JPH11169449A - 芳香剤加熱蒸散用吸液芯材 - Google Patents

芳香剤加熱蒸散用吸液芯材

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JPH11169449A
JPH11169449A JP9341465A JP34146597A JPH11169449A JP H11169449 A JPH11169449 A JP H11169449A JP 9341465 A JP9341465 A JP 9341465A JP 34146597 A JP34146597 A JP 34146597A JP H11169449 A JPH11169449 A JP H11169449A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間の使用に対して、芳香剤の有効成分で
ある香料の香質の変化がなく、しかも一定の蒸散量を維
持する等の優れた吸液芯材を提供すること。 【解決手段】 全体がトップまたはスライバー状にある
合成樹脂繊維からなり、周囲部分にあるトップまたはス
ライバー状の合成樹脂繊維が緻密化されて、表面層を形
成していることを特徴とする芳香剤加熱蒸散用吸液芯
材。全体がトップまたはスライバー状にあるポリエチレ
ンテレフタレート繊維からなり、前記の各繊維が相互に
ポリウレタン樹脂からなる接着剤により接着されている
ことを特徴とする芳香剤加熱蒸散用吸液芯材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱により芳香剤
を蒸散させる加熱蒸散装置に用いられる吸液芯材に関
し、詳しくは長期間安定して使用することができる吸液
芯材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、加熱により芳香剤を蒸散させる加
熱蒸散装置に用いられる吸液芯材は、合成樹脂繊維のト
ップまたはスライバーを熱硬化性樹脂により接着した
後、成形加工したものが用いられていた。しかしなが
ら、上記吸液芯材は、長時間使用した場合、芳香剤の有
効成分として用いられる香料の種類により香質に変化が
生じる、あるいは特定の香料成分の蒸散量が不安定にな
る等の現象が起き、安定した香質を長期間維持すること
ができないことがしばしばあった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、上記
従来技術の欠点を改良し、長期間の使用に対して、芳香
剤の有効成分である香料の香質の変化が少なく、しかも
一定の香質と香りの強度を維持する等の優れた吸液芯材
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意研究を行った結果、従来の吸液芯材
は、それを構成する合成樹脂繊維のトップまたはスライ
バー全体を熱硬化性樹脂により接着して成形するため、
接着剤の熱硬化性樹脂が繊維群のすきまを詰めてしまう
ので、内部の連通路が少なく、使用中に目詰まりが生じ
易く、そのため長時間の使用に対して安定性に欠けるこ
とを知り、それではそのような接着剤を使用しなけれ
ば、トップまたはスライバー状の合成樹脂繊維は気孔率
の高いものであって、芳香剤が毛細管現象により良く上
昇するが、その状態では芯材の形態を取ることができな
いという問題がでてきた。本発明者らは、それを周囲を
トップまたはスライバーの合成樹脂繊維が溶融固化する
等の手段により緻密化することによれば、中央部は気孔
率の高いトップまたはスライバー状の合成樹脂繊維のま
まとすることができることをみいだし、長時間の使用に
対して香質、香りの強度が維持されることを知見して、
本発明を完成するに至った。また、周囲を緻密化しなく
とも、各繊維を相互にポリウレタン樹脂からなる接着剤
により接着した場合にも高い効果が得られることも見い
だした。
【0005】即ち、本発明は、以下の手段により、前記
の課題を解決した。 (1)全体がトップまたはスライバー状にある合成樹脂
繊維からなり、周囲部分にあるトップまたはスライバー
状の合成樹脂繊維が緻密化されて、表面層を形成してい
ることを特徴とする芳香剤加熱蒸散用吸液芯材。 (2)全体がトップまたはスライバー状にあるポリエチ
レンテレフタレート繊維からなり、前記の各繊維が相互
にポリウレタン樹脂からなる接着剤により接着されてい
