JPH11166191A - 転動装置 - Google Patents
転動装置Info
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- JPH11166191A JPH11166191A JP9331947A JP33194797A JPH11166191A JP H11166191 A JPH11166191 A JP H11166191A JP 9331947 A JP9331947 A JP 9331947A JP 33194797 A JP33194797 A JP 33194797A JP H11166191 A JPH11166191 A JP H11166191A
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Abstract
性に優れ、かつ製造品の歩留まりに悪影響を及ぼさない
転動装置を提供する。 【解決手段】 40℃における動粘度が30〜180m
m2 /secであり、かつ合成炭化水素油及びエーテル
油から選ばれる少なくとも1種が配合された基油と、ウ
レア化合物からなる増ちょう剤とを含み、かつ非金属元
素のみからなる添加剤をグリース全量の0.1〜1重量
%配合してなるグリースを封入したことを特徴とする転
動装置。
Description
置等の転動装置に関し、特に、クリーンルーム、半導体
製造装置、液晶パネル製造装置、ハードディスク製造装
置等の、清浄な雰囲気が要求される箇所において好適に
使用でき、低トルクで発塵量が少なく、優れた高温耐久
性を有する転動装置に関する。
転動装置においては、鉱油や合成炭化水素油(例えば、
ポリαオレフィン油)等の潤滑油やグリース等の潤滑剤
を循環したり、軸受内部に封入することにより、潤滑を
行なっている。このような転動装置は、通常の使用条件
下では問題無く使用されているが、高温、真空、高速環
境下等においては、転動装置の作動に伴い潤滑油やグリ
ースが転動装置の外部空間に飛散したり、蒸発によりガ
スを放出する等して転動装置の外部環境を汚染してしま
う。特に、クリーンルーム、半導体製造装置、液晶パネ
ル製造装置、ハードディスク製造装置等のように清浄な
環境を必要とする場合、転動装置からの発塵量が少ない
ことが重要である。また、半導体製造装置や液晶製造装
置においては、封入グリースの増ちょう剤として金属石
けんを使用すると、この石けん中の金属元素が製品に転
移してその品質を大きく低下させる。
製造装置などのクリーン環境下で使用される転動装置の
潤滑には、優れた低揮発性を有し、しかも発塵量も比較
的少ないという理由から、フッ素系グリースが多く使用
されている。このフッ素系グリースは、代表的にはパー
フルオロポリエーテル油(PFPE)からなる基油に、
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)からなる増ち
ょう剤を配合したものである。しかし、フッ素系グリー
スは、一般的に高粘度のPFPEが基油として用いられ
ているため、トルクが大きく、また、鉱油や合成炭化水
素油等を基油としたグリースに比べると流動性に乏し
く、潤滑性能に劣る傾向にある。このため、トルク低減
の目的でグリースの封入量を減らすことが行われるが、
今度は潤滑不良による転走面の摩耗が起こり易くなり、
回転に支障を来たすようになる。直動装置は半導体製造
装置や液晶製造装置の位置決め用に使用されることが多
いが、このような転走面の摩耗は位置決め精度の低下に
つながる。更に、半導体製造装置や液晶製造装置に使用
される直動装置は高速回転で作動される傾向にあり、そ
れに伴って転走面の摩耗及び摩耗・トルクが更に増大し
て発熱やモータ過負荷等のトラブルが発生し易くなって
いる。半導体製造装置や液晶製造装置においては、位置
決め精度は極めて重要な因子であり、このような潤滑不
良による位置決め精度の低下は製品の品質や歩留まりに
大きな損失を与える。
ア化合物を増ちょう剤とするグリースも一般的に使用さ
れている。ウレア系グリースは、フッ素系グリースに比
べて流動性や潤滑性能に優れていることから、低トルク
を実現できる。しかも、ウレア化合物はグリースの高温
特性を改善する効果も有することから、清浄で、かつ高
温に曝されるような環境下での使用に特に効果的であ
る。
系グリースにあっても、基油と増ちょう剤に加えて各種
の添加剤を含有する場合が殆どであり、これらもまた発
塵源となっている。特に、これら添加剤の中には、金属
化合物から形成されるものもあり、上記と同様に、その
金属元素が塵芥となって外部環境を汚染する。本発明は
この点に着目したものであり、高温での機械的安定性、
トルク性能、発塵特性に優れ、かつグリース中から金属
元素を排除することで、製造品の歩留まりに悪影響を及
ぼさない転動装置を提供することを目的としている。
係る、40℃における動粘度が30〜180mm2 /s
ecであり、かつ合成炭化水素油及びエーテル油から選
ばれる少なくとも1種が配合された基油と、ウレア化合
