JPH111677A - アンカーボルト用固着剤組成物 - Google Patents

アンカーボルト用固着剤組成物

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JPH111677A
JPH111677A JP15383397A JP15383397A JPH111677A JP H111677 A JPH111677 A JP H111677A JP 15383397 A JP15383397 A JP 15383397A JP 15383397 A JP15383397 A JP 15383397A JP H111677 A JPH111677 A JP H111677A
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JP
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resin
curing
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radical
fixing agent
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JP15383397A
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Nobuhiro Takeda
信広 武田
Hidenori Kuramochi
秀則 倉持
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 アンカーボルト用固着剤組成物 【課題】 取扱い性、製造性に優れ、更に安定した高い
固着性能を発揮する1液型のアンカーボルト用固着剤組
成物を提供すること。 【解決手段】 ラジカル硬化型樹脂及び硬化促進剤を含
む主剤と、該主剤を硬化させる硬化剤を有する固着剤組
成物において、硬化剤が表面に樹脂被覆層を有する有機
過酸化物の成形体である固着剤組成物を、引き裂き容易
化加工を施した合成樹脂フィルム類の容器に収容してな
るアンカーボルト用固着剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ラジカル硬化性樹脂の
硬化剤及びそれを含むアンカーボルト用固着剤に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、ラジカル硬化性樹脂である不飽和
ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリエ
ステルアクリレート樹脂等の重合開始剤には、有機過酸
化物が用いられている。これらの有機過酸化物は、使用
目的、使用温度によって区分されて用いられており、低
温、常温域においては、しばしば芳香族アミン類等の硬
化促進剤と併用されている。有機過酸化物を硬化剤とす
るラジカル硬化性樹脂の用途は、耐食ライニング、金型
成形、樹脂カプセルアンカー用の主剤等多岐に渡ってい
る。樹脂カプセルアンカー用樹脂としては、不飽和ポリ
エステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂が一般的であ
る。樹脂カプセルアンカーは、アンカーボルトをコンク
リート構造物や岩盤等に埋め込み設備等を設置する用途
に用いられており、硬化可能な粘性液体樹脂と硬化剤の
二成分又は骨材を加えた三成分を有し、アンカーボルト
や鉄筋をハンマーで打ち込むタイプとハンマードリル等
で回転・打撃を与えながら埋め込むタイプのものがあ
る。
【0003】アンカーボルトや鉄筋をハンマードリル等
で回転・打撃を与えながら埋め込むタイプの樹脂カプセ
ルアンカーには、破砕可能な筒状容器内硬化可能な主
剤、骨材及び内容器に封入された硬化剤を配した二重容
器構造の樹脂カプセルアンカーが一般的である(特公昭
62−37076号公報)。又、破砕可能な外容器と破
砕可能な内容器とからなりその一方に粘性液体樹脂、他
方に該粘性液体樹脂の硬化剤と骨材を充填してなるボル
ト固着用カートリッジにおいて、固体顆粒状の硬化剤と
骨材が実質的に均一に混合されていることを特徴とする
ボルト固着用カートリッジ(特公平4−1160号公
報)や粘性液体樹脂と粘性液体樹脂に混入される粒状石
骨材と、有機結合剤と希釈剤と過酸化物とが棒状に成形
され、かつ該棒状成形物の全表面にわたって樹脂被覆層
を有してなる硬化剤とを不透明な円筒状の管の中に充填
し、不透明な円筒状の管の口元部に透明なプラスチック
キャップを密嵌してなるボルト固定用固着剤が知られて
