JPH11166159A - 光学基板の接着方法 - Google Patents
光学基板の接着方法Info
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- JPH11166159A JPH11166159A JP33211097A JP33211097A JPH11166159A JP H11166159 A JPH11166159 A JP H11166159A JP 33211097 A JP33211097 A JP 33211097A JP 33211097 A JP33211097 A JP 33211097A JP H11166159 A JPH11166159 A JP H11166159A
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- adhesive sheet
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 接着剤層のはみ出しがなく、かつ感圧接着性
により容易に接着することができる光学基板の接着方法
を得る。 【解決手段】 一方の光学基板の接着すべき面の上に光
カチオン重合性の粘接着シートを貼り合わせ、この粘接
着シートに対して活性波長の光を照射した後、この粘接
着シートの上に他方の光学基板を貼り合わせて接着する
ことを特徴としている。
により容易に接着することができる光学基板の接着方法
を得る。 【解決手段】 一方の光学基板の接着すべき面の上に光
カチオン重合性の粘接着シートを貼り合わせ、この粘接
着シートに対して活性波長の光を照射した後、この粘接
着シートの上に他方の光学基板を貼り合わせて接着する
ことを特徴としている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学的に情報を記
録する光ディスク等の製造工程において、光学基板を接
着する方法に関するものである。
録する光ディスク等の製造工程において、光学基板を接
着する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光学的に情報を記録する光ディスクは、
透明なプラスチック製の光学基板の片面にレーザー光等
でピットと呼ばれる情報記録層が形成された光記録媒体
である。通常、ピットには真空スパッタ等により金属反
射膜が形成されており、記録された情報を再生する際に
は、レーザー光をこのピットに照射し、その反射光によ
り情報を検知する。
透明なプラスチック製の光学基板の片面にレーザー光等
でピットと呼ばれる情報記録層が形成された光記録媒体
である。通常、ピットには真空スパッタ等により金属反
射膜が形成されており、記録された情報を再生する際に
は、レーザー光をこのピットに照射し、その反射光によ
り情報を検知する。
【0003】通常、光ディスクの情報記録層には、外部
からの応力、キズや埃の影響をなくすため、同種のプラ
スチック製光学基板が貼り合わされている。従って、光
ディスクの製造工程においては、情報記録層を形成した
光学基板と、補強用の光学基板とを接着剤等により接着
している。
からの応力、キズや埃の影響をなくすため、同種のプラ
スチック製光学基板が貼り合わされている。従って、光
ディスクの製造工程においては、情報記録層を形成した
光学基板と、補強用の光学基板とを接着剤等により接着
している。
【0004】例えば、特開昭62−6244号公報で
は、ウレタンアクリレート系の液状接着剤を光ラジカル
重合させて光ディスクを接着させている。この方法によ
れば、光硬化により接着させているので、熱硬化タイプ
と比較して、光ディスクの反りや歪みが少なくなるとい
う利点がある。
は、ウレタンアクリレート系の液状接着剤を光ラジカル
重合させて光ディスクを接着させている。この方法によ
れば、光硬化により接着させているので、熱硬化タイプ
と比較して、光ディスクの反りや歪みが少なくなるとい
う利点がある。
【0005】「電子材料」1996年6月号46〜49
頁(工業調査会刊)には、DVD(デジタル・ビデオ・
ディスク)の製造工程において、両面テープを用いて光
学基板を貼り合わせることが記載されている。両面テー
プとしては、透明性、厚みの均一性、接着力に優れたア
クリル系の両面テープが用いられており、これにより片
面読み取り2層ディスク(SD−9)を接着している。
SD−9は、2枚のディスクに半透明型記録層を設け
て、記録層同士を接着剤で貼り合わせ、片面側からレー
ザー光で2面の記録層を読み取るもので、接着層に高度
な透明性と厚み精度が要求される。粘着テープによる接
着方法は、液状接着剤を塗布する方法と比較して、厚み
精度のコントロールが容易で、感圧接着により短時間で
接着することができ、接着時間を大幅に削減できる。
頁(工業調査会刊)には、DVD(デジタル・ビデオ・
ディスク)の製造工程において、両面テープを用いて光
学基板を貼り合わせることが記載されている。両面テー
プとしては、透明性、厚みの均一性、接着力に優れたア
クリル系の両面テープが用いられており、これにより片
面読み取り2層ディスク(SD−9)を接着している。
SD−9は、2枚のディスクに半透明型記録層を設け
て、記録層同士を接着剤で貼り合わせ、片面側からレー
ザー光で2面の記録層を読み取るもので、接着層に高度
な透明性と厚み精度が要求される。粘着テープによる接
着方法は、液状接着剤を塗布する方法と比較して、厚み
精度のコントロールが容易で、感圧接着により短時間で
接着することができ、接着時間を大幅に削減できる。
【0006】また、粘着テープを事前に任意の形状に切
断加工することができるため、接着形状が複雑な光ディ
スクの接着も容易に行うことができる。
断加工することができるため、接着形状が複雑な光ディ
スクの接着も容易に行うことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、液状の
光ラジカル重合硬化型接着剤を用いた場合は、被着体に
塗布する装置が必要となり、さらに接着剤が溶剤を含む
場合は脱溶剤工程が必要となる。これらの工程は、光学
情報記録媒体を製造する上において、製造コスト上昇の
要因となり、歩留りが低下する要因となる。また、光ラ
ジカル反応は、光照射している間だけ硬化が進行するた
め、半透明記録層部分や金属反射膜によって光が到達し
ない部分は硬化させることができないという問題があ
る。また、粘着テープを用いて接着させる場合、接着力
や耐熱性が接着剤に比べ劣るため、十分な耐久性が得ら
れないという問題がある。
光ラジカル重合硬化型接着剤を用いた場合は、被着体に
塗布する装置が必要となり、さらに接着剤が溶剤を含む
場合は脱溶剤工程が必要となる。これらの工程は、光学
情報記録媒体を製造する上において、製造コスト上昇の
