JPH11167058A - ズームレンズ鏡筒 - Google Patents

ズームレンズ鏡筒

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JPH11167058A
JPH11167058A JP1648198A JP1648198A JPH11167058A JP H11167058 A JPH11167058 A JP H11167058A JP 1648198 A JP1648198 A JP 1648198A JP 1648198 A JP1648198 A JP 1648198A JP H11167058 A JPH11167058 A JP H11167058A
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JP
Japan
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rotating body
rotating
rotation
optical axis
cam
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JP1648198A
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English (en)
Inventor
Kazuhiko Onda
和彦 恩田
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Fujinon Corp
Original Assignee
Fuji Photo Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単一の中間筒4を回転駆動することによっ
て、変倍と焦点調節とを行なうズームレンズ鏡筒におい
て、回転駆動される機構の一部に電磁クラッチを設け、
この電磁クラッチのオン・オフ動作により、変倍と焦点
調節とを選択的に行なうようにする。 【解決手段】 中間筒4の回転に伴って回転せしめら
れ、その回転に伴って第2群レンズ20を光軸方向に案
内する変倍用カム溝6aを備えた第2群カム筒6と、こ
の第2群カム筒6と同軸に設けられた回転体21と、変
倍時には回転体21の第2群カム筒6と一体の回転を許
容し、焦点調節時には回転体21の回転を阻止する電磁
クラッチ28とを備えている。上記回転体21には焦点
調節用カム溝23aが設けられ、このカム溝23aは、
回転体21が電磁クラッチ28により回転を阻止された
とき、第2群カム筒6の回転に伴って第2群カム筒6を
案内して、変倍用カム溝6aと共働して変倍時とは異な
る軌跡に沿って第2群レンズ20を光軸方向に移動させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ズームレンズ鏡筒
に関し、特に、単一の駆動源で変倍動作と焦点調節とを
行なうことができるズームレンズ鏡筒に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ズームレンズを搭載したカメラにおいて
変倍と焦点調節とを行なう方法として、変倍時には各レ
ンズ群をカム等で光軸方向へ移動させ、焦点調節時には
変倍時とは異なるレンズ群の動きをさせるのが一般的で
ある。
【0003】各レンズ群にこのような動きをさせるため
に、従来から、(1) 変倍時と焦点調節時とでは異なる駆
動源を用いる、(2) 単一の駆動源の駆動力を分岐させて
伝達し、変倍と焦点調節とを行なう、(3) 単一の駆動源
を用い、変倍と焦点調節とを連続した軌跡上で交互に行
なう(特公平6−100707号参照)、(4) 単一の駆
動源を用い、変倍時に2つのレンズ群を相対的に移動さ
せ、焦点調節時には、一方のレンズ群の相対的な移動を
禁止する禁止手段を設ける(特開平9−43487
号)、等の方法が知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
(1) の方法では、2つの駆動源を必要とするためにカメ
ラのコストアップを招き、上記(2) の方法では、機構部
品が多くなるためにカメラサイズが大きくなり、上記
(3) の方法では、レンズ群案内用のカム溝に、変倍部と
焦点調節部とを交互に形成しなければならないという欠
点があった。
【0005】また、上記(4) の方法によれば、上記 (1)
〜(3) の方法の欠点は克服されるものの、焦点調節時に
一方のレンズ群の相対的な移動を禁止する禁止手段が、
電磁ソレノイドによって一方のレンズ群をカムから切り
放し、摩擦力のみによってこのレンズ群を移動禁止状態
に保持するように構成されているために、ややもすると
焦点調節動作が不安定になるおそれがあった。
【0006】このような事情に鑑み、本発明は、上述の
問題点をすべて克服した小型で安価なズームレンズ鏡筒
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、単一の回転筒
を駆動することにより変倍と焦点調節とを行なうズーム
レンズ鏡筒において、回転駆動される機構の一部にクラ
ッチ手段が設けられ、このクラッチ手段のオン・オフ動
作により、変倍動作と焦点調節動作とを選択的に行なう
ように構成されてなることを特徴とするものである。
【0008】具体的には、本発明によるズームレンズ鏡
筒は、光軸上に前後に配置されてズームレンズの少なく
とも一部を構成する第1群レンズおよび第2群レンズ
と、光軸の周りで回転可能に設けられ、その回転により
第1群レンズを光軸方向に移動させる第1の回転筒と、
第1の回転筒と同軸に設けられ、この第1の回転筒の回
転により回転せしめられる第2の回転筒と、この第2の
回転筒に設けられ、第2の回転筒の回転に伴って第2群
レンズを所定の軌跡に沿って光軸方向に移動させる変倍
用の第1の案内手段と、第2の回転筒と同軸に設けられ
た回転体と、変倍時には上記回転体の第2の回転筒と一
