JPH096014A - 感光性平版印刷版の処理方法 - Google Patents

感光性平版印刷版の処理方法

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JPH096014A
JPH096014A JP29963595A JP29963595A JPH096014A JP H096014 A JPH096014 A JP H096014A JP 29963595 A JP29963595 A JP 29963595A JP 29963595 A JP29963595 A JP 29963595A JP H096014 A JPH096014 A JP H096014A
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acid
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photosensitive
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plate
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JP29963595A
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Tadao Toyama
忠夫 登山
Haruo Nakanishi
治雄 中西
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 比較的pHの低い安全な現像液で現像がで
き、現像性と画像強度(耐刷性および耐薬品性)の両立
が可能であり、また不溶化物が発生し難いことから、自
動現像機を利用する処理に適した感光性平版印刷版の処
理方法を提供する。 【解決手段】 (a) 1分子中に芳香族基を3つ以上有す
る成分の含有量が90重量%以上で、重量平均分子量が
10,000以上のフェノール・ホルムアルデヒド樹
脂、及び(b) 重量平均分子量2,000以上の、ポリヒ
ドロキシ化合物のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸
エステルを含有する感光層を有する感光性平版印刷版
を、糖類、オキシム類、フェノール類及びフッ素化アル
コール類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合
物を含有し、液のpH値が10.0〜12.7の範囲である
現像液で現像することを特徴とする感光性平版印刷版の
処理方法;感光層がさらに環状酸無水物を含有すること
を特徴とする上記感光性平版印刷版の処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は感光性平版印刷版の
処理方法に関し、詳しくは比較的pHが低い現像液が使
用でき、不溶化物が発生し難く、且つ良好な現像性と画
像強度を達成する感光性平版印刷版の処理方法に関する
ものである。
【0002】
【従来技術およびその問題点】従来より、広く使用され
ているポジ型感光性平版印刷版は支持体としてのアルミ
ニウム板上にo−キノンジアジド化合物からなる感光層
を設けたものである。o−キノンジアジド化合物は紫外
線露光によりカルボン酸に変化することが知られてお
り、従って、これをアルカリ水溶液で現像すると当該感
光層の露光部のみが除去されて支持体表面が露出する。
アルミニウム支持体の表面は親水性なので現像で支持体
の表面が露出された部分(非画像部)は水を保持して油
性インキを反発する。一方、現像によって感光層が除去
されなかった領域(画像部)は、親油性なので水を反発
し、インキを受けつける。これらのポジ型感光性平版印
刷版の感光層には、上記のo−キノンジアジド化合物の
結合剤(以下バインダーと称す)として通常はクレゾー
ルノボラック樹脂が用いられてきた。そのため、現像液
としては、クレゾールノボラック樹脂を溶解可能なpH
13前後の強アルカリ性の珪酸塩を用いることが一般的
であった。かかるポジ型感光性平版印刷版の現像液とし
て使用されるアルカリ水溶液は、種々のものが知られて
いるが、最も好ましいのは珪酸ナトリウム、珪酸カリウ
ム等の珪酸塩水溶液である。その理由は珪酸塩の成分で
ある酸化珪素SiO2 とアルカリ金属酸化物M2 Oの比
率(一般に[SiO2 ]/[M2 O]のモル比で表す)
と濃度によってある程度現像性の調節が可能とされるた
めである。しかし、この様な高pHの現像液は皮膚や粘
膜へ付着した場合の刺激性が強く、取扱いには十分な注
意を必要とした。
【0003】この問題点を解決すべく、ポジ型感光性平
版印刷版用の現像液のpHを下げるための種々検討がな
されてきたが、現在のところpH12.5以下で現像でき
るポジ型PS版およびその現像液は市場には見あたらな
い。その主な理由として、感光層の現像性と画像強度の
両立の難しさが挙げられる。即ち、pH12.5以下で現
像できるような感光層の未露光部(画像部)は物理的に
脆弱であり、印刷中の摩耗が早く十分な耐刷力が得られ
ていない。また、その画像部は化学的にも弱く、印刷中
にインキ洗浄溶剤やプレートクリーナー等で拭いた部分
の画像がダメージを受け、その結果、十分な耐刷力(以
下、耐薬品性と称す)が得られていない。他方、特開昭
60−143345号公報、特開昭61−107352
号公報、特開昭62−133452号公報、特開昭62
−133461号公報および特公平3−15176号公
報には画像部の物理的、化学的強度の向上に関して種々
のo−キノンジアジド化合物やバインダーが記載されて
いるが、これら記載の感光層は何れもpH13前後で現
像可能なものばかりである。
【0004】更に、特開昭61−205933号公報に
は、耐刷性を向上させる目的でo−キノンジアジド化合
物と重量平均分子量が6.0×103 〜2.0×104 であ
るノボラック樹脂からなる感光性組成物が開示されてい
る。しかしながら、該ノボラック樹脂がクレゾールのよ
うな耐薬品性のあるモノマーが共縮合されていない通常
のフェノール・ホルムアルデヒド樹脂である場合、特に
親水性の下塗層が設けられた支持体上や親水性の珪酸塩
処理を施された支持体上では十分な耐薬品性を得ること
が出来なかっり、また、感光層に感度アップおよび現像
性向上のために現像促進剤である酸無水物等を添加した
場合も、十分な耐薬品性を得ることが出来ない等の欠点
を有していた。
【0005】一方、近年、製版・印刷業界では製版作業
の合理化および標準化のため、感光性平版印刷版用の自
動現像機が広く用いられている。この自動現像機は、一
般に感光性平版印刷版を搬送する装置と、現像液槽およ
びスプレー装置からなり、露光済みの感光性平版印刷版
を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた現像液をス
プレーノズルから吹き付けて現像処理するものである。
また、最近は現像液が満たされた現像処理槽中に液中ガ
イドロールなどによって感光性平版印刷版を浸漬搬送さ
せて現像処理する方法も知られている。かかる自動現像
機を用いて、ポジ型感光性平版印刷版を現像する場合
に、現像液としてSiO2 /Na2 Oのモル比が1.0〜
1.5(即ち[SiO2 ]/[Na 2 O]が1.0〜1.5)
であって、SiO2 の含有量が1〜4重量%のケイ酸ナ
トリウムの水溶液を使用し、しかもポジ型感光性平版印
刷版の処理量に応じて連続的または断続的にSiO2
Na2 Oのモル比が0.5〜1.5(即ち[SiO2 ]/
[Na2 O]が0.5〜1.5)の珪酸ナトリウム水溶液
(補充液)を現像液に加えることによって、長時間タン
ク中の現像液を交換することなく、多量のポジ型感光性
平版印刷版を処理することができる旨、特開昭54−6
2004号公報に開示されている。また、特公昭57−
7427号公報は、[SiO2 ]/[M]が0.5〜0.7
5(即ち[SiO2 ]/[M2 O]が1.0〜1.5)であ
って、SiO2 濃度が1〜4重量%であるアルカリ金属
珪酸塩の現像液を用い、補充液として用いるアルカリ金
属珪酸塩の[SiO2 ]/[M]が0.25〜0.75(即
ち[SiO2 ]/[M2 O]が0.5〜1.5)であり、か
つ該現像液および該補充液のいずれもがその中に存在す
る全アルカリ金属のグラム原子を基準にして少なくとも
20%のカリウムを含有していることからなる現像方法
を開示している。
【0006】しかしながら、現像液の主成分である珪酸
塩は、アルカリ性領域では安定であるが、中性ではゲル
化、不溶化し、また蒸発乾固するとフッ化水素酸のよう
な強烈な酸にしか溶けなくなる欠点を持っている。実
際、自動現像機の現像槽周辺の液はねによる固化物の汚
れや、現像廃液を廃棄する際の中和による不溶化物の析
出などがその実害として挙げられる。特開昭58−95
349号公報には、感光性プレートの非画像部の感光層
の溶出度合いを電気的に測定するセンサーを設け、溶出
度合いが所定のレベルに低下した時に現像補充液が補充
される方法が開示されている。現像液が珪酸塩系の場
合、このセンサーに珪酸塩の不溶化物が堆積して検出感
度を落とすため正常な補充ができず、処理の安定性が著
しく低下する問題があった。この問題点を解決するた
め、珪酸塩以外のアルカリ剤をポジ型感光性平版印刷版
用現像液に用いる試みがなされ、燐酸三ナトリウムや、
水酸化ナトリウムと燐酸三ナトリウムを組み合わせた強
アルカリが現像液として評価されたが、何れも緩衝作用
が弱く、安定した現像ができなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、皮膚や粘膜への刺激性が比較的低く、安全性を高め
た現像液を用い、且つ十分な画像強度(耐刷性および耐
薬品性)を得ることのできる感光性平版印刷版の処理方
法を提供することである。更に本発明の目的は、不溶化
物が発生し難く、自動現像機の洗浄性に適した感光性平
版印刷版の処理方法を提供することである。本発明の目
的はまた、珪酸塩を用いない現像安定性の高い感光性平
版印刷版の処理方法を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成すべく鋭意検討を重ねた結果、1分子中に芳香族基
を3つ以上有する成分の含有量が90重量%以上で、重
量平均分子量が10,000以上の特定のフェノール・
ホルムアルデヒド樹脂と、重量平均分子量2,000以
上の、ポリヒドロキシ化合物のo−ナフトキノンジアジ
ドスルホン酸エステルを含有する感光層を有する感光性
平版印刷版を、糖類、オキシム類、フェノール類及びフ
ッ素化アルコール類から選ばれる少なくとも1種の化合
物を含有し、液のpH値が10.0〜12.7の範囲である
現像液で現像することにより、十分な画像強度(耐刷性
および耐薬品性)が得られ、不溶化物が発生し難く、且
つ高い現像安定性が発揮されることを見出し本発明を完
成させるに至った。即ち本発明は、(a) 1分子中に芳香
族基を3つ以上有する成分の含有量が90重量%以上
で、重量平均分子量が10,000以上のフェノール・
ホルムアルデヒド樹脂および(b) 重量平均分子量2,0
00以上の、ポリヒドロキシ化合物のo−ナフトキノン
ジアジドスルホン酸エステルを含有する感光層を有する
感光性平版印刷版を、糖類、オキシム類、フェノール類
及びフッ素化アルコール類からなる群から選ばれる少な
くとも1種の化合物を含有し、液のpH値が10.0〜1
2.7の範囲である現像液で現像することを特徴とする感
光性平版印刷版の処理方法である。本発明はまた、感光
層がさらに現像促進剤として環状酸無水物を含有するこ
とを特徴とする上記感光性平版印刷版の処理方法に関す
る。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の感光性平版印刷版
(以後PS版と称す)の処理方法に使用するPS版につ
いて詳しく述べる。
【感光性組成物】本発明で使用するPS版における感光
性組成物の主成分はo−キノンジアジド化合物と高分子
バインダーからなる。 [バインダー]本発明で使用するPS版を特徴付ける高
分子バインダーは、1分子中に芳香族基を3つ以上有す
る成分の含有量が90重量%以上で、重量平均分子量が
10,000以上のノボラック型フェノール・ホルムア
ルデヒド樹脂である。以下、本明細書中では上記の1分
子中に芳香族基を3つ以上有する成分を3核体以上の成
