組織中の化合物A濃度を求め
た。
【0049】その結果、図1に示すように、リポソーム
化製剤を静脈内投与した場合、投与量が少ないにもかか
わらず懸濁製剤の経口投与の場合より腫瘍中の化合物A
の濃度が著しく高く、また高い化合物Aの濃度が長時間
維持されることがわかった。このように、リポソーム化
によって毒性の強い添加物を使用することなく化合物A
の静脈内投与が可能となり、化合物Aの腫瘍組織への蓄
積効率が高まることが示された。さらにこの結果は、上
記の試験例2で求められた化合物Aの回収率が実用面で
の要求を満たすレベルであることを示す。
【0050】
【表6】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 製剤 製造方法および物性値 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− リポソーム 処方例2と同様に製造した。 Dv=187.3nm、PD=1.47 化合物A濃度=11.25mg/mL −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 懸濁液 200mgの化合物Aを1mLのジメチルアセトアミドに溶解し 、10重量%の非イオン性界面活性剤(EL−620。ローヌプーラン・ジャパ ン(株))を含む150mM塩化ナトリウム水溶液で40倍希釈し懸濁液とした 。化合物A濃度=5mg/mL。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0051】
【発明の効果】従来、脂溶性の高い薬物を高濃度にリポ
ソームに包含させることは難しいと考えられていたが、
本発明において、脂溶性の高い薬物に属する化合物Aを
従来にない高濃度に包含するリポソーム化製剤が得られ
た。本発明における化合物Aのリポソーム化製剤は、化
合物Aの静脈内投与を可能とし、更に、静脈内に投与す
ると化合物Aの高い血中濃度を持続し、かつ、化合物A
を効率的に腫瘍組織に送達し蓄積させることを可能とす
る製剤として有用性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】腫瘍中の化合物A濃度の経時変化図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蔵方 慎一 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 松田 彰 北海道札幌市北区北24条西12丁目1−7− 501 (72)発明者 佐々木 琢磨 石川県金沢市泉野町4丁目12−5−401

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1−(2−C−シアノ−2−デオキシ−β
    −D−アラビノ−ペントフラノシル)−N4−パルミト
    イルシトシンを含有することを特徴とするリポソーム化
    製剤。
  2. 【請求項2】リポソーム構成成分として水溶性高分子鎖
    を有する脂質を含有することを特徴とする請求項1に記
    載のリポソーム化製剤。
  3. 【請求項3】水溶性高分子鎖を有する脂質が、ポリエチ
    レングリコール部分の平均分子量が1000乃至500
    0のN−モノメトキシポリエチレングリコールサクシニ
    ル−ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホ
    スファチジルエタノールアミンである請求項2に記載の
    リポソーム化製剤。
  4. 【請求項4】リポソームを構成する脂質が、ジ(C
    10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホスファチジ
    ルコリン、コレステロール、ジ(C10-18アルカノイル
    またはアルケノイル)ホスファチジルグリセロール及び
    ポリエチレングリコール部分の平均分子量が1000乃
    至5000のN−モノメトキシポリエチレングリコール
    サクシニル−ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケノ
    イル)ホスファチジルエタノールアミンからなる請求項
    1に記載のリポソーム化製剤。
  5. 【請求項5】リポソームを構成する脂質が、ジ(C
    10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホスファチジ
    ルコリン(総脂質に対して20乃至80モル%)、コレ
    ステロール(総脂質に対して20乃至60モル%)、ジ
    (C10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホスファ
    チジルグリセロール(総脂質に対して5乃至40モル
    %)及びポリエチレングリコール部分の平均分子量が1
    000乃至5000のN−モノメトキシポリエチレング
    リコールサクシニル−ジ(C10-18アルカノイルまたは
    アルケノイル)ホスファチジルエタノールアミン(総脂
    質に対して1乃至10モル%)からなる請求項1に記載
    のリポソーム化製剤。
  6. 【請求項6】リポソームを構成する脂質が、ジパルミト
    イルホスファチジルコリン(総脂質に対して30モル
    %)、コレステロール(総脂質に対して40モル%)、
    ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(総脂質に
    対して25モル%)、ポリエチレングリコール部分の平
    均分子量が2000のN−モノメトキシポリエチレング
    リコールサクシニル−ジステアロイルホスファチジルエ
    タノールアミン(総脂質に対して5モル%)からなる請
    求項1に記載のリポソーム化製剤。
  7. 【請求項7】リポソームを構成する脂質が、ジ(C
    10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホスファチジ
    ルコリン、ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケノイ
    ル)ホスファチジルグリセロール及びポリエチレングリ
    コール部分の平均分子量が1000乃至5000のN−
    モノメトキシポリエチレングリコールサクシニル−ジ
    (C10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホスファ
    チジルエタノールアミンからなる請求項1に記載のリポ
    ソーム化製剤。
  8. 【請求項8】リポソームを構成する脂質が、ジ(C
    10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホスファチジ
    ルコリン(総脂質に対して60乃至90モル%)、ジ
    (C10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホスファ
    チジルグリセロール(総脂質に対して5乃至40モル
    %)及びポリエチレングリコール部分の平均分子量が1
    000乃至5000のN−モノメトキシポリエチレング
    リコールサクシニル−ジ(C10-18アルカノイルまたは
    アルケノイル)ホスファチジルエタノールアミン(総脂
    質に対して1乃至10モル%)からなる請求項1に記載
    のリポソーム化製剤。
  9. 【請求項9】リポソームを構成する脂質が、ジミリスト
    イルホスファチジルコリン(総脂質に対して65モル
    %)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(総
    脂質に対して30モル%)、ポリエチレングリコール部
    分の平均分子量が2000のN−モノメトキシポリエチ
    レングリコールサクシニル−ジステアロイルホスファチ
    ジルエタノールアミン(総脂質に対して5モル%)から
    なる請求項1に記載のリポソーム化製剤。
  10. 【請求項10】リポソームの体積平均粒子径が50乃至
    400nmであることを特徴とする請求項1乃至9のい
    ずれかに記載のリポソーム化製剤。
  11. 【請求項11】請求項1ないし10に記載のリポソーム
    化製剤を介して1−(2−C−シアノ−2−デオキシ−
    β−D−アラビノ−ペントフラノシル)−N4−パルミ
    トイルシトシンを腫瘍組織に送達する方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1319520C (zh) * 2005-02-03 2007-06-06 上海交通大学 核苷膦酸类化合物的脂质体和脂质复合物制剂

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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