要因となり、歩留りが低下する要因となる。また、光ラ
ジカル反応は、光照射している間だけ硬化が進行するた
め、半透明記録層部分や金属反射膜によって光が到達し
ない部分は硬化させることができないという問題があ
る。また、粘着テープを用いて接着させる場合、接着力
や耐熱性が接着剤に比べ劣るため、十分な耐久性が得ら
れないという問題がある。
【0008】特開平7−126577号公報において
は、このような問題を解消するため、液状の光カチオン
重合硬化型接着剤を用いる方法が提案されている。この
方法によれば、エポキシ等の光カチオン重合反応が、光
照射を中断しても反応が継続的に進行し、最終硬化物が
得られるという性能を利用している。すなわち、光カチ
オン重合硬化型接着剤に光を照射した後に、この接着剤
に感圧性が残っているうちに、被着体と接合するという
ものである。貼り合わせ時の接着剤は感圧性を示すた
め、粘着テープと同様に接着が容易で、貼り合わせた
後、経時的に硬化が進行して高強度な接着構造となるた
め耐久性も十分に得られる。
は、このような問題を解消するため、液状の光カチオン
重合硬化型接着剤を用いる方法が提案されている。この
方法によれば、エポキシ等の光カチオン重合反応が、光
照射を中断しても反応が継続的に進行し、最終硬化物が
得られるという性能を利用している。すなわち、光カチ
オン重合硬化型接着剤に光を照射した後に、この接着剤
に感圧性が残っているうちに、被着体と接合するという
ものである。貼り合わせ時の接着剤は感圧性を示すた
め、粘着テープと同様に接着が容易で、貼り合わせた
後、経時的に硬化が進行して高強度な接着構造となるた
め耐久性も十分に得られる。
【0009】しかしながら、このような方法では、液状
の接着剤を用いるため、接着工程において光学基板に均
一に塗布する必要がある。また、感圧性を示す状態にお
いては、凝集力が低く流動性があるため、貼り合わせた
ときに接着剤のはみ出しを生じるという問題があった。
の接着剤を用いるため、接着工程において光学基板に均
一に塗布する必要がある。また、感圧性を示す状態にお
いては、凝集力が低く流動性があるため、貼り合わせた
ときに接着剤のはみ出しを生じるという問題があった。
【0010】本発明の目的は、このような感圧接着剤の
凝集力不足によるはみ出し等を生じることなく、また貼
り合わせの際に感圧接着性で被着体に容易に接着するこ
とができる光学基板の接着方法を提供することにある。
凝集力不足によるはみ出し等を生じることなく、また貼
り合わせの際に感圧接着性で被着体に容易に接着するこ
とができる光学基板の接着方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、光学基板同士
を接着する方法であり、一方の光学基板の接着すべき面
の上に、光カチオン重合性の粘接着シートを貼り合わ
せ、この粘接着シートに対して活性波長の光を照射した
後、この粘接着シートの上に他方の光学基板を貼り合わ
せて接着することを特徴とする光学基板の接着方法であ
る。
を接着する方法であり、一方の光学基板の接着すべき面
の上に、光カチオン重合性の粘接着シートを貼り合わ
せ、この粘接着シートに対して活性波長の光を照射した
後、この粘接着シートの上に他方の光学基板を貼り合わ
せて接着することを特徴とする光学基板の接着方法であ
る。
【0012】本発明によれば、十分な粘着性と凝集力を
有する光カチオン重合性の粘接着シートを一方の光学基
板の接着すべき面の上に貼り合わせた後、活性波長の光
を照射する。従って、粘接着シートは光カチオン重合に
より硬化していくが、直ちには粘着性が消失しないの
で、他方の光学基板を貼り合わせることができる。ま
た、液状接着剤のような接着剤のはみ出し等を生じるこ
とがなく、接着剤層の厚み精度が良好である。さらに、
予め所望の形状に加工することができるため基板の接着
工程を大幅に簡略化できる。
有する光カチオン重合性の粘接着シートを一方の光学基
板の接着すべき面の上に貼り合わせた後、活性波長の光
を照射する。従って、粘接着シートは光カチオン重合に
より硬化していくが、直ちには粘着性が消失しないの
で、他方の光学基板を貼り合わせることができる。ま
た、液状接着剤のような接着剤のはみ出し等を生じるこ
とがなく、接着剤層の厚み精度が良好である。さらに、
予め所望の形状に加工することができるため基板の接着
工程を大幅に簡略化できる。
【0013】以下、本発明をさらに詳細に説明する。光カチオン重合性の粘接着シートの作製 まず、光重合性の粘接着剤(以下、「粘接着剤」とい
う)をシート状に加工して、光カチオン重合性の粘接着
シート(以下、「粘接着シート」という)を作製する。
う)をシート状に加工して、光カチオン重合性の粘接着
シート(以下、「粘接着シート」という)を作製する。
【0014】この粘接着シートは、光照射前、感圧性を
有しており、指圧あるいはラミネート程度の軽微な圧力
で、光学基板に圧着することができる。粘接着シート
は、高度の厚み精度が要求される場合が多く、また光学
情報の記録読み取りを容易にする観点から、光透過率の
高いものが好ましい。
有しており、指圧あるいはラミネート程度の軽微な圧力
で、光学基板に圧着することができる。粘接着シート
は、高度の厚み精度が要求される場合が多く、また光学
情報の記録読み取りを容易にする観点から、光透過率の
高いものが好ましい。
【0015】粘着シートの厚みは、10〜100μm程
度が好ましい。この厚みが厚すぎると、全体としての厚
みが増加し、光記録媒体の小型化が図れなかったり、情
報の記録及び再生の際に精度が低くなったりする。ま
た、厚みが薄すぎると、被着体の凹凸に追従できない場
合がある。粘着シートの厚み精度は、規定厚みに対して
±10%以下が好ましく、さらに好ましくは±5%以下
である。光透過率は、80%以上であることが好まし
い。光透過率が低いと、情報を記録再生する際の精度が
低くなる場合がある。
度が好ましい。この厚みが厚すぎると、全体としての厚
みが増加し、光記録媒体の小型化が図れなかったり、情
報の記録及び再生の際に精度が低くなったりする。ま
た、厚みが薄すぎると、被着体の凹凸に追従できない場
合がある。粘着シートの厚み精度は、規定厚みに対して
±10%以下が好ましく、さらに好ましくは±5%以下
である。光透過率は、80%以上であることが好まし
い。光透過率が低いと、情報を記録再生する際の精度が
低くなる場合がある。
【0016】粘接着シートは、粘接着剤を加工すること
により作製する。作製の際、粘接着剤を適当な支持体上
に支持して作製してもよい。このような支持体として
は、透明性を有するプラスチックフィルムが好適に用い
られ、例えば、ポリエステル類、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリスチレン等
