JP2855909B2 - エンジンの出力制御装置 - Google Patents

エンジンの出力制御装置

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JP2855909B2
JP2855909B2 JP23060691A JP23060691A JP2855909B2 JP 2855909 B2 JP2855909 B2 JP 2855909B2 JP 23060691 A JP23060691 A JP 23060691A JP 23060691 A JP23060691 A JP 23060691A JP 2855909 B2 JP2855909 B2 JP 2855909B2
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  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)
  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は運転条件によってカム
を切換える可変動弁機構と自動変速機を備えるエンジン
の出力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの吸排気弁を駆動する動弁装置
は、エンジンの要求する出力特性に合わせて、最適なバ
ルブタイミングが得られるように設定されている。
【0003】ところが、この要求バルブタイミングはエ
ンジンの運転条件によってそれぞれ異なり、たとえば低
負荷域ではバルブリフト、開弁期間はともに小さく、こ
れに対して高負荷域では大きなバルブリフトと開弁期間
が要求される。自動車用エンジンのように運転条件が広
範囲にわたるものは、バルブタイミングをどの運転領域
を対象とするかがなかなか難しく、いずれにしても、す
べての運転条件で最適なマッチングとすることはできな
い。
【0004】そこで、特開昭63−167016号公報
にあるように、カム特性(カムプロフィル)の異なる複
数のカム(カム作動態様)を備えておき、運転条件によ
ってカムの切換を行うことにより、それぞれにおいて最
適なバルブタイミングで運転することを可能とした、可
変動弁装置が提案されている。
【0005】これは低回転域で高いトルクをもつ低速型
のカムと、高回転域で高いトルク特性の高速型カムと
を、運転条件により切換えるもので、低速域から高速域
まで高出力を発揮させようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、出力特性の
異なるカムが切換えられると、バルブタイミングとリフ
ト量が変化して出力トルクが大きく変わるので、自動変
速機を備える車両では、カムの切換に合わせてギア位置
を切換えることで、動力性能をよくすることができる。
【0007】このとき、カムの切換によってトルク段差
が生じることがあり、またギヤ位置の切換によっても駆
動軸に伝達される出力トルクが変化してトルク段差が生
じる。つまり、カムが切換わるタイミングとギヤ位置が
切換わるタイミングでそれぞれトルク段差に伴う運転シ
ョックが生じる。
【0008】これに対処するため、カムの切換わりとギ
ヤ位置の切換わりがほぼ一致するように、カム切換信号
とギヤ位置切換信号を出力することができれば、運転シ
ョックの生じる回数を減らすことができ、運転性も向上
する。
【0009】しかしながら、カム切換機構に故障が生
じ、切換信号の要求通りにカムが切換えられていないの
にギヤ位置だけが切換えられるとすれば、要求通りに切
換えられていないカムにより運転されるエンジンの状態
と切換後のギヤ位置とが適合しなくなり、運転フィーリ
ングが悪くなる。
【0010】そこでこの発明は、カムの切換わるタイミ
ングとギヤ位置の切換わるタイミングが一致するように
カムとギヤ位置の各切換信号を出力するとともに、カム
が実際に切換わったかどうかをみて切換わっていなけれ
ば、ギヤ位置の切換をキャンセルすることにより、運転
ショックの回数を減らしつつ、運転フィーリングの悪化
を防ぐ。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明は、図1で示す
ように、出力特性の異なるカムプロフィルをもつ複数の
カム作動態様71と、運転条件(たとえばスロットル開
度とエンジン回転数)に応じてカム作動態様の選択・切
換を判定する手段72と、カム作動態様の切換が判定さ
れたときカム作動態様切換信号を出力する手段73と、
このカム作動態様切換信号を受けてカム作動態様を切換
