JPH08234447A - 感光性平版印刷版用現像液 - Google Patents

感光性平版印刷版用現像液

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JPH08234447A
JPH08234447A JP3549295A JP3549295A JPH08234447A JP H08234447 A JPH08234447 A JP H08234447A JP 3549295 A JP3549295 A JP 3549295A JP 3549295 A JP3549295 A JP 3549295A JP H08234447 A JPH08234447 A JP H08234447A
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JP
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acid
hydroxide
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sodium
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JP3549295A
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English (en)
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Haruo Nakanishi
治雄 中西
Hiroshi Matsumoto
博 松本
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 現像安定性、保存安定性、現像処理能力に優
れ、ポジ型及びネガ型PS版を共通に処理することがで
きる現像液及び現像補充液を提供する。 【構成】 (1) 下記一般式(A)もしくは(B)で示さ
れる化合物、(2) フェノール類、糖類、オキシム類及び
フッ素化アルコール類から選ばれる少なくとも1種のpH
11.5〜13.5において緩衝作用を有する化合物、及び(3)
例えば第3リン酸ナトリウム等の無機アルカリ剤や例え
ばモノメチルアミン等の有機アルカリ剤から選ばれる少
なくとも1種のアルカリ剤を含み、pHが11.5〜13.5であ
る感光性平版印刷版用現像液。式中、R1〜R10は、各々
独立にC数1〜12のアルキル基、環状アルキル基等、Z1
〜Z3はN+、P+又はB-、Z1〜Z3がN+又はP+の場合X1〜X3
アニオン、またZ1〜Z3がB-の場合X1〜X3はカチオン、n
は1〜5の整数を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は感光性平版印刷版用の現
像液及び現像補充液に関するものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】従来より、広く使用され
ているポジ型感光性平版印刷版は支持体としてのアルミ
ニウム板上にo−キノンジアジド化合物などの感光層を
設けたものである。o−キノンジアジド化合物は紫外線
露光によりカルボン酸に変化することが知られており、
従って、これをアルカリ水溶液で現像すると当該感光層
の露光部のみが除去されて支持体表面が露出する。アル
ミニウム支持体の表面は親水性なので現像で支持体の表
面が露出された部分(非画像部)は水を保持して油性イ
ンキを反発する。一方、現像によって感光層の除去され
なかった領域(画像部)は、親油性なので水を反発し、
インキを受け付ける。かかるポジ型感光性平版印刷版の
現像液として使用されるアルカリ水溶液は、種々のもの
が知られているが、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム等の
珪酸塩水溶液が主に用いられている。その理由は珪酸塩
の成分である酸化珪素SiO2とアルカリ金属酸化物M2
Oの比率(一般に〔SiO2〕/〔M2O〕のモル比で表
す)と両者の液中濃度を変えることによってある程度現
像性の調節が可能とされるためである。
【0003】近年、製版・印刷業界では製版作業の合理
化および標準化のため、感光性平版印刷版用の自動現像
機が広く用いられている。この自動現像機は、一般に感
光性平版印刷版を搬送する装置と、現像液槽およびスプ
レー装置からなり、露光済みの感光性平版印刷版を水平
に搬送しながら、ポンプで汲み上げた現像液をスプレー
ノズルから吹き付けて現像処理するものである。また、
最近は現像液が満たされた現像処理槽中に液中ガイドロ
ールなどによって感光性平版印刷版を浸漬搬送させて現
像処理する方法も知られている。
【0004】しかしながら、これらのアルカリ金属珪酸
塩からなる現像液・補充液は、自動現像機などを用いて
現像処理する場合は、液のpHは高pHの一定領域に保
たれているが、廃液となって排出されると、ある場合は
空気中の炭酸ガスで、またある場合はpH低下操作によ
りゲル化してしまい廃液回収に支障を来したり、現像液
が水洗工程などに流出してpHが下がった場合などにも
部分的なゲルを生じカス状物が発生してスプレーパイプ
を詰まらせるなどの不都合は否めなかった。
【0005】一方、従来の珪酸塩を主成分とする現像液
において、そのアルカリ強度を高めると高い処理能力を
得ることができるが、現像安定性に欠けることが知られ
ている。
【0006】また、特願平5−71589号明細書に
は、以上の先行技術を改善するために、水酸基を4以上
有する糖アルコールに5モル以上のエチレンオキシドを
付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加化合物
が、現像液・現像補充液への添加剤として開示されてい
る。しかし一般に感光性平版印刷版用の現像液は、輸送
の問題などから3〜10倍に濃縮されて市販されてお
り、これも濃縮の点で限界があった。
【0007】一方、ケイ酸塩は上述のポジ型感光性平版
印刷版だけでなく、特公昭56−14970号公報記載
のo−キノンジアジド感光層を用いた反転型ネガ型感光
性平版印刷版や、アルカリ可溶性ジアゾニウム塩を感光
層に用いたネガ型感光性平版印刷版の現像液およびジメ
チルマレイミド基を側鎖に含む樹脂を光架橋剤とする感
光層を用いたネガ型感光性平版印刷版の現像液としても
使用できるが、特に近年、省スペースや省資源および省
力化の目的でネガ型とポジ型の感光性平版印刷版を一台
の自動現像機で共通処理することが行われている。しか
し、ポジ型感光性平版印刷版のために高い処理能力を得
ようとしてアルカリ強度を高めると、ネガ型感光性平版
印刷版の現像性が著しく低下し共通処理ができなくなる
という問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、液のpHが変動してもゲル化あるいは固化してしま
うことなく長期間にわたり現像安定性、現像処理能力に
優れ、特に自動現像機を使用するのに適した感光性平版
印刷版用の現像液および現像補充液を提供することであ
る。本発明の他の目的は、濃縮液の保存安定性に優れた
感光性平版印刷版用の現像液および現像補充液を提供す
ることである。本発明の別の目的は、ネガ型およびポジ
型の感光性平版印刷版を共通処理するのに適した現像液
および現像補充液を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討を重ねた結果、感光性平版印刷版
(以後「PS版」とも称す)用の現像液および/または
現像補充液(総称して現像液と呼ぶ)に、(1) 下記一般
式(A)もしくは(B)で示される化合物、(2) フェノ
ール類、糖類、オキシム類及びフッ素化アルコール類か
ら選ばれる少なくとも1種のpH11.5〜13.5に
おいて緩衝作用を有する化合物、及び(3) 第3リン酸ナ
トリウム、第3リン酸カリウム、第3リン酸アンモニウ
ム、第二リン酸ナトリウム、第二リン酸カリウム、第二
リン酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、
炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリ
ウム、炭酸水素アンモウム、ほう酸ナトリウム、ほう酸
カリウム、ほう酸アンモニウム、水酸化ナトリウム、水
酸化アンモニウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、
モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミ
ン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルア
ミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパ
ノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピ
リジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テト
ラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルア
ンモニウムヒドロキシド、およびテトラブチルアンモニ
ウムヒドロキシドから選ばれる少なくとも1種のアルカ
リ剤を添加し、pHを11.5〜13.5とすることに
よって、上記課題が解決されることを見い出し本発明を
成すに至ったものである。
【0010】
【化2】
【0011】式中、R1〜R10は、それぞれ独立に、炭
素原子数1〜12のアルキル基、環状アルキル基、ヒド
ロキシアルキル基、無置換もしくはアルキル置換のベン
ジル基、または置換もしくは無置換のフェニル基を示
し、Z1〜Z3はN+、P+、又はB-を示し、Z1〜Z3
+又はP+の場合X1〜X3はアニオンを示し、またZ1
〜Z3がB-の場合X1〜X3はカチオンを示し、nは1〜
5の整数を示す。
【0012】また、前記X1〜X3がハロゲンイオン(例
えば塩素イオン、臭素イオン)または水酸イオンである
場合、現像安定性がより向上し、好ましい。更には、前
記一般式(A)中のR1〜R4の炭素数の和が4〜24で
ある場合、現像安定性がより向上し、好ましい。また、
前記一般式(B)中のR5〜R10の炭素数の和が6〜4
8である場合、現像安定性がより向上し、好ましい。
【0013】以下、本発明を詳細に説明する。前記一般
式(A)もしくは(B)で示される化合物において、R
1〜R10は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜12、好
ましくは1〜8のアルキル基(例えばメチル基、エチル
基、n−プロピル基、n−ブチル基)、環状アルキル基
