JPH11167207A - 感光性平版印刷版の処理方法 - Google Patents

感光性平版印刷版の処理方法

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JPH11167207A
JPH11167207A JP33296997A JP33296997A JPH11167207A JP H11167207 A JPH11167207 A JP H11167207A JP 33296997 A JP33296997 A JP 33296997A JP 33296997 A JP33296997 A JP 33296997A JP H11167207 A JPH11167207 A JP H11167207A
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JP
Japan
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average
printing plate
opening diameter
acid
pits
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Application number
JP33296997A
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English (en)
Inventor
Yoko Hirai
葉子 平井
Takahiro Mori
孝博 森
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像性と耐刷性の両方がともに優れた平版印
刷版の製造方法及び該製造方法で製造された平版印刷版
に対する消去性に優れ、かつ環境性に問題がない消去液
を提供する。 【解決手段】 粗さの平均波長が3〜30μmの起伏
もしくは平均開口径が3〜30μmの大ピットに平均開
口径が0.2〜3.0μmの小ピットを密集状に重畳
し、さらに該小ピットの内部に0.01μm以上で該小
ピットの平均開口径の1/2以下の平均径を持つ概略球
面状の突起を有する表面を有する支持体の該表面上に感
光層を設けた感光性平版印刷版を、糖類、オキシム類、
フェノール類及びフッ素化アルコール類から選ばれる少
なくとも1種の化合物を0.1モル/l以上含有する現
像液で処理する。上記感光性平版印刷版を、画像露光
した後、実質的にキシレンを含有しない消去液で消去す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、感光性平版印刷版
の処理方法に関し、さらに詳しくは、該感光性平版印刷
版の支持体の粗面化(親水化)技術、該支持体を有する
感光性平版印刷版の現像液、及び該支持体の粗面を版面
とする平版印刷版の消去液に関する。
【0002】
【従来の技術】感光性平版印刷版(PS版)としてアル
ミニウム支持体上にo−キノンジアジド化合物を感光性
成分として含有する感光層を設けた感光性平版印刷版が
用いられている。この種のポジ型PS版の場合、画像露
光されたPS版の溶出現像液として高pHのケイ酸塩水
溶液が用いられてきた。該ケイ酸塩水溶液は現像だけで
なく、アルミニウム板を親水化する機能を有するので、
予め支持体を親水化する工程を必要としない長所があ
る。しかし、該ケイ酸塩水溶液は強アルカリ(pH12
以上)であるため、現像液の廃液処理における環境面で
の問題や、現像処理時にアルミニウム支持体のアルミニ
ウムが現像液に溶解し再析出してPS版に付着して画像
の汚れとなったり、自動現像機のスプレーパイプを詰ま
らせる等の問題がある。この問題の改善のため、現像液
としてケイ酸塩を含有せず、低pHの現像液を用い、そ
のためにPS版の支持体製造時に予め支持体表面を親水
化しておく方法が提案されている(特開平7−3149
37号公報等)。
【0003】ところで、感光性平版印刷版を用いて作成
される平版印刷版の版表面の保水性を良くするため、複
雑な凹型砂目の陽極酸化上に、更に微細積球を埋め込ん
で保水性層の表面積を凹型の数倍増やし、その上に不感
脂化処理をした「積球砂目」と称する表面を有するアル
ミニウム板の該表面上に感光層を設けたPS版が岡本化
学から発表された。
【0004】この積球砂目を有するアルミニウム支持体
は、現像性が良いことと、印刷での立ち上がりがよいこ
とが特徴である。しかし、感光層と砂目の界面の接着が
弱いため、耐刷性に問題がある。
【0005】一方、感光性平版印刷版で作成された平版
印刷版上の不要の画像を消去する消去液は公知であり、
消去液としてキシレンを含有する消去液が知られてい
る。しかし、キシレンは劇物であり人体に対して有害な
ので、環境対策としてキシレンを含有しない(キシレン
フリー)消去液が知られている。即ち、しかし、公知の
キシレンフリー消去液は、従来のもの(キシレンを含有
する消去液)と比べて画像の消去性が悪いため、刷版作
業の作業効率が低下する問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
技術の問題を解決することを目的とし、本発明の第1の
目的は、現像性と耐刷性の両方がともに優れた平版印刷
版の製造方法を提供することであり、第2の目的は、該
製造方法で製造された平版印刷版に対する消去性に優
れ、かつ環境性に問題がない消去液を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記本発明の第1及び第
2の目的は下記(1)〜(14)によって達成される。
【0008】(1)粗さの平均波長が3〜30μmの起
伏もしくは平均開口径が3〜30μmの大ピットに平均
開口径が0.2〜3.0μmの小ピットを密集状に重畳
し、さらに該小ピットの内部に0.01μm以上で該小
ピットの平均開口径の1/2以下の平均径を持つ概略球
面状の突起を有する表面を有する支持体の該表面上に感
光層を設けた感光性平版印刷版を、糖類、オキシム類、
フェノール類及びフッ素化アルコール類から選ばれる少
なくとも1種の化合物を0.1モル/l以上含有する現
像液で処理することを特徴とする感光性平版印刷版の処
理方法。
【0009】(2)小ピットの平均開口径が0.2〜
0.8μm、概略球面状の突起の平均径が0.01μm
以上で該小ピットの平均開口径の1/4以下であること
を特徴とする上記(1)に記載の処理方法。
【0010】(3)小ピットの開口径に対するピット深
さの比が0.2以下であることを特徴とする上記(1)
に記載の処理方法。
【0011】(4)概略球面状突起の間が滑らかな面で
形成されていることを特徴とする上記(1)に記載の処
理方法。
【0012】(5)粗さの平均波長が3〜30μmの起
伏もしくは平均開口径が3〜30μmの大ピットに平均
開口径が0.2〜3.0μmの小ピットを密集状に重畳
し、さらに該小ピットの内部に0.01μm以上で小ピ
ットの平均開口径の1/2以下の平均径を持つ概略球面
状の突起を有する表面を有する支持体の該表面上に感光
層を設けた感光性平版印刷版を、画像露光した後、実質
的にキシレンを含有しない消去液で消去することを特徴
とする感光性平版印刷版の処理方法。
【0013】(6)小ピットの平均開口径が0.2〜
0.8μm、概略球面状の突起の平均径が0.01μm
以上で小ピットの平均開口径の1/4以下であることを
特徴とする上記(5)に記載の処理方法。
【0014】(7)小ピットの開口径に対するピット深
さの比が0.2以下であることを特徴とする上記(5)
に記載の処理方法。
【0015】(8)概略球面状の突起の間が滑らかな面
で形成されていることを特徴とする上記(5)に記載の
処理方法。
【0016】(9)全面に平均径が0.01〜0.5μ
mの概略球面状の突起を有する表面を有する支持体の該