える機構74と、前記カム作動態様の切換が判定された
とき切換先のカム作動態様に適合する目標ギヤ位置を演
算する手段76と、この目標ギヤ位置となるようにギヤ
位置の切換信号を出力する手段77と、このギヤ位置切
換信号を受けて自動変速機のギヤ位置を切換える機構7
8と、カム作動態様の切換わるタイミングとギヤ位置の
切換わるタイミングが一致するように前記2つの切換信
号の出力タイミングを調整する手段79と、実際にカム
作動態様が切換わったかどうかを判定する手段80と、
実際にカム作動態様が切換わっていないときは前記ギヤ
位置の切換をキャンセルする手段81とを備えた。
【0012】
【作用】カム作動態様が切換られるときは、切換先の
ム作動態様により運転されるエンジンの状態に適合する
ようにギヤ位置も切換えられる。
【0013】このとき、カム作動態様切換信号とギヤ位
置切換信号の出力タイミングが調整されることで、カム
作動態様の切換わるタイミングとギヤ位置の切換わるタ
イミングがほぼ同じにされる。
【0014】一方、カム作動態様切換用のライン油圧な
どからカム作動態様が実際に切換わったかどうかが確か
められ、カム作動態様が切換わっていないときはギヤ位
置が切換前の位置に戻される。
【0015】実際にはカム作動態様が切換えられていな
いのに、ギヤ位置だけが勝手に切換えられると、切換え
られていないカム作動態様により運転されるエンジンの
状態と切換えられたギヤ位置とが適合しなくなって運転
性が悪くなるであるが、こうした事態が避けられる。
【0016】
【実施例】まず、図2,図3に実施例の可変動弁装置の
具体的な構成を示すが、これ自体は本出願人により、特
願平2−117261号として、既に提案されている。
【0017】21は燃費重視型のカムプロフィルに設定
され、カムリフトおよびリフト区間のともに小さい第1
カム(燃費カム)、22は低回転域で高トルクを発生す
るカムプロフィルに設定され、前記第1カム21よりも
カムリフトが相対的に大きい第2カム(低速型出力カ
ム)、23は高回転域で高トルクを発生するカムプロフ
ィルに設定され、第2カム22よりもカムリフト、リフ
ト区間の大きい第3カム(高速型出力カム)で、これら
は同一のカムシャフトに並列的に設けられる。なお、こ
れら第1カム21〜第3カム23はカム作動態様を構成
する。
【0018】24は吸・排気弁(吸気弁または排気
弁)、25はローラ26を介して前記第1カム21と常
時接触するメインロッカーアームで、ロッカーシャフト
27を支点に揺動して、吸・排気弁24を開閉する。
【0019】メインロッカーアーム25にはシャフト3
0を支点にして揺動する2つのサブロッカーアーム2
8,29が前記ローラ26と並列的に支持され、一方の
サブロッカーアーム28は前記第2カム22と、他方の
サブロッカーアーム29は前記第3カム23と接触す
る。
【0020】これらサブロッカーアーム28,29はメ
インロッカーアーム25と係合していないときは、ロス
トモーションスプリング31により常時第2,第3カム
22,23に接触するように付勢され、メインロッカー
アーム25からは独立して運動(揺動)する。
【0021】これらサブロッカーアーム28,29をメ
インロッカーアーム25に対して選択的に係合するた
め、まず一方のサブロッカーアーム28の揺動部位には
円柱形のピン32が、またメインロッカーアーム25に
もこのピン32と同軸上にピン34が、それぞれカムシ
ャフト方向に摺動自在に配設され、かつこれらピン3
2,34は常時はリターンスプリング36に付勢されて
図2の状態に保持され、メインロッカーアーム25との
係合を解かれているが、ピン34の収装された油圧室3
8に通路40を介して圧油が導かれると、ピン32と3
4が所定量だけ押し出されて、サブロッカーアーム28
がメインロッカーアーム25と係合するようになってい
る。
【0022】サブロッカーアーム28がメインロッカー
アーム25と一体になるのは、第1カム21および第2
カム22がベースサークルにあるときで、一体後は第1
カム21よりもリフトの大きい第2カム22にしたがっ
たバルブタイミングに切換わる。
【0023】つまり、第1カム21による燃費重視の特
性から、第2カム22による低回転域での出力重視特性
に切換えられるのである。
【0024】他方のサブロッカーアーム29について
も、これと同様に構成され、油圧室39に通路41を介
して圧油が導かれると、ピン35と33がリターンスプ
リング37に抗して押し出され、サブロッカーアーム2
9がメインロッカーアーム25に係合することにより、
バルブタイミングは前記と同じく第1カム21よりもリ
