JPH06241073A - 内燃機関のカム切換制御装置 - Google Patents

内燃機関のカム切換制御装置

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JPH06241073A
JPH06241073A JP2946693A JP2946693A JPH06241073A JP H06241073 A JPH06241073 A JP H06241073A JP 2946693 A JP2946693 A JP 2946693A JP 2946693 A JP2946693 A JP 2946693A JP H06241073 A JPH06241073 A JP H06241073A
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JP
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cam
switching
torque
fuel consumption
output
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JP2946693A
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Hiroyuki Itoyama
浩之 糸山
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Valve Device For Special Equipments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 アクセル開度の増加率が大きいときほど、燃
費カムから出力カムへの切換領域を等トルク側に移行
し、カム切換時の基本的なトルク段差を小さくして、急
加速時など加速感の不足や不連続感を少なくし、急加速
を望まないときは燃費カムでの広い運転範囲を確保して
燃費改善を図る。 【構成】 少なくとも燃費カム1と出力カム2とを備
え、運転状態に応じてこれらカムを切換て使用するよう
にした内燃機関のカム切換制御装置において、アクセル
開度の増加率を算出する手段6と、アクセル開度の増加
率が大きくなるほどカムの切換領域を同一のアクセル開
度に対する燃費カムと出力カムとの発生トルクが等しい
等トルク特性側に移行する手段7とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は運転条件によって複数の
カムを選択的に切換える内燃機関のカム切換制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関の吸排気弁を駆動するカムの特
性(カムプロフィル)は、機関の要求する出力特性に合
わせて、最適なバルブタイミングが得られるように設定
されている。
【0003】ところが、この要求バルブタイミングは機
関の運転条件によってそれぞれ異なり、例えば低負荷域
では要求されるバルブリフト、開弁期間は共に小さく、
これに対して高負荷域では大きなバルブリフトと開弁期
間が要求される。自動車用内燃機関のように運転条件が
広範囲にわたるものは、バルブタイミングをどの運転領
域を対象に設定すればよいか、その選択がなかなか難し
く、いずれにしてもあらゆる運転条件で最適なマッチン
グとすることはできない。
【0004】そこで特開昭63−167016号公報に
もあるように、カムプロフィルの異なる複数のカムを備
えておき、運転条件によってカムの切換えを行うことに
より、それぞれの領域で最適なバルブタイミングで運転
することを可能とした装置が提案されている。
【0005】これは低回転域で高いトルク特性をもつ低
速型のカムと、高回転域で高いトルク特性の高速型カム
とを運転条件により切換えることにより、低速域から高
速域まで高出力を発揮させようとするものであり、さら
にこれらに加えて部分負荷域での燃費特性にすぐたれ燃
費カムを備え、部分負荷運転での燃費の改善を図るよう
にしたものもある。
【0006】
【発明が解決しようとする問題点】ところで上記したカ
ムの切換えは、予め機関負荷と回転数などに応じて決め
られたカムの切換領域にしたがって行われるが、切換の
前後で機関出力が不連続に変動することがある。低回転
域と高回転域とで全開出力(トルク)を重視した特性の2
つの出力カム(あるいは全回転域ので出力を重視した特
性の単一の出力カム)と、部分負荷域で燃費を重視した
燃費カムとを備えている場合、燃費カムから出力カムへ
