JP2841968B2 - エンジンの出力制御装置 - Google Patents

エンジンの出力制御装置

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JP2841968B2
JP2841968B2 JP3263909A JP26390991A JP2841968B2 JP 2841968 B2 JP2841968 B2 JP 2841968B2 JP 3263909 A JP3263909 A JP 3263909A JP 26390991 A JP26390991 A JP 26390991A JP 2841968 B2 JP2841968 B2 JP 2841968B2
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  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)
  • Control Of Vehicle Engines Or Engines For Specific Uses (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は自動変速機を備える一
方で、運転条件によってカムを切換える可変動弁機構を
備えるエンジンの出力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】エンジンの吸排気弁を駆動する動弁装置
は、エンジンの要求する出力特性に合わせて、最適なバ
ルブタイミングが得られるように設定されている。
【0003】ところが、この要求バルブタイミングはエ
ンジンの運転条件によってそれぞれ異なり、たとえば低
負荷域ではバルブリフト、開弁期間はともに小さく、こ
れに対して高負荷域では大きなバルブリフトと開弁期間
が要求される。自動車用エンジンのように運転条件が広
範囲にわたるものは、バルブタイミングをどの運転領域
を対象とするかがなかなか難しく、いずれにしても、す
べての運転条件で最適なマッチングとすることはできな
い。
【0004】そこで、特開昭63−167016号公報
にあるように、カム特性(カムプロフィル)の異なる複
数のカムを備えておき、運転条件によってカムの切換を
行うことにより、それぞれにおいて最適なバルブタイミ
ングで運転することを可能とした、可変動弁装置が提案
されている。
【0005】これは低回転域で高いトルクをもつ低速型
のカムと、高回転域で高いトルク特性の高速型カムと
を、運転条件により切換えるもので、低速域から高速域
まで高出力を発揮させようとするものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、出力特性の
異なるカムが切換えられると、バルブタイミングとリフ
ト量が変化して出力トルクが大きく変わるので、カムの
切換によってトルク段差が生じ、また自動変速機を備え
る車両では変速によっても駆動軸に伝達される出力トル
クが変化してトルク段差が生じる。つまり、上記の可変
動弁装置と自動変速機をともに備える車両では、カムが
切換わるタイミングと変速のタイミングでそれぞれトル
ク段差に伴う運転ショックが生じるのである。
【0007】これに対処するため、カム切換と変速を同
期させることが考えられる。
【0008】しかしながら、ニュートラル期間のない変
速時にもカム切換を同期させると、駆動軸トルクの変動
を抑制することが困難になる。変速時に駆動軸トルクの
変動を防止するには、自動変速機側で各クラッチの伝達
トルクおよびエンジントルクを制御しなければならない
が、カム切換を同期させると、このカム切換によるエン
ジントルクの変化が自動変速機側の変速制御に干渉し、
それだけ制御パラメータが増えてしまうのである。
【0009】そこでこの発明は、変速途中にニュートラ
ル期間があるときだけ変速とカム切換とを同期させ、ニ
ュートラル期間のないときは変速とカム切換を同期させ
ないことにより、自動変速機側の変速制御を困難にしな
い範囲にかぎって、トルクショックを抑制することを目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明は図1に示す
ように、自動変速機70を備える一方、出力特性の異な
複数のカム作動態様71と、運転条件に応じてカム作
動態様の選択・切換を判定する手段72と、カム作動態
の切換が判定されたときカム作動態様切換要求を出す
