JPH0887046A - 像振れ補正装置 - Google Patents

像振れ補正装置

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JPH0887046A
JPH0887046A JP24835594A JP24835594A JPH0887046A JP H0887046 A JPH0887046 A JP H0887046A JP 24835594 A JP24835594 A JP 24835594A JP 24835594 A JP24835594 A JP 24835594A JP H0887046 A JPH0887046 A JP H0887046A
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忠典 岡田
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  • General Physics & Mathematics (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 補正光学系の状態変化とアンロック状態での
保持を少ない電力で行い、かつ、該装置への電源供給が
不充分であったり、不用意に電源が断たれた場合であっ
ても、バックアップ電源を具備することなく、補正光学
系を所定の位置に保持する。 【構成】 補正光学系のアンロック状態への設定は、駆
動手段83,84によってロック部材82を移動させる
ことにより行い、補正光学系のこの状態での保持は、ロ
ック部材を電気的に保持する保持手段88,89によっ
て行うようにし、つまり補正光学手段の状態変化とアン
ロック状態での保持を、それぞれ効率的に行えるように
各種手段に分担させる構造にし、一方、補正光学系のア
ンロック状態からロック状態へは、保持手段への通電を
断ち、弾性部材87によってロック部材を介して行える
ようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】該装置に加わる振れに起因する像
振れを補正する為の補正光学系を、移動可能な状態(ア
ンロック状態)と移動不可能な状態(ロック状態)とに
移動させる手段をを備えた像振れ補正装置の改良に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】本発明の対象となる従来技術をカメラの
場合を例にして、以下に説明する。
【0003】現代のカメラは自動化が進み、カメラ操作
に未熟な人でも撮影失敗を起す可能性は非常に少なくな
っているが、カメラ振れにより撮影失敗だけは自動的に
防ぐ事が困難とされていた。
【0004】そこで、近年では撮影者の手振れにより撮
影失敗を防止する目的のカメラについて研究開発が意欲
的に進められている。
【0005】撮影者の手振れを抑制する方法としては、
手振れによる振動を検出し、その検出値に応じて補正レ
ンズを変位させ、像の光学的変化を補正する手法があ
る。更に詳述すると、振れ振動を加速度計,角速度計な
どの振動センサで検出し、センサ信号から電気的あるい
は機械的に角速度を検出し、この検出情報に基づき、撮
影光学系の一部あるいは全部である補正光学系を光軸と
直角の方向に平行偏心させたり、光軸を傾けるなど、光
軸とは別の方向に変位させるように構成されていた。
【0006】補正光学系の駆動方法として、光軸と直角
の方向に平行偏心させる場合には、撮影装置の固定部
に、光軸と直角な1つの方向(例えば上下方向)に移動
自由なるように連結部材を保持し、その連結部材に対し
て光軸と直角な別の方向(例えば左右方向)に移動自由
に補正レンズの固着された補正レンズ枠を保持させる事
によって、固定部に対して光軸と直角なあらゆる方向に
補正光学系を移動させる事が出来る。
【0007】また、補正レンズを駆動する為のアクチュ
エータとしては、補正レンズ枠に前述の光軸と直角な2
つの方向に対応した2つの電磁コイルを取付け、固定部
には2つのコイルに対応させて一対のヨーク及び永久磁
石を取付ける事で、2つの方向成分を各々独立的に制御
可能なムービングコイル方式のアクチュエータを構成し
ている。
【0008】さらに、補正レンズの位置検出を行い、そ
の位置情報をフィードバックさせることにより、補正レ
ンズの高精度な駆動制御を実現している。
【0009】以上のように、補正光学系を用いた振れ補
正について説明してきたが、撮影を終了させた後には、
補正光学系を所定の位置で保持する必要がある。特に、
ムービングコイル方式のように電源を切る事によって、