フト、リフト区間のともに大きい第3カム23に依存す
るように切換えられ、高回転域での出力重視の特性が得
られるのである。
【0025】なお、図4に第1カム21から第3カム2
3までのバルブリフト特性を示す。そして、各カムを用
いたときの全開出力特性は、図5のようになり、第1カ
ムによれば、発生トルクは低いものの燃費がよく、第2
カムでは低回転域での最大トルクが最も高く、第3カム
23は低回転域での発生トルクは第2カム22よりも小
さいものの、高回転域での最大トルクは最も大きくな
る。
【0026】ところで、第1カム21から第2、第3カ
ム22,23への切換や、その反対に第2、第3カム2
2,23から第1カム21への切換を制御するために図
6に示すようなコントロールユニット51が備えられ、
運転状態によって最適なカムが選択されるのである。
【0027】コントロールユニット51におけるこのカ
ムの選択は図5の特性に基づいて、要求するトルクと回
転数がたとえば燃費カムである第1カム21の領域にあ
るときはこの燃費カムを使い、この状態からアクセル開
度が増加して要求トルクが燃費カムの領域を外れてたと
えば低速型出力カムである第2カム22の領域に移行す
ると、燃費カムから低速型出力カムに切換えられ、ま
た、回転数が低回転域から高回転域に上昇してくると、
高速型出力カムである第3カム23に切換えられるので
ある。
【0028】このため、コントロールユニット51には
エンジン回転数、クランク角度位置を検出するクランク
角度センサ52、スロットルバルブの開度を検出するス
ロットル開度センサ53からの信号が入力し、これらに
基づいて上記のようにカムの切換が判定されたら、前記
2つの油圧室38,39への油圧の切換を行う電磁弁4
5と46の作動を制御するのである。
【0029】つまり、切換信号の出力により一方の電磁
弁45が開かれると第2カム22を働かせるために油圧
室38にオイルポンプからの圧油が導かれ、他方の電磁
弁46を開くことにより今度は第3カム23を働かせる
ため油圧室39に圧油が導かれるのである。
【0030】ところで、カムが切換えられると、エンジ
ンから出力されるトルクが大きく変わるのに、ギヤ位置
が同じではカムの切換の前後で運転フィーリングが異な
ってしまうので、コントロールユニット51ではカムが
切換えられると、これに合わせて自動変速機のギヤ位置
を切換えるようにしている。たとえば燃費カムから出力
カムに切換えられると、増大するトルク特性に合わせて
ギヤ位置をシフトアップし、この逆にカムが切換えられ
ると、減少するトルクに合わせてギヤ位置をシフトダウ
ンするのである。
【0031】このため、アクセルペダルの開度を検出す
るアクセル開度センサ54、車速センサ55からの信号
がコントロールユニット51に入力し、これらにもとづ
いてギヤ位置を切換える必要があるかどうかをみて、ギ
ヤ位置の切換が必要なときはシフトバルブ65,66に
切換信号を出力する。
【0032】2つのシフトバルブ65,66はいずれも
ON,OFF電磁弁であり、そのON、OFFの組み合
わせにより、コントロールユニット51が指令するギヤ
位置となるように圧油を各摩擦要素に作用させるもので
ある。たとえばシフトバルブ65,66の両方をONに
すると1速、一方のシフトバルブ65をOFF、他方の
シフトバルブ66をONにすると2速、シフトバルブ6
5,66の両方をOFFにすると3速、シフトバルブ6
5をON、シフトバルブ66をOFFにすると4速に切
換えられる。
【0033】しかしながら、カムの切換に合わせてギヤ
位置を切換えるといっても、カムの切換わるタイミング
とギヤ位置の切換わるタイミングでそれぞれトルク段差
に伴う運転ショックが生じるのであるから、2つのタイ
ミングがずれたのでは、運転ショックが2度も生じる。
なお、コントロールユニット51は、カムの切換時に大
きなトルク段差を生じるのを回避するため、たとえば燃
費カムから出力カムへの切換時には、吸気通路に設けた
スロットルバルブ(アクセルペダルとは独立して開度が
増減される)の開度を所定量だけ減少補正し、またスロ
ットル開度を減少させても、切換直後のトルクが定常時
より過渡的に増すのを低下させるため点火時期を遅角補
正するようにしているのであるが、それでもわずかなト
ルク段差が残ることがあり、これによって軽い運転ショ
ックが生ずるのである。
【0034】これに対処するため、コントロールユニッ
ト51ではカムの切換わるタイミングとギヤ位置の切換
わるタイミングとがほぼ一致するように、カム切換信号
とギヤ位置切換信号の2つの出力タイミングを調整して
いる。