表面上に感光層を設けた感光性平版印刷版を、糖類、オ
キシム類、フェノール類及びフッ素化アルコール類から
選ばれる少なくとも1種の化合物を0.1モル/l以上
含有する現像液で処理することを特徴とする感光性平版
印刷版の処理方法。
【0017】(10)概略球面状の突起の頂点を結んで
形成される面の形状が該突起の平均径の2〜50倍の波
長の起伏を有することを特徴とする上記(9)に記載の
処理方法。
【0018】(11)概略球面状の突起の間が滑らかな
面で形成されていることを特徴とする上記(9)に記載
の処理方法。
【0019】(12)全面に平均径が0.01〜0.5
μmの概略球面状の突起を有する表面を有する支持体の
該表面上に感光層を設けた感光性平版印刷版を、画像露
光し、現像した後、実質的にキシレンを含有しない消去
液で消去することを特徴とする感光性平版印刷版の処理
方法。
【0020】(13) 概略球面状の突起の頂点を結ん
で形成される面の形状が該突起の平均径の2〜50倍の
波長の起伏を有することを特徴とする上記(12)に記
載の処理方法。
【0021】(14) 概略球面状の突起の間が滑らか
な面で形成されていることを特徴とする上記(12)に
記載の処理方法。
【0022】以下、本発明について詳述する。
【0023】本発明の現像液は従来のケイ酸を使用した
現像液よりも分子が大きいため、画像部の感光層の浸透
が低減され、砂目と界面の接着が壊れることがない。一
方、非画像部は積球砂目の特長を活かして速やかに現像
除去されるため、液の溶解能力としてやや難のあるケイ
酸塩を含有しない現像液(以下「非ケイ酸現像液」とい
う)を用いても良好な現像性を得ることができる。
【0024】また、本発明の積球砂目は、従来の溶剤を
用いた消去液だと消去液と近接する画像部が侵されてし
まう傾向があるが、むしろ、本発明のような安全性の高
い消去液で良好に消去作業を行うことができる。
【0025】《請求項1〜8の支持体》請求項1〜8に
係る発明における感光性平版印刷版の支持体は、粗さの
平均波長が3〜30μmの起伏もしくは平均開口径が3
〜30μmの大ピットに平均開口径が0.2〜3.0μ
m(好ましくは0.2〜0.8μm)の小ピットを密集
状に重畳し、さらに該小ピットの内部に0.01μm以
上で該小ピットの平均開口径の1/2以下(好ましくは
1/4以下)の平均径を持つ概略球面状の突起を有する
表面を有する支持体であり、該表面上に感光層を設ける
ものであり、さらに、小ピットの開口径に対するピット
深さの比が0.2以下であるかおよび/または概略球面
状突起の間が滑らかな面で形成されている表面を有する
支持体の該表面上に感光層を設けるものである。
【0026】次に、上記表面形状を有する支持体の製造
について説明する。
【0027】支持体としてアルミニウム又はその合金板
を好ましく用いることができ、アルミニウム板またはア
ルミニウム板合金板の表面を化学的に溶解処理するか、
もしくは機械的粗面化、電解粗面化又は化学的な表面溶
解処理のうち2つ以上を組み合せた処理の後、更に電解
粗面化し、化学的に表面を溶解処理し、陽極酸化処理を
して製造する。この支持体は更に親水化処理を施しもよ
い。
【0028】以下の説明において、機械的粗面化とは、
物理的な力を加える支持体表面を削り取る粗面化方法で
ある。これに対し、化学的な表面溶解処理とは、主に酸
又はアルカリによる表面溶解処理で、化学的粗面化とも
呼ばれる。脱脂とはこれに加え、溶剤による洗浄をも含
む。又、電界粗面化とは、酸性、電解液中で交流電流を
印加し、支持体表面を電気化学的にピット状に溶解して
粗面化する方法をいう。
【0029】まず、前記大ピットと小ピットとを有する
表面を得る方法について説明する。ここで、大ピットの
平均開口径は全ピット中、開口径が2μmよりも大き
く、かつ、その内部に更に2μm以下のピットが存在す
る二重構造のピットの開口径を平均したものである。ま
た、小ピットの平均開口径は全ピット中、開口径が2μ
m以下で、かつ、その内部に更に小さなピットが存在し
ない構造のピットの開口径を平均したものである。
【0030】ブランケット汚れは、非画線部砂目の比較
的鋭角な突起部分がインキローラーと接触した際に、イ
ンキ層中に侵入し、インキローラーから離れる際にその
鋭角な突起先端にインキを付着させ、次いでブランケッ
トと接触した際にそのインキがブランケット側に移動
し、これを繰り返すことでブランケット上にインキが堆
積していく現象であると考えることができる。
【0031】この場合の突起の鋭さとは、数μmオーダ
ーでの凹凸に対してのみならず、サブμmの凹凸に対し
ても関係していることが判明した。粗面化方法を特定す
るものではないが、形成された粗面化形状の小ピットが
上記条件を満たした、浅い小ピット同士が密集状につき
合わさって形成されていると、ピットエッジは鈍角であ
り、インキローラーと接触した際にインキ層中に侵入す
ることがなく、ピットエッジ先端にインキが付着し難
い。このことによりブランケット汚れは著しく改善され
る。小ピットの深さと開口径の比が0.2よりも大きい
場合は、ピットエッジが鋭角になる方向であり、ブラン
ケット汚れ改善の効果がなくなる。
【0032】また、小さく浅いピットの容積は小さく、
少ない水量で表面全体を被覆することが可能となり、水
を絞っていっても汚れ難くなる。特に水インキバランス
の調整が困難な吸水性の悪い用紙を使用した印刷におい
ては、水を絞った状態で汚れない安定した印刷条件が容
易に確保でき、印刷適性は著しく向上する。小ピットの
平均開口径が0.8μmよりも大きくなると、ピット容
積は大きくなる方向であり、表面全体を被覆するのに必
要な水量も多くなり、水を絞った際の汚れ難さの改善効
果が小さくなる。また、0.2μmよりも小さい場合は
ピット容積が小さくなりすぎて有効な水膜を保持するこ
とができず、汚れ易くなる。
【0033】小ピット形状に加えて、大ピットの形状を
上記のように特定することで、特に高精細でのドットゲ
インが向上する。これは、粗面が適度に緻密で均一な構
造となることで、微細なドットの形成が安定し、形状が
揃うことに起因する。平均開口径が6μmよりも大きく
なると、微細なドットの形状がピット輪郭に沿って変形
する等の現象が生じ、結果としてドットゲインが劣化す
ることもある。また、平均開口径が3μmよりも小さく
なると、大ピットとしてのピット容積が小さくなり過ぎ
て、保水量の低下として現れ、やはり、ドットゲインが
劣化することもある。
【0034】また、上記支持体は、アルミニウム又はそ
の合金板ウエブを機械的粗面化或いは脱脂後電解粗面化
し、アルカリで表面溶解処理(1)を施し、酸で中和
し、酸性電解液中で電解粗面化し、更にアルカリで表面
溶解処理(2)を施し、酸で中和する方法において、該
酸性電解液が塩酸と酢酸を含み、アルカリ表面溶解処理
(1)での表面溶解量を3.0〜10.0g/m2、ア
ルカリ表面溶解処理(2)での表面溶解量を0.6〜
3.0g/m2とする製造方法によっても製造すること
ができる。
【0035】第一の粗面化として粗面化方法は特定しな
いが、起伏の周期が3〜6μmとなるように粗面化を行
うことが高精細でのドットゲインを良好とするために必
要である。次いでアルカリ表面溶解処理(1)として表
面を3.0〜10.0g/m2溶解することで、第一の
粗面化で形成された鋭角な形状を溶解し、大ピットが密
集した構造とする。溶解量が3.0g/m2よりも少な
いと鋭角な形状が残り、ブランケット汚れに悪影響を与
える。10.0g/m2よりも多いと、形成した粗さを
滑らかにし過ぎて耐刷力が低下するうえ、製造上非効率
である。
【0036】次に塩酸と酢酸を含む電解液中で交流を用
いて電解粗面化を行うことによって、大ピットに重畳し
て小ピットが密集状に形成される。次いで施されるアル
カリ表面溶解処理(2)での表面溶解量は0.6〜3.
