JPH11166051A - ポリアミック酸組成物及びそれからなるポリイミドフィルム - Google Patents
ポリアミック酸組成物及びそれからなるポリイミドフィルムInfo
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- JPH11166051A JPH11166051A JP33541897A JP33541897A JPH11166051A JP H11166051 A JPH11166051 A JP H11166051A JP 33541897 A JP33541897 A JP 33541897A JP 33541897 A JP33541897 A JP 33541897A JP H11166051 A JPH11166051 A JP H11166051A
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- H05K1/02—Details
- H05K1/03—Use of materials for the substrate
- H05K1/0313—Organic insulating material
- H05K1/032—Organic insulating material consisting of one material
- H05K1/0346—Organic insulating material consisting of one material containing N
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- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
- Macromolecular Compounds Obtained By Forming Nitrogen-Containing Linkages In General (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 ポリイミドフィルムを安定的に作製できるポ
リアミック酸組成物、およびACF(異方性導電膜)圧
着性等の実装性に優れたポリイミドフィルムを提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 本発明は、ポリアミド酸と、第三級アミ
ン及びポリアミック酸を5%以上溶解しない貧溶媒から
なるポリアミック酸組成物と、それからなるポリイミド
フィルムを提供する。
リアミック酸組成物、およびACF(異方性導電膜)圧
着性等の実装性に優れたポリイミドフィルムを提供する
ことを目的とする。 【解決手段】 本発明は、ポリアミド酸と、第三級アミ
ン及びポリアミック酸を5%以上溶解しない貧溶媒から
なるポリアミック酸組成物と、それからなるポリイミド
フィルムを提供する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミック酸組
成物とそれからなるポリイミドフィルムに関し、更に詳
しくは、フレキシブルプリント配線板やTAB(テープ
オートメイテッド ボンディング)テープ等の電気・
電子部品用途に用いられるポリイミドフィルムを安定的
に作成できるポリアミック酸組成物とそれからなるAC
F(異方性導電膜)圧着性等の実装性に優れたポリイミ
ドフィルムに関する。
成物とそれからなるポリイミドフィルムに関し、更に詳
しくは、フレキシブルプリント配線板やTAB(テープ
オートメイテッド ボンディング)テープ等の電気・
電子部品用途に用いられるポリイミドフィルムを安定的
に作成できるポリアミック酸組成物とそれからなるAC
F(異方性導電膜)圧着性等の実装性に優れたポリイミ
ドフィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、フレキシブルプリント基板(FP
C)やTABテープをはじめとする基板材料用途にポリ
イミドフィルムが用いられている。ポリイミドは、溶剤
に難溶であり、軟化温度も高いためそのままの状態では
加工性に劣る。そのため、フィルムとするにはポリイミ
ドの前駆体であるポリアミック酸の状態で支持体上にキ
ャストした後、加熱し自己支持性を持たせた状態で剥離
し、更に加熱しイミド化を進める方法が知られている。
C)やTABテープをはじめとする基板材料用途にポリ
イミドフィルムが用いられている。ポリイミドは、溶剤
に難溶であり、軟化温度も高いためそのままの状態では
加工性に劣る。そのため、フィルムとするにはポリイミ
ドの前駆体であるポリアミック酸の状態で支持体上にキ
ャストした後、加熱し自己支持性を持たせた状態で剥離
し、更に加熱しイミド化を進める方法が知られている。
【0003】また、脱水剤と硬化促進剤を併用する化学
的キュア方式を用いると、支持体上で加熱する際、硬化
反応が急激に生じ、支持体側に溶媒や反応生成物がしみ
出すため剥離には問題が生じない。しかし、上記化学的
キュア方式で作製したポリイミドフィルムは、ACF
(異方性導電膜)圧着性等の実装性に劣るという問題を
有していた。
的キュア方式を用いると、支持体上で加熱する際、硬化
反応が急激に生じ、支持体側に溶媒や反応生成物がしみ
出すため剥離には問題が生じない。しかし、上記化学的
キュア方式で作製したポリイミドフィルムは、ACF
(異方性導電膜)圧着性等の実装性に劣るという問題を
有していた。
【0004】そのため、ACF(異方性導電膜)圧着性
等の実装性を備えたポリイミドフィルムを得るために、
ポリアミック酸のイミド化は、熱的キュア方式による方
が好ましいが、熱的キュア方式において、支持体から自
己支持性フィルムを剥離することは容易ではなく、フィ
ルムに裂けや傷が生じる等の問題が生じる。これらの解
決策として、カルボン酸やリン酸エステル等の添加が報
告されているが、プロトン系の化合物の添加は、フィル
ムの脆化やカール等を伴うため、ポリイミドフィルムの
総合的な物性バランスを保持することは困難であった。
等の実装性を備えたポリイミドフィルムを得るために、
ポリアミック酸のイミド化は、熱的キュア方式による方