ることを特徴とする芳香剤加熱蒸散用吸液芯材。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の芳香剤加熱蒸散用吸液芯
材(以下、吸液芯材という)は、薬液容器の芳香剤に浸
漬させて毛細管現象により芳香剤を上昇させ、上昇して
先端部に達した芳香剤を加熱することにより、単位時間
当たり一定量の芳香剤を蒸散させるために用いられるも
のである。本発明の吸液芯材は、例えば図1(a)およ
び(b)に示される形状を取ることができるが、これら
の形状に制限されない。図1(a)は、先端部の形状が
円錐状である吸液芯材の概略側面図であり、図1(b)
は先端がフラットな吸液芯材(フラット芯材)の概略側
面図である。吸液芯材の先端部の形としては、その他に
も半球形などとすることができるが、吸液芯材の中央部
がトップ又はスライバーであるためにその形状はある程
度制約される。
【0007】吸液芯材の外形寸法は、(a)および
(b)のいずれにおいても、通常太さが3ないし7m
m、長さは50〜80mm程度のもので、(a)の円錐
部の高さは、3〜10mmの範囲が好ましい。図2
(c)には、本発明の吸液芯材の横断面の形状が円形で
ある例を、図2(d)には、横断面の形状が正方形であ
る例を各々示した。勿論、横断面の形状はこれらに制限
されない。本発明の吸液芯材は、全体がトップまたはス
ライバー状にある合成樹脂繊維からなり、周囲部分にあ
るトップまたはスライバー状の合成樹脂繊維が緻密化さ
れて、表面層を形成している。即ち、図2(c)および
(d)の横断面を示す図において、表面層2は周囲部分
にあるトップまたはスライバー状の合成樹脂繊維が緻密
化されることにより形成されており、緻密化されていな
い残りのトップまたはスライバー状にある合成樹脂繊維
から中央部3が形成される。また、本発明の吸液芯材と
して、トップまたはスライバーの状態にあるポリエチレ
ンテレフタレート繊維をポリウレタン樹脂からなる接着
剤により接着した吸液芯材を用いる時には、揮散量の大
きな吸液芯材を構成することができる。
【0008】本発明の吸液芯材の中央部のトップまたは
スライバー状にある合成樹脂繊維の気孔率は、20〜8
0%、好ましくは40〜80%、より好ましくは40〜
60%であることが良い。もちろん、気孔率が大きくな
くても、高揮散率が得られる限り、これに左右されるも
のではない。中央部を構成するトップおよびスライバー
状の好ましい合成樹脂繊維としては、単糸の太さが1〜
15デニールのポリアクリル系繊維、ポリアミド系繊
維、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維等のポ
リエステル系繊維等で、特に好ましいものはPET繊維
である。
【0009】更には、本発明の吸液芯材として、前記し
たトップまたはスライバーの状態にあるポリエチレンテ
レフタレート繊維をポリウレタン樹脂からなる接着剤に
より接着した吸液芯材を用いる時には、全横断面にわた
って毛細管通路を持つため、揮散量の大きな吸液芯材を
構成することができる。本発明において、「スライバ
ー」とは、ヨリのないロープ状又は紐状をなしている繊
維集束をいう。また、「トップ」とは、毛紡績工程にお
けるスライバーに相当するものをいい、ソ毛前紡工程に
かける状態としてのスライバーあるいはこれを巻いたも
のをいう。
【0010】本発明の吸液芯材の周囲側面の表面層は、
例えばトップまたはスライバー状の合成樹脂繊維が緻密
化されたものからなる。この表面層は、常温下および薬
剤を蒸散させるために加熱して高温度となった雰囲気下
で、吸液芯材の中央部を構成するトップまたはスライバ
ー状の合成樹脂繊維を束ね、吸液芯材の強度を保つよう
に作用する。ここで、表面層は、吸液芯材の側面のみに
設けられ、先端部および下端部には設けられない。な
お、全体が前記のポリウレタン樹脂系接着剤により結着
された吸液芯材では上記した表面層を有さなくてもよ
い。
【0011】吸液芯材の周囲側面の部分のトップまたは
スライバー状の合成樹脂繊維を緻密化する方法として、
合成樹脂繊維を加熱して溶融して繊維相互を接合する方
法、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の熱
硬化性樹脂系接着剤を用いて合成樹脂繊維を相互に接着
させる方法等を挙げることができるが、緻密化し得る手
段であれば、これらの方法に制限されない。緻密化は、
表面層の気孔率が好ましくは60%以下、より好ましく
