JPH11171772A - 抗腫瘍薬のリポソーム化製剤 - Google Patents

抗腫瘍薬のリポソーム化製剤

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JPH11171772A
JPH11171772A JP34100097A JP34100097A JPH11171772A JP H11171772 A JPH11171772 A JP H11171772A JP 34100097 A JP34100097 A JP 34100097A JP 34100097 A JP34100097 A JP 34100097A JP H11171772 A JPH11171772 A JP H11171772A
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JP
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mol
liposome
lipid
total lipid
cholesterol
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JP34100097A
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English (en)
Inventor
Yuji Kasuya
裕司 粕谷
Junichi Okada
純一 岡田
Kenji Hanaoka
健司 花岡
Shinichi Kurakata
慎一 蔵方
Akira Matsuda
彰 松田
Takuma Sasaki
琢磨 佐々木
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Sankyo Co Ltd
Original Assignee
Sankyo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、抗腫瘍薬である1−(2−C−シア
ノ−2−デオキシ−β−D−アラビノ−ペントフラノシ
ル)シトシンを含有するリポソーム化製剤を提供する。 【解決手段】リポソームを構成する脂質として、コレス
テロールを必須の成分として含有し、他の成分としてジ
(C10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホスファ
チジルコリン、ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケ
ノイル)ホスファチジルグリセロール及び/またはポリ
エチレングリコール部分の平均分子量が1000乃至5
000のN−モノメトキシポリエチレングリコールサク
シニル−ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケノイ
ル)ホスファチジルエタノールアミンを含有するリポソ
ーム化製剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、1−(2−C−シ
アノ−2−デオキシ−β−D−アラビノ−ペントフラノ
シル)シトシンを効率的に腫瘍組織に蓄積させることを
可能とするリポソーム化製剤に関する。
【0002】
【従来の技術】1−(2−C−シアノ−2−デオキシ−
β−D−アラビノ−ペントフラノシル)シトシン(1-(2
-C-cyano-2-deoxy-β-D-arabino-pentofuranosyl)cytos
ine。以下、CNDACとする。)は、該水溶液の経口
投与により優れた抗腫瘍活性を有する( Azumaら、J. M
ed. Chem. 36、4183-4189(1993)/特開平4−235
182参照。)ものの、抗腫瘍効果の増強および副作用
の低減のため,腫瘍組織への移行率(選択性)を高める
べく剤形の改善が望まれていた。
【0003】一般的に、腫瘍組織近傍の血管は正常組織
より物質透過性が高く、通常では血管外に漏出しない高
分子量の化合物やリポソーム等の微粒子が漏出する(Y.
Matsumuraら、Cancer Res. 46, 6387-6392(1986)/
D. D. Lasic とF. Martin(編)、「Stealth Liposome
s」、CRC Press、pp119-126(1995)参照。)。また、
リンパ組織が未発達であるため、漏出した物質は再度循
環系に移行しにくい。特にサイズの大きな物質は漏出後
拡散しにくいので、この傾向が顕著である(Y. Matsumu
raら、Cancer Res. 46, 6387-6392(1986)参照。)。
従って、水溶性の高分子や微粒子をキャリヤーとして血
管内に投与することにより腫瘍組織への薬物のターゲテ
ィングが可能であると考えられる。
【0004】リポソームは、生体適合性に優れ、表面物
性やサイズ等の制御が容易であり、物性の異なる種々の
化合物を包含しうる等の点から、薬物のターゲティング
に利用することができる(D.D.Lasic、「Liposomes: fr
om basic to applications」、Elsevier Science Publi
shers、pp.261-471(1993)参照。)。しかしながら、
実際上リポソームへの薬物の包含効率が低く実用的でな
いなどの問題点があり、これまで抗腫瘍剤としてはドキ
ソルビシンのリポソーム化製剤等のごく一部の成功例し
かない(D. D. Lasic、Nature 380、561-562(199
6))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、CNDA
Cを効率的に腫瘍組織へ蓄積させることが可能な製剤が
求められていた。リポソーム化製剤とすることはこのた
めの有効な手段と考えられるが、CNDACのリポソー
ム化製剤について報告例はなく、包含特性も未知であっ
た。