いる(特公昭63−13000号公報)。
【0004】また、硬化性重合体系をマクロカプセル化
により多区分化し、かつこれらのマクロカプセルを固定
された三次元関係にある円筒配列として構成したアンカ
ーボルトシール用カートリッジも知られている(特開昭
55−32814号公報)。これらはカプセルが破砕さ
れたときカプセルの壁材がフレーク状の破片を形成する
ように構成し、このフレークを「静的攪拌機」として機
能させて重合系の均一を達成させるというものである。
そのためにカプセル同士が実質上固定された三次元の円
筒配列としてボルトの挿入により確実に破砕されるよう
にされている。また、カプセルはその際に壁材がフレー
ク片を形成し得るものでなければならない。
【0005】更には、アンカーボルト用固着剤ではない
が接着剤、シーラント、コーティング材料、成形材料な
どの用途に用いられる硬化組成物として、重合可能なポ
リアクリレート及び/又はポリメタクリレートと有機過
酸化物からなる組成物に、該有機過酸化物とレドックス
系を形成して、前記ポリアクリレート及び/又はポリメ
タクリレートを重合せしめる促進剤を内相物とし、かつ
成膜性の炭化水素化合物からなる皮膜で内壁膜を被覆し
た多重マイクロカプセルを分散させてなる1液性硬化組
成物も知られている(特公昭54−32480号公
報)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ラジカル硬化型樹脂の
硬化剤は、液状、無機物或いは有機物で希釈した粉状、
顆粒状のものが一般的である。これらの液状、粉状、顆
粒状の硬化剤は、ラジカル硬化型樹脂と混合して金型や
孔に流し込む用途においては、硬化剤が樹脂と短時間で
均一に混合される。しかしながら、例えばこれらの硬化
剤をアンカーボルト用固着剤として、一般的によく知ら
れている二重容器構造の樹脂カプセルアンカーに用いた
場合、硬化剤が細い内容器に充填されるため、硬化剤が
充填しにくく作業性が非常に悪くなる欠点や容器内への
充填時に硬化剤の微粉が飛散し作業環境が悪化したり、
充填ホッパーや容器内での硬化剤のブリッジが発生し作
業性が悪化するといった問題がある。又、容器にガラス
管を使用しているため、取扱時に誤って床上に落とした
場合は容易に破壊されてしまい全く使用できなく欠点も
ある。
【0007】特公昭63−13000号公報のボルト固
定用固着剤は、上記の如き問題点を解決したものであ
る。しかしながら、このボルト固定用固着剤は、容器が
フェノール樹脂に木粉・アスベスト・タルク等の充填剤
を混合した強固な円筒状のプラスチック管からなるた
め、使用時のアンカーボルトの回転・打撃の衝撃では、
容器が細かく破砕されず大きな断片となって孔の内壁に
残るため固着強度が大きくバラツキ安定した高い固着性
能が発揮できない問題がある。
【0008】また、特開昭55−32814号公報の技
術では、使用できるマクロカプセル自体が破砕されたと
きフレ−ク片を形成し得るフェノール樹脂−ガラス球、
中空状のクレーピロー、ゼラチンカプセル等に限定され
る。そのため、マクロカプセル内への成分の充填法も限
定され、その成分中にカプセルを真空中に浸漬したり、
あるいは注射器によるという生産性の低い方法により行
われており、しかもその成分は液体成分に限定され、固
体、粉体成分には適用できない。本発明は、取扱い性、
製造性に優れ、更に安定した高い固着性能を発揮する1
液型のアンカーボルト用固着剤組成物を提供することを
目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】アンカーボルト用固着剤
組成物において、有機過酸化物を成形体としその表面に
被覆層を施し、更に固着剤組成物を引き裂きを容易にで
きる加工を施した合成樹脂フィルム類に収容することで
取扱性、製造性に優れ且つバラツキの安定した高い固着
性能が発揮できることを見出し本発明をなすにいたっ
た。すなわち、本発明は、ラジカル硬化型樹脂及び硬化
促進剤を含む主剤と、該主剤を硬化させる硬化剤を有す
る固着剤組成物において、硬化剤が有機過酸化物の成形
体であって、その表面に樹脂被覆層を有し、更に固着剤
組成物が引き裂き容易化加工を施した合成樹脂フィルム
類からなる容器に収容されていること特徴とするアンカ
ーボルト用固着剤組成物である。
【0010】本発明に使用される有機過酸化物の成形体
は、有機過酸化物を主成分とする顆粒状、球状、複数の
凹凸体状、円柱状、四角柱状等の形態を有する硬化剤成
形体の表面に硬化剤と硬化反応しない樹脂又は有機過酸
化物と硬化反応する硬化促進剤を含むラジカル硬化型樹
