JPH10293946A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

Info

Publication number
JPH10293946A
JPH10293946A JP9100468A JP10046897A JPH10293946A JP H10293946 A JPH10293946 A JP H10293946A JP 9100468 A JP9100468 A JP 9100468A JP 10046897 A JP10046897 A JP 10046897A JP H10293946 A JPH10293946 A JP H10293946A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pressure
sensitive adhesive
optical recording
recording medium
adhesive sheet
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9100468A
Other languages
English (en)
Inventor
Masao Nakamura
正雄 中村
Toshihiko Tomita
俊彦 富田
Hitoshi Matsuoka
均 松岡
Masahiko Ando
雅彦 安藤
泰之 ▲徳▼永
Yasuyuki Tokunaga
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to JP9100468A priority Critical patent/JPH10293946A/ja
Publication of JPH10293946A publication Critical patent/JPH10293946A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Optical Record Carriers And Manufacture Thereof (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】初期タックが低く、被着体の位置合わせが容易
で、たとえ被着体の貼り合わせミスをした場合でも、被
着体の剥離が容易で再利用することができ、しかも、貼
り合わせ後は強固に接着する光記録媒体を提供する。 【解決手段】第1の光記録層3aと第2の光記録層3b
とが粘着剤層5を介して接着された光記録媒体1であ
る。そして、上記粘着剤層5が下記の特性(A)〜
(C)を全て備えた粘着剤組成物によって形成されてい
る。 (A)−30℃での貯蔵弾性率〔G′〕が3×107
yne/cm2 以下。 (B)室温での貯蔵弾性率〔G′〕が5×106 dyn
e/cm2 以上。 (C)80℃での貯蔵弾性率〔G′〕が1×106 dy
ne/cm2 以上。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光磁気的あるいは
光相変化的に情報を記録し、かつ、記録した情報を読み
取ることが可能な光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光記録媒体は、レーザー光の照射により
情報を記録し、かつ、記録した情報を読み取ることが可
能なものであり、例えば、図2の断面図に示すような円
盤形状の光記録媒体(光ディスク)11がある。この光
ディスク11は、各透明基板12a,12bの片面に光
記録層13a,13bが形成され、その表面にさらに透
明保護層14a,14bが形成されてなる2枚の光ディ
スク基板16a,16bを、粘着剤層(粘着剤シート)
15を介して各光ディスク基板16a,16bの透明保
護層14a,14bが互いに対面するよう貼り合わされ
構成されている。図において、17は光ディスク11の
略中央に穿孔された孔である。
【0003】このような光ディスク11は、例えば、つ
ぎのような方法、によって作製される。 まず、各透明基板12a,12bの片面に光記録層
13a,13bをスパッタリング等により形成し、その
表面にさらに透明保護層14a,14bを形成して2枚
の光ディスク基板16a,16bを作製する。他方、粘
着剤からなる粘着剤層(粘着剤シート)15を準備す
る。そして、上記各光ディスク基板16a,16bの透
明保護層14a,14bが互いに対面する状態で、上記
粘着剤シート15を介し相互に圧接して接着することに
より一体化して光ディスク11を作製する方法。
【0004】 上記2枚の光ディスク基板16a,1
6bの少なくとも一方の透明保護層14a,14bの表
面に上記粘着剤を塗布した後、上記と同様にして2枚
の光ディスク基板16a,16bを接着して光ディスク
11を作製する方法。
【0005】そして、上記光ディスク11の粘着剤層