分と称する。ここで、重量平均分子量はゲルパーミエー
ションクロマトグラフィー(GPC)のポリスチレン換
算値をもって定義される。かかるフェノール・ホルムア
ルデヒド樹脂はフェノールとホルムアルデヒドもしくは
パラホルムアルデヒド等のアルデヒド類とを酸性触媒を
用いて縮合することにより合成される。特に本発明に用
いられる重量平均分子量が10,000以上のフェノー
ル・ホルムアルデヒド樹脂を得るにはフェノール1モル
に対して0.7〜0.9モルのアルデヒド類を用いることが
好ましい。アルデヒド類が0.7モル以下では十分な分子
量が得られず、また0.9モルを越えるとゲル化物が生成
し易くなり好ましくない。縮合反応に用いる酸性触媒と
しては塩酸、硫酸、蟻酸、酢酸および蓚酸等を使用する
ことができ、中でも蓚酸が好ましい。
【0010】かくして得られたフェノール・ホルムアル
デヒド樹脂が2核体以下の成分を10重量%以上含む場
合は低分子量成分を、例えば分別沈澱、分別溶解、カラ
ムクロマトグラフィー等の方法により除去し2核体以下
の成分を10重量%以下にする必要がある。2核体以下
の成分を10重量%以上含むフェノール・ホルムアルデ
ヒド樹脂は溶解性が高く、十分な耐薬品性が得られな
い。また、重量平均分子量10,000未満のフェノー
ル・ホルムアルデヒド樹脂でも十分な画像強度が得られ
ず、本発明の目的を達成できない。特に、感光層に後述
の感度アップおよび現像性向上のために酸無水物等を添
加した場合、後述の支持体の表面処理として親水性の珪
酸塩処理がなされている場合、更に該支持体上に種々下
塗層が設けられている場合も、2核体以下を10重量%
以上含むかあるいは重量平均分子量が10,000未満
のフェノール・ホルムアルデヒド樹脂では同様に十分な
画像強度が得られない。また、従来のポジ型感光性平版
印刷版のバインダーに用いられてきたクレゾール・ホル
ムアルデヒド樹脂ではpH12.5以下の現像液では現像
できず、本発明の目的を達しない。感光性組成物全量中
に占める分子量10、000以上の該フェノール・ホル
ムアルデヒド樹脂の量は30〜90重量%が適当であ
り、より好ましくは40〜70重量%である。
【0011】本発明で使用するPS版の感光性組成物は
場合により、他のノボラック以外のアルカリ可溶性樹脂
を併用することが出来る。かかるアルカリ可溶性樹脂と
しては、pH12.5のアルカリ水に可溶で[ここで、p
H12.5のアルカリ水に可溶な樹脂とは、水酸化ナトリ
ウム0.11モルおよび塩化カリウム0.4モルを水に溶解
して1リットルにした水溶液(pH12.5のアルカリ水
溶液)1リットルを準備し、これに30.0gの樹脂を加
え攪拌し、30分間で溶解するような樹脂を言う]、且
つ重量平均分子量が10,000〜100,000であ
り、以下に示す(1)〜(4)のアルカリ可溶性基含有
モノマーから選ばれる少なくとも一つ以上を重合成分と
して有する皮膜形成性樹脂が好ましい。
【0012】(1)N−(4−ヒドロキシフェニル)ア
クリルアミドまたはN−(4−ヒドロキシフェニル)メ
タクリルアミド、o−、m−またはp−ヒドロキシスチ
レン、o−またはm−ブロモ−p−ヒドロキシスチレ
ン、o−またはm−クロル−p−ヒドロキシスチレン、
o−、m−またはp−ヒドロキシフェニルアクリレート
またはメタクリレート等の芳香族水酸基を有するアクリ
ルアミド類、メタクリルアミド類、アクリル酸エステル
類、メタクリル酸エステル類およびヒドロキシスチレン
類、(2)アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無
水マレイン酸およびそのハーフエステル、イタコン酸、
無水イタコン酸およびそのハーフエステルなどの不飽和
カルボン酸、
【0013】(3)N−(o−アミノスルホニルフェニ
ル)アクリルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェ
ニル)アクリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフ
ェニル)アクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスル
ホニル)ナフチル〕アクリルアミド、N−(2−アミノ
スルホニルエチル)アクリルアミドなどのアクリルアミ
ド類、N−(o−アミノスルホニルフェニル)メタクリ
ルアミド、N−(m−アミノスルホニルフェニル)メタ
クリルアミド、N−(p−アミノスルホニルフェニル)
メタクリルアミド、N−〔1−(3−アミノスルホニ
ル)ナフチル〕メタクリルアミド、N−(2−アミノス
ルホニルエチル)メタクリルアミドなどのメタクリルア
ミド類、また、o−アミノスルホニルフェニルアクリレ
ート、m−アミノスルホニルフェニルアクリレート、p
−アミノスルホニルフェニルアクリレート、1−(3−
アミノスルホニルフェニルナフチル)アクリレートなど
のアクリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、
o−アミノスルホニルフェニルメタクリレート、m−ア
ミノスルホニルフェニルメタクリレート、p−アミノス
ルホニルフェニルメタクリレート、1−(3−アミノス
ルホニルフェニルナフチル)メタクリレートなどのメタ
クリル酸エステル類などの不飽和スルホンアミド、
【0014】(4)トシルアクリルアミドのように置換
基があってもよいフェニルスルホニルアクリルアミド、
およびトシルメタクリルアミドのような置換基があって
もよいフェニルスルホニルメタクリルアミド。更に、こ
れらのアルカリ可溶性基含有モノマーの他に以下に記す
(5)〜(14)のモノマーを共重合した皮膜形成性樹
脂が好適に用いられる。(5)脂肪族水酸基を有するア
クリル酸エステル類およびメタクリル酸エステル類、例
えば、2−ヒドロキシエチルアクリレートまたは2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート、(6)アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル
酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、ア
クリル酸シクロヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリ
ル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−
クロロエチル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル、グリ
シジルアクリレート、N−ジメチルアミノエチルアクリ
レートなどの(置換)アクリル酸エステル、(7)メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プ
ロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メ
タクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メ
タクリル酸オクチル、メタクリル酸フェニル、メタクリ
ル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、メタ
クリル酸4−ヒドロキシブチル、グリシジルメタクリレ
ート、N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの
(置換)メタクリル酸エステル、
【0015】(8)アクリルアミド、メタクリルアミ
ド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチ
ルメタクリルアミド、N−ヘキシルアクリルアミド、N
−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアク
リルアミド、N−シクロヘキシルメタクリルアミド、N
−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエ
チルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N
−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルアクリルア
ミド、N−ベンジルメタクリルアミド、N−ニトロフェ
ニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルメタクリルア
ミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミドおよび
N−エチル−N−フェニルメタクリルアミドなどのアク
リルアミドもしくはメタクリルアミド、(9)エチルビ
ニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒド
ロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテ
ル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、
フェニルビニルエーテルなどのビニルエーテル類、
【0016】(10)ビニルアセテート、ビニルクロロ
アセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニルなどの
ビニルエステル類、(11)スチレン、α−メチルスチ
レン、メチルスチレン、クロロメチルスチレンなどのス
チレン類、(12)メチルビニルケトン、エチルビニル
ケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン
などのビニルケトン類、(13)エチレン、プロピレ
ン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレンなどのオレ
フィン類、(14)N−ビニルピロリドン、N−ビニル
カルバゾール、4−ビニルピリジン、アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリルなど。このようなアルカリ可溶
性の皮膜形成性樹脂は1種類あるいは2種類以上を組み
合わせて用いることができ、全感光性組成物の1〜50
重量%の添加量で用いられる。また、上記共重合体の他
に、ポリビニルブチラール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポ
リアミド樹脂およびエポキシ樹脂等も用いられる。
【0017】[o−キノンジアジド化合物]本発明で使
用するPS版において、感光性組成物のもう一方の主成
分であるo−ナフトキノンジアジド化合物は、分子量
2,000以上の、ポリヒドロキシ化合物のo−キノン
ジアジドスルホン酸エステルからなる。該ポリヒドロキ
シ化合物としてはピロガロール・アセトン樹脂、フェノ
ール−ホルムアルデヒド樹脂、クレゾールホルムアルデ
ヒド樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂およびハロゲン化ヒ
ドロキシスチレン樹脂などが挙げられる。本発明におい
ては、分子量が2,000以下の場合は十分な画像強度
が得られない。これらのポリヒドロキシ化合物からo−
ナフトキノンジアジド化合物を合成する際は、ポリヒド
ロキシ化合物のヒドロキシル基に対して1,2−ジアゾ
ナフトキノンスルホン酸クロリドを0.2〜1.2当量反応
させることが好ましく、0.3〜1.0当量反応させること
が更に好ましい。1,2−ジアゾナフトキノンスルホン
酸クロリドとしては、1,2−ジアゾナフトキノン−5
−スルホン酸クロリドまたは、1,2−ジアゾナフトキ
ノン−4−スルホン酸クロリドを用いることができる。
また、得られるo−ナフトキノンジアジド化合物は、
1,2−ジアゾナフトキノンスルホン酸エステル基の位
置および導入量の種々異なるものの混合物となるが、ヒ
ドロキシル基の全てが1,2−ジアゾナフトキノンスル
ホン酸エステル化された化合物が、この混合物中に占め
る割合(完全にエステル化された化合物の含有率)は5
モル%以上であることが好ましく、更に好ましくは20
〜99モル%である。感光性組成物全量中に占めるこれ
らのo−キノンジアジド化合物の量は10〜50重量%
が適当であり、より好ましくは15〜40重量%であ
る。
【0018】本発明で使用するPS版の感光性組成物に
