JP3969791B2 - 固着用組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコンクリート、岩盤等の母材にアンカーボルトなどの固定部材を固定する為の固着用組成物に関する。
【従来の技術】
従来、ラジカル硬化性樹脂である不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂等の重合開始剤には、有機過酸化物が用いられている。これらの有機過酸化物は、使用目的、使用温度によって区分されて用いられており、低温、常温域においては、しばしば芳香族アミン類等の硬化促進剤と併用されている。
有機過酸化物を硬化剤とするラジカル硬化性樹脂としては、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂が一般的に知られている。
固着用組成物の使用例としては樹脂カプセルアンカーがある。樹脂カプセルアンカーは、アンカーボルトをコンクリート構造物や岩盤等に埋め込み設備等を設置する用途に用いられており、硬化可能な粘性液体樹脂と硬化剤の二成分又は骨材を加えた三成分を有し、アンカーボルトや鉄筋をハンマーで打ち込むタイプとハンマードリル等で回転・打撃を与えながら埋め込むタイプのものがある。
【0002】
アンカーボルトや鉄筋をハンマードリル等で回転・打撃を与えながら埋め込むタイプの樹脂カプセルアンカーには、破砕可能な筒状容器内に封入された硬化可能な主剤、骨材及び内容器に封入された硬化剤を配した二重容器構造の樹脂カプセルアンカーが一般的である(特公昭62−37076号公報)。又、破砕可能な外容器と破砕可能な内容器とからなりその一方に粘性液体樹脂、他方に該粘性液体樹脂の硬化剤と骨材を充填してなるボルト固着用カートリッジにおいて、固体顆粒状の硬化剤と骨材が実質的に均一に混合されていることを特徴とするボルト固着用カートリッジ(特公平4−1160号公報)や粘性液体樹脂と粘性液体樹脂に混入される粒状石骨材と、有機結合剤と希釈剤と過酸化物とが棒状に成形され、かつ該棒状成形物の全表面にわたって樹脂被覆層を有してなる硬化剤とを不透明な円筒状の管の中に充填し、不透明な円筒状の管の口元部に透明なプラスチックキャップを密嵌してなるボルト固定用固着剤が知られている(特公昭63−13000号公報)。
【0003】
また、硬化性重合体系をマクロカプセル化により多区分化し、かつこれらのマクロカプセルを固定された三次元関係にある円筒配列として構成したアンカーボルトシール用カートリッジも知られている(特開昭55−32814号公報)。これらはカプセルが破砕されたときカプセルの壁材がフレーク状の破片を形成するように構成し、このフレークを「静的攪拌機」として機能させて重合系の均一を達成させるというものである。そのためにカプセル同士が実質上固定された三次元の円筒配列としてボルトの挿入により確実に破砕されるようにされている。また、カプセルはその際に壁材がフレーク片を形成し得るものでなければならない。
【0004】
更には、アンカーボルト用固着剤ではないが接着剤、シーラント、コーティング材料、成形材料などの用途に用いられる硬化組成物として、重合可能なポリアクリレート及び/又はポリメタクリレートと有機過酸化物からなる組成物に、該有機過酸化物とレドックス系を形成して、前記ポリアクリレート及び/又はポリメタクリレートを重合せしめる硬化促進剤を内相物とし、かつ成膜性の炭化水素化合物からなる皮膜で内壁膜を被覆した多重マイクロカプセルを分散させてなる1液性硬化組成物も知られている(特公昭54−32480号公報)。
【発明が解決しようとする課題】
ラジカル硬化型樹脂の硬化剤は、液状、無機物或いは有機物で希釈した粉状、顆粒状のものが一般的である。これらの硬化剤をアンカーボルト用固着剤として、一般的によく知られている二重容器構造の樹脂カプセルアンカーに用いた場合、硬化剤が細い内容器に充填されるため、硬化剤が充填しにくく作業性が非常に悪くなる欠点や容器内への充填時に硬化剤の微粉が飛散し作業環境が悪化したり、充填ホッパーや容器内での硬化剤のブリッジが発生し作業性が悪化するといった問題がある。
【0005】
特公昭63−13000号公報のボルト固定用固着剤は、上記の如き問題点を解決したものである。しかしながら、このボルト固定用固着剤は、棒状に成形された硬化剤の表面を硬化剤とは反応しない樹脂で完全な被膜を形成しなければならない。しかし、この被膜にピンホールが完全に存在しないように処理することは大変困難で製造工程も複雑になる。さらに、骨材等で傷ついたり、棒状成形体が折れたりすることでせっかくの被膜が破損し硬化剤を失活させ、使用時樹脂が硬化しないといった問題あった。
また、特開昭55−32814号公報の技術では、使用できるマクロカプセル自体が破砕されたときフレ−ク片を形成し得るフェノール樹脂−ガラス球、中空状のクレーピロー、ゼラチンカプセル等に限定される。そのため、マクロカプセル内への成分の充填法も限定され、その成分中にカプセルを真空中に浸漬したり、あるいは注射器によるという生産性の低い方法により行われており、しかもその成分は液体成分に限定され、固体、粉体成分には適用できない。