0g/m2である。
【0037】これにより、小ピット形状は平均開口径が
0.2μm以上、0.8μm以下であり、かつ深さと開
口径の比が0.2以下であるように制御される。0.6
g/m2よりも少ない場合は開口径が0.2μmよりも
小さくなり、3.0g/m2よりも多いと0.8μmよ
りも大きくなったり、或いは小ピットのピットエッジが
不明確になるほど表面が滑らかになって水を保持できな
くなって水を絞った際に汚れ易くなる。
【0038】また、電解液が塩酸のみで酢酸を含まない
場合は、小ピットの開口径に対する深さの比が大きくな
り、アルカリ溶解処理では平均開口径が0.2μm以
上、0.8μm以下であり、かつ深さと開口径の比が
0.2以下であるように制御できず、酢酸を含む場合よ
りもブランケット汚れ及び水を絞った際の汚れの改善効
果は小さい。
【0039】更に、上記支持体は、アルミニウム又はそ
の合金板ウエブをアルカリで表面を溶解処理し、酸で中
和し、酸性電解液中で電気化学的に粗面化し、更にアル
カリで表面を0.6〜3.0g/m2溶解処理し、酸で
中和する方法において、該酸性電解液が塩酸と酢酸を含
み、電気化学的粗面化の全工程中で電解処理の進行が速
い部分と電解処理の進行が遅いかもしくは停止する部分
とが交互に複数回存在するように電解処理し、かつ、電
解処理の進行が速い部分一工程での電解処理の電気量が
平均で100C/dm2以下である支持体の製造方法に
よっても製造することができる。
【0040】此の場合、電解処理の進行が遅いかもしく
は停止する部分に要する時間が0.6秒以上、5秒以下
であることが好ましい。
【0041】電解処理の進行が速い部分と電解処理の進
行が遅いかもしくは停止する部分とが交互に複数回存在
するようにするには、例えば、図1に示すような連続式
の電解装置において、電極の配置をまばらに配置して図
2のようにすることで行なうことができる。図1におい
て、1が電解槽であり、これに電解液7が満たされてい
る。この液中を支持ロール2,3,4,5によって支持
されたアルミ合金板ウエブ6が図の左側から右側に搬送
される。その間に電極a〜xとアルミ合金板ウエブとの
間に交流電源からの電流が流れる。
【0042】ここで、電解処理の進行が速い部分とは電
極に正対しているウエブ部分を指し、電解処理の進行が
遅いかもしくは停止する部分とは、電極が存在していな
いウエブ部分を指す。電極が存在していないウエブ部分
であっても近傍の電極からの漏れ電流が流れる個所もあ
り、その部分全体で電解処理が停止するわけではない
が、電解処理の進行が速い部分一工程での電解処理の電
気量が平均で100C/dm2以下とすることで、均一
な砂目が得られる。
【0043】また、図3のように電極のない部分にロー
ル8〜13を接触させる等により、電流を実質的に遮断
することもできる。その他の方法によって、例えば処理
の回数分だけ電解槽を設けて、その電解槽間の渡り部分
で電解処理を停止させるような方法をとっても、一工程
での電解処理の電気量が平均で100C/dm2以下と
すれば同様の効果が得られることは言うまでもない。こ
の方法により、粗大ピットの生成が抑制され、大ピット
の径がほぼ一定となり均一な粗面が得られる。本方法の
効果は、特に塩酸を主に含む電解液を使用した際に著し
い。電解処理の進行が遅いかもしくは停止する部分に要
する時間が0.5秒以下では、粗大ピットの生成はやや
抑制されるものの十分な分割処理効果が得られない。
0.6秒以上とすることで、大ピットの平均開口径が3
〜6μmで均一にそろい、大ピットの偏在に起因する平
坦部分のない、粗面を得ることができる。この時間を長
くしても同様の効果を得ることができるが、5秒よりも
長い停止時間では生産適性が著しく低下するので、5秒
以下とするのが好ましい。
【0044】請求項1〜8に係る発明では、塩酸と酢酸
を含む電解液を用いることで、上記大ピットの形成と同
時に大ピットに重畳して密集状の小ピットを形成するこ
とができる。小ピット形状の制御は上記で説明した内容
と同様である。また、バッチ式の電解処理であれば、電
解電源の電流密度を時間に対して変化させることで、全
電解工程中で電解処理の進行が速い部分と電解処理の進
行が遅いかもしくは停止する部分とが交互に複数回存在
するようにしても、一工程での電解処理の電気量が平均
で100C/dm2以下とすることで、粗大ピットの生
成が抑制され、均一な粗面が得られる。電解処理の進行
が遅いかもしくは停止する部分での電流密度は0〜10
A/dm2であり、好ましくは0〜2A/dm2である。
電解処理の進行が遅いかもしくは停止する時間について
は前述の通りで、0.5秒以下では、粗大ピットの生成
はやや抑制されるものの十分な分割処理効果が得られな
いことがある。0.6秒以上とすることで、大ピットの
平均開口径が3〜6μmで均一にそろい、大ピットの偏
在に起因する平坦部分のない、粗面を得ることができ
る。この時間を長くしても同様の効果を得ることができ
るが、5秒よりも長い停止時間では生産適性が著しく低
下するので、5秒以下とするのが好ましい。
【0045】更に、請求項1〜8に係る発明の支持体
は、酸性電解液の塩酸の含有量が7〜15g/l、酢酸
の含有量が10〜40g/lであることがこのましい。
塩酸を7〜15g/l含むことで電解粗面化処理のみで
も大ピットに小ピットが重畳された二重構造を形成する
ことができ、更に酢酸を10〜40g/l含むことで開
口径に対して深さの浅いピットを形成することが可能と
なる。塩酸が7g/lよりも少ないと電解を分割して行
っても大ピットが粗大化することがある。15g/lよ
りも多くなると電流密度や電解液温度によってはピット
が生成しない場合が生じ、製造上の条件範囲が狭くな
る。酢酸が10g/lよりも少ないと、浅いピットを形
成する効果が低いことがあり、40g/lよりも多く添
加しても実質的な効果の向上は見られず意味が少くな
る。更に、此の場合本発明は、電解前のアルカリでの溶
解量が1.0〜4.0g/m2であり、かつその中和に
使用する酸が塩酸又は酢酸を含むことがこのましい。溶
解量が1.0g/m2よりも少ないとAl原反表層の不
均一な組織が残り、電解での均一なピット生成に悪影響
を及ぼすこともある。4.0g/m2より多くしても電
解を分割して行う場合の均一性向上には実質的な寄与は
少くなく非効率である。また、アルカリ溶解処理後の中
和をその次の工程である電解処理の電解液と同様の組成
で行うことにより、電解液組成が安定し、粗面形状も安
定する。
【0046】請求項1〜8に係る発明の支持体は、前記
製造方法によって平均波長が3〜30μmの起伏もしく
は平均開口径が3〜30μmの大ピットと平均開口径が
0.2〜1.0μmの密集状に重畳した小ピットを形成
した後に、さらに概略球面状突起を形成する処理を行う
ことによって得ることができる。また、請求項9〜14
に係る発明の支持体は、概略球面状突起を形成する処理
を行うことによって得ることができる。
【0047】概略球面状突起の形成方法は特に限定され
るものではないが、金属酸化物粒子を含んだゾル−ゲル
反応液をピット形成後の表面に塗布することで形成する
ことができる。ゾル−ゲル反応液は有機金属化合物また
は無機金属化合物を水を含む有機溶媒中で触媒を用いて
加水分解および重合することで金属酸化物の層を形成
し、含有する金属酸化物粒子を基材表面に強固に接着さ
せて球面状の突起を形成する。
【0048】酸化物粒子としては、アルミナ、酸化チタ
ン、酸化ジルコニウム、シリカ等を使用することがで
き、粒子径は平均で0.01〜0.5μmであることが
好ましい。
【0049】ゾル−ゲル反応液に用いる有機金属化合
物,無機金属化合物としては特開平6−35174号に
示された金属アルコキシド、金属アセチルアセトネー
ト、金属酢酸塩、金属蓚酸塩、金属硝酸塩、金属硫酸
塩、金属炭酸塩、金属オキシ塩化物、金属塩化物、およ
びこれらを部分加水分解してオリゴマー化した縮合物を
単独でもしくは2種以上混合して使用することができ
る。
【0050】これらの中では特に金属アルコキシドが好