の切換(あるいはこの逆への切換)時に、同一のスロット
ル開度における燃費カムでの発生トルクが相対的に低い
ため、スロットル開度が同一のままだと大きなトルク段
差を発生する。
【0007】燃費カムを用いるときは吸気弁のリフトが
小さく閉弁時期も下死点前にあり、要求トルクを確保す
るのに必要なスロットル開度も出力カムに比べて相対的
に大きく、したがってポンピングロスが少なく燃費が良
いのであるが、この特性を活用するには、できるだけ広
範囲の運転域で燃費カムを使うことが望まれる。このた
めには、燃費カムからリフトも開弁期間も大きい出力カ
ムへは、燃費カムの全開トルク特性に近い領域で切換る
ようにすると良いが、この場合スロットル開度が同一の
ままでは出力カムでの発生トルクが大きくなり過ぎ、切
換時のトルクショックが避けられない。
【0008】これに対して、同一のスロットル開度での
発生トルクが等しくなる領域付近で切換えたとすると、
切換時のトルクショックは少なくできるが、等トルク点
が低速、低負荷側にあるため燃費カムの使用領域が大幅
に狭まり、燃費の改善効果は大きく減退してしまう。
【0009】この対策として、アクセル操作に対してス
ロットル開度を独立的に制御可能にしておき、カム切換
と同時にスロットル開度を補正し、たとえば燃費カムか
ら低速型の出力カムに切換えると同時にスロットル開度
を減少させ、トルク変動を吸収するようにしたものが、
本出願人によりたとえば特願平3−81771号等とし
て提案されている。なお、このトルク制御では、スロッ
トル開度の補正と同時に一時的に点火時期も補正し、切
換直後の瞬間的なトルクの立ち上がりを防ぐようにして
いる。
【0010】しかし、スロットル開度が変更されても、
カム切換直後はそのまま変更前のスロットル下流の空気
が吸気充填効率の高い出力カムの特性にしたがってシリ
ンダに吸入されるため、実際にシリンダに吸入される空
気が目標通りになるにはある時間が必要で、つまりトル
ク制御の終了までに一定の時間がかかるのが避けられな
い。このため、この間にわずかではあるが発生トルクは
いったん上昇し、その後に切換前のトルク値に収束する
ことになる。
【0011】一般に、加速時の出力トルクは連続的に滑
らかに上昇することが望ましいのであるが、アクセルの
踏み込みに応じてカムの切換点に達し、燃費カムから出
力カムに切換られると、切換時のトルク制御の期間は、
このように切換初期にいったんトルクが急増してから切
換前のトルクまで減少するので、このトルク制御が終了
するまで加速感があたかも途中で減少していくかのよう
に感じてしまう。
【0012】この傾向は燃費カムの使用運転範囲が広
く、出力カムに切換たときの基本的なトルク差が大きい
ときほど顕著で、また、加速感の要求されない緩加速時
にあまり感じられなくても、速やかなトルクの立ち上が
りが求められる急加速時などとくに加速感の不足や不連
続な加速感として問題となってくる。
【0013】本発明はこのような問題を解決するために
提案されたもので、アクセル開度の増加率が大きいとき
ほど、燃費カムから出力カムへの切換領域を等トルク側
に移行し、カム切換時の基本的なトルク段差を小さく
し、これによって急加速時など加速感の不足や不連続感
を少なくし、急加速を望まないときや定常運転時には燃
費カムでの広い運転範囲を確保して燃費改善を図ること
を目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】そこで本発明は、図1に
示すように、燃費特性のすぐれた燃費カム1と、出力特
性のすぐれた出力カム2と、燃費カム1と出力カム2の
切換領域を設定した手段3と、カム切換領域にしたがっ
て選択したカムにより弁を駆動するカム切換手段4と、
カム切換時に切換前後の発生トルクが同一となるように
少なくともスロットル開度を補正制御する手段5とを備
えた内燃機関において、アクセル開度の増加率を算出す
る手段6と、アクセル開度の増加率が大きくなるほど前
記カムの切換領域を同一のアクセル開度に対する燃費カ
ムと出力カムとの発生トルクが等しい等トルク特性側に
移行する手段7とを備える。
【0015】また、前記カム切換領域設定手段3は燃費
カムと出力カムの基本切換領域を燃費カムの全開トルク
特性に近い領域に設定してある。
【0016】
【作用】したがって第1の発明によると、アクセル開度
の増加率が大きい急加速時などカムの燃費カムから出力
カムへの切換領域が、もともとの発生トルクに差が無い
等トルク特性側に移行するので、切換前後のトルク変動
