JPH11166405A - 内燃機関の動弁系カムプロフィールの設定方法 - Google Patents

内燃機関の動弁系カムプロフィールの設定方法

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JPH11166405A
JPH11166405A JP33052097A JP33052097A JPH11166405A JP H11166405 A JPH11166405 A JP H11166405A JP 33052097 A JP33052097 A JP 33052097A JP 33052097 A JP33052097 A JP 33052097A JP H11166405 A JPH11166405 A JP H11166405A
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JP
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cam
valve
period
curve
cam lift
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JP33052097A
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Hiroyuki Yoshitomi
裕幸 吉富
Isao Taguchi
功 田口
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Yanmar Co Ltd
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Yanmar Diesel Engine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来の内燃機関の動弁機構では、開弁期間
中、特に最大カムリフト時前後においてプッシュロッド
の荷重の増減変動が激しく、理論値よりも実際のプッシ
ュロッド荷重の最低値が低くなり、ある機関回転数で0
に達し、プッシュロッドを制御できない状態となる。こ
の増減変動を低減し、実際の限界回転数をより理論値に
近づけて内燃機関の性能向上を図る。 【解決手段】 開弁期間T前半の開弁動作期間T1 の減
速期間において、カムリフト加速度曲線Aが、0の状態
から極小さく変移し、その後、漸次変移量が大きくなる
ように設定し、閉弁動作期間T2 の増速期間ではその前
後対称の曲線になるように、動弁系カムプロフィールを
設計する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の動弁機
構における給排気弁(動弁)駆動用カムのカムプロフィ
ールの設定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関(例えばディーゼル
機関)の動弁機構においては、カムに当接するタペット
よりプッシュロッドを延設し、該プッシュロッドを、弁
腕を介して給気弁または排気弁に連結している。この構
造において、カムプロフィール即ちカムの輪郭を様々に
設定することで、弁の様々な動きを現出させることが可
能である。例えば、特開昭63−272929号公報に
おいては、給気弁の一定行程に同期させて排気弁を開弁
するように、排気弁駆動用のカムプロフィールを改良し
た構造が開示されている。
【0003】また、従来、動弁系カムプロフィールを設
計する上での計算要素となるカムリフト加速度曲線を、
一つの計算式より描いていた(図5のカムリフト加速度
曲線A”)が、近年、弁特性の向上を図る上で、カムリ
フト加速度aを複数の計算式より求め、図5に示すカム
リフト加速度曲線A’を描くことが有効であることが論
じられてきた。この図5の説明については、後の「発明
の実施の形態」にて詳述する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、内燃機関の限界回転数を設定する上で重要
