JPH11169447A - 芳香剤加熱蒸散用液組成物 - Google Patents

芳香剤加熱蒸散用液組成物

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JPH11169447A JP9341464A JP34146497A JPH11169447A JP H11169447 A JPH11169447 A JP H11169447A JP 9341464 A JP9341464 A JP 9341464A JP 34146497 A JP34146497 A JP 34146497A JP H11169447 A JPH11169447 A JP H11169447A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間の使用に対して、芳香剤の有効成分で
ある香料の香質の変化がなく、しかも一定の香質を維持
する等の優れた芳香剤加熱蒸散用液組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 香料と香料用の溶剤を含む芳香剤加熱蒸
散用液組成物において、香料用の溶剤として、動粘度が
香料の動粘度と同じか又は近いパラフィン系炭化水素系
溶剤、シリコーン系溶剤、グリコールエーテル系溶剤の
少なくとも1種又は2種以上を混合したものを用いるこ
とを特徴とする芳香剤加熱蒸散用液組成物。前記溶剤と
して、イソパラフィン、メチルポリシロキサン、トリプ
ロピレングリコールの少なくとも1種又は2種以上を混
合したものを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、吸液芯材などを用
いて加熱により芳香剤を蒸散させる形式の加熱蒸散装置
に用いられる芳香剤加熱蒸散用液組成物に関し、詳しく
は長期間香質が変化せず、安定して香料を蒸散させるこ
とができる芳香剤加熱蒸散用液組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、吸液芯利用の非加熱式で常温揮散
する芳香液は、揮散速度が小さいので、香料の揮散を促
進させるために、低沸点溶剤である水やアルコール系溶
剤を用いたり、また一方では香料の揮散過多がある場合
には、それを抑制するために高沸点溶剤を用いて保留作
用をもたせていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の非加熱
式の場合には、油性の香料を水やアルコール系溶剤に溶
解させるために、高分子量の溶媒を用いることが必要で
あり、そのため前記溶媒が吸液芯に残存して吸液芯が詰
まるため、望みの蒸散を維持することができなかった
り、香料の低沸点成分が早く揮散し、高沸点成分のみが
残り、香質が著しく変化してしまうという問題があっ
た。また、後者の加熱式の場合には、高温で加熱される
ために溶剤が高沸点のもの或いは組成となり、香質を変
化させないようにして香料の揮散させるには不向きであ
ったり、溶剤の沸点と香料の沸点が相違しているため、
安定した香質を長時間持続することはむずかしかった。
本発明の課題は、上記従来技術の欠点を改良し、長期間
の使用に対して、芳香剤の有効成分である香料の香質の
変化がなく、しかも一定の蒸散量を維持することができ
る芳香剤加熱蒸散用液組成物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成すべく鋭意研究を行った結果、芳香剤の有効成分
である香料の香質が長期間の使用に対して変化しないで
加熱蒸散するようにするには、芳香剤加熱蒸散用液が加
熱部位に均一に到達することが必要であること、すなわ
ち芳香剤加熱蒸散用液の各成分が吸液芯の中を同じよう
に移動することが必要であることを知見し、その条件を
満たすには、香料とその溶剤の動粘度が同じか、近いも
のとすればよいことを突き止め、そのようにすることに
より長時間の使用に対して安定性が改良されることでき
て、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は、以下