【0006】発明者等は、リポソームへのCNDACの
包含にはコレステロールが決定的な役割を果たすことを
見出し、リポソームを構成する全脂質成分に対するコレ
ステロールの割合が10乃至60mol%とすることに
よりCNDACのリポソーム化製剤が製造できることを
示した。さらに、リポソーム化製剤の静脈内投与によ
り、通常の溶液製剤の静脈内投与を陵駕する腫瘍中薬物
濃度が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)CND
ACまたはその薬理上許容される塩を含有することを特
徴とするリポソーム化製剤、(2)リポソーム構成成分
としてコレステロールを含有することを特徴とする
(1)に記載のリポソーム化製剤、(3)リポソームを
構成する全脂質成分に対するコレステロールの割合が1
0乃至60モル%であることを特徴とする(1)または
(2)に記載のリポソーム化製剤、(4)リポソーム構
成成分として水溶性高分子鎖を有する脂質を含有するこ
とを特徴とする(2)に記載のリポソーム化製剤、
(5)水溶性高分子鎖を有する脂質がポリエチレングリ
コール部分の平均分子量が1000乃至5000のN−
モノメトキシポリエチレングリコールサクシニル−ジ
(C10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホスファ
チジルエタノールアミンである(4)に記載のリポソー
ム化製剤、(6)リポソームを構成する脂質が、ジ(C
10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホスファチジ
ルコリン、ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケノイ
ル)ホスファチジルグリセロール、コレステロールから
なる(1)に記載のリポソーム化製剤、(7)リポソー
ムを構成する脂質が、ジ(C10-18アルカノイルまたは
アルケノイル)ホスファチジルコリン(総脂質に対して
20乃至70モル%)、ジ(C10-18アルカノイルまた
はアルケノイル)ホスファチジルグリセロール(総脂質
に対して10乃至40モル%)、コレステロール(総脂
質に対して10乃至60モル%)からなる(1)に記載
のリポソーム化製剤、(8)リポソームを構成する脂質
が、ジラウロイルホスファチジルコリン(総脂質に対し
て30モル%)、ジラウロイルホスファチジルグリセロ
ール(総脂質に対して30モル%)、コレステロール
(総脂質に対して40モル%)からなる(1)に記載の
リポソーム化製剤、(9)リポソームを構成する脂質
が、ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホ
スファチジルコリン、ジ(C10-18アルカノイルまたは
アルケノイル)ホスファチジルグリセロール、ポリエチ
レングリコール部分の平均分子量が1000乃至500
0のN−モノメトキシポリエチレングリコールサクシニ
ル−ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホ
スファチジルエタノールアミン、コレステロールからな
る(1)に記載のリポソーム化製剤、(10)リポソー
ムを構成する脂質が、ジ(C10-18アルカノイルまたは
アルケノイル)ホスファチジルコリン(総脂質に対して
20乃至70モル%)、ジ(C10-18アルカノイルまた
はアルケノイル)ホスファチジルグリセロール(総脂質
に対して10乃至40モル%)、ポリエチレングリコー
ル部分の平均分子量が1000乃至5000のN−モノ
メトキシポリエチレングリコールサクシニル−ジ(C
10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホスファチジ
ルエタノールアミン(総脂質に対して1乃至10モル
%)、コレステロール(総脂質に対して10乃至60モ
ル%)からなる(1)に記載のリポソーム化製剤、(1
1)リポソームを構成する脂質が、ジパルミトイルホス
ファチジルコリン(総脂質に対して30モル%)、ジパ
ルミトイルホスファチジルグリセロール(総脂質に対し
て25モル%)、ポリエチレングリコール部分の平均分
子量が2000のN−モノメトキシポリエチレングリコ
ールサクシニル−ジステアロイルホスファチジルエタノ
ールアミン(総脂質に対して5モル%)、コレステロー
ル(総脂質に対して40モル%)からなる(1)に記載
のリポソーム化製剤、(12)リポソームを構成する脂
質が、ジミリストイルホスファチジルコリン(総脂質に
対して30モル%)、ジミリストイルホスファチジルグ
リセロール(総脂質に対して25モル%)、ポリエチレ
ングリコール部分の平均分子量が2000のN−モノメ
トキシポリエチレングリコールサクシニル−ジステアロ
イルホスファチジルエタノールアミン(総脂質に対して
5モル%)、コレステロール(総脂質に対して40モル
%)からなる(1)に記載のリポソーム化製剤、(1
3)リポソームを構成する脂質が、ジラウロイルホスフ
ァチジルコリン(総脂質に対して30モル%)、ジラウ
ロイルホスファチジルグリセロール(総脂質に対して2
5モル%)、ポリエチレングリコール部分の平均分子量
が2000のN−モノメトキシポリエチレングリコール
サクシニル−ジステアロイルホスファチジルエタノール
アミン(総脂質に対して5モル%)、コレステロール
(総脂質に対して40モル%)からなる(1)に記載の
リポソーム化製剤、(14)リポソームの体積平均粒子
径が50乃至400nmであることを特徴とする(1)
乃至(13)に記載のリポソーム化製剤、(15)
(1)ないし(14)に記載のリポソーム化製剤を介し
てCNDACまたはその薬理上許容される塩を腫瘍組織
に送達する方法、からなる。
【0008】上記の発明において、「リポソーム」と
は、当業者周知の通り(D.D.Lasic、「liposomes: from