となる要因の一つである、給排気弁(動弁)の開弁期間
(前半は開弁動作期間、後半は閉弁動作期間である。)
における動弁系プッシュロッドの荷重特性に関する。詳
細については後述するとして、前記従来技術で説明した
カムリフト加速度曲線A’を描くように動弁系カムプロ
フィール(給気弁、排気弁いずれにも適用)を設計した
内燃機関を、極低回転から順次回転数を上げて運転する
と、極低回転の時には、殆どカムリフト加速度aが生じ
ないので、開弁期間中の動弁系プッシュロッドにかかる
荷重(以後、「プッシュロッド荷重f」と言う。)は、
略、弁バネ(弁を閉弁方向に付勢するバネ)の引っ張り
力による荷重(以後、「弁バネ荷重fs」)に由来す
る。この弁バネ荷重fsの向きは閉弁動作方向に働くも
ので、カムリフト量lが大きいほど大きくなる。その開
弁期間T中の変化は、図2の弁バネ荷重曲線Fsの如く
であり(図2は本発明のカムプロフィール設定に係るも
のであるが、従来のカムプロフィール設定においてもこ
の弁バネ荷重fsの変化は共通であり、即ち共通の弁バ
ネ荷重曲線Fsを描く。)、最大カムリフトのカム角度
θ1 にて最大値となる。
【0005】内燃機関の回転数を上げていくと、カム回
転速度が上昇することに伴って、カムリフトに加速度が
生じる。即ち、前記のカムリフト加速度曲線A’を描く
ようになる。カムリフト加速度a(開弁動作の向きを正
とする。)の量に比例して、プッシュロッドにカムの押
圧荷重(以後、「カムリフト荷重fa」と言う。)がか
かる。ここで、カムリフト荷重faと前記の弁バネ荷重
fsとは、荷重の向きが反対であれば増幅され、同一方
向であれば減衰されるので、前記プッシュロッド荷重f
の計算の便宜上、閉弁動作方向の弁バネ荷重fs及びプ
ッシュロッド荷重fを正とする一方、開弁動作方向にか
かるカムリフト荷重faを正とし、閉弁動作方向にかか
るカムリフト荷重faを負とすると、理論上は、前記の
弁バネ荷重fsとカムリフト荷重faとの和がプッシュ
ロッド荷重fとなる(f=fs+fa)。
【0006】開弁期間T(カムリフト期間)は、前記の
ように、前半は開弁動作期間T1 であり、カムリフトの
最大リフト時を経て、後半は閉弁動作期間T2 である。
開弁動作期間T1 と閉弁動作期間T2 とでは、図2のカ
ムリフト曲面Lの如く(図2は本発明のカムプロフィー
ルに関するものであり、厳密には従来のカムリフト曲線
と図2に示す本発明のカムリフト曲線Lとは異なるが、
図2図示程度の略図的図面に表す際には殆ど同一と見て
よい。)、カム角度の進行に対するカムリフト量lが、
該最大リフト時(カム角度θ1 )を介して前後対称に現
れる。
【0007】カムリフト速度v(開弁動作の向きを正と
する。)に関しては、図2のカムリフト速度曲線Vの如
くになり(これも厳密には図5図示の従来のカムリフト
速度曲線V’とは異なるが、開弁動作期間T1 と閉弁動
作期間T2 の両期間を示すために、便宜上、従来のカム
リフト速度曲線V’として、このカムリフト速度曲線V
を採り上げる。)、前半の開弁動作期間T1 は、開弁動
作方向の正のカムリフト速度vを現出しており、前半が
増速状態(右上がりの状態)、後半が減速状態(右下が
りの状態)となっている。そして、カム角度θ1 以降で
ある後半の閉弁動作期間T2 は、閉弁動作方向の負のカ
ムリフト速度vを現出しており、便宜上図2の如く、該
閉弁動作機関T2 のカムリフト速度vの絶対値を表すカ
ムリフト速度絶対値曲線Vaを描くと、該カムリフト速
度絶対値曲線Vaより、前半が増速期間(右上がりの状
態)、後半が減速期間(右下がりの状態)となってい
る。従って、速度0となる最大カムリフト時(カム角度
θ1 )の直前は減速期間、直後は増速期間となってい
る。また、この最大カムリフトの前後は、減速方向の
(負の)カムリフト加速度aが働いているので、カムリ
フト荷重faは負となっており、最大カムリフト時にそ
の絶対値が最大となる。従って、この期間は、弁バネ荷
重fsからカムリフト荷重faの絶対値を差し引いたプ
ッシュロッド荷重f(f=fs−|fa|)がかかる。
【0008】このカムリフト荷重faの絶対値は、内燃
