JP2016222813A - グリース組成物およびその製造方法、ならびに当該グリース組成物が封入された転がり軸受 - Google Patents

グリース組成物およびその製造方法、ならびに当該グリース組成物が封入された転がり軸受 Download PDF

Info

Publication number
JP2016222813A
JP2016222813A JP2015110435A JP2015110435A JP2016222813A JP 2016222813 A JP2016222813 A JP 2016222813A JP 2015110435 A JP2015110435 A JP 2015110435A JP 2015110435 A JP2015110435 A JP 2015110435A JP 2016222813 A JP2016222813 A JP 2016222813A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
grease composition
grease
thickener
base oil
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015110435A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6722379B2 (ja
Inventor
真理子 新田
Mariko Nitta
真理子 新田
津田 武志
Takeshi Tsuda
武志 津田
中田 竜二
Ryuji Nakada
竜二 中田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2015110435A priority Critical patent/JP6722379B2/ja
Publication of JP2016222813A publication Critical patent/JP2016222813A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6722379B2 publication Critical patent/JP6722379B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Rolling Contact Bearings (AREA)
  • Lubricants (AREA)

Abstract

【課題】低騒音と低発塵とを両立でき、トルク安定性を発現できると共に、さらに、軸受の生産性の低下を抑制することができるグリース組成物およびその製造方法、ならびに当該グリース組成物が封入された転がり軸受を提供すること。【解決手段】少なくとも基油と増ちょう剤とを含有し、200以下の不混和ちょう度、および250以上の混和ちょう度を有するグリース(G)が封入された転がり軸受1を提供する。グリース(G)は、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびグリセロールモノオレートの少なくとも一種からなる添加剤を含有していることが好ましい。【選択図】図1