おいては、上述のo−キノンジアジド化合物の他に、分
子量2,000未満の、ポリヒドロキシ化合物と1,2
−ジアゾナフトキノンスルホン酸との反応により得られ
る化合物を本発明の効果が損なわれない範囲で併用でき
る。このようなo−キノンジアジド化合物の具体例は、
特開昭51−139402号、同58−150948
号、同58−203434号、同59−165053
号、同60−121445号、同60−134235
号、同60−163043号、同61−118744
号、同62−10645号、同62−10646号、同
62−153950号、同62−178562号、同6
4−76047号、米国特許第3,102,809号、
同第3,126,281号、同第3,130,047
号、同第3,148,983号、同第3,184,31
0号、同第3,188,210号、同第4,639,4
06号などの各公報または明細書に記載されているもの
を挙げることができる。この場合併用するo−キノンジ
アジド化合物の割合は、全o−キノンジアジド化合物に
たいして50重量%以下であることが好ましく、更に好
ましくは30重量%以下である。
【0019】[感脂化剤]更に、米国特許第4,12
3,279号明細書に記載されているように、t−ブチ
ルフェノールホルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノー
ルホルムアルデヒド樹脂のような炭素数3〜8のアルキ
ル基を置換基として有するフェノールとホルムアルデヒ
ドとの縮合物を併用することは画像の感脂性を向上させ
る上で好ましい。
【0020】[現像促進剤]本発明で使用するPS版の
感光性組成物中には、感度アップおよび現像性の向上の
ために環状酸無水物類、フェノール類および有機酸類を
添加することが好ましい。特に環状酸無水物類を使用す
ることが好ましい。環状酸無水物としては米国特許4,
115,128号明細書に記載されている無水フタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、3,6−エンドオキシ−△4 −テトラヒドロ無水
フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン
酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン
酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸などが使用でき
る。フェノール類としては、ビスフェノールA、p−ニ
トロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,
4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−ト
リヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフ
ェノン、4,4’,4”−トリヒドロキシ−トリフェニ
ルメタン、4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−
3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタン
などが挙げられる。
【0021】更に、有機酸類としては、特開昭60−8
8942号、特開平2−96755号公報などに記載さ
れている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫
酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類およびカルボン
酸類などがあり、具体的には、p−トルエンスルホン
酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフ
ィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホ
スフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息
香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、
3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル
酸、1,4−シクロヘキセン−2,2−ジカルボン酸、
エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビ
ン酸などが挙げられる。上記の環状酸無水物類、フェノ
ール類および有機酸類の感光性組成物中に占める割合
は、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.
1〜5重量%である。
【0022】[現像安定剤]また、本発明で使用するP
S版の感光性組成物中には、現像条件に対する処理の安
定性(いわゆる現像ラチチュード)を広げるため、特開
昭62−251740号公報や特開平4−68355号
公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開
昭59−121044号公報、特開平4−13149号
公報に記載されているような両性界面活性剤を添加する
ことができる。非イオン界面活性剤の具体例としては、
ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテ
ート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリ
セリド、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレート、
ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどが挙げ
られる。両性界面活性剤の具体例としては、アルキルジ
(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチル
グリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル
−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN
−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名
アモーゲンK、第一工業(株)製)およびアルキルイミ
ダゾリン系(例えば、商品名レボン15、三洋化成
(株)製)などが挙げられる。上記非イオン界面活性剤
および両性界面活性剤の感光性組成物中に占める割合
は、0.05〜15重量%が好ましく、より好ましくは0.
1〜5重量%である。
【0023】[焼き出し剤と染料]本発明で使用するP
S版の感光性組成物中には、露光後直ちに可視像を得る
ための焼き出し剤や、画像着色剤としての染料や顔料を
加えることができる。焼き出し剤としては、露光によっ
て酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成し得る
有機染料の組合せを代表として挙げることができる。具
体的には、特開昭50−36209号、同53−812
8号の各公報に記載されているo−ナフトキノンジアジ
ド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組
合せや、特開昭53−36223号、同54−7472
8号、同60−3626号、同61−143748号、
同61−151644号および同63−58440号の
各公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成
性有機染料の組合せを挙げることができる。かかるトリ
ハロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物とト
リアジン系化合物とがあり、どちらも経時安定性に優
れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
【0024】画像の着色剤としては、前述の塩形成性有
機染料以外に他の染料も用いることができる。塩形成性
有機染料も含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基
性染料を挙げることができる。具体的には、オイルイエ
ロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク
#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、
オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブ
ラックBS、オイルブラックT−505(以上、オリエ
ント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、ク
リスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイ
オレット(CI42535)、エチルバイオレット、ロ
ーダミンB(CI145170B)、マラカイトグリー
ン(CI42000)、メチレンブルー(CI5201
5)などを挙げることができる。また、特開昭62−2
93247号公報に記載されている染料は特に好まし
い。
【0025】
【塗布溶剤】本発明で使用するPS版における感光性組
成物は、上記各成分を溶解する溶媒に溶かして支持体の
アルミニウム板上に塗布される。ここで使用される溶媒
としては、特開昭61−95463号公報に記載されて
いるような有機溶剤が単独あるいは混合して用いられ
る。感光性組成物は、一般に2〜50重量%の固形分濃
度で溶解、分散され、支持体上に塗布・乾燥される。
【塗布量】支持体上に塗設される感光性組成物の層(感
光層)の塗布量は用途により異なるが、一般的には、乾
燥後の重量にして0.3〜4.0g/m2 が好ましい。塗布
量が小さくなるにつれて画像を得るための露光量は小さ
くて済むが、膜強度は低下する。塗布量が大きくなるに
つれ、露光量を必要とするが感光膜は強くなり、例え
ば、印刷版として用いた場合、印刷可能枚数の高い(高
耐刷の)印刷版が得られる。
【0026】
【塗布面質の向上】感光性組成物中には、塗布面質を向
上するための界面活性剤、例えば、特開昭62−170
950号公報に記載されているようなフッ素系界面活性
剤を添加することができる。好ましい添加量は、全感光
性組成物の0.001〜1.0重量%であり、更に好ましく
は0.005〜0.5重量%である。
【マット層】上記のようにして設けられた感光層の表面
には、真空焼き枠を用いた密着露光の際の真空引きの時
間を短縮し、且つ焼きボケを防ぐため、マット層を設け
ることが好ましい。具体的には、特開昭50−1258
05号、特公昭57−6582号、同61−28986
号の各公報に記載されているようなマット層を設ける方
法、特公昭62−62337号公報に記載されているよ
うな固体粉末を熱融着させる方法などが挙げられる。
【0027】
【支持体】本発明で使用するPS版における支持体は、
寸度的に安定な板状物である。かかる支持体としては、
紙、プラスチックス(例えば、ポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリスチレンなど)がラミネートされた紙、例
えば、アルミニウム(アルミニウム合金も含む)、亜
鉛、鉄、銅などの金属板などが用いられるが、特にアル
ミニウム板などの金属板において本発明の効果が著しく
発揮される。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム
板およびアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含
む合金板であり、更にアルミニウムがラミネ−トもしく
は蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニ
ウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガ
ン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッ
ケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高
々10重量%以下である。本発明に好適なアルミニウム
は、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウ
ムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を
含有するものでもよい。このように本発明に適用される
アルミニウム板は、その組成が特定されるものではな
く、従来より公知公用の素材のものを適宜利用すること
が出来る。本発明に用いられるアルミニウム板の厚み
は、およそ0.1mm〜0.6mm程度である。
【0028】アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所
望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活
性剤、有機溶剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂
処理が行われる。まず、アルミニウム板の表面は粗面化
処理されるが、その方法としては、機械的に粗面化する
方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法および化
学的に表面を選択溶解させる方法がある。機械的方法と
しては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨
法、バフ研磨法などと称せられる公知の方法を用いるこ
とが出来る。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸
または硝酸電解液中で交流または直流により行う方法が
ある。また、特開昭54−63902号公報に開示され
ているように両者を組み合わせた方法も利用することが
出来る。
【0029】このように粗面化されたアルミニウム板
は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理
された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高める
ために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極
酸化処理に用いられる電解質としては多孔質酸化皮膜を
形成するものならばいかなるものでも使用することがで
き、一般には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそ
れらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解
質の種類によって適宜決められる。陽極酸化の処理条件
は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得な
いが、一般的には電解質の濃度が1〜80重量%溶液、
液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2 、電圧
1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲にあれば適
当である。陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2 以上が好適
であるが、より好ましくは2.0〜6.0g/m2 の範囲で
ある。陽極酸化皮膜が1.0g/m2 より少ないと耐刷性
が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き
易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわ
ゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
【0030】陽極酸化処理を施された後、アルミニウム
表面は必要により親水化処理が施される。本発明に好適
に使用される親水化処理としては、米国特許第2,71
4,066号、第3,181,461号、第3,28
0,734号および第3,902,734号に開示され
ているようなアルカリ金属珪酸塩(例えば珪酸酸ナトリ
ウム水溶液)法がある。この方法に於いては、支持体が
珪酸酸ナトリウム水溶液中で浸漬処理されるかまたは電
解処理される。他に、特公昭36−22063号公報に
開示されている弗化ジルコン酸カリウムおよび米国特許
第3,276,868号、第4,153,461号およ
び第4,689,272号に開示されているようなポリ
ビニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。
【0031】
【有機下塗層】本発明で使用するPS版において、支持
体に感光層を塗設する前に有機下塗層を設けることが非
画像部の感光層残りを減らす上で好ましい。かかる有機
下塗層に用いられる有機化合物としては例えば、カルボ
キシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、
2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホ
スホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン
酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸グリセロ
ホスホン酸、メチレンジホスホン酸およびエチレンジホ
スホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよい
フェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸およ
びグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有しても
よいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、ア
ルキルホスフィン酸およびグリセロホスフィン酸などの
有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミ
ノ酸類、およびトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒ
ドロキシル基を有するアミンの塩酸塩などから選ばれる
が、二種以上混合して用いてもよい。
【0032】この有機下塗層は次のような方法で設ける
ことが出来る。即ち、水またはメタノール、エタノー
ル、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれら
の混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアル
ミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水または
メタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有
機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を
溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記有機
化合物を吸着させ、しかる後、水などによって洗浄、乾
燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の方法で
は、上記の有機化合物の0.005〜10重量%の濃度の
溶液を種々の方法で塗布できる。例えば、バーコーター
塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布などいず
れの方法を用いてもよい。また、後者の方法では、溶液
の濃度は0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜5重
量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25
〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましく
は2秒〜1分である。これに用いる溶液は、アンモニ
ア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物
質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpHを調節
し、pH1〜12の範囲で使用することもできる。ま
た、感光性平版印刷版の調子再現性改良のために黄色染
料を添加することもできる。有機下塗層の乾燥後の被覆
量は、2〜200mg/m2 が適当であり、好ましくは
5〜100mg/m2 である。上記の被覆量が2mg/
2 より少ないと十分な耐刷性能が得られない。また、
200mg/m2 より大きくても同様である。
【0033】
【バックコート】支持体の裏面には、必要に応じてバッ
クコートが設けられる。かかるバックコートとしては特
開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物およ
び特開平6−35174号公報記載の有機または無機金
属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸
化物からなる被覆層が好ましく用いられる。これらの被
覆層のうち、Si(OCH3)4 、Si(OC2 5)4
Si(OC 3 7)4 、Si(OC4 9)4 、などの珪素
のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから得ら
れる金属酸化物の被覆層が耐現像液に優れており特に好
ましい。
【0034】
【現像処理】かくして得られたPS版は透明原画を通し
てカーボンアーク灯、水銀灯、メタルハライドランプ、
キセノンランプ、タングステンランプなどを光源とする
活性光線により露光された後、現像処理される。
【0035】本発明に使用される現像液は、糖類、オキ
シム類、フェノール類及びフッ素化アルコール類からな
る群から選ばれる少なくとも1種の化合物と少なくとも
1種の塩基を含有し、液のpH値が10.0〜12.7であ
ることを特徴とする。以下本発明の感光性平版印刷版の
処理方法に使用する現像液について詳しく説明する。
【糖類、オキシム類、フェノール類、フッ素化アルコー
ル類】本発明で使用する現像液に含有させる糖類、オキ
シム類、フェノール類及びフッ素化アルコール類は、特
に5×10-14 〜1×10 -11の酸解離定数を持つ化合
物が好適である。ここでいう酸解離定数とは第1のも
の、第2のもの、第3のもの等いずれかのものが5×1
-14 〜1×10 -11にある化合物であることを意味す
る。即ち、上記化合物多塩基酸の場合、少なくとも一つ
の酸解離定数が上記範囲内にあれば好ましい。酸解離定
数がこの範囲であると、pHの安定保持力がより強くな
る。現像液におけるこれらの化合物の添加量は、一般的
に0.01モル/リットル以上が適当であり、好ましくは0.03
〜3モル/リットルである。添加量が0.01モル/リットル未満では
現像安定化効果は不十分となり、また3モル/リットルを越え
ると、感光層の溶解性が悪くなる場合があるため好まし
くない。 [糖類]糖類として例えば、下記一般式(I)又は(I
I) で表わされるものが挙げられる。
【0036】
【化1】
【0037】上記式中X1 、X2 、X3 は各々独立に、
水素原子、水酸基、アミノ基、ハロゲン原子、アシロキ
シ基、アルコキシ基、アシルアミノ基またはホスホリル
オキシ基を表す。R1 、R2 は各々独立に、水素原子、
アルキル基(例えばメチル基)、置換アルキル基(例え
ばヒドロキシメチル基、1,2-ジヒドロキシエチル基、ア
セトキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、メトキ
シメチル、ベンジルオキシメチルなど) または、カルボ
キシル基を表す。Yは水素原子、アシル基、アルコキシ
カルボニル基、カルバモイル基またはアルキル基を表
す。さらにX1 、X2 、X3 、R1 、R2 ならびにYで
表現される置換基が水酸基もしくは水酸基含有基の場