機関の回転数の増加に伴って増大する。従って、該回転
数を増加していくと、特に最大カムリフト時前後におい
て、やがて弁バネ荷重fsよりもカムリフト荷重faの
絶対値が上回り、プッシュロッド荷重fが負になる。即
ち、プッシュロッド荷重fが開弁動作方向にかかってい
る状態で、弁バネの付勢力が全く働かず、強いカムリフ
トによって動弁が押し出され、カムより浮き上がるよう
な状態となり、動弁の制御上問題である。従って、この
ようにプッシュロッド荷重が0に到達する時の回転数
R’を限界値として設定するのである。機関回転数が
R’未満の場合には、弁バネ荷重fsが常にカムリフト
荷重aの絶対値を上回り、動弁は常に弁バネの付勢力に
て姿勢制御できるのである。
【0009】しかし、図6の如く、実際には、プッシュ
ロッド荷重fの値は、開弁期間T中にその固有振動数の
ために波動するように増減する。(図6のカム角度の進
行に対するプッシュロッド荷重の値の増減を示す曲線を
プッシュロッド荷重曲線F’とする。)従って、静的に
は回転数R’まで限界回転数を設定できるのに、回転数
R’a(<R’)で、特に最大カムリフト時前後におい
て、プッシュロッド荷重曲線F’の波動の谷底部分、即
ち、プッシュロッド荷重fの最低値が0に到達してしま
い、これ以上は回転数を上げることができないようにな
っている。
【0010】このように、開弁期間において、実際には
プッシュロッド荷重が波動状に激しく増減しながら推移
するので、静的限界回転数R’よりも限界回転数を低く
設定しなければならなくなる(動的限界回転数R’a<
R’)。この動的限界回転数R’aをより静的限界回転
数R’に近づけられるようにするには、動的プッシュロ
ッド荷重曲線の波動の振幅を低減することが必要であ
り、本発明は、カムプロフィールの設計変更によって共
振現象を少なくし、これを実現しようというのが目的で
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は以上のような課
題を解決すべく、次のような手段を用いる。即ち、開弁
動作開始時より一定の増速期間を経た後、一定の減速期
間を経て最大開弁時に達する、内燃機関の給排気弁の開
弁動作期間中の、該減速期間内における減速開始時より
一定期間において、動弁系カム回転角度に対する該開弁
動作の加速度の変移量が、該減速開始時付近では極小さ
く、カム回転角度の変位とともに漸次大きくなるように
動弁系カムプロフィールを設定する。
【0012】また、最大開弁時より一定の増速期間を経
た後、一定の減速期間を経て閉弁する、内燃機関の給排
気弁の閉弁動作期間中の、該増速期間内における最大開
弁時より一定期間経過後は、カム回転角度の変移ととも
に該閉弁動作の加速度の変移量が漸次小さくなり、該減
速期間の終了直前には極小さくなるように動弁系カムプ
ロフィールを設定する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付の図面
をもとに説明する。図1は動弁系カムの正面略図、図2
は本発明のカムプロフィール設定に関する開弁期間T中
におけるカムリフト曲線L、カムリフト速度曲線V、カ
ムリフト加速度曲線A、弁バネ荷重曲線Fs、及び静的
プッシュロッド荷重曲線F0 ・F1 を示す図、図3は本
発明のカムプロフィール設定に関する開弁動作期間T1
中のカムリフト加速度曲線A、カムリフト速度曲線V、
及びカムリフト曲線Lを示す図、図4は本発明のカムプ
ロフィール設定による動的プッシュロッド荷重曲線Fを
示す図、図5は従来のカムプロフィール設定に関する開
弁動作期間T1 中のカムリフト加速度曲線A’・A”、
カムリフト速度曲線V’・V”、及びカムリフト曲線
L’・L”を示す図、図6は従来のカムプロフィール設
定による動的プッシュロッド荷重曲線F’を示す図であ
る。なお、図2乃至図6において横軸は全てカム回転角
度θを示す。また、図4及び図6の動的プッシュロッド
荷重曲線F・F’は、内燃機関を同一の回転数(R’
a)にて運転した場合のものを示す。
【0014】図1において、動弁系カム回転域中におけ
る、開弁期間T中にプッシュロッド押圧に係わるカムプ
