JP4739648B2 - 活性物質を気化させるための加熱装置 - Google Patents

Description

【０００１】
（技術分野）
本発明は、活性物質（active substances）を気化させるための加熱装置に関する。これは、芯（wick）の一端が容器内に案内されて活性物質内に浸される一方、芯の他端が外部に延在し毛管現象によって活性物質がその外部の自由端に達するようにした、活性物質を収容するある種の容器であって、装置内に位置決めされた電気抵抗（体）の手段によって芯を加熱することにより、対応する活性物質の蒸発を生じさせるようにした容器、に適用可能である。
【０００２】
（背景技術）
活性物質、例えば、消毒剤、殺虫剤、エアフレッシュナ、殺菌剤、防カビ剤等、を気化させるために設計された多数の加熱装置があり、主に、２タイプに区別可能である。その１つは、ＰＴＣ要素の加熱に基づくものであり、このＰＴＣ要素は、通常、２つの高熱伝導率の電極間に配置される。電極には適切な電気が供給され、これにより、上記ＰＴＣは加熱される。そして、毛管現象により、活性物質は、装置アセンブリに備えられている軸方向の開口を通って延在している芯（wick）の上側自由端に達する。これは活性物質を含有する容器の入り口に取り付けられるようになっている。
【０００３】
この第１のタイプの装置の例として、特許第９６００４８２号公報を引用することができる。この公報において、装置は、他の利点の中でも、特に、理論的に、その組み立てを容易にすると共に製造コストを減じる最小限の数のピース部材を用いて形成される。
【０００４】
第２のタイプの装置は、電気抵抗の手段による芯（wick）の加熱に基づくものであり、この意味において、スペイン実用新案第９５０１３６４号公報およびヨーロッパ特許第ＥＰ０６８９７６６Ａ１号公報を引用することができる。第１の場合において、加熱装置は、操作性において効果的であるように適切に組み立てられねばならない多数のピースを有し、これらのピースは、疑いなく、組み立て等において適切な人的ケアを必要とする。一方、第２のケース（場合）におけるヨーロッパ特許の装置では、電気抵抗が、十分な電力供給源を有するプリント回路上に取り付けられる。この電力供給源は、プリント回路基板の位置決めと適切な設置のために、装置アセンブリ内に適切な空間（スペース）や領域を必要とする。
【０００５】
明らかに、電気抵抗の使用は、ＰＴＣ要素を用いるよりも経済的であるが、上記の如く、加熱要素として電気抵抗を有する前述の２つのタイプの装置は、現在、解決されない欠点を有する。
【０００６】
（発明の開示）
（発明が解決しようとする技術的課題）
本発明の目的は、装置内の軸方向の開口を通って延在する芯の加熱を生じさせる１つまたはそれ以上の電気抵抗（体）を有する加熱装置であって、実際の装置が取り付けられる容器が収容している活性液状物質内に芯が部分的に浸される加熱装置を提供することである。本発明の基本的な目的は、電気抵抗（体）を支持するための支持本体が、単一ピースの成形プラスチックから形成されるようにすることである。
【０００７】
（その解決方法）
提案する加熱装置は、前述の困難を解決するために、電気抵抗（体）を取り付ける認識されている本体に対して、正確に設計される。１つだけの場合には、実際の本体上に設置されるクリップとして機能する補足的ピースを備え、対応する接触器に対する電気抵抗（体）の末端の接続が適切なものとなるようにする。そのような方法において、ユニット全体に対する前記本体は、単一ピースの成形プラスチックから形成される。好ましい材料として、ポリアミド等の低コストのポリオレフィンが挙げられる。これは、より高温下での作業（操作）の可能性を許すため、より適切なものである。
【０００８】
より詳しくは、上記クリップにより捕捉される、単一のパーツ（部品）からなる装置としてのプラスチック成形本体は、軸方向のネックに適合する同心開口を備える筒状構成を有する。これにより、このネックと筒状本体の側面との間には、各抵抗（体）を位置決めするための、直径方向反対側に位置する一対のリブが確立（形成）される。特に、３つの熱抵抗（体）を装置に取り付ける場合には、リブの数は３で、約１８０°の輪郭（外形）で配置される。その内の２つは、互いに、直径方向反対側に位置するように、角度の隔たりは９０°になるであろう。
【０００９】
このようにして、１つまたは複数の抵抗（体）は固定される。これらは、ＭＯ（金属酸化物）、セラミック、螺旋ワイヤー、カーボン、またはシリコンタイプであり得る。