の手段により、前記の課題を解決した。 (1)香料と香料用の溶剤を含む芳香剤加熱蒸散用液組
成物において、香料用の溶剤として、動粘度が香料の動
粘度と同じか又はこれに近いパラフィン系炭化水素系溶
剤、シリコーン系溶剤、グリコールエーテル系溶剤の少
なくとも1種又は2種以上を混合したものを用いること
を特徴とする芳香剤加熱蒸散用液組成物。 (2)前記芳香剤用の溶剤として、イソパラフィン、メ
チルポリシロキサン、トリプロピレングリコールの少な
くとも1種又は2種以上を混合したものを用いることを
特徴とする前記(1)記載の芳香剤加熱蒸散用液組成
物。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明において、香料用の溶剤と
して、動粘度が香料の動粘度と同じか又はこれに近いパ
ラフィン系炭化水素系溶剤、シリコーン系溶剤、グリコ
ールエーテル系溶剤を用いるのは、前記したように、香
料の香質が長期間の使用に対して変化しないで加熱蒸散
するようにするには、芳香剤加熱蒸散用液の各成分が吸
液芯の中を同じように移動することが必要であり、それ
により芳香剤加熱蒸散用液が加熱部位に均一に到達する
ことができることを突き止めたことによるものである。
【0006】加熱蒸散に良く使用する香料としてはフル
ーツ系、フローラル系、石鹸系、ハーブ系が考えられ、
フルーツ系香料としては、例えばグレープフルーツ、ア
カリンゴ、ネーブルオレンジ、グリーンアップル、ネー
ブルオレンジ、パイナップル(末尾に「香料」を付ける
方が正確であるが、果物と混同しない場合には省略す
る)などがあるが、これらの動粘度は、グレープフルー
ツで2.2〜2.9cSt(20℃)、アカリンゴで
1.1〜1.7cSt(20℃)、グリーンアップルで
3.2〜4.3cSt(20℃)、ネーブルオレンジで
2.4〜3.0cSt(21℃)、パイナップルで1.
1〜1.7cSt(21℃)である。なお、この動粘度
の値は、それぞれの粘度を比重で割って得たものであ
る。これに対して、使用するに適する香料用溶剤として
は、パラフィン系炭化水素系溶剤では、各炭素数毎にそ
の炭素数の炭化水素がほぼ100%を占めるノルマルパ
ラフィンにおいては、炭素数10のN−10、炭素数1
1のN−11、炭素数12のN−12、炭素数13のN
−13の場合、それらの動粘度(30℃)は、それぞれ
1.1、1.4、1.7、2.1(cSt)である。炭
素数14のN−14は2.5cStであり、炭素数14
〜15のSH−NPは2.8cStである。
【0007】イソパラフィンでは、沸点範囲166〜2
02℃のもの(IPソルベント1620)で、動粘度が
1.28cSt(37.8℃)、沸点範囲213〜26
2℃のもの(IPソルベント2028)で、動粘度が
2.64cSt(37.8℃)である。シリコーン系溶
剤については、沸点153℃のものが1.0cSt、沸
点195℃のものが1.5cSt、沸点230℃のもの
が2.0cSt、10mmHgで沸点130℃のものが
5.0cStである。グリコールエーテル系溶剤につい
ては、ジプロピレングリコールメチルエーテル(沸点1
90℃)が3.8cSt(25℃)、トリプロピレング
リコールメチルエーテル(沸点242℃)が5.5cS
t(25℃)、プロピレングリコールn−プロピルエー
テル(沸点150℃)が2.2cSt(25℃)、プロ
ピレングリコールn−ブチルエーテル(沸点170℃)
が3.3cSt(25℃)、エチレングリコールエチル
エーテル(沸点136℃)が2.0cSt(25℃)で
ある。
【0008】なお、前記の溶剤の沸点と香料の沸点との
関係も加熱蒸散にある程度の影響を有する。その液組成
物に用いる調合香料の沸点は、例えばフルーツ系香料の
場合には150〜250℃の範囲にあり、またフローラ
ル系香料の場合には、やや高沸点側にシフトし、180
〜280℃の範囲にある。香料の蒸散量は、加熱温度と
液組成物の沸点に影響を受けやすいため、調合香料の沸
点範囲と溶剤の沸点範囲がかけ離れていることは好まし
くない。溶剤の沸点と香料の沸点が近い方が、安定した