が好ましいが、熱的キュア方式において、支持体から自
己支持性フィルムを剥離することは容易ではなく、フィ
ルムに裂けや傷が生じる等の問題が生じる。これらの解
決策として、カルボン酸やリン酸エステル等の添加が報
告されているが、プロトン系の化合物の添加は、フィル
ムの脆化やカール等を伴うため、ポリイミドフィルムの
総合的な物性バランスを保持することは困難であった。
【0005】一方、例えば特開昭64−56771号で
は、芳香族ポリアミック酸コーティング溶液組成物に貧
溶媒を加え、基体フィルムにコーティングを施して積層
フィルムを作成する際の、コーティングフィルムの亀裂
(ソルベントクレージング)を防止するということが報
告されている。
は、芳香族ポリアミック酸コーティング溶液組成物に貧
溶媒を加え、基体フィルムにコーティングを施して積層
フィルムを作成する際の、コーティングフィルムの亀裂
(ソルベントクレージング)を防止するということが報
告されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
開昭64−56771号におけるソルベントクレージン
グは、基体フィルムの芳香族ポリアミック酸が芳香族ポ
リアミック酸溶液組成物中の溶媒に部分的に溶解され、
フィルムの脆化部分に力が作用して生じるものであり、
ポリアミック酸のイミド化を伴うフィルム形成の際に生
じる裂けとは生成原因が全く相違する。さらに、上記特
開昭64−56771号で報告されているような貧溶媒
の添加のみでは、フィルムの充分な剥離性の改善効果は
認められないことが確認されている。
開昭64−56771号におけるソルベントクレージン
グは、基体フィルムの芳香族ポリアミック酸が芳香族ポ
リアミック酸溶液組成物中の溶媒に部分的に溶解され、
フィルムの脆化部分に力が作用して生じるものであり、
ポリアミック酸のイミド化を伴うフィルム形成の際に生
じる裂けとは生成原因が全く相違する。さらに、上記特
開昭64−56771号で報告されているような貧溶媒
の添加のみでは、フィルムの充分な剥離性の改善効果は
認められないことが確認されている。
【0007】そこで、本発明者らは、上記問題を解決す
べく鋭意研究を重ねた結果、熱的キュア方式でポリイミ
ドフィルムを安定的に作製することができるポリアミッ
ク酸組成物を見出し、剥離性が良好であり、ACF(異
方性導電膜)圧着性等の実装性に優れたポリイミドフィ
ルムを提供する。
べく鋭意研究を重ねた結果、熱的キュア方式でポリイミ
ドフィルムを安定的に作製することができるポリアミッ
ク酸組成物を見出し、剥離性が良好であり、ACF(異
方性導電膜)圧着性等の実装性に優れたポリイミドフィ
ルムを提供する。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明にかか
るポリアミック酸組成物の要旨とするところは、有機極
性溶媒中で芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジ
アミンの重合反応により得られたポリアミック酸と第三
級アミン及びポリアミック酸を5%以上溶解しない貧溶
媒を含むことにある。
るポリアミック酸組成物の要旨とするところは、有機極
性溶媒中で芳香族テトラカルボン酸二無水物と芳香族ジ
アミンの重合反応により得られたポリアミック酸と第三
級アミン及びポリアミック酸を5%以上溶解しない貧溶
媒を含むことにある。
【0009】前記第三級アミンの添加量が、ポリアミッ
ク酸組成物の全溶媒量に対して、2〜10重量%である
ことにある。
ク酸組成物の全溶媒量に対して、2〜10重量%である
ことにある。
【0010】前記貧溶媒の添加量が、ポリアミック酸組
成物の全溶媒量に対して、2重量%〜10重量%である
ことにある。
成物の全溶媒量に対して、2重量%〜10重量%である
ことにある。
【0011】また、本発明にかかるポリイミドフィルム
の要旨とするところは、前記ポリアミック酸組成物を加
熱乾燥し、イミド化させることにある。
の要旨とするところは、前記ポリアミック酸組成物を加
熱乾燥し、イミド化させることにある。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明にかかるポリアミッ
ク酸組成物及びそれからなるポリイミドフィルムについ
て、実施の形態の1例を説明する。
ク酸組成物及びそれからなるポリイミドフィルムについ
て、実施の形態の1例を説明する。
【0013】まず、本発明にかかるポリアミック酸組成
物は、少なくとも、ポリアミック酸、第三級アミン、及
びポリアミック酸を5%以上溶解しない貧溶媒で構成さ
れる。
物は、少なくとも、ポリアミック酸、第三級アミン、及
びポリアミック酸を5%以上溶解しない貧溶媒で構成さ
れる。
【0014】上記ポリアミック酸は、有機極性溶媒中、
芳香族テトラカルボン酸二無水物と、芳香族ジアミンの
重合反応により得られるが、まず、ポリアミック酸につ
いて説明する。
芳香族テトラカルボン酸二無水物と、芳香族ジアミンの
重合反応により得られるが、まず、ポリアミック酸につ
いて説明する。
【0015】本発明にかかるポリアミック酸に用いられ
る芳香族テトラカルボン酸二無水物成分としては、基本
的にあらゆる芳香族テトラカルボン酸二無水物が用いら
れ得る。例えば、ピロメリット酸、3,3',4,4'-ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸、3,3',4,4'-ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,3,3',4- ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸、ビ
ス(3,4- ジカルボキシフェニル) メタン、2,2-ビス(3,4
- ジカルボキシフェニル) プロパン、ビス(3,4- ジカル
ボキシフェニル) チオエーテル、ビス(3,4- ジカルボキ
シフェニル) スルホン等が挙げられる。
る芳香族テトラカルボン酸二無水物成分としては、基本
的にあらゆる芳香族テトラカルボン酸二無水物が用いら
れ得る。例えば、ピロメリット酸、3,3',4,4'-ベンゾフ