手段73と、このカム作動態様切換要求を受けて前記選
択されたカム作動態様により吸排気弁の少なくとも一方
を駆動するようにカム作動態様を切換える機構74と、
運転条件に応じてギア位置の選択・切換を判定する手段
75と、ギア位置の切換が判定されたとき選択されたギ
ア位置となるように変速制御量を用いて変速制御を行う
手段76とを備えるエンジンにおいて、前記変速制御途
中にニュートラル期間があるかどうかを運転条件から判
定する手段77と、この判定結果よりニュートラル期間
があるときニュートラル期間内にカム作動態様切換が終
了するように変速制御と前記運転条件にもとづく通常時
カム作動態様切換を同期させ、またニュートラル期間
がないとき変速制御と前記運転条件にもとづく通常時の
カム作動態様切換を同期させない手段78とを設けたこ
とを特徴とする。
【0011】第2の発明は図2に示すように、自動変速
機70を備える一方、出力特性の異なる複数のカム作動
態様71と、運転条件に応じてカム作動態様の選択・切
換を判定する手段72と、カム作動態様の切換が判定さ
れたときカム作動態様切換要求を出す手段73と、この
カム作動態様切換要求を受けて前記選択されたカム作動
態様により吸排気弁の少なくとも一方を駆動するように
カム作動態様を切換える機構74と、運転条件に応じて
ギア位置の選択・切換を判定する手段75と、ギア位置
の切換が判定されたとき選択されたギア位置となるよう
に変速制御量を用いて変速制御を行う手段76とを備え
るエンジンにおいて、前記変速制御途中にニュートラル
期間があるかどうかを運転条件から判定する手段77
と、ニュートラル期間があるときでも踏み込みシフトダ
ウンか足離しシフトアップかを判定する手段81と、こ
の判定結果より踏み込みシフトダウンのときは高出力側
カム作動態様を、足離しシフトアップのときは低出力
側のカム作動態様を同期制御用のカム作動態様としてそ
れぞれ選択する手段82と、この選択結果と前記ニュー
トラル期間の判定結果よりニュートラル期間があるとき
ニュートラル期間内に同期制御用カム作動態様への切換
が終了するように変速制御とカム作動態様切換を同期さ
せ、またニュートラル期間がないとき変速制御と前記運
転条件にもとづく通常時のカム作動態様切換を同期させ
ない手段83と、この変速制御と同期制御用カム作動態
への切換との同期制御が終了するまで前記運転条件に
もとづく通常時のカム作動態様切換を禁止する手段84
とを設けたことを特徴とする。
【0012】
【作用】第1の発明で、変速とカム作動態様切換の同期
制御により、ニュートラル期間内にカム作動態様が切換
えられると、トルク変動が駆動軸に伝達されることがな
いので、カム作動態様切換に伴うトルクショックがなく
なり、トルクショックの回数も減る。
【0013】一方、ニュートラル期間のないときは、変
速途中にカム作動態様切換が行われることがない。ニュ
ートラル期間がないときもカム作動態様切換を同期させ
ると、カム作動態様切換によるエンジントルクの変化
が、自動変速機側の制御パラメータでもあるエンジント
ルタに干渉するため、自動変速機側の変速制御が困難と
なるのであるが、ニュートラル期間のないときは変速制
御とカム作動態様切換とを非同期制御することによっ
て、こうした制御の困難さが避けられている。
【0014】さらに第2の発明で、変速に同期させて切
換えるカム作動態様(つまり同期制御用カム作動態様
を加速や減速の違いにより変えることによって、ドライ
バーの意志に応じた運転特性が得られる。踏み込みシフ
トダウンのときに高出力側のカム作動態様が選択される
と、大きなトルクにより応答よく加速が行われ、また足
離しシフトアップのときには低出力側のカム作動態様
より減速時にエンジンブレーキがよく効き、燃費もよく
なる。
【0015】
【実施例】まず、図3,図4に実施例の可変動弁装置の
具体的な構成を示すが、これ自体は本出願人により、特
願平2−117261号として、既に提案されている。
【0016】本発明の可変動弁装置は、複数の特性の異
なるカム作動態様を備え、すなわち、図中21は燃費重
視型のカムプロフィルに設定され、カムリフトおよびリ
フト区間のともに小さい第1カム(燃費カム)、22は
低回転域で高トルクを発生するカムプロフィルに設定さ
れ、前記第1カム21よりもカムリフトが相対的に大き
い第2カム(低速型出力カム)、23は高回転域で高ト
ルクを発生するカムプロフィルに設定され、第2カム2
2よりもカムリフト、リフト区間の大きい第3カム(高
