JPH1117171A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体装置及びその製造方法

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JPH1117171A
JPH1117171A JP16266097A JP16266097A JPH1117171A JP H1117171 A JPH1117171 A JP H1117171A JP 16266097 A JP16266097 A JP 16266097A JP 16266097 A JP16266097 A JP 16266097A JP H1117171 A JPH1117171 A JP H1117171A
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electrode member
semiconductor substrate
semiconductor device
gate
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JP16266097A
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Katsuya Sakai
勝也 酒井
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Toshiba Corp
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  • Insulated Gate Type Field-Effect Transistor (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ゲート電極の後酸化工程を伴いつつ、その影
響により性能が劣化しないMOSFETを備えた半導体
装置及びその製造方法を提供すること。 【解決手段】 基板201上のゲート電極210に関
し、その基板201側のポリシリコン207を、所定の
厚みを有してソース,ドレイン領域211方向に延長さ
せている。ポリシリコン207の延長部分207a下の
基板201表面に低濃度N- 拡散層202が設けられ、
これに連続して高濃度N+ 拡散層203が設けられ、こ
れによりソース,ドレイン領域211が形成されてい
る。後酸化膜204の食い込みによるゲート電極端部で
の応力に起因する結晶欠陥はソース,ドレイン領域21
1に発生するが、チャネル部には発生しない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電界効果型トラン
ジスタ(MOSFET)に関し、特にMOSFETを含
んだ高速動作が必要な半導本装置に適用される。
【0002】
【従来の技術】図8は従来のMOSFETの構成を示す
断面図である。半導体基板101上にゲート絶縁膜10
5が形成され、その上に、長方形あるいは台形の断面形
状を持つゲート電極(図では107,108の2層構
成)が形成されている。このゲート電極を隔てて基板1
01表面には、低濃度N型不純物のN- 拡散層/高濃度
N型不純物のN+ 拡散層でなるLDD(Lightly
Doped Drain)構造によるソース,ドレイ
ン拡散層(102/103)が形成されている。ゲート
電極の側壁106は、LDD構造を実現するためのN+
拡散層103形成のためのマスクとなる。半導体基板1
01上及びゲート電極を覆うように、信頼性向上に必要
な後酸化膜104が形成されている。
【0003】上記構成における後酸化膜104は、主に
次の理由から重要不可欠となっている。 (1)ゲート電極(107,108)加工後に角を丸め
る役割を果たし、これにより電界集中を緩和する。 (2)後酸化後にBPSG(Boron Phosph
orous Silicon Glass)など不純物
が多い膜が用いられるのでMOSFETを保護する役割
を果たす。
【0004】また、LDD構造におけるN- 拡散層10
2も、ドレイン部にかかる電界緩和のため必要な構成で
ある。しかしながら、このような従来技術には以下のよ
うな間題がある。図9のゲート電極の端部付近の拡大図
を参照して説明する。
【0005】i)図9に示すように、後酸化されるとき
にゲート電極107と基板101との間に後酸化膜10
4が食い込む。これにより応力が発生し、ゲート電極下
のチャネル領域に結晶欠陥109が発生する。この結
果、抵抗値が上がり、MOSFETの流せる電流が減少
したり、しきい電圧が変動したりする。これは、半導体
装置の性能が悪化する原因となる。ii)N- 型拡散層1