【００１０】
上記リブに加えて、本体は、また、内側突起を有する。その数は、連続して取り付けられる場合には、抵抗（体）の数に１を足した数に等しく、平行して取り付けられる場合には、抵抗（体）の数に等しい。この突起は、電気抵抗（体）のワイヤーの末端の位置決め用の十字形をなす一対の縦溝が備えられており、２つの抵抗（体）の隣接する末端部が接続される。特に、上記突起の十字形チャネル内で、互いに接続された抵抗（体）の末端部が完全に固定され、これらは、上記リブを必要とすることなく、それ自身で、支持状態を維持する。
【００１１】
クリップとして機能する部品またはピースであって対応する接触器と熱抵抗ワイヤーの末端（端部）との間の電気的接続を確立するための部品またはピースは、アームを備えた長方形（矩形）の金属製シート部品からなる。このアームは、材料を取り除かずにカットアウェイを形成することによって得られる。熱抵抗ワイヤーの末端が配置（位置決め）される突起の上側部分には、水平支持面が設けられる。これにより、これらのワイヤーがこれらの突起に形成されたチャネルから外れることが防止され、同時に、接触器との接続が可能になる。この接触器は、対応するクリップの上側垂直部分に長手方向に形成されたスロットを通して、適切に案内される。この構成において、対応する接続を確立するべく、材料を取り除かずにカットアウェイを形成することによって、幾つかのフラップが得られる。
【００１２】
任意に、問題のアセンブリまたは装置は、より大きな安全性を実現する共に、抵抗（体）やワイヤーだけでなく、もちろん接触器取り付けクリップをも露出したままにしないようにするために、ユニットを完全に密封するカバーを取り入れることができる。アセンブリは、一般的なケース内に設けられるので、カバーがないことは、装置が最大限の安全性を提供しないということを意味するものではない。
【００１３】
ユニットにカバーを含める場合、カバーはヒーターの基部（ベース）とチムニに対して適合（フィット）せしめられるであろう。これは、壁の上側エッジによってのみ支持され、その壁の不規則な形状に鑑みて、カバーがなかったときに見られる装置に高さを付加することなく取り付けられる。更に、このようなカバーは、クリップの配置（位置決め）に、より大きな信頼性を与えるであろう。これは、ヒーターで使用される２つ若しくは３つの抵抗（体）に依存して、３つまたは４つの支持手段によって、それらによって支持される。
【００１４】
上記装置によって、抵抗（体）がＰＴＣ要素（エレメント）より経済的な部品であることに基づき、コストの低減が達成される。また、同様に、部品の数の簡略（簡素）化および対応する密封（閉鎖）カバーの省略に基づき、コストは低減される。エネルギー使用が、同じ目的を有する他の装置との比較において、最適化される点を忘れてはならない。
【００１５】
（発明を実施するための最良の形態）
言及した図面に示され得るように、本発明の主題である、活性物質の気化用加熱装置は、成形プラスチック、好ましくはポリオレフィン、例えば、ポリアミド、の単一ピースの大略筒状の本体１から出発して形成される。この筒状本体１は、芯（wick）を通すための軸方向のネック３を備えた同心の開口２を有しており、ここで、芯は、本願の記載を通して既に述べられてきているように、蒸発が意図されている活性物質を含む容器の内側に収納される。芯は、ネック３を通って上方向に延在し、これにより、活性物質は、毛管現象によってこの自由端に到達する。連続的に移動する活性物質の気化を生じさせるために、芯を加熱することが必要である。
【００１６】
何れの場合も、加熱装置の基本的部品としての本体１は、ネック３の側面と、本体１の筒状面の内側面との間に設置されたリブ４を有する。リブ４は、対応する電気抵抗（体）を配置（位置決め）するための縦溝５を有している。これにより、各リブ４において、特に、その縦溝５において、抵抗が配置される。また、これにより、装置が２つの電気抵抗（体）を編入する場合には、リブ４の数は、２で、直径方向に正反対に配置される。一方、３つの抵抗を編入する場合には、リブ４の数は、３になるであろう。
【００１７】
図５には、特に、これらの多くの抵抗１２を支持するために、３つのリブ４を備えた本体１の他の実施の態様が示されている。これら３つのリブの内の２つは、互いに、直径方向において正反対に配置され、３つ目のリブは、これらのものに対して、９０°の角度で、即ち、中間に、位置している。
【００１８】