ましく、珪素のアルコキシ化合物が特に好ましい。ま
た、特開平6−35174号に示されたようなシランカ
ップリング剤を併用してもよい。触媒としては、特開平
6−35174号に示された酸またはアルカリを用いる
ことができる。触媒の添加量は有機金属化合物または無
機金属化合物の合計量に対して0.05〜5重量%が好
ましい。水の添加量は有機金属化合物または無機金属化
合物の合計量を完全に加水分解するのに必要なモル数に
対して0.5〜20倍量の範囲が好ましい。有機溶媒と
してはメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノ
ールといった低級アルコールまたはアセトン、メチルエ
チルケトン、ジエチルケトンといったケトンを用いるこ
とが好ましい。有機溶媒はゾル-ゲル反応液の反応進行
させるために適した量を添加し、反応を進行させた後、
塗布に適した量を再度添加することが好ましい。ゾル-
ゲル反応液には、特開平6−35174号に示されたそ
の他の化合物を添加してもよい。
【0051】支持体に関する本発明に使用されるアルミ
ニウム支持体には、純アルミニウム及びアルミニウム合
金よりなる支持体が含まれる。アルミニウム合金として
は種々のものが使用でき、例えば珪素、銅、マンガン、
マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケ
ル、チタン、ナトリウム、鉄等の金属とアルミニウムの
合金が用いられる。アルミニウム支持体は、粗面化に先
立ってアルミニウム表面の圧延油を除去するために脱脂
処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリク
レン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロン、
トリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン
脱脂処理等が用いられる。また、脱脂処理には、苛性ソ
ーダ等のアルカリの水溶液を用いることもできる。脱脂
処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、上
記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去
することができる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ
水溶液を用いた場合には、燐酸、硝酸、塩酸、硫酸、ク
ロム酸等の酸、或いはそれらの混酸に浸漬し中和処理を
施すことが好ましい。中和処理の次に電気化学的粗面化
を行なう場合は、中和に使用する酸を電気化学的粗面化
に使用する酸に合わせることが特に好ましい。
【0052】支持体の粗面化としては本発明の方法での
電解粗面化を行なうが、その前処理として、適度な処理
量の化学的粗面化や機械的粗面化を適宜くみあわせた粗
面化を行なってもよい。化学的粗面化は脱脂処理と同様
に苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いる。処理後に
は燐酸、硝酸、塩酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそ
れらの混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。
【0053】中和処理の次に電気化学的粗面化を行なう
場合は、中和に使用する酸を電気化学的粗面化に使用す
る酸に合わせることが特に好ましい。機械的粗面化法は
特に限定されないがブラシ研磨、ホーニング研磨が好ま
しい。ブラシ研磨では、例えば毛径0.2〜1mmのブ
ラシ毛を植毛した円筒状ブラシを回転し、接触面に研磨
材を水に分散させたスラリーを供給しながら、支持体表
面に押しつけて粗面化を行う。ホーニング研磨では、研
磨材を水に分散させたスラリーをノズルより圧力をかけ
射出し、支持体表面に斜めから衝突させて粗面化を行
う。研磨材としては、火山灰、アルミナ、炭化珪素等の
一般に研磨に使用されるものがあげられ、その粒度は#
200〜#2000、好ましくは#400〜#800で
ある。
【0054】機械的に粗面化された支持体は、支持体の
表面に食い込んだ研磨剤、アルミニウム屑等を取り除い
たり、ピット形状をコントロールする等のために、酸又
はアルカリの水溶液に浸漬して表面をエッチングするこ
とが好ましい。酸としては、例えば硫酸、過硫酸、弗
酸、燐酸、硝酸、塩酸等が含まれ、塩基としては、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が含まれる。
これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好まし
い。上記をアルカリの水溶液で浸漬処理を行った場合に
は、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれら
の混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。中和処
理の次に電気化学的粗面化を行なう場合は、中和に使用
する酸を電気化学的粗面化に使用する酸に合わせること
が特に好ましく、また、中和処理の次に陽極酸化処理を
行なう場合は、中和に使用する酸を陽極酸化処理に使用
する酸に合わせることが特に好ましい。
【0055】電気化学的粗面化は一般に酸性電解液中で
交流電流を用いて粗面化を行う。本発明での電解処理に
は塩酸及び酢酸を含む電解液を用いる。塩酸の含有量が
7〜15g/l、酢酸の含有量が10〜40g/lであ
ることが特に好ましい。電解に使用する電源波形は、矩
形波、台形波、のこぎり波等さまざまな波形を用いるこ
とができるが、特に正弦波が好ましい。
【0056】電気化学的粗面化において印加される電圧
は、1〜50Vが好ましく、5〜30Vが更に好まし
い。電流密度(ピーク値)は、10〜200A/dm2
が好ましく、20〜150A/dm2が更に好ましい。
電気量は全処理工程を合計して、100〜2000C/
dm2が好ましく、200〜1000C/dm2が更に好
ましい。温度は、10〜50℃が好ましく、15〜45
℃が更に好ましい。電解液には、必要に応じて更に硝酸
塩、塩化物、アミン類、アルデヒド類、燐酸、クロム
酸、ホウ酸、蓚酸等を加えることが出来る。電気化学的
に粗面化された支持体は、表面のスマット等を取り除い
たり、ピット形状をコントロールする等のために、酸又
はアルカリの水溶液に浸漬して表面をエッチングするこ
とが好ましい。酸としては、例えば硫酸、過硫酸、弗
酸、燐酸、硝酸、塩酸等が含まれ、塩基としては、例え
ば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が含まれる。
これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好まし
い。上記をアルカリの水溶液で浸漬処理を行った場合に
は、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、或いはそれら
の混酸に浸漬し中和処理を施すことが好ましい。中和処
理の次に陽極酸化処理を行なう場合は、中和に使用する
酸を陽極酸化処理に使用する酸に合わせることが特に好
ましい。
【0057】粗面化処理の次に、陽極酸化処理を行い、
続いて、封孔処理、親水化処理を行う。本発明で用いら
れる陽極酸化処理の方法には特に制限はなく、公知の方
法を用いることができる。陽極酸化処理により支持体上
には酸化皮膜が形成される。本発明において、陽極酸化
処理には、硫酸及び/又は燐酸等を10〜50%の濃度
で含む水溶液を電解液として、電流密度1〜10A/d
2で電解する方法が好ましく用いられるが、他に米国
特許第1,412,768号明細書に記載されている硫
酸中で高電流密度で電解する方法や、米国特許第3,5
11,661号明細書に記載されている燐酸を用いて電
解する方法等を用いることができる。