Description

本発明は、グリース組成物およびその製造方法、ならびに当該グリース組成物が封入された転がり軸受に関する。
例えば、半導体製造装置、液晶製造装置、電子計算機、プリント基板製造装置等の製品は、異物やホコリ等に敏感なので、クリーンな状態で維持される必要がある。そのため、この種の製品内の潤滑部品に使用される潤滑剤(グリース組成物)には、飛散によって製品を汚染しないようにするため、低発塵性が要求される。
低発塵性グリース組成物として、例えば、特許文献1は、エステル油およびポリ−α−オレフィンからなる基油と、ステアリン酸リチウムおよび12−ヒドロキシステアリン酸リチウムからなる増ちょう剤とを含有するグリース組成物を開示している。
特開平8−143884号公報
また、低発塵性グリースとして、200以下の混和ちょう度を有するものが流通している。
しかしながら、混和ちょう度が200以下であると、せん断を受けても硬さが維持されるため、流動性が悪く、軸受に封入しづらいという不具合もある。
そこで、本発明の目的は、低騒音と低発塵とを両立でき、トルク安定性を発現できると共に、さらに、軸受の生産性の低下を抑制することができるグリース組成物およびその製造方法、ならびに当該グリース組成物が封入された転がり軸受を提供することである。
上記の課題を解決するための本発明のグリース組成物は、少なくとも基油と増ちょう剤とを含有し、200以下の不混和ちょう度、および250以上の混和ちょう度を有する(請求項1)。
この構成によれば、ロール処理等でせん断を受けたときに軟らかくなり流動性が増すので、例えば、軸受等の潤滑部品に対して容易に封入することができる。そのため、軸受を生産する場合でも、生産性の低下を抑制することができる。
一方、不混和ちょう度が200以下であり、静止状態で比較的硬さを維持できるので、飛散による発塵を抑制することもできる。
本発明のグリース組成物では、前記不混和ちょう度と前記混和ちょう度との差が、100以上であってもよい(請求項2)。
この構成によれば、せん断を受けた状態と静止状態との間において、グリース組成物の性状の差を大きくすることができる。
本発明のグリース組成物は、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびグリセロールモノオレートの少なくとも一種からなる添加剤を含有していてもよい(請求項3)。
ポリオキシエチレンアルキルアミンは油溶性であるため、基油中に溶解して界面活性剤として作用し易い。その結果、基油と増ちょう剤との相互作用を強め、静止状態のグリース組成物の硬さ(ちょう度)を上げることができる。これにより、低発塵性能を向上することができる。一方、グリセロールモノオレートは非油溶性であるが、基油中に分散して増ちょう剤が形成するネットワークに入りこむことができる。その結果、増ちょう剤の繊維間の相互作用を強め、静止状態のグリース組成物の硬さ(ちょう度)を上げることができる。これにより、低発塵性能を向上することができる。
本発明のグリース組成物は、前記添加剤を、0.5質量%〜2質量%含有していてもよい(請求項4)。
この構成によれば、基油および増ちょう剤といったグリース組成物の主成分の配合割合に影響を与えずに、上記した作用効果を発現することができる。
本発明のグリース組成物は、前記基油と前記増ちょう剤の混合物をロール処理した後に、前記添加剤を混合して得られるものであってもよい(請求項5)。
この構成によれば、増ちょう剤をロール処理によって基油中に分散させた後に添加剤が混合されるので、当該添加剤をグリース組成物全体に良好に行き渡らせることができる。
本発明のグリース組成物では、前記増ちょう剤の平均粒子径が、10μm以下であってもよい(請求項6)。
この構成によれば、増ちょう剤が基油全体に良好に分散するので、基油と増ちょう剤との相互作用を強めることができる。
本発明の転がり軸受(1)には、本発明のグリース組成物(G)が封入されている(請求項7)。
この構成によれば、本発明のグリース組成物が封入されているので、低騒音と低発塵とを両立でき、かつトルク安定性を発現できる転がり軸受を提供することができる。
本発明のグリース組成物の製造方法は、基油と増ちょう剤の混合物をロール処理する工程と、ロール処理された前記混合物に、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびグリセロールモノオレートの少なくとも一種からなる添加剤を混合する工程とを含む(請求項8)。
この方法によって、本発明のグリース組成物を製造することができる。また、増ちょう剤をロール処理によって基油中に分散させた後に添加剤が混合されるので、当該添加剤をグリース組成物全体に良好に行き渡らせることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る転がり軸受を示す断面図である。 図2は、軸受回転トルク測定装置の概略図である。 図3は、実施例および比較例のちょう度を示す図である。
以下では、本発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る転がり軸受1を示す断面図である。
転がり軸受1は、互いの間に環状の領域2を区画する一対の軌道部材としての内輪3および外輪4と、領域2に配置され内輪3および外輪4に対して転動する複数の転動体としてのボール5と、領域2に配置され、各ボール5を保持する保持器6と、領域2に充填されたグリースGと、外輪4に固定されて内輪3と摺接する一対の環状のシール部材7,8とを備えている。
各シール部材7,8は、環状の芯金9,9と、この芯金9,9に焼き付けられた環状のゴム体10,10とを有している。各シール部材7,8は、その外周部が外輪4の両端面に形成した溝部11,11に嵌められて固定されており、内周部が内輪3の両端面に形成した溝部12,12に嵌められて固定されている。
グリースGは、両輪3,4間に一対のシール部材7,8で区画された領域2内に略一杯となるように封入されている。
次に、グリースGを構成するグリース組成物について詳細に説明する。
本発明のグリース組成物は、基油、増ちょう剤および添加剤を含有している。
基油としては、例えば、合成油、鉱油が使用されるが、好ましくは、合成油が使用される。合成油であれば、不純物が混入していないか、混入していても少ないため、グリース組成物の潤滑性能を向上させることができる。また、分子量や分子構造に応じて、基油の動粘度や流動点を広い範囲で選択することができる。