補正光学系が自重のためにいずれの方向にも移動してし
まう場合には、特別にロック機構が必要になる。また、
振れ補正無しで撮影する事を考慮すると、最も光学性能
の優れた位置という点で、補正光学系の光軸と撮影光学
系全体の光軸を一致させた位置で保持する事が望まし
い。
【0010】このような目的で構成されていたロック機
構の従来例としては、 1)補正光学系を中立位置で保持する為のロック部材を
有し、バネによってロック部材をロックする方向に付勢
しておく。そして、振れ補正時には、ソレノイドによっ
てロック部材をバネの付勢力に抗してロック位置より退
避させ、補正レンズが移動可能な状態を保つ。振れ補正
終了時には、ソレノイドへの通電を切る事により、バネ
の付勢力でロック部材をロック位置まで駆動し、補正光
学系は再び中立位置に保持される。
【0011】2)補正光学系を中立位置に保持する為の
ロック部材をモータによってロック位置より退避させる
事によって、振れ補正可能な状態とし、モータを逆転
(または、更に回転)させることによって、ロック部材
をロック位置まで駆動する。
【0012】3)同様なロック部材をバネによってロッ
クする方向に付勢しておき、振れ補正時には、モータで
ロック部材をロック位置から退避させたままフックによ
ってロック部材を係止し、補正光学系が移動可能な状態
を保つ。そして、振れ補正終了後には、モータを僅かに
逆転させ、フックの係止を解除することにより、バネで
ロック部材をロック位置まで駆動する。
【0013】この場合、振れ補正中に電源を突然切られ
るような事があっても、バックアップ電源によって、モ
ータを僅かに逆転させるだけで、ロック可能となる。
【0014】4)双安定型のプランジャを有し、振れ補
正を行わない時は、通常の振れ補正用のアクチュエータ
で補正レンズを中立位置まで駆動し、その状態でプラン
ジャによって固定部に設けられた突起を補正レンズ枠に
設けた穴に嵌入し、補正レンズをロックするように構成
されていた。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例では次のような問題点があった。
【0016】上記1)の従来例では、ロック部材をソレ
ノイドによって振れ補正可能な状態まで駆動する為には
ソレノイドに膨大な消費電力を必要とし、消費電力を少
なくしようとすると、振れ補正範囲(補正角)を狭くし
なければならない。
【0017】上記2)及び4)の従来例では、振れ補正
中に電源を突然切られた場合には、補正光学系をロック
する事が出来ず、以後の撮影が不能になるばかりでな
く、ロックされていない補正光学系が装置の移動により
ふらつき、装置の破損に至る危険性さえあった。
【0018】上記3)の従来例では、電源が突然消失し
た場合にも補正光学系をロックすることは可能である
が、バックアップ電源としてのコンデンサは、特にカメ
ラやレンズ鏡筒内に配置する為には形状的に大型であ
り、装置のコンパクト化を阻害するものである。
【0019】(発明の目的)本発明の第1の目的は、補
正光学系の状態変化とアンロック状態での保持を少ない
電力で行うことができ、かつ、該装置への電源供給が不
充分であったり、不用意に電源が断たれた場合であって
も、バックアップ電源を具備することなく、補正光学系
を所定の位置に保持することのできる像振れ補正装置を
提供することである。
【0020】本発明の第2の目的は、上記第1の目的を
達成すると共に、補正光学系のアンロック状態を保つ為
の消費電力を低減させることのできる像振れ補正装置を
提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、請求項1記載の本発明は、補正光学系を所定
の位置まで移動させ、移動不能にする為のロック部材
と、該ロック部材を補正光学系が移動不能となる方向に
付勢する弾性部材と、該弾性部材による付勢力に抗して
前記ロック部材を移動させ、補正光学系を移動不能な状
態から移動可能な状態に設定する駆動手段と、補正光学
系が移動可能な状態になったら、この状態を保つように
前記ロック部材を電気的に保持する保持手段とを設け、
前記補正光学系のアンロック状態への設定は、駆動手段
によってロック部材を移動させることにより行い、補正
光学系のこの状態での保持は、ロック部材を電気的に保
持する保持手段によって行うようにし、つまり補正光学
手段の状態変化とアンロック状態での保持を、それぞれ
効率的に行えるように各種手段に分担させる構造にし、
一方、補正光学系のアンロック状態からロック状態へ
は、保持手段への通電を断ち、弾性部材によってロック
部材を介して行えるようにしている。