脂で全表面又は一部を被覆されたものである。硬化剤と
非反応性の樹脂としてはポリビニルアルコール、ポリ塩
化ビニル、ポリ酢酸ビニル、エポキシ樹脂等が用いられ
る。硬化促進剤を含むラジカル硬化型樹脂としては、エ
ポキシアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹
脂、アクリルウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等
が用いられる。
【0011】硬化剤としては、キュメンパーオキサイド
等のハイドロオキサイド類、ジクミルパーオキサイド等
のジアルキルパーオキサイド類、過酸化ベンゾイル等の
ジアシルパーオキサイド類、メチルエチルケトンパーオ
キサイド等のケトンパーオキサイド類、ビス−(4−t
−ブチルシクロヘキシル)パーオキシカーボネート等の
オキシカーボネート類、1,1−ジ−t−ブチルパ−オ
キシシクロヘキサノン等のパーオキシケタール類、t−
ブチルパーオキシゼンゾエート等のパーオキシエステル
類等の有機過酸化物を炭酸カルシウム、硫酸カルシウム
等の無機物で希釈したものが用いられる。
【0012】又、有機過酸化物は、常温硬化性、取扱性
の観点から過酸化ベンゾイルであることが好ましい。更
に、この有機過酸化物は、取扱いの安全性を考慮すると
有機過酸化物の含有量は、50%以下であることが好ま
しい。一般に硬化剤/主剤樹脂比は、たとえば2〜15
%重量%である。前記硬化剤の成形方法については特に
限定はされないが、例えば、粉状、湿状のものに機械的
な圧力を加えて成形する方法、水等を含むスラリーを形
成し乾燥して得る方法、粉状物を成形剤を介して成形す
る方法、粉状物を水、成形剤で粘土状にし製丸機で球状
に成形する方法がある。
【0013】成形剤としては、カルボキシメチルセルロ
ース、メチルセルロース、グアーガム、ローカストビー
ンガム、ゼラチン、PVA(ポリビニルアルコール)、
アラビアゴム、微結晶性セルロース、アミロース、アミ
ロペクチンのデンプン類等が使用されるが、製造性、保
形性の観点からカルボキシメチルセルロース、グアーガ
ム、ローカストビーンガムのセルロース誘導体を使用す
ることが好ましく、更に好ましくは、粒状成形体が硬く
なり、取扱性に優れるアミロース、アミロペクチンのデ
ンプン類である。成形剤の硬化剤に対する重量比は、例
えば0〜20重量%、好ましくは1〜15重量%であ
る。
【0014】このようにして得られた成形体の表面に被
覆層を形成する方法として、硬化剤成形体と硬化反応し
ない樹脂で被覆する場合は1)ポリビニルアルコール、
ポリ塩化ビニル等を含有する溶液に浸漬させ溶媒を除去
することにより被覆層を形成させる方法、2)エポキシ
樹脂等の主剤、硬化剤を混合させた樹脂を塗布し硬化反
応により被覆層を形成させる方法がある。硬化剤成形体
と硬化反応するラジカル硬化型樹脂で被覆させる場合は
1)硬化促進剤を含むラジカル硬化型樹脂に浸漬させる
等の工程により表面をコーティングし、その時の硬化反
応により被覆層を形成させる方法、2)硬化剤成形体を
ラジカル硬化型樹脂及び硬化促進剤を含む主剤に入れ、
その際の硬化反応により表面に樹脂被覆層を形成させる
方法があるが、均一な被覆形成、製造性を考慮すると有
機過酸化物の成形体と硬化反応するラジカル硬化型樹脂
で被覆させる方法が好ましく、更には、製造工程の簡素
化、コスト等を考慮すると、ラジカル硬化型樹脂で被覆
層形成させる場合の2)の成形体を主剤に入れ、その際
の硬化反応により表面に樹脂被覆層を形成させる方法が
より好ましい。
【0015】被覆層の厚みについては、薄いほど良い
が、硬化剤成形体と硬化反応するラジカル硬化型樹脂で
被覆する場合は、硬化剤の活性部分を保持するために膜
厚は、硬化剤粒径の0.3〜40%とすることが好まし
い。有機過酸化物成形体の形状については、骨材と混合
充填する時に骨材及び硬化剤が容器内で引っ掛かること
なく主剤中に沈降させることができる粒状成形体である
ことが好ましく、粒径としては0.5mm以上15.0
mm以下のものが製造性、施工性が良より好ましい。更
に、骨材との粒度が近く、硬化剤をより均一に分散が可
能な1〜10mmのものがより好ましい。
【0016】成形体の硬さについては、アンカーボルト
用固着剤としての施工時の機械攪拌で破砕可能であれば
特に問題ないが、アンカーボルト用固着組成物として主
剤中に分散させる時や更には骨材と混合充填するときの
取扱い時における成形体の崩壊を防がなければならない
ことを考慮すると圧壊強度150gf/cm2 以上が好
ましいが、更に丈夫な被膜を形成して製品寿命をより長