【0035】カムやギヤ位置の切換は油圧を利用して行
うため、カムやギヤ位置が実際に切換わるまでには油圧
の上昇や下降に時間を要するなどの応答遅れがあり両者
の応答遅れ時間は一般的に一致しないので、たとえばカ
ム切換についての応答遅れ時間よりもギヤ位置切換につ
いての応答遅れ時間のほうが長いときは、先にギヤ位置
切換信号を出力し、その後にカム切換信号を出力しなけ
ればならないのである。
【0036】さらに、電磁弁45,46などの油圧制御
系の故障により、切換信号の要求通りにカムが切換えら
れていないのに、ギヤ位置だけが切換えられると、要求
通りに切換えられていないカムにより運転されるエンジ
ンの状態と切換後のギヤ位置とが適合しなくなるので、
これを防止するためコントロールユニット51ではカム
が実際に切換わったかどうかをみて切換わっていなけれ
ば、ギヤ位置の切換をキャンセルするようにしている。
【0037】このため、電磁弁45,46の下流の油圧
通路61,62にこれらのライン油圧を検出するセンサ
63,64が設けられ、コントロールユニット51で
は、これらセンサ63,64からの圧力信号にもとづい
てカムの切換わりを確認するのである。
【0038】上記のカムとギヤ位置の各切換制御と故障
対策とを図7でさらに説明すると、これは一定の周期
(たとえば4msecごと)で実行されるものである。
【0039】まず、スロットル開度TVOと回転数Ne
を読み込み、これらからカムの切換マップCPmapを参
照し、現在の運転条件に対して最適となるカム(目標カ
ム)CPOPを演算する(ステップ1〜3)。
【0040】この目標カムCPOPと実際に運転されてい
るカムCPnowを比較する(ステップ4)。CPOPやC
Pnowの値は、燃費カムであるとき“1”、低速型出力
カムであるとき“2”、高速型出力カムであるとき
“3”という簡単な数字に変換しておくことで、CPOP
とCPnowが同じであるかどうかが容易にわかるのであ
る。なお、実際のカムCPnowはカムポジションセンサ
により検出されている。
【0041】CPOPとCPnowが同じでないことよりカ
ム切換が必要と判断されたときは、すぐにカム切換信号
を出力するのではなく、さらに目標カムCPOPから変速
マップGRmapを参照して、目標カムCPOPで運転され
るとき最適となるギヤ位置(目標ギヤ位置)GROPを演
算し、これをギヤ位置の切換信号SGRに変換してシフト
バルブ65,66に出力する(ステップ5,6)。
【0042】ギヤ位置切換についての応答遅れ時間のほ
うがカム切換についての応答遅れ時間より長いときは、
先にカム切換信号を出力してしまうと、カムの切換わっ
た後にギヤ位置が切換わることになって両者が切換わる
タイミングを一致させることができなくなるので、カム
とギヤ位置をともに切換えるきは、先にギヤ位置切換信
号を出力するのである。
【0043】上記の目標ギヤ位置GROPは、たとえば燃
費カムの使用される部分負荷域で2速(あるいは1
速)、低速型出力カムの使用される低回転高負荷域で3
速、高速型出力カムの使用される高回転高負荷域で4速
とあらかじめ定めている。変速マップGRmapはカム切
換マップCPmapとともに、ROMにあらかじめ記憶さ
れている。
【0044】ギヤ位置切換信号SGRの出力タイミングと
同時にタイマを起動する。このタイマ値Tcは、遅れて
カム切換信号を出力するタイミングを知るために必要と
なるものである。タイマ値Tcがカム切換信号の出力タ
イミングを示す所定値Tcnと等しいかどうかをみて等し
くないときはタイマ値Tcをインクリメントし(ステッ
プ7,8)、等しくなったときカム切換信号SCPを出力
する(ステップ8,9)。なお、所定値Tcnは実際には
どのギヤ位置からどのギヤ位置に切換えるのかによっ
て、あるいはシフトアップやシフトダウンの違いによっ
ても変化することが考えられるので、所定値Tcnに影響
を与える条件に応じて設定することが望ましい。
【0045】このカム切換信号の出力によって、カムの
切換わるタイミングとギヤ位置の切換わるタイミングと
が一致するはずである。
【0046】しかしながら、油圧制御系の故障によりカ
ムが切換わらないこともあるので、ここではカムが実際
に切換わったかどうかを確かめるため、カム切換信号S
CPを出力したあとライン油圧PLOW、PHIGHを読み込
み、PLOW、PHIGHの動きからカムが切換わったかどう
かを判断する(ステップ10,11)。
【0047】ライン油圧PLOWは、電磁弁45のONに
より所定値まで上昇し、その後ピン32,34の移動に
より油圧が一時的に低下したあと所定値で安定するとい
