JPH11166193A - 高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法および高嵩密度粒状洗剤組成物 - Google Patents

高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法および高嵩密度粒状洗剤組成物

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JPH11166193A
JPH11166193A JP33070897A JP33070897A JPH11166193A JP H11166193 A JPH11166193 A JP H11166193A JP 33070897 A JP33070897 A JP 33070897A JP 33070897 A JP33070897 A JP 33070897A JP H11166193 A JPH11166193 A JP H11166193A
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wax
high bulk
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surfactant
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JP33070897A
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Satoyuki Ishikawa
聡之 石川
Akitomo Morita
章友 森田
Shinichi Fukutome
信一 福留
Seiji Abe
誠治 阿部
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 消泡剤を配合した高嵩密度粒状洗剤組成物で
あって、消泡剤の配合にばらつきが生じない高嵩密度粒
状洗剤組成物を提供する。 【解決手段】 界面活性剤を含む洗剤成分を、ワックス
類消泡剤存在下で混練して混練物を調製する混練工程
と、前記混練物を造粒する造粒工程を経て高嵩密度粒状
洗剤組成物を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は消泡剤を配合した高
嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法と高嵩密度粒状洗剤組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、日本では衣料用洗剤は洗濯時に適
度に泡立つことが要求されてきた。これは適度に泡立つ
方が洗剤の洗浄力があるとの洗濯習慣上の認識があった
ためである。しかし、近年全自動洗濯機の普及に伴い、
洗剤と衣料を洗濯機に投入した後は洗濯完了時まで何も
操作を要求されない。このことが洗濯上の意識を変化さ
せ、むしろプログラム時間内で確実にすすぎが完了する
ような低泡性でかつすすぎ性の良い洗剤が望まれるよう
になった。
【0003】また、消費者の生活の高級化、多様化など
から洗濯から乾燥まで自動化された全自動洗濯乾燥機も
徐々に普及しつつある。このタイプにはドラム型洗濯機
があり、現在ヨーロッパ各国では主に用いられているも
のである。ドラム型洗濯機は従来のパルセーター型洗濯
機と異なり、叩き洗いによって洗浄を行うため、洗浄時
に泡立つと洗浄効率が落ち、洗浄性能が低下してしま
う。さらに泡立ちがひどくなると洗濯機から泡があふれ
出てくるといった問題もあった。また、ドラム型洗濯機
はパルセーター型洗濯機と比べてすすぎ時の泡切れが非
常に悪いことから、泡を抑制した洗剤が要望されてい
る。そこで、消泡剤を配合した洗剤が提案されている。
【0004】洗剤に配合される消泡剤としてはワックス
類消泡剤、シリコーン消泡剤などが知られている。これ
らは通常、適当な担体物質や有機物バインダーとともに
成形された粒状消泡剤組成物として、粉末状や粒状の洗
剤に配合される。最近では高嵩密度のコンパクト洗剤が
主流となっているが、従来の界面活性剤を含む高嵩密度
粒状洗剤組成物中に、単に上述の粒状消泡剤組成物を配
合すると、これらの粒子径や粒度分布が異なるため、保
存時間にしたがって粒子間で分級が生じる。このような
分級が生じると、場所によって粒状消泡剤組成物の配合
量が異なり、安定した洗浄効果と消泡効果が得られない
という問題がある。従来の高嵩密度粒状洗剤組成物と粒
状消泡剤組成物において、これらの粒径や粒度分布を揃
えることは困難である。したがって、安定した配合が得
られないだけではなく、これらの混合粒子全体の粒度分
