JPH11169072A - チーズフードの製造法 - Google Patents
チーズフードの製造法Info
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- JPH11169072A JPH11169072A JP9363968A JP36396897A JPH11169072A JP H11169072 A JPH11169072 A JP H11169072A JP 9363968 A JP9363968 A JP 9363968A JP 36396897 A JP36396897 A JP 36396897A JP H11169072 A JPH11169072 A JP H11169072A
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Abstract
感、風味に優れ、再加熱しても油脂分離がなく、溶融性
と曳糸性に優れたチーズフードを製造する方法を新たに
開発すること。 【解決手段】チーズフードを製造するに際し、ナチュラ
ルチーズ100重量部に対して、30重量%水溶液の粘
度が10〜1000cpのオクテニルコハク酸澱粉を
0.5〜5重量部添加すること。
Description
関し、より具体的にはナチュラルチーズを使用するチー
ズフードの製造法に関する。
溶融し、溶融すると細長く糸のように延びる性質(曳糸
性)を有し、風味も極めて良好である。しかし乍ら、乳
酸菌を主とする細菌を大量に含んでおり、加熱殺菌工程
がないため、風味や組織が絶えず変更しており、一定の
品質を維持することは極めて困難なものであった。
めに、或は貯蔵性を向上させるために、ナチュラルチー
ズは加熱処理されるが、ナチュラルチーズをそのまま加
熱すると油脂分離がおこり、良好なチーズが得られな
い。このため、一般にリン酸塩やクエン酸塩などの溶融
塩を添加し、加熱処理するプロセスチーズが製造されて
いる。
を低下させたり、にが味、しぶ味、或はえぐ味が生じた
り、リンやナトリウムなどの過剰摂取は人体にとって好
ましくないことも通説になっており、さらに貯蔵中に溶
融塩の析出がみられる等の問題があった。また、加熱溶
融性や曳糸性の点でも必ずしも満足のいくものではなか
った。
ズを加熱処理して加工する方法として、ナチュラルチー
ズを攪拌、加熱や冷却,製品水分など種々の条件をコン
トロールしてプロセスチーズにする方法(特開昭63−
52840号)、10個以上のグリセリン単位とそれぞ
れ14〜18個の炭素原子を有する1〜2個の脂肪族ア
シルエステル基から構成されるポリグリセリンエステル
を添加して加熱するプロセスチーズの製造法(特開昭6
2−146556号)、HLB10以上のポリグリセリ
ン脂肪酸エステル及びアラビアガムなどの安定剤を添加
して加熱するプロセスチーズ類の製造法(特開昭62−
146557号)、モノエステル含量が80%以上のシ
ュガーエステル及び/又は0/W型乳化性の強められた
レシチン及びアラビアガム等の安定剤により好ましくは
更に乳化剤としてポリグリセリン脂肪酸エステルを添加
し、加熱溶融するプロセスチーズ類の製造法(特開平1
−179648号)、平均分子量5000〜20000
の加水分解グルテンを添加して加熱するプロセスチーズ
の製造法(特開平2−213545号)等が開示されて
いる。
あまりにも制約が多くて実用的なものでなく、特開昭6
2−146556号、特開昭62−146557号や特
開平1−179648号では、ナチュラルチーズのよう
に加熱溶融性や曳糸性が付与されると記載されている
が、乳化剤の添加を必須とするため風味の点で問題があ
る。また特開平2−213545号では溶融塩や乳化剤