(例えばシクロヘキシル基、3−メチルシクロヘキシル
基)、ヒドロキシアルキル基(例えばヒドロキシメチル
基、ヒドロキシエチル基)、無置換もしくはアルキル置
換のベンジル基(例えばベンジル基、イソプロピルベン
ジル基)、または置換もしくは無置換のフェニル基(例
えば2−メトキシフェニル基、3,5−ジクロロフェニ
ル基)を示し、Z1〜Z3はN+、P+、又はB-を示し、
1〜Z3がN+又はP+の場合X1〜X3はアニオンを示
し、例えばハロゲンイオン、水酸イオン、硝酸イオン、
硫酸イオン、リン酸イオン、PF5 -又はBF4 -などが挙
げられ、またZ1〜Z3がB-の場合X1〜X3はカチオン
を示し、例えばLi+、Na+、K+又はNH4 +が挙げら
れ、nは1〜5、好ましくは1〜3の整数を示す。
【0014】X1〜X3としては現像安定性などの面から
ハロゲンイオン(例えば塩素イオン、臭素イオン)また
は水酸イオンが好ましい。
【0015】前記一般式(A)もしくは(B)で示され
る化合物の具体例としては、以下の化合物が挙げられ
る。 (1) テトラブチルアンモニウムブロマイド (2) テトラブチルアンモニウムクロライド (3) テトラブチルアンモニウムヒドロキシド (4) トリエチルベンジルアンモニウムクロライド (5) トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド (6) テトラメチルアンモニウムクロライド (7) テトラメチルアンモニウムブロマイド (8) テトラメチルアンモニウムヒドロキシド (9) テトラエチルアンモニウムクロライド (10) テトラエチルアンモニウムブロマイド (11) テトラエチルアンモニウムヒドロキシド (12) テトラプロピルアンモニウムクロライド (13) テトラプロピルアンモニウムブロマイド (14) テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド (15) トリブチルベンジルアンモニウムクロライド (16) トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド (17) オクチルジメチルアンモニウムクロライド (18) オクチルジメチルアンモニウムヒドロキシド (19) テトラフェニルホスホニウムヨーダイド (20) テトラフェニルホスホニウムブロマイド (21) テトラフェニルホスホニウムクロライド (22) テトラフェニルホスホニウム硫酸塩 (23) テトラフェニルホスホニウム硝酸塩 (24) テトラフェニルホウ素ナトリウム (25) テトラn−ブチルホスホニウムヨーダイド (26) テトラn−ブチルホスホニウムブロマイド (27) テトラn−ブチルホスホニウムクロライド (28) テトラn−ブチルホスホニウム硫酸塩 (29) テトラn−ブチルホスホニウム硝酸塩 (30) テトラブチルアンモニウム硫酸塩 (31) テトラブチルアンモニウム硝酸塩 (32) エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド (33) ベンジルトリフェニルホスホニウムクロライド (34) テトラブチルホスホニウムリン酸塩 (35) ブチルトリフェニルホスホニウムブロマイド (36) テトラトリルホスホニウムブロマイド (37) トリエチルベンジルアンモニウムブロマイド (38) トリエチルベンジルアンモニウムヨーダイド (39) オクチルジメチルベンジルアンモニウムクロラ
イド (40) オクチルジメチルベンジルアンモニウムブロマ
イド (41) ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロラ
イド (42) ラウリルジメチルベンジルアンモニウムブロマ
イド (43) 1,2−ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン
ブロマイド
【0016】本発明の前記一般式(A)もしくは(B)
で示される化合物は市販品として入手可能である。ま
た、前記一般式(A)もしくは(B)で示される化合物
の使用量は、現像液および補充液1リットル当たり0.00
5g以上であることが好ましく、更に好ましくは0.0
1g/リットル以上である。4級アンモニウム化合物の使用
量を増加させると、現像液および補充液の安定性は増加
する。従って、4級アンモニウム化合物の上限は、現像
液もしくは補充液に溶解する限り特に限定されるもので
はないが、好ましくは10重量%以下である。
【0017】本発明の現像液、補充液いずれの場合にお
いても、そのpH値としては11.5〜13.5が好ま
しく、より好ましくは現像液でpH12.0〜13.
2、補充液でpH12.5〜13.5である。pH値が
11.5未満の場合、現像性は著しく悪化してしまうの
に対し、pHが13.5を超えるとPS版のアルミニウ
ム支持体や自動現像機部品などに対する腐食性が著しく
なってしまうため好ましくない。
【0018】本発明の現像液および補充液にはアルカリ
剤が用いられる。その例として、第3リン酸ナトリウ
ム、同カリウム、同アンモニウム、第二リン酸ナトリウ
ム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同
カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カ
リウム、同アンモウム、ほう酸ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウ
ム、同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ剤
が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルア
ミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジ
イソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブ
チルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミ
ン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチ
レンジアミン、ピリジン、テトラメチルアンモニウムヒ
ドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、
テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチ
ルアンモニウムヒドロキシド、などの有機アルカリ剤も
用いられる。これらのアルカリ剤は二種以上を組み合わ
せて併用できる。
【0019】本発明の現像液および補充液には、前記一
般式(A)もしくは(B)で示される化合物とともに、
フェノール類、糖類、オキシム類およびフッ素化アルコ
ール類から選ばれる少なくとも1種のpH11.5〜1
3.5において緩衝作用を有する化合物が用いられる。
【0020】本発明に用いられる現像安定化剤は、特に
5×10-14〜1×10-11の酸解離定数を持つ化合物で
あり、これを0.01モル/リットル以上、特に0.03〜1
モル/リットル添加することにより現像処理されるPS版の感
度を安定に得ることができる。なおここでいう酸解離定
数は第1のもの第2のもの第3のもの等いずれかが5×
10-14〜1×10-11にある化合物であることを意味す
る。添加量が0.01モル/リットル未満では現像安定化効果
は不十分となり、1モル/リットルを超えると、感光層の溶解
性を悪化させる場合があるため好ましくない。
【0021】次に、本発明の現像安定化剤として用いら
れる、糖類(特に下記一般式(I)または(II)で表さ
れるもの)、オキシム類(特に下記一般式(III) で表さ
れるもの)、フェノール類(特に下記一般式(IV)で表
されるもの)、およびフッ素化アルコール類(特に下記
一般式(V)で表されるもの)について説明する。一般
式(I)または(II)で表される糖類とは次に示すもの
である。
【0022】
【化3】
【0023】X1、X2、X3は、例えば、水素原子、水
酸基、アミノ基、ハロゲン原子、アシロキシ基、アルコ
キシ基、アシルアミノ基又はホスホリルオキシ基であ
る。R11、R12は、各々、水素原子、アルキル基(例え
ばメチル基)、置換アルキル基(例えばヒドロキシメチ
ル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、アセトキシメチ
ル基、ベンゾイルオキシメチル基、メトキシメチル、ベ
ンジルオキシメチルなど)または、カルボキシル基を表
す。Yは水素原子、アシル基、アルコキシカルボニル
基、カルバモイル基またはアルキル基を表す。さらにX
1、X2、X3、R11、R12、ならびにYで表現される置
換基が水酸基もしくは水酸基含有基の場合、いずれか二
つの水酸基間のエーテル結合形成により、または更にア
セトンやベンズアルデヒドなどのカルボニル化合物を加
えてアセタール化により、5員または6員環を形成して
も良い。一般式(I)または(II)のYが、更に他の
(I)または(II)のX1、X2、X3、R11、R12なら
びにYで表現される水酸基と(n−1)個のグルコキシ
ド結合を形成することにより、完成されるn個の(I)
または(II)のユニットからなる小糖類を形成しても良
い。ここでnは2から6までの整数を表す。
【0024】R11、R12として好ましいものは、水素原
子、ヒドロキシメチル基、1,2−ジヒドロキシエチル
基またはカルボキシル基で、更に好ましくは水素原子、
ヒドロキシメチル基または1,2−ジヒドロキシエチル
基である。Yとして好ましいものは水素原子である。
【0025】一般式(I)または(II)で表される糖類
の具体例としては次の化合物を挙げることが出来る。 I−1 D−エリセロース(D−Erythrose)* I−2 D−スレオース(D−Threose)* I−3 D−アラビノース(D−Arabinose) I−4 D−リボース(D−Ribose) I−5 D−キシロース(D−Xylose) I−6 D−エリスロ−ペンテュロース(D−Eryth
ro-Pentulose)* I−7 D−アルロース(D−Allose) I−8 D−ガラクトース(D−Galactose) I−9 D−グルコース(D−Glucose) I−10 D−マンノース(D−Mannose) I−11 D−タロース(D−Talose) I−12 β−D−フラクトース(β−D−Fructose) I−13 α−L−ソルボース(α−L−Sorbose) I−14 6−デオキシ−D−グルコース(6−deoxy
−D−Glucose) I−15 D−グリセロ−D−ガラクト−へプトース