合、いずれか二つの水酸基間のエーテル結合形成によ
り、または更にアセトンやベンズアルデヒドなどのカル
ボニル化合物を加えてアセタール化により、5員または
6員環を形成してもよい。
【0038】一般式(I)または(II)のYが、更に他
の(I)または(II)のX1 、X2、X3 、R1 、R2
ならびにYで表現される水酸基と(n−1)個のグルコ
キシド結合を形成することにより、完成されるn個の
(I)または(II)のユニットからなる小糖類を形成し
てもよい。ここでnは2から6までの整数を表す。
1 、X2 、X3 として好ましいのは水素原子または水
酸基で、さらに好ましくは水酸基である。R1 、R2
して好ましいものは、水素原子、ヒドロキシメチル基、
1,2−ジヒドロキシエチル基またはカルボキシル基
で、さらに好ましくは水素原子、ヒドロキシメチル基ま
たは1,2−ジヒドロキシエチル基である。Yとして好
ましいものは水素原子である。一般式(I)または(I
I)で表される糖類の具体例としては次の化合物を挙げ
ることができる。
【0039】 I−1 D−エリトロース(D-Erythrose) * I−2 D−スレオース(D-Threose) * I−3 D−アラビノース(D-Arabinose) I−4 D−リボース(D-Ribose) I−5 D−キシロース(D-Xylose) I−6 D−エリスロ−ペンテュロース(D-Erythro-P
entulose) * I−7 D−アルロース(D-Allose) I−8 D−ガラクトース(D-Galactose) I−9 D−グルコース(D-Glucose) I−10 D−マンノース(D-Mannose) I−11 D−タロース(D-Talose) I−12 β−D−フラクトース(β-D-Fructose) I−13 α−L−ソルボース(α-L-Sorbose) I−14 6−デオキシ−D−グルコース(6-deoxy-D-G
lucose) I−15 D−グリセロ−D−ガラクトース(D-glycero
-D-galacto-Heptose) I−16 α−D−アルロ−ヘプチュロース(α-D-all
o-Heptulose) I−17 β−D−アルトロ−3−ヘプチュロース(β
-D-altro-3-Heptulose) I−18 サッカロース(Sucrose) I−19 ラクトース(Lactose) I−20 D−マルトース(D-maltose) I−21 イソマルトース(Isomaltose) I−22 イヌロビオース(Inulobiose) * I−23 ヒアルビオウロン(Hyalbiouronic acid) I−24 マルトトリオース(Maltotriose)
【0040】
【化2】
【0041】*を付した化合物は一般式(II) に属する
ものである。 これらの化合物は、大部分市販されており容易に入手可
能である。市販されていないものは、(1) 「大有機化学
第3巻、脂肪族化合物II」小竹無二雄監修、朝倉書店、
1957年発行、または(2) 「The Carbonhydrates, Chemis
try and Bicchemistry」2nd EdIA(1972)、およびIIA(19
70) 、W. Pibman およびD. Horton 監修、Academic Pre
ssを参照すれば容易に合成できる。
【0042】糖類としてまた、非還元糖が好ましく使用
できる。かかる非還元糖とは、遊離のアルデヒド基やケ
トン基を持たず、還元性を示さない糖類であり、還元基
同士の結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元基と
非糖類が結合した配糖体および糖類に水素添加して還元
した糖アルコールに分類され、何れも本発明で使用する
現像液に好適に用いられる。トレハロース型少糖類に
は、サッカロースやトレハロースがあり、配糖体として
は、アルキル配糖体、フェノール配糖体、カラシ油配糖
体などが挙げられる。また糖アルコールとしてはD,L
−アラビット、リビット、キシリット、D,L−ソルビ
ット、D,L−マンニット、D,L−イジット、D,L
−タリット、ズリシットおよびアロズルシットなどが挙
げられる。更に二糖類の水素添加で得られるマルチトー
ル及びオリゴ糖の水素添加で得られる還元体(還元水あ
め)が好適に用いられる。これらの中でさらに好ましい
非還元糖は糖アルコールとサッカロースであり、特にD
−ソルビット、サッカロース、還元水あめが適度なpH
領域に緩衝作用があることと、低価格であることで好ま
しい。還元糖は塩基と組み合わせたときに経時的に褐色
に変色し、pHが徐々に低下するという問題があるが、
非還元糖は経時的に安定している。これらの非還元糖
は、単独もしくは二種以上を組み合わせて使用でき、そ
れらの現像液中に占める割合は0.1〜30重量%が好ま
しく、更に好ましくは1〜20重量%である。この範囲
以下では十分な緩衝作用が得られず、またこの範囲以上
の濃度では、高濃縮化し難く、また原価アップの問題が
出てくる。
【0043】[オキシム類]オキシム類としては例え
ば、下記一般式(III) で表されるオキシムが挙げられ
る。
【0044】
【化3】
【0045】上記式中R3 、R4 は各々独立に、水素原
子、アルキル基(置換基を有してもよい)、アリール基
(置換基を有してもよい)、アシル基または複素環を表
す。R3 、R4 が互いに結合して5または6員の環(特
にシクロアルキル環)を形成してもよい。アルキル基と
しては、炭素数1〜18のもので直鎖、分枝およびシク
ロアルキル基を含む。置換基としては例えばヒドロキシ
基、カルボキシル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ス
ルホ基、スルファモイル基、カルバモイル基、スルホニ
ルアミノ基、アシルアミノ基、シアノ基、またはアシロ
キシ基などが挙げられる。アリール基としては例えばフ
ェニル基、ナフチル基が挙げられ、その置換基として
は、例えば上記に挙げたアルキル基の置換基と同様のも
のが挙げられる。アシル基としては、ホルミル基、アセ
チル基、プロピオニル基、ブチリル基、オキサリル基、
マロニル基、ベンゾイル基、トルオイル基、サリチロイ
ル基、フロイル基等を挙げることができる。複素環とし
ては例えばチアゾール、オキサゾール、イミダゾール、
トリアゾール、テトラゾール、チアジアゾール、オキサ
ジアゾール、テトラヒドロフラン、モルホリン、ピリジ
ン、ピペリジン、ベンゾチアゾール、ベンゾオキサゾー
ル、またはベンズイミダゾールなどが挙げられる。一般
式(III)で示される化合物の具体例としては下記のもの
がある。
【0046】
【化4】
【0047】
【化5】
【0048】これらの化合物は市販品として、または
「Organic Functional Group Preparations 第3巻」36
5 頁 S. R. Sandler 及びW. Karo 監修、Academic Pre
ss(1972)に記載されている方法で合成することにより容
易に入手できる。
【0049】[フェノール類]フェノール類としては、
例えば下記一般式(IV) のフェノール類が挙げられる。
【0050】
【化6】
【0051】上記式中R5 、R6 、R7 、R8 は各々独
立に、水素原子、アミノ基、カルボン酸基、スルホン酸
基、炭素数1〜4のアルキル基(置換基を有していても
よい)、アルコキシ基(置換基を有していてもよい)を
表す。置換基としては一般式(III)のR3 およびR4
アルキル基またはアリール基の置換基と同様のものが挙
げられる。一般式(IV) で示される化合物の具体例とし
ては次のものがある。
【0052】
【化7】
【0053】これらの化合物の多くは市販されており、
その他の化合物も公知であって、容易に合成することが
できる。
【0054】[フッ素化アルコール類]フッ素化アルコ
ール類として例えば下記一般式(V)のフッ素化アルコ
ールが挙げられる。
【0055】
【化8】
【0056】上記式中Rは水素原子、置換または無置換
のアルキル基、置換または無置換のシクロアルキル基、
置換または無置換のアリール基を表し、nは1または2
を表し、Jはnが1の場合には水素原子、フッ素原子、
置換または無置換のアルキル基、置換または無置換のシ
クロアルキル基、置換または無置換のアリール基、置換
または無置換のアルアルキル基、カルボキシ基を表し、
nが2の場合には置換または無置換のアルキレン基、置
換または無置換のシクロアルキレン基、置換または無置
換のアリーレン基、置換または無置換のアルアルキレン
基を表す。これらの置換基としては、前記一般式(III)
で示された置換基を挙げることができる。一般式(V)
で示される化合物のうち好ましいものにおいては、Rは
水素原子またはフッ素置換アルキル基を表し、nは1ま
たは2を表し、Jはnが1の場合には水素原子、フッ素
原子置換のアルキル基を表し、nが2の場合にはフッ素
置換アルキレン基を表す。これらの好ましい化合物のう
ち、炭素原子数が水酸基、カルボン酸基、スルホン酸基
などの親水性基1個あたり6個以下であるものが処理液
に対して充分な溶解度を有する点で好ましい。一般式
(V)で表される化合物の具体例を次に示す。
【0057】
【化9】
【0058】これらの化合物の多くは市販されており、
その他の化合物も公知であって容易に合成できる。上述
の化合物のうち、糖類、フェノール類が好ましく使用で
きる。特に好ましいものはD-サッカロース、D-ソルビッ
ト、IV−1、IV−2、V−8で示される化合物である。
本発明で使用する現像液において、上述した糖類、オキ
シム類、フェノール類及びフッ素化アルコール類の中か
ら、単独もしくは2種以上を組み合わせて使用できる。
【0059】上述の糖類、オキシム類、フェノール類、
フッ素化アルコール類に組み合わせてpHを10.0 〜1
2.7 にする塩基として従来より知られているアルカリ剤
が使用できる。例えば、水酸化ナトリウム、同カリウ
ム、同リチウム、同アンモニウム、燐酸三ナトリウム、
同カリウム、同アンモニウム、燐酸二ナトリウム、同カ
リウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウ
ム、同アンモニウム、硼酸ナトリウム、同カリウム、同
アンモニウムなどの無機アルカリ剤が挙げられる。ま
た、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルア
ミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチル
アミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノ
エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノー
ルアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパ
ノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピ
リジン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テト
ラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルア
ンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒ
ドロキシド、トリエチルブチルアンモニウムヒドロキシ
ドなどの有機アルカリ剤も用いられる。
【0060】これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以
上を組み合わせて用いられ、一部を例えばハロゲン化し
たような塩の形で添加してもよい。これらのアルカリ剤
の中で好ましいのは水酸化ナトリウム、同カリウムであ
って、その量を調節することにより広いpH領域でpH
調製が可能となるためである。また、燐酸三ナトリウ
ム、同カリウム、炭酸ナトリウム、同カリウムなどもそ
れ自身に緩衝作用があるので好ましい。これらのアルカ
リ剤は現像液のpHが10.0〜12.7の範囲になるよう
に添加され、その添加量は所望のpH、上述した糖類、
オキシム類、フェノール類及びフッ素化アルコール類の
種類と添加量によって決められる。より好ましいpH範
囲は11.5 〜12.5 である。pHが10.0未満の場合、
現像が不十分で印刷汚れが発生し易く、またpHが12.