などを使用せず、油脂分離がなく組織が滑らかで食感や
風味に優れたプロセスチーズの製造が可能となっている
が、ナチュラルチーズとは異質の臭いや味が感じられ
る。
かせた澱粉系食品であるが、逆に澱粉類を予め添加して
ナチュラルチーズの品質改善をしようとする試みとし
て、ナチュラルチーズに対して15〜30%の食用油
脂、1〜5%のデンプン、2〜20%のカゼインナトリ
ウム、35%以内の水を添加、加熱するチーズ様組成物
(特開平1−218548号)、ナチュラルチーズに溶
融塩と酸化澱粉、エーテル化、エステル化澱粉から1種
類以上の澱粉を選択して添加し、加熱溶融して製造する
チーズの製造法(特開平6−153791号)などが開
示されている。
ーズのように曳糸性があり、保存性が良好としている
が、食用油脂などチーズ以外の成分が多すぎて元のチー
ズの風味とは異質の風味になる。特開平6−15379
1号は耐冷凍性や耐油ちょう性を有するとなっている
が、単に酸化、エーテル化、エステル化した澱粉では耐
冷凍性や耐油ちょう性にはある程度効果があるとして
も、加熱時の油脂分離を抑える効果は弱く、油脂分離を
防ぐために溶融塩を使用しては風味などの低下はまぬが
れるものでなかった。
ルチーズを加熱処理するチーズ加工法としては必ずしも
適当な方法でなく、その改善が強く望まれている。
油脂分離がなく、冷却後の組織、食感、風味に優れ、再
加熱しても油脂分離がなく、溶融性と曳糸性に優れたチ
ーズフードを製造する方法を新たに開発することであ
る。
解決すべく鋭意努力の結果、ナチュラルチーズに特定の
変性をした澱粉を特定量使用することで問題点の解消を
はかることができることを見出して本発明を完成するに
至った。
チュラルチーズ100重量部に対して30重量%水溶液
の粘度が10〜1000cpのオクテニルコハク酸澱粉
を0.5〜5%添加し、加熱処理するチーズフードの製
造方法である。
上のナチュラルチーズを使用し、食品衛生法の添加物を
添加するか又は添加せずに、粉砕、混合、加熱処理して
製造するもので、製品中にチーズ分51%以上含有し、
且つ乳に由来しない脂肪、蛋白質又は炭水化物の添加は
最終製品重量の10%以内としたものを指称する。用い
るナチュラルチーズとしては、プロセスチーズの原料と
して通常用いられているナチュラルチーズは全て用いる
ことができ、特に制限はないが、加熱調理時の溶融性や
曳糸性等の観点から、ゴーダチーズ、チェダーチーズ、
エダムチーズなどの一般に曳糸性を有する硬質系のチー
ズがより好ましい。
は、澱粉をオクテニルコハク酸エステル化して得られる
オクテニルコハク酸澱粉の内、エステル化の前後を問わ
ないが、何等かの方法で30重量%水溶液の粘度が10
〜1000cpになるように分解したものを指称し、熱
水可溶、或は冷水可溶何れのものも使用できる。
ではナチュラルチーズの加熱処理時に油脂分離がおこ
り、逆に1000cpを越えるとナチュラルチーズを加
熱した際の溶融性が悪くなったり、チーズ風味の発現が
弱くなったりする傾向がある。
テル化澱粉やエステル化澱粉などの変性をしたもの、或
は単に粘度が上記範囲になるように澱粉を分解したもの
を使用すると本発明にそぐわなくなる。
ル化剤として例えば無水オクテニルコハク酸を作用させ
て容易に得られるが、澱粉の粘度低下法としては、30
重量%水溶液の粘度が約10〜1000cpであればそ
の製造法を特に限定する必要はなく、澱粉に微量の塩
酸、硝酸などの酸と共に粉末状で焙焼する焙焼デキスト
リン、澱粉乳液に硫酸、塩酸などの酸や次亜塩素酸ソー
ダなどの酸化剤を添加して粒子状のままで澱粉を分解す
る可溶性澱粉、或いは蓚酸、塩酸などの酸やアミラーゼ