速型出力カム)で、これらは同一のカムシャフトに並列
的に設けられる。
【0017】24は吸・排気弁(吸気弁または排気
弁)、25はローラ26を介して前記第1カム21と常
時接触するメインロッカーアームで、ロッカーシャフト
27を支点に揺動して、吸・排気弁24を開閉する。
【0018】メインロッカーアーム25にはシャフト3
0を支点にして揺動する2つのサブロッカーアーム2
8,29が前記ローラ26と並列的に支持され、一方の
サブロッカーアーム28は前記第2カム22と、他方の
サブロッカーアーム29は前記第3カム23と接触す
る。
【0019】これらサブロッカーアーム28,29はメ
インロッカーアーム25と係合していないときは、ロス
トモーションスプリング31により常時第2,第3カム
22,23に接触するように付勢され、メインロッカー
アーム25からは独立して運動(揺動)する。
【0020】これらサブロッカーアーム28,29をメ
インロッカーアーム25に対して選択的に係合するた
め、まず一方のサブロッカーアーム28の揺動部位には
円柱形のピン32が、またメインロッカーアーム25に
もこのピン32と同軸上にピン34が、それぞれカムシ
ャフト方向に摺動自在に配設され、かつこれらピン3
2,34は常時はリターンスプリング36に付勢されて
図3の状態に保持され、メインロッカーアーム25との
係合を解かれているが、ピン34の収装された油圧室3
8に通路40を介して圧油が導かれると、ピン32と3
4が所定量だけ押し出されて、サブロッカーアーム28
がメインロッカーアーム25と係合するようになってい
る。
【0021】サブロッカーアーム28がメインロッカー
アーム25と一体になるのは、第1カム21および第2
カム22がベースサークルにあるときで、一体後は第1
カム21よりもリフトの大きい第2カム22にしたがっ
たバルブタイミングに切換わる。
【0022】つまり、第1カム21による燃費重視の特
性から、第2カム22による低回転域での出力重視特性
に切換えられるのである。
【0023】他方のサブロッカーアーム29について
も、これと同様に構成され、油圧室39に通路41を介
して圧油が導かれると、ピン35と33がリターンスプ
リング37に抗して押し出され、サブロッカーアーム2
9がメインロッカーアーム25に係合することにより、
バルブタイミングは前記と同じく第1カム21よりもリ
フト、リフト区間のともに大きい第3カム23に依存す
るように切換えられ、高回転域での出力重視の特性が得
られるのである。
【0024】なお、図5に第1カム21から第3カム2
3までのバルブリフト特性を示す。そして、各カムを用
いたときの全開出力特性は、図6のようになり、第1カ
ムによれば、発生トルクは低いものの燃費がよく、第2
カムでは低回転域での最大トルクが最も高く、第3カム
23は低回転域での発生トルクは第2カム22よりも小
さいものの、高回転域での最大トルクは最も大きくな
る。
【0025】ところで、第1カム21から第2、第3カ
ム22,23への切換や、その反対に第2、第3カム2
2,23から第1カム21への切換を制御するために図
7に示すようなコントロールユニット51が備えられ、
運転状態によって最適なカムが選択されるのである。
【0026】コントロールユニット51におけるこのカ
ムの選択は図6の特性に基づいて、要求するトルクと回
転数がたとえば燃費カムである第1カム21の領域にあ
るときはこの燃費カムを使い、この状態からアクセル開
度が増加して要求トルクが燃費カムの領域を外れてたと
えば低速型出力カムである第2カム22の領域に移行す
ると、燃費カムから低速型出力カムに切換えられ、ま
た、回転数が低回転域から高回転域に上昇してくると、
高速型出力カムである第3カム23に切換えられるので
ある。
【0027】このため、コントロールユニット51には
エンジン回転数、クランク角度位置を検出するクランク
角度センサ52、スロットルバルブの開度を検出するス
ロットル開度センサ53からの信号が入力し、これらに
基づいて上記のようにカムの切換が判定されたら、前記
2つの油圧室38,39への油圧の切換を行う電磁弁4
5と46の作動を制御するのである。
【0028】つまり、切換信号の出力により一方の電磁
弁45が開かれると第2カム22を働かせるために油圧
室38にオイルポンプからの圧油が導かれ、他方の電磁
弁46を開くことにより今度は第3カム23を働かせる
ため油圧室39に圧油が導かれるのである。