蒸散を継続させるのに好適であり、香質変化も少ない。
【0009】本発明において用いるパラフィン系炭化水
素溶剤としては、イソパラフィン、ノルマルパラフィ
ン、流動パラフィンなどが挙げられる。シリコーン系溶
剤としては、メチルポリシロキサン、デカメチルシクロ
ペンタシロキサン、メチルポリシクロシロキサンなどが
挙げられる。また、グリコールエーテル系溶剤として
は、トリプロピレングリコールモノメチルエーテルなど
が挙げられる。ここに例示した以外のものでも、条件に
合致するものであれば使用できる。これらの溶剤の動粘
度は、前記した香料の動粘度からいって、2〜6cSt
(25℃)の範囲が好ましい。これらの溶剤の沸点は、
一般に150〜280℃である。前記溶剤には水を実施
可能な限り混合しても良い。
【0010】本発明の加熱蒸散用液組成物中に含有させ
ることができる香料としては、前記溶剤に溶解させて使
用できるものであれば何ら制限を受けるものではなく、
天然香料あるいは合成香料のいずれでも使用が可能であ
り、調合香料であっても構わない。また、その香料の種
類としては、動物性香料あるいは植物性香料のいずれか
は問わない。調合香料としては、好適なものを例示する
と、例えば、天然香料ではじゃ香、霊猫香、合成香料と
してピネン、リモネンが挙げられる。前記香料の溶剤へ
の配合割合は、5〜50重量%、好ましくは20〜40
重量%であるが、実施可能な限り前記配合割合に制限を
受けるものではない。また、本発明の加熱蒸散用液組成
物中には、香料の溶解性や加熱蒸散性を改善あるいは調
整するために、BHTなどを添加してもよい。これらに
ついては後述する。
【0011】天然香料として例えば、じゃ香、霊猫香、
竜延香等の動物性香料;アビエス油、アジョクン油、ア
ルモンド油、アンゲリカルート油、ページル油、ベルガ
モット油、パーチ油、ボアバローズ油、カヤブチ油、ガ
ナンガ油、カプシカム油、キャラウエー油、カルダモン
油、カシア油、セロリー油、シンナモン油、シトロネラ
油、コニャック油、コリアンダー油、キュペブ油、クミ
ン油、樟脳油、ジル油、エストゴラン油、ユーカリ油、
フェンネル油、ガーリック油、ジンジャー油、グレープ
フルーツ油、ホップ油、ジュニパーベリー油、ローレル
リーフ油、レモン油、レモングラス油、ロページ油、メ
ース油、ナツメグ油、マンダリン油、タンゼリン油、カ
ラシ油、はつか油、燈花油、玉ねぎ油、こしょう油、オ
レンジ油、セイジ油、スターアニス油、テレピン油、ウ
ォームウッド油、ワニラ豆エキストラクト等の植物性香
料を含む。
【0012】人造香料は合成または抽出香料であり、そ
れらは例えばピネン、リモネン等の炭化水素類;リナロ
ール、ゲラニオール、シトロネロール、メントール、ボ
ルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、
β−フェニルエチルアルコール等のアルコール類;アネ
トール、オイゲノール等のフェノール類;n−ブチルア
ルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒ
ド、ヘプチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、ノナ
ジエナール、シトラール、シトロネラール、ベンズアル
デヒド、シンナミックアルデヒド、ヘリオトロピン、ワ
ニリン等のアルデヒド類;メチルアミルケトン、メチル
ノニルケトン、ジアセチル、アセチルプロピオニル、ア
セチルブチリル、カルボン、メントン、樟脳、アセトフ
ェノン、p−メチルアセトフェノン、イオノン等のケト
ン類;アミルブチロラクトン、メチルフェニルグリシド
酸エチル、γ−ノニルラクトン、クマリン、シネオール
等のラクトンまたはオキシド類;メチルフォーメート、
イソプロピルフォーメート、リナリールフォーメート、
エチルアセテート、オクチルアセテート、メンチルアセ
テート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、
プロピオン酸ブチル、酢酸イソアミル、イソ酪酸イソプ
ロピル、イソ吉草酸グラニル、カプロン酸アリル、ヘプ