7を越えると過現像となり画像部にダメージを受け、十
分な枚数の印刷物が得られない。
【0061】本発明で使用する現像液にはさらに、上記
の糖類、オキシム類、フェノール類及びフッ素化アルコ
ール類以外の弱酸と強塩基からなるアルカリ性緩衝液を
併用してもよい。かかる緩衝液として用いられる弱酸と
しては、解離定数(pKa)が10.0〜13.2のものが
好ましい。このような弱酸としては、Pergamon Press社
発行のIONISATION CONSTANTS OF ORGANIC ACIDS IN AQU
EOUS SOLUTION などに記載されているものから選ばれ、
例えばトリクロロエタノール(pKa12.24)、ピリ
ジン−2−アルデヒド(同12.68)、ピリジン−4−
アルデヒド(同12.05)などのアルデヒド類、3-ヒド
ロキシ-2−ナフトエ酸(同12.84)、カテコール(同
12.6)、没食子酸(同12.4)、3,4-ジヒドロキシス
ルホン酸(同12.2)、3,4-ジヒドロキシ安息香酸(同
11.94)、1,2,4-トリヒドロキシベンゼン(同11.8
2)、ハイドロキノン(同11.56)、ピロガロール
(同11.34)、レゾルシノール(同11.27)2−キ
ノロン(同11.76)、2−ピリドン(同11.65)、
4−キノロン(同11.28)、4−ピリドン(同11.1
2)、5−アミノ吉草酸(同10.77)、2−メルカプ
トキノリン(同10.25)、3−アミノプロピオン酸
(同10.24)などのアミノ酸類、フルオロウラシル
(同13.0)、グアノシン(同12.6)、ウリジン(同
12.6)、アデノシン(同12.56)、イノシン(同1
2.5)、グアニン(同12.3)、シチジン(同12.
2)、シトシン(同12.2)、ヒポキサンチン(同12.
1)、キサンチン(同11.9)などの核酸関連物質、他
に、ジエチルアミノメチルホスホン酸(同12.32)、
1-アミノ-3,3,3−トリフルオロ安息香酸(同12.2
9)、イソプロピリデンジホスホン酸(同12.10)、
1,1-エチリデンジホスホン酸(同11.54)、1,1-エチ
リデンジホスホン酸1-ヒドロキシ(同11.52)、ベン
ズイミダゾール(同12.86)、チオベンズアミド(同
12.8)、ピコリンチオアミド(同12.55)、バルビ
ツル酸(同12.5)などの弱酸が挙げられる。
【0062】これらの弱酸に組み合わせる強塩基として
は、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムお
よび同リチウムが用いられる。これらのアルカリ剤は単
独もしくは二種以上を組み合わせて用いられる。上記の
各種アルカリ剤は濃度および組み合わせによりpHが1
0.0〜12.7になるように使用される。
【0063】
【界面活性剤】本発明に用いられる現像液には、現像性
の促進や現像カスの分散および印刷版画像部の親インキ
性を高める目的で、必要に応じて種々界面活性剤や有機
溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤としては、アニ
オン系、カチオン系、ノニオン系および両性界面活性剤
が挙げられる。界面活性剤の好ましい例としては、ポリ
オキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポ
リスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポ
リオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂
肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル
類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロ
ピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸
部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸
部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪
酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エス
テル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオ
キシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセ
リン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド
類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、
ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールア
ミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなど
の非イオン性界面活性剤、
【0064】脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキ
シアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、
ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホ
ン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキ
ルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩
類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテ
ル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム
塩、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム
塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキ
ルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル
塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステ
ル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリ
オキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル
塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫
酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポ
リオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エス
テル塩類、スチレン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸
化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸
化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類な
どのアニオン界面活性剤、アルキルアミン塩類、テトラ
ブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩
類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチ
レンポリアミン誘導体などのカチオン性界面活性剤、カ
ルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホベタ
イン類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類などの
両性界面活性剤が挙げられる。以上挙げた界面活性剤の
中でポリオキシエチレンとあるものは、ポリオキシメチ
レン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンなど
のポリオキシアルキレンに読み替えることもでき、それ
らの界面活性剤もまた包含される。
【0065】更に好ましい界面活性剤は分子内にパーフ
ルオロアルキル基を含有するフッ素系の界面活性剤であ
る。かかるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロ
アルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン
酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニ
オン型、パーフルオロアルキルベタインなどの両性型、
パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などの
カチオン型およびパーフルオロアルキルアミンオキサイ
ド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パ
ーフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、
パーフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマ
ー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基
含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性
基含有ウレタンなどの非イオン型が挙げられる。上記の
界面活性剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて使
用することができ、現像液中に0.001〜10重量%、
より好ましくは0.01〜5重量%の範囲で添加される。
【0066】
【有機溶剤】本発明で使用する現像液には更に必要によ
り有機溶剤が加えられる。かかる有機溶剤としては、水
に対する溶解度が約10重量%以下のものが適してお
り、好ましくは5重量%以下のものから選ばれる。例え
ば、1−フェニルエタノール、2−フェニルエタノー
ル、3−フェニル−1−プロパノール、4−フェニル−
1−ブタノール、4−フェニル−2−ブタノール、2−
フェニル−1−ブタノール、2−フェノキシエタノー
ル、2−ベンジルオキシエタノール、o−メトキシベン
ジルアルコール、m−メトキシベンジルアルコール、p
−メトキシベンジルアルコール、ベンジルアルコール、
シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、
3−メチルシクロヘキサノールおよび4−メチルシクロ
ヘキサノール、N−フェニルエタノールアミンおよびN
−フェニルジエタノールアミンなどを挙げることができ
る。有機溶剤の含有量は使用液の総重量に対して0.1
〜5重量%である。その使用量は界面活性剤の使用量と
密接な関係があり、有機溶剤の量が増すにつれ、界面活
性剤の量は増加させることが好ましい。これは界面活性
剤の量が少なく、有機溶剤の量を多く用いると有機溶剤
が完全に溶解せず、従って、良好な現像性の確保が期待
できなくなるからである。
【0067】
【現像安定化剤】本発明に用いられる現像液には、種々
現像安定化剤が用いられてもよい。それらの好ましい例
として、特開平6−282079号公報記載の糖アルコ
ールのポリエチレングリコール付加物、テトラブチルア
ンモニウムヒドロキシドなどのテトラアルキルアンモニ
ウム塩、テトラブチルホスホニウムブロマイドなどのホ
スホニウム塩およびジフェニルヨードニウムクロライド
などのヨードニウム塩が好ましい例として挙げられる。
更には、特開昭50−51324号公報記載のアニオン
界面活性剤または両性界面活性剤、また特開昭55−9
5946号公報記載の水溶性カチオニックポリマー、特
開昭56−142528号公報に記載されている水溶性
の両性高分子電解質がある。更に、特開昭59−842
41号公報のアルキレングリコールが付加された有機ホ
ウ素化合物、特開昭60−111246号公報記載のポ
リオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック重合
型の水溶性界面活性剤、特開昭60−129750号公
報のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンを置換
したアルキレンジアミン化合物、特開昭61−2155
54号公報記載の重量平均分子量300以上のポリエチ
レングリコール、特開昭63−175858号公報のカ
チオン性基を有する含フッ素界面活性剤、特開平2−3
9157号公報の酸またはアルコールに4モル以上のエ
チレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレンオキ
シド付加化合物と、水溶性ポリアルキレン化合物などが
挙げられる。