のフィルムを用いることができる。このような粘接着シ
ートの作製において、厚み、厚み精度、光透過率が上記
の値となるように作製されることが好ましい。また、粘
接着シート全体の光屈折率は、被着体である光学基板に
近いことが好ましい。これにより、情報の記録再生の精
度を高めることができる。
により作製する。作製の際、粘接着剤を適当な支持体上
に支持して作製してもよい。このような支持体として
は、透明性を有するプラスチックフィルムが好適に用い
られ、例えば、ポリエステル類、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリスチレン等
のフィルムを用いることができる。このような粘接着シ
ートの作製において、厚み、厚み精度、光透過率が上記
の値となるように作製されることが好ましい。また、粘
接着シート全体の光屈折率は、被着体である光学基板に
近いことが好ましい。これにより、情報の記録再生の精
度を高めることができる。
【0017】本発明において用いる粘接着シートは、セ
パレーターで粘接着面が保護されていることが好まし
い。これにより、粘接着面へのゴミや埃の付着を防止す
ることができ、粘接着シートが不必要に付着するのを防
止することができる。セパレーターの光透過性は、粘接
着シートの粘接着剤の活性波長の光を透過しにくいこと
が好ましい。これは、不必要に粘接着シートが重合硬化
するのを防止するためである。セパレーターの光透過率
は、粘接着シートの活性波長において10%以下が好ま
しく、さらに好ましくは1%以下である。
パレーターで粘接着面が保護されていることが好まし
い。これにより、粘接着面へのゴミや埃の付着を防止す
ることができ、粘接着シートが不必要に付着するのを防
止することができる。セパレーターの光透過性は、粘接
着シートの粘接着剤の活性波長の光を透過しにくいこと
が好ましい。これは、不必要に粘接着シートが重合硬化
するのを防止するためである。セパレーターの光透過率
は、粘接着シートの活性波長において10%以下が好ま
しく、さらに好ましくは1%以下である。
【0018】セパレーターとしては、ポリエステル、
紙、布、ポリオレフィン、TPX、金属(箔及び蒸着物
を含む)あるいはこれらの複合材料が好適に用いられ
る。剥離力を調整するために、シリコーン樹脂、長鎖ア
ルキル基を有する樹脂等の非シリコーン樹脂等の公知の
離型剤をこれらセパレーターの上に塗工してもよい。
紙、布、ポリオレフィン、TPX、金属(箔及び蒸着物
を含む)あるいはこれらの複合材料が好適に用いられ
る。剥離力を調整するために、シリコーン樹脂、長鎖ア
ルキル基を有する樹脂等の非シリコーン樹脂等の公知の
離型剤をこれらセパレーターの上に塗工してもよい。
【0019】これらのセパレーターは、シートを作製す
るときに同時に粘接着面に貼られるのが好ましい。例え
ば、溶剤や加熱溶融により十分に液化した粘接着剤を、
セパレーター上に塗工したり転写する方法が一般的であ
る。
るときに同時に粘接着面に貼られるのが好ましい。例え
ば、溶剤や加熱溶融により十分に液化した粘接着剤を、
セパレーター上に塗工したり転写する方法が一般的であ
る。
【0020】粘接着シートの光学基板への貼り合わせ 粘接着シートを積層すべき一方の光学基板の接着すべき
面の上に圧着により貼り合わせる。粘接着シートの粘接
着面がセパレーターによって保護されている場合は、セ
パレーターを剥離しながら露出した粘接着面を光学基板
に貼り合わせるのが好ましい。
面の上に圧着により貼り合わせる。粘接着シートの粘接
着面がセパレーターによって保護されている場合は、セ
パレーターを剥離しながら露出した粘接着面を光学基板
に貼り合わせるのが好ましい。
【0021】本発明の粘接着シートは感圧性を有してい
るため加圧することにより圧着することができる。圧着
方法は、ラミネート、プレスあるいはこれらの併用等の
公知の方法を用いることができる。
るため加圧することにより圧着することができる。圧着
方法は、ラミネート、プレスあるいはこれらの併用等の
公知の方法を用いることができる。
【0022】ラミネートによる貼り合わせは、回転する
上下の2本の圧着ローラーに光学基板と粘接着シートを
差し込み連続的に圧着する方法である。圧着ローラー
は、一般にゴムローラーから構成されており、この圧着
ローラー間の隙間を調整することにより、圧力(ラミネ
ート圧)を制御することができる。ローラーの表面材質
としては、NBR、エチレン−プロピレンゴム、エチレ
ン−プロピレン−ジエンゴム、シリコーンゴム、ポリテ
トラフルオロエチレン等の適度な硬度と弾性及び剥離性
を有する弾性材料が用いられる。硬度及び弾性について
は、貼り合わせする材料の種類により適宜設定される。
剥離性は、ローラーを通過した光学基板及び粘接着シー
トがローラーに接着しないように調整される。一般に
は、市販の任意のラミネート機を用いることができる。
上下の2本の圧着ローラーに光学基板と粘接着シートを
差し込み連続的に圧着する方法である。圧着ローラー
は、一般にゴムローラーから構成されており、この圧着
ローラー間の隙間を調整することにより、圧力(ラミネ
ート圧)を制御することができる。ローラーの表面材質
としては、NBR、エチレン−プロピレンゴム、エチレ
ン−プロピレン−ジエンゴム、シリコーンゴム、ポリテ
トラフルオロエチレン等の適度な硬度と弾性及び剥離性
を有する弾性材料が用いられる。硬度及び弾性について
は、貼り合わせする材料の種類により適宜設定される。
剥離性は、ローラーを通過した光学基板及び粘接着シー
トがローラーに接着しないように調整される。一般に
は、市販の任意のラミネート機を用いることができる。
【0023】プレス圧着は、ステンレス、鉄、アルミ等
の金属製のプレス板に、光学基板と粘接着シートを差し
込んで、バッチ式に加圧する圧着方法である。ラミネー
トによる貼り合わせに比べ、高い圧力で貼り合わせする
ことができるが、バッチ式であるため連続的な貼り合わ
せを行うことができない。また、加圧するときに十分エ
ア抜きをしないと気泡を巻き込むことがあるため、好ま
しくはラミネートにより圧着する。
の金属製のプレス板に、光学基板と粘接着シートを差し
込んで、バッチ式に加圧する圧着方法である。ラミネー
トによる貼り合わせに比べ、高い圧力で貼り合わせする
ことができるが、バッチ式であるため連続的な貼り合わ
せを行うことができない。また、加圧するときに十分エ
ア抜きをしないと気泡を巻き込むことがあるため、好ま
しくはラミネートにより圧着する。
【0024】上記の貼り合わせにおいて、貼り合わせの
際に光学基板及び粘接着シートを加熱することにより、
さらに密着力を向上させることができる。加熱は、上記
のローラーあるいはプレス板を加熱しても、光学基板及