【0006】
本発明はより製品寿命が長い固着剤およびそれに用いる硬化剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
本発明は、製品寿命が長く、取扱い性、製造性に優れ、高く安定した固着性能を発揮する1液型の固着用組成物を提供することを目的とする。
上記の問題を解決するために、硬化剤の表面被覆層を硬化剤と硬化反応するラジカル硬
化型樹脂で形成させることで取扱い性、製造性に優れ、且つ、本発明に掲げられている主剤を用いることで高い固着性能と長い製品寿命を持つ固着用組成物を見いだし、本発明をなすにいたった。
すなわち、本発明は以下の通りのものである。
1.ラジカル硬化型樹脂、ラジカル重合性単量体及び硬化促進剤とからなる硬化性組成物と、表層に樹脂被覆層を有する有機過酸化物の成型体の硬化剤とからなる固着用組成物であって、該硬化剤が該硬化性組成物と同じか異っている該硬化剤により硬化可能な硬化性組成物に由来するラジカル硬化型樹脂と有機過酸化物との硬化反応で得られた硬化樹脂の層により被覆された有機過酸化物の成型体の硬化剤であり、かつ該ラジカル重合性単量体が、その分子構造中に脂環状の骨格又は水酸基を有するラジカル重合性単量体又は多官能性のラジカル重合性単量体であることを特徴とする固着用組成物。
2.前記有機過酸化物成形体が粒状であり前記硬化性組成物中に分散してなることを特徴とする1.記載の固着用組成物。
3.前記ラジカル重合性単量体が二官能性のメタクリル酸エステル類であることを特徴とする1.記載の固着用組成物。
4.前記ラジカル重合性単量体が引火点90℃以上であることを特徴とする3.記載の固着用組成物。
5.前記ラジカル重合性単量体の粘度が25℃で10〜2000 cps
であることを特徴とする4.記載の固着用組成物。
6.前記硬化促進剤が窒素置換基中に水酸基を有する芳香族アミン類であることを特徴とする1.記載の固着用組成物。
7.被覆層を形成する硬化性組成物が、固着用組成物を構成する硬化性組成物と同じであることを特徴とする1.記載の固着用組成物。
【0007】
本発明に使用される硬化剤は、有機過酸化物を成分とする成形体の表面に硬化促進剤を含むラジカル硬化型樹脂と前記有機過酸化物との硬化反応で得られた樹脂層を有するものである。その形状は顆粒状、球状、複数の凹凸体状、立方体、棒状、16面体、多面体等の形態を有する。ここで、硬化剤の成形体が棒状の場合は、カプセル製造時に粒状石骨材と混合充填できず、棒状の硬化剤を装填したのち粒状石骨材を充填しなければならないといった製造性の無駄や充填する粒状石骨材が円筒状の管と棒状硬化剤の間隙でブリッジを起こし粒状石骨材の沈降が悪くなる傾向がある。又、棒状硬化剤は、アンカーボルト埋め込み時にハンマードリルの回転、打撃でしばしば折れてしまい粘性液体樹脂との混合にムラが発生して、固着性能が大きくバラツキ、安定した高い固着性能が発揮しにくい。
【0008】
従って、硬化剤は粒状、球状に近いものが好ましく、0.5mm〜15mmの径程度が特に好ましい。更に、骨材との粒度が近く、硬化剤をより均一に分散が可能な1〜10mmのものが好ましい。被覆層の厚みについては、硬化剤の活性部分を十分に保持できるのであれば薄いほど良いが、硬化剤の活性部分を保持するには膜厚は、硬化剤粒径の0.3〜40%とすることが好ましい。
本発明に用いられる有機過酸化物としては、キュメンパーオキサイド等のハイドロオキサイド類、ジクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド類、過酸化ベンゾイル等のジアシルパーオキサイド類、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド類、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシカーボネート等のオキシカーボネート類、1,1−ジ−t−ブチルパ−オキシシクロヘキサノン等のパーオキシケタール類、t−ブチルパーオキシべンゾエート等のパーオキシエステル類等やこれらを希釈したものが用いられる。中でも、常温硬化性、取扱性の観点からジアシルパーオキサイド類、特に過酸化ベンゾイルが好ましい。
【0009】
有機過酸化物の希釈剤は、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム等の無機物、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、シリコーンオイル、流動パラフィン、重合性モノマー、水等があり、特に有機過酸化物と混合しても安定な炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等の無機物の希釈剤が好ましい。
有機過酸化物の濃度は、取扱いの安全性を考慮すると60重量%以下であることが好ましい。また、硬化性を考慮すると10重量%以上が好ましい。