(粘着剤シート)15形成材料としては、従来より、ホ
ットメルト粘着剤、感圧性粘着剤、紫外線(UV)硬化
アクリル系粘着剤等が用いられている。上記粘着剤は、
D.Satas,Adhesive Age,31
(9),28(1988)等に記載されているように、
室温での貯蔵弾性率〔G′〕が1×106 dyne/c
2 程度またはそれ以下である。そのため、上記粘着剤
は、タックのあるベタベタした状態で柔らかさを有し、
速やかに接着するという利点を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ホ
ットメルト粘着剤や感圧性粘着剤を用いて光ディスク基
板16a,16b(被着体)を貼り合わせて光ディスク
11を作製する場合、つぎのような問題が生じる。すな
わち、上記粘着剤は先に述べたように初期タックが高
く、被着体と速やかに接着するため、被着体を貼り合わ
せる際に位置ずれ等の貼り合わせミスをした場合には、
被着体を剥離する際に被着体が損傷し再利用することが
できない。したがって、被着体の位置合わせが困難で、
貼り合わせ作業性に劣るという問題を有している。
【0007】また、上記UV硬化アクリル系粘着剤を用
いて光ディスク11を作製する場合、通常、上記光ディ
スク基板16a,16bの表面に液状のUV硬化アクリ
ル系粘着剤をコーティングした後UV照射し、上記粘着
剤を硬化させて光ディスク基板16a,16bを貼り合
わせている。しかしながら、上記UV硬化アクリル系粘
着剤の硬化前に貼り合わせミスを発見した場合には、貼
り合わさせた光ディスク基板16a,16bを剥離し、
液状のUV硬化アクリル系粘着剤を洗浄して洗い流す等
の煩雑な作業が必要であり面倒である。一方、上記UV
硬化アクリル系粘着剤の硬化後に貼り合わせミスを発見
した場合には、被着体を剥離する際に被着体が損傷し再
利用することができない。したがって、上記ホットメル
ト粘着剤や感圧性粘着剤を用いた場合と同様、被着体の
位置合わせが困難で、貼り合わせ作業性に劣るという問
題を有している。
【0008】そこで、このような被着体の貼り合わせ作
業性の改良を図るべく、上記粘着剤の室温での貯蔵弾性
率〔G′〕を高くして初期タックを低くすることが考え
られるが、この場合は、粘着剤が固くなりすぎて充分な
接着力が得られないという問題が生じる。これは、食品
用ラップフィルムに見られるように、見かけ上密着して
いても接着性を示さないように、接着の過程で粘着剤と
被着体とのミクロな接触が充分に行われないためであ
る。
【0009】このように、初期タックが低く、被着体の
位置合わせが容易で、たとえ被着体の貼り合わせミスを
した場合でも、被着体の剥離が容易で再利用することが
でき、しかも、貼り合わせ後は強固に接着する光記録媒
体は未だ得られていないのが現状であり、このような特
性を全て備えた光記録媒体の開発が待望されている。
【0010】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、初期タックが低く、被着体の位置合わせが容易
で、たとえ被着体の貼り合わせミスをした場合でも、被
着体の剥離が容易で再利用することができ、しかも、貼
り合わせ後は強固に接着する光記録媒体の提供をその目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明の光記録媒体は、第1の光記録層と第2の
光記録層とが粘着剤層を介して接着された光記録媒体で
あって、上記粘着剤層が下記の特性(A)〜(C)を全
て備えた粘着剤組成物によって形成されているという構
成をとる。 (A)−30℃での貯蔵弾性率〔G′〕が3×107
yne/cm2 以下。 (B)室温での貯蔵弾性率〔G′〕が5×106 dyn
e/cm2 以上。 (C)80℃での貯蔵弾性率〔G′〕が1×106 dy
ne/cm2 以上。
【0012】すなわち、本発明者らは、上記特性を全て
備えた光記録媒体を得るべく、鋭意研究を重ねた。その
結果、上記光記録媒体の粘着剤層を形成する粘着剤組成
物の特性に着目し、上記粘着剤組成物の−30℃、室温
および80℃での貯蔵弾性率〔G′〕をそれぞれ特定の
範囲に設定すると、高弾性にあるにもかかわらず初期タ
ックが低いことを突き止めた。その結果、上記粘着剤組
成物を用いて光記録媒体を構成すると、被着体の位置合
わせが容易で、たとえ被着体の貼り合わせミスをした場
合でも、被着体を損傷することなく剥離して再利用する
ことができ、しかも、被着体の貼り合わせ後は強固に接
着して高い接着力が得られることを見出し本発明に到達
した。
【0013】なお、本発明において、粘着剤組成物の貯
蔵弾性率〔G′〕とは、上記粘着剤組成物の剪断貯蔵弾
性率をいい、これは外部からの応力を歪みエネルギーと
して貯蔵する弾性成分というべきものである。そして、
この貯蔵弾性率〔G′〕は、レオメトリック社製の動的
粘弾性測定装置RDS−IIを用い、サンプル厚み約1.