ェノンテトラカルボン酸、3,3',4,4'-ビフェニルテトラ
カルボン酸二無水物、2,2',3,3'-ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物、2,3,3',4- ビフェニルテトラカルボン
酸二無水物、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸、ビ
ス(3,4- ジカルボキシフェニル) メタン、2,2-ビス(3,4
- ジカルボキシフェニル) プロパン、ビス(3,4- ジカル
ボキシフェニル) チオエーテル、ビス(3,4- ジカルボキ
シフェニル) スルホン等が挙げられる。
【0016】また、上記芳香族ジアミン成分としては、
基本的にあらゆる芳香族ジアミンが用いられ得る。例え
ば、 4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、 4,4'-ジアミ
ノジフェニルメタン、 4,4'-ジアミノジフェニルプロパ
ン、ベンジジン、 3,3'-ジメチルベンジジン、 4,4'-ジ
アミノジフェニルスルフィド、 4,4'-ジアミノジフェニ
ルスルホン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレン
ジアミン、 3,3'-ジアミノジフェニルメタン、 3,3'-ジ
アミノジフェニルプロパン、 3,3'-ジアミノジフェニル
スルフィド、3,3'- ジアミノジフェニルスルホン等が挙
げられる。
基本的にあらゆる芳香族ジアミンが用いられ得る。例え
ば、 4,4'-ジアミノジフェニルエーテル、 4,4'-ジアミ
ノジフェニルメタン、 4,4'-ジアミノジフェニルプロパ
ン、ベンジジン、 3,3'-ジメチルベンジジン、 4,4'-ジ
アミノジフェニルスルフィド、 4,4'-ジアミノジフェニ
ルスルホン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレン
ジアミン、 3,3'-ジアミノジフェニルメタン、 3,3'-ジ
アミノジフェニルプロパン、 3,3'-ジアミノジフェニル
スルフィド、3,3'- ジアミノジフェニルスルホン等が挙
げられる。
【0017】これらの芳香族テトラカルボン酸二無水物
成分と、芳香族ジアミン成分はそれぞれ1種類または2
種類以上用いてもよい。
成分と、芳香族ジアミン成分はそれぞれ1種類または2
種類以上用いてもよい。
【0018】ポリアミック酸の重合反応に用いる有機極
性溶媒としては、例えばジアミノエチルスルホキシド、
ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N,N-ジ
メチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド等のホ
ルムアミド系溶媒、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジ
エチルアセトアミド等のアセトアミド系溶媒、N-メチル
-2- ピロリドン、N-ビニル-2- ピロリドン等のピロリド
ン系溶媒、フェノール、o−、m−、又はp−クレゾー
ル、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール
等のフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホル
アミド、γ−ブチロラクトン等をあげることができる。
これらを、1種類、または2種類以上からなる混合溶媒
で用いることもできる。さらには、キシレン、トルエン
等の芳香族炭化水素を混合して用いることもできる。
性溶媒としては、例えばジアミノエチルスルホキシド、
ジエチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N,N-ジ
メチルホルムアミド、N,N-ジエチルホルムアミド等のホ
ルムアミド系溶媒、N,N-ジメチルアセトアミド、N,N-ジ
エチルアセトアミド等のアセトアミド系溶媒、N-メチル
-2- ピロリドン、N-ビニル-2- ピロリドン等のピロリド
ン系溶媒、フェノール、o−、m−、又はp−クレゾー
ル、キシレノール、ハロゲン化フェノール、カテコール
等のフェノール系溶媒、あるいはヘキサメチルホスホル
アミド、γ−ブチロラクトン等をあげることができる。
これらを、1種類、または2種類以上からなる混合溶媒
で用いることもできる。さらには、キシレン、トルエン
等の芳香族炭化水素を混合して用いることもできる。
【0019】以下に、ポリアミック酸の製造方法につい
て具体的に述べる。
て具体的に述べる。
【0020】まず、アルゴン、窒素などの不活性ガス雰
囲気下において、1種あるいは、2種のジアミンを有機
溶媒に溶解、あるいはスラリー状に拡散させる。この溶
液に少なくとも1種以上のテトラカルボン酸二無水物を
固体の状態または有機溶媒溶液の状態あるいは、スラリ
ー状態で添加し、ポリアミック酸溶液を得る。この時の
反応温度は、−20℃から100℃、望ましくは、60
℃以下である。反応時間は、30分から12時間であ
る。
囲気下において、1種あるいは、2種のジアミンを有機
溶媒に溶解、あるいはスラリー状に拡散させる。この溶
液に少なくとも1種以上のテトラカルボン酸二無水物を
固体の状態または有機溶媒溶液の状態あるいは、スラリ
ー状態で添加し、ポリアミック酸溶液を得る。この時の
反応温度は、−20℃から100℃、望ましくは、60
℃以下である。反応時間は、30分から12時間であ
る。
【0021】また、この反応において、上記添加手順と
は逆に、まずテトラカルボン酸二無水物を有機溶媒に溶
解または拡散させ、この溶液中に前記ジアミンの固体も
しくは有機溶媒による溶液もしくはスラリーを添加させ
ても良い。また、同時に反応させても良く、酸二無水物
成分、ジアミン成分の混合順序は限定されない。
は逆に、まずテトラカルボン酸二無水物を有機溶媒に溶
解または拡散させ、この溶液中に前記ジアミンの固体も
しくは有機溶媒による溶液もしくはスラリーを添加させ
ても良い。また、同時に反応させても良く、酸二無水物
成分、ジアミン成分の混合順序は限定されない。