を添加して加熱し、澱粉を糊化して分解するマルトデキ
ストリン(還元物も含む)などを製造する方法が利用で
きる。尚、可溶性澱粉のような加熱溶解タイプ、マルト
デキストリンのような冷水溶解タイプの何れも、同じよ
うに用いることができ、加熱溶解タイプでは、例えば澱
粉乳液にしてドラムドライヤーによる処理をして冷水可
溶のアルファー澱粉にしてもよい。
よく特に制限はなく、具体例としては馬鈴薯澱粉、タピ
オカ澱粉、小麦澱粉、コーンスターチ、ワキシーコーン
スターチ、サゴ澱粉や米澱粉などの天然澱粉をあげるこ
とができる。
算で該当試料60gと添加した水の合計量200gを内
容量200ccのビーカーに秤取し、試料が冷水可溶の
場合はそのまま溶解し、熱水可溶の場合は90℃まで昇
温後冷却し蒸発水分補正後、B型回転粘度計によって3
0℃の粘度を測定したものである。
に、ナチュラルチーズに30重量%水溶液の粘度が10
〜1000cpのオクテニルコハク酸澱粉を添加して加
熱処理するチーズフードの製造法である。
ーズと30%水溶液の粘度が10〜1000cpのオク
テニルコハク酸澱粉を使用するが、その際特に問題とな
るのはナチュラルチーズに対する該オクテニルコハク酸
澱粉の添加量であり、用いるナチュラルチーズの種類や
オクテニルコハク酸澱粉の粘度などによって一該に言え
ないが、ナチュラルチーズ100重量部に対して0.5
〜5重量部、好ましくは1〜4重量部とする。
ハク酸澱粉の添加量が0.5重量部未満では加熱時の油
脂分離を防止できなかったり、チーズの組織が悪くな
り、5重量部を越えるとチーズ風味が低下したり、加熱
溶融性などが低下する。
造法に従って行うことができる。即ちナチュラルチーズ
と30重量%水溶液の粘度が10〜1000cpのオク
テニルコハク酸澱粉、必要に応じて水、着色量、着香料
など添加して混合する。この際オクテニルコハク酸澱粉
は添加順序を特に問題としなく、例えば予め水に分散、
又は溶解後に混合してもよい。次にナチュラルチーズが
溶融する程度、或はそれより幾分強めに加熱後冷却して
製造される。尚、オクテニルコハク酸澱粉はナチュラル
チーズを加熱中に添加することも可能である。
チーズとしての組織や風味が良好で加熱時に油脂の分離
がなく、溶融性や曳糸性に優れたものとなり、そのまま
食することは勿論、ピザやハンバーグなどの食品ではシ
ュレッド状、ストリングス状やスライス状など適当な形
状にして食品の表面に乗せるなどの用途に利用すると、
加熱によってチーズフードが容易に溶融し、適度な曳糸
性もみられるチーズ風味に優れた食品となる。
するが、何れの例においても粘度はことわりのない限り
30℃における固形分30重量%水溶液の粘度であり、
部は重量部を表す。
タピオカ澱粉10kgを投入して分散し、45℃で加水
分解反応をさせ、澱粉乳液の一部を連続的にサンプリン
グして、3重量%水酸化ナトリウム溶液で中和し、水洗
後脱水した試料について粘度測定を行った。粘度の測定
は固形分濃度が30重量%になるようにした澱粉乳液を
90℃まで加熱し、50℃まで冷却して測定した。
0cp、約650cp、約350cp、になったところ
で、それぞれ2kgずつとりだし、3重量%水酸化ナト
リウム溶液でpH6.5に中和して反応を停止し温度を
30℃まで冷却した。次にそれぞれの澱粉乳液を攪拌し
ながら3重量%水酸化ナトリウム溶液を添加し、pHを
8〜9に維持しながら、用いたタピオカ澱粉に対して3
重量%になるような割合で無水オクテニルコハク酸を添
加し、澱粉乳液のpHの変動がなくなったところで5重
量%硫酸溶液で中和し、水洗、脱水し、乾燥して試料N
o.1、試料No.2、試料No. 3のオクテニルコハ
ク酸澱粉が得られた。尚 、試料No.1、試料No.