び粘接着シートを加熱してもよい。後者の場合は、直接
赤外線、電磁波、熱風等をあててもよく、加熱板等を繰
り出し部分に設置してもよい。
際に光学基板及び粘接着シートを加熱することにより、
さらに密着力を向上させることができる。加熱は、上記
のローラーあるいはプレス板を加熱しても、光学基板及
び粘接着シートを加熱してもよい。後者の場合は、直接
赤外線、電磁波、熱風等をあててもよく、加熱板等を繰
り出し部分に設置してもよい。
【0025】加熱する場合、光学基板が熱により歪まな
い温度に設定することが好ましく、光学基板の熱変形温
度未満の温度に加熱することが好ましい。また、貼り合
わせの際の圧力が高いと、光学基板の歪み及び破損等が
発生するため、曲げ歪み等が生じない圧力に設定される
べきである。一般的には、10kg/cm2 以下が好ま
しい。
い温度に設定することが好ましく、光学基板の熱変形温
度未満の温度に加熱することが好ましい。また、貼り合
わせの際の圧力が高いと、光学基板の歪み及び破損等が
発生するため、曲げ歪み等が生じない圧力に設定される
べきである。一般的には、10kg/cm2 以下が好ま
しい。
【0026】また、上記貼り合わせの後、オートクレー
ブ処理を施してもよい。オートクレーブ処理は、上記貼
り合わせ工程で光学基板と粘接着シートの間に気泡の巻
き込みがあった場合、これを抜くための方法である。気
泡が巻き込まれていると、その部分の密着性が阻害さ
れ、さらには光学情報の記録再生時にバグが発生する可
能性がある。オートクレーブ処理は、圧力、温度ともに
上記圧着工程と同様の条件範囲が好ましい。また、時間
は脱気する気泡の量に応じて決定される。一般的に、長
時間処理するとより多くの気泡を抜くことができる。本
発明において、このオートクレーブ処理は必ずしも必要
ではなく、補助的な手段である。
ブ処理を施してもよい。オートクレーブ処理は、上記貼
り合わせ工程で光学基板と粘接着シートの間に気泡の巻
き込みがあった場合、これを抜くための方法である。気
泡が巻き込まれていると、その部分の密着性が阻害さ
れ、さらには光学情報の記録再生時にバグが発生する可
能性がある。オートクレーブ処理は、圧力、温度ともに
上記圧着工程と同様の条件範囲が好ましい。また、時間
は脱気する気泡の量に応じて決定される。一般的に、長
時間処理するとより多くの気泡を抜くことができる。本
発明において、このオートクレーブ処理は必ずしも必要
ではなく、補助的な手段である。
【0027】粘接着シートに対する光照射 上記のようにして光学基板に粘接着シートを貼り合わせ
た後、粘接着シートを保護している他方のセパレーター
を剥離して光を照射する。
た後、粘接着シートを保護している他方のセパレーター
を剥離して光を照射する。
【0028】照射する光は、粘接着シートの粘接着剤の
光カチオン重合を生じさせる活性波長光を有する光が選
ばれる。光カチオン重合を生じさせる光としては、マイ
クロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、γ線などを用
いることができるが、一般的に取り扱いが容易かつ便利
であり、比較的高エネルギーを得ることができる紫外線
が好適に用いられる。より好ましくは、波長200〜4
00nmの紫外線が用いられる。このような紫外線は、
高圧水銀灯、マイクロ波励起型ランプ、ケミカルランプ
などの適宜の光源を用いて照射することができる。
光カチオン重合を生じさせる活性波長光を有する光が選
ばれる。光カチオン重合を生じさせる光としては、マイ
クロ波、赤外線、可視光、紫外線、X線、γ線などを用
いることができるが、一般的に取り扱いが容易かつ便利
であり、比較的高エネルギーを得ることができる紫外線
が好適に用いられる。より好ましくは、波長200〜4
00nmの紫外線が用いられる。このような紫外線は、
高圧水銀灯、マイクロ波励起型ランプ、ケミカルランプ
などの適宜の光源を用いて照射することができる。
【0029】カチオン重合反応は、光照射後もカチオン
開始種が消失せず、反応が継続されるため、反応速度を
コントロールすることで、光照射後もシートはしばらく
の間感圧性を保持することができる。
開始種が消失せず、反応が継続されるため、反応速度を
コントロールすることで、光照射後もシートはしばらく
の間感圧性を保持することができる。
【0030】光照射後の粘接着シートに対する他方の光
学基板の貼り合わせ 粘接着シートに光照射した後、他方の光学基板をこの粘
接着シートの上に貼り合わせて接着する。接着方法は、
一方の光学基板と粘接着シートの貼り合わせと同様であ
るが、最初の貼り合わせと異なり、板状の基板同士の接
着になるため、加圧前に積層して位置決めしただけで、
基板の自重で圧着してしまう場合がある。このような場
合、多量の気泡を巻き込むことになり、光学情報の記録
再生時に精度が不十分となり、また接着力が不均一にな
り耐久性が低くなる。このような現象を防止するため、
他方の光学基板を貼り合わせる際の粘接着シートの感圧
性を、ボールタックで10以下にすることが好ましく、
さらに好ましくは5以下にする。ボールタックが低けれ
ば、自重による圧着を防止することができ、気泡の巻き
込みを低減することができる。
学基板の貼り合わせ 粘接着シートに光照射した後、他方の光学基板をこの粘
接着シートの上に貼り合わせて接着する。接着方法は、
一方の光学基板と粘接着シートの貼り合わせと同様であ
るが、最初の貼り合わせと異なり、板状の基板同士の接
着になるため、加圧前に積層して位置決めしただけで、
基板の自重で圧着してしまう場合がある。このような場
合、多量の気泡を巻き込むことになり、光学情報の記録
再生時に精度が不十分となり、また接着力が不均一にな
り耐久性が低くなる。このような現象を防止するため、
他方の光学基板を貼り合わせる際の粘接着シートの感圧
性を、ボールタックで10以下にすることが好ましく、
さらに好ましくは5以下にする。ボールタックが低けれ
ば、自重による圧着を防止することができ、気泡の巻き
込みを低減することができる。
【0031】以上のようにして粘接着シートを介して積
層した2枚の光学基板の積層体は、粘接着シートのカチ
オン重合反応が経時的に進行して、最終的に接着剤レベ
ルの強固な接着力が得られる。粘接着シートにおける硬
化反応を加速するために、さらに加熱、加湿、光の照射
を実施してもよい。
層した2枚の光学基板の積層体は、粘接着シートのカチ
オン重合反応が経時的に進行して、最終的に接着剤レベ
ルの強固な接着力が得られる。粘接着シートにおける硬
化反応を加速するために、さらに加熱、加湿、光の照射
を実施してもよい。
【0032】以上のように、本発明に従い、粘接着シー
トを用いて光学基板を接着することにより、従来の液状
接着剤による接着と比較して、接着剤の溶剤及び硬化剤
