JPH11170090A - 溶接装置 - Google Patents

溶接装置

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JPH11170090A
JPH11170090A JP34993497A JP34993497A JPH11170090A JP H11170090 A JPH11170090 A JP H11170090A JP 34993497 A JP34993497 A JP 34993497A JP 34993497 A JP34993497 A JP 34993497A JP H11170090 A JPH11170090 A JP H11170090A
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JP
Japan
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steel sheet
sheet material
welding
reference position
feed direction
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JP34993497A
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English (en)
Inventor
Masami Yamanaka
万三三 山中
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Toyota Auto Body Co Ltd
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Toyota Auto Body Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的簡素な位置決め機構により鋼板素材の
高精度な位置決めをし得る溶接装置を提供する。 【解決手段】 溶接装置20は、マグネットフロータ装
置21、搬送装置41、仮置テーブル装置51、ローラ
ベア装置61、設備テーブル装置71およびマッシュシ
ーム溶接機91から構成される。マグネットフロータ装
置21は積層された鋼板素材Wbから1枚の鋼板素材を
分離する装置で、搬送装置41はその分離した鋼板素材
Wcを仮置テーブル装置51に搬送する装置である。仮
置テーブル装置51は、搬送装置41により搬送された
鋼板素材Wdを一時的に載置するテーブルで、テーブル
部52に載置された鋼板素材Wdはローラベア装置61
によって対向方向基準位置に位置決めされる。ローラベ
ア装置61は、設備テーブル装置71の突き当て板82
まで鋼板素材Wdを押し出すことによって対向方向基準
位置の位置決めを行う。設備テーブル装置71には、基
準ピン74が設けられており、この基準ピン74によっ
て送り方向基準位置の位置決めが行われる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、相対向する2枚の
鋼板素材を双方ともに溶接送り方向に移動させ、この2
枚の鋼板素材を互いに溶接する溶接装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車等の車両の安全性をさらに
重視した安全なボディ構造の必要性が要求されており、
その一方で、燃費の向上等による経済性も従来と変わる
ことなく要求されている。そのため、自動車のセンター
フレームやフロントフレーム等においては、十分な強度
を必要とする部分と必要以上の強度を要しない部分とに
分け、前者には板厚の厚い鋼板を用い、後者には板厚の
薄い鋼板を用いることで、堅牢化による安全性と軽量化
による経済性をともに満たしている。そして、このよう
な部位により板厚の異なるフレームは、接合溶接工法に
より接合された板厚の異なる鋼板素材をプレス加工して
成形される。
【0003】ここで、板厚の異なる2枚の鋼板を接続す
る接合溶接工法には、端部を所定量重ね合わせて溶接す
るマッシュシーム溶接工法や、鋼板の端面同士を突き合
わせて溶接する突き合わせ溶接工法を採ることが一般的
に知られている。これらの接合溶接工法では、2枚の鋼
板素材を予め決められた位置にそれぞれ高精度に位置決
めする技術が要求される。つまり、マッシュシーム溶接
工法においては、2枚の鋼板素材の重ね代を例えば2mm
前後に確保する技術、また突き合わせ溶接工法において
は、2枚の鋼板素材の端面同士を均一に突き合わせる技
術が必要とされる。そのため、位置決めテーブルと呼ば
れる鋼板素材の位置決め精度を保証する機構によって鋼
板素材の位置決めがなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この位
置決めテーブルによると、X−Y平面におけるX方向お
よびY方向のそれぞれについて位置調整可能な機構を備
えた位置決めピンや鋼板素材を位置決めピン方向に押し
出す機構等が必要になる。そのため、位置決めテーブル
の構成が複雑になり設備コストの増大を招くという問題
を生ずる。また、この位置決めテーブル自体は、通常、
搬送機構を備えていないことから位置決めされた2枚の
鋼板素材は別途設けられた搬送装置によって溶接設備テ
ーブルに投入される構成が採られる。そのため、位置決
め後の搬送装置の搬送精度によっては、高い位置決め精
度の要求には十分に応えられない場合も生じ得る。さら
に、溶接時の鋼板素材同士の相対位置関係等によって
は、位置決めテーブルにより一度位置決めされた2枚の
鋼板素材を再度位置合わせすることが必要となる場合も
ある。この場合、搬送装置に高精度の位置決め機構をも
たせる必要から、搬送装置の機構構成が複雑になるとと
もに、さらなる設備コストの増大を招くという問題を生
ずる。