は40%以下となるように行われる。このように気孔率
を下げることにより、表面層の強度が上昇し、表面層が
上記した如くに作用する。繊維相互の接着又は接合を強
くすると、強度が上昇するが、表面層からの蒸散は低下
する。
【0012】以上説明した本発明の吸液芯材は、表面層
が合成樹脂繊維を緻密化して形成されるときは、下記の
方法で製造することができる。即ち、合成樹脂繊維のト
ップまたはスライバーを、成形型内に投入した後、圧
縮、加熱することにより製造することができる。また、
前記したトップまたはスライバーの状態にあるポリエチ
レンテレフタレート繊維をポリウレタン樹脂からなる接
着剤により接着した吸液芯材を用いる時には、沸点が1
50〜280℃の香料成分を安定して揮散することがで
きる。この場合には、溶剤として200〜280℃のも
のを使用することが好ましい。ここで「安定」とは、蒸
散量の経時的減少が少なく、吸液量が安定していること
をいい、そこでは、芯への香料成分の目詰まりが少な
く、芯とヒーターのかかりを変化させた時にも鋭敏に反
応することをいうものである。この吸液芯材では、前記
した接着は必要な多孔度を持つように行われる。
【0013】この吸液芯材は、芯の強度が大きく、変形
しにくいので使い易く、直立しているので、リング状ヒ
ーターとの組合せが良好であり、先端形状の加工が簡単
である。また、この吸液芯材は、耐香料性に優れてお
り、香料成分によるダメージを受けることがなく、香質
の変化がなく、ポリエチレンやポリプロピレン等のよう
に膨潤しない。さらに、この吸液芯材は、耐溶剤性に優
れており、パラフィン系、水−アルコール系のどちらの
溶剤に退位しても安定で変形しない。耐熱性に優れてお
り、加熱による変形、溶融がないという優れた性質を有
する。
【0014】次に、汎用されている加熱蒸散装置の断面
説明図を図3に示し、本発明の吸液芯材が加熱蒸散装置
に取り付けられている状態の1例を説明する。吸液芯材
20を内部に配備している芳香剤加熱蒸散装置11は上
方開口部12と下方開口部13を有する略円筒状の装置
で、外周壁14と内周壁15を有し、内周壁15に取り
付け口16が設けられ、その取付口16に芳香剤10を
収納した薬液容器17が取り付けられている。
【0015】芳香剤加熱蒸散装置11の上方開口部12
付近にリング状の加熱ヒーター19が設けられており、
一方吸液芯材20は、芳香剤加熱蒸散装置11の口部1
8に、吸液芯材20の先端22がリング状の加熱ヒータ
ー19の上端とほぼ一致するように位置決めされて固定
され、吸液芯材20の下端21は薬液容器17内の薬液
10に十分に浸漬されている。前記加熱ヒーター19と
吸液芯材20の先端22との位置関係は、前記加熱ヒー
ター19又は吸液芯材20を上下することにより変える
ことができるが、それらの上下調節装置は、図示するの
を省略している。下方開口部13から入った空気が通気
孔23を通って加熱により蒸散した香料を伴って上方開
口部12から出る。
【0016】加熱蒸散に用いる芳香剤中に含有される香
料としては、溶剤又は可溶化剤に溶解させて使用できる
ものであれば何ら制限を受けるものではなく、天然香料
あるいは合成香料のいずれでも使用可能で、調合香料で
あっても構わない。また、動物性香料、植物性香料を問
わない。天然香料として例えば、じゃ香、霊猫香、竜延
香等の動物性香料;アビエス油、アジョクン油、アルモ
ンド油、アンゲリカルート油、ページル油、ベルガモッ
ト油、パーチ油、ボアバローズ油、カヤブチ油、ガナン
ガ油、カプシカム油、キャラウエー油、カルダモン油、
カシア油、セロリー油、シナモン油、シトロネラ油、コ
ニャック油、コリアンダー油、キュペブ油、クミン油、
樟脳油、ジル油、エストゴラン油、ユーカリ油、フェン
ネル油、ガーリック油、ジンジャー油、グレープフルー
ツ油、ホップ油、ジュニパーベリー油、ローレルリーフ
油、レモン油、レモングラス油、ロページ油、メース
油、ナツメグ油、マンダリン油、タンゼリン油、カラシ
油、はつか油、燈花油、玉ねぎ油、こしょう油、オレン
ジ油、セイジ油、スターアニス油、テレピン油、ウォー
ムウッド油、ワニラ豆エキストラクト等の植物性香料を
含む。
【0017】人造香料は合成または抽出香料であり、そ
れらは例えばピネン、リモネン等の炭化水素類;リナロ
ール、ゲラニオール、シトロネロール、メントール、ボ
ルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、