【0029】さて、コンロールユニット51では最適な
ギア位置で車両が運転されるように、変速制御手段62
に指示しており、変速制御手段62では運転条件に応じ
てシフトアップやシフトダウンなどの変速制御を行って
いる。
【0030】ところで、カムが切換えられると、エンジ
ンから出力されるトルクが大きく変わるので、カムの切
換時にトルク段差が生じ、さらに変速時にもトルク段差
が生じる。
【0031】これに対処するため、コントロールユニッ
ト51では変速制御途中にニュートラル期間があるとき
は変速制御とカム切換を同期させ、ニュートラル期間が
ないときは変速制御とカム切換を同期させないようにし
ている。
【0032】変速制御とカム切換の同期制御によって、
変速制御途中のニュートラル期間にカムが切換われば、
カム切換に伴うトルクショックが駆動軸に伝えられるこ
とがなく、しかもトルクショックの生じる回数も減らす
ことができるのである。
【0033】また、変速時に駆動軸トルクの変動を防止
するには、各クラッチの伝達トルクおよびエンジントル
クを制御しなければならないが、ニュートラル期間がな
いときもカム切換を同期させると、このカム切換による
エンジントルクの変化が自動変速機側の変速制御に干渉
し、それだけ制御パラメータが増えてしまうので、ニュ
ートラル期間がないときは変速制御とカム切換を同期さ
せないのである。
【0034】このカム切換との同期、非同期の制御を図
8、図9でさらに説明すると、これらは一定の周期(た
とえば4msecごと)で実行されるものである。
【0035】まず、スロットル開度TVOと回転数NE
を読み込み、これらからカム切換マップCPMAP1を参照
し、現在の運転条件に対して最適となるカム(目標カ
ム)CPOPを求める(ステップ1,2,4)。
【0036】このカム切換マップCPMAP1では図10の
ように、低負荷低回転域で燃費カムCPFが、高負荷低
回転域で低速型出力カムCPLが、高負荷高回転域で高
速型出力カムCPHが選択される。
【0037】また、スロットル開度TVOと車速VSP
からは変速マップGRMAPを参照し、現在の運転条件に
対して最適となるギア位置(目標ギア位置)GROPを求
める(ステップ1,3,5)。
【0038】この目標ギア位置GROPと実際のギア位置
GRNOWとの比較により変速が必要であるかどうかを判
断する(ステップ8)。
【0039】GROPとGRNOWとが同じであれば変速は
必要でない。このときはさらに目標カムCPOPと実際の
カムCPNOWとの比較によりカム切換が必要であるかど
うかをみて、カム切換が必要であれば、カムが目標カム
CPOPに切換わるように従来と同様にカム切換制御を行
う(ステップ8〜10)。
【0040】なお、ステップ6,7は後述する。
【0041】一方、目標ギア位置GROPと実際のギア位
置GRNOWとが同じでなければ、変速しなければならな
いので、変速に必要な諸制御量(変速制御量)を従来と
同様に演算する(ステップ11)。たとえば、車速VS
Pやスロットル開度TVOをパラメータとしたテーブル
から、シフトソレノイドのON−OFF制御タイミング
データ、再変速を禁止する期間データ、変速中のライン
圧制御データなどを読み出し、また車速VSPと変速終
了後のギヤ位置等から変速終了判断用のエンジン回転数
などを算出する。
【0042】さらに、この変速制御量から変速途中にニ
ュートラル期間があるかどうかをみて、(1)ニュート
ラル期間があれば変速に同期させてカムの切換を行い
(ステップ12〜20)、(2)ニュートラル期間がな
ければ変速とカム切換とを同期させない(ステップ1
2,21〜23)。
【0043】変速は、図11に矢印で示したように、
アクセルペダルを踏み込んでのシフトアップ、アクセ
ルペダルを踏み込んでのシフトダウン、アクセルペダ
ルを離してのシフトアップ、アクセルペダルを離して
のシフトダウンの4つで代表され、これらのうち、図1
3で示したようにエンジン出力による回転変化(ニュー
トラル時の回転変化)Aと、変速のため必要となるエン
ジン回転変化Bとが一致するときだけニュートラル期間
が設けられる。
【0044】これは、の踏み込みシフトダウンとの
足離しシフトアップのときは、ニュートラル期間を作る
と、クラッチ制御またはワンウェイクラッチの作用によ
り変速のために必要な回転変化をエンジン出力により行
わせることができるからである。これに対して、と
のようにAとBが一致しないときにもニートラル期間を