布の調整が困難である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】よって本発明は、消泡
剤を配合した高嵩密度粒状洗剤組成物であって、消泡剤
の配合にばらつきが生じない高嵩密度粒状洗剤組成物を
提供することを目的とする。さらには、適度な粒子径お
よび粒度分布に調整された、消泡剤が配合された高嵩密
度粒状洗剤組成物を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記課題は、界面活性剤
を含む洗剤成分を、ワックス類消泡剤存在下で混練して
混練物を調製する混練工程と、前記混練物を造粒する造
粒工程を経て高嵩密度粒状洗剤組成物を製造することに
よって解決することができる。この製造方法によって、
本発明においては界面活性剤とワックス類消泡剤が、粒
子中に均一に配合されている高嵩密度粒状洗剤組成物を
得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の高嵩密度粒状洗剤
組成物の製造方法の一例について具体的に説明する。本
発明の高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法は、界面活性
剤とワックス類消泡剤を必須材料とし、以下の工程を必
須とするものである。 A工程:必須材料の界面活性剤と、ワックス類消泡剤
を、前記ワックス類消泡剤の融点以上の温度で混練(圧
密捏和)して混練物を調製する混練工程。
【0008】さらに前記A工程で得られた混練物を、以
下のB、C工程のどちらか一方、あるいは両工程からな
る造粒工程を経て、高嵩密度粒状洗剤組成物を得る。 B工程:前記混練物をダイスからヌードル状に押出成形
し、切断してペレット状粒子を製造する押出工程。 C工程:前記混練物または前記ペレット状粒子を破砕し
て、所定の粒径に調整する破砕工程。
【0009】粒状物とする際の操作性を考慮すると、B
工程を経ることが好ましい。また適度な粒度に調整する
には、C工程を経て破砕すると容易であり、好ましい。
このため、最も好ましいのは前記B、Cの両工程を造粒
工程とすることであり、本発明の目的である適度な粒径
および粒度分布を得るためには、C工程を経ることが好
ましい。
【0010】界面活性剤としては陰イオン界面活性剤、
陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、両性イオン
界面活性剤、あるいはこれらの混合物を用いることがで
きる。陰イオン界面活性剤としてはアルキル硫酸塩、ポ
リオキシエチレンアルキル硫酸塩、アルキルアリールス
ルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ
脂肪酸エステル塩などがあげられる。両性界面活性剤と
しては、アルキルベタインなどが例示される。非イオン
界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルな
どを例示することができる。これらの中でも、比較的低
温条件下においても洗浄力を発揮するが、高起泡性のた
めにドラム式洗濯機用の洗剤としては使用しにくかった
陰イオン界面活性剤に対してワックス類消泡剤による消
泡作用が効果的に発揮されるので、陰イオン界面活性剤
を用いることが好ましい。界面活性剤の配合量は、高嵩
密度粒状洗剤組成物中5〜40重量%、好ましくは10
〜30重量%とされる。
【0011】界面活性剤は、例えば界面活性剤を含む粒
状物(以下粒状とは粉末状のものも含むものとする)と
した後に前記A工程に供給される。この界面活性剤を含
む粒状物としては、他の洗剤成分とともに噴霧乾燥粒子
としたものなどを例示できる。界面活性剤を含む噴霧乾
燥粒子は、例えば例示した界面活性剤のうち、耐熱性を
有するものと、他の洗剤成分とを水性スラリーとし、こ
れを常法によって噴霧乾燥塔などから噴霧して得られる
嵩比重が0.2〜0.5g/ml程度の粒子である。
【0012】他の洗剤成分としては、ビルダー(有機ビ
ルダー、無機ビルダー);主な界面活性剤の他に添加す
る非イオン界面活性剤;担体物質;色素;酵素;柔軟
剤;漂白剤;漂白活性化剤;香料などを配合することも
できる。これらの他の洗剤成分は、この噴霧乾燥粒子に
配合せずに、前記A工程の混連時に添加することもでき
るし、B工程以降の造粒時に添加することもできる。ま
た酵素、香料などは、噴霧乾燥粒子あるいは高嵩密度粒
状洗剤組成物の成形後に混合したり、これらの表面に噴
霧することもできる。
【0013】ビルダーとしては、例えばトリポリリン酸
塩、ピロリン酸塩、炭酸塩などのアルカリビルダー;A
型、X型または無定形の合成ゼオライトなどの無機ビル
ダー;EDTAなどの有機キレートビルダー;マレイン