basic to applications」、Elsevier Science Publish
ers、pp.1-171(1993)参照。)、膜状に集合した脂質
および内部の水相から構成される閉鎖小胞を意味する。
【0009】「リポソーム化製剤」とは、内部に薬物を
包含させたリポソームの水中分散型製剤を意味し、該薬
物はリポソームを構成する膜状に集合した脂質相に包含
されていてもよくリポソーム内部の水相に包含されてい
てもよい。
【0010】本発明において使用するリポソームの直径
(「体積平均粒子径」)としては、静脈内投与後の血中
滞留性および/または腫瘍組織への集積性が高い50乃
至400nmが望ましく、より好適には50乃至100
nmである(A.L.Klibanovら、Biochim. Biophys. Acta
1062, 142-148(1991)及びD.D.Lasic、「liposomes:
from basic to applications」、Elsevier Science Pub
lishers、pp.261-471(1993)参照)。リポソームの
「体積平均粒子径」は、動的光散乱法等の原理に基づき
求めることができる(D.D.Lasic、「liposomes: from b
asic to applications」、Elsevier Science Publisher
s、pp.1-171(1993)参照)。
【0011】上記「リポソーム」及び「リポソーム化製
剤」の定義において、脂質とは、グリセロリン脂質、グ
リセロ糖脂質、スフィンゴリン脂質、スフィンゴ糖脂
質、ステロール類、炭素数10乃至20のアルキル、ア
ルケニル、アルカノイルまたはアルケノイル鎖を有する
合成有機化合物等の群から選ばれる化合物を意味する。
グリセロリン脂質とは、ホスファチジルコリン、ホスフ
ァチジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、
ホスファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミ
ン、N−モノメトキシポリエチレングリコールサクシニ
ルホスファチジルエタノールアミン等を意味し、グリセ
ロ糖脂質とは、ジガラクトシルジグリセリド、ガラクト
シルジグリセリド等を意味し、スフィンゴリン脂質と
は、スフィンゴミエリン等を意味し、スフィンゴ糖脂質
とは、セレブロシド、ガングリオシド等を意味しステロ
ール類とは、コレステロール、コレステロールヘミサク
シネート、3β−[N−(N’、N’−ジメチルアミノ
エタン)−カルバモイル]−コレステロール、エルゴス
テロール、ラノステロール等を意味し、炭素数10乃至
20のアルキル、アルケニル、アルカノイルまたはアル
ケノイル鎖を有する合成有機化合物とは、ステアリン
酸、ステアリルアミン、ステアリン酸ヒドラジド、ステ
アリン酸エステル、N−[1−(2、3−ジオレイルオ
キシ)プロピル]−N、N、N−トリメチルアンモニウ
ムクロライド、N−α−トリメチルアンモニオアセチル
ドデシル−D−グルタメートクロライド、O−パルミト
イルプルラン等を意味する。
【0012】ここで、ホスファチジルコリン、ホスファ
チジルグリセロール、ホスファチジルイノシトール、ホ
スファチジルセリン、ホスファチジルエタノールアミ
ン、スルホキシリボシルジグリセリド、ジガラクトシル
ジグリセリド、ガラクトシルジグリセリド、スフィンゴ
ミエリン、セレブロシド、ガングリオシド、N−モノメ
トキシポリエチレングリコールサクシニルホスファチジ
ルエタノールアミン等は各々二本ずつ飽和または不飽和
の脂肪酸エステル鎖を有するが、その脂肪酸(アルカノ
イルまたはアルケノイル基)部分の炭素数が10乃至1
8の脂質をリポソーム構成成分として使用することがで
きる。「C10-18アルカノイルまたはアルケノイル」基
としては、デシリル、ウンデシリル、ラウロイル、トリ
デシリル、ミリストイル、ペンタデシリル、パルミトイ
ル、ヘプタデシリル、ステアロイル、オレオイル基等を
挙げることができるが、これらのうち好適なものはラウ
ロイル、ミリストイル、パルミトイル及びステアロイル
基である。
【0013】これらの試薬(脂質等)は、購入すること
ができる。また、卵黄レシチンおよび大豆レシチン等の
ように、通常種々の炭素数および/または不飽和度の脂
肪酸エステル鎖を有する脂質が混合した状態で入手でき
るものは、これらを単一成分に分離精製することなく使
用することができる。
【0014】さらに、上記(3)に記載したように、
「水溶性高分子鎖を有する脂質」をリポソーム構成成分
として使用することにより、血中滞留性、腫瘍組織への
集積特性が特に優れた修飾リポソームを製造することが
できる(例えば、D.D.LasicとF.Martin(編)、「Steal
th liposomes」、CRC Press、pp.103-117(1995)参
照。)。「水溶性高分子鎖」としてはポリエチレングリ
コール(PEG)、ポリアクリルアミド、プルランのよ
うな多糖類等をあげることができる。「水溶性高分子鎖
を有する脂質」としては、例えばN−モノメトキシポリ
エチレングリコールサクシニルホスファチジルエタノー
ルアミン、O−(C10-18アルカノイルまたはアルケノ
イル)プルラン、N−(C10-18アルカノイルまたはア
ルケノイル)ポリアクリルアミド等をあげることができ
るが、好適にはPEG部分の平均分子量が1000乃至
5000のN−モノメトキシポリエチレングリコールサ
クシニル−ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケノイ
ル)ホスファチジルエタノールアミンまたはO−パルミ
トイルプルランであり、最も好適にはPEG部分の平均
分子量が2000のN−モノメトキシポリエチレングリ
コールサクシニル−ジステアロイルホスファチジルエタ
ノールアミンである。
【0015】また、必要に応じて抗酸化作用等を目的と
して、α−トコフェロール等の添加物を脂質構成成分と