設けると、エンジン出力により変速に必要な回転変化と
逆の回転変化が生じてしまうため、半クラッチ状態でエ
ンジン出力と自動変速機側の慣性力とを吸収することな
どが必要となるので、このときはニュートラル期間を設
けないことで自動変速機側の変速制御が複雑とならない
ようにしているのである。
【0045】なお、図13で上向き矢印はエンジンの回
転上昇を、下向き矢印は回転下降を、また図12に3速
と4速の間でのシフトアップ、シフトダウンの例を示
す。
【0046】このようにしてニュートラル期間があるか
どうかを判断することができる。
【0047】(1)変速とカム切換の同期制御 さらに、の踏み込みシフトダウンであるかの足離し
シフトアップであるかをみて、踏み込みシフトダウンの
ときは、高出力側のカムを同期制御用カムCPSYとして
選択し、この逆に足離しシフトアップのときは低出力側
のカムを同期制御用カムCPSYとして選択する(ステッ
プ13〜17)。
【0048】踏み込みシフトダウンのときはドライバー
が加速を要求しているので、高い出力が出るようにする
ため、また足離しシフトアップのときは減速要求である
ため、高いエンジン出力は必要とされないためである。
【0049】たとえば、踏み込みシフトダウンのときは
そのときの車速VSPと目標ギア位置GROPから変速後
のエンジン回転数NE′を演算し、このNE′とTVO
から図14の同期制御用のカム切換マップCPMAP2を参
照して、同期制御用カムCPSYを求める(ステップ13
〜15)。足離しシフトアップのときも同様にして、図
15の同期制御用のカム切換マップCPMAP3を参照し
て、同期制御用カムCPSY求める(ステップ13,1
6,17)。
【0050】踏み込みシフトダウンのときは、図14の
ように高速型出力カムCPHまたは低速型出力カムCPL
を選択し、足離しシフトダウンのときは、図15のよう
に低速型出力カムCPLまたは燃費カムCPFを選択する
のである。
【0051】なお、図14、図15に示したこれらのカ
ム切換マップCPMAP2、CPMAP3は、通常時のカム切換
マップCPMAP1や変速マップGRMAPとともにあらかじ
め記憶される。
【0052】また、同期制御用カムCPSYへの切換をニ
ュートラル期間中に終了させるための同期制御量を演算
する(ステップ18)。たとえばカム切換信号を出力し
てから実際にカムが切換わるまでには応答遅れがあるの
で、カムの切換わるタイミングがニュートラル期間にく
るようにカム切換信号の出力タイミングを定めてやる必
要があるのである。
【0053】この同期制御量と同期制御用カムCPSY
用いてカム切換制御を、また変速制御量と目標ギア位置
GROPを用いて変速制御を行う(ステップ19)。これ
によって変速とカム切換が同期して行われる。
【0054】また、この変速とカム切換の同期制御が終
了するまでは、図10にもとづく通常時のカム切換(以
下単に通常時のカム切換という)が行われることのない
ようにこれを禁止する(ステップ20)。なお、図9
(図8も)では通常時のカム切換を「基本カム切換」で
示している。これによって、変速が必要であるかどうか
を判断する前に、通常時のカム切換の禁止が解除された
かどうかが、ステップ19での同期制御後の経過時間や
運転状態から判断され、解除されていないときはCPOP
=CPNOWとされカム切換が禁止される(ステップ6,
7)。
【0055】(2)変速とカム切換の非同期制御 このときは通常時のカム切換要求を禁止した状態で、変
速制御量と目標ギア位置GROPを用いて変速制御だけを
行う(ステップ21,22)。
【0056】変速終了後は通常時のカム切換の禁止を解
除する(ステップ23)。これによって、CPOPとCP
NOWが異なるときは、通常時のカム切換が行われる(ス
テップ6,8〜10)。つまり、ニュートラル期間がな
いときはまず変速を行い、変速の終了後にカム切換を行
わせるのである。
【0057】ここで、この例の作用を説明する。
【0058】変速とカム切換の同期制御により、ニュー
トラル期間中にカムが切換えられると、トルク変動が駆
動軸に伝達されることがないので、カム切換に伴うトル
クショックをなくすことができ、かつトルクショックの
回数も減らすことができる。
【0059】また、変速とカム切換の同期制御が行われ
るのは、ニュートラル期間があるときに限られ、ニュー
トラル期間のないときは、変速途中にカム切換が行われ
ることがない。ニュートラル期間がないときは、カム切