う特性をもつ。そこで、ライン油圧PLOWが所定値まで
上昇し、実際に切換が行われることにより一時的に低下
した後に再度上昇したことをとらえてカムが実際に切換
えられたと判断するのである(特願平2−321679
号参照)。同様にして高速型出力カムに切換わったかど
うかは、ライン油圧PHIGHにもとづいて判断する。
【0048】そして、カムの切換信号SCPが出されたに
もかかわらずカムが切換わっていなければ、先に出した
ギヤ位置切換信号をキャンセルし、切換前のギヤ位置G
Rnowに戻す(ステップ11,12)。
【0049】ここで、この例の作用を説明する。
【0050】カムが燃費カムから低速型の出力カムに切
換えられると、同じアクセル開度でも、出力カムで運転
されているときのほうが一段と大きなトルクが得られる
ので、この切換先のカムで運転されたときのエンジント
ルク特性に適合するようにギヤ位置が2速から3速にシ
フトアップされる。
【0051】このとき、カムの切換わるタイミングとギ
ヤ位置の切換わるタイミングがずれているときは、その
各タイミングでトルク段差に伴う運転ショックが生じ
る。
【0052】これに対して、この例ではカムの切換に要
する応答遅れ時間に比べてギヤ位置の切換に要する応答
遅れ時間のほうが長いことから、図8で示したようにA
点で先にギヤ位置切換信号SGRがOFFにされ(実線で
示す)、一定時間Tcnだけ遅れてカム切換信号SCPがB
点でONにされると(実線で示す)、カムの切換わるタ
イミングとギヤ位置の切換わるタイミングがC点で一致
するので、運転ショックを生じる回数が半分になり、運
転フィーリングが向上する。
【0053】なお、図8でギヤ位置切換信号SGRは一方
のシフトバルブ66に対するもの、またカム切換信号S
CPも一方の電磁弁45に対するものであり、他方のシフ
トバルブ65と電磁弁46はともにOFFのままであ
る。
【0054】一方、故障によりライン油圧PLOW、P
HIGHがカム切換可能油圧まで上昇しなかったり、あるい
は低速型や高速型の出力カムから燃費カムに戻そうとし
てもこのライン油圧が下降しなくなったりして、カム切
換要求に反し実際にカムが切換えられないことがある。
こうして実際にはカムが切換えられていないのに、ギヤ
位置だけが勝手に切換えられると、切換えられていない
カムにより運転されるエンジンの状態と切換えたギヤ位
置とが適合しなくなって、運転性が悪くなる。
【0055】たとえば図8において低速型出力カムに切
換えたつもりが、一点鎖線で示したように燃費カムのま
まで運転され、この場合にギヤ位置だけが3速にシフト
アップされると、燃費カムではエンジン出力が不足する
ため、エンジンに対する負荷が過大となってガクガク振
動が生じたりするのである。
【0056】これに対して、この例ではカム切換用のラ
イン油圧PLOWからカムが実際に切換わったかどうかが
確かめられ、ライン油圧PLOWが上昇しておらずカムが
切換わっていないと判断されると、その時点Dでギヤ位
置切換信号SGRが切換前のON位置に戻され、これによ
ってギヤ位置は3速に切換えることなく2速のまま保持
される。つまり、故障によりカムが切換えられなくなっ
たとしても、実際に運転されているカムに適合するギヤ
位置に保持させることで、運転性が悪くならないように
するのである。
【0057】次に、図9は他の実施例である。
【0058】カム切換信号の出力からカムの切換わるタ
イミングまでの応答遅れ時間が経時変化によって長引い
たときは、カムの切換わるタイミングがギヤ位置の切換
わるタイミングよりも遅れることになり、ふたたび運転
ショックの回数が増える。
【0059】これに対処するため、この例では所定の時
間内にカムが切換わらなかったと判断されたとき、カム
切換タイミングを知るための所定値Tcnを一定値Tcni
ずつ小さくしていくことで(ステップ11,13)、カ
ムの切換わるタイミングを早めている。
【0060】これによって、電磁弁45,46などの経
時変化により応答遅れ時間が長引いたとしても、またカ
ム切換用のライン油圧が上下動することによってカムの
切換わるタイミングが遅れたとしても、カムの切換わり
とギヤ位置の切換わりの各タイミングを一致させること
ができるのである。
【0061】なお、この例においてカムが切換わらなか
ったと判断されるケースは、作動不良によってカムの切
換わりが遅れるケースのことであり、先の実施例でのよ
うに故障によってカムが切換えられないケースを扱って
はいない。
【0062】なお、Tcnに限界値を設けるため、Tcnが
カム切換限界タイミングを示す値TCLよりも短くなった