して使用することができる。
【0016】リポソーム内部を構成する水相には、通
常、塩化ナトリウム水溶液、緩衝液(リン酸緩衝液、酢
酸緩衝液等)、単糖類若しくは二糖類の水溶液(グルコ
ース水溶液、トレハロース水溶液等)を使用することが
でき、好適にはグルコース水溶液またはトレハロース水
溶液である(D.D.LasicとF.Martin(編)、「Stealth l
iposomes」、CRC Press、pp.103-117(1995)参
照。)。
【0017】ところで、コレステロールはリポソームの
構造を強固にする役割を果たすため、従来では専らリポ
ソームの構造安定性および包含した薬物の漏出を抑制す
るために配合されるのみであり(D.D.Lasic、「Liposom
es: from basic to applications」、Elsevier Science
Publishers、pp.1-171およびpp.261-471(1993)参
照。)、薬物の包含効率そのものを高めるために配合さ
れることはなかった。
【0018】CNDACは分子内に塩基性のアミノ基を
有するので薬理上許容される酸成分と結合して「薬理上
許容される塩」を形成することができる。「薬理上許容
される塩」としては、例えば特開平4−235182号
に記載されたものを挙げることができるが、本発明にお
いて好適なものは塩酸塩である。
【0019】また、CNDACおよびその薬理上許容さ
れる塩は、その製造工程で溶媒和物または水和物を形成
したり、保存中に水和物を形成することがあるが、それ
らの溶媒和物及び水和物も本発明の製剤の有効成分であ
る「CNDACまたはその薬理上許容される塩」に含ま
れる。
【0020】上記に挙げた脂質の群の中で、保存時およ
び生体中でのリポソームの形態安定性、物質透過性、対
象とする薬物の包含特性、およびリポソームの体内動態
特性等を考慮し、種々の脂質の種類および混合比が選択
される。
【0021】リポソームを構成する脂質の組成(脂質成
分および各脂質成分の総脂質に対するモル比)として
は、例えば、以下の(A)または(B)の組成を挙げる
ことができる。
【0022】 (A) DAPC (20乃至70モル%、好適には30モル%) DAPG (10乃至40モル%、好適には30モル%) コレステロール (10乃至60モル%、好適には40モル%) (B) DAPC (20乃至70モル%、好適には30モル%) DAPG (10乃至40モル%、好適には25モル%) PEG−DAPE ( 1乃至10モル%、好適には 5モル%) コレステロール (10乃至60モル%、好適には40モル%) 上記の組成において、DAPCはジ(C10-18アルカノ
イルまたはアルケノイル)ホスファチジルコリンを示
し、DAPGはジ(C10-18アルカノイルまたはアルケ
ノイル)ホスファチジルグリセロールを示し、PEG−
DAPEはポリエチレングリコール部分の平均分子量が
1000乃至5000のN−モノメトキシポリエチレン
グリコールサクシニル−ジ(C10-18アルカノイルまた
はアルケノイル)ホスファチジルエタノールアミンを示
す。
【0023】これらのうち好適な組成は(A)または
(B)の組成であり、更に好適な組成は以下に示す
(a)乃至(d)の組成である。
【0024】 (a) DLPC (20乃至70モル%、好適には30モル%) DLPG (10乃至40モル%、好適には30モル%) コレステロール (10乃至60モル%、好適には40モル%) (b) DPPC (20乃至70モル%、好適には30モル%) DPPG (10乃至40モル%、好適には25モル%) PEG2000−DSPE ( 1乃至10モル%、好適には 5モル%) コレステロール (10乃至60モル%、好適には40モル%) (c) DMPC (20乃至70モル%、好適には30モル%) DMPG (10乃至40モル%、好適には25モル%) PEG2000−DSPE ( 1乃至10モル%、好適には 5モル%) コレステロール (10乃至60モル%、好適には40モル%) (d) DLPC (20乃至70モル%、好適には30モル%) DLPG (10乃至40モル%、好適には25モル%) PEG2000−DSPE ( 1乃至10モル%、好適には 5モル%) コレステロール (10乃至60モル%、好適には40モル%) なお、上記の組成においてDLPCはジラウロイルホス
ファチジルコリン(dilauroylphosphatidylcholine)を
示し、DLPGはジラウロイルホスファチジルグリセロ
ール(dilauroylphsphatidylglycerol)を示し、DPP
Cはジパルミトイルホスファチジルコリン(dipalmitoy
lphosphatidylcholine)を示し、DPPGはジパルミト
イルホスファチジルグリセロール(dipalmitoylphospha
tidylglycerol)を示し、DMPCはジミリストイルホ
スファチジルコリン(dimirystoylphosphatidylcholin
e)を示し、DMPGはジミリストイルホスファチジル
グリセロール(dimirystoylphosphatidylglycerol)を
示し、PEG2000−DSPEはポリエチレングリコ
ール部分の分子量が約2000のN−モノメトキシポリ
エチレングリコールサクシニル−ジステアロイルホスフ
ァチジルエタノールアミン(N-monomethoxypoly (ethy
leneglycol) succinyl-distearoylphosphatidyl ethan
olamine)を示す。
【0025】化合物Aを含有するリポソーム化製剤とし
て好適なものは、以下の処方例A乃至Dを用いて[実施
例1]で述べる方法で製造されるものである。
【0026】処方例A DLPC 90(μmol) DLPG 90(μmol) コレステロール 120(μmol) CNDAC塩酸塩 1乃至20(mg) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 5重量%グルコース水溶液で2mLとした。