【0058】陽極酸化処理された支持体は、必要に応じ
封孔処理を施してもよい。これら封孔処理は、熱水処
理、沸騰水処理、水蒸気処理、珪酸ソーダ処理、重クロ
ム酸塩水溶液処理、亜硝酸塩処理、酢酸アンモニウム処
理等公知の方法を用いて行うことができる。
【0059】支持体には更に、親水性層を設けることが
好ましい。親水性層の形成には、米国特許第3,18
1,461号明細書に記載のアルカリ金属珪酸塩、米国
特許第1,860,426号明細書に記載の親水性セル
ロース、特開昭60−149491号公報、特開昭63
−165183号公報に記載のアミノ酸及びその塩、特
開昭60−232998号公報に記載の水酸基を有する
アミン類及びその塩、特開昭62−19494号公報に
記載の燐酸塩、特開昭59−101651号公報に記載
のスルホ基を有するモノマー単位を含む高分子化合物等
を用いることができる。
【0060】親水化処理後に、次いで、感光層が塗布さ
れる。感光層塗設量は乾燥重量で0.8〜1.8g/m
2が好ましく、更に好ましくは1.2〜1.6g/m2
ある。必要に応じてマット剤を付与することができる。
更に、感光性平版印刷版を重ねたときの感光層への擦れ
傷を防ぐために、また、現像時、現像液中へのアルミニ
ウム成分の溶出を防ぐために、特開昭50−15113
6号、特開昭57−63293号、特開昭60−735
38号、特開昭61−67863号、特開平6−351
74号の各公報等に記載されている、支持体裏面に保護
層を設ける処理を行うことが出来る。
【0061】請求項1〜14に係る発明において、感光
性平版印刷版の感光層は特に限定されず、感光性平版印
刷版の感光層として用いられるものであればよいが、キ
ノンジアジド化合物を含有する感光層であることが好ま
しい。
【0062】請求項1〜4、9〜11に係る発明の現像
液は、糖類、オキシム類、フェノール類およびフッ素化
アルコール類から選ばれる少なくとも1種の化合物を
0.1モル以上含有する現像液である。
【0063】上記化合物は好ましくは、記糖類は下記一
般式(I)または(II)、オキシム類は下記一般式(II
I)、フェノール類は下記一般式(IV)、フッ素化アル
コール類は下記一般式(V)で表される化合物である。
【0064】一般式(I)または(II)で表される糖類
は次に示すものである。
【0065】
【化1】
【0066】一般式(I)または(II)において、
1、X2、X3は、各々、水素原子、水酸基、アミノ
基、ハロゲン原子、アシロキシ基、アルコキシ基、アシ
ルアミノ基又はホスホリルオキシ基を表す。R1,R
2は、各々、水素原子、アルキル基(例えばメチル
基)、置換アルキル基(例えばヒドロキシメチル基、
1,2−ジヒドロキシエチル基、アセトキシメチル基、
ベンゾイルオキシメチル基、メトキシメチル、ベンジル
オキシメチルなど)又は、カルボキシル基を表す。Yは
水素原子、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバ
モイル基又はアルキル基を表す。さらにX1,X2
3,R1,R2ならびにYで表現される置換基が水酸基
もしくは水酸基含有基の場合、いずれか二つの水酸基間
のエーテル結合形成により、又は更にアセトンやベンズ
アルデヒドなどのカルボニル化合物を加えてアセタール
化により、5員又は6員環を形成しても良い。一般式
(I)又は(II)のYが、更に他の(I)又は(II)の
1,X2,X3,R1,R2ならびにYで表現される水酸
基と(n−1)個のグルコキシド結合を形成することに
より、完成されるn個の(I)又は(II)のユニットか
らなる小糖類を形成しても良い。ここでnは2から6ま
での整数を表す。
【0067】X1,X2,X3として好ましいのは水素原
子又は水酸基で、更に好ましくは水酸基である。R1
2として好ましいものは、水素原子、ヒドロキシメチ
ル基、1,2−ジヒドロキシエチル基又はカルボキシル
基で、更に好ましくは水素原子、ヒドロキシメチル基又
は1,2−ジヒドロキシエチル基である。Yとして好ま
しいものは水素原子である。
【0068】一般式(I)又は(II)で表される糖類の
具体例としては次の化合物を挙げることが出来る。
【0069】I−1 D−エリセロース(D−Eryt
hrose)* I−2 D−スレオース(D−Threose)* I−3 D−アラビノース(D−Arabinose) I−4 D−リボース(D−Ribose) I−5 D−キシロース(D−Xylose) I−6 D−エリスロ−ペンテュロース(D−Eryt
hro−Pentulose)* I−7 D−アルロース(D−Allose) I−8 D−ガラクトース(D−Galactose) I−9 D−グルコース(D−Glucose) I−10 D−マンノース(D−Mannose) I−11 D−タロース(D−Talose) I−12 β−D−フラクトース(β−D−Fruct
ose) I−13 α−L−ソルボース(α−L−Sorbos
e) I−14 6−デオキシ−D−グルコース(6−deo
xy−D−Glucose) I−15 D−グリセロ−D−ガラクト−ヘプトース
(D−glycero−D−galacto−Hept
ose) I−16 α−D−アルロ−ヘプチュロース(α−D−
allo−Heptulose) I−17 β−D−アルトロ−3−ヘプチュロース(β
−D−altro−3−Heptulose) I−18 サッカロース(Sucrose) I−19 ラクトース(Lactose) I−20 D−マルトース(D−Maltose) I−21 イソマルトース(Isomaltose) I−22 イヌロビオース(Inulobiose)* I−23 ヒアルビオウロン(Hyalbiouron
ic acid) I−24 マルトトリオース(Maltoriose)
【0070】
【化2】
【0071】*を付した化合物は、一般式(II)に属す
るものである。これらの化合物は、大部分市販されてお
り容易に入手可能である。市販されていないものは、
(1)「大有機化学第3巻、脂肪族化合物II」小竹無二
雄監修、朝倉書店、1957年発行又は、(2)「Th
e Carbonhydrates,Chemistr
y and Biochemistry」2nd Ed
IA(1972)、及びIIA(1970)、W,Pi
bgman及びD.Horton監修、Academi
c Pressを参照すれば容易に合成できる。一般式
(III)で表されるオキシム類は次のものである。
【0072】
【化3】
【0073】R3,R4は水素原子、アルキル基(置換基
を有してもよい)、アリール基(置換基を有してもよ
い)、アシル基又は複素環を表す。R3とR4が互いに結
合して5又は6員の環(特にシクロアルキル環)を形成
してもよい。
【0074】アルキル基としては、炭素数1〜18のも
ので直鎖、分岐及びシクロアルキル基を含む。置換基と
しては例えばヒドロキシ基、カルボキシル基、アルコキ
シ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルファモイル基、カ
ルバモイル基、スルホニルアミノ基、アシルアミノ基、
シアノ基又は、アシロキシ基などが挙げられる。アリー
ル基としては例えばフェニル基、ナフチル基であり、置
換基としては例えばアルキル基の置換基として挙げたも
のが挙げられる。複素環としては例えばチアゾール、オ
キサゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾー
ル、チアジアゾール、オキサジアゾール、テトラヒドロ
フラン、モルホリン、ピリジン、ピペリジン、ベンゾチ
アゾール、ベンゾオキサゾール又はベンズイミダゾール
などが挙げられる。一般式(III)で示される化合物の
具体例としては次のものがある。
【0075】
【化4】
【0076】
【化5】
【0077】これらの化合物は市販品として、又は「O
rganic Functional Group P
reperations 第3巻」Page 365
Ed. by S.R.Sandler and W.
