JPH11169063A - 焼菓子の製造法 - Google Patents
焼菓子の製造法Info
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Abstract
味・こく味を呈する風味良好な焼菓子を得ることを目的
とする。また補足的には卵成分に依拠せずとも、卵成分
使用製品に匹敵しうる食感・外観の製品を得ることも目
的とする。 【解決手段】大豆蛋白及び凝固剤を含む小麦粉ドウを焼
成することを骨子とする焼菓子の製造法であり、凝固剤
はアルカリ土類金属塩が好ましく、小麦粉ドウが、小麦
粉100重量部に対して、大豆蛋白固形分1〜20重量
部、凝固剤0.01〜1重量部を含み、膨張剤はその6
0重量%以上が炭酸水素アンモニウムであるのがよい。
Description
た、ビスケットやクッキー等の焼菓子の製造法に関す
る。
れを用いた多くの加工食品が考案されており、菓子分野
でも大豆成分を用いた製品がいくつか提案されている。
多くは、大豆特有の青臭み、渋味、大豆臭等を他の原料
の風味でマスキングしようとし、例えば、特開昭54−
154565号「植物性たん白質含有菓子」では牛乳と
豆乳を併用することにより豆乳の青臭さや味の悪さを抑
えようとして、大豆に由来する良好な風味を引き出すも
のではなかった。
のいくつかは、栄養的価値に重きを置く余り、通常のビ
スケットやクッキー等の焼菓子の製造においては使用さ
れる乳成分や卵成分といった動物由来の原料を低減させ
或いは使用を避け、そのことが、風味の低下や食感・外
観の悪化の原因になることが多い。例えば特開昭61−
265040号「豆乳菓子」では、可食性果実または野
菜粉末を豆乳粉末に対して大過剰配合することが行なわ
れ、風味的に満足しがたい。そして卵成分を使用しない
焼菓子を調製する実施例が記載されているものの、本発
明者らの知見では、単に押し固めて得ただけのような重
い食感のものしか得られていない。従来焼菓子の製造に
おいて特に卵成分の果たす役割は風味上のみならず食感
・外観上重要であり、卵成分に依拠せずに卵成分使用の
焼菓子に匹敵する風味、食感・外観の製品は未だ得られ
ていない。
白を使用し、乳成分を使用せずとも乳味・こく味を呈す
る風味良好な焼菓子を得ることを目的とする。また補足
的には卵成分に依拠せずとも、卵成分使用製品に匹敵し
うる食感・外観の製品を得ることも目的とする。
種々検討を行なった結果、大豆蛋白を凝固剤とともに用
いることで大豆成分がなければ得られない良好な風味の
焼菓子が得られる知見を得た。また、小麦粉ドウ中の大
豆蛋白固形物の使用量が多くかつ膨張剤中に炭酸水素ア
ンモニウムが含まれることにより、卵成分なしでも、卵
成分を使用した焼菓子に匹敵しうる食感・外観の製品も
得られることを見出した。
む小麦粉ドウを焼成することを骨子とする焼菓子の製造
法であり、凝固剤はアルカリ土類金属塩が好ましく、小
麦粉ドウが、小麦粉100重量部に対して、大豆蛋白固
形分1〜20重量部、凝固剤0.01〜1重量部を含む
のが風味上良好である。
部に対して大豆蛋白固形分を5〜20重量部含み、主成
分が炭酸水素アンモニウムである膨張剤を0.1〜3部
含有すると食感・外観上も良好な焼菓子を得ることがで
き、膨張剤はその60重量%以上が炭酸水素アンモニウ
ム(重炭安)であるのがよい。
大豆蛋白、分離大豆蛋白等が使用できる。このうち、豆
乳は大豆の可溶性糖類を可及的低下させたものが風味上
好ましく、また、糖,ココア,チョコレート,チーズそ
の他の風味成分を付加した所謂調製豆乳であってもよ
い。分離大豆蛋白はゲル形成能の低い或いは保水能力の
さほど高くない、例えば加水分解処理されたもの或いは
蛋白質凝固剤と予め接触処理したような蛋白が作業上よ
り好ましい。即ちゲル形成能が強い或いは保水能力の強
い分離大豆蛋白であると、プリプリして取扱いにくい生
地となったり、生地中に「だま」ができて容易には分散
し難かったりする傾向がある。
ルカリ土類金属の、塩化物、硫酸塩などの塩を使用でき
塩田にがりのような複数の塩が含まれるものでもよい。
凝固剤はその他、グルコノデルタラクトン(GDL)も
用いることができるが、概してアルカリ土類金属塩の方
が好ましく、特に大豆蛋白が豆乳粉末である場合はマグ
ネシウム塩が風味上最も好ましい。
形分が1〜20重量部、凝固剤が0.01〜1重量部の
範囲より少ないと、大豆に由来する良好な風味、物性の
焼菓子を得ることが困難になる。またこの範囲の量が含
まれていることにより、乳成分を用いずとも、うま味・