【0027】処方例B DPPC 90(μmol) DPPG 75(μmol) PEG2000−DSPE 15(μmol) コレステロール 120(μmol) CNDAC塩酸塩 1乃至20(mg) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 5重量%グルコース水溶液で2mLとした。
【0028】処方例C DMPC 90(μmol) DMPG 75(μmol) PEG2000−DSPE 15(μmol) コレステロール 120(μmol) CNDAC塩酸塩 1乃至20(mg) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 5重量%グルコース水溶液で2mLとした。
【0029】処方例D DLPC 90(μmol) DLPG 75(μmol) PEG2000−DSPE 15(μmol) コレステロール 120(μmol) CNDAC塩酸塩 1乃至20(mg) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 5重量%グルコース水溶液で2mLとした。
【0030】
【発明の実施の形態】リポソームは、当業者周知の方法
に従い製造し、サイズを調節することができる。すなわ
ち、上記で選ばれた脂質および塩化ナトリウム水溶液、
緩衝液、グルコース水溶液等を水相として用い、薄膜
法、逆相蒸発法、エタノール注入法、エーテル注入法、
脱水−再水和法等により製造でき、超音波照射法、凍結
融解後の超音波照射法、エクストルージョン法、フレン
チプレス法、ホモジナイゼーション法等の方法によりサ
イズが調節できる(D.D.Lasic、「Liposomes: from bas
icto applications」、Elsevier Science Publishers、
pp.1-171(1993)参照。)。本発明においても、これら
の方法に従いリポソームを製造し、必要に応じてリポソ
ームのサイズを調節することができる。
【0031】また、リポソーム化製剤中の薬物濃度は製
造時における薬物の配合量のほか、製造後に超遠心分離
等の濃縮工程または塩化ナトリウム水溶液等による希釈
工程を挿入することにより適宜調節することができる。
本発明のリポソーム化製剤の場合、塩酸塩として1乃至
15mg/mLのCNDACを包含するように薬物濃度
を調節することができる。
【0032】CNDACのように水溶性が高い(試験例
1参照。)化合物は、該化合物をあらかじめ溶解した水
相を用いてリポソームを製造することにより、リポソー
ムに包含させることができる(D.D.Lasic、「Liposome
s: from basic to applications」、Elsevier Science
Publishers、pp.261-471(1993)参照。)。
【0033】本発明のリポソーム化製剤の投与量は、症
状、年齢、および、製剤中に含有される有効成分(CN
DAC)の量によって異なるが、例えば、成人に対して
1日あたり、CNDACとして0.1mg(好適には1
mg)乃至1000mg(好適には500mg)に相当
する製剤を1回または数回にわけて静脈内または直接腫
瘍組織に投与することができる。また、治療に最適なC
NDACの有効量を維持するために、連続的に投与する
こともできる。
【0034】
【実施例】以下、実施例および試験例により本発明をさ
らに詳細に説明する。ただし、これらは本発明を限定す
るものではない。なお、下記の例で使用した脂質は、コ
レステロールを除き全て川原油化(株)より購入した。
また、CNDAC塩酸塩は、特開平4−235182号
に記載の方法により製造した。
【0035】[実施例1] CNDACを包含したリポ
ソームの製造 ジパルミトイルホスファチジルコリン(dipalmitoylpho
sphatidylcholine、DPPC)、ジパルミトイルホスフ
ァチジルグリセロール(dipalmitoylphosphatidylglyce
rol、DPPG)、ジミリストイルホスファチジルコリ
ン(dimyristoylphosphatidylcholine、DMPC)、ジ
ミリストイルホスファチジルグリセロール(dimiristoy
lphsphatidylglycerol、DMPG)、ジラウロイルホス
ファチジルコリン(dilauroylphosphatidylcholine、D
LPC)、ジラウロイルホスファチジルグリセロール
(dilauroylphsphatidylglycerol、DLPG)、コレス
テロール、ポリエチレングリコール部分の分子量が約2
000のN−モノメトキシポリエチレングリコールサク
シニル−ジステアロイルホスファチジルエタノールアミ
ン(N-monomethoxypoly(ethylene glycol) succinyl-di
stearoylphosphatidylethanolamine、PEG2000−
DSPE)、CNDAC塩酸塩、および5重量%グルコ
ース水溶液を使用し、Banghamら(J. Mol. Biol. 8、66
0-668(1964)参照。)の方法により多重層リポソーム
の粗分散液を得た。処方例を表1に示す。これらのリポ
ソームを以下、CNDACリポソームとする。
【0036】