合成油としては、例えば、合成炭化水素油、エステル油、シリコーン油、フッ素油、フェニルエーテル油、ポリグリコール油、アルキルベンゼン油、アルキルナフタレン油、ビフェニル油、ジフェニルアルカン油、ジ(アルキルフェニル)アルカン油、ポリグリコール油、ポリフェニルエーテル油、パーフルオロポリエーテル、フッ素化ポリオレフィン等のフッ素化合物等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、合成炭化水素油が使用される。
合成炭化水素油として、さらに具体的には、エチレン、プロピレン、ブテンおよびこれらの誘導体等を原料として製造されたα−オレフィンを、単独または2種以上混合して重合したものが挙げられる。α−オレフィンとしては、好ましくは、炭素数6〜20のものが使用され、さらに好ましくは、1−デセンや1−ドデセンのオリゴマーであるポリ−α−オレフィン(PAO)が使用される。
鉱油としては、例えば、パラフィン系鉱油、ナフテン系鉱油、中間基系鉱油等が挙げられる。
基油の物性については、特に制限されないが、例えば、動粘度(JIS K 2283に準拠)は、好ましくは、20mm/s〜50mm/s(40℃)であり、さらに好ましくは、30mm/s〜50mm/s(40℃)である。
また、基油の配合量は、グリース組成物全量に対して、好ましくは、75質量%〜85質量%である。
増ちょう剤としては、好ましくは、ウレア系化合物が使用される。ウレア系増ちょう剤としては、例えば、ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物、ポリウレア化合物(ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物を除く)等のウレア化合物、ウレア・ウレタン化合物、ジウレタン等のウレタン化合物またはこれらの混合物等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、ジウレア化合物が使用され、さらに好ましくは、脂肪族アミンと、ジイソシアネート化合物とを反応させて得られるジウレア化合物が使用される。この組み合わせのジウレア化合物であれば、グリース組成物の耐熱性を向上させることができる。
脂肪族アミンとしては、炭素鎖長が10以下であるものが挙げられ、例えば、ヘキシルアミン(炭素鎖長が6)、ヘプチルアミン(炭素鎖長が7)、オクチルアミン(炭素鎖長が8)、ノニルアミン(炭素鎖長が9)、デシルアミン(炭素鎖長が10)等が挙げられる。
ジイソシアネート化合物としては、例えば、脂肪族ジイソシアネート、脂環式ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート等が挙げられる。脂肪族ジイソシアネートとしては、例えば、飽和および/または不飽和の直鎖状、または分岐鎖の炭化水素基を有するジイソシアネートが挙げられ、具体的には、オクタデカンジイソシアネート、デカンジイソシアネート、ヘキサンジイソシアネート(HDI)等が挙げられる。また、脂環式ジイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシルジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート等が挙げられる。また、芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等が挙げられる。これらのうち、好ましくは、芳香族ジイソシアネートが使用され、さらに好ましくは、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)が使用される。すなわち、増ちょう剤として好ましくは、脂肪族アミン(炭素鎖長が10以下)とジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)との組み合わせからなる脂肪族ジウレアが使用される。
そして、アミンとジイソシアネート化合物は、種々の方法と条件下で反応させることができる。増ちょう剤の均一分散性が高いジウレア化合物が得られることから、基油中で反応させることが好ましい。また、反応は、アミンを溶解した基油中に、ジイソシアネート化合物を溶解した基油を添加して行ってもよいし、ジイソシアネート化合物を溶解した基油中に、アミンを溶解した基油を添加して行ってもよい。これらの反応における温度および時間は、特に制限されず、通常のこの種の反応と同様でよい。反応温度は、アミンおよびジイソシアネートの溶解性、揮発性の点から、60℃〜170℃が好ましい。反応時間は、アミンとジイソシアネートの反応を完結させるという点と製造時間短縮による効率化の点から0.5〜2.0時間が好ましい。
増ちょう剤の平均粒子径は、好ましくは、10μm以下、さらに好ましくは、5μm〜8μmである。増ちょう剤の平均粒子径は、例えば、レーザー回折法、動的光散乱法、画像イメージング法、重力沈降法等の公知の測定方法によって測定してもよい。増ちょう剤の平均粒子径が上記の範囲であれば、増ちょう剤が基油全体に良好に分散するので、基油と増ちょう剤との相互作用を強めることができる。
また、増ちょう剤の配合量は、グリース組成物全量に対して、好ましくは、15質量%〜25質量%である。
添加剤としては、必須成分として、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびグリセロールモノオレートの少なくとも一種が挙げられ、任意成分として、例えば、極圧剤、油性剤、防錆剤、酸化防止剤、耐摩耗剤、染料、色相安定剤、増粘剤、構造安定剤、金属不活性剤、粘度指数向上剤等の各種添加剤が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキルアミンとしては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ポリオキシエチレン牛脂アミン、ポリオキシエチレンステアリルアミン、ポリオキシエチレンオレイルアミン、ポリオキシエチレン牛脂プロピレンジアミン、ポリオキシエチレンステアリルプロピレンジアミン、ポリオキシエチレンN−シクロヘキシルアミン、ポリオキシエチレンメタキシレンジアミン、ドデシルジオキシエチルアミン、テトラデシルジオキシエチルアミン、オクタデシルジオキシエチルアミン、16−オキシヘプタデシルジオキシエチルアミン、オクタデシルオキシエトキシエチルアミン、17−オクタデセニルジオキシエチルアミン、1−メチルヘプタデシルジオキシエチルアミン等が挙げられる。例えば、市販品としては、ADEKA社製の「アデカキクルーブFM−812」等を使用できる。