【0005】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、比較的
簡素な位置決め機構により鋼板素材の高精度な位置決め
をし得る溶接装置を提供することにある。また、本発明
の他の目的は、設備コストを削減し得る溶接装置を提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の溶接装置では、溶接時の相対位置を対向
方向基準位置と送り方向基準位置とにより決定する2枚
の相対向する鋼板素材を、溶接送り方向に移動させて互
いに溶接する溶接装置であって、積層された複数の鋼板
素材から一方の鋼板素材を1枚分離する分離工程と、分
離された一方の鋼板素材を所定位置に載置する仮置工程
と、前記所定位置に載置された一方の鋼板素材を他方の
鋼板素材に相対向する方向に前記対向方向基準位置まで
押し出す押出工程と、前記対向方向基準位置まで押し出
された一方の鋼板素材を溶接送り方向に前記送り方向基
準位置まで移送する移送工程とを有することを技術的特
徴とする。
【0007】また、請求項2の溶接装置では、請求項1
の分離工程において、鋼板素材が積層された鋼板素材集
合体の側面に対向可能に回動自在に軸支されるベース部
と、前記鋼板素材集合体の側面と前記ベース部との間に
位置するように前記ベース部に取付けられる複数の磁力
発生部と、前記ベース部を回動させる駆動部とを備える
マグネットフロータ装置、を用いることを技術的特徴と
する。
【0008】さらに、請求項3の溶接装置では、請求項
1の仮置工程において、複数の球状体と、この複数の球
状体を上面に突出させて回動可能に前記所定位置に保持
するテーブル部とを備える仮置テーブル装置、を用いる
ことを技術的特徴とする。
【0009】さらにまた、請求項4の溶接装置では、請
求項1の押出工程において、前記所定位置に対し前記他
方の鋼板素材と反対側に位置し、前記一方の鋼板素材を
他方の鋼板素材に相対向する方向に押し出し可能なロー
ラベア装置と、前記ローラベア装置により押し出された
一方の鋼板素材が当接可能に前記対向方向基準位置に出
入する突き当て板と、を用いることを技術的特徴とす
る。
【0010】また、請求項5の溶接装置では、請求項1
の移送工程において、任意に位置決め可能な基準ピンを
備え、この基準ピンを溶接送り方向に送り方向基準位置
まで移動させる移送装置、を用いることを技術的特徴と
する。
【0011】請求項1の発明では、分離工程により積層
された複数の鋼板素材から一方の鋼板素材を1枚分離
し、仮置工程により分離された一方の鋼板素材を所定位
置に載置し、押出工程により所定位置に載置された一方
の鋼板素材を他方の鋼板素材に相対向する方向に対向方
向基準位置まで押し出し、移送工程により対向方向基準
位置まで押し出された一方の鋼板素材を溶接送り方向に
送り方向基準位置まで移送させる。つまり、積層された
複数の鋼板素材から分離された一方の鋼板素材は、所定
位置に載置された後、押出工程により対向方向基準位置
まで押し出され、移送工程により送り方向基準位置まで
移送される。これにより、押出工程と移送工程によっ
て、溶接時の相対位置を位置合わせすることができる。
【0012】請求項2の発明では、鋼板素材集合体の側
面に対向可能に回動するベース部と、このベース部の鋼
板集合体側に取付けられる複数の磁力発生部と、ベース
部を回動させる駆動部とを備えるマグネットフロータ装
置を分離工程に用いる。つまり、ベース部に取付けられ
た複数の磁力発生部は、駆動部によるベース部の回動に
より鋼板素材集合体の側面に当接または離隔する。これ
により、1つの駆動部によって鋼板素材集合体の側面に
沿って複数の磁力発生部を位置させることができる。
【0013】請求項3の発明では、複数の球状体とこの
複数の球状体を上面に突出させて回動可能に所定位置に
保持するテーブル部とを備える仮置テーブル装置を仮置
工程に用いることから、分離工程により分離された一方
の鋼板素材は回動可能な複数の球状体上に載置される。
これにより、所定位置に載置された一方の鋼板素材をテ
ーブル部上の任意方向にスムースに移動させることがで
きる。
【0014】請求項4の発明では、他方の鋼板素材に相
対向する方向に一方の鋼板素材を押し出し可能なローラ
ベア装置と、対向方向基準位置に出入し一方の鋼板素材
が当接可能な突き当て板とを押出工程に用いる。つま
り、ローラベア装置によって他方の鋼板素材に相対向す
る方向に押し出された一方の鋼板素材は、対向方向基準
位置に出る突き当て板に当接する。これにより、所定位
置に載置された一方の鋼板素材を他方の鋼板素材に相対
向する方向に対向方向基準位置まで押し出すことができ
る。また鋼板素材の押し出しにローラベア装置を用いる
ことから、次工程である移送工程において、溶接送り方
向に鋼板素材を移動させるときに鋼板素材の端面がロー
ラベア装置のローラ上を滑べり鋼板素材をスムースに移
動させることができる。
【0015】請求項5の発明では、任意に位置決め可能
な基準ピンを備え、この基準ピンを溶接送り方向に送り
方向基準位置まで移動させる移送装置を移送工程に用い
る。つまり、任意に位置決めされた基準ピンは移送装置
によって溶接送り方向に送り方向基準位置まで移動す
る。これにより、対向方向基準位置まで押し出された一
方の鋼板素材に溶接送り方向に移動する基準ピンが当接
すると、この基準ピンによって一方の鋼板素材を送り方
向基準位置まで移動させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の溶接出装置の実施
形態について図1〜図11を参照して説明する。まず、
本発明の一実施形態による溶接装置20の全体構成を図
1および図2に基づいて説明する。溶接装置20は、主
に、マグネットフロータ装置21、搬送装置41、仮置
テーブル装置51、ローラベア装置61、設備テーブル
装置71およびマッシュシーム溶接機91から構成され