体の回転を許容し、かつ焦点調節時には上記回転体の回
転を阻止するクラッチ手段と、上記回転体に設けられ、
この回転体が上記クラッチ手段により回転を阻止された
とき、第2の回転筒の回転に伴って第2の回転筒を案内
して、第2群レンズを、第1の案内手段と共働して変倍
時とは異なる軌跡に沿って光軸方向に移動させる焦点調
節用の第2の案内手段と、を備えてなることを特徴とす
るものである。
【0009】上記回転体および上記クラッチ手段は、第
1群レンズの周囲に配置することができる。
【0010】上記回転体が環状部を備え、第2の回転筒
の回転位置を検出するエンコーダが上記環状部に沿って
設けられていることが好ましい。
【0011】本発明の1つの態様によれば、上記クラッ
チ手段が、焦点調節時に通電される電磁ソレノイドと、
上記回転体にその回転方向に沿って所定の角度間隔を保
って形成された複数の係合爪と、これら複数の係合爪の
うちの少なくとも1つに係合し得る係止爪を備え、通電
時の電磁ソレノイドへの吸着によりその係止爪が上記回
転体の係合爪に係合して回転体の回転を阻止する係止部
材と、上記電磁ソレノイドの非通電時には、上記回転体
の、その係合爪が上記係止爪をばね付勢力に抗して押し
退けながらの回転を許容する態様で、上記係止部材をそ
の係止爪が回転体の係合爪に係合する方向にばね付勢す
る付勢手段と、を備えている。
【0012】また、本発明の他の態様によれば、上記ク
ラッチ手段が、焦点調節時に通電される電磁ソレノイド
と、上記回転体に固着され、通電時の上記電磁ソレノイ
ドに対し光軸方向へ吸着されて上記回転体の回動を阻止
する磁性材と、を備えている。
【0013】さらに、本発明は、上記クラッチ手段のア
クチュエータとして、電磁ソレノイドに代えて形状記憶
合金ばねを用いることもできる。
【0014】すなわち、本発明のさらに他の態様によれ
ば、上記クラッチ手段が、上記回転体にその回転方向に
沿って所定の角度間隔を保って形成された複数の係合爪
と、これら複数の係合爪のうちの少なくとも1つに係合
し得る係止爪を備えた係止部材と、この係止部材に一端
を連結され、焦点調節時に通電されてこの通電に伴う発
熱により通常金属ばねに抗して変形して、上記係止部材
をその係止爪が上記回転体の係合爪に係合して上記回転
体の回転を阻止する位置に移動させ、非通電時には、上
記通常金属ばねにより上記係止部材をその係止爪が上記
回転体の係合爪に係合しない位置に保持して、上記回転
体の回転を許容する形状記憶合金ばねとを備えている。
【0015】
【発明の効果】本発明によるズームレンズ鏡筒において
は、クラッチ手段のオン・オフ動作により変倍動作と焦
点調節動作とを選択的に行なうように構成されているか
ら、単一の駆動手段で変倍と焦点調節とを行なうことが
可能になる。
【0016】また、本発明によれば、焦点調節用の第2
の案内手段を備えた回転体が、変倍時には、変倍用の案
内手段を備えた第2の回転筒と一体に回転し、クラッチ
手段により回転を阻止される焦点調節時には、第2の回
転筒を光軸方向に案内する第2の案内手段を備えている
ことにより、簡単な構造で変倍と焦点調節とを選択的に
行なうことができる。
【0017】そして、焦点調節時には、第2群レンズが
第2の案内手段によって案内されるように構成されてい
るから、焦点調節動作が不安定になるおそれが解消され
る。
【0018】また、焦点調節時には、電磁ソレノイドに
より係止部材の係止爪を回転体の係合爪に係合させて回
転体の回転を阻止するように構成した場合、回転体を所
定位置に確実に停止させることができ、これによって、
変倍位置を確実に規定することがでる。
【0019】さらに、焦点調節時には、回転体に固着さ
れた磁性板を電磁ソレノイドで吸着して、回転体の回転
を阻止するように構成した場合、基本的には、どの変倍
位置においても回転体を停止させて焦点調節を行なうこ
とができる。
【0020】さらに、クラッチアクチュエータとして電
磁ソレノイドに代えて焦点調節時に通電される形状記憶
合金ばねを設け、この通電に伴う発熱により形状記憶合
金ばねが変形して、係止部材の係止爪を回転体の係合爪
に係合させて回転体の回転を阻止するように構成した場
合、クラッチアクチュエータの構成を簡略化することが
でき、かつ消費電力も少なくて済む利点がある。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて詳細に説明する。
【0022】図1は、ワイド位置にある本発明の第1の
実施の形態によるズームレンズ鏡筒を光軸を含む垂直面
で切断した断面図、図2は要部の概略的分解斜視図であ
る。
【0023】図示のズームレンズ鏡筒1は、図示しない
カメラ本体に固定された固定筒3と、この固定筒3の内
側に同軸的に位置して駆動モータにより回動される中間
筒(第1の回転筒)4と、中間筒4の内側に同軸的に設
けられて、中間筒4の回動に伴って中間筒4の前端から
光軸S方向に出没する移動筒5と、この移動筒5の内側
に同軸的に位置する第2群カム筒(第2の回転筒)6と
を備えている。
【0024】中間筒4は、固定筒3の外側に設けられた
光軸S方向に延びる長い歯面を備えた柱状ギア(図示は
省略)に螺合するギア4bを外周面後部に備えており、
かつこのギア4b上に、固定筒3の内周面に形成された
内ヘリコイド3aと螺合する外ヘリコイド4aが形成さ
れていることにより、中間筒4が柱状ギアを介して駆動
モータにより回動されると、柱状ギア上を摺動しながら
光軸S方向に移動するように構成されている。
【0025】中間筒4の後端には、中間筒4を回転自在
に支持し、かつ固定筒3の内周面に形成された光軸S方
向に延びる溝3bに係合して中間筒4とともに光軸S方
向に移動するキー板7が設けられ、このキー板7に後端
を固定された上下一対の直進キー8,8が光軸S方向前
方に向かって延びている。
【0026】移動筒5は、中間筒4の内周面の内ヘリコ
イド4cと螺合する外ヘリコイド5aを外周面に備えて