グリセロールモノオレートは、例えば、市販品として、ADEKA社製の「アデカキクルーブFM−210」等を使用できる。
また、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよび/またはグリセロールモノオレートの配合量(併用する場合は総量)は、グリース組成物全量に対して、好ましくは、0.5質量%〜2質量%である。
上記のように、添加剤としてポリオキシエチレンアルキルアミンおよび/またはグリセロールモノオレートを用いる理由は次の通りである。つまり、ポリオキシエチレンアルキルアミンは油溶性であるため、基油中に溶解して界面活性剤として作用し易い。その結果、基油と増ちょう剤との相互作用を強め、静止状態のグリース組成物の硬さ(ちょう度)を上げることができる。これにより、低発塵性能を向上することができる。一方、グリセロールモノオレートは非油溶性であるが、基油中に分散して増ちょう剤が形成するネットワークに入りこむことができる。その結果、増ちょう剤の繊維間の相互作用を強め、静止状態のグリース組成物の硬さ(ちょう度)を上げることができる。これにより、低発塵性能を向上することができる。
そして、本発明のグリース組成物を製造するには、例えば、まず基油および増ちょう剤を混合して攪拌する。次に、当該混合物をロールミル等に通すことによってロール処理(ロール掛け)する。ロール処理後、混合物に、必須成分としてのポリオキシエチレンアルキルアミンおよび/またはグリセロールモノオレート、さらに必要に応じてその他の添加剤を加えて、撹拌する。このように、増ちょう剤をロール処理によって基油中に分散させた後に添加剤を混合することで、当該添加剤をグリース組成物全体に良好に行き渡らせることができる。以上の工程を経て、上記のグリース組成物を得ることができる。
以上のように得られるグリース組成物(グリースG)は、200以下の不混和ちょう度、および250以上の混和ちょう度を有している。
したがって、図1においてグリースGが、内輪3および外輪4とボール5との間の摺動によってせん断される場合でも、当該粗大粒子に起因する音響特性やトルク安定性の低下を低減することができる。また、混和ちょう度が250以上であることにより、ロール処理等でせん断を受けたときに軟らかくなり流動性が増すので、例えば、転がり軸受1に対して容易に封入することができる。そのため、転がり軸受1を生産する際の生産性の低下を抑制することができる。
一方、不混和ちょう度が200以下であり、静止状態で比較的硬さを維持することができる。そのため、例えば、グリースGのうち、内輪3および外輪4とボール5との界面(摺動面13)から離れている外側領域14においては、ボール5の摺動によるせん断の影響が少なく、摺動面13の近傍の内側領域15に比べて硬く維持することができる。その結果、内側領域15が、せん断を受けて軟らかくなり流動性が増しても、当該外側領域14が蓋のような役割を担い、流動性の増したグリースGの飛散を阻止し、発塵を抑制することができる。さらに、グリースGにおいて不混和ちょう度と混和ちょう度との差を100以上としておけば、せん断を受けた状態と静止状態との間において、グリースGの性状の差を大きくすることができる。これにより、せん断を受け易い内側領域15と、静止状態の外側領域14との間の性状の差が顕著となる。したがって、摺動面13には、流動性が高く潤滑性能に優れるグリースGを主に内側領域15から供給しつつ、そのグリースGの飛散を外側領域14で抑制することができる。
そして、上記のような効果を、増ちょう剤の量を大幅に変えずに達成することができるので、基油および増ちょう剤といったグリース組成物の主成分の配合割合に影響を与えずに済む。そのため、基油の量を潤滑に適した量に維持できるので、転がり軸受1の接触部(摺動面13)に長期に亘って基油を供給することができる。その結果、グリースGの寿命を長くすることができる。
なお、本発明は、上記の実施形態に制限されることなく、他の実施形態で実施することもできる。
例えば、上記の実施形態では、(複列)玉軸受によって構成された転がり軸受1にグリース(G)が封入された例を説明したが、本発明のグリース組成物からなるグリースが封入される軸受は、転動体として玉以外のものが使用された針軸受、ころ軸受等、他の転がり軸受であってもよい。
また、必須成分の添加剤としては、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびグリセロールモノオレートに限らず、グリース組成物の不混和ちょう度を200以下にし、混和ちょう度を250以上に調整できる添加物であれば、これら以外の添加物を使用してもよい。
また、上記の実施形態では、基油と増ちょう剤を予めロール処理した後に添加剤を混合したが、基油、増ちょう剤および添加剤を先に混合し、その後にロール処理を行ってもよい。
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって制限されるものではない。
実施例1〜2および比較例1〜2
<グリースの配合>
各実施例および各比較例について表1に示す配合割合で、基油および増ちょう剤を配合してロール処理した後、添加剤を混合・攪拌することによって、試験用グリース組成物を調製した。得られた試験用グリース組成物に対して、次に示す評価を行った。評価結果を表1および図3に示す。表1において、基油の動粘度はJIS K 2283に準拠して測定された値である。また、Mo−DTCはジアルキルジチオカルバミン酸モリブデンを示し、Zn−Stはステアリン酸亜鉛を示している。
<評価>
(I)グリースのちょう度
各試験用グリース組成物の不混和ちょう度および混和ちょう度を、JIS K 2220に準拠して測定した。
(II)グリースの軸受回転トルクの測定
冠型樹脂保持器を有する非接触シール付の深溝玉軸受6202に、試験用グリース組成物を空間容積比35%で封入したものを2個使いで評価した。また、基油は0.11gを玉に滴下して用いた。そして、図2に示す測定装置を用い、アキシアル予圧(軸負荷)を44N負荷し、室温にて1800r/mで内輪を回転させたときにハウジングに作用する接線力をロードセルで測定し、ハウジング外径寸法から回転トルクを算出した。なお、評価時間は1800sec.とした。
Figure 2016222813
表1によれば、実施例1および2によって、比較例1〜3と同等のトルク性能を達成しながら、比較例1および2では達成できない低発塵を達成できることが分かった。
1…転がり軸受、G…グリース