【0022】上記芳香族テトラカルボン酸二無水物と、
芳香族ジアミン成分をほぼ等モル計量し、前記有機極性
溶媒中に溶解する。本発明において、芳香族テトラカル
ボン酸二無水物と芳香族ジアミンの添加順序は限定され
ない。同時に添加してもよい。また、それぞれを溶解し
た有機極性溶媒を混合してもよい。
芳香族ジアミン成分をほぼ等モル計量し、前記有機極性
溶媒中に溶解する。本発明において、芳香族テトラカル
ボン酸二無水物と芳香族ジアミンの添加順序は限定され
ない。同時に添加してもよい。また、それぞれを溶解し
た有機極性溶媒を混合してもよい。
【0023】本発明にかかるポリアミック酸組成物は、
上記のようにして、芳香族テトラカルボン酸二無水物成
分と芳香族ジアミン成分とをおよそ等モル、有機極性溶
媒中で重合反応により、ポリアミック酸組成物が有機極
性溶媒中に均一に溶解しているポリアミック酸溶液が得
られる。
上記のようにして、芳香族テトラカルボン酸二無水物成
分と芳香族ジアミン成分とをおよそ等モル、有機極性溶
媒中で重合反応により、ポリアミック酸組成物が有機極
性溶媒中に均一に溶解しているポリアミック酸溶液が得
られる。
【0024】芳香族テトラカルボン酸二無水物と、芳香
族ジアミン成分の成分比率は、取扱いの面等から、有機
極性溶媒中、5〜40重量%、好ましくは、10〜30
重量%溶解されているのが好ましい。従って、得られる
上記ポリアミック酸の有機極性溶媒中の固形分濃度は、
通常10〜25%が好ましい。
族ジアミン成分の成分比率は、取扱いの面等から、有機
極性溶媒中、5〜40重量%、好ましくは、10〜30
重量%溶解されているのが好ましい。従って、得られる
上記ポリアミック酸の有機極性溶媒中の固形分濃度は、
通常10〜25%が好ましい。
【0025】続いて、上記得られたポリアミック酸有機
極性溶媒溶液に、第三級アミン及びポリアミック酸の貧
溶媒を添加することにより本発明にかかるポリアミック
酸組成物を調整することができる。また、例えば、芳香
族テトラカルボン酸二無水物成分と芳香族ジアミン成分
とをおよそ等モル、有機極性溶媒中で重合するときに、
あらかじめ第三級アミン及び貧溶媒を有機極性溶媒中に
均一に溶解させておくことによっても、調整することが
できる。
極性溶媒溶液に、第三級アミン及びポリアミック酸の貧
溶媒を添加することにより本発明にかかるポリアミック
酸組成物を調整することができる。また、例えば、芳香
族テトラカルボン酸二無水物成分と芳香族ジアミン成分
とをおよそ等モル、有機極性溶媒中で重合するときに、
あらかじめ第三級アミン及び貧溶媒を有機極性溶媒中に
均一に溶解させておくことによっても、調整することが
できる。
【0026】ここで、本発明に用いられる第三級アミン
としては、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4
−ピコリン、キノリン、イソキノリン、N,N-ジメチルア
ニリン、2,4-ルチジン、2,6-ルチジン、トリメチルピリ
ジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン等が挙げら
れる。好ましくは、pKaが、5.3以下、さらに好ま
しくは、pKa3.0〜5.3である。pKaがこの範
囲より大きいと、イミド化が著しく進行し、熱伝導性が
悪くなる。また、pKaがこの範囲より小さいと、充分
なフィルム強度が得られない。このような条件を満たす
第三級アミンとしては、例えば、ピリジン、キノリン等
である。
としては、ピリジン、2−ピコリン、3−ピコリン、4
−ピコリン、キノリン、イソキノリン、N,N-ジメチルア
ニリン、2,4-ルチジン、2,6-ルチジン、トリメチルピリ
ジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン等が挙げら
れる。好ましくは、pKaが、5.3以下、さらに好ま
しくは、pKa3.0〜5.3である。pKaがこの範
囲より大きいと、イミド化が著しく進行し、熱伝導性が
悪くなる。また、pKaがこの範囲より小さいと、充分
なフィルム強度が得られない。このような条件を満たす
第三級アミンとしては、例えば、ピリジン、キノリン等
である。
【0027】また、第三級アミンの添加量は、ポリアミ
ック酸組成物の全溶媒量に対して、好ましくは2〜10
重量%である。添加量が、この範囲より少ないとフィル
ム強度が得られず、またこの範囲より多いとACF圧着
性が悪くなる。より望ましい特性を得るためには、さら
に好ましくは5〜10重量%である。なお、上記第三級
アミンの添加比率は、ポリアミック酸固形分濃度により
上記範囲内で変動しうる。
ック酸組成物の全溶媒量に対して、好ましくは2〜10
重量%である。添加量が、この範囲より少ないとフィル
ム強度が得られず、またこの範囲より多いとACF圧着
性が悪くなる。より望ましい特性を得るためには、さら
に好ましくは5〜10重量%である。なお、上記第三級
アミンの添加比率は、ポリアミック酸固形分濃度により
上記範囲内で変動しうる。
【0028】第三級アミンの添加は、イミド化の触媒の
役割を担うとともに、支持体より剥離する際に、裂けや
傷を生じにくい自己支持性を有するフィルムが得られ
る。
役割を担うとともに、支持体より剥離する際に、裂けや
傷を生じにくい自己支持性を有するフィルムが得られ
る。
【0029】また、本発明に用いられる貧溶媒には、ポ
リアミック酸を5%以上溶解しない溶媒として、例え
ば、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジフェ
ニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のエ
ーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール等の
アルコール類、エチレングリコール、トリエチレングリ
コール等を用いることができる。このなかで、非プロト
ン系の溶媒が好ましく用いられる。プロトン系の溶媒を
加えると自己支持性フィルムをさらに加熱させ、イミド
化を進行させる際に、カールや裂けなどが生じることが
あるためである。
リアミック酸を5%以上溶解しない溶媒として、例え