5mm、直径7.9mmのパラレルプレートの治具によ
り、周波数1Hzで測定される値である。
【0014】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0015】本発明の光記録媒体(光ディスク)は、例
えば、図1(a),(b)に示すように円盤形状となっ
ており、各透明基板2a,2bの片面に光記録層3a,
3bが形成され、その表面にさらに透明保護層4a,4
bが形成されてなる2枚の光ディスク基板6a,6b
が、粘着剤層(粘着剤シート)5を介して各光ディスク
基板6a,6bの透明保護層4a,4bが互いに対面す
るよう貼り合わされ構成されている。そして、上記光記
録媒体1の略中央には孔7が穿孔されている。
【0016】上記粘着剤層(粘着剤シート)5の形成材
料である特殊な粘着剤組成物は、後に述べるような特定
の貯蔵弾性率〔G′〕を有するものであれば特に限定は
なく、粘着剤構成用ポリマーを適宜の手段で架橋処理し
たものが特に好ましい。上記粘着剤構成用ポリマーとし
ては、特に限定はなく、下記の一般式(1)で表される
繰り返し単位を有するポリマーが好ましい。
【0017】
【化2】
【0018】上記一般式(1)で表される繰り返し単位
を有するポリマーとしては、カーボネート結合を有する
脂肪族ポリエステルが好ましく、特に好ましくは、ポリ
カーボネートジオールとセバシン酸等の二塩基酸とから
合成されるポリエステルがあげられる。また、ガラス転
移温度(損失弾性率;G″ピーク)が−35℃以下であ
るポリエステルも好適に用いられる。さらに上記脂肪族
ポリエステルの他に、アクリル系ポリマー等を使用する
こともできる。
【0019】上記架橋手段としては、特に限定はなく、
ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジ
ン化合物、金属キレート化合物、金属アルコキシド等の
架橋剤を用い、これと上記ポリマー(中に含まれる水酸
基やカルボキシル基)とを反応させて架橋する方法が一
般的である。
【0020】そして、上記特殊な粘着剤組成物の貯蔵弾
性率〔G′〕の設定は、上記ポリマーの選択と架橋処理
の程度等を適宜に調整することにより行われる。
【0021】上記特殊な粘着剤組成物には、接着性と耐
熱性のバランスの向上を目的として、従来公知の粘着付
与剤を適宜に配合することもできる。また、無機または
有機の充填剤、金属粉、顔料等の粉体、粒子状、箔状物
等の従来公知の添加剤を任意に配合することもできる。
さらに、従来公知の老化防止剤を配合することにより上
記特性の一層の向上を図ることも可能である。
【0022】そして、上記特殊な粘着剤組成物は、前記
特性(A)〜(C)を全て備えたものであることが必要
である。
【0023】上記特殊な粘着剤組成物は、−30℃での
貯蔵弾性率〔G′〕が3×107 dyne/cm2 以下
であることが必要であり、好ましくは5×106 〜3×
10 7 dyne/cm2 の範囲、特に好ましくは5×1
6 〜2×107 dyne/cm2 の範囲である。すな
わち、上記特殊な粘着剤組成物の−30℃での貯蔵弾性
率〔G′〕を上記好適範囲に設定すると、低温時の耐衝
撃性に優れ、低温での高い信頼性が得られるからであ
る。
【0024】また、上記特殊な粘着剤組成物は、室温で
の貯蔵弾性率〔G′〕が5×106dyne/cm2
上であることが必要であり、好ましくは5×106 〜5
×107 dyne/cm2 の範囲、特に好ましくは7×
106 〜5×107 dyne/cm2 の範囲である。す
なわち、上記特殊な粘着剤組成物の室温での貯蔵弾性率
〔G′〕を上記好適範囲に設定すると、高弾性であるに
もかかわらず粘着剤としてのタックを示さないため、前
記光ディスク基板6a,6b(被着体)と粘着剤層(粘
着剤シート)5の貼り合わせ作業において位置合わせが
容易で、たとえ貼り合わせミスをした場合でも約10秒
以内であれば、上記被着体を損傷することなく剥離して
再利用することができるため、被着体の貼り合わせ作業
性が向上するからである。また、上記粘着剤層(粘着剤
シート)5を前記光記録媒体1と略同形状(例えば、円
盤形状)に打ち抜く場合に、打ち抜き用の刃に粘着剤が
付着しないため、打ち抜き作業性および打ち抜き精度に
優れるという利点も有する。
【0025】そして、上記特殊な粘着剤組成物は、80
℃での貯蔵弾性率〔G′〕が1×106 dyne/cm
2 以上であることが必要であり、好ましくは1×106
〜5×107 dyne/cm2 の範囲、特に好ましくは
3×106 〜5×107 dyne/cm2 の範囲であ
る。すなわち、上記特殊な粘着剤組成物の80℃での貯