β−フェニルエチルアルコール等のアルコール類;アネ
トール、オイゲノール等のフェノール類;n−ブチルア
ルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒ
ド、ヘプチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、ノナ
ジエナール、シトラール、シトロネラール、ベンズアル
デヒド、シンナミックアルデヒド、ヘリオトロピン、ワ
ニリン等のアルデヒド類;メチルアミルケトン、メチル
ノニルケトン、ジアセチル、アセチルプロピオニル、ア
セチルブチリル、カルボン、メントン、樟脳、アセトフ
ェノン、p−メチルアセトフェノン、イオノン等のケト
ン類;アミルブチロラクトン、メチルフェニルグリシド
酸エチル、γ−ノニルラクトン、クマリン、シネオール
等のラクトンまたはオキシド類;メチルフォーメート、
イソプロピルフォーメート、リナリールフォーメート、
エチルアセテート、オクチルアセテート、メンチルアセ
テート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、
プロピオン酸ブチル、酢酸イソアミル、イソ酪酸イソプ
ロピル、イソ吉草酸グラニル、カプロン酸アリル、ヘプ
チル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ヘプチンカルボン
酸メチル、ペラハゴン酸エチル、オクチンカルボン酸メ
チル、カプリン酸イソアシル、ラウリン酸メチル、ミリ
スチン酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸ベンジル、
フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸ブチル、桂皮酸メチ
ル、桂皮酸シンナミル、サルチル酸メチル、アニス酸エ
チル、アンスラニル酸メチル、エチルピルベート、エチ
ルα−ブチルブチレート等のエステル類等を含む。
【0018】香料は一種類のみでもよいし、二種類以上
を調合した調合香料でもよい。配合香料としては、例え
ば天然香料としてじゃ香、合成香料としてピネンを調合
した調合香料、あるいは天然香料として霊猫香、合成香
料としてリモネンを調合した調合香料等が挙げられる。
【0019】前記加熱蒸散用芳香剤は、アルコール類、
エーテル類、灯油系(パラフィン系)等を単独または組
み合わせた香料の溶剤に香料を溶解させて製造する。香
料の溶剤は前記香料を溶解するものであれば特に制限さ
れない。前記芳香剤中における香料の配合割合は、5〜
50重量%、好ましくは20〜40重量%とするが、実
施可能な限り前記配合割合に制限を受けるものではな
い。このため、芳香剤全体における溶剤の配合割合は、
残りの95〜50重量%、好ましくは80〜60重量%
となる。なお、香料は、その液の中に可溶化剤を含んで
いるものもあり、その場合純粋な香料成分の含有量は上
記より少なくなる。
【0020】また、この芳香剤中には、溶液の溶解性や
加熱蒸散性を改善あるいは調整するために次の化合物を
添加剤として添加しても良い。すなわち例えば、 ・3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン
(以下BHTという) ・3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール ・3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール ・メルカプトベンズイミダゾール ・ジラウリル−チオ−ジ−プロピオネート ・2,2′−メチレン−ビス−(6−t−ブチル−4−
メチルフェノール) ・2,2′−メチレン−ビス−(6−t−ブチル−4−
エチルフェノール) ・4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチ
ルフェノール) ・4,4′−ブチリデン−ビス−(6−t−ブチル−3
−メチルフェノール) ・4,4′−チオ−ビス−(6−t−ブチル−3−メチ
ルフェノール) ・1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン ・トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン ・テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン ・オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシヒドロシンナメート
【0021】・フェニル−β−ナフチルアミン ・N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン ・2,2,4−トリメチル−1,3−ジヒドロキノリン
ポリマー ・6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,3−ジ
ヒドロキノリン ・2−t−ブチル−4−メトキシフェノール ・3−t−ブチル−4−メトキシフェノール ・2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール ・ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート ・α−トコフェロール ・アスコルビン酸 ・エリソルビン酸 等を挙げることができる。上記添加剤は、その1種を単
独で用いてもよく、また2種以上併用することもでき
る。その含有量は、芳香剤中に約0.05〜2.0重量
%、特には約0.1〜1.0重量%とするのが好まし
い。
【0022】本発明の吸液芯材は、全体がトップまたは
スライバー状にある合成樹脂繊維からなり、周囲部分に
あるトップまたはスライバー状の合成樹脂繊維が緻密化
されて、表面層を形成しているおり、この吸液芯材の中
央部の合成樹脂繊維の気孔率が、20〜80%、好まし
くは40〜80%、より好ましくは40〜60%とする
ことが好適である。この場合、本発明の吸液芯材を芳香
剤が毛細管現象により通過する中央部の気孔率が、前述
したとおりであっても、液剤の吸い上げの量が大きく、
かつそれが長期にわたって維持されることになる。それ
により、長期間の使用に対して、芳香剤の有効成分であ
る香料の香質の変化がなく、しかも一定の香質、香りの
強度を長期にわたり維持する。また、本発明の吸液芯材
として、トップまたはスライバー状の合成樹脂繊維をポ
リウレタンからなる接着剤により接着したものは、合成
樹脂繊維の気孔率がそれほど大きくなくとも、芳香剤の
揮散量が大きく、効率良く芳香剤を揮散させることがで
きて、実用的である。
【0023】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明する
が、本発明の範囲は実施例に制限されるものではない。
以下の実施例および比較例において、気孔率は吸水量を
測定し、該吸水率を気孔率とした。
【0024】実施例1 本実施例は、吸液芯材として、繊維のスライバーの束の
周囲の表面層を加熱により溶融固化して形成したものを
用いた具体例である。 〔吸液芯材−1:〕 (1)繊維材 PET繊維、スライバー状、単糸太さ:5デニール(ア
サヒ繊維工業(株)製) (2)表面層の形成(溶融固化) 溶融固化法:PET繊維スライバーを成形型内に投入し
た後、圧縮し、その成形体の周囲を電熱により加熱する
ことにより緻密な表面層を形成した。 表面層厚み:500μm 表面層気孔率:40% (3)中央部 気孔率:50% (4)吸液芯材の寸法 直径:6.7mm、長さ:73mm
【0025】〔吸液芯材−2:〕ポリウレタン樹脂を接
着剤として用い、上記繊維材を接着、成形して吸液芯材
−1と同じ寸法の吸液芯材を作成した。気孔率は52%
であった(オーベックス(株)製)。
【0026】 〔芳香剤:下記香料を含む6種類の芳香剤を調製〕 溶剤 : イソパラフィン 59.9%(W/V) 又は 69.9%(W/V) 香料 : グレープフルーツ系香料(GF) 40%(W/V) ピーチ系香料(PE) 30%(W/V) グリーンアップル系香料(GA) 30%(W/V) ネーブルオレンジ系香料(NO) 30%(W/V) パイナップル系香料(PA) 30%(W/V) アカリンゴ系香料(RA) 30%(W/V) 添加剤 : 3,5−ジ−t−ブチル− 4−ヒドロキシトルエン 0.1%(W/V) 薬液量(容器封入量): 45ミリリットル
【0027】蒸散室で、以上の吸液芯材および芳香剤を
市販の加熱蒸散器(アース製薬社製)に設置し、ヒータ
ー温度98℃で連続蒸散させ、平均蒸散量を測定し、香
質および強度に関する官能試験を行った。官能試験は
2.3m3 官能検査ボックス内で実施した。その結果を
表1〜3に示した。また、各芳香剤毎の蒸散量の経時変