(D−glycero-D-galacto-Heptose) I−16 α−D−アルロ−ヘプチュロース(α−D−
allo-Heptulose) I−17 β−D−アルトロ−3−へプチュロース(β
−D−altro-3-Heptulose ) I−18 サツカロース(Sucrose) I−19 ラクトース(Lactose) I−20 D−マルトース(D−Maltose) I−21 ソルマルトース(Isomaltose ) I−22 イヌロビオース(Inulobiose)* I−23 ヒアルビオウロン(Hyalbiouronic acid) I−24 マルトトリオース(Maltotriose)
【0026】
【化4】
【0027】*を付した化合物は、一般式(II)に属す
るものである。これらの化合物は、大部分市販されてお
り容易に入手可能である。市販されていないものは、
(1)「大有機化学第3巻、脂肪族化合物II」小竹無二
雄監修、朝倉書店、1957年発行または、(2)「Th
e Carbonhydrates, Chemistry and Biochemistry」 2nd
Ed IA(1972)、および IIA(1970)、W.Pibgm
anおよびD.Horton監修、Academic Pressを参照すれば容
易に合成できる。一般式(III)で表されるオキシム類
は次のものである。
【0028】
【化5】
【0029】R13、R14は水素原子、アルキル基(置換
基を有してもよい)、アリール基(置換基を有してもよ
い)、アシル基または複素環を表す。R13とR14が互い
に結合して5または6員の環(特にシクロアルキル環)
を形成してもよい。
【0030】アルキル基としては、炭素数1〜18のも
ので直鎖、分岐およびシクロアルキル基を含む。置換基
としては例えばヒドロキシ基、カルボキシル基、アルコ
キシ基、ハロゲン原子、スルホ基、スルファモイル基、
カルバモイル基、スルホニルアミノ基、アシルアミノ
基、シアノ基、または、アシロキシ基などがあげられ
る。アリール基としては例えばフェニル基、ナフチル基
であり、置換基としては例えばアルキル基の置換基とし
てあげたものがあげられる。複素環としては例えばチア
ゾール、オキサゾール、イミダゾール、トリアゾール、
テトラゾール、チアジアゾール、オキサジアゾール、テ
トラヒドロフラン、モルホリン、ピリジン、ピペリジ
ン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾール、またはベ
ンズイミダゾールなどがあげられる。一般式(III)で
示される、化合物の具体例としては次のものがある。
【0031】
【化6】
【0032】
【化7】
【0033】これらの化合物は市販品として、または
「Organic Functional Group Preparations 第3巻」Pa
ge 365 Ed. by S.R.Sandler and W.Karo, Academic Pre
ss(1972)に記載されている方法で合成することにより
容易に入手できる。次に一般式(IV)のフェノール類に
ついて説明する。
【0034】
【化8】
【0035】ここでR15、R16、R17、R18は同じかま
たは異なっていて水素原子、アミノ基、カルボン酸基、
スルホン酸基、炭素数1〜4のアルキル基(置換基を有
していてもよい)、アルコキシ基(置換基を有していて
もよい)を表す。置換基としては、一般式(III)のR
13およびR14のアルキル基またはアリール基の置換基と
同様のものがあげられる。一般式(IV)で示される化合
物の具体例としては次のものがある。
【0036】
【化9】
【0037】これらの化合物の多くは市販されており、
他の化合物も公知で容易に合成できる。次に一般式
(V)のフッ素化アルコールについて説明する。
【0038】
【化10】
【0039】式中、Rは水素原子、置換または無置換の
アルキル基、置換または無置換のシクロアルキル基、置
換または無置換のアリール基を表し;nは1または2を
表し;Jはnが1の場合には水素原子、フッ素原子、置
換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシク
ロアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換ま
たは無置換のアラルキル基を表し、nが2の場合には置
換または無置換のアルキレン基、置換または無置換のシ
クロアルキレン基、置換または無置換のアリーレン基、
置換または無置換のアラルキレン基を表わす。
【0040】一般式(V)で表される化合物のうち好ま
しいものにおいては、Rは水素原子、フッ素置換アルキ
ル基、カルボン酸基またはアルキルカルボン酸基を表
し、nは1または2を表し、Jはnが1の場合には水素
原子、フッ素置換のアルキル基を表し、nが2の場合に
はフッ素置換アルキレン基を表す。これら好ましい化合
物のうち、炭素原子数が水酸基、カルボン酸基、スルホ
ン酸基などの親水性基1個あたり6個以下であるものが
処理液に対して充分な溶解度を有する点で好ましい。一
般式(V)で表される化合物の具体例を次に示す。
【0041】
【化11】
【0042】これらの化合物の多くは市販されており、
他の化合物も公知で容易に合成できる。
【0043】一般式(I)〜(V)の化合物の中でも、
好ましいものは一般式(I)または(II)の糖類、一般
式(IV)のフェノール類であり、さらに好ましくは一般
式(I)もしくは(II)のうちのサッカロースなどの非
還元糖または、一般式(IV)のスルホサリチル酸であ
る。本発明においてアルカリ現像液および/または補充
液に以上の現像安定化剤を添加する場合、酸性物質は種
々のアルカリ化合物と予め反応させた塩の形で添加して
もよい。
【0044】以上のようにして得られる現像液および補
充液には、現像性の促進や現像カスの分散および印刷版
画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々の
界面活性剤や有機溶剤を添加できる。
【0045】界面活性剤の好ましい例としては、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリ
スチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪
酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、
ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレ
ングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸部分
エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分
エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部
分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル
類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシ
エチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン
脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、
N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリ
オキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン
脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどの非
イオン性界面活性剤;脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、
ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン
酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖ア
ルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼ
ンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩
類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルス
ルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェ
ニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリン
ナトリウム塩、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二
ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂
肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫
酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル
硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル
塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫
酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニル
エーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩
類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステ
ル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル
リン酸エステル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合
物の部分鹸化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合
物の部分鹸化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン
縮合物類などのアニオン界面活性剤;アルキルアミン塩
類、第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアル
キルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体などの