チル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ヘプチンカルボン
酸メチル、ペラハゴン酸エチル、オクチンカルボン酸メ
チル、カプリン酸イソアシル、ラウリン酸メチル、ミリ
スチン酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸ベンジル、
フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸ブチル、桂皮酸メチ
ル、桂皮酸シンナミル、サルチル酸メチル、アニス酸エ
チル、アンスラニル酸メチル、エチルピルベート、エチ
ルα−ブチルブチレート等のエステル類等を含む。
【0013】また、この芳香剤及び/又は吸液芯中に
は、溶液の溶解性や加熱蒸散性を改善あるいは調整する
ために次の化合物を添加剤として添加しても良い。すな
わち例えば、 ・3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン
(以下BHTという) ・3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール ・3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール ・メルカプトベンズイミダゾール ・ジラウリル−チオ−ジ−プロピオネート ・2,2′−メチレン−ビス−(6−t−ブチル−4−
メチルフェノール) ・2,2′−メチレン−ビス−(6−t−ブチル−4−
エチルフェノール) ・4,4′−メチレン−ビス−(2,6−ジ−t−ブチ
ルフェノール) ・4,4′−ブチリデン−ビス−(6−t−ブチル−3
−メチルフェノール) ・4,4′−チオ−ビス−(6−t−ブチル−3−メチ
ルフェノール) ・1,1−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘ
キサン1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン ・トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチ
ルフェニル)ブタン ・テトラキス[メチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4
−ヒドロキシヒドロシンナメート)]メタン ・オクタデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシヒドロシンナメート
【0014】・フェニル−β−ナフチルアミン ・N,N′−ジフェニル−p−フェニレンジアミン ・2,2,4−トリメチル−1,3−ジヒドロキノリン
ポリマー ・6−エトキシ−2,2,4−トリメチル−1,3−ジ
ヒドロキノリン ・2−t−ブチル−4−メトキシフェノール ・3−t−ブチル−4−メトキシフェノール ・2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール ・ステアリル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオネート ・α−トコフェロール ・アスコルビン酸 ・エリソルビン酸 等を挙げることができる。上記添加剤は、その1種を単
独で用いてもよく、また2種以上併用することもでき
る。その含有量は、芳香剤及び/又は中に約0.05〜
10.0重量%、特には約0.1〜5.0重量%とする
のが好ましい。
【0015】次に、汎用されている加熱蒸散装置の断面
説明図を図1に示し、これを用いて本発明の芳香剤加熱
蒸散液組成物を加熱蒸散装置に用いて蒸散させる場合の
1例を説明する。吸液芯材11を内部に配備している加
熱蒸散装置1は、上方開口部3と下方開口部4を有する
略円筒状の装置で、外周壁5と内周壁6を有し、内周壁
6に取付口7が設けられ、その取付口7に芳香剤を収納
した薬液容器8が取り付けられている。芳香剤加熱蒸散
装置1の上方開口部3付近にリング状の加熱ヒーター1