【0022】また、上記第2の目的を達成するために、
請求項2記載の本発明は、ロック部材を電気的に保持す
る保持手段を、補正光学系を移動可能な状態に保てる様
に、ロック部材を機械的に係止する第1の手段と、該係
止状態を電気的に保持する第2の手段とによって構成
し、機械的な構造より成る第1の手段、及び、電気的な
構造より成る第2の手段とによって、補正光学系のアン
ロック状態を保つようにしている。
【0023】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例にしたがって詳
細に説明する。
【0024】図1及び図2は本発明の第1の実施例に係
る図であり、図1は本発明を実施したズームレンズ鏡筒
の断面図、図2は図1のレンズ鏡筒内に組込まれた振れ
補正ユニットの分解斜視図である。
【0025】図1において、1は固定筒であり、前方に
大径部、後方に小径部を有している。2は固定筒1の外
側に位置し、レンズの光軸まわりに回転可能に保持され
たカム筒を示し、後方内周面に形成した周溝2aと固定
筒1に設けた突出部1aが係合するようにバヨネット結
合する事で定位置回転可能に保持されている。
【0026】3は直進筒であり、後端内周部には3箇所
等分でキー3aが段ビス3bにより固定されている。前
記キー3aは固定筒1に設けた直進溝1bとカム筒2に
形成した第1群カム溝2bに同時に係合しているため、
直進筒3が光軸方向に移動するとカム筒2が回転する。
【0027】なお、図1はワイド状態を示しており、テ
レ状態となるに従って直進筒3は前方へ繰出されてい
く。
【0028】前記直進筒3の前方外周部にはオスヘリコ
イド3cが形成され、第1群レンズL1の固着された第
1群鏡筒4の内周部に形成されたメスヘリコイド4aと
係合している。すなわち、第1群鏡筒4を回転させる事
によって、ヘリコイド機構により第1群鏡筒4と共に第
1群レンズL1が光軸方向に移動する。
【0029】本実施例においては、第1群鏡筒4を光軸
方向に移動させることによって第1群レンズL1が直進
筒3と一体的に大きく移動してズーミングが行われ、第
1群鏡筒4を回転させることによって第1群レンズL1
が光軸方向に少量移動することによって焦点調節が行わ
れる。
【0030】本構成は、いわゆるマニュアルフォーカス
のワンリングタイプの直進ズームであり、第1群鏡筒4
の光軸方向への直進移動によりカム筒2を回転させ、ズ
ーミング動作を実現している。
【0031】5は後述する振れ補正ユニットであり、該
振れ補正ユニット本体51から後方に突出させた足部5
1cに取付けられたコロ51aが固定筒1に設けられた
取付穴1cに係合することにより固定されている。L2
は第2群レンズであり、ズーミングにおいて光軸方向の
移動は行われず、振れ補正のため、振れ補正ユニット5
に対して光軸と直角方向にのみ移動可能に保持されてい
る。
【0032】6は第3群鏡筒であり、第3群レンズL3
を固着すると共に、公知の電磁絞りユニット7をビスに
より固定保持している。そして、該第3群鏡筒6は周方
向に3つのコロ6aを有しており、このコロ6aは固定
筒1に設けた直進溝1dとカム筒2に設けた第3群カム
溝2cに同時に係合している。
【0033】8は第4群鏡筒であり、ズーミングで移動
しない第4群レンズL4を固着し、固定筒の小径部にビ
スによって固定されている。9は第5群鏡筒であり、第
5群レンズL5を保持すると共に、前方のフランジ部外
周には3つのコロ9aを有している。
【0034】前記コロ9aは固定筒1に設けた第3群レ
ンズL3と共通の直進溝1d及びカム筒2に形成した第
5群カム溝2dに同時に係合している。従って、カム筒
2を回転する事により、第1群,第3群,第5群レンズ
L1,L3,L5が同時に光軸方向に移動し、ズーミン
グ動作を行うように構成している。
【0035】15は外装環であり、固定筒1と後端でビ
ス15aにより固着されている。さらに、外装環15に
は、図示しないカメラ本体に装着するためのマウント1
6がビス16aにより固着されている。
【0036】17は裏蓋であり、マウント16に弾性を
利用して固定され、鏡筒内部の見えを防止し、迷光を遮
断する働きがある。
【0037】18は前述の絞りユニット7及び振れ補正
ユニット5を駆動制御する為のフレキシブルプリント基
板から成る実装部品であり、多角形状の基板保持台18
aに両面テープで張付けられ、固定筒1の小径部の外周
にビスにより固定されている。この実装部品18の後方
には接続部18bが伸張され、カメラ本体との通信を行
うための接点部品19と電気接続されている。また、絞