蔵弾性率〔G′〕を上記好適範囲に設定すると、80℃
の高温でも高い凝集力を発揮し、接着力および保持力の
双方の特性に優れ、高温での高い信頼性が得られるから
である。
【0026】なお、上記特殊な粘着剤組成物は、室温で
24時間放置した時の接着力が1kg/20mm幅以上
になるよう設定するのが好ましく、特に好ましくは1〜
10kg/20mm幅の範囲であり、最も好ましくは
1.5〜10kg/20mm幅の範囲である。すなわ
ち、上記特殊な粘着剤組成物の接着力を上記好適範囲に
設定すると、被着体との強固な接着力が得られるため、
加熱処理等の煩雑な工程が不要となるからである。
【0027】上記特殊な粘着剤組成物の接着力は、サン
プル(粘着剤シート)を被着体としてのアクリル板(ポ
リメチルメタクリレート)に貼り付けて所定時間(24
時間)放置した後、雰囲気温度23℃、剥離速度300
mm/分の条件で測定される180°剥離接着力を意味
する。
【0028】なお、本発明の光記録媒体を構成する透明
基板2a,2b、光記録層3a,3bおよび透明保護層
4a,4bの形成材料としては、特に限定するものでは
なく、従来公知のものを適宜に使用することができる。
例えば、上記透明基板2a,2bとしては、ポリカーボ
ネート製透明基板等を使用するのが好ましく、また、上
記透明保護層4a,4bの形成材料としては、アクリル
系紫外線硬化樹脂等を使用するのが好ましい。
【0029】本発明の光記録媒体(光ディスク)1は、
例えば、つぎのようにして作製することができる。ま
ず、各透明基板2a,2bの片面に光記録層3a,3b
をスパッタリング等により形成し、その表面にさらにス
ピンコート法等により透明保護層4a,4bを形成して
2枚の光ディスク基板6a,6bを作製する。一方、前
記ポリエステル等の粘着剤構成用ポリマーを前述の方法
で架橋処理し、貯蔵弾性率〔G′〕が特定の範囲となる
ように調整して特殊な粘着剤組成物を作製する。そし
て、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等
のセパレータ上に上記粘着剤組成物を塗布し乾燥して、
片面にセパレータが仮着された粘着剤シート5を作製す
る。なお、粘着剤シート5の両面にセパレータを仮着し
てもよい。
【0030】そして、上記2枚の光ディスク基板6a,
6bの各透明保護層4a,4bが互いに対面する状態
で、上記粘着剤シート5を介し相互に圧接して接着する
ことにより一体化して、目的とする光記録媒体(光ディ
スク)1を作製する。なお、上記光ディスク基板6a,
6bと粘着剤シート5との貼り合わせは、気泡を入れず
に貼り合わせることが重要で、通常ハンドローラ、ゴム
ローラ、プレス等での貼り合わせ、減圧下での貼り合わ
せ、加圧下での貼り合わせ等の方法を用いることができ
る。
【0031】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0032】
【実施例1】まず、各ポリカーボネート製透明基板の片
面に光記録層をスパッタリングにより形成し、その表面
にさらにスピンコート法によりアクリル系紫外線硬化樹
脂からなる透明保護層を形成して円盤形状の2枚の光デ
ィスク基板を作製した。
【0033】一方、粘着剤シートをつぎのようにして作
製した。すなわち、攪拌機、温度計および水分離管を付
した四つ口のセパラブルフラスコに、液状のポリカーボ
ネートジオール(ダイセル化学工業社製のPLACCE
L CD210PL、水酸基価115KOHmg/g)
250g、セバシン酸51.8g、触媒としてジブチル
チンオキサイド(以下「DBTO」と略す)127mg
を仕込み、反応水排出溶剤としての少量のトルエンの存
在下、攪拌を開始しながら180℃まで昇温し、この温
度を保持した。しばらくすると、水の流出分離が認めら
れ反応が進行し始めた。約24時間反応を続けて、重量
平均分子量が55,000となるポリエステルを得た。
このポリエステルをトルエンで固形分濃度40重量%に
希釈した後、ポリエステル100部(固形分)あたり、
架橋剤としてトリメチロールプロパンのヘキサメチレン
ジイソシアネート付加物(日本ポリウレタン社製のコロ
ネートHL)2部(固形分)を添加し、粘着剤組成物と
した。この粘着剤組成物をアプリケータにより、シリコ
ーン処理した厚み38μmのPET製フィルムの上に塗
布し、130℃で5分間乾燥して厚みが50μmの粘着
剤シートを形成した。また、上記粘着剤シートの他方の
面に上記と同様にシリコーン処理した厚み38μmのP
ET製フィルムを仮着した。さらにアフターキュアーと
して50℃の雰囲気中で5日間のエージングを行い、粘