換によるエンジントルクの変化が、自動変速機側の制御
パラメータでもあるエンジントルクに干渉するため、自
動変速機側の変速制御が困難となるので、制御を複雑に
しない範囲にかぎって、運転ショックを減らすようにし
ているのである。なお、ニュートラル期間のあるとき
は、自動変速機側の制御パラメータとエンジン側の制御
パラメータとが互いに干渉しないため、両者を独立して
制御することは容易である。
【0060】さらに、変速に同期させて切換えるカムC
SYを加速や減速の違いにより変えているので、ドライ
バーの意志に応じた運転特性が得られる。踏み込みシフ
トダウンのときに高出力側のカムが選択されると、大き
なトルクにより応答よく加速を行うことができ、また足
離しシフトアップのときには低出力側のカムにより減速
時にエンジンブレーキがよく効くし、燃費もよくなるの
である。
【0061】実施例では、変速とカム切換を同期制御す
るときに限って、同期制御用のカムを選択させている
が、ニュートラル期間内に通常時のカム切換が終了する
ように、変速と通常時のカム切換とを同期させるように
することもできる。このときでも、カム切換に伴うトル
クショックをなくすことができ、かつトルクショックの
回数も減らすことができることはいうまでもない。
【0062】最後に、フローチャートと図2との対応を
示すと、ステップ4,9がカム選択・切換判定手段7
2、ステップ5,8がギヤ位置選択・切換判定手段7
5、ステップ10がカム切換要求出力手段73、ステッ
プ12がニュートラル期間判定手段77、ステップ13
が踏み込みシフトダウン判定手段81、ステップ14〜
ステップ17が同期制御用カム選択手段82、ステップ
19、21,22が変速制御手段76と同期・非同期制
御手段83、ステップ20がカム切換禁止手段84の各
機能を果たしている。
【0063】
【発明の効果】第1の発明は、変速制御途中にニュート
ラル期間があるかどうかを運転条件から判定し、この判
定結果よりニュートラル期間があるときニュートラル期
間内にカム作動態様切換が終了するように変速制御と運
転条件にもとづく通常時のカム作動態様切換を同期さ
せ、またニュートラル期間がないとき変速制御と運転条
件にもとづく通常時のカム作動態様切換を同期させない
ため、カム作動態様切換に伴うトルクショックをなくす
ことができ、かつトルクショックの回数も減らすことが
できるとともに、自動変速機側の変速制御を複雑にする
こともない。
【0064】第2の発明は、変速制御途中にニュートラ
ル期間があるかどうかを判定し、ニュートラル期間がな
いときは第1の発明と同じに変速制御と運転条件にもと
づく通常時のカム作動態様切換を同期させないほか、第
1の発明と相違して、ニュートラル期間があるときでも
踏み込みシフトダウンか足離しシフトアップかの判定結
果より、踏み込みシフトダウンのときは高出力側のカム
作動態様を、足離しシフトアップのときは低出力側の
ム作動態様を同期制御用のカム作動態様としてそれぞれ
選択し、この選択された同期制御用カム作動態様への切
換がニュートラル期間内に終了するように変速制御と
ム作動態様切換を同期させるとともに、この変速制御と
カム作動態様切換の同期制御が終了するまで運転条件に
もとづく通常時のカム作動態様切換を禁止するため、第
1の発明の効果に加えて、ドライバーの意志に応じ、加
速時は大きなトルクにより応答よく加速を行うことがで
き、減速時はエンジンブレーキがよく効き燃費もよくな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の発明のクレーム対応図である。
【図2】第2の発明のクレーム対応図である。
【図3】この発明の実施例を示す平面図である。
【図4】図3のX−X線断面図である。
【図5】バルブリフトの特性図である。
【図6】各カムを用いたときの全開出力の特性図であ
る。
【図7】制御系統の構成図である。
【図8】コントロールユニットで実行される制御動作を
示すフローチャートである。
【図9】コントロールユニットで実行される制御動作を
示すフローチャートである。
【図10】通常時のカム切換マップの内容を示す特性図
である。
【図11】変速マップの内容を示す特性図である。
【図12】シフトダウン、シフトアップの一例を示すエ
ンジン回転数と車速の特性図である。
【図13】ニュートラル期間のある、なしを説明するた
めの表図である。
【図14】踏み込みシフトダウン時の同期制御用のカム