ている。分離工程に用いられるマグネットフロータ装置
21は積層された鋼板素材Wbから1枚の鋼板素材を分
離する装置であり、また搬送装置41はその分離した鋼
板素材Wcを次工程の仮置テーブル装置51に搬送する
装置である。仮置工程に用いられる仮置テーブル装置5
1は、搬送装置41により搬送された鋼板素材Wdを一
時的に載置するテーブルであり、このテーブル部52に
載置された鋼板素材Wdは次工程の押出工程によって対
向方向基準位置に位置決めされる。押出工程に用いられ
るローラベア装置61は、設備テーブル装置71の突き
当て板82まで鋼板素材Wdを押し出すことによって対
向方向基準位置の位置決めを行う。一方、設備テーブル
装置71には、移送工程に用いられる基準ピン74が設
けられており、この基準ピン74によって送り方向基準
位置の位置決めが行われる。
【0017】続いて、溶接装置20に投入される鋼板素
材Waが各工程を経て搬出されるまでの流れを図1およ
び図2に基づいて説明する。まず、一方の鋼板素材とし
ての鋼板素材Waが、マグネットフロータ装置21に投
入されると、マグネットフロータ装置21内でコンベア
34により搬送されてリフト36上の鋼板素材集合体と
して積層される(鋼板素材Wb)。積層された鋼板素材
Wbからマグネットフロータ25により分離された鋼板
素材Wcは、バキューム装置44のバキュームカップ4
5に吸着された後、そのまま搬送装置41により仮置テ
ーブル装置51の所定位置まで搬送される。仮置テーブ
ル装置51の所定位置に到達した鋼板素材Wcは、バキ
ュームカップ45から離脱してテーブル部52上に載置
される(鋼板素材Wd)。
【0018】テーブル部52に載置された鋼板素材Wd
は、ローラベア装置61によって他方の鋼板素材として
の鋼板素材Wh方向に押し出され、突き当て板82に当
接することにより対向方向基準位置に位置決めされる。
鋼板素材Wdの対向方向基準位置が位置決めされると、
設備テーブル装置71のマッシュシーム溶接機91方向
の移動に伴い、設備テーブル72に固定された基準ピン
74によって鋼板素材Wdが送り方向基準位置まで移動
することにより位置決めされる。
【0019】このように対向方向基準位置および送り方
向基準位置にそれぞれ位置決めされることにより所定の
重ね代を確保した鋼板素材Wd、Whは、後述するクラ
ンプ機構によって設備テーブル72に固定された後、設
備テーブル72によってマッシュシーム溶接機91に搬
送される。そして、マッシュシーム溶接機91によっ
て、所定量の重ね代によって重ね合わせられた部分にマ
ッシュシーム溶接が施されると、互いに接合された鋼板
素材Wd、Whは設備テーブル装置71のマッシュシー
ム溶接機91側端部から搬出される。
【0020】次に、マグネットフロータ装置21の構成
および作動を図3〜図7に基づいて説明する。マグネッ
トフロータ装置21は、主に、マグネットベース22、
スライダ24、マグネットフロータ25、サーボモータ
26、ボールねじ27およびナット部29から構成さ
れ、その周囲にはマグネットフロータ装置21の前工程
に相当する準備テーブル31、コンベア34、ガイド3
5、リフト36等が設けられている。
【0021】図3および図4に示すように、マグネット
ベース22は鋼板素材Wbの長手方向長よりも幅広な平
板形状からなり、その一端部には筒状部22aが形成さ
れている。また、この筒状部22aの図4で下方に位置
するマグネットベース22の一辺には、図示しないガイ
ド溝がこの辺に沿って形成されており、後述するスライ
ダ24による案内を可能にしている。一方、工場内の床
面等に据え付けらている回転支持部23は、この筒状部
22aを貫通する軸部23aにより筒状部22aを回動
自在に軸支している。これにより、マグネットベース2
2は回転支持部23を中心に扉の如く回動することがで
き、図3に示すように積層された鋼板素材Wbの側面に
対向することができる。
【0022】図5(A) に示すように、磁力を発生するマ
グネットフロータ25は角柱形状に形成されており、マ
グネットベース22の鋼板素材Wb側の面に筒状部22
aとほぼ平行に複数個、例えば3個取付けられている。
図5(B) に示すように、マグネットフロータ25内には
永久磁石であるN極磁石25bとS極磁石25cがそれ
ぞれ収容されており、それらの周囲を基台部25aとカ
バー部25dが覆っている。またカバー部25dの外側
には短冊形状のプレート部25eが長手方向に沿って2
枚取付けられており、積層された鋼板素材Wbの側面に
当接可能にこのプレート部25eが位置している。
【0023】図3および図4に示すように、ボールねじ
27は、その一端側がサーボモータ26により回転駆動
され、また他端側がねじ受け部28により回動可能に支
持されている。そして、ボールねじ27の回動によって
ボールねじ27を往復移動する筒形状のナット部29が
ボールねじ27に螺合している。これにより、図示しな
い制御装置により回転方向、回転量等が制御されるサー
ボモータ26によってボールねじ27が所定方向に回転
すると、その回転量等に従ってナット部29が所定方向
に所定距離だけ移動することができる。
【0024】図4および図6に示すように、スライダ2
4は、その上面部24aがマグネットベース22のガイ
ド溝に摺接可能に構成されている一方で、その下面部2
4bは前述したナット部29の上部に回動可能に構成さ
れている。つまり、ナット部29上で首振り状態に回動
するスライダ24は、その上面部24aにマグネットベ
ース22のガイド溝に係合する凸部を備えている。これ
により、ナット部29の軸方向移動(図6に示す矢印
α)に応じてスライダ24が振られるため(図6に示す
矢印β)、マグネットベース22が長手方向(図6に示
す矢印γ)にスライダ24上を摺動するとともに回転支
持部23を中心に回動(図6に示す矢印δ)することが
できる。
【0025】図3および図4に示すように、準備テーブ