前記硬化剤の成形方法については特に限定はされないが、例えば、粉状、湿状のものに機械的な圧力を加えて成形する方法、水等を含むスラリーを形成し乾燥して得る方法、粉状物を成形剤を介して成形する方法、粉状物を水、成形剤で粘土状にし製丸機で球状に成形する方法がある。
【0010】
成形剤としては、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、グアーガム、ローカストビーンガム、ゼラチン、PVA(ポリビニルアルコール)、アラビアゴム、微結晶性セルロース、アミロース、アミロペクチンのデンプン類等が使用される。また、製造性、保形性の観点からカルボキシメチルセルロース、グアーガム、ローカストビーンガムのセルロース誘導体を使用することが好ましく、更には、成形体の硬さが高くなり、取扱性に優れるアミロース、アミロペクチンのデンプン類が好ましい。成形剤/有機過酸化物の比は、例えば0〜20重量%、好ましくは1〜15重量%である。こうして得られる成形体の粒径は、0.5mm以上15.0mm以下が好ましく、更に好ましくは1〜10mmである。
成形体の硬さについては、アンカーボルト用固着剤としての施工時の機械攪拌で破砕可能であれば特に問題ないが、アンカーボルト用固着組成物として主剤中に分散させる時や更には骨材と混合充填するときの取扱い時における粒状成形体の崩壊を防がなければならないことを考慮すると圧壊強度150gf/cm2 以上が好ましいが、更に丈夫な被膜を形成して製品寿命をより長くするときには1kgf/cm2 以上とすることもある。
【0011】
このようにして得られた硬化剤成形体の表面にラジカル硬化型樹脂からなる被覆層を形成する方法としては、1)有機過酸化物と硬化反応する、硬化促進剤を含むラジカル硬化型樹脂に前記成形体を浸漬させる等の工程により表面をコーティングし、その時の硬化反応により被覆層を形成させる方法、2)前記成形体を直接前記硬化性組成物に入れ、その際の硬化反応により表面に樹脂被覆層を形成させることより、被覆層の形成方法があるが、製造工程の簡素化、コスト等を考慮すると、2)の前記成形体を前記硬化性組成物に入れ、その際の硬化反応により表面に樹脂被覆層を形成させる方法がより好ましい。
【0012】
これら有機過酸化物と反応する硬化性組成物の硬化物で硬化剤表面を被覆することで、様々な利点を持つ一液型の固着用組成物を簡便に提供できる。しかも、この方法で形成された硬化剤表面の被膜は、たとえ何らかの理由でピンホールや細かな傷が出来たとしても主剤である硬化性組成物中で自己修復することが出来るといったこれまでにない全く新しい機能を持った硬化剤の使用により製品寿命を確実に満足することが出来るようになった。
硬化性組成物は固着用組成物の硬化性樹脂層に用いられるものと硬化剤の被膜を形成するのに用いられるものがあり、製造性、保存性等を考慮するとこれらは同じ組成であることが好ましい。
本発明に用いられるラジカル硬化型樹脂としては、エポキシアクリレート等のビニルエステル樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、アクリルウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等が用いられ、これらの樹脂は単独で用いても良いし、混合して用いても良い。
【0013】
本発明に用いることのできるラジカル硬化性単量体は、その分子構造中に脂環状の骨格又は水酸基を有するラジカル重合性単量体及び多官能性のラジカル重合性単量体であればよく、例えば、分子構造中に脂環状の骨格を持つラジカル重合性単量体であれば、シクロヘキシルメタクリレート、イソボルニルメタクリレート及び式(1)または(2)で示されるジシクロペンタジエン系化合物(式中、R1 =水素原子,メチル基である。R2 ,R3 =エチレン,ブチレン等である。n,m=0〜5の整数である。)等、水酸基を有するものでは2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート等、及び多官能性のラジカル重合性単量体ではエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−(メタクリロキシ・ジエトキシ)フェニル〕プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、フタル酸ジアリル、トリメット酸トリアリル等がある。そして、耐アルカリ性に優れたメタクリル酸及びメタクリルアルコールとのエステル類の方が望ましい。また、これらラジカル重合性単量体は単独で用いても良いし、混合して用いても良い。但し、ラジカル硬化性単量体は硬化剤の被膜を形成するだけに用いるならば、上記の限りではなくスチレンモノマー等を用いても良い。その際、硬化剤の被膜形成は短時間で終了させるようにする。
【0014】
【化1】
Figure 0003969791
【0015】
【化2】
Figure 0003969791
さらにジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート等の二官能性のメタクリル酸エステル類を含むと固着性能が向上する。また、ラジカル重合性単量体の引火点が90℃以上であるれば、保存性、製造性が向上する。ラジカル重合性単量体の粘度が25℃で約10〜2000cps でれば取り扱い性に優る。ラジカル硬化型樹脂へのラジカル重合性単量体の混合比率は特に限定されないが、10〜70wt%が好ましく、より好ましくは30〜70wt%、最も好ましくは40〜60wt%である。また、樹脂粘度が、100〜5000cps(E型粘度計、25℃)となるように混合することが望ましい。
【0016】
本発明で主剤として用いられる硬化性組成物の硬化時間は、固着剤の施工性と固着強度によって決まる。主剤の硬化時間が短いとアンカーボルト埋め込み中に樹脂が硬化して埋め込みができなくなり、又、逆に硬化時間が長いと低温施工時に樹脂が未硬化となり固着強度が発揮できない。また、硬化剤の粒状成形体を直接主剤中に投入することにより主剤により被覆層を形成させる場合、ラジカル硬化性単量体が硬化剤の被覆層を透過することによりラジカル硬化性単量体と硬化剤成分が反応してしまい、硬化剤成分が失われ製品寿命が短くなる。このため、主剤の硬化時間を、硬化促進剤及び重合禁止剤の添加量を調整して、JIS−K6901(常温硬化特性)の25℃で測定される最小硬化時間が60分以下にすると低温施工時に樹脂の未硬化がなくなるので好ましい。更に、固着強度を十分発揮させるには、2分以上45分以下がより好ましい。
本発明でに用いることのできる硬化促進剤は、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジヒドロキシプロピル−p−トルイジン、N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン等の芳香族アニリン類、ナフテン酸コバルト等の金属石鹸類、バナジルアセチルアセトネート等のキレート化合物等がある。これらの硬化促進剤はラジカル硬化型樹脂に対しては例えば、0.2〜5wt%である。また、樹脂の熱安定性、硬化性を考慮すれば、窒素置換基中に水酸基を有する第3級芳香族アミン類が好ましく、例えばN,N−ジヒドロキシプロピル−p−トルイジン、N−フェニルジエタノールアミン、N−p−トリールジエタノールアミン、N,N−ビスヒドロキシブチル−p−トルイジン等がある。その添加量は0.5〜1.5wt%が望ましい。
一般に有機過酸化物/硬化性組成物比は、たとえば2〜15重量%である。
【0017】
さらに、主剤成分には必要に応じ、重合禁止剤、着色剤、顔料、紫外線吸収剤、界面活性剤、骨材、充填材、チキソトロピー化剤等を添加、混合することができる。また、硬化剤成分にも必要に応じ、骨材、充填材、チキソトロピー化剤、希釈剤、可塑剤等を添加混合することができる。
【0018】
本発明に用いられる重合禁止剤はキノン類、ハイドロキノン類、フェノール類等があり、例えば、ベンゾキノン、p−ベンゾキノン、p−トルキノン、p−キシロキノン、ナフトキノン、2,6−ジクロロキノン、ハイドロキノン、p−t−ブチルカテコール、2,5−ジ−t−ブチルハイドロキノン、モノメチルハイドロキノン、p−メトキシフェノール、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ハイドロキノンモノメチルエーテル等を必要量添加することができるが、キノン類はアミン類と着色等の変化することがありハイドロキノン類、フェノール類を添加することが好ましく、最も効果的なものはクレゾール類である。
本発明に用いることのできる着色剤、顔料、紫外線吸収剤は、太陽光線等による樹脂のゲル化を防止する耐光安定化剤として必要に応じ添加する。これらの添加剤にはレーキ顔料、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、高級有機顔料及び無機顔料、その単品あるいはそれらの混合物がある。
例えば、「トナーイエロー」、「トナーブラウン」、「トナーグリーン」(武田薬品(株)製)、「カラーテックスブラウン」、「カラーテックスオレンジ」、「カラーテックスマロン」(山陽色素(株)製)および「オプラスエロー」(オリエント化学(株)製)を添加することができる。但し、添加量については、主剤中の樹脂の種類やモノマーの種類及び添加剤の効果が異なるため一義的には決められない。
【0019】
本発明に用いることのできる界面活性剤は、アニオン型、カチオン型、ノニオン型、両性型があるが、水中での引張強度の安定に効果のあるアニオン型のものが好ましい。アニオン型界面活性剤は、カルボン酸塩としてアルキルエーテルカルボン酸塩(三洋化成(株)製「ビューライトEAC」)等、スルホン酸塩では、ジアルキルスルホコハク酸塩(三洋化成(株)製「サンセパラ100」)、アルキルアリルスルホコハク酸塩、アルキルスルホ酢酸塩、αーオレフィンスルホン酸塩等、硫酸エステル塩では、アルキルアリル硫酸塩、アルキルエーテル硫酸塩、リン酸エステル塩ではアルキルエーテルリン酸塩等が挙げられる。
特に好ましくは、界面活性剤を樹脂に添加した場合、樹脂のゲル化を促進しないジアルキルスルホコハク酸塩又はアルキルアリルスルホコハク酸塩を使用することが望ましい。これらアニオン型界面活性剤は1価及び2価の金属塩又はアンモニウム塩が好ましく、特にナトリウム塩がより好ましい。