カチオン性界面活性剤;カルボキシベタイン類、アミノ
カルボン酸類、スルホベタイン類、アミノ硫酸エステル
類、イミダゾリン類などの両性界面活性剤が挙げられ
る。以上挙げた界面活性剤の中でポリオキシエチレンと
あるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレ
ン、ポリオキシブチレンなどのポリオキシアルキレンに
読み替えることもでき、それらの界面活性剤もまた包含
される。
【0046】更に好ましい界面活性剤は分子内にパーフ
ルオロアルキル基を含有するフッ素系の界面活性剤であ
る。かかるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロ
アルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン
酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニ
オン型、パーフルオロアルキルベタインなどの両性型、
パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などの
力チオン型およびパーフルオロアルキルアミンオキサイ
ド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パ
ーフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、
パーフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマ
ー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基
含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性
基含有ウレタンなどの非イオン型のものが挙げられる。
上記の界面活性剤は、単独もしくは2種以上を組み合わ
せて使用することができる。現像液および補充液中に
0.001〜10%、より好ましくは0.01〜5%の
範囲で添加される。
【0047】本発明の現像液および補充液には場合によ
り有機溶剤を添加することができる。有機溶剤として
は、水に対する溶解度が約10%以下のものが適してお
り、好ましくは5%以下のものから選ばれる。例えば、
1−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、3
−フェニル−1−プロパノール、4−フェニル−1−ブ
タノール、4−フェニル−2−ブタノール、2−フェニ
ル−1−ブタノール、2−フェノキシエタノール、2−
ベンジルオキシエタノール、o−メトキシベンジルアル
コール、m−メトキシベンジルアルコール、p−メトキ
シベンジルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘ
キサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチ
ルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノー
ル、N−フェニルエタノールアミンおよびN−フェニル
ジエタノールアミンなどを挙げるとができる。有機溶剤
の含有量は使用液の総重量に対して0.1〜5%であ
る。その使用量は界面活性剤の使用量と密接な関係があ
り、有機溶剤の量が増すにつれ、界面活性剤の量は増加
させることが好ましい。これは界面活性剤の量が少な
く、有機溶剤の量を多く用いると有機溶剤が完全に溶解
せず、従って、良好な現像性の確保が期待できなくなる
からである。
【0048】本発明の現像液および補充液には、更に必
要に応じて、消泡剤および硬水軟化剤などを含有させる
こともできる。硬水軟化剤としては例えば、ポリリン酸
およびそのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウ
ム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリア
ミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、
ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロ
トリ酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸
および1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸
などのアミノポリカルボン酸およびそれらのナトリウム
塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、アミノトリ(メ
チレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレ
ンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレ
ンホスホン酸)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチ
レンホスホン酸)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン
トリ(メチレンホスホン酸)および1−ヒドロキシエタ
ン−1,1−ジホスホン酸やそれらのナトリウム塩、カ
リウム塩およびアンモニウム塩を挙げることができる。
【0049】このような硬水軟化剤はそのキレート化力
と使用される硬水の硬度および硬水の量によって最適値
が変化するが、一般的な使用量を示せば、使用時の現像
液にに対して0.01〜5%、より好ましくは0.01
〜0.5%の範囲である。添加量が0.01%未満では
所期の目的が十分に達成されず、添加量が5%を超える
と色抜けなど、画像部への悪影響がでてくる。
【0050】本発明の現像液および補充液の残余の成分
は水であるが、更に必要に応じて当業界で知られた種々
の添加剤を含有させることができる。例えば、特開昭5
8−75152号公報記載のNaCl,KCl,KBr
などの中性塩、特開昭58−121336号公報記載の
〔Co(NH36〕Cl3 などの錯体、特開昭55−2
5100号公報記載の周期律表第IIa族、第III a族ま
たはIII b族の元素のイオン化可能な化合物、米国特許
第4,374,920号公報記載のテトラメチルデシン
ジオール、特開昭60−213943号公報記載の非イ
オン性界面活性剤、特開昭55−95946号公報記載
のp−ジメチルアミノメチルポリスチレンのメチルクロ
ライド4級化合物などのカチオニックポリマー、特開昭
56−142528号公報記載のビニルベンジルトリメ
チルアンモニウムクロライドとアクリル酸ソーダの共重
合体などの両性高分子電解質、特開昭57−19295
2号公報記載のアルカリ可溶性メルカプト化合物または
チオエーテル化合物、特開昭58−59444号公報記
載の塩化リチウムなどの無機リチウム化合物、特公昭5
0−34442号公報記載の安息香酸リチウムなどの有
機リチウム化合物、特開昭59−75255号公報記載
のSi,Tiなどを含む有機金属界面活性剤、特開昭5
9−84241号公報記載の有機ほう素化合物、特開昭
63−226657号公報記載のデヒドロ酢酸ナトリウ
ムなどの殺菌剤などが挙げられる。本発明の現像液およ
び補充液は使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液
としておき、使用時に水で希釈するようにしておくこと
が運搬上有利である。この場合の濃縮度は各成分が分離
や析出を起こさない程度が適当である。また、特開平5
−142786号公報記載のように固形化して用いると
さらに運搬上有利に用いることもできる。
【0051】本発明の現像液および補充液が好適に用い
られるPS版としてはo−キノンジアジド化合物を感光
剤として含有するポジ型(場合により反転してネガ型と
しても用いられる)感光層を有するPS版や各種光硬化
型感光層を有するネガ型のPS版が挙げられる。特に本
発明の現像液および補充液は、ポジ型とネガ型のPS版
を共通処理する場合において、ネガ型PS版で十分な現
像速度が得られる点で特に適している。
【0052】以下に本発明の現像液及び補充液が好まし
く適用できるPS版について詳しく述べる。 (支持体)本発明の現像液及び補充液が適用されるPS
版の支持体は、寸度的に安定な板状物である。かかる支
持体としては、アルミニウム板などの金属板において本
発明の効果が著しく発揮される。好適なアルミニウム板
は、純アルミニウム板およびアルミニウムを主成分と
し、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウ
ムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィル
ムでもよい。用いられるアルミニウム板の厚みは、およ
そ0.1mm〜0.6mm程度である。まず、アルミニウム
板の表面は、所望により脱脂処理された後、粗面化処理
される。その方法としては、機械的に粗面化する方法、
電気化学的に表面を溶解粗面化する方法および化学的に
表面を選択溶解させる方法がある。機械的方法として
は、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バ
フ研磨法などと称せられる公知の方法を用いることが出
来る。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸または
硝酸電解液中で交流または直流により行う方法がある。
また、特開昭54−63902号公報に開示されている
ように両者を組み合わせた方法も利用することが出来
る。
【0053】このように粗面化されたアルミニウム板
は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理
された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高める
ために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極
酸化処理に用いられる電解質としては多孔質酸化皮膜を
形成するものならばいかなるものでも使用することがで
き、一般には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそ
れらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解
質の種類によって適宜決められる。陽極酸化皮膜の量は
1.0g/m2以上が好適であるが、より好ましくは2.