による環境への影響をなくすことができる。また塗布工
程が不要なため、接着工程を短縮化することができる。
トを用いて光学基板を接着することにより、従来の液状
接着剤による接着と比較して、接着剤の溶剤及び硬化剤
による環境への影響をなくすことができる。また塗布工
程が不要なため、接着工程を短縮化することができる。
【0033】さらに、本発明においては、粘接着シート
を用いているため、複雑な形状に粘接着シートを加工す
ることができる。また、適当な凝集力を有しており、光
学基板を貼り合わせる際の粘接着剤のはみ出しを防止す
ることができる。従って、はみ出し部分の切除処理やマ
スキング等が不要になる。また、粘接着シートは高い寸
法安定性を有している。
を用いているため、複雑な形状に粘接着シートを加工す
ることができる。また、適当な凝集力を有しており、光
学基板を貼り合わせる際の粘接着剤のはみ出しを防止す
ることができる。従って、はみ出し部分の切除処理やマ
スキング等が不要になる。また、粘接着シートは高い寸
法安定性を有している。
【0034】粘接着シートの粘接着剤成分 本発明においては、粘接着剤シートの粘接着剤成分とし
て、粘着性ポリマー、カチオン重合性化合物及び光カチ
オン重合開始剤を必須成分とする粘接着剤を用いること
が好ましい。粘着性ポリマーとしては、アクリル系、シ
リコーン系、ビニルエーテル系等汎用のポリマーを例示
できるが、特にアクリル系ポリマーが好ましい。
て、粘着性ポリマー、カチオン重合性化合物及び光カチ
オン重合開始剤を必須成分とする粘接着剤を用いること
が好ましい。粘着性ポリマーとしては、アクリル系、シ
リコーン系、ビニルエーテル系等汎用のポリマーを例示
できるが、特にアクリル系ポリマーが好ましい。
【0035】アクリル系ポリマーとしては、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルを主成分とする共重合体が好
ましく、アルキル基の鎖長は炭素数が1〜12が好まし
く、さらに好ましくは1〜8である。
クリル酸アルキルエステルを主成分とする共重合体が好
ましく、アルキル基の鎖長は炭素数が1〜12が好まし
く、さらに好ましくは1〜8である。
【0036】共重合成分としては、(メタ)アクリル
酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、2−アクリ
ロイルオキシエチル琥珀酸、β−カルボキシエチルアク
リレート等のCOOH基含有モノマー、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトンアク
リレート、ポリエチレングリコールアクリレート等のO
H基含有モノマー、アクリロニトリル、酢酸ビニル、N
−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリン、スチレ
ン、及び上記のマクロモノマー等のラジカル共重合性不
飽和結合基を有するモノマーが挙げられる。
酸、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、2−アクリ
ロイルオキシエチル琥珀酸、β−カルボキシエチルアク
リレート等のCOOH基含有モノマー、2−ヒドロキシ
エチル(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトンアク
リレート、ポリエチレングリコールアクリレート等のO
H基含有モノマー、アクリロニトリル、酢酸ビニル、N
−ビニルピロリドン、N−ビニルオキサゾリン、スチレ
ン、及び上記のマクロモノマー等のラジカル共重合性不
飽和結合基を有するモノマーが挙げられる。
【0037】また、上記共重合体は、さらにカチオン重
合性官能基を有するモノマーを共重合していてもよい。
このようなカチオン重合性官能基を有するラジカル重合
性化合物としては、ビニルエーテル基、エピスルフィド
基、エチレンイミン基、水酸基またはエポキシ基を有す
る種々のモノマー、オリゴマーが挙げられ、具体的には
グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
合性官能基を有するモノマーを共重合していてもよい。
このようなカチオン重合性官能基を有するラジカル重合
性化合物としては、ビニルエーテル基、エピスルフィド
基、エチレンイミン基、水酸基またはエポキシ基を有す
る種々のモノマー、オリゴマーが挙げられ、具体的には
グリシジル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0038】粘着剤中に必須成分として含有されるカチ
オン重合性化合物としては、ビニルエーテル基、エピス
ルフィド基、エチレンイミン基及び/またはエポキシ基
を有する種々の化合物が挙げられる。なお、このカチオ
ン重合性化合物は、上述のように、上記アクリル系ポリ
マー中に共重合成分として配合されていてもよい。ま
た、単独成分として配合される場合、上記アクリル系ポ
リマーと均一に相溶するものが好ましい。
オン重合性化合物としては、ビニルエーテル基、エピス
ルフィド基、エチレンイミン基及び/またはエポキシ基
を有する種々の化合物が挙げられる。なお、このカチオ
ン重合性化合物は、上述のように、上記アクリル系ポリ
マー中に共重合成分として配合されていてもよい。ま
た、単独成分として配合される場合、上記アクリル系ポ
リマーと均一に相溶するものが好ましい。
【0039】カチオン重合性化合物としては、好ましく
は、エポキシ基を有する化合物が用いられる。エポキシ
基の開環重合は反応性が高く、かつ硬化時間が短いた
め、接着工程の短縮化を図ることができる。さらに、凝
集力及び弾性率も高いため、耐熱性及び接着強度に優れ
た接着硬化物を得ることができる。例えば、プリント回
路基板やフレキシブルプリント基板の製造工程における
半田付け等の高熱にさらされる工程においても、剥離や
ズレ等の接着異常を効果的に防止することができる。
は、エポキシ基を有する化合物が用いられる。エポキシ
基の開環重合は反応性が高く、かつ硬化時間が短いた
め、接着工程の短縮化を図ることができる。さらに、凝
集力及び弾性率も高いため、耐熱性及び接着強度に優れ
た接着硬化物を得ることができる。例えば、プリント回
路基板やフレキシブルプリント基板の製造工程における
半田付け等の高熱にさらされる工程においても、剥離や
ズレ等の接着異常を効果的に防止することができる。
【0040】上記エポキシ基を有する化合物としては、
エポキシ樹脂が好適に用いられる。エポキシ樹脂として
は、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フェノ
ールノボラック型、クレゾールノボラック型、グリシジ
ルエーテル型、グリシジルアミン型等のエポキシ樹脂を