【0020】
これらの界面活性剤は何処に配置しても良いが、樹脂中に混合しておくのが好ましい。使用量は特に限定されないが、強度の点で30wt%以下に抑えることが好ましい。また、界面活性剤はラジカル硬化性単量体や溶剤に溶解して用いても良い。
本発明に骨材を用いることにより硬化剤が細かく粉砕、分散され主剤との混合が良くなり、より均一な樹脂硬化物となり、より高く安定した固着性能を発揮することができる。骨材は一般にマグネシアクリンカー、硝子ビーズ、セラミック、硬質プラスチック等の人工骨材や、硅石、大理石、御影石、硅砂、石英砂等の天然骨材がある。また、硝子ファイバー、カーボンファイバー、スチールファイバー等の繊維類を用いることができる。
本発明に用いることのできる充填材は、石英砂、硅砂、硅粉、炭酸カルシウム、石膏、ガラスフレーク、マイカ、火山灰、シラス、シラスマイクロバルーン、コンクリート粉、発泡コンクリート粉、ガラスマイクルバルーン、中空状ガラス、フライアッシュ、カーボンブラック、アルミナ、鉄、アルミニウム、シリカ等がある。
【0021】
本発明に用いることのできるチキソトロピー化剤は、微粉シリカ(商品名エロジール)、無粉アルミナ、タルク、石綿及びコロイド性含水ケイ酸アルミニウム/有機複合体(商品名オルベン)、ベントナイト、ヒマシ油誘導体等がある。
しかし、以上の希釈剤、骨材、充填材、チキソトロピー化剤等を硬化剤に混合する場合は、有機過酸化物の安定性阻害を考慮して添加混合する必要がある。
本発明で得られた固着用組成物は、アンカーボルトを施工しようとする穿孔内へ該固着用組成物を充填する前又は後に硬化剤成形体を破砕させればよい。破砕方法としては、充填前であればミキサーを使用する方法が挙げられ、充填後であればアンカーボルトの回転、打撃を利用する方法が挙げられる。
【0022】
上述のアンカーボルト用固着用組成物は、そのまま穿孔内に流し込み前述のような機械攪拌を加えることにより施工してもよいが、破砕可能な容器に収容することにより、硬化剤/樹脂比、骨材/樹脂比等が一定に保たれ、よりバラツキの少ない安定した高い固着力を発揮することができる。破砕可能な容器とは、アンカーボルト施工時の回転、打撃等で破砕又は引き裂きが可能なもので、ラジカル硬化型樹脂、ラジカル硬化性単量体及び硬化促進剤の浸透を遮断し逸散を防ぐことができるものであれば特に限定されないが、通常はガラス、合成樹脂、合成樹脂フィルム類、紙類等の材料からなる筒状のものが用いられる。
本発明のアンカーボルト用固着用組成物製造方法としては、例えば、ラジカル硬化型樹脂及び硬化促進剤を含む主剤からなる粘性液体と、多数個の有機過酸化物の粒状成形体を混合し、該粒状成形体の表面近傍の前記ラジカル硬化型樹脂を該有機過酸化物の作用によって硬化させて、該粒状成形体各個の表面にラジカル硬化型樹脂及び硬化促進剤を含む主剤に、多数個の表面被覆層を有する有機過酸化物の粒状成形体からなる硬化剤を分散させた製造方法である。
【実施例】
以下、実施例により本発明を説明する。
【0023】
(実施例1)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したメタクリル型エポキシアクルレート樹脂54wt%、ラジカル硬化性単量体としてジエチレングリコールジメタクリレート44wt%、硬化促進剤としてN,N−ジヒドロキシプロピル−p−トルイジン1wt%、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)0.1wt%、界面活性剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.9wt%の割合で配合した樹脂(JIS−6901(常温硬化特性)の25℃で測定される最小硬化時間が約13分)8.7gを外径17.0mm、肉厚100μ、長さ120mmのPE/PET/PEからなるフィルムの側面及び底部をヒートシールしたフィルムに充填した。次にこの容器に、骨材として粒径1.2〜3.4mmの硅石16gと硫酸カルシウムで40%濃度に希釈されたベンゾイルパーオキサイド100重量部と水25重量部とアミロペクチン10重量部とからなる粘土状のものを、製丸機(小池鉄工株式会社製)を用いて球状(平均粒径3mm)に形成・乾燥して得た硬化剤成形体2.0gを混合充填した。ここで硬化剤成形体のいくつかを取り出してみたところ、この成形体の表面には樹脂被覆層が0.1mmの厚みで形成されていた。その後容器の開放部を閉止してカプセルを試作した。 その時の固着強度と製品寿命の評価結果を表1(n=3は各実施例、比較例における試験回数であり、評価結果はその平均値である。)に示す。
【0024】