りユニット7及び振れ補正ユニット5の駆動と制御回路
の電力も、接点部品19と接続部18bを介して給電さ
れる。
【0038】7aは絞りユニット7と実装部品18を電
気接続するフレキシブルプリント基板であり、前方をU
字状に曲げて配置することにより、絞りユニット7がズ
ーミングにより光軸方向に移動しても安定した電気接続
を行っており、後端は実装部品18内のコネクタ18d
に接続されている。
【0039】52は振れ補正ユニット5と実装部品を電
気接続するフレキシブルプリント基板であり、前端は、
振れ補正を行う第2群レンズL2の駆動手段と該第2群
レンズL2の位置検出手段に接続され、後端は実装部品
18内のコネクタ18eに接続されている。
【0040】20は振れ補正を行うか行わないかを切替
える為のスイッチであり、外部から操作できるように外
装環15に取付けられている。該スイッチ20は実装部
品18から伸張された接続部18cにより制御回路との
通信を行っている。
【0041】21は手振れ等のカメラ振れを検出する為
の振動センサであり、本実施例では振動ジャイロを用い
て角速度を検出している。該振動センサ21はレンズ鏡
筒をカメラ本体に装着した際、カメラの縦方向(ピッチ
方向)の回転振れ、及び、横方向(ヨー方向)の回転振
れを検出出来るように実装部品18上の上面と側面に各
々1個ずつ固着されている。
【0042】各々の振動センサは実装部品18の防振制
御回路と電気的に接続されており、このセンサ出力は防
振制御回路にて角変位に変換され、さらに焦点距離情
報、被写体距離情報等を加えられて補正レンズの偏心量
に変換され、駆動制御に供される。
【0043】次に、振れ補正ユニット5の構成につい
て、図2を用いて説明する。
【0044】図2において、51は振れ補正ユニット5
のユニット本体であり、外周に3箇所等分でコロ51a
が固定されている。このコロ51aは固定筒1の取付穴
1c(図1参照)に係合し、振れ補正ユニット5全体を
保持している。
【0045】53は連結アームであり、ピン54aに対
し左右方向(以下、X方向と記す)に移動可能に支持さ
れている。該連結アーム53には上下方向(以下、Y方
向と記す)の向きにピン54bが固定されており、その
ピン54bに対して、Y方向に移動可能に偏心枠55が
保持されている。
【0046】従って、上記ピン54aをユニット本体5
1の穴51bに固定することによって、偏心枠55はユ
ニット本体51に対してX方向,Y方向とも移動可能に
保持された事になる。
【0047】さらに、偏心枠55が光軸方向に移動しな
いように、偏心枠55の前面と後面に突起55cを設
け、該突起55cがユニット本体51の前面と後述する
遮光板62の後面に当接して、光軸方向への移動を防止
するようにしている。
【0048】前記偏心枠55にはボイスコイル56a,
56bが各々X,Y方向への駆動用として接着固定され
ている。また、前記ユニット本体51にはボイスコイル
56a,56bに対応する位置にマグネット57が接着
されたヨーク58a,58bがビスによって固定されて
いる。
【0049】前記偏心枠55の偏心位置検出手段とし
て、投光素子として一対のIRED59a,59bをス
リット60a,60bと共に偏心枠55の穴55a,5
5bに嵌入固定し、又ユニット本体51に受光素子とし
て一対のPSD61a,61bを固定している。
【0050】62は遮光板であり、ユニット本体51の
前端にビスによって固定され、前面には遮光線が形成さ
れている。この遮光板62は、振れ補正の際、補正レン
ズの偏心量検出時のPSD61a,61bへの迷光を防
止し、レンズ前面から入射する光束を制限する働きがあ
る。
【0051】次に、補正レンズである第2群レンズL2
を中立位置において保持する為のロックユニット80に
ついて、図3及び図4を用いて説明する。なお、図3は
第2群レンズL2を中立位置で固定した状態を示し、図
4は第2群レンズL2がシフト方向に移動可能な状態を
示している。
【0052】これらの図において、81はベース部材で
あり、樹脂材料によって一体成形されている。82はロ
ックリングであり、ベース部材81に設けた4ケ所(1
ケ所は不図示)のバヨネット爪81aによって光軸回り
に回転自在に保持されている。83はモータであり、ベ
ース部材81にビス83aにより固着されている。84
はギア列であり、ベース部材81に一体成形されたギア
軸81bに回転可能に保持されており、前記モータ83
のトルクを伝達し、最終段の出力ギア85に噛合してい
る。
【0053】前記ギア列84及び出力ギア85は、図1
に示すギア押え86によって光軸方向の位置規制をさ