挙げることができる。また、エポキシ基含有オリゴマー
も好適に用いることができる。例えば、ビスフェノール
A型エポキシオリゴマー(油化シェルエポキシ社製、商
品名「エピコート1001」及び「エピコート100
2」等)を挙げることができる。
エポキシ樹脂が好適に用いられる。エポキシ樹脂として
は、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フェノ
ールノボラック型、クレゾールノボラック型、グリシジ
ルエーテル型、グリシジルアミン型等のエポキシ樹脂を
挙げることができる。また、エポキシ基含有オリゴマー
も好適に用いることができる。例えば、ビスフェノール
A型エポキシオリゴマー(油化シェルエポキシ社製、商
品名「エピコート1001」及び「エピコート100
2」等)を挙げることができる。
【0041】さらに、上記エポキシ基含有モノマーやオ
リゴマーの付加重合体を用いてもよい。具体例として、
例えば、グリシジル化ポリエステル、グリシジル化ポリ
ウレタン、グリシジル化アクリルなどを挙げることがで
きる。
リゴマーの付加重合体を用いてもよい。具体例として、
例えば、グリシジル化ポリエステル、グリシジル化ポリ
ウレタン、グリシジル化アクリルなどを挙げることがで
きる。
【0042】上記カチオン重合性化合物は、必要に応じ
て、異種の樹脂で変性されていてもよく、官能基が変性
されていてもよい。また、ラジカル重合性不飽和結合を
導入したものなどの反応性官能基を有するものであって
もよい。
て、異種の樹脂で変性されていてもよく、官能基が変性
されていてもよい。また、ラジカル重合性不飽和結合を
導入したものなどの反応性官能基を有するものであって
もよい。
【0043】粘着剤中に含まれるカチオン重合性官能基
当量は、好ましくは、5000g−resin/mol
以下である。この当量が大きすぎると、組成物中の官能
基濃度が低下して、カチオン重合が不十分になり、テー
プ、シート側面のサイドスティック防止効果が低くなる
傾向にある。従って、カチオン重合性官能基当量は、上
記のような範囲になるよう組成が決定されることが好ま
しい。粘着剤中に含有される光カチオン重合開始剤は、
イオン性光酸発生タイプ及び非イオン性光酸発生タイプ
のいずれでもよい。
当量は、好ましくは、5000g−resin/mol
以下である。この当量が大きすぎると、組成物中の官能
基濃度が低下して、カチオン重合が不十分になり、テー
プ、シート側面のサイドスティック防止効果が低くなる
傾向にある。従って、カチオン重合性官能基当量は、上
記のような範囲になるよう組成が決定されることが好ま
しい。粘着剤中に含有される光カチオン重合開始剤は、
イオン性光酸発生タイプ及び非イオン性光酸発生タイプ
のいずれでもよい。
【0044】イオン性光酸発生タイプとしては、芳香族
ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニ
ウム塩等のオニウム塩や、鉄−アレン錯体、チタノセン
錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体などの有
機金属錯体類などを挙げることができる。より具体的に
は、例えば、オプトマーSP−150(旭電化社製)、
オプトマーSP−170(旭電化社製)、UVE−10
14(ゼネラルエレクトロニクス社製)、CD−101
2(サートマー社製)などの市販の化合物を挙げること
ができる。
ジアゾニウム塩、芳香族ハロニウム塩、芳香族スルホニ
ウム塩等のオニウム塩や、鉄−アレン錯体、チタノセン
錯体、アリールシラノール−アルミニウム錯体などの有
機金属錯体類などを挙げることができる。より具体的に
は、例えば、オプトマーSP−150(旭電化社製)、
オプトマーSP−170(旭電化社製)、UVE−10
14(ゼネラルエレクトロニクス社製)、CD−101
2(サートマー社製)などの市販の化合物を挙げること
ができる。
【0045】また、非イオン性光酸発生タイプとして
は、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン
酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナ
フトキノン、N−ヒドロキシイミドスルホナートなどを
用いることができる。これらのカチオン重合開始剤は単
独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
は、ニトロベンジルエステル、スルホン酸誘導体、リン
酸エステル、フェノールスルホン酸エステル、ジアゾナ
フトキノン、N−ヒドロキシイミドスルホナートなどを
用いることができる。これらのカチオン重合開始剤は単
独で用いられてもよいし、2種以上併用されてもよい。
【0046】カチオン重合開始剤の含有量は、カチオン
重合性官能基1molに対し、カチオン0.0001m
ol%以上発生するような含有量であることが好まし
い。含有量が少ない場合には、十分に光カチオン重合が
進行せず、硬化速度が遅くなる傾向にある。なお、本発
明における光照射では、この光カチオン重合開始剤の活
性波長を含む光が照射される。
重合性官能基1molに対し、カチオン0.0001m
ol%以上発生するような含有量であることが好まし
い。含有量が少ない場合には、十分に光カチオン重合が
進行せず、硬化速度が遅くなる傾向にある。なお、本発
明における光照射では、この光カチオン重合開始剤の活
性波長を含む光が照射される。
【0047】以上のようなアクリル系ポリマーを主成分
として含有する粘接着剤を用いることにより、十分な透
明性と感圧性を有する粘接着シートとすることができ
る。また、光照射によりカチオン重合性成分がカチオン
重合すると、粘着シートの粘着剤の弾性率が向上し、高
い剥離強度を得ることができる。特に、上述のようにア
クリル系ポリマー中にカチオン重合性官能基を有するモ
ノマーが共重合されている場合、硬化後の光透過性が向
上し、さらに架橋率も高くなるため、より強固な接着を
得ることができる。
として含有する粘接着剤を用いることにより、十分な透
明性と感圧性を有する粘接着シートとすることができ
る。また、光照射によりカチオン重合性成分がカチオン
重合すると、粘着シートの粘着剤の弾性率が向上し、高
い剥離強度を得ることができる。特に、上述のようにア
クリル系ポリマー中にカチオン重合性官能基を有するモ
ノマーが共重合されている場合、硬化後の光透過性が向
上し、さらに架橋率も高くなるため、より強固な接着を
得ることができる。
【0048】本発明によれば、粘接着シートを用いて、
光学基板を接着するので、高い厚み精度を得ることがで
き、また粘接着シートの形状を任意に加工することがで
きる。粘接着シートの加工は、例えばスリット、打ち抜