物からなる増ちょう剤とを含み、かつ非金属元素のみか
らなる添加剤をグリース全量の0.1〜1重量%配合し
てなるグリースを封入したことを特徴とする転動装置に
より達成される。上記のグリースは、基油、増ちょう
剤、更には添加剤にも金属元素を含まないために、金属
元素が飛散することが無い。また、基油も流動特性や潤
滑性能に優れ、かつ低発塵性を備えており、ウレア化合
物はグリースの高温特性を改善する作用を有する。従っ
て、このグリースを封入した転動装置は半導体製造装置
や液晶製造装置を始めとする清浄な環境が要求される装
置に極めて好適である。
図面を参照して詳細に説明する。本発明に係る転動装置
自体の構造は特に制限されるものではなく、各種の転が
り軸受や直動装置が対象となる。例えば、図1に転がり
軸受の一例として玉軸受を示すが、図示されるように、
外周面に内輪軌道面1を有する内輪2と、内周面に外輪
軌道面3を有する外輪4とを同心に配置し、内輪2の内
輪軌道面1と外輪4の外輪軌道面3との間に配設した複
数個の玉5,5を、保持器7で転動自在に保持して構成
される。また、外輪4の軸方向両端部内周面にそれぞれ
円輪状のシール部材6,6が固定されており、このシー
ル部材6と内輪2、外輪4及び玉5とで囲まれた軸受空
間にグリースが封入される。
ねじ装置を示す。図示されるように、ボールねじ装置は
外周面にらせん状のボールネジ溝12が形成されたボー
ルネジ軸10と、内周面22に上記ボールネジ溝12に
対向するらせん状のボールネジ軸24が形成されたボー
ルナット20と、対向する両ボールネジ溝間に転動自在
に介装された多数のボール30と、それらのボール30
を循環させるチューブ式循環路40とを備えている。チ
ューブ式循環路40は外形略コ字状のチューブからな
り、その両端部42をそれぞれボールナット20を両ボ
ールネジ溝12,24の接線方向に貫通するチューブ取
付け孔29からボールナット20内のボール転動空間に
差し込み、止め金46でボールナット20の外面に固定
されている。らせん状のボール転動空間を転動するボー
ル30は、ボールネジ溝12,24を複数回回って移動
してから、チューブ式循環路40の一方の端部42です
くい上げられてチューブ式循環路40の中を通り、他方
の端部(図示せず)からボールナット20内のボール転
動空間に戻る循環を繰り返すようになっている。ボール
ナット20の両端の開口部には円形の凹部26が形成さ
れており、これに嵌着した円板状のシール部材28の内
周面がボールネジ軸10の外周面及びボールネジ溝12
の面に摺接してボール転動空間に封入されたグリースを
シールする。
ースは、以下の組成を有する。基油は、優れた潤滑性
能、トルク性能を有する合成油が望ましく、中でも優れ
た発塵性能を備える合成炭化水素油及びエーテル油の少
なくとも1種を含む潤滑油が好ましい。合成炭化水素油
としてはポリαオレフィン油等を、エーテル油としては
ジアルキルジフェニルエーテル油、アルキルトリフェニ
ルエーテル油、アルキルテトラフェニルエーテル油等を
挙げることができる。特に高温耐久性を考慮すると、ア
ルキルジフェニルエーテルを必須成分(基油成分の50
wt%以上)とする潤滑油が望ましい。また、低温流動
性の観点からは、合成炭化水素油が最も望ましい。ま
た、潤滑特性をより向上させるため、必要ならばエステ
ル油を配合しても良い。配合するエステル油としては、
ポリオールエステル油、芳香族エステル油が望ましい。
このエステル油は、発塵特性を考慮すると、基油成分の
50wt%未満が望ましい。基油の動粘度は30〜18
0mm2 /s、特に30〜150mm2 /secが望ま
しい。これは、30mm2 /sec以下では高温で蒸発
しやすく、180mm2 /sec以上では摩擦トルクの
増大、発塵量の増加を起こすためである。
ア、トリウレア、テトラウレア、ポリウレア等を挙げる
ことができる。これらのウレア化合物は、その分子中に
金属元素以外の異元素を含んでいてもよく、また金属原
子を含まない置換基を有していてもよい。このウレア化
合物のグリース中の含有量は、グリース形態を形成し得
る量であれば特に制限されるものではなく、概ね10〜
30重量%の範囲である。このウレア化合物はグリース
の高温特性、特に高温での機械的安定性を改善する効果
があり、10重量%未満ではその効果が十分に得られな
い。一方、30重量%を越える含有量では発塵量の増大
だけでなく、トルクの上昇、潤滑性能の劣化を起こすこ
とがある。また、発塵量を抑制するためには、適切な固
さが必要である。このため、グリースの混和ちょう度は
190〜230が好ましい。
合物からなる添加剤が配合される。以下に添加剤の種類
とその好的な化合物を例示するが、これらの化合物の中
でも、硫黄や塩素、リンを含まないものが望ましい。添
加剤は、防錆性の要求に答えるために防錆剤を添加する
ことが好ましい。また、必要なら酸化防止剤、油性剤、
金属不活性剤等を添加することができる。以下に本発明
に使用することができる添加剤の一例を示す。防錆剤と
してはコハク酸等のカルボン酸及びその誘導体、ソルビ