Karo,AcademicPress(1972)に
記載されている方法で合成することにより容易に入手で
きる。次に一般式(IV)のフェノール類について説明す
る。
【0078】
【化6】
【0079】ここで、R5,R6,R7,R8は同じか又は
異なっていて水素原子、アミノ基、カルボン酸基、スル
ホン酸基、炭素数1〜4のアルキル基(置換基を有して
いてもよい)、アルコキシ基(置換基を有していてもよ
い)を表す。置換基としては、一般式(III)のR3及び
4のアルキル基又はアリール基の置換基と同様のもの
が挙げられる。一般式(IV)で示される化合物の具体例
としては次のものがある。
【0080】
【化7】
【0081】これらの化合物の多くは市販されており、
他の化合物も公知で容易に合成できる。次に一般式
(V)のフッ素化アルコールについて説明する。
【0082】
【化8】
【0083】式中、Rは水素原子、置換又は無置換のア
ルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル基、置換又
は無置換のアリール基を表し;nは1又は2を表し、;
Jはnが1の場合には水素原子、フッ素原子、置換又は
無置換のアルキル基、置換又は無置換のシクロアルキル
基、置換又は無置換のアリール基、置換又は無置換のア
ラルキル基を表し、nが2の場合には置換又は無置換の
アルキレン基、置換又は無置換のシクロアルキレン基、
置換又は無置換のアリーレン基、置換又は無置換のアラ
ルキレン基を表す。
【0084】一般式(V)で表される化合物のうち好ま
しいものにおいては、Rは水素原子又はフッ素置換アル
キルを表し、nは1又は2を表し、Jはnが1の場合に
は水素原子、フッ素原子置換のアルキル基を表し、nが
2の場合にはフッ素置換アルキレン基を表す。これら好
ましい化合物のうち、炭素原子数が水酸基、カルボン酸
基、スルホン酸基などの親水性基1個あたり6個以下で
あるものが処理液に対して充分な溶解度を有する点で好
ましい。一般式(V)で表される化合物の具体例を次に
示す。
【0085】
【化9】
【0086】これらの化合物の多くは市販されており、
他の化合物も公知で容易に合成できる。
【0087】一般式(I)〜(V)の化合物の中でも、
好ましいものは一般式(I)又は(II)の糖類、一般式
(IV)のフェノール類であり、さらに好ましくは一般式
(IV)のフェノール類のうちフェノール性水酸基以外の
解離基(例えば、カルボン酸基、スルホン酸基等)を1
種以上有するフェノール類であり、最も優れた効果を有
するものは一般式(IV)のフェノール類のカルボン酸
基、スルホン酸基両者を有するスルホサリチル酸、及び
カルボン酸基を有するサリチル酸である。
【0088】請求項1〜4、9〜11に係る発明の現像
液は、上記化合物の他に、水酸化カリウム、水酸化ナト
リウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ
剤、界面活性剤、有機溶剤、有機カルボン酸、消泡剤、
硬水軟化剤等、感光性平版印刷版の感光層の種類に応じ
現像液の成分として公知の物質を含有することができ
る。
【0089】請求項1〜4、9〜11に係る発明におい
て、現像液以外の条件(画像露光、水洗、リンス、不感
脂化等)について制限はなく、公知の技術を含めて通常
使用される技術を適用することができる。
【0090】請求項5〜8、12〜14に係る発明にお
いて、感光性平版印刷版の処理に制限はなく、公知の技
術を含めて通常使用される技術を適用することができ
る。
【0091】請求項5〜8、12〜14に係る発明の消
去液には、画像部を溶解又は膨潤させる溶剤として、例
えばラクトン類、エーテル類、ケトン類、アルコール類
等が好ましく用いられる。上記ラクトン類としては、ブ
チロラクトン、バレロラクトン及びヘキサノラクトン等
が挙げられ、上記エーテル類としては、グリコールエー
テル類が挙げられる。例えば2−メトキシエタノール、
2−エトキシエタノール、2−イソプロポキシエタノー
ル、2−ブチルグリコール等のグリコールモノアルキル
エーテル類、例えば2−フェニルエタノール等のグリコ
ールモノアリールエーテル類、例えばジエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエ
チルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピル
エーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、
ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル等のジエ
チレングリコールモノアルキルエーテル類、例えばトリ
エチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコー
ルモノブチルエーテル等のトリエチレングリコールモノ
アルキルエーテル類、例えばエチレングリコールジメチ
ルエーテル等のエチレングリコールジアルキルエーテル
類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、ジ
エチレングリコールジエチルエーテル等のジエチレング
リコールジエチルエーテル等のジエチレングリコールジ
アルキルエーテル類などが含まれる。ケトン類として
は、例えばメチルエチルケトン、メチルプロピルケト
ン、ジエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソ
ブチルケトン、エチルブチルケトン、ブチロン、メチル
アミルケトン、メチルヘキシルケトン、バレロン、メシ
チルオキシド、ジアセトンアルコール、シクロヘキサノ
ン、メチルシクロヘキサノン、アセトフェノン、イソホ
ロン、アセチルアセトン、アセトニルアセトン等が挙げ
られる。アルコール類としては、例えばメタノール、エ
タノール、ブタノール、オクチルアルコール、ベンジル
アルコール等が挙げられる。これらの他にN,N−ジメ
チルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジオキサン、
N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等も用い
ることができる。
【0092】上記の各種画像溶解及び膨潤剤は単独もし
くは2種以上組み合わせて使用することができる。上記
溶剤は、消去液総重量に対して20〜90重量%、より
好ましくは30〜85重量%の範囲で含有させるのが適
当である。
【0093】消去液には、必要に応じて界面活性剤を含
有させることができる。界面活性剤は本発明の修正液に
含まれる各成分が平版印刷版の画像部へより良好に浸透
するのを促進し、更に修正液中に含まれる各成分が良好
に混合して安定な溶液を形成し得るようにする為に有効
である。かかる界面活性剤としては、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフ
ェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピ
レンアルキルエーテル、グリセリン脂肪酸部分エステル
類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスト
ール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ
脂肪酸エステル、しょ糖脂肪酸部分エステル、オキシエ
チレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキ
シエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキ
シエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエ
チレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂
肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油
類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル
類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−
ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアル
キルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、ト
リアルキルアミンオキシド等の非イオン性界面活性剤、
脂肪酸塩類、アビチェン酸塩類、ヒドロキシアルカンス
ルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルス
ルホこはく酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスル
ホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、
アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキ
シポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオ
キシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N
−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム類、N−ア
ルキルスルホこはく酸モノアミド二ナトリウム塩類、石
油スルホン酸塩類、硫酸化ひまし油、硫酸化牛脚油、脂
肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫
酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル
塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫
酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニル
エーテル硫酸エステル塩類、アルキルりん酸エステル塩
類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルりん酸エステ
ル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
りん酸エステル塩類、スチレン−無水マレイン酸共重合
物の部分けん化物類、オレフィン−無水マレイン酸共重
合物の部分けん化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマ
リン縮合物類等のアニオン性界面活性剤、アルキルアミ
ン塩類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレン
アルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体等
のカチオン性界面活性剤、カルボキシベタイン類、アミ
ノカルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステ
ル類、イミダゾリン類等の両性界面活性剤が挙げられ
る。以上挙げられた界面活性剤の中でポリオキシエチレ
ンとあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロ
ピレン、ポリオキシブチレン等のポリオキシアルキレン
に読み替えることもできる。これらのうち、非イオン界
面活性剤及び陰イオン界面活性剤が好ましく、修正液中
に含まれる各成分が良好に混合することからHLBが9
以上の界面活性剤がより好ましい。更に、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル類、オキシエチレンオ
キシプロピレンブロックコポリマー、ポリオキシエチレ
ンソルビタン脂肪酸部分エステル、ポリオキシエチレン
ソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリ
コール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エ
ステル類は、修正液の画像部消失効果を良好にするため
好ましい。最も好ましいものはオキシエチレンオキシプ
ロピレンブロックコポリマーである。
【0094】これらの界面活性剤は単独でも2種以上混
合してもよく、消去液の総重量に対して好ましくは1〜
40重量%、より好ましくは3〜25重量%の範囲で含
有させる。
【0095】消去液は、前記成分の他に着色剤、酸性物
質、水、粘度調節剤等を含有することができる。
【0096】着色剤は視覚的にコントラストを望む場合
に含有させることができ、具体的には、例えばクリスタ
ルバイオレット、サフラニン、ブリリアントブルー、マ
ラカイトグリーン、アシドローダミンB等の染料を始め
として無機顔料、有機顔料等がある。これらの着色剤は
本発明に係る修正液の総重量に対して0.0001〜
0.05重量%、好ましくは0.001〜0.01重量
%の範囲で用いられる。
【0097】酸性物質としては、例えばフッ酸、塩酸、
硫酸、過硫酸、硝酸、過マンガン酸、リン酸、ホウフッ
化水素酸、珪フッ化水素酸等の無機酸、酢酸、くえん
酸、りんご酸、乳酸、蓚酸、トリクロル酢酸、タンニン
酸、フイチン酸、p−トルエンスルホン酸、ホスホン酸
等の有機酸及びそれらの塩等が挙げられる。これらの酸
性物質のうち、フッ酸、リン酸、ホウフッ化水素酸又は
それらの塩が修正効果向上のため好ましい。これら酸性
物質は単独もしくは2種以上組み合わせて使用すること
ができ、修正液の総重量に対して0.1〜15重量%、
好ましくは0.3〜8.0重量%の範囲で含有させられ
る。
【0098】水は酸など種々の成分に含有していて必然
的に添加されるものの他、選択的に添加してもよい。好
ましい添加量は修正液総重量に対して1〜30重量%、
より好ましくは3〜20重量%である。
【0099】粘度調節剤としては、例えば珪酸微粉末等
の無機増粘剤、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプ
ロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース
・Na塩等の改質セルロース、アラビアガム、ポリビニ
ルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ビニルメチ
ルエーテル−無水マレイン酸共重合体、酢酸ビニル−無
水マレイン酸共重合体等の高分子化合物が挙げられる。
中でも改質セルロース、ポリビニルピロリドン及び上記
二種の無水マレイン酸共重合体が好ましく、最も好まし
くは、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等の改質セ
ルロース及びポリビニルピロリドンである。これら粘度
調節剤は単独でも、2種以上混合して用いることもで
き、希望の粘度となるように添加量を変えることができ
るが、好ましくは本発明においては修正液に対して0.
5〜25重量%、更に好ましくは1〜15重量%の範囲
で用いられる。
【0100】現像処理が終了した平版印刷版に不必要な
画像部があるときは、その画像部の上に本発明の消去液
を適用し画像部を消去する。本発明の消去液を平版印刷
版の画像部に施す場合、現像後水洗して、この水洗水を
スキージしてから消去を行うのが好ましい。消去の具体
的方法としては消去液を毛筆に含ませ、これを画像部へ
塗布し、約10秒ないし数分間設置させ、或いは塗布後
軽く毛筆でこすった後、水洗により消去浮きを流し去る
方法が一般的である。このようにして不要部の画像が消
去された平版印刷版は通常のガム引等の処理工程を終え
た後、印刷に供される。
【0101】
【実施例】実施例1 〈支持体の粗面化〉厚さ0.24mmのアルミニウム板
(jis1050、調質H16)の表面を50℃10重
量%水酸化ナトリウム水溶液に20秒間浸漬して脱脂処
理を行った後水洗を行い、10%硫酸で中和し更に水洗
した。次いでこのアルミニウム板を、温度30℃の1%
塩酸、2%酢酸混合電解液で、1回の処理が電流密度5
0A/dm2、電気量が80c/dm2になるような正弦
波交流の電解エッチング処理を6回行った。
【0102】電気化学的祖面化後、1%水酸化ナトリウ
ム水溶液、温度50℃に浸漬し溶解量が2.0g/m2
になるようにエッチングし、次いで10%硫酸水溶液、
25℃に浸漬して中和処理を行った。さらに、20%硫
酸水溶液中で、温度25℃、電流密度2A/dm2の条
件で60秒間、陽極酸化処理を行い、粗面化された支持
体を得た。このときの大ピットの開口径は5.2μm、
小ピットの開口径が0.6μm、小ピットのピット深さ
/開口径が0.15であった。
【0103】〈支持体後処理〉上記方法で粗面化された
支持体を次の方法で後処理した。
【0104】下記重量比でアルミナ粒子をエチルシリケ
ートに混合分散し、混合物[A]を作製した。
【0105】 ・アルミナ粒子(平均粒子径:0.1μm) 50重量部 ・テトラエチルシリケート 100重量部 〈ゾル−ゲル反応液の作製〉下記成分を撹拌し、発熱を
開始してから約20分間反応させた。
【0106】 ・混合物[A] 150重量部 ・イオン交換水 30重量部 ・メタノール 25重量部 ・リン酸 0.15重量部 〈後処理塗布液の作製〉上記反応後の液に下記の成分を
加えて塗布液とした。
【0107】 ・メタノール 2500重量部 〈後処理塗布・球面状突起の形成〉粗面化、AD処理さ
れた基材表面に上記塗布液をワイヤーバーで塗布し、1
20℃で2分間乾燥して、乾燥後の重量が100mg/
2の塗布層を形成し、支持体1とした。
【0108】SEM観察により、塗布層表面に平均径
0.2μmの球面状突起が形成されていることを確認し
た。また、球面状突起間は滑らかな面で形成されてい
た。
【0109】〈感光性平版印刷版1の作製〉上記支持体
1に下記組成の感光性組成物塗布液をワイヤーバーを用
いて塗布し、80℃で乾燥し感光性平版印刷版1を得
た。このとき、感光性組成物の乾燥後の塗布重量は1.