酸−アクリル酸共重合体などの有機ビルダー;硫酸ナト
リウムなどの中性ビルダーなどを例示することができ
る。担体物質は必要に応じて配合される。担体物質とし
ては上述のビルダーとして例示されるものから選択する
こともできるし、界面活性剤などの洗浄効果とワックス
類消泡剤の消泡効果を妨げない他の無機粒子、有機粒子
などを選択することもできる。例えば澱粉、化工澱粉、
石鹸、金属石鹸、粘土、カルボキシメチルセルロース塩
などがあげられ、これらを単独あるいは2種類以上の混
合物として用いることができる。ビルダーと担体物質を
あわせた配合量は高嵩密度粒状洗剤組成物中60〜95
重量%、好ましくは70〜90重量%とされる。
【0014】本発明に用いるワックス類消泡剤は、界面
活性剤を含む洗剤成分中に配合して長期間保存しても消
泡効果が低下しにくいという大きな特徴がある。換言す
れば、界面活性剤やアルカリビルダーなどと接触した状
態で保存すると消泡効果が低下する他の消泡剤は、界面
活性剤とほぼ均一に混合して高嵩密度粒状洗剤組成物中
に配合すれば、保存中に消泡効果が低下するなどの不都
合を生じるため、本発明の製造方法を適用することはで
きない。またワックス類消泡剤は、比較的安価であると
いう利点を有している。
【0015】ワックス類消泡剤は、水に不溶で、融点が
25〜135℃で、消泡機能を有するものであれば特に
限定することはない。例えば炭化水素を主成分とするも
の;高級脂肪酸と高級アルコールとのエステルあるいは
脂肪酸アミドを主成分とするものなどがあげられる。
【0016】炭化水素を主成分とするものとしては、石
油の潤滑油留分から抽出されたパラフィンワックス(一
般に炭素数の分布はC16〜C40であって、C20〜C40の
直鎖炭化水素を主成分とする。)、石油の重質潤滑油留
分から抽出されたマイクロクリスタリンワックス(一般
にC30〜C60の非直鎖炭化水素を主成分とする。)など
の石油ワックス;フィッシャー・トロプッシュワックス
(一般にC17〜C78の炭化水素を主成分とする。)、ポ
リエチレンワックス(低重合度のポリエチレンを主成分
とする。)などの合成系ワックス;オゾケライトやセレ
シンなどの鉱物系ワックスなどがあげられる。
【0017】高級脂肪酸と高級アルコールとのエステル
あるいは脂肪酸アミドを主成分とするものは、動物系ワ
ックス;植物系ワックス;鉱物系ワックス;合成ワック
スなどのいずれでもよく、一般にその炭素数がC16〜C
32のものを主成分とする。脂肪酸アミドを主成分とする
ものは、脂肪酸アミドとシリカが混合されたものなどを
用いることもできる。本発明においては石油ワックス
が、効果が高く、入手しやすいため好ましく、中でもパ
ラフィンワックスが効果が優れており好ましい。
【0018】またワックス類消泡剤は、粒状あるいはフ
レーク状などに成形されたものを用いると、他の構成成
分と均一に混合されやすくなり、操作性が向上するため
好ましい。ワックス類消泡剤が板状などの場合、その融
点以上の温度で加熱溶解した後、噴霧ノズルから噴射
し、この融点未満の空気と接触させるなどして急冷固化
し、平均粒径約20〜2000μm程度の粒状物に調整
したり、同様にして溶融したワックス類消泡剤を、冷却
したロール上に薄く塗布し、固化した後に剥離し、細か
いフレーク状として用いると好ましい。
【0019】ワックス類消泡剤の配合量は、高嵩密度粒
状洗剤組成物中、0.1〜5重量%、好ましくは0.3
〜2重量%とされる。0.1重量%未満であると消泡効
果が得られず、5重量%をこえると高嵩密度粒状洗剤組
成物の粉体物性(流動性)が低下することがある。
【0020】また本発明の高嵩密度粒状洗剤組成物にお
いては、ワックス類消泡剤がバインダーの役割を果たす
が、必要に応じてポリエチレングルコールなどの有機バ
インダー物質を配合することもできる。
【0021】以下、各工程について例を示して詳細に説
明する。 <A工程:混練工程>界面活性剤を含む噴霧乾燥粒子
と、粒状あるいはフレーク状のワックス類消泡剤を、好
ましくは粉体混合した後、混連機に供給し、必要に応じ
て水および他の洗剤成分を添加し、ワックス類消泡剤の
融点以上の温度で混練して、混練物を調製する。界面活
性剤、ワックス類消泡剤として粒状物あるいフレーク状
などのものを用いると、界面活性剤とワックス類消泡剤
が均一に混合されやすく、さらにこれらを混練前に粉体
混合すると、より好ましい。前記混連機としては、例え
ばスクリュー式の混練機を用いることができる。このス
クリュー式混練機は、混合粉体を混連機中に導入するた
めのホッパーと、このホッパーから混合粉体が供給さ
れ、混合粉体の混練を行うバレルを有するものである。
例えば(株)栗本鐵工所製のKRCニーダーなどを用い
ることができる。
【0022】A工程における操作は、具体的には界面活