02は、低濃度でなければならないが、これも抵抗値が
上がる要因であり、上記i)と同様な問題がおきる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来のLDD構造のM
OSFETでは、製造時に行われる後酸化の応力の影響
により、LDDのN- 拡散層付近のチャネル部分からN
- 拡散層に重なるように結晶欠陥ができ、MOSFET
の性能劣化が認められ、微細化に伴い、その影響は無視
できなくなってきている。
【0007】この発明は上記のような事情を考慮し、そ
の課題は、ゲート電極の後酸化工程を伴いつつ、その影
響により性能が劣化しないMOSFETを備えた半導体
装置及びその製造方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の半導体装置
は、半導体基板表面に所定の距離だけ離隔して設けられ
た2つの拡散層と、前記半導体基板上に形成された絶縁
膜と、前記絶縁膜上に形成され、かつ前記拡散層間に隣
接して設けられたゲート電極部材とを備え、前記ゲート
電極部材は、前記半導体基板側の部分を所定の厚さで前
記拡散層方向に延長させ、このゲート電極部材の延長部
分下の半導体基板表面に低濃度不純物領域が設けられ、
この低儂度不純物領域に連続して高濃度不純物領域が設
けられたソース,ドレイン領域を有することを特徴とす
る。
【0009】この発明の半導体装置の製造方法は、半導
体基板上に絶縁膜を形成する工程と、前記絶縁膜上に上
面を低抵抗化したゲート電極部材を形成する工程と、前
記半導体基板上のゲート電極部材のうち、チャネルが形
成される予定の領域を除いて半導体基板から所定の厚さ
だけ残るようにする第1のパターニング工程と、前記所
定の厚さだけ残したゲート電極部材を通して半導体基板
内に不純物を導入する工程と、前記所定の厚さだけ残し
たゲート電極部材上に側壁部材を形成する工程と、前記
側壁部材とその間のゲート電極部材の領域をマスクに前
記所定の厚さだけ残したゲート電極部材を選択的に除去
する第2のパターニング工程と、少なくともゲート電極
部材の一部を酸化する後酸化工程とを具備したことを特
徴とする。
【0010】この発明では、低濃度不純物領域が、ゲー
ト電極部材の延長部分下に設けられ、その分チャネル部
はゲート電極部材端部と遠ざかる。後酸化によるゲート
電極部材端部での応力の影響(結晶欠陥)はチャネル部
にはなく、ソース,ドレイン領域の中で受けるような構
成となり、結晶欠陥による悪影響を極めて小さいものに
する。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の半導体装置に
おげる第1の実施形態に係る、絶縁ゲート型電界効果ト
ランジスタ、ここではMOSFETの断面図を示す。P
型のシリコン半導体基板201上にゲート酸化膜205
が形成され、その上にゲート電極210が形成されてい
る。このゲート電極210は、ポリシリコン207及び
WSi(タングステンシリサイド)208で構成されで
いる。ゲート電極210に関し、その半導体基板201
側のポリシリコン207を部分的に、所定の厚さ例えば
10〜50nmの厚みを有して横方向、すなわちソー
ス,ドレイン領域211方向に0.05〜0.3μm延
長させた形態を採用している。このゲート電極210に
おけるポリシリコン207の延長部分207a下の半導
体基板201表面に、N型の低濃度不純物が導入された
- 拡散層202が設けられ、このN- 型拡散層202
に連続してN型の高濃度不純物が導入されたN+ 拡散層
203が設けられ、これによりソース,ドレイン領域2
11が形成されている。
【0012】また、ポリシリコン207延長部分207
a上に、ゲート電極210に対する側壁として、SiN
膜(シリコン窒化膜)206が形成されでいる。204
は、後酸化膜であり、上記従来例(1),(2)に記載
したような作用を有する。すなわち、ゲート電極210
加工後に角を丸めて電界集中を緩和すると共に保護膜と
しての役割を果たす。なお、SiN膜206表面は酸化
されないがSiN膜206自体が保護膜としての機能を
十分に有する。
【0013】上記構成によれば、図2のゲート端部付近
の拡大図に示すように、ソース,ドレイン領域211に
関し、N- 拡散層202は、ゲート電極のポリシリコン
延長部分207a下に設けられ、ゲート電極端部直下、
すなわちポリシリコン延長部分207aの端部直下はN
+ 拡散層203となっている。これにより、後酸化膜2
04の食い込みによるゲート電極端部での応力に起因す
る結晶欠陥はチャネル部には発生しない。結晶欠陥20
9はソース,ドレイン領域211中に発生し、しかも大
部分が高濃度不純物のN+ 拡散層203中に発生するよ