ロフィールを図示している。即ち、開弁期間Tは、カム
回転角度がθ0 〜θ2 の間でカム1がタペット2(給排
気弁のプッシュロッドとカム1との間に介装する部材)
に押接する期間であって、θ0 は開弁動作開始時のカム
角度であり、θ1 はカムリフトの最大リフト時、即ち最
大開弁時のカム角度であり、θ2 は、閉弁動作終了時の
カム角度である。θ0 〜θ1 は、開弁期間T前半の開弁
動作期間T1、θ1 〜θ2 は、閉弁期間T後半の閉弁動
作期間T2である。このカム角度θ0 〜θ2 のカムプロ
フィールの設計が本発明の目的である。
【0015】開弁期間T中のカムリフト量lは、図2の
如く、最大開弁時のカム角度θ1 を介して、前半の開弁
動作期間T1 と後半の閉弁動作期間T2 とで線対称のカ
ムリフト曲線Lを示す。カムリフト曲線Lは、カムリフ
ト加速度曲線Aを設定することで描かれるものであり、
開弁動作期間T1 と閉弁動作期間T2 とで、カムリフト
加速度曲線Aも、最大開弁時のカム角度θ1 を介して線
対称となる。図3では前半の開弁動作期間T1 のみのカ
ムリフト加速度曲線A等を示しているが、後半の開弁動
作期間T2 も、これと線対称のカムリフト曲線L及びカ
ムリフト加速度曲線Aを設定するものである。
【0016】カムリフト速度vに関しては、開弁動作期
間T1 と閉弁動作期間T2 とで、図2の如く、最大カム
リフト時の速度0の点を介して点対称状のカムリフト速
度曲線Vを描く。閉弁動作期間T2 中の速度方向は閉弁
動作方向であり、この向きを負としているが、この絶対
値曲線Vaを描けば、開弁動作期間T1 のカムリフト速
度曲線Vと最大リフト時を介して線対称状となる。即
ち、カムリフト速度vは開弁動作期間T1 において、増
速期間から減速期間を経て最大リフト時に速度0とな
り、閉弁動作期間T2 においては、最大リフト時より増
速期間から減速期間を経てカムリフト速度0の閉弁状態
に至る。これらのことを前提に、図3及び図5での開弁
動作期間T1 中のカムリフト曲線L、カムリフト加速度
曲線A、及びカムリフト速度曲線Vに関する説明を、図
示しない閉弁動作期間T2 におけるカムリフト曲線L、
カムリフト加速度曲線A、及びカムリフト速度曲線V
(カムリフト絶対値曲線Va)の説明に当てはめる。
【0017】まず、図5の従来のカムプロフィールに由
来する開弁動作期間T1 中のカムリフト加速度曲線等に
ついて説明する。前記の「従来技術」でも説明したよう
に、従来、一つの計算式より描いていたカムリフト加速
度曲線A”を、複数の計算式よりなるカムリフト加速度
曲線A’とし、これに伴って、従来のカムリフト速度曲
線V”・カムリフト曲線L”がカムリフト速度曲線V’
・カムリフト曲線L’に変更され、これに基づいてカム
プロフィールが設計されるようになった。しかし、前記
でも説明したように、図6図示の如く、開弁期間T中の
実際プッシュロッド曲線F’の波動振幅が激しいことか
ら、実際の限界回転数が理論等よりも低く設定されてい
た。
【0018】図5に示す如く、特に、開弁動作期間T1
の後半であるカムリフトの減速期間の初期において、カ
ムリフト加速度aが0の状態からの変移量が大きく、一
気に最低値まで低減して、それから変移量が漸次小さく
なる。幾何学的に言えば、図5の如く、減速期間の初期
のカムリフト加速度曲線A’は、下方に湾曲する曲線を
描く。(ちなみに、それ以前のカムプロフィール設定に
関するカムリフト加速度曲線A”の場合、加速度0時前
後の増速期間終期から減速期間初期に至る期間において
該カムリフト加速度曲線A”も下方に湾曲する曲線を描
く。)つまり、カムリフトが増速状態から一気に減速状
態に移行するので、プッシュロッド荷重fも不安定とな
り実際プッシュロッド荷重曲線F’の波動振幅が激しく
なっていた。
【0019】そこで、本発明においては、図2及び図3
に示すカムリフト加速度曲線Aを設定する。図3のカム
リフト加速度曲線Aは開弁期間Tの前半の開弁動作期間
1を示すものであるが、後半の閉弁動作期間T2 にお
いては、図3図示のカムリフト加速度曲線Aが、最大リ
フト時のカム角度θ1 を介して線対称状となった曲線を