【表1】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 処方 脂質組成(数字は使用した脂質のμmol数を表す。) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 処方1 DLPC/DLPG/コレステロール =90/90/120 処方2 DPPC/DPPG/PEG2000−DSPE/コレステロール =90/75/15/120 処方3 DMPC/DMPG/PEG2000−DSPE/コレステロール =90/75/15/120 処方4 DLPC/DLPG/PEG2000−DSPE/コレステロール =90/75/15/120 処方5 DLPC/DLPG =150/150 処方6 DPPC/DPPG/PEG2000−DSPE =210/75/15 処方7 DMPC/DMPG/PEG2000−DSPE =210/75/15 処方8 DLPC/DLPG/PEG2000−DSPE =210/75/15 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 各処方において、脂質に20mgのCNDAC塩酸塩を
含む5重量%グルコース水溶液1.5mLを加え、さら
に5重量%グルコースを加えて全体を2mLとした。
【0037】孔径50乃至200nmのポリカーボネー
ト製メンブランフィルタ(野村マイクロサイエンス社)
を装着したエクストルーダ(Liposofast-Basic。AVESTI
N社製)を用い、CNDACリポソームの粗分散液を通
過させる(以下、所定サイズの孔径のポリカーボネート
製メンブランフィルタを装着したエクストルーダを用い
たリポソームのメンブラン通過を、所定サイズのエクス
トルージョンという。)ことにより、リポソームのサイ
ズを調節した。
【0038】CNDACの包含率(試験例2参照。)が
高かったコレステロールを含有するCNDACリポソー
ムの分散液を150mM塩化ナトリウム水溶液で希釈す
ることによって脂質濃度を約0.1mMとし、粒子径測
定機(Nicomp Particle Sizer Model 370、Nicomp Part
icle Sizing Systems社製)を使用して体積平均粒子径
(volume-weighted diameter。以下、Dvとする。)お
よび数平均粒子径を測定し、(1)式を用いて多分散指
数(polydispersity。以下、PDとする。)を算出し
た。こうして求められたDvおよびPDの値を表4に示
す。コレステロールを含有するいずれのリポソームも粒
子径分布が狭く平均粒子径が50乃至400nmの範囲
にあり、血中滞留性および/または腫瘍組織への集積の
適したサイズに調節できたことを確認した。
【0039】 多分散指数=体積平均粒子径/数平均粒子径 (1)
【0040】
【表2】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 処方番号 エクストルージョン 体積平均粒子径 多分散指数 サイズ 可否 Dv(nm) PD −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 50nm 可 80.3 1.28 2 50nm 可 103.4 1.20 100nm 可 144.2 1.50 200nm 可 178.4 1.27 3 50nm 可 95.4 1.38 4 50nm 可 88.6 1.24 200nm 可 207.6 1.56 5 50nm 可 (未測定) 6 50nm 可 (未測定) 7 50nm 可 (未測定) 8 50nm 可 (未測定) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− [試験例1] CNDACの親水性/親油性の評価 当業者周知の方法(A. Martinら、「Physical pharmacy
(3rd ed.)」、Lea &Febiger、pp.272-313(1983)参
照。)に従って求められたn−オクタノール/水溶液系
におけるCNDACの分配係数は、水溶液相のpHが3
乃至7である場合に0.0003乃至0.03と、CN
DACはきわめて親水性が高いことがわかった。従っ
て、CNDACは水相に溶解しリポソームに包含させる
ことが妥当であると判断された。
【0041】[試験例2] リポソームへのCNDAC
の包含率の決定 CNDACリポソームの分散液を生理食塩水で希釈する
ことにより、製造時の処方から計算される分散液中の脂
質濃度を0.5mMとした。この分散液100μLを、
分散液中に含まれる全CNDAC濃度を測定するための
試料とした。また、この分散液1mLを超遠心分離(1
40000g×20min.)によりリポソームを沈殿
させることによって得た上清100μLを、包含されな
かったCNDAC濃度を測定するための試料とした。
【0042】これらのCNDAC濃度測定のための試料
100μLに、蒸留水150μL、メタノール250μ
L、およびクロロホルム250μLを加え、ボルテック
スミキサーを使用して10分間振とうし、遠心分離(1
000g×5min.)することにより系を2層に分離
させた。この上層を、表3に示す条件にて逆相高速液体
クロマトグラフィーにより分析し、5min.で溶出さ
れるCNDACの濃度を測定した。
【0043】
【表3】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 測定機 LC−10A(島津製作所社製) カラム 5C18−AR(Waters社製) カラム温度 40℃ 検出波長 271nm 移動相 アセトニトリル/蒸留水/イオンペア試薬* =21/979/1(体積比) 流速 1mL/min インジェクション体積 10μL −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− イオンペア試薬*は、Pic B7(Waters社)を使用した。
【0044】リポソームへのCNDACの包含率は、C
NDACの分散液中の全濃度Ctおよび上清中濃度Cs
次式に代入することにより算出した。
【0045】 包含率 = (1−Cs/Ct)×100(%) (2) こうして求められた、各種のリポソームへのCNDAC
の包含率を表4に示す。このように、リポソームにコレ
ステロールを配合した処方1乃至4においてはCNDA
Cがリポソームに包含されたが、コレステロールを配合