うな構成となり、結晶欠陥による悪影響を極めて小さい
ものにする。つまり、従来に比べて、MOSFETの電
流駆動能力やしきい電圧に対し変動を与えにくい部位
に、結晶欠陥のできる位置を移動させた構成となってい
る。
【0014】また、濃度が低く、抵抗の高いN- 拡散層
202上に、ゲート電極の一部(ポリシリコン延長部分
207a)が存在する構成となるため、MOSFETの
オン状態ではN- 拡散層202の部分に電荷が集中しで
抵抗が下がることも明らかである。
【0015】従って、この発明によるMOSFETの構
造では、結晶欠陥による悪影響を極めて小さいものとす
る。また、N- 拡散層202の部分では電荷が集中して
抵抗が下がる。少なくともこの2点の効果により、MO
SFETの電流を増加させることができる。
【0016】図3(a)〜(d)はそれぞれこの発明の
第2の実施形態に係るMOSFETの製造工程を順次示
す断面図であり、図1のMOSFETの製造方法を説明
するものである。
【0017】まず、図3(a)に示すように、シリコン
基板201上にゲート酸化膜205、ポリシリコン20
7を積層し、その上にW(タングステン)を形成して熱
処理を施し、シリサイド化することによりWSi(タン
グステンシリサイド)208を構成する。このWSi
208は、後に形成されるゲート電極211の抵抗を下
げるためのもので、ゲート電極を、ポリシリコンとシリ
サイドの積層であるポリサイド構造とするのに重要であ
る。
【0018】次に、図3(b)に示すように、WSi
208、ポリシリコン207を所定のゲート電極上部領
域を有するパターンでエッチングする。このとき、下層
のポリシリコン207を10〜50nmの厚みを残して
エッチングを止める。このエッチング制御は、例えばW
Si 208とのエッチングレートの違いの検出と時間
制御により行う。次に、低濃度N- 型不純物をイオン注
入する。ポリシリコン207を所定の厚みで残している
ため、イオン注入の加速度を選ぶことによって、WSi
208下にはイオンは入らず、ポリシリコン207残
膜部下のみイオンが通過する(N- 拡散層202の形
成)。
【0019】次に、図3(c)に示すように、CVD法
を用いて全面にゲート側壁材料となるSiN(シリコン
窒化膜)206を堆積する。その後、図3(d)に示す
ように、SiN膜206及びポリシリコン207を例え
ばRIE(Reactive Ion Etchin
g)技術を用いて、異方性エッチングする。SiN膜2
06は、ゲート電極の側壁として残存する。しかる後、
+ 型の高濃度不純物をイオン注入し、N+ 拡散層20
3を形成する。そして、後酸化を行うと図1のような構
成を得る。
【0020】上記製造方法によれば、SiN膜206及
びポリシリコン207を同時にエッチングする。この工
程において従来のMOSFETの製造と同じエッチング
工程を経ることができる。すなわち、図1の構成のMO
SFETの製造は、図1の情成とはポリシリコン207
の形状の異なる前記図8のような従来のMOSFETと
の混載が容易である。
【0021】図4は、この発明の第3の実施形態に係
る、図1の構成のMOSFETと図8のような通常のM
OSFETとが同一基板上に混載された構成を示す断面
図である。
【0022】P型のシリコン半導体基板401上に、こ
の発明の高電流のMOSFET(高パフォーマンスNチ
ャネルMOSFET)N1と、従来タイプに基づく高密
度、高耐圧のNチャネルMOSFET N2が混載され
ている。
【0023】MOSFET N1は、MOSFET N
2のそれと比べて薄いゲート酸化膜405が形成されて
いる。ゲート酸化膜405上には、MOSFET N2
のそれと比べて厚いポリシリコン406が形成され、そ
の上にWSi(タングステンシリサイド)410が形成
され、ゲート電極としている。このゲート電極に関し、
基板401側のポリシリコン406の一部を、所定の厚
さを有してソース,ドレイン方向に延長させている。ポ
リシリコン406の延長部分406a下の半導体基板4
01上にN- 拡散層403が形成され、拡散層403に
連続してN+ 拡散層402が設けられ、ソース,ドレイ
ン領域となっている。ポリシリコン延長部分406a上
に、ゲート側壁として、SiN(シリコン窒化膜)40
9が形成されている。404は、後酸化膜である。
【0024】MOSFET N2は、MOSFET N
1のそれと比べて厚いゲート酸化膜407が形成されて
いる。ゲート酸化膜407上には、MOSFET N1
のそれと比べで薄いポリシリコン408が形成され、そ
の上にWSi(タングステンシリサイド)410が形成
され、ゲート電極としている。このゲート電極を覆うよ
うに後酸化膜404が形成されている。ポリシリコン4