0が設けられており、一方吸液芯材11は、芳香剤加熱
蒸散装置1の口部9に、吸液芯材11の先端13がリン
グ状の加熱ヒーター10の上端とほぼ一致するように位
置決めされて固定され、吸液芯材11の下端12は薬液
容器8内の薬液2に十分に浸漬されている。前記加熱ヒ
ーター10と吸液芯材11の先端13との位置関係は、
前記加熱ヒーター10又は吸液芯材11を上下すること
により変えることができるが、それらの上下調節装置
は、図示するのを省略している。
【0016】前記芳香剤加熱蒸散装置に用いる吸液芯材
としては、実施可能な限り無機、有機の各種素材を使用
できる。代表的にはトップまたはスライバーの状態にあ
る合成樹脂繊維からなるものが好適であって、その形状
は円柱型か、先端部が半球状や円錐状で円柱型のものが
用いるに適している。吸液芯材の外形寸法は、通常太さ
が3ないし7mm、長さは50〜80mm程度のもの
で、先端部に円錐部を設けたときの高さは、3〜10m
mの範囲が好ましい。吸液芯材の形状としてはその他に
各種のものを使用することができる。例えば、表面層が
緻密化されているか、または耐熱シートで被覆されてお
り、中央部がトップまたはスライバーの状態にある合成
樹脂繊維からなる吸液芯材を用いることもできる。
【0017】その吸液芯材の中央部のトップまたはスラ
イバー状にある合成樹脂繊維の気孔率は、好ましくは4
0〜80%、より好ましくは40〜60%であることが
好ましい。従来の吸液芯材の気孔率は、通常25〜35
%であり、従って芳香剤が本発明の吸液芯材を毛細管現
象により通過する中央部の気孔率は、従来のものよりは
るかに大きい。その結果、液剤の吸い上げの量が大き
く、かつそれが長期にわたって維持されることになる。
中央部を構成するトップおよびスライバー状の好ましい
合成樹脂繊維としては、単糸の太さが1〜15デニール
のポリアクリル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリエチレ
ンテレフタレート(PET)繊維等のポリエステル系繊
維等で、特に好ましいものはPET繊維である。
【0018】
【実施例】以下に本発明を実施例、比較例及び実験例に
基づいてより具体的に説明するが、本発明の範囲は実施
例に制限されるものではない。
【0019】実施例1 本発明の溶剤と比較の溶剤を用いて芳香剤加熱蒸散用液
組成物を調製し、加熱蒸散して蒸散量を測定し、香質及
び強度に関する官能試験を行った。下記の供試サンプル
を調製し、加熱蒸散における蒸散量はボトル重量を測定
し、その減少量から単位時間あたりの蒸散量を算出し
た。 (供試サンプル1) 香料 グレープフルーツ 30% 添加剤 BHT 0.1% (3,5−ジ−t−ブチル− 4−ヒドロキシトルエン 0.1%(W/V)) 薬液封入量 45ml(PET容器) (加熱蒸散条件) 芯 PET芯 直径7mm×長さ73mm (露出した芯の長さ 20mm) ヒーター温度 88〜105℃ (溶剤の種類で温度を変えた)
【0020】 (溶剤の種類) 動粘度(cSt) IP2028(本発明) 2.64(37.8℃) トリプロピレングリコール モノメチルエーテル(本発明) 5.5 (25 ℃) メチルポリシロキサン (シリコーンKF96A−2CS)(本発明) 2.0 (25 ℃) エチルアルコール(比較) 1.0 (30 ℃) n−プロパノール(比較) 1.72(30 ℃) IP1016(比較) 0.601(37.8℃) IP1620(比較) 1.28(37.8℃) IP2835(比較) 12.7 (37.8℃) クエン酸トリエチル(比較) − なお、のIPソルベント1016(出光石油化学製)
は沸点範囲73〜140℃のものであり、のクエン酸
トリエチルは沸点294℃、比重1.45のもので、動
粘度は測定していないが、かなり高いものとみられる。
【0021】(測定)蒸散室で、以上の芳香剤加熱蒸散
液組成物を市販の加熱蒸散器具に設置し、ヒーター温度
88〜105℃で連続蒸散させ、平均蒸散量を測定し、
香質および強度に関する官能試験を行った。官能試験は
2.3m3 官能検査ボックス内で実施した。また、各溶