性剤を含む噴霧乾燥粒子、ワックス類消泡剤の混合粉体
と、必要に応じて水および他の洗剤成分を、この混練機
のホッパーを介してバレルに供給する。この後、この混
合粉体を混練し、界面活性剤とワックス類消泡剤が均一
に配合された緻密な混練物とする。この混練物の嵩密度
は、例えば0.3〜1.5g/mlとされる。混練中の
混練物の温度はワックス類消泡剤の融点以上に維持する
ことが好ましい。この混連機において、前記温度条件は
少なくともバレルの混練作業が行われる部分において満
足され、維持されていればよい。また、混合粉体が投入
される入り口付近のバレルの温度をこの温度に維持して
おくとより好ましい。
【0023】<B工程:押出工程>前記混練物を押出機
に供給し、この押出機に設けられたダイスから、例えば
ヌードル状に押出成形してヌードル状物とし、このヌー
ドル状物が切断されたペレット状粒子を製造する。この
ときの温度条件は、A工程と同様とすると好ましい。す
なわちワックス類消泡剤の融点以上の温度とすることに
よって、ワックス類消泡剤が溶解し、成形が容易とな
る。前記ヌードル状物の直径は0.5〜30mm、好ま
しくは0.7〜20mm、より好ましくは1〜20mm
とされる。その形状は円筒形、角柱、三角柱などとされ
るが、混練物を適度な大きさに調整して後の破砕工程の
操作性を向上させることができれば、特に限定すること
はない。またペレット状粒子の長さは任意とすることが
できるが、押出機から出てくるヌードル状物を切断し、
または切断することなく自然崩壊で、0.5〜50mm
程度の長さのものとしてもよい。粒径を調節する必要が
なければ、この状態で高嵩密度粒状洗剤組成物として用
いることができる。
【0024】押出機としては不二パウダル(株)製ペレ
ッターダブルなどを用いることができる。また、エクス
トルーダー型の混練機を使用し、A工程(混練工程)か
らB工程(押出工程)までを一つの機械を用いて行う
と、製造時間の短縮化と簡便化が図れ、好ましい。この
場合、特にスクリューもしくはパドルの回転部およびバ
レル内に突起または1個以上の孔の開いた(あるいはこ
れら突起と孔の両方が設けられた)オリフィス部と出口
に所定の径の複数の孔が設けられた板が取り付けられて
いるエクストルーダー型混練機が好ましい。これは、前
記所定の径の複数の孔が設けられた板によって、混練効
率が向上し、かつ前記複数の孔を混練物が通ってヌード
ル状に押し出されるようになっているものである。この
種のエクストルーダー型混練機としては、例えば、ホソ
カワミクロン(株)製のエクストルード・オーミックス
などを用いることができる。
【0025】またA工程(混練工程)とB工程(押出工
程)を行うことができるものとして、2軸混練押出機を
用いるのも好ましい。2軸混練押出機としては(株)栗
本鐵工所製の2軸押出機KEX型などを用いることがで
きる。
【0026】<C工程:破砕工程>A工程で得られた混
練物またはB工程で得られたペレット状粒子を破砕し
て、所定の粒径および粒度分布に調整する。このときの
温度条件は、ワックス類消泡剤の融点未満とすると操作
性が向上し、好ましい。好ましくは20℃以下、さらに
好ましくは10〜20℃の冷風をかけながら、粉砕品の
温度が20〜30℃になるようにするとさらに操作性は
向上する。この冷風は、好ましくは破砕(粉砕)造粒機
に、前記混連物あるいはペレット状粒子を供給する方向
と同方向から導入する。
【0027】また混練物またはペレット状粒子を、破砕
造粒機に粉砕助剤とともに供給し、粉砕助剤の存在下で
破砕すると好ましい。粉砕助剤としては平均粒径20μ
m以下の粉体が用いられ、例えば平均粒径1〜15μm
のアルミノ珪酸塩は、洗濯時にカルシウムイオン捕捉剤
として働くため好ましい。この他、二酸化珪素、ベント
ナイト、タルク、クレイ、酸化チタン、炭酸カルシウ
ム、炭酸ナトリウムなどを例示することができる。粉砕
助剤を用いると、破砕の操作性が向上するとともに、高
嵩密度粒状洗剤組成物の表面がこれらの破砕助剤によっ
てコーティングされ、粒子の流動性が向上する。破砕助
剤の量は、高嵩密度粒状洗剤組成物全量に対して20重
量%以下、好ましくは0.1〜10重量%とされる。
0.1重量%未満であると効果が得られず、20重量%
をこえると効果が飽和する。
【0028】破砕造粒機としては、回転数が周速30〜
100m/sの高速回転ナイフカッターが好ましい。高
速回転ナイフカッターによって、被破砕物に衝撃と剪断
力を加える破砕造粒機は、解砕機とも呼ばれる。具体的
には不二パウダル(株)製のコミニューター、ホソカワ
ミクロン(株)製のフィッツミルなどを用いることがで
きる。
【0029】この破砕工程を経ることにより、例えば平
均粒径50μm〜500μm程度の粒状物や、直径0.