おり、移動筒5の前部には、第1群レンズ枠9に保持さ
れた第1群レンズ10が固定されている。また、移動筒
5の内周面の上下には、光軸S方向に直線的に延びる溝
5b,5bが形成され、これら溝5b,5bに、直進キ
ー8,8がそれぞれ係合していることによって、移動筒
5が光軸S方向に直進するように構成されている。
【0027】第2群カム筒6の内側には、中間筒4を回
転可能に支持し、かつ移動筒5に前端を固定された直進
筒11が同軸的に設けられている。
【0028】第1群レンズ10の後方には、第2群レン
ズ20を支持し、かつシャッターブレード12を備えた
シャッターユニット(図示は省略)を内蔵した第2群レ
ンズ枠13が位置している。この第2群レンズ枠13の
外周面には、光軸Sの周りにほぼ等角度間隔に配置され
た3本のカムフォロワピン14が半径方向に突設されて
いる。
【0029】一方、第2群カム筒6の内周面には、光軸
Sと直角な方向に対して傾斜した変倍用のカム溝(第1
の案内手段)6aが3本のカムフォロワピン14に対し
てそれぞれ設けられ、各カムフォロワピン14は、直進
筒11に形成された光軸S方向に直線的に延びる直進溝
11aを貫通して、第2群カム筒6のカム溝6aに係入
している。したがって、第2群カム筒6が回転すると、
第2群レンズ枠13は直進筒8の直進溝8aとカム筒6
カム溝6aとに案内されて、光軸S方向に直進するよう
になっている。
【0030】第2群レンズ20の後方には、第3群レン
ズ30を支持した第3群レンズ枠15が位置している。
第3群レンズ枠15の外周面には、光軸Sの周りにほぼ
等角度間隔に配置された3本のカムフォロワピン16が
半径方向外方へ向かってに突設されている。
【0031】第2群カム筒6の後方には、第3群カム筒
17が配置されている。この第3群カム筒17の内周面
には、光軸Sと直角な方向に対して傾斜したカム溝17
aが3本のカムフォロワピン16に対してそれぞれ設け
られ、各カムフォロワピン16は、直進筒11の後端に
形成された光軸S方向に直線的に延びる切溝11bを貫
通して、第3群カム筒17のカム溝17aに係入してい
る。
【0032】第3群カム筒17の前端には、第2群カム
筒6の後端において光軸Sの周りにほぼ等角度間隔を形
成された3本の係合溝6bにそれぞれ係合する3個の係
合片17bが前方に向かって突設され、また、第3群カ
ム筒17の後端には、中間筒4の内周面に形成された光
軸S方向に延びる2本の係合溝4dに係合する2個の係
合片17cが後方へ向かって突設されていることによ
り、中間筒4の回転が第3群カム筒17および第2群カ
ム筒6に伝達され、第3群カム筒17が回転すると、第
3群レンズ枠15は直進筒8の切溝11bと第3群カム
筒17のカム溝17aとに案内されて、光軸S方向に直
進するようになっている。
【0033】第2群レンズ枠13と第3群レンズ枠15
との間にはコイルスプリング18が縮装されて、カムフ
ォロワピン14および16をそれぞれカム溝6aおよび
17aの光軸S方向の壁部に当接させているが、沈胴時
には、コイルスプリング18を圧縮する状態で第3群レ
ンズ枠15が第2群レンズ枠13に接近せしめられるよ
うに、カム溝17aのワイド側の端部には、光軸S方向
へ延びる短い溝が連接されている。
【0034】直進筒11の前端部は、第1群レンズ枠9
の外周面に近接するように小径に形成され、この小径部
11cの周囲には焦点調節機構が配置されている。この
焦点調節機構は、直進筒11の小径部11cの外周面の
後端に回動可能に同軸的に嵌装された環状部22を有す
る回転体21を備えている。
【0035】回転体21の環状部22の後面の3箇所に
は、環状部22の外周面に沿う曲面に形成されたカム板
23が後方へ向かって一体に固設され、各カム板23
に、光軸Sと直角な方向に対して傾斜した焦点調節用の
カム溝(第2の案内手段)23aが形成されている。そ
して、各カム溝23aに、第2群カム筒6の内周面の前
端部に内方へ向かって突設された3本のカムフォロワピ
ン24が外側から係入している。そして、各カム板23
と第2群カム筒6との間には、各カムフォロワピン24
を付勢して各カム溝23aのワイド側端部(図2のA)
に当接させておく引っ張りスプリング25が介装されて
いることにより、回転体22はその回動を後述する電磁
クラッチにより回動を阻止されない限り、第2群カム筒
6と一体に回転するように構成されている。
【0036】回転体21の環状部22の前面には、図3
に示すように、半径方向外方に面する複数の係合爪26
aを環状体22の外周に沿って回転体21の回転方向に
所定の角度間隔を保って形成した鋸歯状部26が所定の
角度範囲に亘って設けられ、隣接する係合爪26a,2
6aの間にV字溝26bが形成されている。このV字溝
26bは、変倍停止位置の数だけ、例えば8個存在す
る。
【0037】一方、移動筒5は、その前端内部に後方へ
面する環状の壁面5cを備えており、この壁面5cに、
軸27が後方へ向かって突設されているとともに、直進
筒11の小径部11cの外周面には、光軸Sに関して上
記軸27と対称的な位置に、電磁ソレノイド28が固定
されている。
【0038】また、焦点調節機構は、図4、図5に示す
ような円弧状のクラッチレバー(係止部材)31を備え
ている。このクラッチレバー31は、その基端のボス部
31aを上記軸27に揺動自在に軸支され、かつその自
由端に、通電された上記電磁ソレノイド28に吸着され
る鉄片32がピン31cによって軸支されている。クラ
ッチレバー31の中央部には、回転体21の複数のV字
溝26bのいずれかに係合し得る三角形の係止爪31b
を備えており、クラッチレバー31の基端のボス部31
aの周りには、クラッチレバー31をその係止爪31b
が回転体21の係合爪26aに係合する方向にばね付勢
するコイルスプリング33が懸装されている。このコイ
ルスプリング33はまた、電磁ソレノイド28が非通電
状態にあっても、図6に示すように、回転体21が任意