切換マップCPMAP2の内容を示す特性図である。
【図15】足離しシフトアップ時の同期制御用のカム切
換マップCPMAP3の内容を示す特性図である。
【符号の説明】
21 第1カム(燃費カム) 22 第2カム(低速型出力カム) 23 第3カム(高速型出力カム) 24 吸・排気弁 25 メインロッカーアーム 28,29 サブロッカーアーム 45,46 電磁弁 51 コントロールユニット 52 クランク角度センサ(エンジン回転数センサ) 53 スロットル開度センサ 54 アクセル開度センサ 60 車速センサ 61 自動変速機 62 変速制御手段 70 自動変速機 71 カム 72 カム選択・切換判定手段 73 カム切換要求出力手段 74 カム切換機構 75 ギア位置選択・切換判定手段 76 変速制御手段 77 ニュートラル期間判定手段 78 同期・非同期制御手段 81 踏み込みシフトダウン判定手段 82 同期制御用カム選択手段 83 同期・非同期制御手段 84 カム切換禁止手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 41/06 F01L 13/00 301 F02D 13/02 F02D 29/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動変速機を備える一方、出力特性の異
    なる複数のカム作動態様と、運転条件に応じてカム作動
    態様の選択・切換を判定する手段と、カム作動態様の切
    換が判定されたときカム作動態様切換要求を出す手段
    と、このカム作動態様切換要求を受けて前記選択された
    カム作動態様により吸排気弁の少なくとも一方を駆動す
    るようにカム作動態様を切換える機構と、運転条件に応
    じてギア位置の選択・切換を判定する手段と、ギア位置
    の切換が判定されたとき選択されたギア位置となるよう
    に変速制御量を用いて変速制御を行う手段とを備えるエ
    ンジンにおいて、前記変速制御途中にニュートラル期間
    があるかどうかを運転条件から判定する手段と、この判
    定結果よりニュートラル期間があるときニュートラル期
    間内にカム作動態様切換が終了するように変速制御と前
    記運転条件にもとづく通常時のカム作動態様切換を同期
    させ、またニュートラル期間がないとき変速制御と前記
    運転条件にもとづく通常時のカム作動態様切換を同期さ
    せない手段とを設けたことを特徴とするエンジンの出力
    制御装置。
  2. 【請求項2】 自動変速機を備える一方、出力特性の異
    なる複数のカム作動態様と、運転条件に応じてカム作動
    態様の選択・切換を判定する手段と、カム作動態様の切
    換が判定されたときカム作動態様切換要求を出す手段
    と、このカム作動態様切換要求を受けて前記選択された
    カム作動態様により吸排気弁の少なくとも一方を駆動す
    るようにカム作動態様を切換える機構と、運転条件に応
    じてギア位置の選択・切換を判定する手段と、ギア位置
    の切換が判定されたとき選択されたギア位置となるよう
    に変速制御量を用いて変速制御を行う手段とを備えるエ
    ンジンにおいて、前記変速制御途中にニュートラル期間
    があるかどうかを運転条件から判定する手段と、ニュー
    トラル期間があるときでも踏み込みシフトダウンか足離
    しシフトアップかを判定する手段と、この判定結果より
    踏み込みシフトダウンのときは高出力側のカム作動態様
    を、足離しシフトアップのときは低出力側のカム作動態
    を同期制御用のカム作動態様としてそれぞれ選択する
    手段と、この選択結果と前記ニュートラル期間の判定結
    果よりニュートラル期間があるときニュートラル期間内
    に同期制御用カム作動態様への切換が終了するように変
    速制御とカム作動態様切換を同期させ、またニュートラ
    ル期間がないとき変速制御と前記運転条件にもとづく通
    常時のカム作動態様切換を同期させない手段と、この変
    速制御と同期制御用カム作動態様への切換との同期制御
    が終了するまで前記運転条件にもとづく通常時のカム作
    動態様切換を禁止する手段とを設けたことを特徴とする
    エンジンの出力制御装置。
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