これらのリブ４に加えて、本体１は、リブ４に配置される対応する電気抵抗（体）１２のワイヤー１３の末端を位置決めすると共に固定するために、その上側に十字形のチャネル７を備えた突起６を有する。この突起６の数は、最終的には、抵抗（体）用に選択される電気機構（構成、setup）のタイプに依存する。
【００１９】
１）連続的機構の場合には、それは、抵抗（体）の数プラス１に等しい。論理的には、各突起６、および、それらのチャネル７は、２つの隣接する抵抗の接続された端部を位置決めする。２つの突起は、２つの抵抗の末端を設置するために残しておく必要があり、これに、電気（電力）供給用の対応するコネクターが接続される。なぜなら、その抵抗（体）間の接続は、連続しているからである。
【００２０】
従って、加熱装置が備えなければならない抵抗（体）１２の数は、２であることができ、この場合、突起６の数は、３になるであろう。また、もし、抵抗１２の数が３である場合には、突起６の数は、４になるであろう。一方、リブ４の数は、抵抗（体）の数と同じでなければならない。
【００２１】
２）平行機構（parallel setup）の場合には、それは、抵抗（体）の数に等しくなるであろう。
【００２２】
従って、前述したように、抵抗１２は、各リブ４に形成された縦溝５内に設けられると共に該縦溝５内に支持される一方、これらの抵抗（体）１２のワイヤー１３の末端は、突起６のチャンネル７中に位置決めされた状態で留まる。
【００２３】
対応する電気供給コネクターに対する、抵抗１２の末端の接続、即ち、最後の２つのワイヤー１３の接続は、図６に示すクリップ８の補助を受けて行われる。これは、材料の除去なしに幾つかのカッタウェイ(cutaways)を有する金属製の長方形のピースであり、これは、実際のピース８の本体または平面に垂直なフラップまたはアーム９を有している。これにより、フラップつまりアーム９は、チャネル７に抵抗（体）ワイヤーの末端を付勢する突起６の上部上に寄りかかった状態で配置（位置決め）され、これらをその位置で保持する。このピース８は、上側スロット１０を有しており、この上側スロット１０内に、成形されたフラップ１１を通して接続状態に維持される接触器が位置決めされる。この位置決めは、ピース８の側面のカッタウェイによってもなされる。
【００２４】
ピース８をなすクリップによって、電気抵抗（体）１２のワイヤー１３が、突起６に形成されたチャネル７内に確実に把持される。なぜなら、フラップまたはアーム９は、突起６の上端上に寄りかかって、上記ワイヤーの末端が、それらの突起６に形成されたチャネル７から不用意に外れることを防止するからである。
【００２５】
更に、これらの数が１より大きい場合、抵抗（体）と接するピースまたはクリップ８は、接触器が該ピース８の上部に設けられたスロット１０内に位置決めされるときに、該接触器の挿入を許容する。
【００２６】
一方、任意のカバー１４を用いる場合、このカバー１４は、小さいリブ１５でで支持されるヒーターの本体上に設けられる。このリブ１５の数は、使用されるクリップの数と同一であり、これらは、クリップ８の上端上で支持される。このレイアウトは、十字形（cross）を形成する。それは、また、大き目のサイズの一対のリブ１６を有している。これは、位置決め部材として機能し、これにより、抵抗（体）１２の動きをそれらのものに触れることなく意図的に制限するようにしている。明らかに、このカバー１４は、本体１のネック３に対して位置決めするための開口１７を有している。
【００２７】
また、ピース８は、実際の抵抗（体）の取り付けを可能にしていることも述べておかねばならない。なぜなら、クランプを用いる組み立て装置（アセンブリ装置）は、アーム９によって、クリップつまりピース８を保持するであろうからである。これによって、その挿入やクリッピングを遮る(screen)べく、必要な圧力がこれに作用せしめられる。
【図面の簡単な説明】
この説明を補足するため、及び、本発明の特徴のより良き理解のために、その実際の実施の態様の好ましい例に従って、この説明の不可欠の一部分として、一組の図面を添付している。その中で、以下のものが、例示的且つ非限定的に示される。
【図１】 本発明の単一ピースのプラスチック製成形本体の一般的な斜視図である。
【図２】 先の図に示した本体の平面図である。
【図３】 先の図のＡ−Ａ線断面図である。
【図４】 図２のＢ−Ｂ線断面図に対応する、他の断面図である。
【図５】 ３つの抵抗（体）を有する実施態様のヴァリエーション（変形形態）における本体の平面図であり、各リブに抵抗（体）が取り付けられていることを示す図である。