ル31にはその上面にフリーベア受け部33が設けられ
ており、このフリーベア受け部33により、一部を突出
させ移動することなく自由に回動できるように球体形状
からなる複数個のフリーベア32が保持されている。こ
れにより、準備テーブル31に鋼板素材Waが載置され
ても、準備テーブル31と鋼板素材Waとが面接触する
ことなく、複数のフリーベア32を介して点接触するた
め、鋼板素材Waの平面内の任意方向の移動をフリーベ
ア32の回転によりスムースに行うことができる。
【0026】コンベア34は、準備テーブル31に積層
された鋼板素材Waをリフト36に搬送するために設け
られており、準備テーブル31とリフト36との間に位
置している。そして、図示しない駆動装置により回転す
るベルトによって、所定枚数に積層された鋼板素材Wa
を降下したリフト36に搬送する。ガイド35はコンベ
ア34による搬送方向とほぼ平行に設けられており、積
層された鋼板素材Waの搬送時等に生じ易い鋼板素材W
aの位置ずれを防止するものである。つまり、準備テー
ブル31からリフト36までコンベア34により搬送す
る途中で生じ得る振動等により鋼板素材Waが平面方向
に移動するのをガイド35によって防止している。
【0027】リフト36はリフト機構37により昇降
し、コンベア34により搬送された鋼板素材Wbを所定
高さまで押し上げるために設けられている。また、リフ
ト36により押し上げられた鋼板素材Wbの側面方向に
位置するキッカー38は、上から数枚の鋼板素材Wbを
マグネットフロータ25方向に押し出して鋼板素材Wb
のマグネットフロータ25側の端面を揃え、後述する鋼
板素材Wbの分離をより確実なものにするために設けら
れている。
【0028】このようにマグネットフロータ装置21を
構成することによって、次に述べるように鋼板素材Wb
を1枚づつ分離する。即ち、図4に示すように、積層状
態にある鋼板素材Wbはマグネットフロータ25が位置
する高さまでリフト36により押し上げられると、その
最上部から数枚にキッカー38が突き当てられ、それに
より押し出された数枚の鋼板素材Wbの側面がマグネッ
トフロータ25に確実に当接する。すると、マグネット
フロータ25のN極磁石25bおよびS極磁石25cよ
り、各々の鋼板素材Wbに同様に磁極が誘起することか
ら、それぞれの鋼板素材Wb同士の同極間に生ずる反発
力によって互いに離れようとする。これにより、他の鋼
板素材Wbの重力を受けない最上部の鋼板素材Wbが最
も浮き上がるため、積層状態の鋼板素材Wbから1枚だ
け鋼板素材Wbを分離することができる。
【0029】また、図7に示すように、鋼板素材Wbの
形状に合わせてサーボモータ26を制御することにより
マグネットベース22の回動状態を設定すれば、多種多
様な形状の鋼板素材に適応したマグネットフロータ25
の位置を設定することができる。つまり、鋼板素材Wb
の1辺が直線を基準とした形状、例えば図7(A) に示す
長方形状の鋼板素材Wb1 、図7(B) に示す平行四辺形
状の鋼板素材Wb2 、図7(C) に示す台形状の鋼板素材
Wb3 等であれば、マグネットベース22の角度をそれ
ぞれθ1 、θ2 、θ3 に設定することによって、鋼板素
材の形状に応じた各マグネットフロータ25の位置を設
定することができ、さらにそれぞれの鋼板素材の形状ご
とにサーボモータ26の制御プログラムを準備しておけ
ば工程の段取り切り替えを自動的に行うことができる。
【0030】上述したように、本実施形態によるマグネ
ットフロータ装置21によると、積層された鋼板素材W
bの側面に対向可能に回動自在に軸支されるマグネット
ベース22に複数のマグネットフロータ25が取付けら
れ、サーボモータ26によるボールねじ27の回動によ
って、このマグネットベース22が扉のように回動す
る。これにより、各マグネットフロータごとにサーボモ
ータ等の駆動機構をもたせて位置設定をそれぞれ行う構
成(多軸サーボ機構による構成)と比較すると、マグネ
ットフロータ装置21は1つの駆動機構(サーボモータ
26、ボールねじ27)により全てのマグネットフロー
タ25を位置設定することができるため、多軸サーボ機
構による構成を1軸サーボ機構による構成に置き換える
ことができる。したがって、サーボ機構の減少により設
備コストを削減できる効果がある。また、サーボ機構が
減少した分、サーボ機構を制御するプログラムを簡易に
する効果がある。
【0031】次に、搬送装置41の構成および作動を図
1および図2に基づいて説明する。搬送装置41は、主
にコンベア42とバキューム装置44から構成されてお
り、前述のマグネットフロータ装置21により分離され
た鋼板素材Wbを仮置テーブル装置51に搬送するため
に設けられている。コンベア42はマグネットフロータ
装置21と仮置テーブル装置51の間を跨ぐようにそれ
ぞれのほぼ上方に位置し、両者間を往復するようにベル
トを図示しない駆動装置により回転させている。バキュ
ーム装置44はコンベア42のベルトに接続されたベー
スプレートに取付けられており、その先端部にはバキュ
ームカップ45を備えている。ベースプレートは、ベル
トと平行に配設したLMガイドに滑動自在に載置されて
いる。
【0032】バキューム装置44はマグネットフロータ
装置21の上方に到達すると、マグネットフロータ装置
21により分離された鋼板素材Wbを所定の制御により
バキュームカップ45によって吸引し(図2に示す鋼板
素材Wc)、また仮置テーブル装置51の上方に位置し
たとき所定の制御によりバキュームカップ45による吸
引を止め、鋼板素材Wcをテーブル部52上に落下させ
る(図2に示す鋼板素材Wd)。このような作動を繰り
返すことにより、マグネットフロータ装置21により分
離された鋼板素材Wbを1枚ずつ順次、仮置テーブル装
置51に搬送している。
【0033】続いて、仮置テーブル装置51の構成およ