着剤シートを作製した。そして、このシートを上記円盤
形状の光ディスク基板(外径120mm、内径15m
m)よりも2mm小さい円盤形状に打ち抜き加工して、
粘着剤シート(外径118mm、内径17mm)を得
た。
【0034】つぎに、得られた粘着剤シートの片側に仮
着したPET製フィルムを剥離し、上記光ディスク基板
の透明保護層面上に位置合わせを行い、ハンドローラを
用いて両者を貼り合わせた。続いて、上記粘着剤シート
の他方の面のPET製フィルムを剥離し、上記と同様に
して残りの光ディスク基板を貼り合わせた後、10kg
/cm2 の圧力でプレスして接着し、目的とする光記録
媒体を作製した。
【0035】
【実施例2】実施例1の粘着剤シートに代えて、下記の
粘着剤組成物からなる粘着剤シートを用いた。それ以外
は実施例1と同様にして光記録媒体を作製した。
【0036】(粘着剤シートの作製)攪拌機、温度計お
よび水分離管を付した四つ口のセパラブルフラスコに、
液状のポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業社
製のPLACCEL CD220PL、水酸基価56.
1KOHmg/g)250g、アゼライン酸23.5
g、触媒としてDBTO 62mgを仕込み、反応水排
出溶剤としての少量のトルエンの存在下、攪拌を開始し
ながら180℃まで昇温し、この温度で保持した。しば
らくすると、水の流出分離が認められ反応が進行し始め
た。約25時間反応を続けて、重量平均分子量が78,
000となるポリエステルを得た。このポリエステルを
トルエンで固形分濃度40重量%に希釈した後、ポリエ
ステル100部(固形分)あたり、架橋剤としてトリメ
チロールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物
(日本ポリウレタン社製のコロネートL)1.5部(固
形分)を添加し、粘着剤組成物とした。そして、この粘
着剤組成物を用いて実施例1と同様にして粘着剤シート
を作製した。
【0037】
【実施例3】実施例1の粘着剤シートに代えて、下記の
粘着剤組成物からなる粘着剤シートを用いた。それ以外
は実施例1と同様にして光記録媒体を作製した。
【0038】(粘着剤シート作製)攪拌機、温度計およ
び水分離管を付した四つ口のセパラブルフラスコに、液
状のポリカーボネートジオール(ダイセル化学工業社製
のPLACCEL CD220PL、水酸基価56.1
KOHmg/g)250g、セバシン酸12.6g、ア
ゼライン酸11.8g、触媒としてDBTO 62mg
を仕込み、反応水排出溶剤としての少量のトルエンの存
在下、攪拌を開始しながら180℃まで昇温し、この温
度で保持した。しばらくすると、水の流出分離が認めら
れ反応が進行し始めた。約25時間反応を続けて、重量
平均分子量が75,000となるポリエステルを得た。
このポリエステルをトルエンで固形分濃度40重量%に
希釈した後、ポリエステル100部(固形分)あたり、
架橋剤としてトリメチロールプロパンのヘキサメチレン
ジイソシアネート付加物(日本ポリウレタン社製のコロ
ネートHL)2部(固形分)を添加し、粘着剤組成物と
した。そして、この粘着剤組成物を用いて実施例1と同
様にして粘着剤シートを作製した。
【0039】
【実施例4】−30℃、室温(23℃)および80℃で
の貯蔵弾性率〔G′〕がそれぞれ後記の表1に示す値の
粘着剤組成物を用いた。それ以外は、実施例1と同様に
して光記録媒体を作製した。
【0040】
【比較例1】実施例1の粘着剤シートに代えて、下記の
粘着剤組成物からなる粘着剤シートを用いた。それ以外
は実施例1と同様にして光記録媒体を作製した。
【0041】(粘着剤シート作製)攪拌機および温度計
を付した反応容器に、アクリル酸n−ブチル95部、ア
クリル酸5部、トルエン150部、アゾビスイソブチロ
ニトリル0.1部を入れ、窒素雰囲気中、60℃で約7
時間溶液重合してポリマー溶液を得た。このポリマー溶
液100部(固形分)あたり、架橋剤としてトリメチロ
ールプロパンのトリレンジイソシアネート付加物(日本
ポリウレタン社製のコロネートL)2部(固形分)を添
加し、粘着剤組成物とした。そして、この粘着剤組成物
を用いて実施例1と同様にして粘着剤シートを作製し
た。
【0042】
【比較例2】実施例1の粘着剤シートに代えて、下記の
粘着剤シートを用いた。それ以外は実施例1と同様にし
て光記録媒体を作製した。
【0043】(粘着剤シートの作製)攪拌機および温度
計を付した反応容器に、アクリル酸2−エチルヘキシル
80部、アクリル酸20部、光重合開始剤としてイルガ
ノキュアー184(チバガイギー社製)0.6部を入