き、ドリル等の種々の方法で加工することができる。従
って、予め光学基板の形状に加工しておくことにより、
接着工程の作業性を大幅に向上させることができる。
光学基板を接着するので、高い厚み精度を得ることがで
き、また粘接着シートの形状を任意に加工することがで
きる。粘接着シートの加工は、例えばスリット、打ち抜
き、ドリル等の種々の方法で加工することができる。従
って、予め光学基板の形状に加工しておくことにより、
接着工程の作業性を大幅に向上させることができる。
【0049】また、適度な凝集力を有しており、他方の
光学基板を貼り合わせた際、接着剤のはみ出し等を生じ
ることがない。また、本発明によれば、粘接着シートを
用いて光学基板を貼り合わせ積層体とした後、この積層
体を所望の形状に加工してもよい。このように積層後に
加工することにより、光学基板を個別に加工するより
も、大幅な簡素化が可能となる。
光学基板を貼り合わせた際、接着剤のはみ出し等を生じ
ることがない。また、本発明によれば、粘接着シートを
用いて光学基板を貼り合わせ積層体とした後、この積層
体を所望の形状に加工してもよい。このように積層後に
加工することにより、光学基板を個別に加工するより
も、大幅な簡素化が可能となる。
【0050】
【発明の実施の形態】実施例1 粘接着シートの粘接着剤として、以下の配合物を調製し
た。 ・ポリエステル樹脂 東洋紡績社製「バイロン300」 60重量部 ・エポキシ樹脂 油化シェルエポキシ社製「エピコート♯828」 40重量部 ・光カチオン重合開始剤 旭電化社製「アデカオプトマーSP−170」 1重量部 ・MEK(メチルエチルケトン) 100重量部
た。 ・ポリエステル樹脂 東洋紡績社製「バイロン300」 60重量部 ・エポキシ樹脂 油化シェルエポキシ社製「エピコート♯828」 40重量部 ・光カチオン重合開始剤 旭電化社製「アデカオプトマーSP−170」 1重量部 ・MEK(メチルエチルケトン) 100重量部
【0051】上記配合物を十分に均一に攪拌混合した
後、厚み50μmの離型処理したPETフィルムの離型
面の上に、最終厚みが50μmとなるように塗布した後
乾燥した。これを長さ150mm、幅25mmに切断
し、粘接着シートを作製した。
後、厚み50μmの離型処理したPETフィルムの離型
面の上に、最終厚みが50μmとなるように塗布した後
乾燥した。これを長さ150mm、幅25mmに切断
し、粘接着シートを作製した。
【0052】以上のようにして得られた粘接着シート
を、光学基板としての厚み200μmのポリカーボネー
ト板(UV透過率84%)に、ゴムローラーを使用して
ラミネートした。ラミネート条件は、圧力3kg/c
m、速度1m/分、温度室温(23℃)とした。
を、光学基板としての厚み200μmのポリカーボネー
ト板(UV透過率84%)に、ゴムローラーを使用して
ラミネートした。ラミネート条件は、圧力3kg/c
m、速度1m/分、温度室温(23℃)とした。
【0053】以上のようにしてラミネートした粘接着シ
ートの離型PETフィルムを剥離し、超高圧水銀灯にて
波長365nmの紫外線を100mW/cm2 の照度で
5秒間照射した。照射3分後に、同じポリカーボネート
板を光学基板として貼り合わせ、積層体を作製した。
ートの離型PETフィルムを剥離し、超高圧水銀灯にて
波長365nmの紫外線を100mW/cm2 の照度で
5秒間照射した。照射3分後に、同じポリカーボネート
板を光学基板として貼り合わせ、積層体を作製した。
【0054】実施例2 光学基板として、ポリカーボネート板に代えて、PMM
A(ポリメチルメタクリレート)基板(厚み200μ
m、UV透過率0%)を用いる以外は、上記実施例1と
同様にして積層体を作製した。
A(ポリメチルメタクリレート)基板(厚み200μ
m、UV透過率0%)を用いる以外は、上記実施例1と
同様にして積層体を作製した。
【0055】実施例3 粘接着シートの粘接着剤として、以下の配合物を調製し
た。 ・アクリル系粘着ポリマー ポリエチルアクリレート 40重量部 ・エポキシ樹脂 油化シェルエポキシ社製「エピコート♯828」 60重量部 ・光カチオン重合開始剤 旭電化社製「アデカオプトマーSP−170」 1重量部 ・MEK(メチルエチルケトン) 100重量部 上記配合物を用い、上記実施例1と同様にして光学基板
を貼り合わせ、積層体を作製した。
た。 ・アクリル系粘着ポリマー ポリエチルアクリレート 40重量部 ・エポキシ樹脂 油化シェルエポキシ社製「エピコート♯828」 60重量部 ・光カチオン重合開始剤 旭電化社製「アデカオプトマーSP−170」 1重量部 ・MEK(メチルエチルケトン) 100重量部 上記配合物を用い、上記実施例1と同様にして光学基板
を貼り合わせ、積層体を作製した。
【0056】比較例1 光学基板を貼り合わせる液状の接着剤として、以下の配
合物を調製した。 ・アクリル系ポリマー ポリメチルメタクリレート 50重量部 ・アクリル系モノマー 1,6−ヘキサンジオールメタクリレート 50重量部 ・光ラジカル重合開始剤 BASF社製「リシリンTPO」 1重量部 ・MEK(メチルエチルケトン) 100重量部
合物を調製した。 ・アクリル系ポリマー ポリメチルメタクリレート 50重量部 ・アクリル系モノマー 1,6−ヘキサンジオールメタクリレート 50重量部 ・光ラジカル重合開始剤 BASF社製「リシリンTPO」 1重量部 ・MEK(メチルエチルケトン) 100重量部
【0057】上記組成物を、光学基板としての上記と同
様のポリカーボネート板(UV透過率84%)に、50
μmのシリコーンゴム製のスペーサーを用いて、長さ1
50mm、幅25mmとなるように塗布した後乾燥し
た。乾燥後、同じポリカーボネート板を実施例1と同じ
ラミネート条件でこの上に積層し、超高圧水銀灯にて波
長365nmの紫外線を100mW/cm2 の照度で5
秒間照射して粘接着剤層を硬化させた。
様のポリカーボネート板(UV透過率84%)に、50
μmのシリコーンゴム製のスペーサーを用いて、長さ1
50mm、幅25mmとなるように塗布した後乾燥し
た。乾燥後、同じポリカーボネート板を実施例1と同じ
ラミネート条件でこの上に積層し、超高圧水銀灯にて波
長365nmの紫外線を100mW/cm2 の照度で5
秒間照射して粘接着剤層を硬化させた。
【0058】比較例2 光学基板として、ポリカーボネート板に代えて、PMM
A(ポリメチルメタクリレート)基板(厚み200μ
m、UV透過率0%)を用いる以外は、上記比較例1と
同様にして積層体を作製した。
A(ポリメチルメタクリレート)基板(厚み200μ
m、UV透過率0%)を用いる以外は、上記比較例1と
同様にして積層体を作製した。
【0059】以上のようにして得られた積層体につい
て、粘接着剤層のはみ出しを評価した。粘接着剤層のは