08の端部付近下の半導体基板401上にN- 拡散層4
03、このN- 型拡散層403に連続してN+拡散層4
02が設けられ、ソース,ドレイン領域となっでいる。
- 拡散層403上のゲート側壁に沿った後酸化膜40
4上にSiN(シリコン窒化膜)409が形成されでい
る。
【0025】上記構成によれば、高電流MOSFET
と、高耐圧MOSFETを同一基板に設けているので、
メモリ混載ロジックLSI等で要求される高電流MOS
FETと、高耐圧、高密度MOSFETを一つのLSI
において使用できる。これにより、大容量メモリと、高
速ロジックを混載したLSIの実現が可能になる。
【0026】図5(a)〜(h)はそれぞれこの発明の
第4の実施形態に係るMOSFETの製造工程を順次示
す断面図であり、図4の構成のような、高電流のMOS
FET N1と高耐圧のMOSFET N2を高密度に
混載する製造方法を説明するものである。
【0027】まず、図5(a)に示すように、シリコン
基板401上に7〜10nmの薄いゲート酸化膜405
と、100〜200nmのポリシリコン膜406を形成
する。次に、高電流MOSFET N1の形成予定領域
をフォトレジスト504で覆う。
【0028】次に、図5(b)に示すように、フォトレ
ジスト504で覆われなかったポリシリコン膜406と
その下のゲート酸化膜405とをエッチング除去する。
その後、露出した基板401上に新たに10〜20nm
の厚いゲート酸化膜407と、50〜100nmのポリ
シリコン膜408を形成する。その後、高耐圧MOSF
ET N2の形成予定領域をフォトレジスト504で覆
う。
【0029】次に、図5(c)に示すように、フォトレ
ジスト504で覆われなかったポリシリコン膜408と
その下のゲート酸化膜407とをエッチング除去する。
その後、ゲート電極の抵抗を下げるため、全面にW(タ
ングステン)を形成しでシリサイド化し、WSi(タン
グステンシリサイド)410を構成する。
【0030】次に、図5(d)に示すように、図4に示
すMOSFET N1,N2のようなゲート電極の形成
のための異方性エッチングを行う。このとき、ポリシリ
コン膜408は完全にエッチングされるが、ポリシリコ
ン膜406は10〜50nm残る条件を用いる。ポリシ
リコン膜408に比ベ、ポリシリコン膜406は厚く形
成してあるので容易である。
【0031】次に、図5(e)に示すように、1回目の
後酸化を行い、後酸化膜508を形成する。次に、MO
SFET N1,N2のLDD構造のための、低濃度N
- 不純物をイオン注入する。
【0032】次に、図5(f)に示すように、MOSF
ET N1の領域のみ上記後酸化膜508をエッチング
除去する。その後、全面にゲート側壁材料となるSiN
膜409を堆積する。
【0033】次に、図5(g)に示すように、SiN膜
409及びポリシリコン405を異方性エッチングす
る。SiN膜409は、MOSFET N1,N2の各
ゲート電極の側壁として残存する。
【0034】その後、図5(h)に示すように、N+
の高濃度不純物をイオン注入し、MOSFET N1,
N2それぞれのN+ 型拡散層402を自己整合的に形成
する。そして、後酸化を行い、図4と同様なMOSFE
T N1,N2を得る。この図では、隣り合うMOSF
ET N1,N2問のソース,ドレイン領域を共有とし
ている。
【0035】上記製造方法によれば、容易に高電流MO
SFETと、高耐圧MOSFETが同時に形成できるの
で、メモリ混載ロジックLSIに非常に有利である。す
なわち、メモリ部ではMOSFETの密度と耐圧が重要
であり、ロジック部ではMOSFETの電流が重要であ
るので双方の要求が満たされる半導体装置の形成が実現
できる。
【0036】図6は、この発明の第5の実施形態に係
る、MOSFETの断面図を示す。P型のシリコン半導
体基板601上にゲート酸化膜602が形成され、その
上にゲート電極620が形成されている。このゲート電
極620は、第1ポリシリコン603、電子が十分に通
過できるエッチングストッパー膜604及び第2ポリシ
リコン605により形成されている。606はゲート電
極保護用のSiN膜である。ゲート電極620に関し、
その半導体基板601側の第1ポリシリコン603を、
第2ポリシリコン605に比べてソース,ドレイン領域
方向に延長させた構成となっている。ゲート電極620
における第2ポリシリコン605の端部下付近の半導体
基板601表面から、第1ポリシリコン603の端部下
付近の半導体基板601表面にかけてN- 型拡散層60
7が設けられ、このN- 型拡散層607に連続しでN+
型拡散層611が設けられ、これによりソース,ドレイ
ン領域が形成されている。