れ、充分に窒素ガス置換した後、高圧水銀ランプによ
り、約100mJ/cm2 の照射量で紫外線を照射し
た。この照射により得られた粘稠物に対し、内部架橋剤
としてトリメチロールプロパントリアクリレート1部を
配合して粘着剤組成物とした。
【0044】この粘着剤組成物をアプリケーターによ
り、シリコーン処理した厚み38μmのPET製フィル
ムの上に厚みが50μmになるよう塗布した。その後、
酸素による重合阻害をなくすため、シリコーン処理した
厚み38μmのPET製剥離ライナーでカバーし、高圧
水銀ランプにより、約1400mJ/cm2 の照射量で
紫外線を照射して粘着剤シートを作製した。これを、実
施例1と同様に打ち抜き加工して円盤形状の粘着剤シー
トを作製した。
【0045】このようにして得られた各光記録媒体に用
いた粘着剤シートの貯蔵弾性率〔G′〕を測定した。そ
して、これら粘着剤シートを用いて、下記の基準に従
い、位置合わせ性の評価および接着力の測定評価を行っ
た。その結果を後記の表1に併せて示した。
【0046】〔貯蔵弾性率〔G′〕の測定〕先に述べた
ように、レオメトリック社製の動的粘弾性測定装置RD
S−IIを用い、サンプル厚み約1.5mm、直径7.9
mmのパラレルプレートの治具により、周波数1Hz
で、測定温度−30℃、室温(23℃)および80℃で
の貯蔵弾性率〔G′〕をそれぞれ測定した。
【0047】〔位置合わせ性の評価〕室温(23℃)
下、上記粘着剤シートを光ディスク基板の透明保護層に
押しつけた後、約1秒後に剥離して位置合わせ性の評価
を行った。そして、光ディスク基板を損傷することなく
剥離でき、再位置合わせ可能なものを○として表示し、
剥離する際に光ディスク基板が損傷し、再位置合わせで
きないものを×として表示した。
【0048】〔接着力〕粘着剤シートを光ディスク基板
の透明保護層に貼り付けて所定時間(10秒あるいは2
4時間)放置した後、雰囲気温度23℃、剥離速度30
0mm/分の条件で180°剥離接着力を測定した。そ
して、10秒後の接着力が0.1kg/20mm幅以下
のもの、すなわち初期タックが低いものを○として表示
し、0.1kg/20mm幅を超えるもの、すなわち初
期タックが高いものを×として表示した。また、24時
間後の接着力が1kg/20mm幅以上のものを○とし
て表示し、1kg/20mm幅未満のものを×として表
示した。
【0049】
【表1】
【0050】上記表1の結果から、実施例品に用いた粘
着剤シートは、−30℃、室温(23℃)および80℃
での貯蔵弾性率〔G′〕がいずれも特定の範囲内にある
ため、10秒後の接着力、すなわち初期タックが低く、
位置合わせ性が良好であるとともに、24時間放置後の
接着力も高い。したがって、これら粘着剤シートを用い
て得られた実施例品の光記録媒体は、いずれも気泡の発
生が見られず、貼り合わせ時の位置ずれがないため外観
良好であった。
【0051】これに対して、比較例1品に用いた粘着剤
シートは、−30℃、室温(23℃)および80℃での
貯蔵弾性率〔G′〕がいずれも特定の範囲から外れるた
め、初期タックが高く、位置合わせ性が劣る。そのた
め、この粘着剤シートを用いて得られた比較例1品の光
記録媒体は、気泡の発生が見られ、貼り合わせ時の位置
ずれが見られた。また、比較例2品に用いた粘着剤シー
トは、室温(23℃)での貯蔵弾性率〔G′〕が特定の
範囲内であるため初期タックは低いが、−30℃および
80℃での貯蔵弾性率〔G′〕がいずれも特定の範囲か
ら外れるため、24時間放置後の接着力が劣る。そのた
め、この粘着剤シートを用いて構成された比較例2品の
光記録媒体は、気泡の発生は見られず外観良好である
が、24時間放置後の接着力が劣る。
【0052】
【発明の効果】以上のように、本発明の光記録媒体は、
第1の光記録層と第2の光記録層との間に介在される粘
着剤層が、特定の特性を備えた特殊な粘着剤組成物によ
って形成されている。すなわち、上記粘着剤組成物は、
−30℃、室温および80℃での貯蔵弾性率〔G′〕が
いずれも特定の範囲に設定されているため、高弾性であ
るにもかかわらず初期タックが低い。したがって、この
特殊な粘着剤組成物を用いて構成された本発明の光記録
媒体は、被着体の位置合わせが容易で、たとえ被着体の
貼り合わせミスをした場合でも、被着体を損傷すること
なく剥離して再利用することができ、しかも、被着体の
貼り合わせ後は強固に接着して高い接着力を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の光記録媒体(光ディスク)の
一例の構成を示す断面図、(b)はその平面図である。
【図2】従来の光記録媒体(光ディスク)の構成を示す