コク味・クリーミー感を製品に与えることができる。大
豆蛋白がこの量より多いと、焼菓子の食感が重くて良好
でなく、また凝固剤の量が多すぎると、塩味乃至渋味が
生じて風味を悪化させ、好ましくない。
粉100重量部に対して大豆蛋白固形分を5〜20重量
部含み、主成分が炭酸水素アンモニウムである膨張剤を
0.1〜3部含有すると、生地中に卵成分がなくとも物
性上良好な焼菓子を得ることができ、膨張剤はその60
重量%以上が炭酸水素アンモニウムであるのがよい。
の量が少ないと、生地の焼成中に焼き垂れが生じ(焼成
中に厚みが減じ)、また膨化が少なく食感が悪い。小麦
粉ドウ中に大豆蛋白を5%以上含ませるには、大豆蛋白
は好ましくは粉末状のものを用いるのがよい。即ち例え
ば粉末化していない水の多いままの豆乳であると、大豆
蛋白固形物の使用量を高くするのが困難である。また炭
酸水素アンモニウムの比率が高くないと厚み方向の膨化
が少なく、扁平で薄い焼菓子製品となりボリューム感に
乏しい。
剤、或いは、上記主成分が炭酸水素アンモニウムである
残りの膨張剤は、公知のものでよく、重炭安(炭酸水素
アンモニウム)以外に、重曹(炭酸水素ナトリウム)、
ベーキングパウダー等を使用できる。
常、油脂、糖類、水、塩等を適宜用いる。
用され、油脂そのものの他、それらの分別油脂、硬化油
脂、エステル交換油脂等で使用する他、ショートニン
グ、マーガリング、バターの形で用いてよい。マーガリ
ンやバターには通常乳成分が含まれ、植物性油脂は、大
豆油、菜種油、綿実油、コーン油、ひまわり油、サフラ
ワー油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、
カポック油、及びサル脂が、例示できる。
菓子の組織を形成するために必要で、ショ糖が最も普通
に使用される。
テンを適度に引き締め、作業性のよい生地にするのに役
立つ。
用は妨げないが、該動物性原料を低減させる志向上は、
乳成分や卵成分の固形物の量は大豆蛋白固形物の量を上
回らないのがよく、また本発明では上記のように使用し
ないでも良好な風味、物性の製品を得ることができる。
焼き菓子の種類により多少異なるが、まず大豆蛋白は、
水によって分散させる必要のない成分、とりわけ油脂と
予め混合し、次に水や水を含む原料,水によって分散さ
せる原料例えば膨張剤や食塩を混合し、次に小麦粉を配
合するのがよい。それによって、大豆蛋白に水が偏在し
たり、小麦粉に過剰に水が吸収されないようにでき良好
な生地を調整できる。なお大豆蛋白を水性下に凝固剤を
加えて豆腐様にゲル化させると水分調整や作業性が低下
するので、生地製造時に凝固剤を含ませるのがよい。
50重量部(以下単に「部」という)を、上白糖40部
及び豆乳粉末(トーラク株式会社製市販調製豆乳を噴霧
乾燥して調製した)10部とともに、ビーターを使用し
てすり合わせホイップした。ホイップした混合物の比重
が0.85になったところで全卵6部を少しずつ加え、
クリーム状になったところで更に水17部に溶かした膨
張剤(重曹0.5部、重炭安0.6部)、食塩0.5部
及び凝固剤(塩化マグネシウム、硫酸カルシウム、塩化
カルシウム、またはグルコノデルタラクトン(GD
L))0.5部を加えホイップを続け、混合物の比重が
0.80になったところで薄力粉100部を入れ、低速
で30秒混合し生地に仕上げた。冷蔵庫で2〜3時間生
地を冷却した後、手で揉んで均一な状態にし、シーター
で所定の厚みに展延後、型抜き又はカットし展板にの
せ、200℃〜210℃で7〜8分焼成してソフトビス
ケットを得た。
様に実施した製品も得た。焼成品の味、風味、食感につ
いて5人のパネラーに順位付けさせたところ、塩化マグ
ネシウム添加品が最も優れ、次いで硫酸カルシウム添加
品、塩化カルシウム添加品がほぼ同等に優れ、次いでG
DL添加品、無添加品の順であった。
剤を加えた系では、乳的な呈味感があり、無添加品に比
べこくとうまみが付与されることが確認された。また塩
化カルシウムについては他のアルカリ土類金属塩の凝固
剤に比べ生地が締まる傾向があり焼成品の食感もやや硬
いものとなった。
蛋白(不二製油社製:「プロリーナ250」)を使用す
る他は実施例1と同様にソフトビスケットを製造した。
評価結果は、塩化マグネシウム添加品、硫酸カルシウム
添加品、塩化カルシウム添加品がほぼ同等に優れ、次い
でGDL添加品、無添加品の順であった。
%強)のまま用いるか、またはその噴霧乾燥品である調
整豆乳粉末と水を用いるかし、また全卵を用いない他は