【図６】 先の図に示す如く本体に位置決めされなければならない熱抵抗と、各電気供給接触器と、の間の接続を確立するクリップの手段の一般的な斜視図であり、装置の本体に関係するところの金属製ラミネートクリップまたはピースが独立した部品（コンポーネント）を形成することを示す図である。
【図７】 装置が組み入れることができる任意のカバーの斜視図である。

Claims (7)

1. 殺虫剤やエアフレッシュナや芳香剤等の活性物質を収容する容器に適用され該活性物質を気化させるための加熱装置であって、
   活性物質内に浸され加熱されることによって活性物質を気化させる芯は、装置の一方を通して外部に延在し、
   容器の外部に延在する芯の一部は、当該加熱装置の開口内に保持され、
   芯を加熱するための電気抵抗（１２）を有しており、
   該電気抵抗（１２）への電気の供給は、電気供給用接触器を通してなされる加熱装置において、
   単一の本体部分（１）としての、プラスチックで成形された本体からなり、
   対応する中央開口（２）と、軸方向ネック部（３）とは、加熱されるべき芯を通過させるように形成されており、
   上記本体部分（１）は、縦溝（５）を有する一連の内側リブ（４）を備えた円筒形状の構成を有しており、
   縦溝（５）は、電気抵抗（１２）を直接保持して位置決めするために用いられ、
   更に、電気抵抗（１２）のワイヤー（１３）の端部の配置用十字形チャネル（７）を備えた突起（６）を有し、
   電気抵抗（１２）のワイヤー（１３）の端部を突起（６）の配置用十字形チャネル（７）内に保持すると共に電気供給用接触器を位置決めして該電気供給用接触器を電気抵抗（１２）のワイヤー（１３）の端部に接続するためのクリップとして機能する金属製ピース（８）を有することを特徴とする加熱装置。
2. 上記電気抵抗（１２）は、上記ワイヤー（１３）をクリッピングする手段と、上記突起（６）の上記配置用十字形チャネル（７）内にワイヤーを位置決めする手段とにより、空中に吊り下げておくことができることを特徴とする請求項１記載の加熱装置。
3. 上記配置用十字形チャネル（７）が形成されている上記突起（６）の数は、上記電気抵抗（１２）の数に１を足したものに等しいことを特徴とする請求項１又は２記載の加熱装置。
4. 上記電気抵抗（１２）を２つ設けるための直径方向反対側に備えられた２つのリブ（４）を有すると共に、上記電気抵抗（１２）の上記ワイヤー（１３）の上記端部を配置し位置決めするための上記配置用十字形チャネル（７）が形成された上記突起（６）を３つ有することを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の加熱装置。
5. 上記電気抵抗（１２）を取り付けるための３つのリブ（４）であって該リブ（４）の２つは互いに直径方向反対側に設けられたリブ（４）を有し、
   ３つ目のリブは、上記２つのリブ（４）に対する中間であり且つ上記２つのリブ（４）に対して等しい角度で、配置され、
   上記電気抵抗（１２）の上記ワイヤー（１３）の上記端部を配置し位置決めするための上記配置用十字形チャネル（７）が形成された上記突起（６）を４つ有することを特徴とする請求項１〜３のいずれかに記載の加熱装置。
6. 上記金属製ピース（８）は、フラップつまりアーム（９）を形成するところの材料が離脱していないカッタウェイを有し、
   フラップつまりアーム（９）は、上記突起（６）の上部上に寄りかかって上記電気抵抗（１２）の上記ワイヤー（１３）の上記端部を付勢し、これにより、端部が位置している上記配置用十字形チャネル（７）から端部が外れることが防止され、
   上記金属製ピース（８）は、該ピース（８）が備えるフラップ（１１）によって固定される対応する上記電気供給用接触器を位置決めするための上部スロット（１０）を有することを特徴とする請求項１〜５のいずれかに記載の加熱装置。
7. 上記電気抵抗（１２）用の一対のポジショナーであって一対の大きいリブ（１６）で決定されたポジショナーでもって適合せしめられるカバー（１４）を有し、
   該カバー（１４）は、さらに、より小さい寸法構成の他のリブ（１５）であって上記金属製ピース（８）の上端上を付勢する他のリブ（１５）を有することを特徴とする請求項１〜６のいずれかに記載の加熱装置。

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