ば、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジフェ
ニルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル等のエ
ーテル類、メタノール、エタノール、プロパノール等の
アルコール類、エチレングリコール、トリエチレングリ
コール等を用いることができる。このなかで、非プロト
ン系の溶媒が好ましく用いられる。プロトン系の溶媒を
加えると自己支持性フィルムをさらに加熱させ、イミド
化を進行させる際に、カールや裂けなどが生じることが
あるためである。
【0030】ポリアミック酸を5%以上溶解しない貧溶
媒が存在することで、支持体上で加熱する際、支持体側
に、本発明溶媒のしみ出しが生じるため支持体からの剥
離が容易となる効果がある。
媒が存在することで、支持体上で加熱する際、支持体側
に、本発明溶媒のしみ出しが生じるため支持体からの剥
離が容易となる効果がある。
【0031】また、自己支持性フィルムを得る際の望ま
しい加熱温度は、80℃〜180℃、さらに好ましくは
100℃〜140℃である。このため、この温度範囲内
で支持体側にしみ出す貧溶媒を選択することが重要であ
る。しみ出した溶剤が揮発しやすいものや、しみ出す前
に揮発するような貧溶媒は、支持体から自己支持性フィ
ルムを剥離する際の剥離強度の低減効果が得られないの
で、好ましくない。
しい加熱温度は、80℃〜180℃、さらに好ましくは
100℃〜140℃である。このため、この温度範囲内
で支持体側にしみ出す貧溶媒を選択することが重要であ
る。しみ出した溶剤が揮発しやすいものや、しみ出す前
に揮発するような貧溶媒は、支持体から自己支持性フィ
ルムを剥離する際の剥離強度の低減効果が得られないの
で、好ましくない。
【0032】また、第三級アミンと、貧溶媒が重なるも
のもあるが、支持体側へのしみ出しがあり、熱伝導に悪
影響を及ぼさなければ、貧溶媒として第三級アミンが用
いられることを妨げない。
のもあるが、支持体側へのしみ出しがあり、熱伝導に悪
影響を及ぼさなければ、貧溶媒として第三級アミンが用
いられることを妨げない。
【0033】本発明に用いられる貧溶媒の添加量は、ポ
リアミック酸組成物の全溶媒量に対して、好ましくは2
〜10重量%である。貧溶媒がこの値より少ないと、し
みだしによる支持体からの剥離強度が高くなり、フィル
ムの裂けや傷の原因となる。また、この範囲より多い
と、ポリアミック酸の溶解性が低くなる。望ましい特性
を得るために、さらに好ましくは5〜10重量%であ
る。なお、上記貧溶媒の添加比率は、ポリアミック酸固
形分濃度により、上記範囲内で変動しうる。
リアミック酸組成物の全溶媒量に対して、好ましくは2
〜10重量%である。貧溶媒がこの値より少ないと、し
みだしによる支持体からの剥離強度が高くなり、フィル
ムの裂けや傷の原因となる。また、この範囲より多い
と、ポリアミック酸の溶解性が低くなる。望ましい特性
を得るために、さらに好ましくは5〜10重量%であ
る。なお、上記貧溶媒の添加比率は、ポリアミック酸固
形分濃度により、上記範囲内で変動しうる。
【0034】本発明にかかるポリアミック酸組成物は、
有機溶媒中で重合したポリアミック酸に、第三級アミン
及びポリアミック酸を5%以上溶解しない貧溶媒の双方
を添加することが重要である。ポリアミック酸と第三級
アミンのみの組成であると、支持体上で自己支持性フィ
ルムを作製する際、フィルムの強度は高くなるが、剥離
強度も高くなるため、裂けが生じたり傷が入ったりする
ことがある。また、ポリアミック酸と貧溶媒のみの組成
では、剥離強度は低くなるが、フィルムが弱く裂けやす
くなるためである。
有機溶媒中で重合したポリアミック酸に、第三級アミン
及びポリアミック酸を5%以上溶解しない貧溶媒の双方
を添加することが重要である。ポリアミック酸と第三級
アミンのみの組成であると、支持体上で自己支持性フィ
ルムを作製する際、フィルムの強度は高くなるが、剥離
強度も高くなるため、裂けが生じたり傷が入ったりする
ことがある。また、ポリアミック酸と貧溶媒のみの組成
では、剥離強度は低くなるが、フィルムが弱く裂けやす
くなるためである。
【0035】なお、第三級アミンと貧溶媒の添加量は、
自己支持性フィルムを得る際の加熱条件によって異なる
ため、適宜調整するのが望ましい。
自己支持性フィルムを得る際の加熱条件によって異なる
ため、適宜調整するのが望ましい。
【0036】また、貧溶媒と第三級アミンの添加比率
は、基本的には、それぞれの添加量の範囲内で、変更す
ることができる、双方の性質の相乗作用が、好ましく効
果するために、貧溶媒/第三級アミンの比率は、0.2
〜5の範囲内がよい。
は、基本的には、それぞれの添加量の範囲内で、変更す
ることができる、双方の性質の相乗作用が、好ましく効
果するために、貧溶媒/第三級アミンの比率は、0.2
〜5の範囲内がよい。
【0037】以上のように、第三級アミンの添加により
支持体から剥離する際に自己支持性フィルムの強度をあ
げる効果がある。さらに、貧溶媒を添加することによっ
て、自己支持性フィルム剥離時に溶解性の低い溶剤が支
持体側にしみ出ることにより、剥離強度を下げる効果が
ある。これら第三級アミンと貧溶媒の有する特性の相乗
効果により、安定的にポリイミドフィルムを製造するこ
とができる本発明にかかるポリアミック酸組成物が得ら
れるのである。
支持体から剥離する際に自己支持性フィルムの強度をあ
げる効果がある。さらに、貧溶媒を添加することによっ
て、自己支持性フィルム剥離時に溶解性の低い溶剤が支
持体側にしみ出ることにより、剥離強度を下げる効果が
ある。これら第三級アミンと貧溶媒の有する特性の相乗
効果により、安定的にポリイミドフィルムを製造するこ
とができる本発明にかかるポリアミック酸組成物が得ら
れるのである。
【0038】本発明にかかるポリイミドフィルムは、上
記得られたポリアミック酸組成物中のポリアミック酸を
脱水閉環して得られる。
記得られたポリアミック酸組成物中のポリアミック酸を
脱水閉環して得られる。
【0039】本発明にかかるポリイミドフィルムは、本
発明にかかるポリアミック酸組成物を用いて、熱的キュ