Claims (8)

  1. 少なくとも基油と増ちょう剤とを含有し、
    200以下の不混和ちょう度、および250以上の混和ちょう度を有する、グリース組成物。
  2. 前記不混和ちょう度と前記混和ちょう度との差が、100以上である、請求項1に記載のグリース組成物。
  3. ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびグリセロールモノオレートの少なくとも一種からなる添加剤を含有している、請求項1または2に記載のグリース組成物。
  4. 前記添加剤を、0.5質量%〜2質量%含有している、請求項3に記載のグリース組成物。
  5. 前記基油と前記増ちょう剤の混合物をロール処理した後に、前記添加剤を混合して得られる、請求項3または4に記載のグリース組成物。
  6. 前記増ちょう剤の平均粒子径が、10μm以下である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のグリース組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載のグリース組成物が封入された、転がり軸受。
  8. 基油と増ちょう剤の混合物をロール処理する工程と、
    ロール処理された前記混合物に、ポリオキシエチレンアルキルアミンおよびグリセロールモノオレートの少なくとも一種からなる添加剤を混合する工程とを含む、グリース組成物の製造方法。
JP2015110435A 2015-05-29 2015-05-29 グリース組成物およびその製造方法、ならびに当該グリース組成物が封入された転がり軸受 Expired - Fee Related JP6722379B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015110435A JP6722379B2 (ja) 2015-05-29 2015-05-29 グリース組成物およびその製造方法、ならびに当該グリース組成物が封入された転がり軸受