0〜6.0g/m2の範囲である。陽極酸化処理を施され
た後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施さ
れる。親水化処理としては、米国特許第2,714,0
66号、第3,181,461号、第3,280,73
4号および第3,902,734号に開示されているよ
うなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム
水溶液)法がある。この方法に於いては、支持体がケイ
酸ナトリウム水溶液中で浸漬処理されるかまたは電解処
理される。他に、特公昭36−22063号公報に開示
されている弗化ジルコン酸カリウムおよび米国特許第
3,276,868号、第4,153,461号および
第4,689,272号に開示されているようなポリビ
ニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。
【0054】アルミニウム板は、感光層を塗設する前に
必要に応じて有機下塗層もしくは中間層が設けられる。
この有機下塗層に用いられる有機化合物としては例え
ば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラ
ビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基
を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニル
ホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン
酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸および
エチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を
有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキ
ルリン酸およびグリセロリン酸などの有機リン酸、置換
基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホス
フィン酸、アルキルホスフィン酸およびグリセロホスフ
ィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニ
ンなどのアミノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩
酸塩などのヒドロキシル基を有するアミンの塩酸塩など
から選ばれるが、二種以上混合して用いてもよい。前記
下塗層塗布溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水
酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの
酸性物質によりpHを調節し、pH1〜12の範囲で使
用することもできる。また、感光性平版印刷版の調子再
現性改良のために黄色染料を添加することもできる。有
機下塗層の乾燥後の被覆量は、2〜200mg/m2が適当
である。なお支持体と感光層との密着性を高めるための
中間層を設けてもよい。密着性の向上のためには、一般
に中間層は、ジアゾ樹脂や、例えばアルミニウムに吸着
するリン酸化合物等からなっている。
【0055】(バックコート層)本発明の現像液および
補充液はアルカリ強度が比較的高いので、裏面からの酸
化アルミニウムの溶出を抑えるためにバックコート層を
有するPS版が好ましく用いられる。このようなバック
コート層としては、例えば特開平5−45885号、特
開平5−210235号および特開平6−35174号
に詳しく記載されているものを用いることができる。
【0056】(感光層)このようにして得られた親水性
表面を有するアルミニウム板上に、公知の感光性組成物
よりなる感光層を設けて、感光性平版印刷版を得る。感
光性組成物としては、o−キノンジアジド化合物を主成
分とするポジ型、ジアゾニウム塩、アルカリ可溶性ジア
ゾニウム塩、不飽和二重結合含有モノマーを主成分とす
る光重合性化合物および桂皮酸やジメチルマレイミド基
を含む光架橋性化合物などを感光物とするネガ型のもの
が用いられる。
【0057】(ポジ型感光層)このうちポジ型の感光性
組成物として用いられるo−ナフトキノンジアジド化合
物としては、特公昭43−28403号公報に記載され
ている1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸とピロガ
ロール・アセトン樹脂とのエステルが好ましい。その他
の好適なオルトキノンジアジド化合物としては例えば、
米国特許第3,046,120号および同第3,18
8,210号明細書に記載されている1,2−ジアゾナ
フトキノン−5−スルホン酸とフェノール−ホルムアル
デヒド樹脂とのエステルがあり、特開平2−96163
号公報、特開平2−96165号公報および特開平2−
96761号公報に記載されている1,2−ジアゾナフ
トキノン−4−スルホン酸とフェノール−ホルムアルデ
ヒド樹脂とのエステルがある。その他の有用なo−ナフ
トキノンジアジド化合物としては、数多くの特許等で公
知のものが挙げられる。例えば、特開昭47−5303
号、同48−63802号、同48−63803号、同
48−96575号、同49−38701号、同48−
13854号、特公昭37−18015号、同41−1
1222号、同45−9610号、同49−17481
号公報、米国特許第2,797,213号、同第3,4
54,400号、同第3,544,323号、同第3,
573,917号、同第3,674,495号、同第
3,785,825号、英国特許第1,227,602
号、同第1,251,345号、同第1,267,00
5号、同第1,329,888号、同第1,330,9
32号、ドイツ特許第854,890号などの各明細書
中に記載されているものを挙げることができる。さらに
特に好ましい、o−ナフトキノンジアジド化合物は、分
子量1,000以下のポリヒドロキシ化合物と1,2−
ジアゾナフトキノンスルホン酸との反応により得られる
化合物である。このような化合物の具体例は、特開昭5
1−139402号、同58−150948号、同58
−203434号、同59−165053号、同60−
121445号、同60−134235号、同60−1
63043号、同61−118744号、同62−10
645号、同62−10646号、同62−15395
0号、同62−178562号、同64−76047
号、米国特許第3,102,809号、同第3,12
6,281号、同第3,130,047号、同第3,1
48,983号、同第3,184,310号、同第3,
188,210号、同第4,639,406号などの各
公報または明細書に記載されているものを挙げることが
できる。感光性組成物中に占めるこれらのポジ型に作用
する感光性化合物(上記のような組み合わせを含む)の
量は10〜50%が適当であり、より好ましくは15〜
40%である。
【0058】o−キノンジアジド化合物は単独でも感光
層を構成することができるが、アルカリ水に可溶な樹脂
を結合剤(バインダー)として併用することが好まし
い。この様なアルカリ水に可溶な樹脂としては、ノボラ
ック型の樹脂があり、例えばフェノールホルムアルデヒ
ド樹脂、o−、m−およびp−クレゾールホルムアルデ
ヒド樹脂、m/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹
脂、フェノール/クレゾル(o−、m−、p−、m/p
−およびo/m−混合のいずれでもよい)混合ホルムア
ルデヒド樹脂などが挙げられる。また、フェノール変性
キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリハロゲン
化ヒドロキシスチレン、特開昭51−34711号公報
に開示されているようなフェノール性水酸基を含有する
アクリル系樹脂も用いることができる。その他の好適な
バインダーとしては、特開平6−35184号公報に記
載されているような種々のモノマーを構成単位とする通
常1万〜20万の分子量を持つ共重合体を挙げることが
できる。上記共重合体にはアクリル酸、メタクリル酸、
無水マレイン酸、イタコン酸などの不飽和カルボン酸類
を含有することが好ましく、その共重合体の好ましい酸
価は0〜10meq/g、より好ましくは0.2〜5.0m
eq/gである。上記共重合体の好ましい分子量は1万〜
10万である。また、上記共重合体には必要に応じて、
ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリア
ミド樹脂およびエポキシ樹脂を添加してもよい。このよ
うなアルカリ可溶性の高分子化合物は1種類あるいは2
種類以上組み合わせることができ、全感光性組成物の8
0%以下の添加量で用いられる。更に、米国特許第4,
123,279号明細書に記載されているように、t−
ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂、オクチルフェ
ノールホルムアルデヒド樹脂のような炭素数3〜8のア
ルキル基を置換基として有するフェノールとホルムアル
デヒドとの縮合物を併用することは画像の感脂性を向上
させる上で好ましい。
【0059】さらにポジ型感光性組成物中には、感度を
高めるために環状酸無水物類、フェノール類、有機酸類
を添加することが好ましい。環状酸無水物としては米国
特許第4,115,128号明細書に記載されているも
のなどが使用できる。フェノール類としては、ビスフェ
ノールA、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノ
ール、2,4,4′−トリヒドロキシベンゾフェノン、
2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒド
ロキシベンゾフェノン、4,4′,4″−トリヒドロキ
シ−トリフェニルメタン、4,4′,3″,4″−テト
ラヒドロキシ−3,5,3′,5′−テトラメチルトリ
フェニルメタンなどが挙げられる。更に、有機酸類とし
ては、特開昭60−88942号、特開平2−9675
5号公報などに記載されいてる各種酸類などがある。上
記の環状酸無水物類、フェノール類および有機酸類の感
光性組成物中に占める割合は、0.05〜15%が好ま
しく、より好ましくは0.1〜5%である。
【0060】また、上記感光性組成物中には、現像条件
に対する処理の安定性(いわゆる現像ラチチュード)を
広げるため、特開昭62−251740号公報に記載さ
れているような非イオン界面活性剤、特開昭59−12
1044号公報、特開平4−13149号公報に記載さ
れているような両性界面活性剤を添加することができ
る。上記非イオン界面活性剤および両性界面活性剤の感
光性組成物中に占める割合は、0.05〜15%が好ま
しく、より好ましくは0.1〜5%である。上記ポジ型
感光性組成物中には、露光後直ちに可視像を得るための
焼き出し剤や、画像着色剤としての染料や顔料を加える
ことができる。焼き出し剤としては、露光によって酸を
放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成し得る有機染
料の組合せを代表として挙げることができる。具体的に
は、特開昭50−36209号、同53−8128号の
各公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4
−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組合せ
や、特開昭53−36223号、同54−74728
号、同60−3626号、同61−143748号、同
61−151644号および同63−58440号の各
公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性
有機染料の組合せを挙げることができる。かかるトリハ
ロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物とトリ
アジン系化合物とがあり、どちらも経時安定性に優れ、
明瞭な焼き出し画像を与える。画像の着色剤としては、
前述の塩形成性有機染料以外に他の染料を用いることが
できる。塩形成性有機染料も含めて、好適な染料として
油溶性染料と塩基性染料を挙げることができる。具体的
には、特開平6−35184号公報に記載されているも
のを用いることができる。また、特開昭62−2932
47号公報に記載されている染料は特に好ましい。
【0061】(ネガ型感光層)次に本発明の現像液及び
補充液が好ましく適用されるネガ型のPS版の感光性組
成物としては、感光性ジアゾ化合物を含む感光層、光重
合性感光層、光架橋性感光層などを有するものが挙げら
れるが、このうち感光性ジアゾ化合物を含む光硬化性感
光性複写材料および光架橋性感光層を有する感光性複写
材料について説明する。感光性ジアゾ化合物としては、
芳香族ジアゾニウム塩と反応性カルボニル基含有有機縮
合剤、特にホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどの
アルデヒド類またはアセタール類とを酸性媒体中で縮合
したジアゾ樹脂が好適に用いられる。その最も代表的な
ものにp−ジアゾフェニルアミンとホルムアルデヒドと
の縮合物がある。これらのジアゾ樹脂の合成法は、例え
ば、米国特許第2,679,498号、同第3,05
0,502号、同第3,311,605号および同第
3,277,074号の明細書に記載されている。更
に、特公昭49−48,001号公報、特開平4−18
559号、同4−l90361号および同4−1723
54号、特開平3−2846号、同3−5754号、同
3−240061号、同3−253857号、同4−1
72354号、同4−211253号、同4−2197
59号、同4−274429号、同5−5984号公報
に記載されている感光性ジアゾ化合物なども用いられ
る。これらのジアゾニウム塩の好適な対アニオンとし
て、特公昭47−1167号、米国特許第3,300,
309号公報、特開昭54−98613号、同56−1
21031号公報、特開昭58−209733号、同6
2−175731号、同63−262643号公報など
に挙げられているものを用いた、ジアゾニウム塩を使用
することができる。感光性ジアゾ化合物は感光層中に5
〜50%、好ましくは8〜20%の範囲で含有させられ
る。
【0062】上記感光性ジアゾ化合物は、アルカリ水に
可溶性もしくは膨潤性の親油性高分子化合物を結合剤
(バインダー)として併用することが好ましい。この様
な親油性高分子化合物としては、先に述べたポジ型感光
性組成物で用いたのと同様のモノマーをその構成単位と
する通常1万〜20万の分子量を持つ共重合体を挙げる
とができるが、更に以下に示したモノマーを構成単位と
して共重合した高分子化合物も使用できる。マレイミ
ド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルア
クリルアミド、N−プロピオニルアクリルアミド、N−
(p−クロロベンゾイル)アクリルアミド、N−アセチ
ルアクリルアミド、N−アクリロイルメタクリルアミ
ド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニル
メタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタ
クリルアミドなどの不飽和イミド、N−〔2−(アクリ
ロイルオキシ)−エチル〕−2,3−ジメチルマレイミ
ド、N−〔2−(メタクリロイルオキシ)−エチル〕−
2,3−ジメチルマレイミド、ビニルシンナメートなど
の側鎖に架橋性基を有する不飽和モノマー。更に、上記
モノマーと共重合し得るモノマーを共重合させてもよ
い。また、上記モノマーの共重合によって得られる共重
合体を例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレートなどによって修飾したものも含まれるがこ
れらに限られるものではない。上記共重合体には、アク
リル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸な
どの不飽和カルボン酸を含有することが好ましく、その
共重合体の好ましい酸価は0〜10meq/g、より好ま
しくは0.2〜5.0meq/gである。上記共重合体の
好ましい分子量は1万〜10万である。また、上記共重
合体には必要に応じて、ポリビニルブチラール樹脂、ポ
リウレタン樹脂、ポリアミド樹脂およびエポキシ樹脂を
添加してもよい。また、ノボラック型の樹脂、フェノー
ル変性キシレン樹脂、ポリヒドロキシスチレン、ポリハ
ロゲン化ヒドロキシスチレン、特開昭51−34711
号公報に開示されているようなフェノール性水酸基を含
有するアルカリ可溶性樹脂も用いることができる。この
ようなアルカリ可溶性の高分子化合物は1種類あるいは
2種類以上組み合わせることができ、全感光性組成物の
固形分中に通常40〜95%の範囲で含有させられる。
【0063】次に光架橋性感光層に用いる光架橋性ポリ
マーとしては、マレイミド基やシンナミル基、シンナモ
イル基、シンナミリデン基、シンナミリデンアセチル基
やカルコン基等を側鎖又は主鎖に有するポリマーが挙げ
られる。マレイミド基を側鎖に有するポリマーとして、
特開昭52−988号(対応米国特許4,079,04
1号)や、独国特許2,626,769号明細書、ヨー
ロッパ特許21,019号明細書、ヨーロッパ特許3,
552号明細書やディー・アンゲバンドゥテ・マクロモ
レクラーレ・ケミー(Die Angewandte Makromolekulare
Chemie )115(1983)の162〜182ページ