くするときには1kgf/cm2 以上となることもあ
る。
【0017】本発明の固着剤組成物は、引き裂き容易化
加工を施された合成樹脂フィルム容器に収容される。引
き裂き容易化加工が施された合成樹脂フィルム類からな
る容器とは、アンカーボルト施工時の回転、打撃でフィ
ルムが横方向に引き裂きが容易になるような加工を施さ
れたもので、ラジカル硬化型樹脂及び硬化促進剤又は反
応性単量体の浸透を遮断し、逸散を防ぐことのできる合
成樹脂フィルム類からなる材質により作られたものであ
れば特に限定はされないが、容器の引っ張り強さが80
gfより小さいものは、取り扱い時や運搬時等で容器が
破れ易く、内容物がこぼれて製品として使用できなくな
る場合もあり、引っ張り強さが80gf以上であること
が好ましい。引き裂き容易化加工としては、例えば、横
方向にミシン目を入れたり、多数の微細な傷痕を施した
り、切れ目を入れたり、一軸延伸を行ったり、厚みを変
化させる等の加工を施したもの等である。中でも、アン
カーボルト埋込み時にフィルムが細かく横方向に破砕さ
れ高い固着強度の発揮できる、横方向にミシン目、多数
の微細な傷痕、一軸延伸を施したものが好ましい。合成
樹脂フィルム類は、ポリエチレン、ナイロン、ポリプロ
ピレン、セロハン、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン
テレフタレート等の単独、それらを重ね合わせた積層フ
ィルム、アルミ箔等の金属、紙等他の素材との積層フィ
ルムからなるものである。又、容器の閉止方法は、開口
部をクリップ止め、ヒートシール法等によって閉止され
る。
【0018】本発明のアンカーボルト用固着剤に使用さ
れるラジカル硬化型樹脂は、エポキシアクリレート樹
脂、ポリエステルアクリレート樹脂、アクリルウレタン
樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等である。又、ラジカル
硬化型樹脂の中でも固着性能、低温硬化性、耐アルカリ
性に優れるエポキシアクリレート樹脂、ポリエステルア
クリレート樹脂を主成分として用いることがより好まし
い。
【0019】これらのラジカル硬化型樹脂には反応性単
量体を混合して使用することができる。反応性単量体に
は、スチレンモノマー、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、エチレングリコールジメタクリレート、シ
クロヘキシルアクリレート、n−ブチルメタクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ベンジルメ
タクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、ジエ
チレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリ
コールジメタクリレート、1,4ブチレングリコールジ
メタクリレート、トリメタクリル酸トリメチロールプロ
パン、マレイン酸ジメチル、イソボルニルメタクリレー
ト、ブタンジオールジメタクリレート、及び2,2−ビ
ス[4−(メタクリロキシジエトキシ)フェニル]プロ
パン等がある。これらの反応性単量体は、ラジカル硬化
型樹脂に対して例えば0〜100重量%、好ましくは1
〜60重量%で使用することができる。
【0020】本発明に使用される硬化促進剤は、N,N
−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,
N−ジメチル−P−トルイジン、N,N−ジヒドロキシ
プロピル−P−トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチ
ル−P−トルイジン等の芳香族アニリン類、ナフテン酸
コバルト等の金属石鹸類、バナジルアセチルアセトネー
ト等のキレート化合物等がある。これらの硬化促進剤は
ラジカル硬化型樹脂に対しては例えば、0.2〜3重量
%である。
【0021】本発明の主剤の硬化時間は、固着剤の施工
性と固着強度によって決まる。主剤の硬化時間が短いと
アンカーボルト埋め込み中に樹脂が硬化して埋め込みが
できなくなり、又、逆に硬化時間が長いと低温施工時に
樹脂が未硬化となり固着強度が発揮できなかったり、硬
化剤の粒状成形体を直接主剤中に投入することにより主
剤により被覆層を形成させる場合、反応性単量体が硬化
剤の被覆層を透過することにより反応性単量体と硬化剤
成分が反応してしまい、硬化剤成分が失われ製品寿命が
短くなる。このため、主剤の硬化時間を、硬化促進剤の
添加量を調整して、JIS−K6901(常温硬化特