が小さくなり、このため加速途中での減速感や不連続感
が少なく、スムーズな加速フィリーングが得られる。
【0017】これに対して緩加速時や定常運転時などは
燃費カムでの広い運転領域が確保され、それだけ燃費の
改善効果が大きくなる。
【0018】また、第2の発明によると、緩加速時など
の燃費カムの運転領域が、燃費カムの全開トルク特性に
近づくため、より広い範囲で燃費カムを使用でき、部分
負荷時の燃費改善効果がさらに増大する。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0020】まず、図2、図3に可変動弁装置の具体的
な構成を示すが、これ自体は本出願人により、特願平2
−117261号として、既に提案されている。
【0021】21は燃費重視型のカムプロフィルに設定
され、カムリフト及びリフト区間の共に小さい第1カム
(燃費カム)、22は低回転域で高トルクを発生するカム
プロフィルに設定され、前記第1カム21よりもカムリ
フトが相対的に大きい第2カム(低速型出力カム)、23
は高回転域で高トルクを発生するカムプロフィルに設定
され、第2カム22よりもカムリフト、リフト区間の大
きい第3カム(高速型出力カム)で、これらは同一のカム
シャフトに並列的に設けられる。
【0022】24は吸・排気弁(吸気弁または排気弁)、
25はローラ26を介して前記第1カム21と常時接触
するメインロッカーアームで、ロッカーシャフト27を
支点に揺動して、吸・排気弁24を開閉する。
【0023】メインロッカーアーム25にはシャフト3
0を支点にして揺動する2つのサブロッカーアーム2
8,29が前記ローラ26と並列的に支持され、一方の
サブロッカーアーム28は前記第2カム22と、他方の
サブロッカーアーム29は前記第3カム23と接触す
る。
【0024】これらサブロッカーアーム28,29はメ
インロッカーアーム25と係合していないときは、ロス
トモーションスプリング31により常時第2,第3カム
22,23に接触するように付勢され、メインロッカー
アーム25からは独立して運動(揺動)する。
【0025】これらサブロッカーアーム28,29をメ
インロッカーアーム25に対して選択的に係合するた
め、まず一方のサブロッカーアーム28の揺動部位には
円柱形のピン32が、またメインロッカーアーム25に
もこのピン32と同軸上にピン34が、それぞれカムシ
ャフト方向に摺動自由に配設され、かつこれらピン3
2,34は常時はリターンスプリング36に付勢されて
図2の状態に保持され、メインロッカーアーム25との
係合を解かれているが、ピン34の収装された油圧室3
8に通路40を介して圧油が導かれると、ピン32と3
4が所定量だけ押し出されて、サブロッカーアーム28
がメインロッカーアーム25と係合するようになってい
る。
【0026】サブロッカーアーム28がメインロッカー
アーム25と一体になるのは、第1カム21及び第2カ
ム22が共にベースサークルにあるときで、両者の一体
後は第1カム21よりもリフトの大きい第2カム22に
従ったバルブタイミングに切換わる。
【0027】つまり、第1カム21による燃費重視の特
性から、第2カム22による低回転域での出力重視の特
性に切換られるのである。
【0028】他方のサブロッカーアーム29について
も、これと同様に構成され、油圧室39に通路41を介
して圧油が導かれると、ピン35と33がリターンスプ
リング37に抗して押し出され、サブロッカーアーム2
9がメインロッカーアーム25に係合することにより、
バルブタイミングは前記と同じく第1カム21よりもリ
フト、リフト区間の共に大きい第3カム23に依存する
ように切換られ、高回転域での出力重視の特性が得られ
るのである。
【0029】なお、図4に第1カム21から第3カム2
3までのバルブリフト特性を示す。そして、各カムを用
いたときの全開出力特性は、図5のようになり、第1カ
ム21によれば、発生トルクは低いものの燃費が良く、
第2カム22では低回転域での最大トルクが最も高く、
第3カム23は低回転域での発生トルクは第2カム22
よりも小さいものの、高回転域での最大トルクは最も大
きくなる。
【0030】ところで、第1カム21から第2、第3カ
ム22,23への切換や、その反対に第2、第3カム2
2,23から第1カム21への切換を制御するために図
6に示すようなコントロールユニット51が備えられ、
運転状態によって最適なカムが選択されるのである。
【0031】コントローユニット51におけるこのカム
の選択は図5の特性に基づいて行われ、要求するトルク