の変倍位置に停止して、クラッチレバー31の係止爪3
1bがV字溝26b内にあれば、クラッチレバー31の
自由端の鉄片32が電磁ソレノイド28に当接するよう
にクラッチレバー31を付勢している。
【0039】なお、図2においては、理解を容易にする
ために、回転体21における鋸歯状部26およびクラッ
チレバー31の向きが実際とは反対に描かれている。
【0040】この場合、図6から明らかなように、クラ
ッチレバー31の係止爪31bとV字溝26bとの間に
若干の空隙が存在するように設定することにより、待機
位置および沈胴位置では、鉄片32がコイルスプリング
33のばね付勢力により電磁ソレノイド28に確実に当
接するようにして、電磁ソレノイド28の通電時に鉄片
32が確実に電磁ソレノイド28に吸着されるように図
られている。
【0041】さらに、クラッチレバー31の係止爪31
bとV字溝26bとの間に空隙が存在することにより、
回転体21の係合爪26a等の位置精度のバラツキに起
因する第2群カム筒6の変倍動作の停止精度のバラツキ
がキャンセルされるようになっている。
【0042】そして、変倍時(電磁ソレノイド28の非
通電時)には、回転体21の回転に伴って回転体21の
係合爪26aが、クラッチレバー31の係止爪31bを
コイルスプリング33の付勢力に抗して押し退けるよう
に、したがって鉄片32が電磁ソレノイド28から離れ
るようにクラッチレバー31を軸27の周りで揺動さ
せ、図7に示すように、係合爪26aと係止爪31bと
の係合が外れることによって、回転体21の第2群カム
筒6と一体の回転が許容される。
【0043】この場合、回転体21の係合爪26aは、
図7からも明らかなように、ワイド側に変倍するとき、
すなわち回転体21が図7の反時計方向に回転すると
き、回転体21の係合爪26aがクラッチレバー31の
係止爪31bを乗り越え易くするために、係合爪26a
のワイド側(図7の反時計方向側)の斜面の傾斜が、テ
レ側(図7の時計方向側)の斜面の傾斜よりも緩やかに
設定されている。
【0044】一方、焦点調節時には、図8に示すよう
に、回転体21をテレ方向に回転させながら、電磁ソレ
ノイド28に通電することにより、クラッチレバー31
の係止爪31bが回転体21の係合爪26aに係合し
て、回転体22の回動が阻止されることになる。
【0045】回転体21の回動が阻止されると、第2群
カム筒6が回転体21に対してテレ側に相対回転するか
ら、第2群カム筒6は、回転体21に固設されているカ
ム板23の焦点調節用カム溝23aに案内されて光軸S
方向に移動するとともに、このときの第2群カム筒6の
回動により、第2群カム筒6の変倍用カム溝6aが第2
群レンズ20を第2群カム筒6に対して相対的に光軸S
方向に移動させるから、第2群レンズ20は、両カム溝
6a,23aの共働作用により、変倍時とは異なる軌跡
に沿って光軸方向に移動し、これによって焦点調節が行
なわれることになる。
【0046】なお、回転体21の環状部22の前面の鋸
歯状部26が設けられている領域以外の領域22aの前
面または後面(本実施の形態では前面)には、第2群カ
ム筒6の回転位置を検出するエンコーダの円弧状のプリ
ント基板34が配設され、このプリント基板34に、直
進筒11に固定されたブラシ35(図2参照)が摺接し
ている。
【0047】次に、上述した構成を有する本実施の形態
によるズームレンズ鏡筒の動作について、ここに列記す
る。
【0048】A.変倍動作 (1) モーターの回転で中間筒4が回転しながら光軸S方
向に移動する。
【0049】(2) 移動筒5は回転せずに、直進筒11と
ともに光軸S方向に直進し、第1群レンズ10が光軸S
方向に移動する。
【0050】(3) 中間筒4の回転により、中間筒4、第
3群カム筒17、第2群カム筒6および回転体22が一
体的に回転し、第3群カム筒17のカム溝17aおよび
第2群カム筒6のカム溝6aにより、第3群レンズ30
および第2群レンズ20の光軸S上の位置が規定され
る。
【0051】(4) このとき、回転体21は、クラッチレ
バー31のコイルスプリング33のばね付勢力に抗し
て、回転体21の係合爪26aがクラッチレバー31の
係止爪31bを押し退けながら、すなわち、クラッチレ
バー31を揺動させながら回転する。
【0052】B.焦点調節動作 (1) 電磁ソレノイド28に通電して、クラッチレバー3
1の自由端の鉄片32を電磁ソレノイド28に吸着さ
せ、クラッチレバー31の動きを止める。
【0053】(2) モーターの回転で中間筒4、第3群カ
ム筒17および第2群カム筒6がテレ方向に回転する
が、回転体21は、クラッチレバー31の係止爪31b
で係止されて、回転が阻止される。
【0054】(3) このとき、第2群カム筒6は、回転体
21のカム板23のカム溝23aに案内されて回転しな
がら光軸S方向に移動することにより、第2群レンズ2
0は、変倍時とは異なる軌跡に沿って移動し、焦点調節
が行なわれる。
【0055】(4) 第1群レンズ10および第3群レンズ
30は変倍時と同じ軌跡に沿って移動する。
【0056】図9は、中間筒4の回転角度に対する第1
群レンズ10、第2群レンズ20および第3群レンズの
移動位置を、それぞれ直線I、直線IIおよび直線III に
よって示す移動線図である。Z1〜Z8は、エンコーダ
21により決定される各変倍位置を示し、回転体21の
係合爪26aにクラッチレバー31の係止爪31bが係
合する待機位置である。直線IVは、例えば変倍位置Z5
における電磁ソレノイド28の通電により、回転体21
が停止し、その状態で中間筒4がテレ方向へ回動されて
焦点調節が行なわれることをし示している。
【0057】そして、撮影が終了すると、モータ−が逆
転されて、全レンズ群10〜30がZ5の待機位置まで
戻されるように構成されている。
【0058】本実施の形態によれば、単一の中間筒4の
回転駆動と、電磁クラッチのオン・オフ動作により、変
倍と焦点調節とを行なうことができるとともに、焦点調