描き、これらを合成して図2図示の開弁期間T全域のカ
ムリフト加速度曲線Aを得る。幾何学的には、カムリフ
ト加速度曲線Aは、開弁動作期間T1 中の減速期間(カ
ムリフト速度曲線V参照)の初期(閉弁動作期間T2に
おいては、増速期間の終期)において、その上方に湾曲
する曲線を描く。即ちカムリフト加速度aは、開弁動作
期間T1 の減速期間の初期(閉弁動作期間T2 の増速期
間の終期)において、極小さく変移し(殆ど加速度0の
まま変移する。)、漸次変移量が大きくなる。また、こ
のカムリフト加速度曲線Aに伴い、図2及び図3図示の
カムリフト速度曲線V(カムリフト速度絶対値曲線V
a)及びカムリフト曲線Lを得、これらの設定値に基づ
いてカムプロフィールを設計する。(実際には、カムリ
フト加速度曲線Aに基づいてカムリフト曲線Lを求め、
カム角度θ毎のカムリフト量lの値をMC旋盤に入力し
てカムプロフィールを加工するものである。)
【0020】このようにしてカムプロフィールを設計
し、この動弁カムを用いて動弁駆動した場合に、前記の
「従来技術」でも説明したように、プッシュロッド荷重
fは弁バネ荷重fsとカムリフト荷重faとの和(f=
fs+fa、fs=k・x(kはバネ係数、xは弁バネ
の伸長量)、fa=m・a(mは動弁系の質量、aはカ
ムリフト加速度))であり、低回転駆動時にはカムリフ
トによる加速度が殆ど生じないので、カムリフト荷重f
aが殆ど生じず、従ってf=faである。弁バネの伸長
量xは、開弁期間T中において、カムリフト量lがカム
リフト曲線Lの如く増減するに従って増減し、これに比
例する弁バネ荷重fsは、開弁期間T中において、図2
の弁バネ荷重線Fsを描く。従って、低回転駆動時には
弁バネ荷重曲線Fsに相似のプッシュロッド荷重曲線を
得る。
【0021】そして、エンジン回転数(カム回転速度)
を上げるとカムリフト加速度aが発生し、回転数の増加
に連れてその値は増加し、開弁期間T中のカムリフト加
速度aは、図2図示の(前半の開弁動作期間T1 のみに
おいては図3図示の)カム加速度曲線Aとなる。前記の
如くカムリフト荷重faはカムリフト加速度aに比例す
るので、カムリフト荷重曲線はカムリフト加速度曲線A
と相似の曲線となる。従って、弁バネ荷重fsとカムリ
フト荷重faとの和であるプッシュロッド荷重fは、開
弁期間T中において、静的には図2の静的プッシュロッ
ド荷重曲線F0を描く。なお、この静的プッシュロッド
荷重曲線F0 は摩擦なしとした場合のもので、摩擦を考
慮に入れれば、静的プッシュロッド荷重曲線F1 とな
る。
【0022】実際には、プッシュロッド荷重fは、開弁
期間中Tにおいて、その固有振動数のために波動するよ
うに増減し、図4に示すような動的プッシュロッド荷重
曲線Fを描く。動的プッシュロッド曲線Fは、前記静的
プッシュロッド荷重曲線F0(F1 )に比して波動して
おり、開弁期間Tにおける静的プッシュロッド荷重曲線
1 の最低値よりも動的プッシュロッド荷重曲線Fの最
低値の方が小さくなるので、その分、内燃機関の動的限
界回転数Rは、静的値よりも小さくなる。しかし、この
動的プッシュロッド荷重曲線Fの波動振幅は、前記のカ
ムリフト加速度曲線A’を適用した従来の動的プッシュ
ロッド荷重曲線F’の場合に比して小さくなるので、静
的値との差は、前記の従来技術における静的限界回転数
R’と動的限界回転数R’aとの差よりも縮小されて、
より静的値に近い数値となっている。そして、図4の如
く、同じ回転数R’aで運転した場合にも、特に最大カ
ムリフト時(カム角度θ1 )前後において、動的プッシ
ュロッド荷重曲線Fの最低値は、0には到達していな
い。つまり、図4図示の効果を得られることで、内燃機
関の限界回転数Rを、従来の限界回転数R’aよりも高
めることができる(R>R’a)。
【0023】
【発明の効果】本発明の以上のような内燃機関の動弁系
カムプロフィールの設計方法を採用することで、次のよ
うな効果を奏する。まず、請求項1記載の如く、開弁期
間前半の開弁動作期間において、減速期間のカムリフト
加速度の変移量が、該減速開始時付近では極小さく、カ
ム回転角度の変位とともに漸次大きくなるようにカムプ