2、試料No.3の30重量%水溶液の粘度は、それぞ
れ1350cp、690cp、360cpであった。
部を分散した澱粉乳液を調製し、攪拌下で3%水酸化ナ
トリウム溶液を添加し、pHを8〜9に維持しながら、
無水オクテニルコハク酸3部を添加し、澱粉乳液のpH
が変化しなくなるまで反応後、5重量%硫酸溶液で中和
し、水洗後脱水した。水に脱水ケーキを分散させボーメ
18の澱粉乳液とし、澱粉乳液のpHが6±0.2にな
っていることを確認した後、「クライスターゼKD」
(大和化成製のアルファアミラーゼ)を澱粉に対して
0.1重量%添加し、85℃まで昇温後10分間保持
後、95℃まで昇温して澱粉を液化した。得られた水溶
液を87℃まで冷却後2等分し、それぞれに「クライス
ターゼKD」を対澱粉0.20重量%、0.40重量%
添加し、87±1℃で30分間反応後、蓚酸を投入して
pHを3.5まで低下して酵素を失活させ、炭酸カルシ
ウムで中和し、活性炭で脱色後、噴霧乾燥して試料N
o. 4とNo. 5のオクテニルコハク酸澱粉を製造し
た。尚、試料No.4と試料No. 5の30重量%水溶
液の粘度はそれぞれ13cpと7cpであった。
部を分散した澱粉乳液を調製し、攪拌下で3%水酸化ナ
トリウム溶液を添加し、pHを8〜9に維持しながら、
無水酢酸を5部添加し、澱粉乳液のpHが変化しなくな
るまで反応後、5重量%硫酸溶液で中和、水洗、乾燥し
て試料No.6のアセチル澱粉(エステル化澱粉)を製
造した。尚、試料No. 6の30重量%水溶液の粘度
は、粘度が高すぎて測定できなかった。
し、タピオカ澱粉100部を分散させた澱粉乳液を調製
し、攪拌下で3重量%水酸化ナトリウム溶液33部滴下
し、プロピレンオキサイド6部を添加し、40℃で20
時間反応後5重量%硫酸溶液で中和し、水洗、脱水、乾
燥して試料No.7のヒドロキシプロピル澱粉(エーテ
ル化澱粉)を製造した。尚、試料No. 7の30重量%
水溶液の粘度は、粘度が高すぎて測定できなかった
0部と水10部に溶融塩としてクエン酸ナトリウム(C
TA)、ポリリン酸ソーダ(PPA)、乳化剤としてデ
カグリセリンモノパルミテート、澱粉系試料として試料
No.1〜試料No.5のオクテニルコハク酸澱粉、試
料No.6のアセチル澱粉、試料No.7のヒドロキシ
プロピル澱粉、「スタビローズK」(松谷化学工業製の
可溶性澱粉)を表1の割合で投入し、該容器を沸騰水中
に浸漬し、攪拌速度約100rpmで攪拌しながら品温
85℃まで加熱し、加熱によるチーズ類の油脂分離と風
味を下記の基準で評価した結果を表1に示す。尚、表1
において、澱粉系試料の次の( )内は、30重量%水
溶液の粘度である。
る。 ×:苦みやえぐみが感じられたりして風味が悪い。
部、試料No.3のオクテニルコハク酸澱粉3部と水1
5部を実施例1に準じて加熱し、ポリ容器に充填し、常
温まで冷却し、得られたチーズフードを冷蔵庫で1週間
放置した。冷蔵1週間後のチーズフードは組織が滑らか
で、油脂分離もなく食感や風味も極めて良好なものであ
った。さらに、このチーズフードを85℃まで加熱した
ところ、容易に溶融し、油脂分離もなく曳糸性にも優れ
たものであった。
焼いた後、実施例2で得られたチーズフードをシュレッ
ド状にして表面に振りかけると、チーズフードが容易に
溶融し、チーズ風味に優れたハンバーグとなった。
Claims (1)
- 【請求項1】チーズフードを製造するに際し、ナチュラ
ルチーズ100重量部に対して、30重量%水溶液の粘
度が10〜1000cpのオクテニルコハク酸澱粉を
0.5〜5重量部添加することを特徴とするチーズフー
ドの製造法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP36396897A JP3887922B2 (ja) | 1997-12-17 | 1997-12-17 | チーズフードの製造法 |
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---|---|---|---|
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---|---|---|---|
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