8mm程度で長さが2〜3mm程度のペレット状粒子に
破砕(解砕)して高嵩密度粒状洗剤組成物とすることが
できる。高嵩密度粒状洗剤組成物の嵩密度は0.5g/
ml以上、好ましくは0.7〜1.5g/mlとされ
る。
【0030】上述のA〜C工程の例においては、界面活
性剤を含む噴霧乾燥粒子を用いているが、これに限定す
ることはなく、他の方法によって粒状(粉末状)とされ
た界面活性剤を含む粒状物を用いても良い。また粒状あ
るいは粉末状に限らず、界面活性剤を含む水性スラリー
を用いることもできる。例えば陰イオン界面活性剤は製
造過程で中和工程を伴い、この中和工程後に水溶液とし
て得られる。この水溶液の水分を調整して水性スラリー
とし、混連機にワックス類消泡剤とともに投入して混連
物とすることもできる。
【0031】上述の高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法
によれば、界面活性剤などの洗剤成分中に配合して長期
間保存しても消泡効果が低下しにくいワックス類消泡剤
を用いることにより、高嵩密度粒状洗剤組成物中の粒子
中に界面活性剤とともにワックス類消泡剤を配合するこ
とが可能となる。またA工程において、ワックス類消泡
剤はバインダーの役目をはたし、短時間で界面活性剤と
ワックス類消泡剤が均一に混合され、かつ緊密な混練物
とすることができる。またB工程以降で適度な粒度に調
整され、粒子中に界面活性剤とワックス類消泡剤が均一
に配合された高嵩密度粒状洗剤組成物が得られる。した
がって粒度分布が安定しているので、従来のように分級
がおこりにくい。またたとえ分級がおこったとしても、
配合成分が均一なので、界面活性剤とワックス類消泡剤
の配合比率にばらつきが生じることがない。このため品
質のばらつきがなく、安定した洗浄効果と消泡効果を得
ることができる。また、上述のようにワックス類消泡剤
はバインダーの役割を果たすため、有機バインダー物質
などの洗浄に直接寄与しない成分の配合量を少なくする
ことができる。
【0032】本発明の実施の態様をまとめると以下のよ
うになる。 (1) 界面活性剤は陰イオン界面活性剤が好適である。界
面活性剤の配合量は、高嵩密度粒状洗剤組成物中5〜4
0重量%、好ましくは10〜30重量%とされる。 (2) 界面活性剤は、例えば他の洗剤成分とともに噴霧
乾燥粒子として用いることができる。界面活性剤を含む
噴霧乾燥粒子は、嵩比重が0.2〜0.5g/ml程度
の粒子である。 (3) ワックス類消泡剤は、水に不溶で、融点が25〜
135℃で、消泡機能を有するものである。石油ワック
スが好ましく、中でもパラフィンワックスが好ましい。
ワックス類消泡剤の配合量は、高嵩密度粒状洗剤組成物
中、0.1〜5重量%、好ましくは0.3〜2重量%と
される。 (4) 本発明はA工程を必須とするが、粒状物とする際
の操作性と粒径および粒度分布の調整を考慮すると、
B、Cの両工程を経て高嵩密度粒状洗剤組成物とする方
法を選択することが好ましい。特に粒径および粒度分布
を調整するには、C工程を経ることが好ましい。 (5) A、B工程の温度条件は、ワックス類消泡剤の融
点以上とされる。 (6) C工程の温度条件は、ワックス類消泡剤の融点未
満とされ、好ましくは20℃以下、さらに好ましくは1
0〜20℃の冷風をかけながら、粉砕品の温度が20〜
30℃になるようにするとさらに操作性は向上する。 (7) C工程は粉砕助剤の存在下で破砕するのが好まし
い。破砕助剤の量は、高嵩密度粒状洗剤組成物全量に対
して20重量%以下、好ましくは0.1〜10重量%と
される。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例を示して詳しく説明す
る。表2に示すワックス類消泡剤a〜cをそれぞれ用
い、表1に示す構成成分からなる高嵩密度粒状洗剤組成
物を以下の方法で製造した。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】ワックス類消泡剤は粒径750〜1500
μmの粒状物を用いた。まず表1に示す成分のうち、非
イオン界面活性剤(ポリオキシエチレンドデシルエーテ
ル(エチレンオキシド平均12モル付加物))、酵素(ア
ルカリプロテアーゼ)、香料およびワックス類消泡剤以
外の成分を用い、固形分60重量%の水性スラリーを調
整した。このとき炭酸ナトリウムの配合量は、後に破砕