【0037】また、第1ポリシリコン603延長部分上
のエッチングストッパー膜604の上には、ゲート電極
620に対する第1の側壁として、SiN(シリコン窒
化膜)608が形成されでいる。また、ゲート電極62
0中の第1ポリシリコン603端部の角を丸めて電界集
中を緩和する後酸化膜609が形成されている。さら
に、ゲート電極620に対する第2の側壁としで、Si
N膜610が形成されている。
【0038】上記構成によれば、第1の実施例と同様
に、後酸化膜609の食い込みによるゲート電極端部で
の応力に起因する結晶欠陥はチャネル部には発生しな
い。また、ゲート電極の周囲がすべて窒化膜(SiN膜
606,610)で覆われることにより、ゲート電極の
保護膜としては非常に信頼性の高いものとなる。さら
に、エッチングストッパー膜604として低抵抗の金属
材料を選べば、ゲート電極の低抵抗化に寄与する。
【0039】図7(a)〜(d)はそれぞれこの発明の
第6の実施形態に係るMOSFETの製造工程を順次示
す断面図であり、図6のMOSFETの製造方法を説明
するものである。
【0040】まず、図7(a)に示すように、シリコン
基板601上にゲート酸化膜602、第1のポリシリコ
ン603、エッチングストッパー604、第2のポリシ
リコン605及びゲート電極保護用のSiN膜(シリコ
ン窒化膜)606を順次積層形成する。ここで、エッチ
ングストッパー604はポリシリコンとのエッチング選
択比が高く、しかも電子を十分に通過させる物質が用い
られる。例えば、W(タングステン)Mo(モリブデ
ン)等の高融点金属を用いる。その他、1nm以下の非
常に薄いSiN膜などを用いることも可能である。
【0041】次に、図7(b)に示すように、SiN膜
606、第2のポリシリコン605を所定のゲート電極
のパターンでエッチング加工する。このとき、エッチン
グストパー604の上でエッチングを止める。その後、
SiN膜606をマスクとして低濃度N- 型不純物をイ
オン注入し、N- 拡散層607を形成する。
【0042】次に、図7(c)に示すように、SiN膜
608を堆積し、異方性エッチングすることにより、第
1の側壁を得る。この異方性エッチングの工程でゲート
電極以外の第1ポリシリコン603をエッチングする。
【0043】次に、図7(d)に示すように、ゲート酸
化膜602のエッチング残膜を除去し、後酸化膜609
を形成する。これにより、ゲート電極の一部の第1ポリ
シリコンの端部は電界集中が緩和されるよう角が丸めら
れる。
【0044】次に、図7(e)に示すように、LDD構
造のため、SiN膜610を堆積し、異方性エッチング
することにより、第2の側壁を得る。この第2の側壁の
SiN膜610とゲート電極上のSiN膜606をマス
クにN+ 型の高濃度不純物をイオン注入し、N+ 型拡散
層611を形成する。これにより、図6のような構成を
得る。
【0045】上記製造方法によれば、エッチングストッ
パー膜604の存在により、第1ポリシリコン603の
残膜が一定となり、N- 拡散層607形成のためのイオ
ン注入量が安定する。また、側壁の形成をSiN 60
8,610の2段構成としたことにより,N- 拡散層6
07の長さを長くでき、MOSFETの信頼性を向上さ
せることができる。
【0046】上記各実施例によれば、MOSFETにお
いてゲート電極の後酸化による結晶欠陥の形成がチャネ
ル領域にかかることはない。また、LDD構造の低濃度
領域の上はゲート電極延長部分が存在する構成となって
いる。これにより、MOSFETのしきい電圧の安定化
に大いに寄与する。また、高電流MOSFETと、高密
度、高耐圧のMOSFETが同時に形成できることによ
り、メモリ混載ロジックLSIに非常に有利である。す
なわち、メモリ部ではMOSFETの密度と耐圧が、ロ
ジック部ではMOSFETの電流が重要であることか
ら、双方の要求を満たす半導体装置が実現できる。
【0047】なお、上記各実施例では、NチャネルMO
SFETの構成を示したが、これに限定されるものでは
なく、PチャネルMOSFETの構成にも適用できるこ
とは当然てある。また、ゲート電極の後酸化による結晶
欠陥の形成がチャネル領域に影響しないことだけを考慮
するなら、この発明のゲート電極の形状は採用するが、
LDD構造は適用しないソース,ドレイン領域を形成す
ることも可能である。
【0048】
【発明の効果】以上説明したようにこの発明によれば、
ゲート電極部材の延長部分下に低濃度不純物領域が設け
られるようになるので、チャネル部はゲート電極部材端
部と遠ざかり、後酸化による結晶欠陥の影響はチャネル
部に何等ダメージを与えない。この構成はMOSFET
の電流増加、しきい電圧の安定化を容易に達成し、しか