ア法により脱水閉環(イミド化)して得られるが、その
方法の1例について説明する。ここで、本発明でいう熱
的キュア法とは、脱水剤を含まずに脱水閉環する方法を
いう。
発明にかかるポリアミック酸組成物を用いて、熱的キュ
ア法により脱水閉環(イミド化)して得られるが、その
方法の1例について説明する。ここで、本発明でいう熱
的キュア法とは、脱水剤を含まずに脱水閉環する方法を
いう。
【0040】熱的キュア法の1例を以下の工程で説明す
るが、本発明は、これに限定されない。すなわち、上記
ポリアミック酸組成物の溶液を支持板、PET等の有機
フィルム、ドラムあるいは、エンドレスベルト等の支持
体上に流延又は塗布して膜状とし、その膜を、例えば1
50℃以下の温度で、約5〜90分間乾燥させる。加熱
の際の温度は、80℃〜180℃の範囲の温度が好まし
い。さらに、好ましくは、100℃〜140℃である。
加熱の際の昇温温度には制限はないが、徐々に加熱し、
最高温度が上記範囲の温度になるのが好ましい。上記の
ようにして、自己支持性を有するポリアミック酸のフィ
ルムを得る。次に、これを支持体から引き剥がす。ポリ
アミック酸のフィルムを徐々に加熱することにより、イ
ミド化して、本発明に係るポリイミドフィルムを得る。
焼成条件は、限定されないが、例えば、焼成温度は、2
00〜450℃程度とし、加熱時間は、フィルムの厚み
や最高温度に達してから10秒〜5分の範囲が好まし
い。
るが、本発明は、これに限定されない。すなわち、上記
ポリアミック酸組成物の溶液を支持板、PET等の有機
フィルム、ドラムあるいは、エンドレスベルト等の支持
体上に流延又は塗布して膜状とし、その膜を、例えば1
50℃以下の温度で、約5〜90分間乾燥させる。加熱
の際の温度は、80℃〜180℃の範囲の温度が好まし
い。さらに、好ましくは、100℃〜140℃である。
加熱の際の昇温温度には制限はないが、徐々に加熱し、
最高温度が上記範囲の温度になるのが好ましい。上記の
ようにして、自己支持性を有するポリアミック酸のフィ
ルムを得る。次に、これを支持体から引き剥がす。ポリ
アミック酸のフィルムを徐々に加熱することにより、イ
ミド化して、本発明に係るポリイミドフィルムを得る。
焼成条件は、限定されないが、例えば、焼成温度は、2
00〜450℃程度とし、加熱時間は、フィルムの厚み
や最高温度に達してから10秒〜5分の範囲が好まし
い。
【0041】上記得られたフィルムの厚さは、特に限定
されず、あらゆる用途に適する膜厚に設定し得る。
されず、あらゆる用途に適する膜厚に設定し得る。
【0042】また、フィルムの製造において、上記ポリ
アミック酸組成物に、熱劣化防止剤を加えて焼成時のフ
ィルムの劣化を防止し得る。その他の添加剤を加えて、
フィルム製造時におけるフィルムの劣化等を防止するこ
ともできる。熱劣化防止剤としては、トリフェニルフォ
スフェイト等のリン酸系の劣化防止剤、置換基を有する
又は置換基を有さないベンゾフェノン、トリフェニルア
ミン等が挙げられる。その他の添加剤としては、金属単
体、有機金属化合物、またはガラス系のフィラー類等が
挙げられる。
アミック酸組成物に、熱劣化防止剤を加えて焼成時のフ
ィルムの劣化を防止し得る。その他の添加剤を加えて、
フィルム製造時におけるフィルムの劣化等を防止するこ
ともできる。熱劣化防止剤としては、トリフェニルフォ
スフェイト等のリン酸系の劣化防止剤、置換基を有する
又は置換基を有さないベンゾフェノン、トリフェニルア
ミン等が挙げられる。その他の添加剤としては、金属単
体、有機金属化合物、またはガラス系のフィラー類等が
挙げられる。
【0043】上記のようにして、得られたポリイミドフ
ィルムは、剥離性が良好であり、かつ、厚み方向の熱伝
導が良好であるために、ACF(異方性導電膜)圧着性
等の実装性に優れたポリイミドフィルムを得ることがで
きる。
ィルムは、剥離性が良好であり、かつ、厚み方向の熱伝
導が良好であるために、ACF(異方性導電膜)圧着性
等の実装性に優れたポリイミドフィルムを得ることがで
きる。
【0044】以上のように、ポリアミック酸に第三級ア
ミン及び貧溶媒の両方を添加することにより、フィルム
を支持体から剥離する際のフィルム強度が高く、かつ剥
離強度を低くすることができ、支持体剥離性が良いポリ
アミックからACF圧着性等の実装性に優れたポリイミ
ドフィルムを得ることができる。
ミン及び貧溶媒の両方を添加することにより、フィルム
を支持体から剥離する際のフィルム強度が高く、かつ剥
離強度を低くすることができ、支持体剥離性が良いポリ
アミックからACF圧着性等の実装性に優れたポリイミ
ドフィルムを得ることができる。
【0045】以上、本発明にかかるポリアミック酸組成
物及びそれからなるポリイミドフィルムの有用性を明ら
かにすべく説明したが、本発明は、これら実施の形態の
みに限定されるものではなく、本発明はその趣旨を逸脱
しない範囲内で、種々なる改良、変更、修正を加えた態
様で実施するものである。
物及びそれからなるポリイミドフィルムの有用性を明ら
かにすべく説明したが、本発明は、これら実施の形態の
みに限定されるものではなく、本発明はその趣旨を逸脱
しない範囲内で、種々なる改良、変更、修正を加えた態
様で実施するものである。
【0046】以下、具体的に実施例について説明する
が、本発明は、これら実施例によって限定されるもので
はない。
が、本発明は、これら実施例によって限定されるもので
はない。
【0047】
【実施例】以下の実施例、比較例において、特記してい
ない場合は、熱的キュア方式で、イミド化したものであ
る。ここで、物性評価における剥離性は、フィルムの状
態により、裂けや傷が生じているが否かを肉眼観察によ
って、評価した。また、熱伝導は、サスプレート上に熱
電対、ポリイミドフィルムを重ね、その上から250℃
のボンディングツールを押しつけ、10秒後の熱電対部
位の到達温度により評価した。
ない場合は、熱的キュア方式で、イミド化したものであ
る。ここで、物性評価における剥離性は、フィルムの状
態により、裂けや傷が生じているが否かを肉眼観察によ
って、評価した。また、熱伝導は、サスプレート上に熱
電対、ポリイミドフィルムを重ね、その上から250℃