に記載されているマレイミド基を側鎖に有するポリマー
や、特開昭49−128991号、同49−12899
2号、同49−128993号、同50−5376号、
同50−5377号、同50−5379号、同50−5
378号、同50−5380号、同53−5298号、
同53−5299号、同53−5300号、同50−5
0197号、同51−47940号、同52−1390
7号、同50−45076号、同52−121700
号、同50−10884号、同50−45087号、独
国特許第2,349,948号、同第2,616,27
6号各公報に記載されているマレイミド基を側鎖に有す
るポリマー等を挙げることが出来る。これらのポリマー
の平均分子量は1000以上、好ましくは3〜4万であ
る。また、これらのポリマーは1分子当り平均2個以上
のマレイミド基を側鎖に有する。
【0064】これらのマレイミド基を側鎖に有するポリ
マーを、アルカリ水に可溶性又は膨潤性とするために
は、酸基をポリマー中に含めればよい。酸基の具体例と
しては、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、ホスホン酸
及びこれらのアルカリ金属塩やアンモニウム塩、及びア
ルカリ水に対し解難するpKa が6〜12の酸基で、具体
的には、−SO2NHCO−、−CONHCO−、−S
2NHCOO−、4−ヒドロキシフェニル基が挙げら
れる。これらの酸基を有するモノマーと、マレイミド基
を有するモノマーとを、例えば10/90〜50/5
0、好ましくは、20/80〜40/60(モル比)の
割合で共重合させることによって上記ポリマーが容易に
得られる。酸基を有するマレイミドポリマーの酸価は3
0〜300の範囲が好ましく、更に好ましくは、50〜
200である。なお、上記共重合しうる酸基を有するモ
ノマーとして好ましいものは、アクリル酸、メタクリル
酸等のカルボキシル基を有するビニルモノマー、マレイ
ン酸無水物、イタコン酸無水物等が例示される。これら
の酸基を有するポリマーの中でも、ディー・アンゲバン
ドゥテ・マクロモレクラーレ・ケミー(Die Angewandte
Makromolekulare Chemie )128(1984)の71
〜91ページに記載されているような共重合体が有用で
ある。また米国特許第3030208号に記載されてい
る感光性ポリエステルなどもある。これらのポリマーを
アルカリ水可溶化した物としては、特開昭60−191
244号、特開昭62−175729号、特開昭62−
175730号、特開昭63−25443号、特開昭6
3−218944号、特開昭63−218945号に記
載されているものを用いることが出来る。なお、本発明
で用いる光架橋性ポリマーとしては、分子量1000以
上、好ましくは1万〜50万、特に好ましくは2万〜3
0万のものを用いるのが望ましい。上記光架橋性ポリマ
ーの感光層全組成物に対する添加量は10〜99%、好
ましくは、50〜99%である。
【0065】光架橋性ポリマーよりなる感光層には、支
持体との接着性を向上させるために感光性ジアゾ樹脂を
含有させておくことが好ましい。このような感光性ジア
ゾ樹脂としては、前述のジアゾ樹脂が使用できる。この
ジアゾ樹脂を感光層中に含有させる場合の含有量は、
0.1〜30%、好ましくは1〜10%である。なお、
上記ジアゾ樹脂の他に、特公昭47−1167号、特開
昭50−118802号、特公昭52−7364号及び
特開昭59−222834号などに記載されているよう
なジアゾ樹脂を、前述のジアゾ樹脂に対して50%以下
の量で併用してもよい。本発明で使用するネガ型感光層
には、特開平6−35184号公報に記載されているよ
うな、増感剤、感脂化剤、可塑剤、焼出し剤および画像
着色剤などを使用することが好ましい。また、現像性を
高めるために環状酸無水物類、フェノール類、有機酸類
および高級アルコールを添加することができる。本発明
における感光性組成物は、上記各成分を溶解する溶媒に
溶かして支持体のアルミニウム板上に塗布される。ここ
で使用される溶媒としては、特開昭62−251739
号公報に記載されているような有機溶剤が単独あるいは
混合して用いられる。上記感光性組成物は、2〜50%
の固形分濃度で溶解、分散され、支持体上に塗布・乾燥
される。支持体上に塗設される感光性組成物の層(感光
層)の塗布量は用途により異なるが、一般的には、乾燥
後の重量にして0.3〜4.0g/m2が好ましい。上記
感光性組成物中には、塗布面質を向上するための界面活
性剤、例えば、特開昭62−170950号公報に記載
されているようなフッ素系界面活性剤を添加することが
できる。好ましい添加量は、全感光性組成物の0.00
1〜1.0%であり、更に好ましくは0.005〜0.
5%である。
【0066】(マット層)上記のようにして設けられた
感光層の表面には、真空焼き枠を用いた密着露光の際の
真空引きの時間を短縮し、且つ焼きボケを防ぐため、マ
ット層が設けられる。具体的には、特開昭50−125
805号、特公昭57−6582号、同61−2898
6号、特公昭62−62337号の各公報に記載されて
いるような方法などが挙げられるが、水溶性、アルカリ
水現像液可溶性のマット層を有するPS版がより好まし
い。
【0067】(現像処理)かくして得られたPS版は透
明原画を通してカーボンアーク灯、水銀灯、メタルハラ
イドランプ、キセノンランプ、タングステンランプなど
を光源とする活性光線により露光された後、現像処理さ
れる。本発明の現像液および補充液は自動現像機を用い
る現像処理方法において使用するのが特に有利であり、
現像液の活性度の低下を補充液で保証する方法が好まし
い。補充方式としては公知の技術が用いられる。例え
ば、特開昭55−115039号公報記載のPS版の処
理および経時による現像性の劣化を連続または間欠的に
補充する方法、特開昭58−95349号公報記載の現
像ゾーンの途中で感光層の溶出度をセンサーで検出し、
溶出度の低下に応じて補充液を補充する方法、特開平1
−21451号、同1−180548号記載の測定した
現像液のインピーダンス値をコンピューター処理し、検
出された現像液の劣化に応じて補充する方法などが好適
に用いられる。このようにして現像処理されたPS版は
水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガ
ムや澱粉誘導体等を含む不感脂化液で後処理される。ま
たさらに、これらの処理を種々組み合わせて用いること
もできる。近年、製版・印刷業界では製版作業の合理化
および標準化のため、PS版用の自動現像機が広く用い
られている。この自動現像機は、一般に現像部と後処理
部からなり、PS版を搬送する装置と、各処理液槽およ
びスプレー装置からなり、露光済みのPS版を水平に搬
送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノ
ズルから吹き付けて現像処理するものである。また、最
近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロール
などによってPS版を浸漬搬送させて処理する方法も知
られている。このような自動処理においては、各処理液
に処理量や稼働時間等に応じて各補充液を補充しながら
処理することができる。また、本発明の現像液は実質的
に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式
にも適用できる。このような処理によって得られた平版
印刷版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に
用いられる。
【0068】
【実施例】以下実施例をもって本発明を詳細に説明す
る。 実施例 厚さ0.30mmのアルミニウム板の表面をナイロンブラ
シと400メッシュのパミストンの水懸濁液を用いその
表面を砂目立てした後、よく水で洗浄した。10%水酸
化ナトリウムに70℃で60秒間浸漬してエッチングし
た後、流水で水洗後20%HNO3で中和洗浄、水洗し
た。これをVA=12.7Vの条件下で正弦波の交番波
形電流を用いて1%硝酸水溶液中で160クーロン/d
m2の陽極時電気量で電解粗面化処理を行った。その表面
粗さを測定したところ0.6μm(Ra表示)であっ
た。ひきつづいて30%のH2SO4水溶液中に浸漬し5
5℃で2分間デスマットした後、20%H2SO4水溶液
中で、砂目立てした面に陰極を配置して、電流密度2A
/dm2において厚さが2.7g/m2相当になるように陽
極酸化し、基板を作製した。続いて、上記の基板の表面
に下記感光液Iまたは感光液IIを塗布し、乾燥後の塗布
重量が2.5g/m2となるように感光層を設けた。