タン等の非イオン界面活性剤を用いることができる。ま
た、酸化防止剤としてはアミン系、フェノール系酸化防
止剤、油性剤としては長鎖脂肪酸系油性剤、金属不活性
剤としてはベンゾトリアゾール系金属不活性剤等を用い
ることができる。
は適宜組み合わせて使用される。添加剤の配合量は、配
合される各添加剤とも単体としてグリース全量の0.1
重量%以上であり、これ未満では添加剤の効果が現れな
い。但し、単独使用及び併用する場合とも、総量でグリ
ース全量の1重量%以下であることが望ましく、これを
越えると発塵量が急増する。
い、上記に挙げた基油に増ちょう剤及び添加剤を所定量
配合し、混練機により混練することにより得られる。
尚、この混練に際して、グリースには混練機や搬送容器
等から金属が混入することがある。また、原料中に不純
物として金属元素が含まれる場合もある。しかし、工程
中の管理を十分行えばその混入量は極く微量に抑えるこ
とができ、本発明の効果を損なうものではない。従っ
て、金属元素のグリース中への混入量は、分析装置の検
出限界以下であることが最も望ましいが、30ppm程
度の混入量は本発明において許容範囲であると考えられ
る。但し、Li,Na,Al,Ca,Ni,Zn,M
o,Sn,Sb,Ba,Pbは、本発明の技術分野を考
慮すれば5ppm以下であることが必要である。また、
同様の理由でCl,P.Sは20ppm以下であること
が必要である。
更に説明する。増ちょう剤としてウレア化合物(実施例
1〜9は脂環族、脂肪族混合ジウレア、実施例10は脂
肪族ジウレア)、防錆剤としてアルケニル琥珀酸誘導体
並びに酸化防止剤としてアルキルジフェニルアミンを用
い、それぞれを表1、表2に示す割合で基油に配合して
実施例1〜10のグリースを調製した。各グリースに関
して原子吸光分析装置を用いて成分分析を行ったとこ
ろ、金属元素は検出されなかった。更に、これらの配合
により、120℃、10minの加熱試験でも有機物の
ガスの発生量は5000wtppm未満と非常に汚染性
の低いグリースであることも確認した。また、比較のた
めに、実施例と同様のウレア化合物及び添加剤を用い、
それぞれを表3に示す割合で基油に配合して比較例1〜
4のグリースを調製した。尚、表中の基油のPAOはポ
リαオレフィン油、ADEはアルキルジフェニルエーテ
ル油、PETはペンタエリスリトールエステル油を示
す。
び防錆試験を行った。発塵量の測定は、図3に示す装置
を用いて行った。即ち、試験ボールねじ装置50(φ:
15mm、ストローク:300mm)にグリースを塗布
し、500rpmで回転させた。試験ボールねじ装置5
0は、その両端が支持軸受60により軸支されており、
更にその一端はカップリング90を介して駆動モータ8
0に接続されている。また、この測定装置全体は密封さ
れた容器内に設置されており、試験ボールねじ装置50
の支持軸受60および駆動モータ80の軸には磁性流体
シール70を使用してこれらからの発塵を防止してい
る。そして、試験装置内に清浄空気を流して、1cfの
体積の空気中に含まれる0.11μm以上の発塵粒子数
を光散乱式のパーティクルカウンターで測定し、40時
間後の値を表中に示した。また、防錆試験は軸受材にグ
リースをプレーティングし、温度90℃、湿度95%で
100時間静置することを行い、目視により錆の発生の
有無を判定した。錆の発生が認められる場合を「×」と
し、認められない場合を「○」として表中に示した。
置は、比較例のグリースを封入したボールねじ装置に比
べて、発塵量が少なく、また添加剤として配合した防錆
剤の効果も現れている。また、比較例1及び2から、添
加剤を総量で1重量%を越える量を配合したグリースを
封入したボールねじ装置は、発塵量が多く、添加剤の配
合量の上限が確認された。また、比較例3及び4から、
添加剤(この場合、防錆剤)単独で0.1重量%未満の
配合量では、添加剤の効果が現れないことが確認され
た。
高温での機械的安定性、トルク性能、発塵特性に優れ、
かつ製造品の歩留まりに悪影響を及ぼさない転動装置を
提供することができる。
示す要部断面図である。
装置を示す要部断面図である。
成図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 40℃における動粘度が30〜180m
m2 /secであり、かつ合成炭化水素油及びエーテル
油から選ばれる少なくとも1種が配合された基油と、ウ
レア化合物からなる増ちょう剤とを含み、更に非金属元
素のみからなる添加剤をグリース全量の0.1〜1重量
%配合してなるグリースを封入したことを特徴とする転
動装置。
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- 1997-12-02 JP JP33194797A patent/JP4021532B2/ja not_active Expired - Fee Related
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