と回転数が例えば燃費カムである第1カム21の領域に
あるときはこの燃費カムを用い、この状態からアクセル
開度が増加して要求トルクが燃費カムの領域を外れて例
えば低速型出力カムである第2カム22の領域に移行す
ると、燃費カムから低速型出力カムに切換られ、また回
転数が低回転域から高回転域に上昇してくると、高速型
出力カムである第3カム23に切換られる。
【0032】このため、コントロールユニット51には
機関回転数、クランク角度位置を検出するクランク角セ
ンサ52、アクセルペダルの操作量(踏込量)を検出する
アクセル操作量センサ53、スロットル開度を検出する
スロットル開度センサ54、実際に選択されたカム位置
を検出するカムポジションセンサ58からの信号が入力
し、これらに基づいて上記したようなカムの切換領域に
到達したと判定されたら、前記した2つの油圧室38,
39への油圧の切換を行う電磁弁45と46の作動を制
御し、カムの切換を実行するのである。
【0033】つまり、一方の電磁弁45を開けば、第2
カム22を働かせるために油圧室38にオイルポンプか
らの圧油が導かれ、他方の電磁弁46を開くことにより
今度は第3カム23を働かせるため油圧室39に圧油が
導かれるのである。
【0034】またコントロールユニット51は、このよ
うなカムの切換時に各カムによる吸気充填効率の違いか
ら、大きなトルク段差を生じ、不連続な出力変動により
運転性を悪化させたり、車体振動を誘発したりする現象
を回避するために、吸気通路60に設けたアクセル操作
とは独立的に開度を制御できるスロットルバルブ61
を、スロットルアクチュエータ62を介してカムの切換
に同期させつつ補正制御することで、カム切換前後のト
ルク差を吸収するようになっている。
【0035】カムによってシリンダに対する吸気充填効
率は異なり、同一のスロットル開度に対する発生トルク
特性が大きく相違する。カムの切換は前述のように、そ
れぞれのカムのもつ特性が最大限に発揮される運転領域
を選んで行われるのであるが、切換回転数での出力トル
クは必ずしも一致せず、この場合にはカム切換の前後で
スロットル開度が同一のままだと大きなトルク段差を生
じ、運転性が著しく損なわれることになる。そこで、カ
ム切換前後の発生トルクが同一となるように、スロット
ルバルブ61の開度を補正し、同時に点火時期も一時的
に補正する。
【0036】具体的には、カム切換が判断されると、切
換前後の発生トルクがアクセル開度に対応する同一のト
ルクを維持するように、たとえば第1カム21から第2
カム22へ切換るときは、スロットルバルブ61の開度
を減少補正し、第2カム22から第1カム21に切換る
ときは、逆にスロットルバルブ61の開度を増大させ、
切換の前後でトルク段差が発生しないように制御する。
さらに、コントロールユニット51は点火装置59に対
する点火時期信号をカム切換時に一定時間だけリタード
させることにより、トルク段差の吸収をより一層確実に
する。
【0037】なお、第2カム22と第3カム23との間
の切換は、図5のように、アクセル全開で同一トルクを
発生する機関回転数があるので、このときを境にして行
えばよく、もちろんスロットル全開でないところでも、
同一スロットル開度でトルクが一致する回転数があるの
で、この回転数で切換ればスロットル開度の補正は必要
ない。
【0038】しかし、このようなカム切換時のスロット
ル開度補正を含むトルク制御においても、実際にスロッ
トル開度が変化してもシリンダの吸入空気量が変化する
まではある時間遅れが避けられず、したがって第1カム
21から第2カム22への切換時には、この制御が終了
するまでの期間、いったんトルクが増加してから切換直
前のトルクに収束していくため、また同一のスロットル
開度に対しての切換前後のトルク段差が大きいほど、制
御終了までの時間も長くかかるため、アクセルを大きく
踏み込んでの急加速時など、第1カム21から第2カム
22に切換わるときに、あたかも途中で加速感が減少す
るような感じを与える。
【0039】そこで、この発明では図7のように、アク
セル操作量センサ53の出力に基づいて、この微分値か
らアクセル開度の増加率を求め、加速運転時に加速の状
態に応じて第1カム21から第2カム22への切換領域
を移動し、緩やかに加速するときには切換領域を第1カ
ム22の全開トルク特性に近い領域、これに対して急加
速するときには第1カム21と第2カム22との切換
が、同一のスロットル開度に対しての発生トルクが等し
くなる等トルク特性に近い領域で行われるようにカム切
換領域を移動する。