化を測定し、その結果を図4〜9に示した。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】前記における官能試験は、5段階評価であ
る。 (評価基準) 香質 良い:5点、やや良い:4点、普通:3点 やや悪い:2点、悪い:1点 香り強度 強い:5点、やや強い:4点、普通:3点 やや弱い:2点、弱い:1点 (測定結果)表1の結果から、平均蒸散量については、
周囲に緻密な表面層を有する吸液芯材−1よりもポリウ
レタン系接着剤で結着した吸液芯材−2の方が大きいと
いえる。また、表2〜3の結果から、官能試験では、吸
液芯材の種類によっては香質評価に大差がなく、香料の
種類でみると、吸液芯材−1の場合には香料が変わって
も香質評価は高く、吸液芯材−2の場合も同様である。
香りの強度もあまり差がない。
【0032】図4〜9において、○は吸液芯材−1、×
は吸液芯材−2を各々用いたときのデータである。これ
らの図から、本発明の表面層を緻密化し、内部を気孔率
の大きいトップまたはスライバー状の合成樹脂繊維とな
した吸液芯材−1及び吸液芯材−2を用いた場合、長期
間香質が安定してして芳香剤を加熱蒸散できることが分
かる。
【0033】
【発明の効果】本発明の吸液芯材を用いた加熱蒸散装置
により長期間芳香剤を蒸散させても、芳香剤の有効成分
である香料の香質の変化が少なく、しかも長期にわたっ
て一定の香質、香り強度を維持することができる。ま
た、トップ又はスライバーのポリエチレンテレフタレー
ト繊維をポリウレタン樹脂系接着剤で結着した吸液芯材
を用いる場合には、沸点150〜280℃の香料成分を
安定して揮散させることができ、芯の強度が大きく、変
形しにくく、耐香料性、耐溶剤性に優れており、香料成
分によるダメージをうけず、溶剤によって変形せず、耐
熱性にも優れているいるため、芳香剤の加熱蒸散量を大
きくすることができ、しかも長期にわたって一定の香
質、香り強度を維持することができて、実用的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸液芯材の概略側面図であり、(a)
は先端が円錐状、(b)はフラット状の吸液芯材の概略
側面図である。
【図2】本発明の吸液芯材の横断面図であり、(c)は
横断面図が円形の吸液芯材、(d)は横断面図が円形の
吸液芯材のものを示す
【図3】芳香剤加熱蒸散装置の典型例の断面説明図であ
る。
【図4】本発明の吸液芯材−1を用いたときの芳香剤G
Fの蒸散量の変化と、吸液芯材−2を用いたときのそれ
とを比較したグラフである。
【図5】本発明の吸液芯材−1を用いたときの芳香剤P
Eの蒸散量の変化と、吸液芯材−2を用いたときのそれ
とを比較したグラフである。
【図6】本発明の吸液芯材−1を用いたときの芳香剤G
Aの蒸散量の変化と、吸液芯材−2を用いたときのそれ
とを比較したグラフである。
【図7】本発明の吸液芯材−1を用いたときの芳香剤N
Oの蒸散量の変化と、吸液芯材−2を用いたときのそれ
とを比較したグラフである。
【図8】本発明の吸液芯材−1を用いたときの芳香剤P
Aの蒸散量の変化と、吸液芯材−2を用いたときのそれ
とを比較したグラフである。
【図9】本発明の吸液芯材−1を用いたときの芳香剤R
Aの蒸散量の変化と、吸液芯材−2を用いたときのそれ
とを比較したグラフである。
【符号の説明】
1 吸液芯材の表面層 2 吸液芯材の中央部 10 芳香剤 11 芳香剤加熱蒸散装置 12 上方開口部 13 下方開口部 14 外周壁 15 内周壁 16 取り付け口 17 薬液容器 18 口部 19 加熱ヒーター 20 吸液芯材 21 吸液芯材下端部 22 吸液芯材先端部 23 通気孔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全体がトップまたはスライバー状にある
    合成樹脂繊維からなり、周囲部分にあるトップまたはス
    ライバー状の合成樹脂繊維が緻密化されて、表面層を形
    成していることを特徴とする芳香剤加熱蒸散用吸液芯
    材。
  2. 【請求項2】 全体がトップまたはスライバー状にある
    ポリエチレンテレフタレート繊維からなり、前記の各繊
    維が相互にポリウレタン樹脂からなる接着剤により接着
    されていることを特徴とする芳香剤加熱蒸散用吸液芯
    材。
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