も、通常のMOSFETと組み合わせて形成できる。高
密度に形成できる通常のMOSFETの製造と共に、目
的に合わせてこの発明構成を適用すれば高性能、高信頼
性の半導体装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態に係る、MOSFE
Tの断面図。
【図2】図1の一部の拡大図。
【図3】図3(a)〜(d)はそれぞれこの発明の第2
の実施形態に係るMOSFETの製造工程を順次示す断
面図。
【図4】この発明の第3の実施形態に係る、図1の構成
のMOSFETと通常のMOSFETとが同一基板上に
混載された構成を示す断面図。
【図5】図5(a)〜(h)はそれぞれこの発明の第4
の実施形態に係るMOSFETの製造工程を順次示す断
面図。
【図6】この発明の第5の実施形態に係る、MOSFE
Tの断面図。
【図7】図7(a)〜(e)はそれぞれこの発明の第6
の実施形態に係るMOSFETの製造工程を順次示す断
面図。
【図8】従来のMOSFETの構成を示す断面図。
【図9】図8の一部の拡大図。
【符号の説明】
201…シリコン半導体基板 202…N- 拡散層 203…N+ 拡散層 204…後酸化膜 205…ゲート酸化膜 206…SiN膜(シリコン窒化膜) 207…ポリシリコン 208…WSi(タングステンシリサイド) 209…結晶欠陥 210…ゲート電極 211…ソース,ドレイン領域

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体基板表面に所定の距離だけ離隔し
    て設けられた2つの拡散層と、 前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、 前記絶縁膜上に形成され、かつ前記拡散層間に隣接して
    設けられたゲート電極部材とを備え、 前記ゲート電極部材は、前記半導体基板側の部分を所定
    の厚さで前記拡散層方向に延長させ、このゲート電極部
    材の延長部分下の半導体基板表面に低濃度不純物領域が
    設けられ、この低濃度不純物領域に連続して高濃度不純
    物領域が設けられたソース,ドレイン領域を有すること
    を特徴とする半導体装置。
  2. 【請求項2】 半導体基板と、半導本基板上の第1のゲ
    ート電極部材及びその上の第2のゲート電極部材を有す
    ると共に、第1のゲート電極部材に関しその半導体基板
    側の部分を所定の厚さで横方向に延長させ、この第1の
    ゲート電極部材の延長部分下の半導体基板表面に低濃度
    不純物領域が設けられ、この低濃度不純物領域に連続し
    て高濃度不純物領域が設けられたソース,ドレイン拡散
    層を有することを特徴とする半導体装置。
  3. 【請求項3】 前記半導体基板上に混在して設けられ
    る、少なくとも前記第1ゲート電極部材の形状が異なる
    絶縁ゲート型電界効果トランジスタをさらに具備するこ
    とを特徴とする請求項2記載の半導体装置。
  4. 【請求項4】 前記第1のゲート電極部材の延長部分上
    に、前記第1、第2のゲート電極部材に対する側壁部材
    が形成されていることを特徴とする請求項2または3記
    載の半導体装置。
  5. 【請求項5】 前記第1のゲート電極部材と第2のゲー
    ト電極部材は実質的に同じ物質であることを特徴とする
    請求項2記載の半導体装置。
  6. 【請求項6】 半導体基板上に絶縁膜を形成する工程
    と、 前記絶縁膜上に上面を低抵抗化したゲート電極部材を形
    成する工程と、 前記半導体基板上のゲート電極部材のうち、チャネルが
    形成される予定の領域を除いて半導体基板から所定の厚
    さだけ残るようにする第1のパターニング工程と、 前記所定の厚さだけ残したゲート電極部材を通して半導
    体基板内に不純物を導入する工程と、 前記所定の厚さだけ残したゲート電極部材上に側壁部材
    を形成する工程と、 前記側壁部材とその間のゲート電極部材の領域をマスク
    に前記所定の厚さだけ残したゲート電極部材を選択的に
    除去する第2のパターニング工程と、 少なくともゲート電極部材の一部を酸化する後酸化工程
    とを具備したことを特徴とする半導体装置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第1のパターニング工程において前
    記ゲート電極部材が前記半導体基板から所定の厚さだけ
    残るようにするために、前記ゲート電極部材間に検知可
    能な物質を形成する工程をさらに具備することを特徴と