しなかった処方5乃至8においてはCNDACがリポソ
ームに包含されなかった。
【0046】
【表4】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− リポソーム処方 エクストルージョンのサイズ 包含率(%) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 1 50nm 15 2 50nm 18 100nm 35 200nm 35 3 50nm 23 4 50nm 25 200nm 35 5 50nm 0 6 50nm 0 7 50nm 1 8 50nm 1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− [試験例3] 各種の製剤投与後の腫瘍中CNDAC濃
度の測定 実施例1に記載の方法に従い、200mLナス型フラス
コを使用し、表5に示す処方にてCNDACリポソーム
を製造した。100nmのエクストルージョンの後、こ
のリポソーム分散液を超遠心分離(140000G×2
0min.)し、上清を除去して未封入のCNDACを
除去した。分散液の総量が50mLとなるように150
mM塩化ナトリウム水溶液を加え分散液が均一になるま
で撹袢し、リポソーム化製剤を得た。体積平均粒子径、
多分散指数はそれぞれ133.6nmおよび1.41で
あった。また、分散液中のCNDAC濃度は4.8mg
/mL、製造時の処方から計算される脂質濃度は205
mMであった。
【0047】また、CNDACの水溶液製剤は、CND
AC濃度が4.8mg/mLとなるようにCNDACを
150mM塩化ナトリウム水溶液に溶解して製造した。
【0048】
【表5】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 脂質組成(数字は使用した脂質のμmol数を表す。) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 処方 DPPC/DPPG/PEG2000−DSPE/コレステロール =3150/2625/525/4200 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 700mgのCNDAC塩酸塩を含む5%グルコースを
加えて70mLとした。
【0049】6週齢のCDF1マウスの皮下にマウス結
腸ガンcolon26を移植し、10乃至14日後に上
で製造したCNDAC製剤をおのおの50mg/kg静
脈投与した。投与して4時間後、採血の後マウスを脱血
死させ腫瘍組織および腎臓を摘出し、その重量を測定し
た。これらの生体試料に0.5乃至3mLの150mL
塩化ナトリウム水溶液を加え、ホジナイゼーションし
た。試験例1と同様にして測定した各ホモジネート中の
CNDAC濃度、および生体試料と添加した塩化ナトリ
ウム水溶液との重量比から算出した希釈度から各試料中
のCNDAC濃度を求めた。
【0050】その結果、表6に示すように、リポソーム
化製剤を投与した場合、血液中および腫瘍組織中に高濃
度のCNDACが検出された。一方、水溶液製剤を投与
した場合には、CNDACは血液中および腫瘍組織中の
いずれにも検出されず、腎臓中に検出された。これらの
結果より、CNDACは水溶液として投与されたのち速
やかな排泄および/または分解のため、腫瘍組織への蓄
積効率が低いのに対し、リポソーム化されることにより
これらの欠点が改善され、腫瘍組織への蓄積効率が高ま
ることが示された。さらにこの結果は、上記の試験例2
で求められたCNDACの包含率が実用面での要求を満
たすレベルであることを示す。
【0051】
【表6】 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 投与4時間後のCNDAC濃度(μg/mL) 血液中 腫瘍組織中 腎臓中 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− リポソーム化製剤 189±99 12.2±4.4 32.0±20.8 水溶液製剤 0 0 4.1± 3.1 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0052】
【発明の効果】本発明において、コレステロールを必須
のリポソーム構成脂質成分として選択することによりC
NDACを高濃度に包含するリポソーム化製剤が得られ
た。本発明におけるCNDACのリポソーム化製剤は、
静脈内に投与すると高い血中CNDAC濃度を持続し、
かつ、CNDACを効率的に腫瘍組織に送達し蓄積させ
ることを可能とする製剤として有用性が高い。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蔵方 慎一 東京都品川区広町1丁目2番58号 三共株 式会社内 (72)発明者 松田 彰 北海道札幌市北区北24条西12丁目1−7− 501 (72)発明者 佐々木 琢磨 石川県金沢市泉野町4丁目12−5−401

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】1−(2−C−シアノ−2−デオキシ−β
    −D−アラビノ−ペントフラノシル)シトシンまたはそ
    の薬理上許容される塩を含有することを特徴とするリポ
    ソーム化製剤。
  2. 【請求項2】リポソーム構成成分としてコレステロール
    を含有することを特徴とする請求項1に記載のリポソー
    ム化製剤。
  3. 【請求項3】リポソームを構成する全脂質成分に対する
    コレステロールの割合が10乃至60モル%であること
    を特徴とする請求項1または2に記載のリポソーム化製
    剤。
  4. 【請求項4】リポソーム構成成分として水溶性高分子鎖
    を有する脂質を含有することを特徴とする請求項2に記
    載のリポソーム化製剤。