性)の25℃で測定される最小硬化時間が60分以下に
すると低温施工時に樹脂の未硬化がなくなるので好まし
い。更に、固着強度を十分発揮させるには、2分以上4
5分以下がより好ましい。
【0022】ラジカル硬化型樹脂及び硬化促進剤を含む
主剤には、必要に応じて重合禁止剤、顔料、紫外線吸収
剤、界面活性剤、増粘剤、充填剤、チクソトロピー化剤
(微分シリカ等)、着色剤等を添加することができる。
さらに本発明のアンカーボルト用固着剤に、骨材を使用
することにより、硬化剤が細かく破砕され主剤との混合
効果がよくなり、硬化後、樹脂硬化物も硬くなるという
効果が得られ、より高い固着性能を発揮することができ
る。骨材は、粒度の比較的大きい場合にはアンカーボル
ト施工時の回転、打撃等で破砕可能なものであればよ
く、一般的にはマグネシアクリンカー又はガラス、セラ
ミック等の人工骨材や、硅石、石英等の天然石といった
無機物質が使用されているが、硬質塩化ビニルのような
硬質プラスチックといった有機物質でもよい。骨材の形
状としては分散性、硬化剤との混合充填性等を考慮する
と粒状のものが好ましい。又、骨材の粒径は、施工条件
(穿孔径、アンカーボルトのサイズ等)により決定すれ
ばよい。骨材は、主剤に対し、たとえば0〜500重量
%好ましくは50〜300重量%で使用することができ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例により詳細
に説明する。
【0024】
【実施例1】ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタク
リル酸を付加したメタクリル型エポキシアクルレート樹
脂65wt%、反応性単量体としてスチレンモノマー3
4wt%、硬化促進剤としてN,Nジメチルアニリン1
wt%の割合で配合した樹脂(JIS−6901(常温
硬化特性)の25℃で測定される最小硬化時間が約7
分)8.7gを外径17.0mm、肉厚100μ、長さ
120mmのPE/PET/Al/PEからなるフィル
ムのPE部分全体に、水平方向に1mm幅のミシン目の
列をフィルム縦方向に10mmの間隔で10列施し側面
及び底部をヒートシールした引っ張り強さが1kgfの
容器に充填した。次に、この容器に骨材として粒径1.
5〜3.0mmのマグネシアクリンカー24gと硫酸カ
ルシウムで40%濃度に希釈されたベンゾイルパーオキ
サイド1.8gを長さ85mm,直径5mmの棒状に成
形し表面を第1の被覆層として酢酸繊維素の被覆層、第
2の被覆層としてエポキシ樹脂の被覆層を施したものを
挿入し開放部をヒートシール閉止してカプセルを試作し
た。
【0025】次にサイズ500×500×1000m
m、圧縮強度210kg/cm2 のコンクリートブロッ
クに穿孔径19.0mm、穿孔長130mmの孔を穿孔
し、ブロワーとナイロンブラシを用いて孔内清掃を行っ
た後、上記のカプセルを該穿孔の中の挿入し、先端を4
5度にカットした外径16mmの全ネジボルトM16
(材質SNB7)をハンマードリルに装着し、回転と打
撃を与えながら、孔底まで埋め込み、1日の養生時間を
置き固着強度を測定した。測定機器はアンカーボルト用
引っ張り試験機ANSER−5−III(旭化成工業株
式会社製)を用いて行った。固着強度の結果を表1に示
した。
【0026】
【実施例2】ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタク
リル酸を付加したメタクリル型エポキシアクルレート樹
脂55wt%、反応性単量体としてジエチレングリコー
ルジメタクリレート45wt%、硬化促進剤としてN,
N−ジヒドロキシプロピル−p−トルイジン1wt%の
割合で配合した樹脂(JIS−6901(常温硬化特
性)の25℃で測定される最小硬化時間が約13分)
8.7gを外径17.0mm、肉厚100μ、長さ12
0mmのPE/PET/Al/PEからなるフィルムの
PE部にフィルムのPE部分全体に、水平方向に1mm
幅のミシン目の列をフィルム縦方向に10mmの間隔で
10列施し、側面及び底部をヒートシールした引っ張り
強さが1kgfの容器に充填した。次に、この容器に骨
材として粒径1.2〜3.4mmの硅石16gと硫酸カ
ルシウムで40%濃度に希釈されたベンゾイルパーオキ
サイド100重量部、水25重量部、アミロペクチン1
0重量部からなる粘土状のものを製丸機(小池鉄工株式
会社製)を用いて、球状(平均粒径3mm)に形成・乾
燥し、表面を上記配合の樹脂の入ったビーカー(500
cc、30℃)内へ浸漬しスタラーにて30分攪拌し被
覆層を形成させた硬化剤2.0gを使用した以外は、実