び作動を図8および図9に基づいて説明する。仮置テー
ブル装置51は、主に、テーブル部52、フリーベア受
け部56およびフリーベア57から構成されており、搬
送装置41により搬送された鋼板素材Wdを一時的に載
置するために設けられている。図8に示すように、テー
ブル部52は平板形状からなり、その幅は鋼板素材Wd
を幅方向に2枚並べられる程度であり、また長さは鋼板
素材Wdの長手方向長さに後述するローラベア装置61
の長手方向長さを加えた程度である。そして、所定の高
さに設定された基台上に据え付けられている。このテー
ブル部52の上面にはフリーベア受け部56が設けられ
ており、このフリーベア受け部56により、一部を突出
させ移動することなく自由に回動できるように球体形状
からなる複数個のフリーベア57が保持されている。
【0034】このような構成を採ることにより、図9に
示すように、テーブル部52に鋼板素材Wdが載置され
ても、テーブル部52と鋼板素材Wdとが面接触するこ
となく、複数のフリーベア57を介して点接触するた
め、鋼板素材Wdの平面内の任意方向の移動をフリーベ
ア57の回転によりスムースに行うことができる。つま
り、仮置テーブル装置51に載置された鋼板素材Wdを
テーブル部52上の任意方向にスムースに移動させるこ
とができる。これにより、後述するローラベア装置61
により鋼板素材Wh方向に鋼板素材Wdを押し出すとき
に、また設備テーブル72によりマッシュシーム溶接機
91方向に鋼板素材Wdを移送するときに、比較的小さ
な力によりに鋼板素材Wdを移動させることができる。
したがって、ローラベア装置61や設備テーブル装置7
1を構成する駆動機構に要求される駆動トルクを抑制す
ることができるため、これらの駆動機構を小型にし得る
効果がある。
【0035】続けて、ローラベア装置61の構成を図8
および図9に基づいて説明する。ローラベア装置61
は、主に、プッシャーバー62、ローラベア66、エア
ーシリンダ63およびプッシャーガイド54から構成さ
れており、仮置テーブル装置51に載置された鋼板素材
Wdを鋼板素材Wh方向に押し出すために設けられてい
る。図8および図9に示すように、プッシャーバー62
は断面コ字状を有する棒形状からなり、その長さは前述
した仮置テーブル装置51のテーブル部52の幅より僅
かに長く設定されている。そして、プッシャーバー62
の両端部にはプッシャーガイド54に摺接可能な図示し
ない係合部が形成されており、またプッシャーバー62
の長溝62a内には、複数のローラベア66が長溝62
aの長手方向に回動可能に収容されている。
【0036】ローラベア66は低背の円柱形状からな
り、図示しない軸部によりプッシャーバー62の長溝6
2a内に回動可能に軸支されるとともに、その外周部分
が長溝62aから僅かに突出するように位置している。
これにより、設備テーブル72によりマッシュシーム溶
接機91方向に鋼板素材Wdを移送するときに、鋼板素
材Wdの端面がプッシャーバー62に面接触することな
く、ローラベア66を介して線接触することから、鋼板
素材Wdのマッシュシーム溶接機91方向の移動をロー
ラベア66の回転によってスムースに行うことができ
る。したがって、比較的小さな力によりに鋼板素材Wd
をマッシュシーム溶接機91方向に移動させることがで
きるため、設備テーブル装置71を構成する駆動機構に
要求される駆動トルクをさらに抑制する効果がある。
【0037】エアーシリンダ63はその内圧の変化によ
り伸縮するシリンダロッド64を備えており、このシリ
ンダロッド64の伸長方向をフリーベア57側にしてテ
ーブル部52の端部に取付けられている。そして、シリ
ンダロッド64の先端部にはプッシャーバー62が取り
付けられており、図8に示すように、平面形状がT字状
になるようにプッシャーバー62およびエアーシリンダ
63が位置している。プッシャーガイド54はテーブル
部52の幅方向両側に取付けられており、エアーシリン
ダ63によって押し出され引き戻されるプッシャーバー
62の移動を鋼板素材Whに対向する方向に案内してい
る。つまり、前述したプッシャーバー62の両端の係合
部がプッシャーガイド54に摺接することによって、伸
縮するシリンダロッド64に押圧または牽引されるプッ
シャーバー62がプッシャーガイド54上を安定して移
動する。
【0038】さらに続けて、設備テーブル装置71の構
成を図8〜図10に基づいて説明する。設備テーブル装
置71は、主に、設備テーブル72、基準ピン74およ
び突き当て板82から構成されており、仮置テーブル装
置51のローラベア装置61の反対側に位置してマッシ
ュシーム溶接機91方向に延設される基台79上に設け
られている。そして、設備テーブル装置71は、鋼板素
材Wd、Whの対向方向基準位置および送り方向基準位
置をそれぞれ位置決めするとともに、位置決めにより所
定の重ね代を確保してクランプされた鋼板素材Wd、W
hをマッシュシーム溶接機91まで搬送するために設け
られている。
【0039】図8に示すように、設備テーブル72は平
板形状からなり、左右両側の仮置テーブル装置51の間
とマッシュシーム溶接機91との間を図示送り方向へ移
動可能に構成される。そのため、設備テーブル72の下
方には複数箇所にローラ75が設けられており、ローラ
75上に位置する設備テーブル72の移動を円滑にして
いる。また設備テーブル72の長さは前述した仮置テー
ブル装置51のテーブル部52の幅とほぼ同様の長さに
設定されている。これは、テーブル部52に2枚並列に
載置された鋼板素材Wdを同時にマッシュシーム溶接機
91に搬送できるようにしたものである。さらに設備テ
ーブル72には、設備テーブル72の送り方向に沿って
長孔72aが2箇所に形成されており、この長孔72a
内を後述する基準ピン74が移動する。
【0040】図8および図9に示すように、基準ピン7
4は設備テーブル72の長孔72a内その一部が長孔7