  5. 【請求項5】水溶性高分子鎖を有する脂質がポリエチレ
    ングリコール部分の平均分子量が1000乃至5000
    のN−モノメトキシポリエチレングリコールサクシニル
    −ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホス
    ファチジルエタノールアミンである請求項4に記載のリ
    ポソーム化製剤。
  6. 【請求項6】リポソームを構成する脂質が、ジ(C
    10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホスファチジ
    ルコリン、ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケノイ
    ル)ホスファチジルグリセロール、コレステロールから
    なる請求項1に記載のリポソーム化製剤。
  7. 【請求項7】リポソームを構成する脂質が、ジ(C
    10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホスファチジ
    ルコリン(総脂質に対して20乃至70モル%)、ジ
    (C10−18アルカノイルまたはアルケノイル)ホス
    ファチジルグリセロール(総脂質に対して10乃至40
    モル%)、コレステロール(総脂質に対して10乃至6
    0モル%)からなる請求項1に記載のリポソーム化製
    剤。
  8. 【請求項8】リポソームを構成する脂質が、ジラウロイ
    ルホスファチジルコリン(総脂質に対して30モル
    %)、ジラウロイルホスファチジルグリセロール(総脂
    質に対して30モル%)、コレステロール(総脂質に対
    して40モル%)からなる請求項1に記載のリポソーム
    化製剤。
  9. 【請求項9】リポソームを構成する脂質が、ジ(C
    10−18アルカノイルまたはアルケノイル)ホスファ
    チジルコリン、ジ(C10-18アルカノイルまたはアルケ
    ノイル)ホスファチジルグリセロール、ポリエチレング
    リコール部分の平均分子量が1000乃至5000のN
    −モノメトキシポリエチレングリコールサクシニル−ジ
    (C10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホスファ
    チジルエタノールアミン、コレステロールからなる請求
    項1に記載のリポソーム化製剤。
  10. 【請求項10】リポソームを構成する脂質が、ジ(C
    10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホスファチジ
    ルコリン(総脂質に対して20乃至70モル%)、ジ
    (C10-18アルカノイルまたはアルケノイル)ホスファ
    チジルグリセロール(総脂質に対して10乃至40モル
    %)、ポリエチレングリコール部分の平均分子量が10
    00乃至5000のN−モノメトキシポリエチレングリ
    コールサクシニル−ジ(C10-18アルカノイルまたはア
    ルケノイル)ホスファチジルエタノールアミン(総脂質
    に対して1乃至10モル%)、コレステロール(総脂質
    に対して10乃至60モル%)からなる請求項1に記載
    のリポソーム化製剤。
  11. 【請求項11】リポソームを構成する脂質が、ジパルミ
    トイルホスファチジルコリン(総脂質に対して30モル
    %)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(総
    脂質に対して25モル%)、ポリエチレングリコール部
    分の平均分子量が2000のN−モノメトキシポリエチ
    レングリコールサクシニル−ジステアロイルホスファチ
    ジルエタノールアミン(総脂質に対して5モル%)、コ
    レステロール(総脂質に対して40モル%)からなる請
    求項1に記載のリポソーム化製剤。
  12. 【請求項12】リポソームを構成する脂質が、ジミリス
    トイルホスファチジルコリン(総脂質に対して30モル
    %)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(総
    脂質に対して25モル%)、ポリエチレングリコール部
    分の平均分子量が2000のN−モノメトキシポリエチ
    レングリコールサクシニル−ジステアロイルホスファチ
    ジルエタノールアミン(総脂質に対して5モル%)、コ
    レステロール(総脂質に対して40モル%)からなる請
    求項1に記載のリポソーム化製剤。
  13. 【請求項13】リポソームを構成する脂質が、ジラウロ
    イルホスファチジルコリン(総脂質に対して30モル
    %)、ジラウロイルホスファチジルグリセロール(総脂
    質に対して25モル%)、ポリエチレングリコール部分
    の平均分子量が2000のN−モノメトキシポリエチレ
    ングリコールサクシニル−ジステアロイルホスファチジ
    ルエタノールアミン(総脂質に対して5モル%)、コレ
    ステロール(総脂質に対して40モル%)からなる請求
    項1に記載のリポソーム化製剤。
  14. 【請求項14】リポソームの体積平均粒子径が50乃至
    400nmであることを特徴とする請求項1乃至13の
    いずれかに記載のリポソーム化製剤。
  15. 【請求項15】請求項1ないし14に記載のリポソーム
    化製剤を介して1−(2−C−シアノ−2−デオキシ−
    β−D−アラビノ−ペントフラノシル)シトシンまたは
    その薬理上許容される塩を腫瘍組織に送達する方法。
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