固着強度の測定は、サイズ500×500×1000mm3 、圧縮強度210kg/cm2 のコンクリートブロックに電動ハンマードリルを用い18mm×100mm(径×長)の孔を穿孔し、ブロワで切り粉を除去し、ナイロンブラシで孔壁の切り粉を除いた後、再度ブロワで切り粉を除去し孔内の清掃を行った。次に、先に作成したカプセルを孔内へ挿入し、先端を45度にカットした外径16mmの全ネジボルトM16(材質SNB7)を電動ハンマードリルに装着し、回転と打撃を与えながら、孔底まで埋め込み、1日の養生時間を置き固着強度を測定した。測定機器はアンカーボルト用引っ張り試験機ANSER−5−III(旭化成工業株式会社製)を用いて行った。固着強度の結果を表1に示した。製品寿命の評価は、60℃の恒温槽に入れ樹脂がゲル化するまでの日数を測定した。
(実施例2)
【0025】
ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したメタクリル型エポキシアクルレート樹脂54wt%、ラジカル硬化性単量体としてジエチレングリコールジメタクリレート44wt%、硬化促進剤としてN,N−ジヒドロキシプロピル−p−トルイジン1wt%、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)0.1wt%、界面活性剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.9wt%の割合で配合した樹脂(JIS−6901(常温硬化特性)の25℃で測定される最小硬化時間が約13分)8.7gを、外径17.0mm、肉厚100μ、長さ120mmのPE/PET/PEからなるフィルムの側面及び底部をヒートシールしたフィルムに充填した。次に、骨材として粒径1.2〜3.4mmの硅石16gと硫酸カルシウムで40%濃度に希釈されたベンゾイルパーオキサイド100重量部と水25重量部とアミロペクチン10重量部とからなる粘土状のものを、製丸機(小池鉄工株式会社製)を用いて球状(平均粒径3mm)に形成・乾燥して硬化剤成形体を得た。
【0026】
続いて、ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したメタクリル型エポキシアクルレート樹脂65wt%、ラジカル硬化性単量体としてスチレンモノマー34wt%、硬化促進剤としてN,N−ジメチルアニリン1wt%の割合で配合した樹脂(JIS−6901(常温硬化特性)の25℃で測定される最小硬化時間が約14分)の入ったビーカー(500cc、30℃)内へ、前記硬化成形体を投入し浸漬しスタラーにて30分攪拌し被覆層を形成させた。硬化剤成形体の表面には樹脂被覆層が0.1mmの厚みで形成されていた。この硬化剤成形体2.0gを前記容器内に混合充填し、その後容器の開放部を閉止してカプセルを試作した。その時の固着強度と製品寿命の評価結果を表1に示す。
【0027】
(実施例3)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したメタクリル型エポキシアクルレート樹脂59wt%、ラジカル硬化性単量体としてシクロヘキシルメタクリレート39wt%、硬化促進剤としてN,N−ジヒドロキシプロピル−p−トルイジン1wt%、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)0.1wt%、界面活性剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.9wt%の割合で配合した樹脂(JIS−6901(常温硬化特性)の25℃で測定される最小硬化時間が約12分)8.7gを、外径17.0mm、肉厚100μ、長さ120mmのPE/PET/PEからなるフィルムの側面及び底部をヒートシールしたフィルムに充填した。次にこの容器に、骨材として粒径1.2〜3.4mmの硅石16gと硫酸カルシウムで40%濃度に希釈されたベンゾイルパーオキサイド100重量部と水25重量部とアミロペクチン10重量部とからなる粘土状のものを、製丸機(小池鉄工株式会社製)を用いて球状(平均粒径3mm)に形成・乾燥して得た硬化剤成形体2.0gを混合充填した。ここで硬化剤成形体のいくつかを取り出してみたところ、この成形体の表面には樹脂被覆層が0.1mmの厚みで形成されていた。その後容器の開放部を閉止してカプセルを試作した。その時の固着強度と製品寿命の評価結果を表1に示す。
【0028】
(実施例4)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したメタクリル型エポキシアクルレート樹脂59wt%、ラジカル硬化性単量体として2−ヒドロキシエチルメタクリレート39wt%、硬化促進剤としてN,N−ジヒドロキシプロピル−p−トルイジン1wt%、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)0.1wt%、界面活性剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.9wt%の割合で配合した樹脂(JIS−6901(常温硬化特性)の25℃で測定される最小硬化時間が約13分)8.7gを、外径17.0mm、肉厚100μ、長さ120mmのPE/PET/PEからなるフィルムの側面及び底部をヒートシールしたフィルムに充填した。次にこの容器に、骨材として粒径1.2〜3.4mmの硅石16gと硫酸カルシウムで40%濃度に希釈されたベンゾイルパーオキサイド100重量部と水25重量部とアミロペクチン10重量部とからなる粘土状のものを、製丸機(小池鉄工株式会社製)を用いて球状(平均粒径3mm)に形成・乾燥して得た硬化剤成形体2.0gを混合充填した。ここで硬化剤成形体のいくつかを取り出してみたところ、この成形体の表面には樹脂被覆層が0.1mmの厚みで形成されていた。その後容器の開放部を閉止してカプセルを試作した。その時の固着強度と製品寿命の評価結果を表1に示す。