    する請求項6記載の半導体装置の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第2のパターニング工程によるパタ
    ーニング領域をマスクに前記半導体基板内に不純物を導
    入する工程とをさらに具備することを特徴とする請求項
    6または7記載の半導体装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記後酸化工程の後に、前記側壁部材を
    覆う副側壁部材を形成する工程と、この副側壁部材とそ
    の間のゲート電極部材の領域をマスクに前記半導体基板
    内に不純物を導入する工程をさらに具備することを特徴
    とする請求項6または7記載の半導体装置の製造方法。
  10. 【請求項10】 半導体基板上の第1領域に第1のゲー
    ト絶縁膜及びその上に第1のゲート電極部材を形成する
    工程と、 前記半導体基板上の第2領域に第2のゲート絶縁膜及び
    その上に第2のゲート電極部材を形成する工程と、 前記第1、第2のゲート電極部材をパターニングする
    際、前記第2のゲート電極部材はその上部から下部まで
    一様に除去するが、前記第1のゲート電極部材は半導体
    基板側から所定の厚さだけ残るよう段差を形成する第1
    のパターニング工程と、 少なくとも前記第2のゲート電極部材を酸化する第1の
    後酸化工程と、 前記第1のパターニング工程により前記第1、第2のゲ
    ート電極部材が除去された部分及び所定の厚さだけ残し
    た前記第1のゲート電極部材を介して前記半導体基板内
    に低濃度不純物を導入する工程と、 前記第1のゲート電極部材における上部両側から下部の
    前記段差上にかけて、及び前記第2のゲート電極部材に
    おける上部両側から下部にかけて側壁部材を形成する工
    程と、 前記側壁部材とその両側の前記第1のゲート電極部材を
    マスクに前記側壁部材に覆われなかった前記ゲート電極
    部材の段差の部分を選択的に除去する第2のパターニン
    グ工程と、 少なくとも第1のゲート電極部材を酸化する第2の後酸
    化工程と、 前記第1、第2のゲート電極部材及びその側壁部材をマ
    スクに前記半導体基板内に高濃度不純物を導入する工程
    とを具備することを持徴とする半導体装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第1のゲート絶縁膜は、前記第2
    のゲート絶縁膜に比べて膜厚を薄く形成することを特徴
    とする請求項10記載の半導体装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第1のゲート電極部材は、前記第
    2のゲート電極部材に比べて膜厚を厚く形成し、前記第
    1のパターニング工程は、前記第2のゲート電極部材の
    パターンのエッチングが終了次第エッチングを停止する
    ことにより達成されることを特徴とする請求項10また
    は11記載の半導体装置の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記半導体基板内に低儂度不純物を導
    入する工程と、高濃度不純物を導入する工程とにより、
    前記第1のゲート電極部材を有する第1の絶縁ゲート型
    電界効果トランジスタと、前記第2のゲート電極部材を
    有する第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタの共通
    のソース,ドレイン拡散層を形成することを特徴とする
    請求項10ないし12いずれかに記載の半導体装置の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1030360A2 (de) * 1999-02-15 2000-08-23 Infineon Technologies AG Elektrische Teststruktur auf einem Halbleitersubstrat und Testverfahren
US6713826B2 (en) 1999-03-25 2004-03-30 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd Method for fabricating a semiconductor device having contacts self-aligned with a gate electrode thereof

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