れ、ギア軸81bから抜け落ちるのを防止している。ギ
ア押え86はビス86aによってベース部材81の支柱
81cに固着されている。
【0054】87はコイルバネであり、一端はロックリ
ング82のフック部82aに係止され、他端はベース部
材81のフック部81dに係止されている。これによっ
て、ロックリング82は、図3及び図4に示した矢印A
方向回りに常に付勢されている。
【0055】前述した出力ギア85にはピン85aが一
体成形されており、ピン85aにはロックリング82に
設けた腕部82bの端面82cが常にコイルバネ87に
よって当接している。従って、モータ83によって出力
ギア85が回転させられると、出力ピン85aによって
ロックリング82がA方向とは逆方向に回転させられ
る。
【0056】88はマグネットであり、ヨーク88aと
コイル88bで構成され、ベース部材81にビス88c
によって固着されている。89はアマーチャであり、ピ
ン89aがカシメによって一体的に固着されている。こ
のピン89aはロックリング82のアマーチャ取付部8
2dに設けた穴(不図示)に挿通されており、バネ89
bにより前記アマーチャ89は取付部82dから遠ざけ
る方に付勢されている。該バネ89bを使用することに
より、モータ83によるロックリング82のオーバーチ
ャージの吸収及びアマーチャ89の密着性を良くする働
きがある。
【0057】90はスイッチであり、ビス90aにより
ベース部材81に固着されている。このスイッチ90は
出力ギア85に設けたカム85bによって接点部90b
が移動し、電気的にON−OFF動作が行われる構造と
なっている。
【0058】ロックユニット80はビス80aによって
前述の振れ補正ユニット5に固着される。
【0059】次に、ロックユニット80の作動について
説明する。
【0060】レンズ鏡筒の像振れ補正開始用のスイッチ
20をONさせた状態でカメラのシャッタボタンを半押
しにすると、第2群レンズL2をシフト可能な状態にす
る為に、アンロック動作を行う。
【0061】まず、モータ83によりギア列84を介し
て出力ギア85を図3,図4中の矢印B方向に回転させ
る。すると、出力ギア85に設けたピン85aに押され
てロックリング82が図中A方向とは逆の方向に回転さ
せられる。すると、振れ補正ユニット5内の偏心枠55
(図2参照)に突設された4本のピン70がロックリン
グ82の内周に設けた4ケ所の嵌合部82eから外れ
て、偏心枠55はシフト可能な状態となる。この時、ロ
ックリング82をA方向とは逆方向に最大に回転させた
ところの僅かに手前で、前記出力ギア85のカム85b
により前記スイッチ90がONする(図4参照)。そし
て、このスイッチ90のONと同時にマグネット88に
通電を行うことにより、アマーチャ89がマグネット8
8に吸着し、図4の様にロックリング82が保持され
る。
【0062】その後、更にモータ83を回転させると、
出力ギア85のピン85aはロックリング82の腕部8
2bから離れ、端面82cから最も離れた状態(図3の
状態)に至る。この時、スイッチ90がOFFとなり、
前記モータ83の通電が停止される。
【0063】以上にてアンロック動作が終了し、補正レ
ンズである第2群レンズL2をシフトさせての像振れ補
正が可能となる。
【0064】次に、ロック動作について説明する。
【0065】撮影を終了させたり、カメラのシャッタボ
タンの半押しを解除すると、第2群レンズL2を中立位
置に保持する為にロック動作を行う。これは、マグネッ
ト88への通電を切ることによって行われる。
【0066】マグネット88への通電を切ると、アマー
チャ89はマグネット88から離れ、コイルバネ87の
付勢力によってロックリング82が矢印A方向に回転さ
せられる。すると、偏心枠55に設けたピン70はシフ
ト可能な如何なる位置にあってもロックリング82の斜
面82fによって中立位置(本実施例においては、補正
レンズである第2群レンズL2と他のレンズの光軸が一
致する位置)に移動させられ、その後、該ピン70、つ
まり偏心枠55は4ケ所の嵌合部82eでシフト不能な
状態で保持され、ロック動作が完了する(図3の状
態)。
【0067】(第2の実施例)図5及び図6は本発明の
第2の実施例に係わる図であり、それぞれ補正レンズで
ある第2群レンズを中立位置へ移動させ保持する為のロ
ックユニット80の正面図である。
【0068】この第2の実施例において、ロックユニッ
ト80は第1の実施例と同様な目的で設置されたもので
あり、他のレンズ鏡筒,第2群レンズ等は第1の実施例
と同じであるので省略する。また、第1の実施例と同じ
部分動作を行う部分は同一符号を付してある。