節時には、回転体21の係合爪26aにクラッチレバー
31の係止爪31bを係合させて回転体21の回転を阻
止しているから、変倍位置を確実に規定することがで
る。
【0059】次に図10は、ワイド位置にある本発明の
第2の実施の形態によるズームレンズ鏡筒を光軸を含む
垂直面で切断した、図1に対応する断面図、図11は、
図2に対応する要部の概略的分解斜視図である。
【0060】本実施の形態のズームレンズ鏡筒2が、上
述した第1の実施の形態のズームレンズ鏡筒1と異なる
点は、図11からも明らかなように、第3群カム筒17
が省略されて第3群レンズ30が半固定式になっている
点と、焦点調節機構の回転体21の回転阻止機構がクラ
ッチレバー式でなく磁性板吸着式になっている点にあ
る。
【0061】すなわち、直進筒11の後部内周面には、
直進筒11の外周面には達しない状態で、かつ直進筒1
1の後端面に開口しない状態で光軸S方向に延びる溝1
1dが形成され、第3群レンズ枠15に突設されている
短い係合ピン16′が溝11dに係入していることによ
り、第3群レンズ30は、直進筒11に光軸S方向にの
み移動可能に保持されている。
【0062】そして、第2群レンズ枠13と第3群レン
ズ枠15との間にコイルスプリング18が縮装されてい
ることにより、通常撮影時には、図10から明らかなよ
うに、第3群レンズ枠15のピン16が直進筒11の溝
11dの後端に当接し、これによって、第3群レンズ3
0と第1群レンズ10との間隔は常に一定に保たれてい
るが、沈胴時には、コイルスプリング18が圧縮された
状態で、ピン16が上記非貫通溝11dの前端に位置し
て、第3群レンズ30と第1群レンズ10との間隔が短
縮されるようになっている。
【0063】また、第2群カム筒6の後端には、中間筒
4の内周面に形成された光軸S方向に延びる2本の係合
溝4dにそれぞれ係合する一対の係合片6cが後方へ向
かって突設されていることにより、中間筒4の回転が直
接第2群カム筒6に伝達されるようになっている。
【0064】一方、焦点調節機構の回転体21の環状部
22の前面には、環状の磁性板36が固着されていると
ともに、移動筒5がその前端内部に備えている後方へ面
する環状の壁面5cには、通電時に上記磁性板36を光
軸S方向に吸着して、回転体21の回転を阻止する電磁
ソレノイド38が固定されている。
【0065】本実施の形態においては、上述した構成を
除いては、第1の実施の形態と同様であるので、対応す
る部材には同一符号を付して、重複する説明は省略する
が、電磁ソレノイド38が非通電状態にあるときには、
回転体21が磁性板36とともに回転して変倍が行なわ
れる。
【0066】そして、変倍位置がエンコーダで検出され
て、モーターが停止されると、電磁ソレノイド38に通
電され、磁性板36が電磁ソレノイド38に吸着され
て、回転体21の回転が阻止される。そして、中間筒4
のテレ側への回転により、第1の実施の形態の場合と同
様に、図9の直線IVに沿った焦点調節が行なわれる。
【0067】なお、モーター停止時のブレーキとして電
磁ソレノイド38に通電してもよい。
【0068】本実施の形態によれば、単一の中間筒4の
回転駆動と、電磁クラッチのオン・オフ動作により、変
倍と焦点調節とを行なうことができるとともに、焦点調
節時には、回転体21に固着された磁性板36を電磁ソ
レノイド38で吸着して、回転体21の回転を阻止する
ように構成されているから、基本的には、エンコーダで
設定されたどの変倍位置においても回転体21を停止さ
せて焦点調節を行なうことができる利点がある。
【0069】なお、上述した第1および第2の実施の形
態では、第1群レンズ10および第2群レンズ20に加
えて第3群レンズ30を備えているが、本発明は第3群
レンズ30を省略した構成のズームレンズ鏡筒にも適用
できるものである。
【0070】次に、図12は、本発明の第3の実施の形
態によるズームレンズ鏡筒の要部の概略的分解斜視図、
図13は、本実施の形態が備えているスライダーを、こ
れと係合する移動筒のカム溝と、回転体の爪とともに示
す分解正面図である。
【0071】本実施の形態は、前述した第1の実施の形
態におけるクラッチレバー31に代えてスライダー41
を係止部材として用いたもので、このスライダー41の
カムフォロワピン41a,41bにそれぞれに係合する
2個のカム溝44,45が、カム溝44をテレ側とし
て、回転体21の回転方向に沿って所定の間隔を保って
移動筒5に形成され、かつ回転体21の環状部22に、
上記スライダー41の係止爪46に係合し得る複数の係
合爪47が環状部22の外縁に沿って所定の間隔を保っ
て形成されていることを除いては、第1の実施の形態と
ほぼ同一の構成を有するので、図12には変更点のみを
記載し、対応する部分には同一符号を付し、重複する説
明は省略する。また、図1に対応する断面図も省略す
る。
【0072】なお、図13においても、図3と同様に、
回転体21の反時計方向の回転方向がワイド側で、回転
体21の時計方向の回転方向がテレ側である。
【0073】スライダー41の前面のテレ側の端部に
は、テレ側のカム溝44に係合するカムフォロワピン4
1aが突設され、ワイド側の端部には、ワイド側のカム
溝45に係合するカムフォロワピン41bが突設されて
いる。また、スライダー41の後面には、通電時の電磁
ソレノイド48に吸着される鉄片42を軸支するピン4
1cがワイド側のカムフォロワピン41bと同軸に突設
されている。さらに、スライダー41の外側面には、回
転体21の環状部22に形成された複数の係合爪47の
1つに選択的に係合し得る係止爪46が突設され、スラ
イダー41の内側には、一端が移動筒5に設けられたピ
ン5c(図14参照)に係止された引張りスプリング4
3の他端を係止するピン41dが設けられている。
【0074】図13に示すように、移動筒5に形成され
たテレ側のカム溝44は、光軸S方向に面する比較的短
い第1のカム面44aと、このカム面44aの、テレ側