【0040】同一のスロットル開度においては第2カム
22の方が吸気充填効率が高いため、第1カム21のと
きよりも発生トルクが大きくなるのであるが、エンジン
負荷、回転数が共に低い領域では、第2カム22による
作動特性が低下し、やがて両者のトルクは一致するので
あり、この一致するときの等トルク特性においてカム切
換を行うと、トルク段差は生じないのであるが、この場
合には燃費の良い第1カム21での運転範囲が非常に狭
くなってしまう。
【0041】そこで、基本となる切換領域を第1カム2
1の全開トルクよりもやや小さいトルク領域とすること
により、緩やかな加速を含む多くの運転状態において第
1カム21を使用する領域の拡大をはかり、燃費特性の
改善効果を確保する一方で、急加速時などでは等トルク
特性領域の近くにカム切換領域を移動することにより、
第1カム21から第2カム22へのカム切換時の基本的
な発生トルク段差を小さくし、同時にスロットル補正を
行うことにより、切換直後のトルク変動を抑制して、ス
ムーズで連続的な加速感を付与するのである。
【0042】この制御内容について、図8のフローチャ
ートにしたがって説明する。
【0043】ステップ1で運転状態を代表する信号とし
て、基本燃料噴射量Tp(エンジン負荷に相当)、エン
ジン回転数Neとアクセル開度センサの出力であるアク
セル開度TVO1を読み込み、ステップ2で単位時間あ
たりのアクセル開度TVO1の増加率ないし増加速度
(変化速度)ΔTVO1を演算する。
【0044】スロットル増加率ΔTVO1とエンジン回
転数Neとにもとづいて図9に示すマップから、カム切
換領域(切換トルク)TpLを算出する(ステップ
3)。図9はカム切換領域を移動させるための切換トル
ク特性線図であり、ΔTVO1とNeが大きくなるほ
ど、切換トルク(TpL)が小さくなり、換言すると加
速度合いが大きくなるにしたがって最小切換トルク値で
ある、等トルク特性(同一スロットル開度で燃費カムと
出力カムの発生トルクが等しくなる)に近づき、逆に加
速度合いが小さくなると最大切換トルク値である、燃費
カムの全開トルク特性に近づくように設定してある。
【0045】ステップ4で基本燃料噴射量Tpをこのよ
うに算出したTpLと比較し、このTpLを越えたとき
に、ステップ5に移行して第1カム21から第2カム2
2への切換信号を出力する。またステップ6では切換と
同時にスロットル開度、点火時期、燃料噴射量を補正し
てのトルク制御を行う。
【0046】このトルク制御について図10のフローチ
ャートに示すが、これはバックグラウンドジョブとして
運転状態を読み込みながら所定周期で常時演算されるも
ので、図11〜図13に示すマップにしたがって、その
ときの燃料噴射量Tpとエンジン回転数Neにもとづい
て、スロットル開度の制御量CTVO、点火時期の補正
量(リタード量)CADV、燃料の増量補正量CHOS
Vをそれぞれ算出し(ステップ11〜14)、各制御を
行う。これらスロットル開度、点火時期、燃料増量の制
御量は、切換時の燃料噴射量、エンジン回転数が大きい
ときほど大きく、これらによって切換前後での発生トル
クを同一に維持する。
【0047】なお、燃料を増量補正するのは、第1カム
21から第2カム22に切換られて空気充填効率が高ま
ると、燃料を増量しないと一時的に過剰リーンになり、
失火することもあるので、これを防ぐためである。
【0048】このようにして、ΔTVO1が小さい緩加
速時には図7の第1カム21の全開トルク特性に近い領
域でカム切換が行われ、急加速時には等トルク特性に近
い領域でカム切換が行われることになる。
【0049】図14はこのときのトルク制御のようすを
具体的に示すもので、実線が緩加速、点線が急加速のと
きをあらわしている。緩加速に比較して急加速時には、
トルク切換領域が等トルク特性側に移動しているため、
スロットル開度の補正量をはじめとして、燃料増量、点
火時期の補正量が少なく、発生トルクの変動値及び変動
期間もそれだけ小さくなる。
【0050】したがって、急加速時など加速途中で第1
カム21から第2カム22へ切換わっても、加速の減少
感や不連続感がほとんどなく、スムーズな加速感が維持
される。これに対して緩加速時にはカム切換領域が、第
1カム21の全開トルク特性に近づくので、より広い運
転範囲を第1カム21でカバーすることができ、燃費の
改善効果を高められる。アクセルの踏み込みも緩やかな
緩加速時には、加速感は要求されないため、カム切換前
後のトルクの収束にある時間がかかっても、運転性能上
からは問題とならない。
【0051】
【発明の効果】このように本発明は、燃費特性のすぐれ