【0069】図5は補正レンズL2を中立位置でロック
した状態を示している。
【0070】図5において、101は金属のプレス部品
から成るフックであり、ベース部材81から突出したフ
ック軸81hに嵌合し、該フック軸81h回りに回動可
能に保持されている。前記フック101にはアマーチャ
89が第1の実施例同様に取り付けられている。
【0071】102はトーションバネであり、片側はフ
ック101の折曲部に、もう一方はベース部材81の突
起81iに当接しており、前記フック101を介して前
記アマーチャ89がマグネット88に近づく方へ付勢し
ている。82hはロックリング82に設けたレバーであ
り、ベース部材81の穴81jを挿通するように配置さ
れている。そして、フック101はトーションバネ10
2によって、その端面101aがレバー82hに常に接
するように構成されている。
【0072】図6は補正レンズである第2群レンズL2
が移動可能なアンロック状態を示している。
【0073】第1の実施例同様、モータ83によってロ
ックリング82が回転させられると、レバー82hはフ
ック101の端面101a上を摺動する。その後、端面
101aを外れると、トーションバネ102によってフ
ック101が回転し、図6に示す様に斜面101bがレ
バー82hに引っ掛かる。この時、出力ギア85によっ
てスイッチ90がONとなり、マグネット88に通電さ
れると、アマーチャ89が吸着される。その後、モータ
83は同方向に更に回転し続け、出力ギア85が図6の
位置まで来た時に、前記スイッチ90がOFFとなり、
モータ83が停止される。この間もマグネット88への
通電は継続され、該マグネット88の吸着力によりフッ
ク101が図6の状態に保持される。
【0074】この第2の実施例において、コイルバネ8
7は、ロックリング82を回転させ、第2群レンズL2
を中立位置まで移動させるだけの吸着力を持つ比較的強
いバネであるのに対し、トーションバネ102は、フッ
ク101を回転させるだけの弱いバネである。従って、
図6の様にフック101によってロックリング82が係
止されている状態であっても、マグネット88の吸着力
無しではコイルバネ87の付勢力によって簡単にその係
止が外れるように、トーションバネ102のバネ力と斜
面101bの角度及びフック軸81hの位置を設定して
いる。
【0075】すなわち、像振れ補正中にはマグネット8
8へ常時通電し続ける必要があるが、第1の実施例の様
に、ロックリング82をマグネット88で直接保持する
よりも、本実施例の様に、ロックリング82をフック1
01で係止し、そのフック101の係止状態をマグネッ
ト88で保持した方が、消費電力をより低減させられる
ものである。
【0076】(第3の実施例)図7〜図10は本発明の
第3の実施例に係わる図であり、その他の構成は第1と
同様であるので省略する。また、第1実施例と同じ部分
動作を行う部分は同一符号を付してある。
【0077】図7は補正レンズである第2群レンズL2
をロックした状態を示している。
【0078】図7において、201はフックであり、第
2の実施例のフック101と同様の動きをする。このフ
ック201はベース部材81に軸ビス201aによって
回動可能に保持されている。202はフック201の端
面201bに常に当接し他スイッチであり、そのバネ力
でフック202の端面201cが、ロックリング82の
レバー82hに押しつけられるように付勢している。第
2群レンズL2がロック状態の時は図7の様にスイッチ
202は接片202aがもう一方の接片202bと接触
しており、ON状態となっている。
【0079】図8は第2群レンズL2がロック状態から
移動可能な状態になった状態を示している。
【0080】図8において、ロックリング82はモータ
83の駆動力によって図8の位置まで回転させられる。
モータ83のトルクはギア列84によって最終段のギア
203に伝達される。ギア203は、図9にも示す様
に、扇状の突起203aを有している。ギア203の内
周は出力リング204が回転自由に嵌合している。出力
リング204にはピン204aが設けられており、該ピ
ン204aにロックリング82の腕部82bの端面82
cがコイルバネ87の付勢力により常に当接するように
構成されている。
【0081】次に、本実施例の作動について説明する。
【0082】まず、第2群レンズL2をロック状態から
移動可能な状態にするには、モータ83を回転させ、ギ
ア203を図7に示す矢印C方向に回転させる。する
と、初め出力リング204はロックリング82に押えら
れ、空回りするが、やがてギア203の突起203aが