端に連接して、環状部22の外周から遠ざかる方向へ延
びる比較的長い第2のカム面44bを備えている。そし
て、第2のカム面44bは、スライダー41の係止爪4
6と回転体21の係合爪47との係合が外れる方向にス
ライダー41を案内する機能を有する。このカム溝44
は、スライダー41のテレ側の端部が光軸Sに向かう方
向にカムフォロワピン41bを軸として図の時計方向に
揺動可能なように広い開口部を有する。また、スライダ
ー41のワイド側のカムフォロワピン41bが係合して
いるカム溝45は、カムフォロワピン41bを回転体2
1の回転方向に案内すべく円弧状に形成されている。
【0075】上記引張りスプリング43は、スライダー
41の係止爪46が回転体21の係合爪47に係合する
方向にスライダー41をばね付勢するとともに、ピン4
1cに軸支された鉄片42を電磁ソレノイド48に向か
ってばね付勢している。同時に引張りスプリング43
は、スライダー41のテレ側のカムフォロワピン41a
をカム溝44のカム面44a,44bに押接するする機
能を有する。
【0076】スライダー41の係止爪46のワイド側の
壁面は、回転体21の回転方向に対して垂直な面46a
を形成し、テレ側の壁面は緩斜面46bを形成してい
る。これに対して回転体21側の複数の係合爪47のそ
れぞれは、テレ側の壁面が垂直面47aを形成し、ワイ
ド側の壁面が緩斜面47bを形成している。
【0077】次に、本実施の形態によるズームレンズ鏡
筒の動作について、図14を参照しながら説明する。な
お、48aは電磁ソレノイド48の鉄心、48bは電磁
ソレノイド48の励磁コイルである。
【0078】(1) 回転体21が任意のズーム位置に停止
したとき、図14(a) に示すように、スライダー41の
係止爪46は、引張りスプリング43の作用で回転体2
1側の隣接する2つの爪47,47の間に落ち込んでお
り、かつ鉄片42は引張りスプリング43の作用で非通
電状態の電磁ソレノイド48の鉄心48aに押接され、
この状態でワイド側のカムフォロワピン41bがカム溝
45のワイド側の端部に位置している。また、テレ側の
カムフォロワピン41aはカム溝44の第1のカム面4
4aに押接されている。
【0079】(2) テレ方向の変倍が行なわれるときに
は、回転体21がテレ方向に回動されることにより、図
14(b) に示すように、スライダー41の係止爪46の
垂直面46aに回転体21側の係合爪47の垂直面47
aが係合し、係止爪46がテレ方向に押され、また、電
磁ソレノイド48は非通電状態にあるから、スライダー
41は、引張りスプリング43の付勢力に抗して、かつ
ワイド側のカムフォロワピン41bがカム溝45に案内
される態様でテレ方向にスライドし、鉄片42は電磁ソ
レノイド48の鉄心48aから離れる。これに伴って、
テレ側のカムフォロワピン41aはカム溝44の第2の
カム面45bに沿って図の左方に移動することにより、
スライダー41のテレ側の端端が図の左方に移動するか
ら、係止爪46と係合爪47との係合が外れ、回転体2
1のテレ方向の回転が許容される。
【0080】(3) ワイド方向の変倍が行なわれるときに
は、回転体21がワイド方向に回動されることにより、
図14(c) に示すように、スライダー41の係止爪46
の緩斜面46bが回転体21側の係合爪47の緩斜面4
6bに係合するから、回転体21の係合爪47は、スラ
イダー41の係止爪46を押し退けながらワイド方向に
移動することができ、したがって、回転体21は、スラ
イダー41をカムフォロワピン41bを軸として揺動さ
せながらのワイド方向の回転が許容される。この間、鉄
片42は、引っ張りばね43のばね付勢力で非通電状態
の電磁ソレノイド48の鉄心48aに押接されたままで
ある。
【0081】(4) 焦点調節時には、電磁ソレノイド48
の励磁コイル48bに通電されて、鉄片42が電磁ソレ
ノイド48の鉄心48aに吸着されるため、スライダー
41は図14(a) ,(d) に示す位置に固定され、回転体
21がテレ方向に回動しようとしても、スライダー41
の係止爪46の垂直面46aに回転体21側の係合爪4
7の垂直面47aが係合して、回転体21の回転が阻止
される。したがって、第1の実施の形態と同様に、回転
体21のカム板23に形成されているカム溝23aの作
用で焦点調節が行なわれることになる。
【0082】本実施の形態においても、焦点調節時に
は、回転体21の係合爪47にスライダー41の係止爪
46を係合させて回転体21の回転を阻止しているか
ら、第1の実施の形態と同様に、確実な焦点調節動作が
得られること明らかである。
【0083】次に、図15は、本発明の第4の実施の形
態によるズームレンズ鏡筒を図12に対応させて示す要
部の概略的分解斜視図、図16は、本実施の形態が備え
ているクラッチレバーを、このクラッチレバーの軸に嵌
合してこれを揺動自在に軸支する移動筒の嵌合孔と、ク
ラッチレバーの回動角度範囲を規制する移動筒のストッ
パ溝とともに示す分解正面図である。また、図17
(a),(b)はその動作説明図である。
【0084】本実施の形態も、上述した第3の実施の形
態と同様に、回転体21の環状部22に、複数の係合爪
47が環状部22の外縁に沿って所定の間隔を保って形
成されているが、本実施の形態では、第3の実施の形態
におけるスライダー41に代えて、クラッチレバー51
を係止部材として備えている。また、クラッチアクチュ
エータとして、電磁ソレノイド48に代えて、形状記憶
合金ばね53を用いている。なお、図16,図17にお
いても、図13,図14と同様に、回転体21の反時計
方向の回転方向がワイド側で、回転体21の時計方向の
回転方向がテレ側である。
【0085】移動筒5には、円形の嵌合孔55と、嵌合
孔55を中心とする円弧状のストッパ溝56とが嵌合孔
55をワイド側として回転体21の回転方向に沿って所
定の間隔を保って形成され、クラッチレバー51の前面
のワイド側の端部には、移動筒5の嵌合孔55に軸支さ