断面図である。
【符号の説明】
1 光記録媒体(光ディスク) 2a,2b 透明基板 3a,3b 光記録層 4a,4b 透明保護層 5 粘着剤層(粘着剤シート) 6a,6b 光ディスク基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安藤 雅彦 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 (72)発明者 ▲徳▼永 泰之 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の光記録層と第2の光記録層とが粘
    着剤層を介して接着された光記録媒体であって、上記粘
    着剤層が下記の特性(A)〜(C)を全て備えた粘着剤
    組成物によって形成されていることを特徴とする光記録
    媒体。 (A)−30℃での貯蔵弾性率〔G′〕が3×107
    yne/cm2 以下。 (B)室温での貯蔵弾性率〔G′〕が5×106 dyn
    e/cm2 以上。 (C)80℃での貯蔵弾性率〔G′〕が1×106 dy
    ne/cm2 以上。
  2. 【請求項2】 上記粘着剤層が下記の特性(a)〜
    (c)を全て備えた粘着剤組成物によって形成されてい
    る請求項1記載の光記録媒体。 (a)−30℃での貯蔵弾性率〔G′〕が5×106
    3×107 dyne/cm2 。 (b)室温での貯蔵弾性率〔G′〕が5×106 〜5×
    107 dyne/cm2。 (c)80℃での貯蔵弾性率〔G′〕が1×106 〜5
    ×107 dyne/cm2
  3. 【請求項3】 上記粘着剤層が、下記の一般式(1)で
    表される繰り返し単位を有するポリマーを含有する粘着
    剤組成物によって形成されている請求項1または2記載
    の光記録媒体。 【化1】
JP9100468A 1997-04-17 1997-04-17 光記録媒体 Pending JPH10293946A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9100468A JPH10293946A (ja) 1997-04-17 1997-04-17 光記録媒体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9100468A JPH10293946A (ja) 1997-04-17 1997-04-17 光記録媒体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10293946A true JPH10293946A (ja) 1998-11-04

Family

ID=14274751

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9100468A Pending JPH10293946A (ja) 1997-04-17 1997-04-17 光記録媒体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10293946A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001164221A (ja) * 1999-12-07 2001-06-19 Nitto Denko Corp 再剥離型粘着剤および粘着シート類
JP2002241711A (ja) * 2001-02-15 2002-08-28 Hitachi Chem Co Ltd 光記録媒体用フィルム状接着剤及び光記録媒体の製造方法
US6599602B2 (en) 1999-06-02 2003-07-29 3M Innovative Properties Company Polycarbonate articles and adhesive composition therefor
JP2008041156A (ja) * 2006-08-04 2008-02-21 Sony Corp 光ディスク
JP2011021207A (ja) * 2010-11-02 2011-02-03 Nitto Denko Corp 再剥離型粘着剤および粘着シート類
JP2011093977A (ja) * 2009-10-28 2011-05-12 Lintec Corp 加飾印刷層付き粘着シートとその製造方法、および携帯端末機器