出力リング204の張出部204bに当接し、一体とな
って回転するようになる。
【0083】そして、ロックリング82が回転させら
れ、図8の状態まで来た時に、ロックリング82のレバ
ー82hがフック201の端面201cから外れ、フォ
ック201はスイッチ202のバネ力によってロックリ
ング82を係止する。この時、スイッチ202はONか
らOFF状態となり、この信号を検出してマグネット8
8に通電が行われる。すると、アマーチャ89が吸着さ
れ、フック201によるロックリング82の係止状態が
保持される。
【0084】この係止が完了された後もモータ83は回
転し続け、出力リング204のピン204aが図10の
様にロックリング82の回転範囲のほぼ中間の位置に来
た時に、該モータ83は停止される(所定時間を計測す
るタイマの出力により行われる)。
【0085】次に、ロック状態にするには、第1,第2
の実施例同様、マグネット88の通電を解除することに
よって行う。これは、第2の実施例と同様で、マグネッ
ト88の吸引力がなくなると、コイルバネ87によりフ
ック201の係止が外され、ロックリング82が図8の
時計方向に回転する。この時、ロックリング82の腕部
82cは出力リング204のピン204aに当接する。
そして、出力リング204は空回りして図7の位置まで
回転し、ロック動作が完了する。
【0086】出力ギア203と出力ギア204を分割し
たのは、モータ83の停止精度を比較的ラフにとること
ができるからである。すなわち、ピン204aと出力ギ
ア203を一体的に回転させた場合には、ピン204a
を必ず図7の位置に止める必要がある。そのためには、
ギア203の回転位置を検出する為のセンサが必要であ
る。それでもモータ83の印加電圧の強弱やギアのバッ
クラッシュ等でギア203を精度よく止めるのは困難で
ある。そこで、本実施例では、ギア203と出力リング
204を分割し、空回りさせることによって、出力ピン
204aを図8の位置から図7の位置まで約180°の
間のいずれかに止めれば良く、スイッチ202のON−
OFF信号程度で制御可能としている。
【0087】本実施例においても、第2の実施例同様、
フック201を介してロックリング82を係止している
ので、消費電力を小さくできるものである。また、出力
ギア203と出力リング204を分割したことで、モー
タ83の停止精度を低め、電源電圧の高低に左右され
ず、作動条件を緩めることができ、誤動作を少なくする
ことができる。更に、フック201の付勢力をスイッチ
202の接片を利用することで、トーションバネを必要
とせず、簡単な構造で確実に作動し、そして安価なロッ
ク機構を実現したものである。
【0088】上記の各実施例によれば、補正レンズ(第
2群レンズL2)をロックさせる場合には、マグネット
88への通電を断ち、その後はコイルバネ87の付勢力
によってロックリング82を回転させて補正レンズをロ
ックする様な構成にしている為、電源として電池を使用
した場合などの電圧低下時、あるいは、電池交換や不慮
の電池外れによって、撮影者の意志の有無にかかわらず
電源が消失したような場合にも、前記補正レンズを確実
にロックすることができ、該補正レンズのがたつきによ
る不快な音や、該装置の破損を防止することができる。
【0089】更に、突然電源が消失した場合に、電力を
供するする為のバックアップ電源も不要な為、制御回路
の簡略化、該装置のコンパクト化を達成できる。
【0090】また、補正レンズをアンロック位置へ移動
させるのに、モータ83やギア列84によって行い、そ
の後この位置(アンロック位置)に保持するのはマグネ
ット88に分担させる構造にしている為、別言すれば、
マグネット88のみによってもこれらを行うことができ
るが、このような分担構造にしている為、省電化を達成
することができる。
【0091】更に、第2及び第3の実施例の様に、フッ
ク101,201を具備し、これによっても補正レンズ
のアンロック位置を保持させる構造にしている為、マグ
ネット88の保持力を軽減し、消費電力を低減させるこ
とができる。
【0092】(発明と実施例の対応)本実施例におい
て、第2群レンズL2が本発明の補正光学系に相当し、
モータ83,ギア列84が本発明の駆動手段に相当し、
ロックリング82が本発明のロック部材に相当し、コイ
ルバネ87が本発明の弾性部材に相当する。
【0093】また、マグネット88,アマーチャ89
や、更にはフック101,201が本発明の保持手段に
相当する。又、フック101,201が第1の手段に相
当し、マグネット88,アマーチャ89が本発明の第2
の手段に相当する。