れてクラッチレバー51の揺動軸を構成するピン51a
が突設され、テレ側の端部には、移動筒5のストッパ溝
56と係合する51bが突設されている。そして、クラ
ッチレバー51は、ピン51aを軸として、ピン51b
がストッパ溝56内で移動し得る範囲内で揺動自在とな
っている。
【0086】また、クラッチレバー51の外側面には、
回転体21の環状部22に形成された複数の係合爪47
の1つに選択的に係合し得る係止爪52が突設され、ク
ラッチレバー51のワイド側のピン51a近傍の内側面
には、クラッチレバー51の延長方向と直交する方向に
アーム51cが延設されている。このアーム51cの先
端には、ピン51a,51bとは反対方向に突出するピ
ン51dが突設されている。このピン51dには、形状
記憶合金製の引っ張りばね53の一端と、通常金属製の
引っ張りばね54の一端とがそれぞれ連結され、ばね5
3,54の他端は、図17に示すように、移動筒5上に
設けられたピン57,58にそれぞれ係止されている。
【0087】この場合、形状記憶合金製の引っ張りばね
53は、クラッチレバー51を図17の反時計方向に揺
動させるように付勢し、通常金属製の引っ張りばね54
は、クラッチレバー51を図17の時計方向に揺動させ
るように付勢している。そして、引っ張りばね53,5
4のそれぞれの一端はピン51dの位置で電気的に導通
されているとともに、焦点調節時には、直列に接続され
た引っ張りばね53,54に対し通電がなされるように
構成されている。
【0088】また、変倍動作中および任意の変倍位置に
停止したときには、引っ張りばね53,54は非通電状
態とされ、この状態では、通常金属製の引っ張りばね5
4の付勢力が形状記憶合金製の引っ張りばね53の付勢
力を上回るように設定されていることにより、クラッチ
レバー51は、図17の時計方向に付勢されて、図17
(a)に示すように、クラッチレバー51のピン51b
がストッパ溝56の左端に係止されている。そしてこの
状態では、クラッチレバー51の係止爪52が、回転体
21の複数の係合爪47の回転軌跡の外にあって、係合
爪47に係合しない位置に保持されているから、回転体
21の回転が許容される。
【0089】一方、焦点調節時に引っ張りばね53,5
4に対する通電がなされると、形状記憶合金製の引っ張
りばね53はその通電に伴う発熱によって収縮し、その
付勢力が他方の通常金属製の引っ張りばね54の付勢力
を上回るから、クラッチレバー51は、ピン51aを軸
として図17の反時計方向に揺動して、図17(b)に
示すように、クラッチレバー51のピン51bが円弧状
のストッパ溝56の右端に係止された位置に停止し、こ
の位置では、クラッチレバー51の係止爪52が、回転
体21の複数の係合爪47の回転軌跡内に係入する。
【0090】すなわちこの状態では、回転体21がテレ
方向に回動しようとしても、クラッチレバー51の係止
爪52の垂直面52aに回転体21側の係合爪47の垂
直面47aが係合するから、回転体21の回転が阻止さ
れる。したがって、上述の実施の形態と同様に、回転体
21のカム板23に形成されているカム溝23aの作用
で焦点調節が行なわれることになる。そして、再び変倍
が行なわれるときには、回転体21がワイド方向に回動
されるとともに、形状記憶合金製の引っ張りばね53に
対する通電が停止されることにより、この引っ張りばね
53の温度が低下して図17(a)に示す状態に復帰す
る。
【0091】本実施の形態によれば、クラッチアクチュ
エータとして電磁ソレノイドに代えて形状記憶合金製の
引っ張りばね53を用いていることにより、クラッチア
クチュエータクラッチの構成を簡略化することができ、
かつ一旦クラッチレバー51の係止爪52の垂直面52
aに回転体21側の係合爪47の垂直面47aが係合し
た後は、通電を停止しても、回転体21がテレ方向に付
勢されているため、両者の噛み合いにより図17(b)
の状態が保持されるから、消費電力も少なくて済む利点
がある。
【0092】なお、上述の説明では、焦点調節時に引っ
張りばね53,54の双方に亘って通電がなされるよう
になっているが、形状記憶合金製の引っ張りばね53の
みに通電がなされるように構成してもよいことは言うま
でもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるズームレンズ鏡筒の第1の実施の
形態のワイド位置にある状態を示す縦断面図
【図2】その要部の分解斜視図
【図3】焦点調節用回転体の正面図
【図4】クラッチレバーの正面図
【図5】クラッチレバーの側面図
【図6】回転体が任意の変倍位置に停止した状態を示す
正面図
【図7】変倍時に回転体の係合爪がクラッチレバーの係
止爪を乗り越える状態を示す正面図
【図8】焦点調節時に回転体の回転が阻止される状態を
示す正面図
【図9】中間筒の回転位置に対する第1群レンズ〜第3
群レンズの移動軌跡を示す線図
【図10】本発明によるズームレンズ鏡筒の第2の実施
の形態のワイド位置にある状態を示す縦断面図
【図11】その要部の分解斜視図
【図12】本発明によるズームレンズ鏡筒の第3の実施
の形態の要部の分解斜視図
【図13】本発明によるズームレンズ鏡筒の第3の実施
の形態におけるスライダーを、これと係合する移動筒の
カム溝と、回転体の係合爪とともに示す分解正面図
【図14】本発明によるズームレンズ鏡筒の第3の実施
の形態の動作説明図
【図15】本発明によるズームレンズ鏡筒の第4の実施
の形態を図12に対応させて示す要部の分解斜視図
【図16】本発明によるズームレンズ鏡筒の第4の実施
の形態におけるクラッチレバーを、このクラッチレバー
の軸に嵌合してをれを揺動自在に軸支する移動筒の嵌合
孔と、クラッチレバーの揺動角度範囲を規制する移動筒
のストッパ溝とともに示す分解正面図
【図17】本発明によるズームレンズ鏡筒の第4の実施
の形態の動作説明図
【符号の説明】