2a上に突出するように位置している。基準ピン74は
この長孔72a内であれば、任意の位置に固定可能に構
成されており、例えば段取り時にその位置が設定され
る。つまり、この基準ピン74の位置によって、鋼板素
材Wd、Whの溶接時の送り方向基準位置が決定される
ため、鋼板素材の形状や鋼板素材同士の相対位置関係等
によりこの基準ピン74の位置が変動し、必要に応じて
その位置が設定される。なお、図8に示すように、設備
テーブル72の2箇所に基準ピン74が設けられている
のは、前述したように、仮置テーブル装置51のテーブ
ル部52に2枚並列して鋼板素材Wdが載置された場
合、それぞれの鋼板素材Wdに対応して送り方向基準位
置の位置決めを行うためである。
【0041】突き当て板82は細長の平板状からなり、
設備テーブル72の仮置テーブル装置51の反対側、即
ち鋼板素材Wdの対向方向基準位置に設備テーブル72
の下方から出入可能に位置している。つまり、図8およ
び図9に示される突き当て板82は、鋼板素材Wdの対
向方向基準位置を位置決めするために設けられているも
ので、図示しない駆動装置に連結される可動部によって
上下方向に移動し設備テーブル72の側部下方から現れ
たり隠れたりする。一方、鋼板素材Whの対向方向基準
位置を位置決めするための突き当て板83は、図10に
示すように、設備テーブル72の上方に位置しており、
図示しない駆動装置に連結される可動部によって上下方
向に移動し設備テーブル72の側部上方から降たり登っ
たりする。このように突き当て板82、83をそれぞれ
位置させることにより、鋼板素材Wdと鋼板素材Whと
が互いに重なり合いながら、それぞれの対向方向基準位
置を位置決めすることができる。なお、突き当て板8
2、83の先端の一部に斜面82a、83aが形成され
ているのは、これらの斜面82a、83aによって鋼板
素材Wd、Whの端部を突き当て板82、83に案内し
て確実に当接させるためである。
【0042】また、図10に示すように、設備テーブル
72には、その上方から鋼板素材Wd、Whを固定可能
なクランプ87が位置しており、対向方向基準位置およ
び送り方向基準位置の位置決めが完了した鋼板素材W
d、Whをそれぞれ設備テーブル72に固定するために
設けられている。
【0043】上述したように仮置テーブル装置51、ロ
ーラベア装置61および設備テーブル装置71を構成す
ることによって、次に述べるように鋼板素材Wdの対向
方向基準位置および送り方向基準位置の位置決めを行
う。図11(A) に示すように、搬送装置41により鋼板
素材Wd1 が搬送された直後においては、エアーシリン
ダ63はシリンダロッド64を縮めた状態を維持してい
る。そのため、シリンダロッド64の先端部のプッシャ
ーバー62はプッシャーガイド54のエアーシリンダ6
3側端部に位置する。一方、仮置テーブル装置51とマ
ッシュシーム溶接機91との間を往復移動する設備テー
ブル72は仮置テーブル装置51側に待機している。そ
して、所定の制御によってエアーシリンダ63の内圧が
上昇すると、徐々にシリンダロッド64が伸長するた
め、プッシャーガイド54に案内されるプッシャーバー
62がやがて鋼板素材Wd1 の端部に当接し、エアーシ
リンダ63の内圧が上昇し続けることによってシリンダ
ロッド64がさらに伸長し、プッシャーバー62が鋼板
素材Wd1 を鋼板素材Wh方向に押し出す。このプッシ
ャーバー62により鋼板素材Wd1 の押し出しは、鋼板
素材Wd1 のプッシャーバー62の反対側の側端部が突
き当て板82に当接するまで継続される。
【0044】図11(B) に示すように、プッシャーバー
62によって押し出された鋼板素材Wd2 は、仮置テー
ブル装置51のフリーベア57を回動させながらテーブ
ル部52上を移動し、その端部が突き当て板82に当接
することにより、対向方向基準位置が位置決めされる。
つまり、ローラベア装置61により、仮置テーブル装置
51から設備テーブル装置71に押し出される押出工程
によって、設備テーブル装置71への鋼板素材Wd2 の
搬送と対向方向基準位置の位置決めとが同時に行われる
のである。これにより、従来の位置決めテーブルによる
位置決めのように、一旦、位置決めテーブル上で位置決
めをした後、別途設けられた搬送装置によって設備テー
ブルに投入する構成を採ることなくして、直接、設備テ
ーブル72上で対向方向基準位置の位置決めを行うこと
ができる。
【0045】図11(C) に示すように、対向方向基準位
置の位置決めが完了すると、設備テーブル72がマッシ
ュシーム溶接機91方向に移動し始める。このときの設
備テーブル72の移動速度は、設備テーブル72の移動
により基準ピン74が鋼板素材Wd3 に当接したときの
衝撃による鋼板素材Wd3 の位置ずれ等を考慮して、仮
置テーブル装置51とマッシュシーム溶接機91との間
を移動するときの速度に較べて遅い速度に設定されてい
る。つまり、基準ピン74が鋼板素材Wd3 に当接した
ときに鋼板素材Wd3 が予定以上に移動したり、また当
接による衝撃によって基準ピン74や鋼板素材Wd3が
破損しない程度の設備テーブル72の移動速度に設定さ
れている。またこのとき、鋼板素材Wd3 はプッシャー
バー62と突き当て板82とにより軽く挟まれた状態を
維持しているが、前述したように鋼板素材Wd3 は複数
のローラベア66を介してプッシャーバー62に押圧さ
れていることから、送り方向には容易に移動することが
可能な状態にある。
【0046】図11(D) に示すように、設備テーブル7
2のマッシュシーム溶接機91方向の移動が進み、鋼板
素材Wd4 に基準ピン74が当接する位置に到達する
と、基準ピン74による送り方向基準位置の位置合わせ
が行われる。つまり、鋼板素材Wdの形状や鋼板素材W
d、Whの相対位置関係等により設定された基準ピン7
4の固定位置に従って、鋼板素材Wd4 の溶接時の送り
方向基準位置が位置決めされるのである。これにより、