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6599602B2 (en) 1999-06-02 2003-07-29 3M Innovative Properties Company Polycarbonate articles and adhesive composition therefor
US6815035B2 (en) 1999-06-02 2004-11-09 3M Innovative Properties Company Polycarbonate articles and adhesive composition therefor
JP2001164221A (ja) * 1999-12-07 2001-06-19 Nitto Denko Corp 再剥離型粘着剤および粘着シート類
JP4705214B2 (ja) * 1999-12-07 2011-06-22 日東電工株式会社 再剥離型粘着剤および粘着シート類
JP2002241711A (ja) * 2001-02-15 2002-08-28 Hitachi Chem Co Ltd 光記録媒体用フィルム状接着剤及び光記録媒体の製造方法
JP2008041156A (ja) * 2006-08-04 2008-02-21 Sony Corp 光ディスク
JP4618212B2 (ja) * 2006-08-04 2011-01-26 ソニー株式会社 光ディスク
JP2011093977A (ja) * 2009-10-28 2011-05-12 Lintec Corp 加飾印刷層付き粘着シートとその製造方法、および携帯端末機器
JP2011021207A (ja) * 2010-11-02 2011-02-03 Nitto Denko Corp 再剥離型粘着剤および粘着シート類

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6274588B2 (ja) 保護膜形成層付ダイシングシートおよびチップの製造方法
WO1996028519A1 (fr) Composition adhesive autocollante et feuilles adhesives autocollantes a base de cette composition et agents de scellement, feuilles de renforcement et feuilles adhesives autocollantes destinees a l'impression
JP4158409B2 (ja) 光ディスクの製造方法
TW201508045A (zh) 具有保護膜形成層之切割膜片及晶片之製造方法
JP4099220B2 (ja) 粘着シート類
JP2000096002A (ja) 熱硬化型感圧性接着剤とその接着シ―ト類
JP2009209320A (ja) 研磨材固定用両面粘着テープ
JP3620810B2 (ja) ウエハ保護用粘着シート
WO2001075889A1 (fr) Etiquette adhesive autocollante pour unite de disque dur, et procede de reduction du bruit genere lors du fonctionnement de l'unite de disque dur a l'aide de l'etiquette adhesive autocollante
JP2004137457A (ja) ポリカーボネート用表面保護フィルム
JPH10293946A (ja) 光記録媒体
JP2001316658A (ja) 接着剤組成物、熱活性接着剤および光架橋性熱活性接着剤
JPH1129751A (ja) 両面粘着シ―ト類
JP7382690B2 (ja) ワーク加工用シート
EP1617429A1 (en) Sheet for manufacturing optical disk and optical disk
JP2008111046A (ja) 異種部材接合用粘着シートおよび積層体
JP2000144071A (ja) 光重合性組成物、光硬化型粘接着シート及び部材の接合方法
JP4139648B2 (ja) 光ディスク製造用シート
JP2016196567A (ja) 易剥離型粘着テープ、電子機器、携帯電子端末及び解体方法
JP2015089910A (ja) 自発巻回性粘着テープ
JPH11166159A (ja) 光学基板の接着方法
JPH06264037A (ja) 両面粘着テープ及びその製造方法
JP2005154782A (ja) 粘着シート類
JP2007051293A (ja) 感圧接着剤シート
JP2003099749A (ja) 光硬化型粘接着テープ及びこれを用いた接触型icカードの製造方法