助剤として用いる分を除いて調整して配合した。この水
性スラリーを、向流式噴霧乾燥塔を用いて熱風温度20
0〜250℃で乾燥し、水分5重量%の噴霧乾燥粒子と
した。
【0037】得られた噴霧乾燥粒子と、非イオン界面活
性剤、水、さらにワックス消泡剤を、(株)栗本鐵工所
製のS−2KRCニーダーに投入し、60℃の温度条件
下で圧密捏和(混連)して混連物とした。ついでこの混
連物を不二パウダル(株)製ペレッターダブルを用いて
55℃の温度条件下で押出し、直径10mm、長さ20
mmの水分含量約8重量%のペレット状粒子とした。こ
のペレット状粒子を、炭酸ナトリウム(破砕助剤)6重
量%とともに、ホソカワミクロン(株)製のフィッツミ
ルDKASO6型(解砕機)に定量フィードし、冷風を
導入しつつ15℃の温度条件下で破砕した。解砕機の高
速回転ナイフカッターの回転数は3800rpmで、ス
クリーンは2mmφのパンチングメタルを用いた。この
破砕物に酵素、香料を添加して、高嵩密度粒状洗剤組成
物とした。
【0038】表2に示すaをワックス類消泡剤として用
いた高嵩密度粒状洗剤組成物の粒子性状を、表3に示
す。表3の結果より、粒度のばらつきが少なく、良好な
粒子性状の高嵩密度粒状洗剤組成物が得られたことが確
認できた。表2に示すb、cのワックス類消泡剤を用い
た場合にも同様の結果が得られた。またこれらa〜cの
ワックス類消泡剤を用いた高嵩密度粒状洗剤組成物は、
従来の消泡剤を含まない高嵩密度粒状洗剤組成物に粒状
消泡剤組成物を配合した直後のものと、同様の洗浄、消
泡性能が得られた。また粉体特性(流動性)、水中への
分散性も良好であった。
【0039】
【表3】
【0040】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
界面活性剤などの洗剤成分中に配合して長期間保存して
も消泡効果が低下しにくいワックス類消泡剤を用いるこ
とにより、高嵩密度粒状洗剤組成物中の粒子中に界面活
性剤とともにワックス類消泡剤を配合することが可能と
なる。またA工程(混練工程)において、ワックス類消
泡剤はバインダーの役目をはたし、短時間で均一かつ緊
密な混練物とすることができる。またB工程以降の造粒
工程で適度な粒度に調整され、粒子中に界面活性剤とワ
ックス類消泡剤が均一に配合された高嵩密度粒状洗剤組
成物が得られる。したがって粒度分布が安定しているの
で、従来のように分級がおこりにくい。またたとえ分級
がおこったとしても、配合成分が均一なので、界面活性
剤とワックス類消泡剤の配合比率にばらつきが生じるこ
とがない。したがって品質のばらつきがなく、安定した
洗浄効果と消泡効果を得ることができる。また一般にワ
ックス類消泡剤などを担体物質とともに造粒した粒状消
泡剤組成物は、高嵩密度粒状洗剤組成物と比較して嵩密
度が低いので、高嵩密度粒状洗剤組成物中にワックス類
消泡剤を配合することによって、製品の嵩密度を向上さ
せることができる。またワックス類消泡剤はバインダー
の役割を果たすため、有機バインダー物質などの洗浄に
直接寄与しない成分の配合量を少なくすることができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 誠治 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界面活性剤を含む洗剤成分を、ワックス
    類消泡剤存在下で混練して混練物を調製する混練工程
    と、 前記混練物を造粒する造粒工程を含むこと特徴とする高
    嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法。
  2. 【請求項2】 界面活性剤とワックス類消泡剤が、粒子
    中に均一に配合されていることを特徴とする高嵩密度粒
    状洗剤組成物。
JP33070897A 1997-12-01 1997-12-01 高嵩密度粒状洗剤組成物の製造方法および高嵩密度粒状洗剤組成物 Pending JPH11166193A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004204168A (ja) * 2002-12-26 2004-07-22 Lion Corp 漂白洗浄剤組成物およびその製造方法

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