設備テーブル装置71による仮置テーブル装置51から
マッシュシーム溶接機91に鋼板素材Wd4 が搬送され
る移送工程によって、マッシュシーム溶接機91への鋼
板素材Wd4 の搬送と送り方向基準位置の位置決めとが
同時に行われるため、従来の位置決めテーブルによる位
置決めのように、一旦、位置決めテーブル上で位置決め
をした後、別途設けられた搬送装置により設備テーブル
に投入する構成を採ることなくして、直接、設備テーブ
ル72上で送り方向基準位置の位置決めを行うことがで
きる。基準ピン74により送り方向基準位置の位置合わ
せが完了すると、図10に示すクランプ87によって設
備テーブル72に鋼板素材Wd4 が固定され、突き当て
板82が設備テーブル72の下方に退避するとともに、
プッシャーバー62はプッシャーガイド54のエアーシ
リンダ63側端部に後退する。
【0047】最後に、マッシュシーム溶接機91の構成
および作動を図1および図2に基づいて簡単に説明す
る。マッシュシーム溶接機91は、主に、円板形状に形
成されるローラ電極92、93と図示しない溶接電源と
から構成され、設備テーブル装置71により搬送される
2枚の鋼板素材Wd、Whの重ね合わせた部分を上下か
らローラ電極92、93で挟み込み、加圧しながら溶接
電源による溶接電流を通電する。これにより、鋼板素材
Wd、Whの境界部が抵抗溶接されると同時に、回転す
るローラ電極92、93によって鋼板素材Wd、Whの
重ね合わせ部分が押し潰されることから、マッシュシー
ム溶接が施される。マッシュシーム溶接が施されて互い
に接合された鋼板素材Wd、Whは設備テーブル装置7
1のマッシュシーム溶接機91側端部から搬出される。
【0048】以上説明したように、本実施形態による溶
接装置20によると、ローラベア装置61による仮置テ
ーブル装置51から設備テーブル装置71に押し出され
る押出工程によって、設備テーブル装置71への鋼板素
材Wdの搬送と対向方向基準位置の位置決めとが同時に
行われ、また設備テーブル装置71による仮置テーブル
装置51からマッシュシーム溶接機91に鋼板素材Wd
が搬送される移送工程によって、マッシュシーム溶接機
91への鋼板素材Wdの搬送と送り方向基準位置の位置
決めとが同時に行われる。これにより、従来の位置決め
テーブルによる位置決めのように、一旦、位置決めテー
ブル上で位置決めをした後、別途設けられた搬送装置に
よって設備テーブルに投入する構成を採ることなくし
て、直接、設備テーブル72上で対向方向基準位置およ
び送り方向基準位置の位置決めをそれぞれ行うことがで
きる。したがって、仮置テーブル装置51上で他方の鋼
板素材Wh方向に鋼板素材Wdを押し出すローラベア装
置61と、マッシュシーム溶接機91方向に鋼板素材W
dを移送する基準ピン74を備えた設備テーブル装置7
1とによる比較的簡易な構成によって、鋼板素材の高精
度な位置決めをすることができる効果がある。また、従
来の別途設けられていた搬送装置等の廃止により、設備
コストの大幅な削減を実現することができる効果があ
る。
【0049】なお、本実施形態では、マッシュシーム溶
接を行う溶接装置に本発明を適用した場合について説明
したが、本発明ではこれに限られることはなく、相対向
する2枚の鋼板素材を双方ともに溶接送り方向に移動さ
せ、この2枚の鋼板素材を互いに溶接する溶接装置であ
れば良く、例えば鋼板の端面同士を突き合わせて溶接す
る突き合わせ溶接工法によるレーザ溶接を行う溶接装置
に本発明を適用しても、上述した各効果を同様に得られ
ることは言うまでもない。
【0050】
【発明の効果】請求項1の発明では、積層された複数の
鋼板素材から分離された一方の鋼板素材は、所定位置に
載置された後、押出工程により対向方向基準位置まで押
し出され、移送工程により送り方向基準位置まで移送さ
れるため、他方の鋼板素材に相対向する方向の位置決め
を押出工程により行うことができ、また溶接送り方向の
位置決めを移送工程により行うことができる。これによ
り、従来、別途設けられた搬送装置等を介することなく
して、押出工程と移送工程により溶接時の相対位置に直
接位置合わすることができる。したがって、比較的簡素
な位置決め機構により鋼板素材の高精度な位置決めをす
ることができる効果がある。また、従来、別途設けられ
ていた搬送装置等はその必要がなくなることから、その
分、設備コストを削減することができる効果がある。
【0051】請求項2の発明では、ベース部に取付けら
れた複数の磁力発生部は、駆動部によるベース部の回動
によって鋼板素材集合体の側面に当接または離隔するた
め、1つの駆動部で鋼板素材集合体の側面に沿って複数
の磁力発生部を位置させることができる。これにより、
複数の磁力発生部につき各々個別の駆動部により各磁力
発生部を鋼板素材集合体の側面に当接または離隔させて
いた場合と較べると、駆動部の必要個数を複数個から1
個に減少させたことから、設備コストを削減することが
できる効果がある。
【0052】請求項3の発明では、分離工程により分離
された一方の鋼板素材は回動可能な複数の球状体上に載
置されるため、所定位置に載置された一方の鋼板素材を
テーブル部上の任意方向にスムースに移動させることが
できる。これにより、後工程である押出工程や移送工程
に用いられる鋼板素材の駆動機構に必要な駆動トルクを
抑制することができる。したがって、押出工程および移
送工程の駆動機構の小型化を可能にする効果がある。
【0053】請求項4の発明では、ローラベア装置によ
って他方の鋼板素材に相対向する方向に押し出された一
方の鋼板素材は、対向方向基準位置に出る突き当て板に
当接するため、所定位置に載置された一方の鋼板素材を
他方の鋼板素材に相対向する方向に対向方向基準位置ま
で押し出すことができる。これにより、対向方向基準位
置の位置決めを簡素な構成で実現することができるとと
もに、溶接時の相対位置である対向方向基準位置に直接