のボンディングツールを押しつけ、10秒後の熱電対部
位の到達温度により評価した。
【0048】(実施例1)ジメチルアセトアミド中、固
形分濃度20%でピロメリット酸二無水物とオキシジア
ニリンを等モル反応させてポリアミック酸溶液を得た。
このポリアミック酸溶液に100gに対し、ピリジン5
g及びトリエチレングリコールジメチルエーテル5gを
添加し、均一拡散させた後、サス板上にキャストし、1
20℃、15分間加熱し、自己支持性フィルムを得た。
この自己支持性フィルムをサス板より剥離する際の、剥
離性を評価した。また、剥離した自己支持性フィルム
を、120℃×5分、200℃×5分、300℃×5
分、400℃×5分、450℃×5分加熱させることに
よりイミド化を進行させ、75μm程度のポリイミドフ
ィルムを得た。このポリイミドフィルムの厚み方向の熱
伝導を評価した。測定値は、表1に示す。
形分濃度20%でピロメリット酸二無水物とオキシジア
ニリンを等モル反応させてポリアミック酸溶液を得た。
このポリアミック酸溶液に100gに対し、ピリジン5
g及びトリエチレングリコールジメチルエーテル5gを
添加し、均一拡散させた後、サス板上にキャストし、1
20℃、15分間加熱し、自己支持性フィルムを得た。
この自己支持性フィルムをサス板より剥離する際の、剥
離性を評価した。また、剥離した自己支持性フィルム
を、120℃×5分、200℃×5分、300℃×5
分、400℃×5分、450℃×5分加熱させることに
よりイミド化を進行させ、75μm程度のポリイミドフ
ィルムを得た。このポリイミドフィルムの厚み方向の熱
伝導を評価した。測定値は、表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】(実施例2)ジメチルアセトアミド中、固
形濃度20%でピロメリット酸二無水物とオキシジアニ
リンを等モルで反応させてポリアミック酸溶液を得た。
このポリアミック酸溶液100gに対し、ピリジン5g
及びジフェニルエーテル5gを加え、均一拡散させた
後、サス板上にキャストし、120℃、15分間加熱
し、膜厚75μm程度の自己支持性フィルムを得た。評
価項目について、実施例1と同様の評価方法にて、測定
した。測定値は、表1に示す。
形濃度20%でピロメリット酸二無水物とオキシジアニ
リンを等モルで反応させてポリアミック酸溶液を得た。
このポリアミック酸溶液100gに対し、ピリジン5g
及びジフェニルエーテル5gを加え、均一拡散させた
後、サス板上にキャストし、120℃、15分間加熱
し、膜厚75μm程度の自己支持性フィルムを得た。評
価項目について、実施例1と同様の評価方法にて、測定
した。測定値は、表1に示す。
【0051】(比較例1)実施例2で用いたポリアミッ
ク酸溶液をサス板上にキャストし、120℃、15分,
加熱し、膜厚75μm程度の自己支持性フィルムを得
た。評価項目について、実施例1と同様の評価方法にて
測定した。測定値は、表1に示す。
ク酸溶液をサス板上にキャストし、120℃、15分,
加熱し、膜厚75μm程度の自己支持性フィルムを得
た。評価項目について、実施例1と同様の評価方法にて
測定した。測定値は、表1に示す。
【0052】(比較例2)実施例2で用いたポリアミッ
ク酸溶液100gに対しピリジン5gを加え均一拡散さ
せた後、サス板上にキャストし、120℃、15分間加
熱し、膜厚75μm程度の自己支持性フィルムを得た。
評価項目について、実施例1と同様の評価方法にて、測
定した。測定値は、表1に示す。
ク酸溶液100gに対しピリジン5gを加え均一拡散さ
せた後、サス板上にキャストし、120℃、15分間加
熱し、膜厚75μm程度の自己支持性フィルムを得た。
評価項目について、実施例1と同様の評価方法にて、測
定した。測定値は、表1に示す。
【0053】(比較例3)実施例2で用いたポリアミッ
ク酸溶液100gに対しトリエチレングリコールジメチ
ルエーテル5gを加え均一拡散させた後、サス板上にキ
ャストし、120℃、15分間加熱し、膜厚75μm程
度の自己支持性フィルムを得た。評価項目について、実
施例1と同様の評価方法にて、測定した。測定値は、表
1に示す。
ク酸溶液100gに対しトリエチレングリコールジメチ
ルエーテル5gを加え均一拡散させた後、サス板上にキ
ャストし、120℃、15分間加熱し、膜厚75μm程
度の自己支持性フィルムを得た。評価項目について、実
施例1と同様の評価方法にて、測定した。測定値は、表
1に示す。
【0054】(比較例4)実施例2で用いたポリアミッ
ク酸溶液100gに対しイソキノリン5gを加え均一拡
散させた後、サス板上にキャストし、120℃、15分
間加熱し、膜厚75μm程度の自己支持性フィルムを得
た。評価項目について、実施例1と同様の評価方法に
て、測定した。測定値は、表1に示す。
ク酸溶液100gに対しイソキノリン5gを加え均一拡
散させた後、サス板上にキャストし、120℃、15分
間加熱し、膜厚75μm程度の自己支持性フィルムを得
た。評価項目について、実施例1と同様の評価方法に
て、測定した。測定値は、表1に示す。
【0055】(比較例5)実施例2で用いたポリアミッ
ク酸溶液100gに対しキノリン5gを加え均一拡散さ
せた後、サス板上にキャストし、120℃、15分間加
熱し、膜厚75μm程度の自己支持性フィルムを得た。
評価項目について、実施例1と同様の評価方法にて、測
定した。測定値は、表1に示す。
ク酸溶液100gに対しキノリン5gを加え均一拡散さ
せた後、サス板上にキャストし、120℃、15分間加
熱し、膜厚75μm程度の自己支持性フィルムを得た。
評価項目について、実施例1と同様の評価方法にて、測
定した。測定値は、表1に示す。
【0056】(比較例6)実施例2で用いたポリアミッ
ク酸溶液100gに対しイソキノリン5g及び無水酢酸
30gを加えた化学的キュア法により、均一拡散させた
後、サス板上にキャストし、120℃、15分間加熱
し、膜厚75μm程度の自己支持性フィルムを得た。評
価項目について、実施例1と同様の評価方法にて測定し
た。測定値は、表1に示す。
ク酸溶液100gに対しイソキノリン5g及び無水酢酸
30gを加えた化学的キュア法により、均一拡散させた