【0029】
(比較例1)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したメタクリル型エポキシアクルレート樹脂65wt%、ラジカル硬化性単量体としてスチレンモノマー34wt%、N,N−ジヒドロキシプロピル−p−トルイジン1wt%、重合禁止剤としてハイドロキノン0.05wt%の割合で配合した樹脂(JIS−6901(常温硬化特性)の25℃で測定される最小硬化時間が約14分)8.7gを、外径17.0mm、肉厚100μ、長さ120mmのPE/PET/PEからなるフィルムの側面及び底部をヒートシールしたフィルムに充填した。次にこの容器に、骨材として粒径1.2〜3.4mmの硅石16gと硫酸カルシウムで40%濃度に希釈されたベンゾイルパーオキサイド100重量部と水25重量部とアミロペクチン10重量部とからなる粘土状のものを、製丸機(小池鉄工株式会社製)を用いて球状(平均粒径3mm)に形成・乾燥して得た硬化剤成形体2.0gを混合充填し、その後容器の開放部を閉止してカプセルを試作した。その時の固着強度と製品寿命の評価結果を表1に示す。
【0030】
(比較例2)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したメタクリル型エポキシアクルレート樹脂65wt%、ラジカル硬化性単量体としてスチレンモノマー34wt%、硬化促進剤としてN,N−ジメチルアニリン1wt%、重合禁止剤としてハイドロキノン0.05wt%の割合で配合した樹脂(JIS−6901(常温硬化特性)の25℃で測定される最小硬化時間が約14分)8.7gを、外径17.0mm、肉厚100μ、長さ120mmのPE/PET/PEからなるフィルムの側面及び底部をヒートシールしたフィルムに充填した。次に、骨材として粒径1.2〜3.4mmの硅石16gと硫酸カルシウムで40%濃度に希釈されたベンゾイルパーオキサイド100重量部と水25重量部とアミロペクチン10重量部とからなる粘土状のものを、製丸機(小池鉄工株式会社製)を用いて球状(平均粒径3mm)に形成・乾燥して硬化剤成形体を得た。
【0031】
続いて、ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したメタクリル型エポキシアクルレート樹脂55wt%、ラジカル硬化性単量体としてジエチレングリコールジメタクリレート44wt%、硬化促進剤としてN,N−ジヒドロキシプロピル−p−トルイジン1wt%の割合で配合した樹脂(JIS−6901(常温硬化特性)の25℃で測定される最小硬化時間が約13分)の入ったビーカー(500cc、30℃)内へ、前記硬化剤成形体を投入し浸漬しスタラーにて30分攪拌し被覆層を形成させ、その後この硬化剤成形体を取り出し液状樹脂分を除き乾燥させた。このようにして得られた硬化剤成形体2.0gを前記ヒートシールしたフィルム内に混合充填し、その後容器の開放部を閉止してカプセルを試作した。その時の固着強度と製品寿命の評価結果を表1に示す。
【0032】
(比較例3)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したメタクリル型エポキシアクルレート樹脂68wt%、ラジカル硬化性単量体としてn−ブチルメタクリレート30wt%、硬化促進剤としてN,N−ジヒドロキシプロピル−p−トルイジン1wt%、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)0.1wt%、界面活性剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.9wt%の割合で配合した樹脂(JIS−6901(常温硬化特性)の25℃で測定される最小硬化時間が約13分)8.7gを、外径17.0mm、肉厚100μ、長さ120mmのPE/PET/PEからなるフィルムの側面及び底部をヒートシールしたフィルムに充填した。次にこの容器に、骨材として粒径1.2〜3.4mmの硅石16gと硫酸カルシウムで40%濃度に希釈されたベンゾイルパーオキサイド100重量部と水25重量部とアミロペクチン10重量部とからなる粘土状のものを、製丸機(小池鉄工株式会社製)を用いて球状(平均粒径3mm)に形成・乾燥して得た硬化剤成形体2.0gを混合充填し、その後容器の開放部を閉止してカプセルを試作した。その時の固着強度と製品寿命の評価結果を表1に示す。
【0033】
(比較例4)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したメタクリル型エポキシアクルレート樹脂68wt%、ラジカル硬化性単量体としてベンジルメタクリレート30wt%、硬化促進剤としてN,N−ジヒドロキシプロピル−p−トルイジン1wt%、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)0.1wt%、界面活性剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.9wt%の割合で配合した樹脂(JIS−6901(常温硬化特性)の25℃で測定される最小硬化時間が約13分)8.7gを、外径17.0mm、肉厚100μ、長さ120mmのPE/PET/PEからなるフィルムの側面及び底部をヒートシールしたフィルムに充填した。次にこの容器に、骨材として粒径1.2〜3.4mmの硅石16gと硫酸カルシウムで40%濃度に希釈されたベンゾイルパーオキサイド100重量部と水25重量部とアミロペクチン10重量部とからなる粘土状のものを、製丸機(小池鉄工株式会社製)を用いて球状(平均粒径3mm)に形成・乾燥して得た硬化剤成形体2.0gを混合充填し、その後容器の開放部を閉止してカプセルを試作した。そのときの固着強度と製品寿命の評価結果を表1に示す。
【0034】
(比較例5)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したメタクリル型エポキシアクルレート樹脂68wt%、ラジカル硬化性単量体としてメタクリル酸メチル30wt%、硬化促進剤としてN,N−ジメチルアニリン1wt%、重合禁止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)0.1wt%、界面活性剤としてジオクチルスルホコハク酸ナトリウム0.9wt%の割合で配合した樹脂(JIS−6901(常温硬化特性)の25℃で測定される最小硬化時間が約13分)8.7gを、外径17.0mm、肉厚100μ、長さ120mmのPE/PET/PEからなるフィルムの側面及び底部をヒートシールしたフィルムに充填した。
【0035】
次にこの容器に、骨材として粒径1.2〜3.4mmの硅石16gと硫酸カルシウムで40%濃度に希釈されたベンゾイルパーオキサイド100重量部と水25重量部とアミロペクチン10重量部とからなる粘土状のものを、製丸機(小池鉄工株式会社製)を用いて球状(平均粒径3mm)に形成・乾燥して得た硬化剤成形体2.0gを混合充填し、その後容器の開放部を閉止してカプセルを試作した。そのときの固着強度と製品寿命の評価結果を表1に示す。
なお、図1は各実施例、比較例の樹脂カプセルの概略説明図である。
【0036】
【表1】
Figure 0003969791
以上、表1から分かるようにラジカル硬化型樹脂用硬化剤において、硬化剤が有機過酸化物の成形体であって、その表面が硬化剤と硬化反応するラジカル硬化型樹脂で表面に被覆層を形成させた硬化剤は、製造性、取扱性、保存性に優れ、硬化剤としての性能を充分に発揮できるものである。
【0037】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明に係る有機過酸化物の成形体は、表面が硬化剤と硬化反応するラジカル硬化型樹脂で被覆層が形成されているため、製造性、取扱性、保存性に優れ、硬化剤としての機能を充分に発揮できる信頼性のあるものを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例、比較例の樹脂カプセルの概略説明図である。
【符号の説明】
1 容器
2 樹脂
3 骨材
4 硬化剤

Claims (7)

  1. ラジカル硬化型樹脂、ラジカル重合性単量体及び硬化促進剤とからなる硬化性組成物と、表層に樹脂被覆層を有する有機過酸化物の成型体の硬化剤とからなる固着用組成物であって、該硬化剤が該硬化性組成物と同じか異っている該硬化剤により硬化可能な硬化性組成物に由来するラジカル硬化型樹脂と有機過酸化物との硬化反応で得られた硬化樹脂の層により被覆された有機過酸化物の成型体の硬化剤であり、かつ該ラジカル重合性単量体が、その分子構造中に脂環状の骨格又は水酸基を有するラジカル重合性単量体又は多官能性のラジカル重合性単量体であることを特徴とする固着用組成物。
  2. 前記有機過酸化物成形体が粒状であり前記硬化性組成物中に分散してなることを特徴とする請求項1記載の固着用組成物。
  3. 前記ラジカル重合性単量体が二官能性のメタクリル酸エステル類であることを特徴とする請求項1記載の固着用組成物。
  4. 前記ラジカル重合性単量体が引火点90℃以上であることを特徴とする請求項3記載の固着用組成物。
  5. 前記ラジカル重合性単量体の粘度が25℃で10〜2000cpsであることを特徴とする請求項4記載の固着用組成物。
  6. 前記硬化促進剤が窒素置換基中に水酸基を有する芳香族アミン類であることを特徴とする請求項1記載の固着用組成物。
  7. 被覆層を形成する硬化性組成物が、固着用組成物を構成する硬化性組成物と同じであることを特徴とする請求項1記載の固着用組成物。
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