【0068】
【還元剤】本発明に用いられる現像液には更に還元剤を
加えてもよい。これは印刷版の汚れを防止するものであ
り、特に感光性ジアゾニウム塩化合物を含むネガ型感光
性平版印刷版を現像する際に有効である。好ましい有機
還元剤としては、チオサリチル酸、ハイドロキノン、メ
トール、メトキシキノン、レゾルシン、2−メチルレゾ
ルシンなどのフェノール化合物、フェニレンジアミン、
フェニルヒドラジンなどのアミン化合物が挙げられる。
更に好ましい無機の還元剤としては、亜硫酸、亜硫酸水
素酸、亜リン酸、亜リン酸水素酸、亜リン酸二水素酸、
チオ硫酸および亜ジチオン酸などの無機酸のナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩などを挙げることがで
きる。これらの還元剤のうち汚れ防止効果が特に優れて
いるのは亜硫酸塩である。これらの還元剤は使用時の現
像液に対して好ましくは、0.05〜5重量%の範囲で含
有される。
【0069】
【有機カルボン酸】本発明に用いられる現像液には更に
有機カルボン酸を加えることもできる。好ましい有機カ
ルボン酸は炭素原子数6〜20の脂肪族カルボン酸およ
び芳香族カルボン酸である。脂肪族カルボン酸の具体的
な例としては、カプロン酸、エナンチル酸、カプリル
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびス
テアリン酸などがあり、特に好ましいのは炭素数8〜1
2のアルカン酸である。また炭素鎖中に二重結合を有す
る不飽和脂肪酸でも、枝分かれした炭素鎖のものでもよ
い。芳香族カルボン酸としてはベンゼン環、ナフタレン
環、アントラセン環などにカルボキシル基が置換された
化合物で、具体的には、o−クロロ安息香酸、p−クロ
ロ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ
安息香酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、
2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ
安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジ
ヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、
没食子酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒド
ロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフト
エ酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸などがあるがヒ
ドロキシナフトエ酸は特に有効である。上記脂肪族およ
び芳香族カルボン酸は水溶性を高めるためにナトリウム
塩やカリウム塩またはアンモニウム塩として用いるのが
好ましい。本発明で用いる現像液の有機カルボン酸の含
有量は格別な制限はないが、0.1重量%より低いと効果
が十分でなく、また10重量%以上ではそれ以上の効果
の改善が計れないばかりか、別の添加剤を併用する時に
溶解を妨げることがある。従って、好ましい添加量は使
用時の現像液に対して0.1〜10重量%であり、より好
ましくは0.5〜4重量%である。
【0070】
【その他】本発明で用いられる現像液には、更に必要に
応じて、消泡剤および硬水軟化剤などを含有させること
もできる。硬水軟化剤としては例えば、ポリリン酸およ
びそのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム
塩、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミ
ンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、ヒ
ドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロト
リ酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸お
よび1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸な
どのアミノポリカルボン酸およびそれらのナトリウム
塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、アミノトリ(メ
チレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレ
ンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレ
ンホスホン酸)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチ
レンホスホン酸)、ヒドロキシエチルエチレンジアミン
トリ(メチレンホスホン酸)および1−ヒドロキシエタ
ン−1,1−ジホスホン酸やそれらのナトリウム塩、カ
リウム塩およびアンモニウム塩を挙げることができる。
このような硬水軟化剤はそのキレート化力と使用される
硬水の硬度および硬水の量によって最適値が変化する
が、一般的な使用量を示せば、使用時の現像液に0.01
〜5重量%、より好ましくは0.01〜0.5重量%の範囲
である。この範囲より少ない添加量では所期の目的が十
分に達成されず、添加量がこの範囲より多い場合は、色
抜けなど、画像部への悪影響がでてくる。現像液の残余
の成分は水であるが、更に必要に応じて当業界で知られ
た種々の添加剤を含有させることができる。本発明に用
いられる現像液は使用時よりも水の含有量を少なくした
濃縮液としておき、使用時に水で希釈するようにしてお
くことが運搬上有利である。この場合の濃縮度は各成分
が分離や析出を起こさない程度が適当である。
【0071】
【現像および後処理】本発明における感光性平版印刷版
の現像は、上述の組成の現像液を用いて常法に従って行
うことができる。現像液で現像処理されたPS版は水洗
水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや
澱粉誘導体等を主成分とするフィニッシャーや保護ガム
液で後処理を施される。本発明のPS版の処理方法にお
いて、後処理にはこれらの処理を種々組み合わせて用い
ることができる。近年、製版・印刷業界では製版作業の
合理化および標準化のため、PS版用の自動現像機が広
く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と
後処理部からなり、PS版を搬送する装置と、各処理液
槽およびスプレー装置からなり、露光済みのPS版を水
平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプ
レーノズルから吹き付けて現像および後処理するもので
ある。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液
中ガイドロールなどによってPS版を浸漬搬送させて現
像処理する方法や、現像後一定量の少量の水洗水を版面
に供給して水洗し、その廃水を現像液原液の希釈水とし
て再利用する方法も知られている。このような自動処理
においては、各処理液に処理量や稼動時間等に応じてそ
れぞれの補充液を補充しながら処理することができる。
また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い
捨て処理方式も適用できる。このような自動現像機を利
用した処理に、本発明の感光性平版印刷版の処理方法は
有利に適用できる。上記処理によって得られた平版印刷
版はオフセット印刷機に掛けられ、多数枚の印刷に用い
られる。
【0072】
【発明の効果】本発明の感光性平版印刷版の処理方法に
よれば、比較的pHの低い安全な現像液で現像ができ、
現像性と画像強度(耐刷性および耐薬品性)の両立が可
能となる。また不溶化物が発生し難いことから、自動現
像機を利用した処理に適している。
【0073】
【実施例】以下実施例及び比較例を以て本発明を詳細に
説明する。 実施例 1 厚さ0.24mmのアルミニウム板を、ナイロンブラシと
400メッシュのパミストン−水懸濁液を用いその表面
を砂目立てした後、よく水で洗浄した。10%水酸化ナ
トリウムに70℃で20秒間浸漬してエッチングした
後、流水で水洗し、次いで20%HNO3 で中和洗浄、
水洗した。これをVA =12.7Vの条件下で正弦波の交
番波形電流を用いて0.7%硝酸水溶液中で400クーロ
ン/dm2の電気量で電解粗面化処理を行った。この基
板を10%水酸化ナトリウム水溶液中で表面のアルミニ
ウムの溶解量が0.9g/m2 になるように処理した。水
洗後、20%硝酸溶液中で中和、洗浄してスマットを除
いた後、18%H2 SO4 水溶液中で、酸化皮膜量が3
g/m2 になるように陽極酸化した。次いで、35℃、
2%の珪酸ナトリウム水溶液で親水化処理を行った。か
くして製作した支持体上に下記組成の下塗液aを乾燥後
の重量にして10mg/m2 となるように塗布して90
℃で1分間乾燥し、下塗層を設けた。 下塗液a フェニルホスホン酸 0.06g 硫酸 0.12g メタノール 100 g
【0074】続いて、下記組成の感光液を調整し、上記
基板上に乾燥後の重量にして1.8g/m2 となるように
感光層を設けた。 感光液 フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 (3核体以上の成分含有量 95.5重量%、 分子量 13,500) 1.9g 1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリドと ピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物 (分子量2,500) 0.76g テトラヒドロ無水フタル酸 0.2g 4−〔p−N−(p−ヒドロキシベンゾイル)アミノフェニル〕 −2,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン 0.02g ビクトリアピュアブルーBOH (保土谷化学工業(株)製) 0.03g メガファック F−177 (大日本インキ化学工業(株)製フッ素系界面活性剤) 0.006g メチルエチルケトン 15g プロピレングリコールモノメチルエーテル 15g
【0075】このようにして作成した感光層の表面に下
記の様にしてマット層形成用樹脂液を吹き付けてマット
層を設けた。マット層形成用樹脂液としてメチルメタク
リレート/エチルアクリレート/アクリル酸(仕込重量
比 65:20:15)共重合体の一部をナトリウム塩
とした12%水溶液を準備し、回転霧化静電塗装機で霧
化頭回転数25,000rpm、樹脂液の送液量は40
ml/分、霧化頭への印加電圧は−90kv、塗布時の
周囲温度は25℃、相対湿度は50%とし、塗布後2.5
秒で塗布面に蒸気を吹き付けて湿潤させ、ついで湿潤し
た3秒後に温度60℃、湿度10%の温風を5秒間吹き
付けて乾燥させた。マットの高さは約6μm、大きさは
約30μm、個数は150個/mm2 であった。このよ
うにして得られたPS版Aを1,003mm×800mm
の大きさに裁断したものを用意し、これらに原稿フィル
ムを通して1mの距離から3kwのメタルハライドラン
プを用いて、60秒間露光した。次に浸漬型現像槽を有
する市販の自動現像機PS−900D(富士写真フイル
ム(株)製)の現像槽に、下記現像液イ(pH12.5)
を20リットル仕込み、30℃に保温した。PS−90
0Dの第二浴目には水道水を8リットル、第三浴目には
FP−2(富士写真フイルム(株)製):水=1:1希
釈したフィニッシング液を8リットル仕込んだ。
【0076】 現像液 イ D−サッカロース 5.1 重量% 水酸化ナトリウム 0.51 重量% 炭酸ナトリウム 0.74 重量% テトラブチルアンモニウムブロマイド 0.03 重量% 水 93.62 重量% このPS−900Dに前述の露光済みのPS版を通し、
現像処理した。このとき、ステップタブレット(1段の
光学濃度差が0.15で15段のもの)を用いて段階的に
光量を変化させて前記PS版に焼き付けたものを同時に
現像し、その版上の光量に対応して残った画像の段数
(クリア/ベタ段数)を読み取り、その値をPS版Aの
現像液イで現像した時の感度と定義し表1に記した。か
くして得られた平版印刷版をオフセット印刷機スプリン
ト25(小森印刷機製造(株)製)にセットし、印刷を
行った。尚、5,000枚印刷する毎に印刷版の半分を
ウルトラプレートクリーナー(ABC Chemica
l社製)を含ませたスポンジで拭いて、版面を洗浄し
た。この時の印刷結果を表1に示した。比較的低pH
(pH12.5)で現像可能なPS版Aで、現在市場で広
く用いられている高pH系と同等の耐刷性および耐薬品
性が得られた。
【0077】実施例 2 実施例1で下記の感光液を用いた以外は、全て実施例1
と同様にしてPS版Bを作製し、現像液イを用いた他は
全て実施例1と同様に処理し、評価した。実施例1と同