【0094】以上が実施例の各構成と本発明の各構成の
対応関係であるが、本発明は、これら実施例の構成に限
定されるものではなく、請求項で示した機能、又は実施
例がもつ機能が達成できる構成であればどのようなもの
であってもよいことは言うまでもない。
【0095】(変形例)本発明は、上記実施例の構成に
限定されるものでは無く、多種の電気的ロック,アンロ
ック機構と手動ロック機構を組合せであっても良い。
【0096】また、本発明は、一眼レフカメラ,レンズ
シャッタカメラ,ビデオカメラ等のカメラに適用した場
合を述べているが、その他の光学機器や他の装置、更に
は構成ユニットとしても適用することができるものであ
る。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
補正光学系のアンロック状態への設定は、駆動手段によ
ってロック部材を移動させることにより行い、補正光学
手段のこの状態での保持は、ロック部材を電気的に保持
する保持手段によって行うようにし、つまり補正光学手
段の状態変化とアンロック状態での保持を、それぞれ効
率的に行えるように各種手段に分担させる構造にし、一
方、補正光学系のアンロック状態からロック状態へは、
保持手段への通電を断ち、弾性部材によってロック部材
を介して行えるようにしている。
【0098】よって、補正光学系の状態変化とアンロッ
ク状態での保持を少ない電力で行うことができ、かつ、
該装置への電源供給が不充分であったり、不用意に電源
が断たれた場合であっても、バックアップ電源を具備す
ることなく、補正光学系を所定の位置に保持することが
できる。つまり、省電化と該装置の小型化,低コスト化
を達成できる。
【0099】また、本発明によれば、機械的な構造より
成る第1の手段、及び、電気的な構造より成る第2の手
段とによって、補正光学系のアンロック状態を保つよう
にしている。
【0100】よって、補正光学系のアンロック状態を保
つ為の消費電力を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を施したズームレンズ鏡
筒を示す断面図である。
【図2】図1のレンズ鏡筒内に組込まれた振れ補正ユニ
ットを示す分解斜視図である。
【図3】図2の第2群レンズL2を中立位置で固定した
状態を示す平面図である。
【図4】図2の第2群レンズL2がシフト方向に移動自
在な状態を示す平面図である。
【図5】本発明の第2の実施例において第2群レンズL
2を中立位置で固定した状態を示す平面図である。
【図6】本発明の第2の実施例において第2群レンズL
2がシフト方向に移動自在な状態を示す平面図である。
【図7】本発明の第3の実施例において第2群レンズL
2を中立位置で固定した状態を示す平面図である。
【図8】本発明の第3の実施例において第2群レンズL
2がシフト方向に移動自在な状態を示す平面図である。
【図9】図7の出力ギア203と出力リング204の構
造を示す斜視図である。
【図10】図7の出力ギア203と出力リング204の
構造を示す平面図である。
【符号の説明】
80 ロックユニット 81 ベース部材 82 ロックリング 83 モータ 84 ギア列 87 コイルバネ 88 マグネット 90,202 スイッチ 101,201 フック L2 第2群レンズ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 該装置に加わる振れに起因する像振れを
    補正する為の補正光学系を備え、該補正光学系を光軸以
    外の方向に移動させる事により、上記像振れを抑制する
    像振れ補正装置において、前記補正光学系を所定の位置
    まで移動させ、移動不能にする為のロック部材と、該ロ
    ック部材を前記補正光学系が移動不能となる方向に付勢
    する弾性部材と、該弾性部材による付勢力に抗して前記
    ロック部材を移動させ、前記補正光学系を移動不能な状
    態から移動可能な状態に設定する駆動手段と、前記補正
    光学系が移動可能な状態になったら、この状態を保つよ
    うに前記ロック部材を電気的に保持する保持手段とを設
    けたことを特徴とする像振れ補正装置。
  2. 【請求項2】 前記保持手段は、前記補正光学系を移動
    可能な状態に保てるように、前記ロック部材を機械的に
    係止する第1の手段と、該係止状態を電気的に保持する
    第2の手段より構成されることを特徴とする請求項1記
    載の像振れ補正装置。
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