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015110435A JP6722379B2 (ja) 2015-05-29 2015-05-29 グリース組成物およびその製造方法、ならびに当該グリース組成物が封入された転がり軸受

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016222813A true JP2016222813A (ja) 2016-12-28
JP6722379B2 JP6722379B2 (ja) 2020-07-15

Family

ID=57747258

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015110435A Expired - Fee Related JP6722379B2 (ja) 2015-05-29 2015-05-29 グリース組成物およびその製造方法、ならびに当該グリース組成物が封入された転がり軸受

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6722379B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN109504513A (zh) * 2019-01-03 2019-03-22 上海润莱博化工有限公司 一种水溶性不锈钢无缝钢管冷轧液及其制备方法
JPWO2020059346A1 (ja) * 2018-09-21 2020-12-17 ミネベアミツミ株式会社 グリース組成物を用いた転がり軸受
WO2022045233A1 (ja) * 2020-08-28 2022-03-03 Ntn株式会社 グリース組成物および転がり軸受

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5628294A (en) * 1979-08-16 1981-03-19 Nippon Seiko Kk Lithium complex grease and its preparation
JPH024895A (ja) * 1988-06-23 1990-01-09 Kyodo Yushi Kk 音響特性を改善するウレアグリースの製造方法
JP2001226688A (ja) * 2000-02-17 2001-08-21 Ntn Corp 低発塵性潤滑グリースおよび転がり軸受並びに直動装置
JP2005133791A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Koyo Seiko Co Ltd 減速機とそれを用いた電動パワーステアリング装置
JP2005247971A (ja) * 2004-03-03 2005-09-15 Nsk Ltd 樹脂潤滑用グリース組成物、ギア装置及び電動パワーステアリング装置
JP2010106256A (ja) * 2008-09-30 2010-05-13 Showa Shell Sekiyu Kk 樹脂潤滑用グリース組成物
JP2011231268A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 Jx Nippon Oil & Energy Corp 集中給油システム用潤滑剤組成物
WO2014034761A1 (ja) * 2012-08-31 2014-03-06 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 電動パワーステアリング装置用グリース組成物及び電動パワーステアリング装置
WO2015008856A1 (ja) * 2013-07-19 2015-01-22 Ntn株式会社 転がり軸受