様に良好な耐刷性と耐薬品性が得られた。 感光液 フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 (3核体以上の成分含有量 95.5重量%、 分子量 13,500) 1.7g メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 (重合時モノマー仕込比76/24、分子量60,000) 0.2g 1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリドと ピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物 (分子量2,500) 0.76g テトラヒドロ無水フタル酸 0.2g 4−〔p−N−(p−ヒドロキシベンゾイル)アミノフェニル〕 −2,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン 0.02g ビクトリアピュアブルーBOH (保土谷化学工業(株)製) 0.03g メガファック F−177 (大日本インキ化学工業(株)製フッ素系界面活性剤) 0.006g メチルエチルケトン 15g プロピレングリコールモノメチルエーテル 15g
【0078】実施例 3 実施例1で下記の現像液ロを用いた以外は全て実施例1
と同様にしてPS版Aを処理し、評価した。実施例1と
同様に良好な耐刷性と耐薬品性が得られた。 現像液 ロ D−ソルビット 3.41 重量% 水酸化ナトリウム 0.28 重量% 炭酸ナトリウム 1.05 重量% テトラブチルアンモニウムブロマイド 0.03 重量% 水 95.23 重量%
【0079】実施例 4 実施例1の感光液のo−キノンジアジド化合物を、1,
2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリドとm
−クレゾールホルムアルデヒド樹脂とのエステル化物
(分子量3,200)に替えた他は、全て実施例1と同
様にして作製したPS版Cを実施例1と全く同じ方法で
処理し、得られた平版印刷版の評価を行った。実施例1
と同様に良好な耐刷性と耐薬品性が得られた。
【0080】比較例 1 実施例1の感光液のフェノールホルムアルデヒドノボラ
ック樹脂を、3核体以上の成分の含有量が88.6重量
%で、分子量8,400のものに替えた他は全て実施例
1と同様にして作製したPS版Dを実施例1と全く同じ
方法で処理し、得られた平版印刷版の評価を行った。P
S版Dから得られた印刷板の耐刷性と耐薬品性は不十分
であり、特に耐薬品性が大きく劣った。
【0081】実施例 5 陽極酸化処理まで実施例1と同様にして作製した支持体
上に下記組成の下塗液bを乾燥後の重量にして10mg
/m2 となるように塗布して90℃で1分間乾燥し、下
塗層を設けた。 下塗液b トリエタノールアミン・塩酸塩 0.5 g メタノール 95 g 水 5 g
【0082】続いて、下記組成の感光液を調整し、上記
基板上に乾燥後の重量にして1.8g/m2 となるように
感光層を設けた。 感光液 フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 (3核体以上の成分含有量 94.6重量%、 分子量 12,500) 1.9g 1,2−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリドと ピロガロール−アセトン樹脂とのエステル化物 (分子量2,500) 0.76g テトラヒドロ無水フタル酸 0.2g 4−〔p−N−(p−ヒドロキシベンゾイル)アミノフェニル〕 −2,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン 0.02g ビクトリアピュアブルーBOH (保土谷化学工業(株)製) 0.03g メガファック F−177 (大日本インキ化学工業(株)製フッ素系界面活性剤) 0.006g メチルエチルケトン 15g プロピレングリコールモノメチルエーテル 15g このようにして作成した感光層の表面に、実施例1のよ
うにしてマット層形成用樹脂液を吹き付けて、マット層
を設けたPS版Eを作製し、実施例1と同様に現像液イ
を用いて処理し、得られた印刷板を評価した結果、十分
な耐刷性と耐薬品性が得られた。
【0083】比較例 2 実施例5の感光液のo−キノンジアジド化合物を1,2
−ジアゾナフトキノン−5−スルホニルクロリドとトリ
ヒドロキシベンゾフェノンとのエステル化物(平均分子
量 870)に替えた他は、全て実施例5と同様にして
作製したPS版Fを実施例5と全く同じ方法で処理し、
得られた平版印刷版の評価を行った。PS版Fから得ら
れた印刷版の耐刷性と耐薬品性は著しく劣った。 比較例 3 実施例5の感光液のフェノールホルムアルデヒドノボラ
ック樹脂をm−クレゾールホルムアルデヒド樹脂(3核
体以上の成分の含有量86.5重量%で分子量4,80
0)のものに替えた他は、全て実施例5と同様にして作
製したPS版Gを実施例5と全く同じ方法で処理したと
ころ、露光部は溶解せず現像できなかった。
【0084】実施例 6 実施例5の感光液からテトラヒドロ無水フタル酸を除い
た他は、全て実施例5と同様にして作製したPS版Hを
実施例5と全く同じ方法で処理した。露光部の現像液へ
の溶解が遅れ、その結果感度が若干低下したが、得られ
た平版印刷版は良好な耐刷性と耐薬品性を示した。 実施例 7 実施例5の感光液のテトラヒドロ無水フタル酸を無水マ
レイン酸に替えた他は、全て実施例5と同様にして作製
したPS版Iを実施例5と全く同じ方法で処理した。こ
のPS版は現像性に優れ、十分な感度を有し、得られた
印刷版を評価した結果、十分は耐刷性と耐薬品性が得ら
れた。
【0085】下記表1及び表2に上記実施例及び比較例
の結果をまとめた。本発明の実施例は何れも比較的低い
pHでの現像性と膜強度(耐刷性および耐薬品性)が両
立出来ており、従来の高pH現像の系とほぼ同等の印刷
性能が得られた。なお、表において各成分は次のように
示す。 バインダー a-1 :フェノール−ホルムアルデヒド樹脂 a-2 :m-クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 ポリヒドロキシ化合物 b-1 :ピロガロール−アセトン樹脂 b-2 :m-クレゾール−ホルムアルデヒド樹脂 b-3 :トリヒドロキシベンゾフェノン pH12.5可溶樹脂 MMA/MA:メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体 現像促進剤 THPA:テトラヒドロ無水フタル酸 MALA:無水マレイン酸 現像液 イ及びロはそれぞれ上記実施例1、3に記載されている
もの
【0086】
【表1】 実施例1 実施例2 実施例3 実施例4 比較例1 ─────────────────────────────────── PS版 A B A C D ─────────────────────────────────── 〔支持体〕 親水化処理 珪酸塩 珪酸塩 珪酸塩 珪酸塩 珪酸塩 有機下塗層 フェニルホスホン フェニルホスホン フェニルホスホン フェニルホスホン フェニルホスホン 酸 酸 酸 酸 酸 ─────────────────────────────────── 〔感光層〕 バインダー a-1 a-1 a-1 a-1 a-1 3核体以上成分 の含有量(%) 95.5 95.5 95.5 95.5 88.6 重量平均分子量 13,500 13,500 13,500 13,500 8,400 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− pH12.5可溶樹脂 − MMA/MA − − − 重量平均分子量 − 60,000 − − − −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ポリヒドロキシ 化合物 b-1 b-1 b-1 b-2 b-1 o-ナフトキノンシ゛アシ゛ト゛化合物の 重量平均分子量 2,500 2,500 2,500 3,200 2,500 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 現像促進剤 THPA THPA THPA THPA THPA ─────────────────────────────────── 現像液 イ イ ロ イ イ 緩衝剤 D-サッカロース D-サッカロース D-ソルヒ゛ット D-サッカロース D-サッカロース pH 12.5 12.5 12.5 12.5 12.5 ─────────────────────────────────── 感度(クリア/ベタ) 4.5/11.5 4.5/11.5 4.5/11.5 4.5/11.5 4.8/12.0 ─────────────────────────────────── 耐刷性(枚数) 100,000 100,000 100,000 100,000 83,000 ─────────────────────────────────── 耐薬品性(枚数) 80,000 80,000 80,000 83,000 56,000 ───────────────────────────────────
【0087】
【表2】 実施例5 比較例2 比較例3 実施例6 実施例7 ─────────────────────────────────── PS版 E F G H I ─────────────────────────────────── 〔支持体〕 親水化処理 − − − − − 有機下塗層 トリエタノール トリエタノール トリエタノール トリエタノール トリエタノール アミン塩酸塩 アミン塩酸塩 アミン塩酸塩 アミン塩酸塩 アミン塩酸塩 ─────────────────────────────────── 〔感光層〕 バインダー a-1 a-1 a-2 a-1 a-1 3核体以上成分 の含有量(%) 94.6 94.6 86.5 94.6 94.6 重量平均分子量 13,500 13,500 4,800 13,500 13,500 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− pH12.5可溶樹脂 − − − − − 重量平均分子量 − − − − − −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ポリヒドロキシ 化合物 b-1 b-3 b-1 b-1 b-1 o-ナフトキノンシ゛アシ゛ト゛化合物の 重量平均分子量 2,500 870 2,500 2,500 2,500 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 現像促進剤 THPA THPA THPA − MALA ─────────────────────────────────── 現像液 イ イ イ イ イ 緩衝剤 D-サッカロース D-サッカロース D-サッカロース D-サッカロース D-サッカロース pH 12.5 12.5 12.5 12.5 12.5 ─────────────────────────────────── 感度(クリア/ベタ) 4.5/11.5 4.5/11.5 現像不可 4.0/11.0 4.7/11.7 ─────────────────────────────────── 耐刷性(枚数) 100,000 87,000 − 100,000 100,000 ─────────────────────────────────── 耐薬品性(枚数) 82,000 68,000 − 82,000 82,000 ───────────────────────────────────

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) 1分子中に芳香族基を3つ以上有す
    る成分の含有量が90重量%以上で、重量平均分子量が
    10,000以上のフェノール・ホルムアルデヒド樹
    脂、及び(b) 重量平均分子量2,000以上の、ポリヒ
    ドロキシ化合物のo−ナフトキノンジアジドスルホン酸
    エステルを含有する感光層を有する感光性平版印刷版
    を、糖類、オキシム類、フェノール類及びフッ素化アル
    コール類からなる群から選ばれる少なくとも1種の化合
    物を含有し、液のpH値が10.0〜12.7の範囲である
    現像液で現像することを特徴とする感光性平版印刷版の
    処理方法。
  2. 【請求項2】 感光層がさらに環状酸無水物を含有する
    ことを特徴とする請求項1記載の感光性平版印刷版の処
    理方法。
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EP1361480A1 (en) * 2002-05-07 2003-11-12 Shipley Co. L.L.C. Residue reducing stable concentrate
JP2009282512A (ja) * 2008-04-23 2009-12-03 Mitsubishi Rayon Co Ltd 感光性樹脂組成物およびパターン形成方法
JP2017102255A (ja) * 2015-12-01 2017-06-08 東京応化工業株式会社 ポジ型フォトレジスト組成物

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