み出しは、粘接着シートもしくは接着剤塗布面の短辺側
25mmについて、ラミネート前後における寸法変化の
ラミネート前長さに対する割合を百分率で表した。
て、粘接着剤層のはみ出しを評価した。粘接着剤層のは
み出しは、粘接着シートもしくは接着剤塗布面の短辺側
25mmについて、ラミネート前後における寸法変化の
ラミネート前長さに対する割合を百分率で表した。
【0060】また、粘接着シートの接着力について評価
するため、実施例1及び実施例3で用いた粘接着シート
及び比較例1の接着剤を用いて、厚み250μmのPE
Tフィルム2枚を接着し、T剥離して接着強度を測定し
た。また、実施例2及び比較例2については、UV透過
率0%のPMMA基板に対応させて、UV透過率0%の
黒練り込みPETフィルム(厚み250μm)を用いて
接着強度を測定した。剥離速度は50mm/分とし、サ
ンプル幅は25mmとした。貼り合わせ直後の接着強度
を初期接着力とし、貼り合わせ1時間後の接着強度を硬
化後接着強度とした。
するため、実施例1及び実施例3で用いた粘接着シート
及び比較例1の接着剤を用いて、厚み250μmのPE
Tフィルム2枚を接着し、T剥離して接着強度を測定し
た。また、実施例2及び比較例2については、UV透過
率0%のPMMA基板に対応させて、UV透過率0%の
黒練り込みPETフィルム(厚み250μm)を用いて
接着強度を測定した。剥離速度は50mm/分とし、サ
ンプル幅は25mmとした。貼り合わせ直後の接着強度
を初期接着力とし、貼り合わせ1時間後の接着強度を硬
化後接着強度とした。
【0061】粘接着剤成分の官能基当量及びカチオン当
量並びに上記の評価結果を表1に示す。
量並びに上記の評価結果を表1に示す。
【0062】
【表1】
【0063】表1の結果から明らかなように、本発明に
従う実施例1〜3においては、粘接着剤に十分に凝集力
があり、粘接着剤のはみ出しがない。また、PETフィ
ルムを用いた接着力測定からも明らかなように、初期接
着力が高く、かつ硬化後の接着力も十分に高いことがわ
かる。また実施例2及び比較例2の比較から明らかなよ
うに、UV不透過性の基板を用いた場合にも、本発明で
は光カチオン重合性の粘接着シートを用いているので、
遮光後も硬化が進行し、十分な接着力が得られる。
従う実施例1〜3においては、粘接着剤に十分に凝集力
があり、粘接着剤のはみ出しがない。また、PETフィ
ルムを用いた接着力測定からも明らかなように、初期接
着力が高く、かつ硬化後の接着力も十分に高いことがわ
かる。また実施例2及び比較例2の比較から明らかなよ
うに、UV不透過性の基板を用いた場合にも、本発明で
は光カチオン重合性の粘接着シートを用いているので、
遮光後も硬化が進行し、十分な接着力が得られる。
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、光学基板の接着におい
て、粘接着剤のはみ出しがなく、かつ粘接着剤層の寸法
安定性及び接着力に優れた光学基板の接着を行うことが
できる。
て、粘接着剤のはみ出しがなく、かつ粘接着剤層の寸法
安定性及び接着力に優れた光学基板の接着を行うことが
できる。
Claims (1)
- 【請求項1】 光学基板同士を接着する方法であって、
一方の光学基板の接着すべき面の上に、光カチオン重合
性の粘接着シートを貼り合わせ、この粘接着シートに対
して活性波長の光を照射した後、この粘接着シートの上
に他方の光学基板を貼り合わせて接着することを特徴と
する光学基板の接着方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33211097A JPH11166159A (ja) | 1997-12-02 | 1997-12-02 | 光学基板の接着方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33211097A JPH11166159A (ja) | 1997-12-02 | 1997-12-02 | 光学基板の接着方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11166159A true JPH11166159A (ja) | 1999-06-22 |
Family
ID=18251273
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33211097A Pending JPH11166159A (ja) | 1997-12-02 | 1997-12-02 | 光学基板の接着方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11166159A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005508435A (ja) * | 2001-11-02 | 2005-03-31 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | ハイブリッド接着剤、物品及び方法 |
US7198831B2 (en) | 2001-04-16 | 2007-04-03 | Sharp Kabushiki Kaisha | Multi-layer sheet and liquid crystal display device |
US7244476B2 (en) | 2000-09-25 | 2007-07-17 | Sharp Kabushiki Kaisha | Display device including adhesive film with transparent support |
JP2011001408A (ja) * | 2009-06-16 | 2011-01-06 | Denso Corp | 光硬化性エポキシ接着剤 |
KR101177390B1 (ko) | 2003-04-11 | 2012-08-27 | 헨켈 아게 운트 코. 카게아아 | 양이온 경화성 접착제로부터 감압성 접착제 테이프의 제조방법 |
-
1997
- 1997-12-02 JP JP33211097A patent/JPH11166159A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7244476B2 (en) | 2000-09-25 | 2007-07-17 | Sharp Kabushiki Kaisha | Display device including adhesive film with transparent support |
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