8g/m2であった。
【0110】 [感光性組成物] 1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホニルクロリドと2,3,4−トリ ヒドロキシベンゾフェノンとのエステル化反応物 0.5g フェノールホルムアルデヒド樹脂(重量平均分子量:2300) 2.0g 2−(p−ブトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−s−トリ アジン 0.02g ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸クロライド 0.03g クリスタルバイオレット 0.01g オイルブルー#603(オリエント化学工業株式会社製) 0.015g エチレンジクロリド 18g 2−メトキシエチルアセテート 12g 〈消去性評価〉このようにして得られた感光性平版印刷
版1に真空焼枠中で、画像が焼き付けられたポジティブ
フィルムを通して1mの距離から3kWのメタルハライ
ドランプを用いて50秒間露光を行った後、下記組成の
現像液で30℃、8秒現像した。
【0111】 [現像液1](pH約12.7) D−サッカロース 4.8重量% 水酸化ナトリウム 0.6重量% 炭酸ナトリウム 0.70重量% ポリオキシエチレン(付加モル数25)ジグリセリルエーテル 0.05重量% 水 95.0重量% 次いで、十分に水洗、乾燥後、下記組成の消去液を用い
て画像の一部を消去、水洗、現像インキ盛り(FP−2
富士写真フィルム社製)を行い、画像の消去状態を評価
した。
【0112】 [消去液1] γ−ブチロラクトン 71.0重量部 純水 10.0重量部 アシドローダミンB 0.02重量部 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル 8.0重量部 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 2.0重量部 粉末二酸化珪素 9.0重量部 〈評価基準〉 消去性:画像部に消去液を塗布し、一定時間放置してか
ら消去液を水洗除去する消去作業において、上記放置時
間を10秒間〜60秒間の範囲で10秒きざみで変えた
場合に何秒間で画像部の消去が完了するかを測定し、下
記の基準で評価した。
【0113】A:10秒間以内 B:10秒間より長く20秒間以内 C:20秒間より長く30秒間以内 D:30秒間より長い 近接する画像部へのにじみやすさ:30%網点画像部の
境界から1mm、2mmまたは3mmと間隔を空けて消
去液を塗布し、10分間放置してから水洗除去し、網点
画像の侵食の有無を調べる。
【0114】A:1mm空けて塗布しても影響なし B:1mm間隔では影響あるが2mm間隔では影響なし C:3mm間隔を空けても影響がある 〈現像性評価〉試料に感度測定用ステップタブレット
(イーストマンコダック社製No.2、濃度差0.15
づつで21段階のグレースケール)を密着して、4kW
メタルハライドランプ(大日本スクリーン株製vio
Quick)を光源として90cmの距離から30秒露
光した。評価を容易にするために実験的に現像液に炭酸
水素カリウムを1.5g/l添加し、30℃、8秒間現
像した。
【0115】〈評価基準〉 A:問題なく現像される B:中間調の赤味が強い C:地汚れ有り 〈印刷評価〉画像露光した感光性平版印刷版1を現像し
た後にガム引きをし、印刷機(三菱DIYA 1F−
1)で、10000枚印刷後、印刷を停止し24時間放
置する。その後再度印刷を開始し、非画像部にインキの
付着が無く正常な印刷物が得られるまでの枚数を評価し
て放置後の回復性を評価した。耐刷力は、画像部がやら
れて着肉不良を起こすまでの枚数を評価した。
【0116】比較例1 支持体に陽極酸化以降の後処理を行わない支持体2を用
い、現像液に現像液2(SiO2/Na2Oのモル比が
1.74の珪酸ナトリウムの5.26%水溶液(pH=
12.7))を、消去液に下記組成の消去液2を用いた
他は、実施例1と同様にして、感光性平版印刷版の評価
を行った。
【0117】 [消去液2] ベンジルアルコール 13.0重量部 シクロヘキサノン 36.0重量部 ジメチルホルムアミド 14.0重量部 キシレン 6.0重量部 純水 10.0重量部 リン酸(85%) 1.0重量部 アシドローダミンB 0.002重量部 ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンエーテル 8.0重量部 ヒドロキシプロピルメチルセルロース 6.0重量部 粉末二酸化珪素 6.0重量部 比較例2,3 支持体、現像液、消去液を表1に示すとおりに用いて比
較例2,3の実験を行った。
【0118】以上の結果を下記表1に示す。
【0119】
【表1】
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1〜14に係る発明の感光性平版印刷版
の支持体の製造方法における電解処理を行う電解装置の
一例を示す概要断面図である。
【図2】請求項1〜14に係る発明の感光性平版印刷版
の支持体の製造方法における電解処理を行う電解装置の
一例を示す概要断面図である。
【図3】請求項1〜14に係る発明の感光性平版印刷版
の支持体の製造方法における電解処理を行う電解装置の
別の一例を示す概要断面図である。
【符号の説明】
1 電解槽 2,3,4,5 支持ロール 6 アルミ合金板ウエブ a〜x 電極

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粗さの平均波長が3〜30μmの起伏も
    しくは平均開口径が3〜30μmの大ピットに平均開口
    径が0.2〜3.0μmの小ピットを密集状に重畳し、
    さらに該小ピットの内部に0.01μm以上で該小ピッ
    トの平均開口径の1/2以下の平均径を持つ概略球面状
    の突起を有する表面を有する支持体の該表面上に感光層
    を設けた感光性平版印刷版を、糖類、オキシム類、フェ
    ノール類及びフッ素化アルコール類から選ばれる少なく
    とも1種の化合物を0.1モル/l以上含有する現像液
    で処理することを特徴とする感光性平版印刷版の処理方
    法。
  2. 【請求項2】 小ピットの平均開口径が0.2〜0.8
    μm、概略球面状の突起の平均径が0.01μm以上で
    該小ピットの平均開口径の1/4以下であることを特徴
    とする請求項1記載の処理方法。
  3. 【請求項3】 小ピットの開口径に対するピット深さの
    比が0.2以下であることを特徴とする請求項1記載の
    処理方法。
  4. 【請求項4】 概略球面状突起の間が滑らかな面で形成
    されていることを特徴とする請求項1記載の処理方法。
  5. 【請求項5】 粗さの平均波長が3〜30μmの起伏も
    しくは平均開口径が3〜30μmの大ピットに平均開口
    径が0.2〜3.0μmの小ピットを密集状に重畳し、
    さらに該小ピットの内部に0.01μm以上で小ピット
    の平均開口径の1/2以下の平均径を持つ概略球面状の
    突起を有する表面を有する支持体の該表面上に感光層を
    設けた感光性平版印刷版を、画像露光した後、実質的に
    キシレンを含有しない消去液で消去することを特徴とす
    る感光性平版印刷版の処理方法。
  6. 【請求項6】 小ピットの平均開口径が0.2〜0.8
    μm、概略球面状の突起の平均径が0.01μm以上で
    小ピットの平均開口径の1/4以下であることを特徴と
    する請求項5記載の処理方法。
  7. 【請求項7】 小ピットの開口径に対するピット深さの
    比が0.2以下であることを特徴とする請求項5記載の
    処理方法。
  8. 【請求項8】 概略球面状の突起の間が滑らかな面で形
    成されていることを特徴とする請求項5記載の処理方
    法。
  9. 【請求項9】 全面に平均径が0.01〜0.5μmの
    概略球面状の突起を有する表面を有する支持体の該表面
    上に感光層を設けた感光性平版印刷版を、糖類、オキシ
    ム類、フェノール類及びフッ素化アルコール類から選ば
    れる少なくとも1種の化合物を0.1モル/l以上含有
    する現像液で処理することを特徴とする感光性平版印刷
    版の処理方法。
  10. 【請求項10】 概略球面状の突起の頂点を結んで形成
    される面の形状が該突起の平均径の2〜50倍の波長の
    起伏を有することを特徴とする請求項9記載の処理方
    法。
  11. 【請求項11】 概略球面状の突起の間が滑らかな面で
    形成されていることを特徴とする請求項9記載の処理方
    法。
  12. 【請求項12】 全面に平均径が0.01〜0.5μm
    の概略球面状の突起を有する表面を有する支持体の該表
    面上に感光層を設けた感光性平版印刷版を、画像露光
    し、現像した後、実質的にキシレンを含有しない消去液
    で消去することを特徴とする感光性平版印刷版の処理方
    法。
  13. 【請求項13】 概略球面状の突起の頂点を結んで形成
    される面の形状が該突起の平均径の2〜50倍の波長の
    起伏を有することを特徴とする請求項12記載の処理方
    法。
  14. 【請求項14】 概略球面状の突起の間が滑らかな面で
    形成されていることを特徴とする請求項12記載の処理
    方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP1300257A2 (en) 2001-10-05 2003-04-09 Fuji Photo Film Co., Ltd. Support for lithographic printing plate and presensitized plate and method of producing lithographic printing plate
EP1350633A2 (en) 2002-04-02 2003-10-08 Fuji Photo Film Co., Ltd. Presensitized plate for making lithographic printing plate
US7014985B2 (en) * 2002-03-13 2006-03-21 Fuji Photo Film Co., Ltd. Presensitized plate

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