実施例1に準じてソフトビスケットを製造した。ただ
し、噴霧乾燥していない調整豆乳は実施例1における水
の添加時期に添加した。
みが付与されていたが、配合No1及び2の製品は、焼
成時に焼き垂れがおこり、No3及び4の製品では焼き
垂れがおこらなかった。ただしNo4はNo3に比べて
扁平で薄くボリューム感に欠けた。No3が最も食感・
外観上良好であった。
る菓子の製造法において、大豆蛋白及び凝固剤を用いる
ことにより、製造プロセス上の問題がなく、乳成分を使
用せずとも乳味・こく味を呈する風味良好な焼菓子を得
られ、また大豆蛋白を比較的多量に用い特定の膨張剤を
使用することによって、卵成分に依拠せずとも、卵成分
使用製品に匹敵しうる食感・外観の製品を得ることがで
きる。
Claims (6)
- 【請求項1】大豆蛋白及び凝固剤を含む小麦粉ドウを焼
成することを特徴とする焼菓子の製造法。 - 【請求項2】凝固剤がアルカリ土類金属塩である請求項
1記載の製造法。 - 【請求項3】小麦粉ドウが、小麦粉100重量部に対し
て、大豆蛋白固形分1〜20重量部、凝固剤0.01〜
1重量部を含む請求項1又は2記載の製造法。 - 【請求項4】小麦粉ドウが、小麦粉100重量部に対し
て大豆蛋白固形分を5〜20重量部含み、主成分が炭酸
水素アンモニウムである膨張剤を0.1〜3部含有する
請求項1乃至3記載の製造法。 - 【請求項5】膨張剤の60重量%以上が炭酸水素アンモ
ニウムである請求項4記載の製造法。 - 【請求項6】焼成するドウ中に乳固形又は/及び卵成分
が含まれない請求項5記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34598797A JP3424537B2 (ja) | 1997-12-16 | 1997-12-16 | 焼菓子の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP34598797A JP3424537B2 (ja) | 1997-12-16 | 1997-12-16 | 焼菓子の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11169063A true JPH11169063A (ja) | 1999-06-29 |
JP3424537B2 JP3424537B2 (ja) | 2003-07-07 |
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ID=18380372
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP34598797A Expired - Fee Related JP3424537B2 (ja) | 1997-12-16 | 1997-12-16 | 焼菓子の製造法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006106706A1 (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-12 | Fuji Oil Company, Limited | 蛋白質高含有菓子生地 |
KR100983927B1 (ko) | 2002-10-25 | 2010-09-27 | 가부시키가이샤 시마노 | 스피닝 릴의 릴 본체 |
-
1997
- 1997-12-16 JP JP34598797A patent/JP3424537B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR100983927B1 (ko) | 2002-10-25 | 2010-09-27 | 가부시키가이샤 시마노 | 스피닝 릴의 릴 본체 |
WO2006106706A1 (ja) * | 2005-03-31 | 2006-10-12 | Fuji Oil Company, Limited | 蛋白質高含有菓子生地 |
JP4849066B2 (ja) * | 2005-03-31 | 2011-12-28 | 不二製油株式会社 | 蛋白質高含有菓子生地 |
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---|---|
JP3424537B2 (ja) | 2003-07-07 |
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