【0069】 感光液I 1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリドと ピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物(米国特 許第3,635,709号明細書の実施例1に記載され ているもの) 45重量部 クレゾールホルムアルデヒドノボラック樹脂 110重量部 2−(p−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロ ロメチル)−s−トリアジン 2重量部 オイルブルー#603(オリエント化学工業(株)製) 1重量部 メガフアックF−177(大日本インキ化学工業(株)製 フッ素系界面活性剤) 0.4重量部 メチルエチルケトン 1000重量部 プロピレングリコールモノメチルエーテル 1000重量部 感光液II 感光液Iのクレゾールホルムアルデヒドノボラック樹脂
を、フェノールノボラック樹脂に変更した感光液
【0070】このようにして作製した感光層の表面に下
記の様にしてマット層形成用樹脂液を吹き付けてマット
層を設けたPS版を得た。マット層形成用樹脂液として
メチルメタクリレート/エチルアクリレート/アクリル
酸(仕込重量比65:20:15)共重合体の一部をナ
トリウム塩とした12%水溶液を準備し、回転霧化静電
塗布機で霧化頭回転数25,000rpm、樹脂液の送液量
は40ml/分、霧化頭への印加電圧は−90kV、塗布
時の周囲温度は25℃、相対湿度は50%とし、塗布後
2.5秒で塗布面に蒸気を吹き付けて湿潤させ、ついで
湿潤した3秒後に温度60℃、湿度10%の温風を5秒
間吹き付けて乾燥させた。このようにして得られたPS
版に、原稿フィルムを通して1mの距離から3kWのメ
タルハライドランプを用いて、60秒間露光した。
【0071】本発明の効果を確認するための方法を以下
に示す。現像液は、浸漬型現像槽を有する市販の自動現
像機PS−900NP(富士写真フイルム(株)製)の
現像槽に22リットル仕込んだ。別に、現像補充液原液供給
タンクには現像補充液を5リットル入れた。この様な条件の
下で、前述の露光済みのPS版を自動補充を行いながら
現像処理し、1日当たり50版づつ、1週間処理した。
1週間のテストの間中、発泡のため現像槽が汚れること
もなく、また、スプレー管の目詰まりなどもなく、安定
した処理が維持された。その後、ステップタブレット
(1段の光学濃度差が0.15で15段のもの)を焼き
付けた画像の現像によって残ったステップ段数のベタ部
(画像残存部)の段数を強制的に高感度側に変動するよ
うに補充液を一定量過剰補充させて、その変動段数を現
像液・補充液組み合わせ毎に比較した。比較のための過
剰補充基準として、以下に示す現像液Aおよび現像補充
液Gからそれぞれ4級アンモニウム塩を除いた現像液A
N及び現像補充液GNの組み合わせで現像したPS版
が、ステップ段数のベタ部(画像残存部)の段数で2.
0段変動する条件で揃えた。
【0072】以下に現像液A〜D及び現像補充液E〜H
を示した。
【0073】現像液A スルホサリチル酸(0.15モル/リットル)にトリエチルベ
ンジルアンモニウムヒドロキシド(0.2g/リットル)を
加え、KOHでpHを13.0にした現像液。(使用P
S版;感光液I) 現像液B サッカロース(0.15モル/リットル)にテトラブチルアン
モニウムヒドロキシド(0.2g/リットル)を加え、KO
HでpHを13.0にした現像液。(使用PS版;感光
液I) 現像液C スルホサリチル酸(0.15モル/リットル)にテトラブチル
アンモニウムブロマイド(0.2g/リットル)を加え、K
OHでpHを12.5にした現像液。(使用PS版;感
光液II) 現像液D 炭酸ナトリウム25.0g/リットルに、テトラブチルアン
モニウムヒドロキシド(0.2g/リットル)を加え、KO
HでpHを12.5にした現像液。(使用PS版;感光
液II)
【0074】現像補充液E スルホサリチル酸(0.15モル/リットル)にトリエチルベ
ンジルアンモニウムヒドロキシド(0.8g/リットル)を
加え、KOHでpHを13.4にした現像補充液。(現
像性テスト時にはpHを13.0を維持) 現像補充液F サッカロース(0.15モル/リットル)にテトラブチルアン
モニウムヒドロキシド(0.8g/リットル)を加え、KO
HでpHを13.4にした現像補充液。(現像性テスト
時にはpHを13.0を維持) 現像補充液G スルホサリチル酸(0.15モル/リットル)にテトラブチル
アンモニウムブロマイド(0.8g/リットル)を加え、K
OHでpHを13.4にした現像補充液。(現像性テス
ト時にはpHを12.5を維持) 現像補充液H 炭酸ナトリウム25.0g/リットルに、テトラブチルアン
モニウムヒドロキシド(0.8g/リットル)を加え、KO
HでpHを13.4にした現像補充液。(現像性テスト
時にはpHを12.5を維持)
【0075】比較例 実施例で用いた現像液A〜D・現像補充液E〜Hで4級
アンモニウム塩を添加しないものを用いて、実施例と同
じテストを行なった。
【0076】現像液Aの4級アンモニウム塩なしの現像
液をANとし、以下実施例に対応する現像液の4級アン
モニウム塩なしをBN〜DN、補充現像液の4級アンモ
ニウム塩なしをEN〜HNとした。以上のテスト結果
を、表Aにまとめた。
【0077】
【表1】
【0078】
【表2】
【0079】表Aの結果から、本発明の4級アンモニウ
ム塩を添加した現像液・補充液は感度の変動段数が、こ
れらを添加しない比較例の現像液・補充液に比べ、少な
くなっていることが判る。
【0080】さらに、4級アンモニウム塩の添加によ
り、ステップ段数の階調が硬調化するという効果も大き
いことが示された。
【0081】
【発明の効果】本発明の現像液及び現像補充液は、現像
安定性、保存安定性、現像処理能力にすぐれ、発泡性が
低く、ポジ型及びネガ型PS版を共通に処理することが
できる。さらに、4級アンモニウム塩の添加により、ス
テップ段数の階調が硬調化(画像残存部と非画像部の段
数の差が小さい)するという効果も大きいことが示され
た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1) 下記一般式(A)もしくは(B)で
    示される化合物、(2) フェノール類、糖類、オキシム類
    及びフッ素化アルコール類から選ばれる少なくとも1種
    のpH11.5〜13.5において緩衝作用を有する化
    合物、及び(3) 第3リン酸ナトリウム、第3リン酸カリ
    ウム、第3リン酸アンモニウム、第二リン酸ナトリウ
    ム、第二リン酸カリウム、第二リン酸アンモニウム、炭
    酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸
    水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモウ
    ム、ほう酸ナトリウム、ほう酸カリウム、ほう酸アンモ
    ニウム、水酸化ナトリウム、水酸化アンモニウム、水酸
    化カリウム、水酸化リチウム、モノメチルアミン、ジメ
    チルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジ
    エチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルア
    ミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミ
    ン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタ
    ノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパ
    ノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイ
    ミン、エチレンジアミン、ピリジン、テトラメチルアン
    モニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒド
    ロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、
    およびテトラブチルアンモニウムヒドロキシドから選ば
    れる少なくとも1種のアルカリ剤を含み、pHが11.
    5〜13.5であることを特徴とする感光性平版印刷版
    用現像液。 【化1】 式中、R1〜R10は、それぞれ独立に、炭素原子数1〜
    12のアルキル基、環状アルキル基、ヒドロキシアルキ
    ル基、無置換もしくはアルキル置換のベンジル基、また
    は置換もしくは無置換のフェニル基を示し、Z1〜Z3
    +、P+、又はB-を示し、Z1〜Z3がN+又はP+の場
    合X1〜X3はアニオンを示し、またZ1〜Z3がB-の場
    合X1〜X3はカチオンを示し、nは1〜5の整数を示
    す。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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