剤毎の蒸散量の経時変化を測定した。 (試験結果)結果を図2に示す。
【0022】実施例2 実施例1と同様にして、本発明の溶剤と比較の溶剤を用
いて芳香剤加熱蒸散用液組成物を調製し、加熱蒸散して
蒸散量の安定化試験を行った。 (供試サンプル2) 香料 グレープフルーツ 30% 添加剤 BHT 0.1% 薬液封入量 45ml(PET容器) (加熱蒸散条件) 芯 ポリプロピレン−ポリエチレン複合繊維芯 直径7mm×長さ73mm (露出した芯の長さ 20mm) ヒーター温度 88〜105℃ (溶剤の種類によって変えた)
【0023】(溶剤の種類)実施例1と同様な種類の溶
剤を用いた。 (試験結果)結果を図3に示す。
【0024】試験結果によれば、実施例1、実施例2と
もに、本発明の溶剤を用いた場合には、蒸散量はそれほ
ど大きくはないが、日数の経過によって変化せず、安定
していることがわかった。これに対して、比較例の場合
には、ものによっては最初の蒸散量はかなり大きいが、
日数の経過によって著しい減少を示し、短期間で実用で
きないもののレベルに低下した。
【0025】実施例3 幾つかの香料と数種の本発明の溶剤を用いて組み合わせ
て芳香剤加熱蒸散用液組成物を調製し、加熱蒸散して官
能試験によるスクーリングを行った。その中の代表的な
例を第1表に示す。 (供試サンプル) 香料 グレープフルーツ 30% ネーブルオレンジ 30% パイナップル 溶剤 イソパラフィン(IP2028) シリコーン油(KF−96A−2cs) 添加剤 BHT 0.1% 蒸散量 45ml (加熱蒸散条件) 芯 PET(DH) (直径7mm、露出した芯の長さ 20mm) ヒーター温度 88℃、105℃
【0026】(試験方法)官能試験は、2.3m3 の官
能ボックスの中で、サンプルを10分間揮散させた後、
専門のパネラーにより行った。その試験は、初期品の
他、経過品についても行った。経過品は、蒸散室で加熱
蒸散装置を用いて2週間連続蒸散したものである。 (試験結果)官能試験の結果については、初期品を第1
表に、また経過品を第2表に示す。結果については、評
価コメントと判定を記載した。
【0027】
【表1】
【0028】
【表2】
【0029】
【発明の効果】本発明の芳香剤加熱蒸散用液組成物を用
いて加熱蒸散装置により加熱蒸散させた場合には、長期
間芳香剤を蒸散させても、芳香剤の有効成分である香料
の香質の変化が少なく、しかも長期にわたって一定の香
質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】芳香剤加熱蒸散装置の典型例の断面説明図であ
る。
【図2】芳香剤を加熱蒸散させた際の本発明の溶剤を用
いた場合と比較の溶剤を用いた場合の芳香剤の蒸散量の
変化を示すグラフである。
【図3】芳香剤を加熱蒸散させた際の本発明の溶剤を用
いた場合と比較の溶剤を用いた場合の芳香剤の蒸散量の
変化を示すグラフである。
【符号の説明】
1 芳香剤加熱蒸散装置 2 芳香剤 3 上方開口部 4 下方開口部 5 外周壁 6 内周壁 7 取り付け口 8 薬液容器 9 口部 10 加熱ヒーター 11 吸液芯材 12 吸液芯材下端部 13 吸液芯材先端部 14 外気取入口

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 香料と香料用の溶剤を含む芳香剤加熱蒸
    散用液組成物において、香料用の溶剤として、動粘度が
    香料の動粘度と同じか又はこれに近いパラフィン系炭化
    水素系溶剤、シリコーン系溶剤、グリコールエーテル系
    溶剤の少なくとも1種又は2種以上を混合したものを用
    いることを特徴とする芳香剤加熱蒸散用液組成物。
  2. 【請求項2】 前記香料用の溶剤として、イソパラフィ
    ン、メチルポリシロキサン、トリプロピレングリコール
    の少なくとも1種又は2種以上を混合したものを用いる
    ことを特徴とする請求項1記載の芳香剤加熱蒸散用液組
    成物。
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