施例1と同様にカプセルの試作を行った。その時の固着
強度の結果を表1に示す。
【0027】
【実施例3】ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタク
リル酸を付加したメタクリル型エポキシアクルレート樹
脂55wt%、反応性単量体としてジエチレングリコー
ルジメタクリレート45wt%、硬化促進剤としてN,
N−ジヒドロキシプロピル−p−トルイジン1wt%の
割合で配合した樹脂(JIS−6901(常温硬化特
性)の25℃で測定される最小硬化時間が約13分)1
8.0gを外径17.0mm、肉厚100μ、長さ12
0mmのPE/PET/Al/PEからなるフィルムの
PE部に、水平方向に1mm幅のミシン目の列をフィル
ム縦方向に10mmの間隔で10列施し縦方向10mm
の間隔で1mmのミシン目を施し、側面及び底部をヒー
トシールした引っ張り強さが1kgfの容器に充填し
た。次に、硫酸カルシウムで40%濃度に希釈されたベ
ンゾイルパーオキサイド100重量部、水25重量部、
アミロペクチン8重量部からなる粘土状のものを製丸機
(小池鉄工株式会社製)を用いて、球状(平均粒径3m
m)に形成・乾燥した硬化剤3.8gを充填し、開放部
を閉止してカプセルを試作した以外は実施例1と同様の
試験を行った。その時の固着強度の結果を表1に示す。
【0028】
【実施例4】ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタク
リル酸を付加したメタクリル型エポキシアクルレート樹
脂55wt%、反応性単量体としてジエチレングリコー
ルジメタクリレート45wt%、硬化促進剤としてN,
N−ジヒドロキシプロピル−p−トルイジン1wt%の
割合で配合した樹脂(JIS−6901(常温硬化特
性)の25℃で測定される最小硬化時間が約13分)
8.7gを外径17.0mm、肉厚86μ、長さ120
mmのPET/PE/PEからなるフィルムにフィルム
に、水平方向に0.2mm幅で配列した傷痕群をフィル
ム縦方向に15mmの間隔で10列施し側面及び底部を
ヒートシールした引っ張り強さが1.5kgfの容器に
充填した。次にこの容器に骨材として、粒径1.0〜
3.0mmのセラミック骨材(商品名セラサンドS)2
5gと硫酸カルシウムで40%濃度に希釈されたベンゾ
イルパーオキサイド100重量部、水25重量部、アミ
ロペクチン8重量部からなる粘土状のものを製丸機(小
池鉄工株式会社製)を用いて、球状(平均粒径3mm)
に形成・乾燥した硬化剤2.0gを混合充填し、開放部
を閉止してカプセルを試作した以外は実施例1と同様の
試験を行った。その時の固着強度の結果を表1に示す。
【0029】
【実施例5】硬化剤として、硫酸カルシウムで40%濃
度に希釈されたベンゾイルパーオキサイド100重量
部、カルボキシメチルセルロース0.1重量部、SBラ
テックス5重量部(固形分)、水45重量部からなるス
ラリーを粒径0.1〜0.4mm(平均粒径0.25m
m)の粒状に形成・乾燥し、表面をビスフェノールA型
エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したメタクリル型エ
ポキシアクルレート樹脂55wt%、反応性単量体とし
てジエチレングリコールジメタクリレート45wt%、
硬化促進剤としてN,N−ジヒドロキシプロピル−p−
トルイジン1wt%の割合で配合した樹脂(JIS−6
901(常温硬化特性)の25℃で測定される最小硬化
時間が約13分)樹脂の入ったビーカー(500cc、
30℃)内へ浸漬しスタラーにて30分攪拌し被覆層を
形成させた硬化剤2.0gを使用した以外は、実施例1
と同様にカプセルの試作を行った。その時の固着強度の
結果を表1に示す。
【0030】
【比較例1】外径17mm、肉厚0.8mm、長さ13
0mmのフェノール樹脂からなる不透明の円筒状の管に
実施例1で使用した樹脂を8.7g充填した。次に硬化
剤として、硫酸カルシウムで40%濃度に希釈されたベ
ンゾイルパーオキサイド1.8gを長さ85mm、直径
5mmの棒状に成形し表面を第1の被覆層として酢酸繊
維素の被覆層、第2の被覆層としてエポキシ樹脂の被覆
層を施したものを挿入した。次に骨材として粒径1.5
〜3.0mm(平均粒径2.4mm)のマグネシアクリ
ンカー24gを充填し開放部をポリエチレン製のキャッ
プで閉止してカプセルを試作した以外は実施例1と同様
の試験を行った。その時の固着強度の結果を表1に示
す。
【0031】
【比較例2】外径17mm、肉厚0.7mm、長さ12
0mmのガラス製外容器に実施例1で使用した樹脂8.