1,2 ズームレンズ鏡筒 3 固定筒 4 中間筒(第1の回転筒) 5 移動筒 6 第2群カム筒(第2の回転筒) 6a カム溝(第1の案内手段) 7 キー板 8 直進キー 9 第1群レンズ枠 10 第1群レンズ 11 直進筒 12 シャッターブレード 13 第2群レンズ枠 14,16 カムフォロワピン 15 第3群レンズ枠 17 第3群カム筒 18 コイルスプリング 20 第2群レンズ 21 回転体 22 回転体の環状部 23 カム板 23a カム溝(第2の案内手段) 26 鋸歯状部 26a 回転体の係合爪 26b V字溝 28,38、48 電磁ソレノイド 30 第3群レンズ 31 クラッチレバー(係止部材) 31b クラッチレバーの係止爪 32,42 鉄片 33 コイルスプリング(付勢手段) 36 磁性板 41 スライダー(係止部材) 43 引っ張りスプリング(付勢手段) 44,45 カム溝 46 スライダーの係止爪 47 回転体の係合爪 51 クラッチレバー(係止部材) 52 クラッチレバーの係止爪 53 形状記憶合金製引っ張りばね 54 通常金属製引っ張りばね 55 嵌合孔 56 ストッパ溝

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一の回転筒を駆動することにより変倍
    と焦点調節とを行なうズームレンズ鏡筒において、 回転駆動される機構の一部にクラッチ手段が設けられ、
    該クラッチ手段のオン・オフ動作により、変倍動作と焦
    点調節動作とを選択的に行なうように構成されてなるこ
    とを特徴とするズームレンズ鏡筒。
  2. 【請求項2】 光軸上に前後に配置されてズームレンズ
    の少なくとも一部を構成する第1群レンズおよび第2群
    レンズと、 光軸の周りで回転可能に設けられ、その回転により前記
    第1群レンズを光軸方向に移動させる第1の回転筒と、 前記第1の回転筒と同軸に設けられ、該第1の回転筒の
    回転により回転せしめられる第2の回転筒と、 該第2の回転筒に設けられ、該第2の回転筒の回転に伴
    って前記第2群レンズを所定の軌跡に沿って光軸方向に
    移動させる変倍用の第1の案内手段と、 前記第2の回転筒と同軸に設けられた回転体と、 変倍時には前記回転体の前記第2の回転筒と一体の回転
    を許容し、かつ焦点調節時には前記回転体の回転を阻止
    するクラッチ手段と、 前記回転体に設けられ、該回転体が前記クラッチ手段に
    より回転を阻止されたとき、前記第2の回転筒の回転に
    伴って該第2の回転筒を案内して、前記第2群レンズ
    を、前記第1の案内手段と共働して変倍時とは異なる軌
    跡に沿って光軸方向に移動させる焦点調節用の第2の案
    内手段と、を備えてなることを特徴とするズームレンズ
    鏡筒。
  3. 【請求項3】 前記回転体および前記クラッチ手段が前
    記第1群レンズの周囲に配置されてなることを特徴とす
    る請求項2記載のズームレンズ鏡筒。
  4. 【請求項4】 前記回転体が環状部を備え、前記第2の
    回転筒の回転位置を検出するエンコーダが前記環状部に
    沿って設けられてなることを特徴とする請求項2または
    3記載のズームレンズ鏡筒。
  5. 【請求項5】 前記クラッチ手段が、 焦点調節時に通電される電磁ソレノイドと、 前記回転体にその回転方向に沿って所定の角度間隔を保
    って形成された複数の係合爪と、 該複数の係合爪のうちの少なくとも1つに係合し得る係
    止爪を備え、通電時の前記電磁ソレノイドへの吸着によ
    りその係止爪が前記回転体の係合爪に係合して前記回転
    体の回転を阻止する係止部材と、 前記電磁ソレノイドの非通電時には、前記回転体の、そ
    の係合爪が前記係止爪をばね付勢力に抗して押し退けな
    がらの回転を許容する態様で、前記係止部材をその係止
    爪が前記回転体の係合爪に係合する方向にばね付勢する
    付勢手段と、を備えてなることを特徴とする請求項2な
    いし4のいずれか1項記載のズームレンズ鏡筒。
  6. 【請求項6】 前記クラッチ手段が、 焦点調節時に通電される電磁ソレノイドと、 前記回転体に固着され、通電時の前記電磁ソレノイドに
    対し光軸方向へ吸着されて前記回転体の回動を阻止する
    磁性材と、を備えてなることを特徴とする請求項2ない
    し4のいずれか1項記載のズームレンズ鏡筒。
  7. 【請求項7】 前記クラッチ手段が、 前記回転体にその回転方向に沿って所定の角度間隔を保
    って形成された複数の係合爪と、 該複数の係合爪のうちの少なくとも1つに係合し得る係
    止爪を備えた係止部材と、 該係止部材に一端を連結され、焦点調節時に通電されて
    該通電に伴う発熱により変形して、前記係止部材をその
    係止爪が前記回転体の係合爪に係合する位置に移動させ
    て前記回転体の回転を阻止し、非通電時には、前記係止
    部材をその係止爪が前記回転体の係合爪に係合しない位
    置に保持して、前記回転体の回転を許容する形状記憶合
    金ばねと、を備えてなることを特徴とする請求項2ない
    し4のいずれか1項記載のズームレンズ鏡筒。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100378482B1 (ko) * 2000-07-29 2003-03-29 삼성테크윈 주식회사 줌 카메라의 경통 조립체
JP2008046626A (ja) * 2007-07-31 2008-02-28 Nidec Copal Corp 沈胴式のカメラ用レンズ鏡胴

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100378482B1 (ko) * 2000-07-29 2003-03-29 삼성테크윈 주식회사 줌 카메라의 경통 조립체
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