ときは、Tcnの値をTCLの値に置き換えて記憶させてい
る(ステップ14,15)。
【0063】実施例ではカム切換時にスロットル開度を
補正するようにしたものについて説明したが、スロット
ル開度を補正しないものについても同様に適用すること
ができる。
【0064】最後に、フローチャートと図1との対応を
示すと、ステップ3,4が選択、切換判定手段72、ス
テップ5が目標ギヤ位置演算手段76、ステップ6が切
換信号出力手段77、ステップ7,8が出力タイミング
調整手段79、ステップ9が切換信号出力手段73、ス
テップ10,11がカム切換わり判定手段80、ステッ
プ12がギヤ位置切換キャンセル手段81の各機能を果
たしている。
【0065】
【発明の効果】この発明は、カム作動態様切換に合わせ
て自動変速機のギヤ位置を切換えるに際して、カム作動
態様の切換わるタイミングとギヤ位置の切換わるタイミ
ングとが一致するように、カム作動態様切換信号とギヤ
位置切換信号の各出力タイミングを調整するとともに、
カム作動態様が実際に切換わったかどうかをみて切換わ
っていなければ、前記ギヤ位置の切換をキャンセルする
ため、運転ショックの回数を減らしつつ、故障により
ム作動態様が切換えられなくなったとしても、実際に運
転されているカム作動態様に適合するギヤ位置に保持さ
せることができ、運転性をよくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のクレーム対応図である。
【図2】この発明の実施例を示す平面図である。
【図3】図2のX−X線断面図である。
【図4】バルブリフトの特性図である。
【図5】各カムを用いたときの全開出力の特性図であ
る。
【図6】制御系統の構成図である。
【図7】コントロールユニットで実行される制御動作を
示すフローチャートである。
【図8】前記実施例の作用を説明するための波形図であ
る。
【図9】他の実施例のコントロールユニットで実行され
る制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
21 第1カム(燃費カム) 22 第2カム(低速型出力カム) 23 第3カム(高速型出力カム) 24 吸・排気弁 25 メインロッカーアーム 28,29 サブロッカーアーム 45,46 電磁弁 51 コントロールユニット 52 クランク角度センサ(エンジン回転数センサ) 53 スロットル開度センサ 54 アクセル開度センサ 55 車速センサ 61,62 油圧通路 63,64 圧力センサ 65,66 シフトバルブ 71 カム作動態様 72 選択・切換判定手段 73 切換信号出力手段 74 カム作動態様切換機構 76 目標ギヤ位置演算手段 77 切換信号出力手段 78 ギヤ位置切換機構 79 出力タイミング調整手段 80 カム作動態様切換わり判定手段 81 ギヤ位置切換キャンセル手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // F16H 59:74 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F02D 13/02 B60K 41/04 F01L 13/00 301 F02D 29/00 F16H 61/16 F16H 59:74

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 出力特性の異なる複数のカム作動態様
    と、運転条件に応じてカム作動態様の選択・切換を判定
    する手段と、カム作動態様の切換が判定されたときカム
    作動態様切換信号を出力する手段と、このカム作動態様
    切換信号を受けてカム作動態様を切換える機構と、前記
    カム作動態様の切換が判定されたとき切換先のカム作動
    態様に適合する目標ギヤ位置を演算する手段と、この目
    標ギヤ位置となるようにギヤ位置の切換信号を出力する
    手段と、このギヤ位置切換信号を受けて自動変速機のギ
    ヤ位置を切換える機構と、カム作動態様の切換わるタイ
    ミングとギヤ位置の切換わるタイミングが一致するよう
    に前記2つの切換信号の出力タイミングを調整する手段
    と、実際にカム作動態様が切換わったかどうかを判定す
    る手段と、実際にカム作動態様が切換わっていないとき
    は前記ギヤ位置の切換をキャンセルする手段とを備えた
    ことを特徴とするエンジンの出力制御装置。
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