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5628294A (en) * 1979-08-16 1981-03-19 Nippon Seiko Kk Lithium complex grease and its preparation
JPH024895A (ja) * 1988-06-23 1990-01-09 Kyodo Yushi Kk 音響特性を改善するウレアグリースの製造方法
JP2001226688A (ja) * 2000-02-17 2001-08-21 Ntn Corp 低発塵性潤滑グリースおよび転がり軸受並びに直動装置
JP2005133791A (ja) * 2003-10-29 2005-05-26 Koyo Seiko Co Ltd 減速機とそれを用いた電動パワーステアリング装置
JP2005247971A (ja) * 2004-03-03 2005-09-15 Nsk Ltd 樹脂潤滑用グリース組成物、ギア装置及び電動パワーステアリング装置
JP2010106256A (ja) * 2008-09-30 2010-05-13 Showa Shell Sekiyu Kk 樹脂潤滑用グリース組成物
JP2011231268A (ja) * 2010-04-30 2011-11-17 Jx Nippon Oil & Energy Corp 集中給油システム用潤滑剤組成物
WO2014034761A1 (ja) * 2012-08-31 2014-03-06 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 電動パワーステアリング装置用グリース組成物及び電動パワーステアリング装置
WO2015008856A1 (ja) * 2013-07-19 2015-01-22 Ntn株式会社 転がり軸受

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPWO2020059346A1 (ja) * 2018-09-21 2020-12-17 ミネベアミツミ株式会社 グリース組成物を用いた転がり軸受
JP2021046557A (ja) * 2018-09-21 2021-03-25 ミネベアミツミ株式会社 グリース組成物を用いた転がり軸受
JP7297731B2 (ja) 2018-09-21 2023-06-26 ミネベアミツミ株式会社 グリース組成物を用いた転がり軸受
CN109504513A (zh) * 2019-01-03 2019-03-22 上海润莱博化工有限公司 一种水溶性不锈钢无缝钢管冷轧液及其制备方法
CN109504513B (zh) * 2019-01-03 2022-04-29 上海润莱博化工有限公司 一种水溶性不锈钢无缝钢管冷轧液及其制备方法
WO2022045233A1 (ja) * 2020-08-28 2022-03-03 Ntn株式会社 グリース組成物および転がり軸受

Also Published As

Publication number Publication date
JP6722379B2 (ja) 2020-07-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2687584B1 (en) Grease composition
JP6691679B2 (ja) グリース組成物および当該グリース組成物が封入された転がり軸受
JP5729590B2 (ja) グリース組成物、グリース封入軸受、自在継手および直動装置
JP5516679B2 (ja) 潤滑油組成物
JP6722379B2 (ja) グリース組成物およびその製造方法、ならびに当該グリース組成物が封入された転がり軸受
JP2020041162A (ja) グリース組成物
WO2016002739A1 (ja) 潤滑剤組成物および潤滑剤組成物封入軸受
US20180112147A1 (en) Grease Composition and Rolling Bearing in Which Grease Composition is Sealed
JP6764560B2 (ja) 転がり軸受
JP2009029876A (ja) グリース組成物及び転がり軸受
JP2013035946A (ja) グリースおよび密封軸受
EP3178910B1 (en) Grease composition
JP7166068B2 (ja) グリース封入転がり軸受
JP5685141B2 (ja) グリース組成物、グリース封入軸受、自在継手および直動装置
WO2018180826A1 (ja) グリース組成物、転がり軸受、およびハブベアリング
JP2006316082A (ja) グリース組成物およびグリース封入転がり軸受
JP6480785B2 (ja) グリース組成物
WO2021070887A1 (ja) グリース組成物および転がり玉軸受
JP2005132900A (ja) グリース組成物及び転がり軸受
JP2017025189A (ja) グリース組成物、グリース封入軸受、自在継手および直動装置
JP2007303636A (ja) ロボット用転がり軸受
JP2017206618A (ja) グリース組成物およびその製造方法、ならびに当該グリース組成物が封入された転がり軸受
JP2021063154A (ja) グリース組成物および転がり玉軸受
JP2015224269A (ja) グリース組成物及び転がり軸受
JP2008120858A (ja) 圧延機ロールネック用軸受

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180328

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190110

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190416

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190822

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190917

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200123

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200312

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20200521

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20200603

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6722379

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees