JP3808131B2 - 樹脂カプセルアンカー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、あと施工アンカーに用いるボルト固定用樹脂カプセルアンカーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、コンクリート構造物や岩盤等に設備等を設置する場合、硬化可能な粘性液体樹脂と硬化剤の二成分又は骨材を加えた三成分を有する樹脂カプセルアンカーが使用され、攪拌タイプと打ち込みタイプのものがある。
攪拌タイプの樹脂カプセルアンカーは、一般的に先端を45度にカットしたアンカー用ボルトや鉄筋をハンマードリル等で打撃、回転を与えながら埋め込み、粘性液体樹脂と硬化剤、骨材を攪拌、混合することで硬化させアンカー用ボルトや鉄筋を固定する工法に用いられる。
【0003】
このようなアンカー用ボルトや鉄筋をハンマードリル等で打撃、回転を与えながら埋め込むタイプの樹脂カプセルアンカーには、一般的に破砕可能な筒状のガラス製容器に硬化可能な粘性液体樹脂、骨材、及びガラス製内容器に封入された硬化剤を配した二重容器構造の樹脂カプセルアンカーがひろく使用されている。(特公昭62−37076号公報)
また、ガラス製の外容器と内容器とからなりその一方に粘性液体樹脂、他方に硬化剤と骨材を充填してなるボルト固着用カートリッジにおいて、固体顆粒状の硬化剤と骨材が実質的に均一に混合されているボルト固着用カートリッジも知られている。(特公平4−1160号公報)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
粘性液体樹脂、硬化剤及び骨材からなる樹脂カプセルアンカーは、高い固着力を発現する信頼性のある樹脂カプセルアンカーであり、その用途は、陸上、水中、施工方向は、上、横、下向きと様々であり、水中施工等の孔内の水を除去できない場所においても高い固着性能が要求される。樹脂カプセルアンカーの、容器がガラス製、プラスチック製等の材質のものは、アンカーボルトの埋め込みにおいて、アンカーボルト挿入時、カプセルが孔底に押し込まれず、ハンマードリルの回転,打撃と同時に孔の口元の方からアンカーボルトがカプセルを破砕、混合して埋め込まれるため、孔内とカプセルの間隙に残った水を孔外に押し出しきれず巻き込みながら混合される。そのため、硬化物中に樹脂と反応しない水が多く介在し硬化物強度が脆くなり固着性能が低下するといった問題が発生する。又、この固着性能の低下は、孔容積とカプセル容積の差(カプセルを孔内に挿入したときに孔内に残る水の量)が大きくなる程、乾孔(孔内に水の溜まっていない状態)に比べ顕著となる。
【0005】
本発明は、水中施工においても、陸上施工と同様に高い固着性能を発現する信頼性の高い樹脂カプセルアンカーを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
樹脂カプセルアンカーにおいて、骨材および硬化剤を粘性液体樹脂と隔離収容し、空隙をもたせることによって変形の余裕度をもたせ、かつ容器が可撓性を有する材質にすることで、アンカーボルト挿入時にカプセルを孔底に押し詰め、孔内の水を孔の口元の方へ排出し攪拌混合時に巻き込む水の量が少なくなるようにすることで、上記目的を解決できることを見出し、本発明をなすにいたったものである。
【0007】
すなわち、本発明は、容器内に収容された粘性液体樹脂と、該樹脂とは隔離されて該容器内に収容されるか、該容器と隣接して存在する他の容器内に収容された硬化剤及び骨材とからなる樹脂カプセルアンカーにおいて、硬化剤と骨材の充填率が60〜90%であり、前記容器の材質が可撓性を有し、前記容器が耐水性を有すること特徴とする樹脂カプセルアンカーである。
本発明に使用される可撓性を有する材質としては、例えば、フィルム類、ゴム類、紙類、布類等が挙げられる。又、容器内への水の浸透による固着強度の低下を防ぐため容器をフィルムラミネート等耐水性のある材質で形成するか又は、撥水処理をして耐水性とすることが好ましい。更に、容器としての加工性、保形性を考慮すると、容器の材質はフィルムラミネートされた紙、合成繊維紙等の紙類であることが好ましい。
【0008】
本発明の樹脂カプセルアンカーの構造としては、粘性液体樹脂と、硬化剤及び骨材とが隔離して収容できる構造であれば特に限定されないが、例えば、容器を二室に区切り、一方の室に粘性液体樹脂を収容し、もう一方の室に硬化剤及び骨材を収容したもの、内容器、外容器からなる二重容器構造の一方に粘性液体樹脂を他方に硬化剤及び骨材を収容したもの等がある。更に、アンカーボルトの施工時にカプセルが容易に孔底に押し込まれ攪拌混合時において水の巻き込みが少なく安定した固着性能が発現できるように容器に内包される硬化剤及び骨材の充填率は適度の空隙を持たせることが好ましく、具体的には60〜90%とすることが好ましい。さらに好ましい範囲としては、70〜85%である。
【0009】
本発明のカプセルアンカーの形状としては、穿孔内に挿入可能な形状であれば特に制限はないが、一般的には筒状でストレートものや、角状でストレートのものが用いることができる。
本発明に使用される粘性液体樹脂は、硬化剤と混ざることによって硬化するものであればよく、ラジカル反応で硬化するタイプとしてはエポキシアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等を用いることができ、又、樹脂と硬化剤がイオン反応で硬化するタイプとしてはエポキシ樹脂等を用いることができる。要するに粘性液体樹脂としては固着性能、低温硬化性が優れるものであれば特に限定されないが、さらに耐アルカリ性に優れるラジカル硬化型のエポキシアクリレート樹脂、ポリエステルアクリレート樹脂がより好ましいものである。これらのラジカル硬化型樹脂には、スチレンモノマー、メタクリル酸メチル等の反応性単量体を必要に応じて加えることができる。又、粘性液体樹脂には必要に応じて重合禁止剤、顔料、紫外線吸収剤、界面活性剤、フィラー、増粘剤、充填剤、チクソトロピー化剤(微粉シリカ等)、着色剤等を添加することができる。
【0010】
本発明に使用される硬化剤は、エポキシアクリレート樹脂等では過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド等の有機過酸化物、エポキシ樹脂にあっては、アミン系硬化剤、酸無水物等を炭酸カルシウム、硫酸カルシウム等の無機物で希釈したもの等が用いられる。また、高い固着性能を発現するには粘性液体樹脂に対する硬化剤重量比が2〜15wt%とすることが望ましい。
【0011】
又、硬化剤の形状は、粘性液体樹脂と充分に混合される様、長手方向に沿って実質的に均一に配置されていれば特に限定されないが、一般的には粉状、棒状、粒状、球状等である。これらの硬化剤の成形方法は、特に限定されないが、例えば、粉状や湿状の硬化剤に機械的な圧力を加える方法やメチルセルロース、グアーガム、ポリアミドの水溶性バインダーを用いてスラリーを形成、乾燥させてなる方法がある。
【0012】
更に、硬化剤は耐水処理を施すことができ、処理方法としては、硬化剤成形後に耐水剤を塗布する方法、耐水剤を含むスラリーを形成、乾燥してなる方法等がある。硬化剤成形後に耐水剤を塗布する方法の耐水剤としては、シリコーン、パラフィン、エポキシ樹脂等があり、スラリーを形成、乾燥させるものでは、SBラテックス、サランラテックス等の合成樹脂ラテックス、ステアリン酸、オレイン酸等の高級脂肪酸である。
【0013】
また、必要に応じて樹脂の硬化促進剤を用いることができ、これには例えば、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−P−トルイジン等の芳香族アニリン類、ナフテン酸コバルト等の金属石鹸類、バナジルアセチルアセトネート等のキレート化合物等がある。また、エポキシ樹脂では、pークロルフェノール等のフェノール類、N,Nージメチルベンジルアミン等のアミン類等を単独又は、2種類以上混合して用いることができる。
【0014】
本発明に使用される骨材は、施工時の回転、打撃等で破壊可能なものであればよく、一般的にマグネシアクリンカー又はガラス等の人工骨材や、硅石、石英等の天然石といった無機物質が使用されているが、硬質塩化ビニルのような硬質プラスチックといった有機物質でも問題はない。又使用する骨材の粒径はカプセル内に空隙をもたせアンカーボルト挿入時にカプセルが孔底に押し込まれるようにするため1.0mm〜7.0mmのものを使用することが好ましい。更に高い固着強度を発現するには粘性液体樹脂に対する骨材重量比が100〜500wt%とすることが望ましい。
【0015】
【実施例】
以下、本発明の実施例により詳細に説明する。
【0016】
【実施例1】
ビスフェノールA型エポキシ樹脂にメタクリル酸を付加したメタクリル型エポキシアクリレート樹脂65wt%、スチレンモノマー34wt%、促進剤としてN,Nジメチルアニリン1wt%の割合で配合した樹脂8.7gをPE/PET/Al箔/PEからなる外径10.5mmφ、長さ115mmのフィルムに充填し密封した。次に、この容器をポリプロピレン不織布からなる一方向端が接着剤で閉止された内径17.0mm、長さ125mmの円筒状の外容器に投入後、内容器と外容器の間隙に骨材として粒径1.5〜3.0mmのマグネシアクリンカー24gと、硫酸カルシウムで40%濃度に希釈されたベンゾイルパーオキサイドをカルボキシメチルセルロースを用いて粒径1.0〜2.0mmの粒状に成形した硬化剤1.8gを混合充填して充填率を80%とし、開放部を接着剤により閉止して図1−aに示す構造のカプセルを試作した。
【0017】
次に、サイズ500×500×1000mm、圧縮強度210kg/cm2 のコンクリートブロックに穿孔径19mm、穿孔長130mmの孔を穿孔し、ブロワーとナイロンブラシを用いて孔内清掃を行った後、上記のカプセルを該穿孔の中に挿入し、先端を45度にカットした外径16mm、長さ180mmの全ネジボルトM16(材質SNB7)をハンマードリルに装着し、アンカーボルトでカプセルを孔底に押し込んだ後、回転と打撃を与えながら、孔底まで埋め込み、1日の養生時間を置き固着強度を測定した。測定機器はアンカーボルト用引っ張り試験器ANSER−5−III(旭化成工業株式会社製)を用いた。測定数はn=3とし、最低値から最高値とバラツキ(R)の結果を表1に示した。
【0018】
また、上記と同様に穿孔、孔内清掃を行った後、孔内に水が溜まる様、コンクリートブロックに塩ビ板で枠をつくり、孔内を水孔の状態とした。この孔内に上記カプセルを挿入後、即、先端を45度にカットした外径16mm、長さ180mmの全ネジボルトM16(材質SNB7)をハンマードリルに装着し、カプセルをボルトで孔底方向に押し込んだ後、回転と打撃を与えながら孔底まで埋め込み、上記と同様に一日の養生時間を置き固着強度を測定した。
【0019】
更に、水孔の状態になった孔内にカプセルを5分間放置後、先端を45度にカットした外径16mmの全ネジボルトM16(材質SNB7)をハンマードリルに装着し、回転と打撃を与えながら孔底まで埋め込み、上記と同様に一日の養生時間を置き固着強度を測定した。
【0020】
【実施例2】
内容器の材質として、PE/PET/Al箔/PEからなる外径10.5mmφ、長さ115mmのフィルム、外容器の材質として、外径17mmφ、長さ125mmのポリエチレンラミネート紙(25g/m2・ポリエチレンラミネート厚10μ)を使用した以外は、実施例1と同じ構造のカプセルの試作を行った。その時の乾孔、水孔(カプセル挿入後即、カプセル挿入後5分間放置)での固着強度の測定結果を表1に示す。
【0021】
【実施例3】
容器の材質として、PE/PET/Al箔/PEからなる外径17.0mmφ、長さ125mmのフィルムを図1−bに示すように2室に区切り、一方の室に骨材として粒径1.5〜3.0mmのマグネシアクリンカー24g、硬化剤として硫酸カルシウムで40%濃度に希釈されたベンゾイルパーオキサイドをカルボキシメチルセルロースを用いて、粒径1.0〜2.0mmの粒状に成形した硬化剤1.8gを混合充填して充填率を85%とし、もう一方の室に樹脂8.7gを充填し、カプセルの試作を行った。その時の乾孔、水孔(カプセル挿入後即、カプセル挿入後5分間放置)での固着強度の測定結果を表1に示す。
【0022】
【実施例4】
ヒートシールによって内径15.0mmφ、長さ125mmと内径10.5mmφ、長さ125mmに仕切られたPE/Ny/PEからなる図1−cに示す構造の容器に、骨材として粒径1.5〜3.0mmのマグネシアクリンカー24g、硬化剤として硫酸カルシウムで40%濃度に希釈されたベンゾイルパーオキサイドをカルボキシメチルセルロースを用いて粒径1.0〜2.0mmの粒状に成形した硬化剤1.8gを内径15.0mmφの方へ混合充填して充填率を90%とし、樹脂8.7gを内径10.5mmφの方へ充填し、カプセルの試作を行った。その時の乾孔、水孔(カプセル挿入後即、カプセル挿入後5分間放置)での固着強度の結果を表1に示す。
【0023】
【実施例5】
ヒートシールによって内径15.0mmφ、長さ125mmと内径10.5mmφ、長さ125mmに仕切られたPE/Ny/PEからなる容器に、骨材として顆粒状のマグネシアクリンカー24g、硬化剤として硫酸カルシウムで40%濃度に希釈されたベンゾイルパーオキサイドをカルボキシメチルセルロースを用いて顆粒状硬化剤1.8gを内径15.0mmφの方へ混合充填して充填率を95%とし、樹脂8.7gを内径10.5mmφの方へ充填し図1−cに示す構造のカプセルの試作を行った。その時の乾孔、水孔(カプセル挿入後即、カプセル挿入後5分間放置)での固着強度の結果を表1に示す。
【0024】
【比較例1】
外径17mm、肉厚0.7mm、長さ130mmのガラス製外容器に、実施例1で使用した樹脂を8.7g充填し、硬化剤として硫酸カルシウムで40%濃度に希釈されたベンゾイルパーオキサイド1.2gを外径6mm、肉厚0.5mm、長さ90mmのガラス製内容器に封入し、外容器内に投入した。次に、骨材として粒径1.5〜3.0mmの硅石24gを外容器内に投入し図2に示すカプセルを試作し、実施例1と同様の引っ張り試験を行った。その結果を表1に示す。
【0025】
【比較例2】
容器の材質として、PE/PET/Al/PEからなる外径28.0mmφ、長さ125mmのフィルムを2室に区切り、一方の室に骨材として粒径1.5〜3.0mmのマグネシアクリンカー24g、樹脂8.7gを充填し、もう一方の室に硬化剤として硫酸カルシウムで40%濃度に希釈された粉状のベンゾイルパーオキサイドを1.2gを充填し図3に示す構造のカプセルを試作し実施例1と同様の引っ張り試験を行った。その結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【実施例6】
内容器の材質として、PE/PET/Al箔/PEからなる外径17.0mmφ、長さ180mmのフィルムに樹脂38gを充填密封した。次にこの容器をポリプロピレン不織布からなる外径28.0mmφ、長さ195mmの円筒状の外容器に投入後、内容器と外容器の間隙に骨材として、3.0〜5.0mmのマグネシアクリンカー90g,1.2〜3.4mmの硅石30g,硬化剤として2.0mmから4.0mmの粒状硬化剤を5.0g混合充填して充填率を80%とし図1−aに示す構造のカプセルを試作した。
【0028】
次に、500×500×1000mmのコンクリートブロックに、穿孔径32mm,穿孔長195mmの孔を穿孔し、先端を45度にカットした以外は外径24mm、長さ245mmの全ネジボルトM24(材質SBN7)を使用した以外は実施例1と同様の試験を行った。その時の乾孔、水孔(カプセル挿入後即、カプセル挿入後5分間放置)での固着強度の結果を表2に示す。
【0029】
【実施例7】
内容器の材質として、PE/PET/Al箔/PEからなる外径17.0mmφ、長さ180mmのフィルム、外容器の材質として、外径28mmφ、長さ195mmのポリエチレンラミネート紙(25g/m2)を使用した以外は、実施例5と同様のカプセルの試作を行った。その時の乾孔、水孔(カプセル挿入後即、カプセル挿入後5分間放置)での固着強度の結果を表2に示す。
【0030】
【実施例8】
容器の材質として、PE/PET/Al箔/PEからなる外径28.0mmφ、長さ195mmのフィルムを2室に区切って図1−bに示す構造とし、一方の室に骨材として粒径3.0〜5.0mmのマグネシアクリンカー90g,1.2〜3.4mmの硅石30g、硬化剤として2.0mmから4.0mmの粒状硬化剤を5.0gを混合充填して充填率を85%とし、もう一方の室に樹脂38gを充填してカプセルの試作を行った。その時の乾孔、水孔(カプセル挿入後即、カプセル挿入後5分間放置)での固着強度の結果を表2に示す。
【0031】
【実施例9】
ヒートシールによって内径23.0mmφと内径17.0mmφに仕切られたPE/Ny/PEからなる長さ195mmで図1−cに示す構造の容器に、骨材として粒径3.0〜5.0mmのマグネシアクリンカー90g,1.2〜3.4mmの硅石30g、硬化剤として2.0mmから4.0mmの粒状硬化剤を8.0gを内径23.0mmφの方へ混合充填して充填率を90%とし、樹脂38gを内径17.0mmφの方へ充填しカプセルの試作を行った。その時の乾孔、水孔(カプセル挿入後即、カプセル挿入後5分間放置)での固着強度試験を実施例1と同様に行った。その結果を表2に示す。
【0032】
【比較例3】
外径28mm、肉厚1.1mm、長さ195mmのガラス製外容器に、実施例1で使用した樹脂を38g充填し、硬化剤として硫酸カルシウムで40%濃度に希釈されたベンゾイルパーオキサイド3.5gを外径8mm、肉厚0.6mm、長さ135mmのガラス製内容器に封入し、外容器内に投入した。次に、骨材として粒径3.0〜5.0mmのマグネシアクリンカー90g,1.2〜3.4mmの硅石30gを外容器内に投入し図2に示すカプセルを試作した。実施例1と同様の固着強度試験を行った。その結果を表2に示す。
【0033】
【比較例4】
容器の材質として、PE/PET/Al/PEからなる外径28.0mmφ、長さ195mmのフィルムを図3に示すように2室に区切り、一方の室に骨材として粒径3.0〜5.0mmのマグネシアクリンカー90g,1.2〜3.4mmの硅石30g、樹脂38gを充填し、もう一方の室に硬化剤として硫酸カルシウムで40%濃度に希釈された粉状のベンゾイルパーオキサイド3.5gを充填しカプセルを試作した。実施例1と同様に固着強度試験を行った。その結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】
以上、表1、表2から分かるように容器内に収容された粘性液体樹脂と該樹脂とは隔離されて該容器内に又は、該容器と隣接し隔離された他の容器内に収容された硬化剤及び骨材からなる構造で容器を変形可能な材質にした樹脂カプセルアンカーは、骨材と粘性液体樹脂を同じ容器内に収容した場合に比べ、又は、ガラス管、プラスチック等の変形不能の容器を用いる場合に比べ水孔において固着性能の低下が殆どなく安定した高い固着性能を発揮することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明に係る樹脂カプセルアンカーは、粘性液体樹脂と硬化剤及び骨材が隔離され、更に容器が可撓性を有するため、水孔施工においても固着強度の低下が殆どなく安定した高い固着性能を発揮できる樹脂カプセルアンカーを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における樹脂カプセルアンカー構造の例である。
【図2】比較例1、3の樹脂カプセルアンカーの概略説明図である。
【図3】比較例2、4の樹脂カプセルアンカーの概略説明図である。
【符号の説明】
1 外容器
2 内容器
3 樹脂
4 骨材
5 硬化剤
Claims (2)
- 容器内に収容された粘性液体樹脂と、該樹脂とは隔離されて該容器内に収容されるか、該容器と隣接して存在する他の容器内に収容された硬化剤及び骨材とからなる樹脂カプセルアンカーにおいて、硬化剤と骨材の充填率が60〜90%であり、前記容器の材質が可撓性を有し、前記容器が耐水性を有すること特徴とする樹脂カプセルアンカー。
- 粘性液体樹脂がエポキシアクリレート樹脂またはポリエステルアクリレート樹脂を主成分とすることを特徴とする請求項1記載の樹脂カプセルアンカー。
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JP15686296A JP3808131B2 (ja) | 1996-06-18 | 1996-06-18 | 樹脂カプセルアンカー |
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JP15686296A JP3808131B2 (ja) | 1996-06-18 | 1996-06-18 | 樹脂カプセルアンカー |
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JPH101946A JPH101946A (ja) | 1998-01-06 |
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- 1996-06-18 JP JP15686296A patent/JP3808131B2/ja not_active Expired - Lifetime
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