ロフィールを設定することで、特に開弁動作期間の減速
期間における最大リフト直前期における実際プッシュロ
ッド荷重の変移の波動振幅が低減し、その分、振幅最低
値が従来のカムプロフィールを採用した場合よりも上回
って、従来では動的プッシュロッド荷重の最低値が0に
到達した(プッシュロッドが制御不可能となる状態にな
る)内燃機関の回転数でも、本発明の場合には、動的プ
ッシュロッド荷重が最低値には達しない。
【0024】そして、請求項2記載の如き動弁系カムプ
ロフィールの設計方法を採用することで、開弁期間の後
半の閉弁動作期間の、特に最大カムリフト直後の増速期
間においても同様の効果を得られ、従って請求項1及び
2記載の両方法を採用することで、開弁期間中の特に最
大カムリフト前後においての実際プッシュロッド荷重の
振幅が低減され、内燃機関の限界回転数の向上を実現で
き、内燃機関の性能向上に貢献するのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】動弁系カムの正面略図である。
【図2】本発明のカムプロフィール設定に関する開弁期
間T中におけるカムリフト曲線L、カムリフト速度曲線
V、カムリフト加速度曲線A、弁バネ荷重曲線Fs、静
的プッシュロッド荷重曲線F0 ・F1 を示す図である。
【図3】本発明のカムプロフィール設定に関する開弁動
作期間T1 中のカムリフト加速度曲線A、カムリフト速
度曲線V、及びカムリフト曲線Lを示す図である。
【図4】本発明のカムプロフィール設定による動的プッ
シュロッド荷重曲線Fを示す図である。
【図5】従来のカムプロフィール設定に関する開弁動作
期間T1 中のカムリフト加速度曲線A’・A”、カムリ
フト速度曲線V’・V”及びカムリフト曲線L’・L”
を示す図である。
【図6】従来のカムプロフィール設定による動的プッシ
ュロッド荷重曲線F’を示す図である。
【符号の説明】
1 カム(動弁カム) 2 タペット A カムリフト加速度曲線 V カムリフト速度曲線 Va カムリフト速度絶対値曲線 L カムリフト曲線 F 動的プッシュロッド曲線

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 開弁動作開始時より一定の増速期間を経
    た後、一定の減速期間を経て最大開弁時に達する、内燃
    機関の給排気弁の開弁動作期間中の、該減速期間内にお
    ける減速開始時より一定期間において、動弁系カム回転
    角度に対する該開弁動作の加速度の変移量が、該減速開
    始時付近では極小さく、カム回転角度の変位とともに漸
    次大きくなるように設定したことを特徴とする内燃機関
    の動弁系カムプロフィールの設定方法。
  2. 【請求項2】 最大開弁時より一定の増速期間を経た
    後、一定の減速期間を経て閉弁する、内燃機関の給排気
    弁の閉弁動作期間中の、該増速期間内における最大開弁
    時より一定期間経過後は、カム回転角度の変移とともに
    該閉弁動作の加速度の変移量が漸次小さくなり、該減速
    期間の終了直前には極小さくなるように設定したことを
    特徴とする内燃機関の動弁系カムプロフィールの設定方
    法。
JP33052097A 1997-12-01 1997-12-01 内燃機関の動弁系カムプロフィールの設定方法 Pending JPH11166405A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106837455A (zh) * 2017-03-23 2017-06-13 湖南长丰动力有限责任公司 一种1.5l涡轮增压直喷汽油机的进气凸轮

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106837455A (zh) * 2017-03-23 2017-06-13 湖南长丰动力有限责任公司 一种1.5l涡轮增压直喷汽油机的进气凸轮

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