た燃費カムと、出力特性のすぐれた出力カムと、燃費カ
ムと出力カムの切換領域を設定した手段と、カム切換領
域にしたがって選択したカムにより弁を駆動するカム切
換手段と、カム切換時に切換前後の発生トルクが同一と
なるように少なくともスロットル開度を補正制御する手
段とを備えた内燃機関において、アクセル開度の増加率
を算出する手段と、アクセル開度の増加率が大きくなる
ほど前記カムの切換領域を同一のアクセル開度に対する
燃費カムと出力カムとの発生トルクが等しい等トルク特
性側に移行する手段とを備えたので、アクセル開度の増
加率が大きい急加速時などカムの燃費カムから出力カム
への切換領域が、もともとの発生トルクに差の無い等ト
ルク特性側に移行するので、切換前後のトルク段差が小
さくなり、加速途中での減速感や不連続感が少なく、良
好な加速フィリーングが得られ、これに対して緩加速時
や定常運転時などは燃費カムでの広い運転領域が確保さ
れ、それだけ燃費の改善効果が大きくなる。
【0052】また、第2の発明では、前記カム切換領域
設定手段の燃費カムと出力カムの基本切換領域を燃費カ
ムの全開トルク特性に近い領域に設定したので、緩加速
時などの燃費カムの運転領域が、燃費カムの全開トルク
特性に近づき、より広い範囲で燃費カムを使用でき、部
分負荷時の燃費改善効果をさらに高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成図である。
【図2】本発明の実施例を示すものでカム切換機構の平
面図である。
【図3】図2のX−X線の断面図である。
【図4】各カムのリフト特性を示す特性図である。
【図5】各カムによる全開出力特性を示す特性図であ
る。
【図6】制御系統のブロック構成図である。
【図7】燃費カムと出力カムの切換トルクの移動特性を
示す特性図である。
【図8】コントロールユニットで実行されるカム切換時
のトルク制御を示すフローチャートである。
【図9】アクセル開度の増加率に対するカム切換トルク
の変化を示す特性図である。
【図10】コントロールユニットで実行されるカム切換
時のトルク制御を示すフローチャートである。
【図11】トルク制御時のスロットル開度の制御量を示
す特性図である。
【図12】トルク制御時の点火時期の制御量を示す特性
図である。
【図13】トルク制御時の燃料の制御量を示す特性図で
ある。
【図14】第1カムから第2カムに切換たときの出力変
化のようすを示すタイミングチャートである。
【符号の説明】
21 第1カム(燃費カム) 22 第2カム(出力カム) 23 第3カム(出力カム) 24 吸・排気弁 51 コントロールユニット 53 アクセル操作量センサ 61 スロットルバルブ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃費特性のすぐれた燃費カムと、出力特
    性のすぐれた出力カムと、燃費カムと出力カムの切換領
    域を設定した手段と、カム切換領域にしたがって選択し
    たカムにより弁を駆動するカム切換手段と、カム切換時
    に切換前後の発生トルクが同一となるように少なくとも
    スロットル開度を補正制御する手段とを備えた内燃機関
    において、アクセル開度の増加率を算出する手段と、ア
    クセル開度の増加率が大きくなるほど前記カムの切換領
    域を同一のアクセル開度に対する燃費カムと出力カムと
    の発生トルクが等しい等トルク特性側に移行する手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関のカム切換制御装
    置。
  2. 【請求項2】 前記カム切換領域設定手段は燃費カムと
    出力カムの基本切換領域を燃費カムの全開トルク特性に
    近い領域に設定してあることを特徴とする請求項1に記
    載の内燃機関のカム切換制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018119443A (ja) * 2017-01-24 2018-08-02 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置
JP2018131982A (ja) * 2017-02-15 2018-08-23 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

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