位置合わせすることができる。したがって、比較的簡素
な位置決め機構により鋼板素材の高精度な位置決めをす
ることができる効果がある。また、請求項4の発明で
は、鋼板素材の押し出しにローラベア装置を用いること
から、次工程である移送工程において、溶接送り方向に
鋼板素材を移動させるときに鋼板素材の端面がローラベ
ア装置のローラ上を滑べり鋼板素材をスムースに移動さ
せることができる。これにより、移送工程に用いられる
鋼板素材の移送装置に必要な駆動トルクを抑制すること
ができる。したがって、移送装置の駆動機構を小型にす
る効果がある。
【0054】請求項5の発明では、任意に位置決めされ
た基準ピンは移送装置によって溶接送り方向に送り方向
基準位置まで移動するため、対向方向基準位置まで押し
出された一方の鋼板素材に溶接送り方向に移動する基準
ピンが当接すると、この基準ピンによって一方の鋼板素
材を送り方向基準位置まで移動させることができる。こ
れにより、送り方向基準位置の位置決めを簡素な構成で
実現することができるとともに、溶接時の相対位置であ
る送り方向基準位置に直接位置合わせすることができ
る。したがって、比較的簡素な位置決め機構により鋼板
素材の高精度な位置決めをすることができる効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による溶接装置の構成を示
す模式的平面図である。
【図2】図1に示すII方向による模式的側面図である。
【図3】本発明の一実施形態によるマグネットフロータ
装置の構成を示す模式的平面図である。
【図4】図3に示すIV方向による模式的側面図である。
【図5】図5(A) はマグネットフロータの側面図を示
し、図5(B) は図5(A) に示すB−B線断面図である。
【図6】マグネットフロータ装置の作動を示す模式的説
明図である。
【図7】図7(A) は長方形状の鋼板素材、図7(B) は平
行四辺形状の鋼板素材、図7(C) は台形状の鋼板素材を
それぞれ分離するマグネットフロータ装置の状態を示す
模式的説明図である。
【図8】本発明の一実施形態による仮置テーブル装置の
構成を示す平面図である。
【図9】図8に示すIX方向による側面図である。
【図10】仮置テーブル装置の突き当て板の構成を示す
断面図である。
【図11】鋼板素材が、対向方向基準位置および送り方
向基準位置に位置合わせされる様子を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
20 溶接装置 21 マグネットフロータ装置 22 マグネットベース(ベース部) 25 マグネットフロータ 25b N極磁石(磁力発生部) 25c S極磁石(磁力発生部) 26 サーボモータ(駆動部) 27 ボールねじ(駆動部) 31 準備テーブル 41 搬送装置 51 仮置テーブル装置 52 テーブル部 57 フリーベア(球状体) 61 ローラベア装置 66 ローラベア 71 設備テーブル装置(移送装置) 74 基準ピン 82 突き当て板 91 マッシュシーム溶接機(溶接機) Wb 鋼板素材(鋼板素材集合体)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶接時の相対位置を対向方向基準位置と
    送り方向基準位置とにより決定する2枚の相対向する鋼
    板素材を、溶接送り方向に移動させて互いに溶接する溶
    接装置であって、 積層された複数の鋼板素材から一方の鋼板素材を1枚分
    離する分離工程と、 分離された一方の鋼板素材を所定位置に載置する仮置工
    程と、 前記所定位置に載置された一方の鋼板素材を他方の鋼板
    素材に相対向する方向に前記対向方向基準位置まで押し
    出す押出工程と、 前記対向方向基準位置まで押し出された一方の鋼板素材
    を溶接送り方向に前記送り方向基準位置まで移送する移
    送工程とを有することを特徴とする溶接装置。
  2. 【請求項2】 前記分離工程においては、 鋼板素材が積層された鋼板素材集合体の側面に対向可能
    に回動自在に軸支されるベース部と、前記鋼板素材集合
    体の側面と前記ベース部との間に位置するように前記ベ
    ース部に取付けられる複数の磁力発生部と、前記ベース
    部を回動させる駆動部とを備えるマグネットフロータ装
    置、 を用いることを特徴とする請求項1記載の溶接装置。
  3. 【請求項3】 前記仮置工程においては、 複数の球状体と、この複数の球状体を上面に突出させて
    回動可能に前記所定位置に保持するテーブル部とを備え
    る仮置テーブル装置、 を用いることを特徴とする請求項1記載の溶接装置。
  4. 【請求項4】 前記押出工程においては、 前記所定位置に対し前記他方の鋼板素材と反対側に位置
    し、前記一方の鋼板素材を他方の鋼板素材に相対向する
    方向に押し出し可能なローラベア装置と、 前記ローラベア装置により押し出された一方の鋼板素材
    が当接可能に前記対向方向基準位置に出入する突き当て
    板と、 を用いることを特徴とする請求項1記載の溶接装置。
  5. 【請求項5】 前記移送工程においては、任意に位置決
    め可能な基準ピンを備え、この基準ピンを溶接送り方向
    に送り方向基準位置まで移動させる移送装置、を用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の溶接装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001064384A1 (fr) * 2000-02-28 2001-09-07 Kikuchi Co., Ltd. Dispositif et procede de soudage continu

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