7g充填し、硬化剤として、硫酸カルシウムで40%濃
度に希釈された粉状のベンゾイルパーオキサイド1.2
gを外径6mm、肉厚0.5mm、長さ85mmのガラ
ス製内容器に封入し、外容器内に投入した。次に骨材と
して粒径1.5〜3.0mm(平均粒径2.4mm)の
マグネシアクリンカー24gを充填しカプセルを試作し
た以外は実施例1と同様の試験を行った。その時の固着
強度の結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】以上、表1から分かるようにラジカル硬化
型樹脂及び硬化促進剤を含む主剤と、該主剤を硬化させ
る硬化剤を有する固着剤組成物において、硬化剤が有機
過酸化物の成形体であって、その表面が被覆層を有し、
更に固着剤組成物が引き裂きを容易できる加工を施した
合成樹脂フィルム類からなる容器に収容されたアンカー
ボルト用固着剤組成物は、製造性、取扱性に優れ、バラ
ツキの少ない安定した高い固着性能を発揮できるもので
ある。
【0034】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
係るアンカーボルト用固着剤組成物は、硬化剤成形体の
表面が樹脂で被覆層が形成され、更に引き裂きを容易で
きる加工を施した合成樹脂フィルム類からなる容器に収
容されているため製造性、取扱性に優れ、バラツキの少
ない安定した高い固着性能を充分に発揮できる信頼性の
あるものを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の樹脂カプセルアンカーの概略説明図
である。
【図2】実施例2、4、5の樹脂カプセルアンカーの概
略説明図である。
【図3】比較例1の樹脂カプセルアンカーの概略説明図
である。
【図4】比較例2の樹脂カプセルアンカーの概略説明図
である。
【符号の説明】
1 容器 2 樹脂 3 骨材 4 硬化剤
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI E21D 20/00 E21D 20/00 R

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ラジカル硬化型樹脂及び硬化促進剤を含
    む主剤と、該主剤を硬化させる硬化剤を有する固着剤組
    成物において、硬化剤が表面に樹脂被覆層を有する有機
    過酸化物の成形体である固着剤組成物を、引き裂き容易
    化加工を施した合成樹脂フィルム類の容器に収容してな
    ることを特徴とするアンカーボルト用固着剤組成物。
  2. 【請求項2】 引き裂き容易化加工が、容器に水平方向
    に施されたミシン目、多数の微細な傷痕、一軸延伸のい
    ずれか一つ以上であることを特徴とする請求項1記載の
    アンカーボルト用固着剤組成物。
  3. 【請求項3】 硬化剤表面の樹脂被覆層が硬化したラジ
    カル硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1乃至2
    記載のアンカーボルト用固着剤組成物。
  4. 【請求項4】 硬化剤が多数個の有機過酸化物の粒状成
    形体であって、その各個の表面に硬化した主剤を構成す
    るラジカル硬化型樹脂からなる被覆層を有することを特
    徴とする請求項3記載のアンカーボルト用固着剤組成
    物。
  5. 【請求項5】 前記硬化剤の粒径が0.5mm以上1
    5.0mm以下であることを特徴とする請求項3または
    4記載のアンカーボルト用固着剤組成物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008007672A (ja) * 2006-06-30 2008-01-17 Asahi Kasei Chemicals Corp アンカーボルト固着剤
WO2009147953A1 (ja) * 2008-06-03 2009-12-10 昭和高分子株式会社 低温硬化性樹脂組成物、それを用いた塗膜形成方法、樹脂モルタル及び繊維強化樹脂

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JP2009292890A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Showa Highpolymer Co Ltd 低温硬化性樹脂組成物、それを用いた塗膜形成方法、樹脂モルタル及び繊維強化樹脂

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