後、サス板上にキャストし、120℃、15分間加熱
し、膜厚75μm程度の自己支持性フィルムを得た。評
価項目について、実施例1と同様の評価方法にて測定し
た。測定値は、表1に示す。
【0057】上記実施例1及び2により、得られた本発
明にかかるポリアミック酸組成物は、第三級アミン及び
貧溶媒を添加したことにより、裂けや傷のない自己支持
性を維持し、さらに、厚み方向の熱伝導性も優れている
ことがわかる。
明にかかるポリアミック酸組成物は、第三級アミン及び
貧溶媒を添加したことにより、裂けや傷のない自己支持
性を維持し、さらに、厚み方向の熱伝導性も優れている
ことがわかる。
【0058】これに比較して、第三級アミン又は貧溶媒
のいずれも添加していない比較例1は、裂けや傷を生
じ、また、第三級アミンを添加しても、無水酢酸を添加
することにより、熱伝導の特性が劣化する。また、第三
級アミン、あるいは貧溶媒の一方のみの添加例である、
比較例2,3では、裂けや傷が生じた。
のいずれも添加していない比較例1は、裂けや傷を生
じ、また、第三級アミンを添加しても、無水酢酸を添加
することにより、熱伝導の特性が劣化する。また、第三
級アミン、あるいは貧溶媒の一方のみの添加例である、
比較例2,3では、裂けや傷が生じた。
【0059】比較例4,5は、イソキノリン、キノリン
を添加したものであるが、熱伝導性が良好である反面、
剥離性に劣ることがわかる。
を添加したものであるが、熱伝導性が良好である反面、
剥離性に劣ることがわかる。
【0060】比較例6は、通常の化学的キュア方式の条
件設定であるが、製造されたフィルムは、剥離性は良好
であるが、厚み方向の配向性が小さいため、熱伝導が悪
いことがわかる。
件設定であるが、製造されたフィルムは、剥離性は良好
であるが、厚み方向の配向性が小さいため、熱伝導が悪
いことがわかる。
【0061】
【発明の効果】以上のように、本発明は、芳香族テトラ
カルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの重合反応により
得られたポリアミック酸に第三級アミン及びポリアミッ
ク酸を5%以上溶解しない貧溶媒を加えることにより、
支持体剥離性が良好であるポリアミック酸組成物を得る
ことができ、さらに、このポリアミック酸からACF圧
着性等の実装性に優れたポリイミドフィルムを得ること
ができる。
カルボン酸二無水物と芳香族ジアミンの重合反応により
得られたポリアミック酸に第三級アミン及びポリアミッ
ク酸を5%以上溶解しない貧溶媒を加えることにより、
支持体剥離性が良好であるポリアミック酸組成物を得る
ことができ、さらに、このポリアミック酸からACF圧
着性等の実装性に優れたポリイミドフィルムを得ること
ができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 有機極性溶媒中で、芳香族テトラカルボ
ン酸二無水物と芳香族ジアミンの重合反応により得られ
たポリアミック酸と、第三級アミン、及びポリアミック
酸を5%以上溶解しない貧溶媒を含むことを特徴とする
ポリアミック酸組成物。 - 【請求項2】 前記第三級アミンの添加量が、ポリアミ
ック酸組成物の全溶媒量に対して、2〜10重量%であ
ることを特徴とする請求項1に記載するポリアミック酸
組成物。 - 【請求項3】 前記貧溶媒の添加量が、ポリアミック酸
組成物の全溶媒量に対して、2〜10重量%であること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載するポリア
ミック酸組成物。 - 【請求項4】 請求項1又は請求項3に記載するポリア
ミック酸組成物を加熱乾燥し、イミド化させることを特
徴とするポリイミドフィルム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33541897A JPH11166051A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | ポリアミック酸組成物及びそれからなるポリイミドフィルム |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33541897A JPH11166051A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | ポリアミック酸組成物及びそれからなるポリイミドフィルム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11166051A true JPH11166051A (ja) | 1999-06-22 |
Family
ID=18288341
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33541897A Withdrawn JPH11166051A (ja) | 1997-12-05 | 1997-12-05 | ポリアミック酸組成物及びそれからなるポリイミドフィルム |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11166051A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001151929A (ja) * | 1999-11-29 | 2001-06-05 | Ube Ind Ltd | 多孔質ポリイミドフィルムの製造法及びフィルム |
JP2006274040A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Du Pont Toray Co Ltd | ポリイミドフィルムおよびそれを用いたフレキシブル回路基板 |
KR101294433B1 (ko) * | 2012-11-05 | 2013-08-08 | (주)상아프론테크 | 다층본딩시트 |
WO2023128495A1 (ko) * | 2021-12-27 | 2023-07-06 | 피아이첨단소재 주식회사 | 유연성과 신율이 향상된 폴리이미드 전구체 조성물 |
-
1997
- 1997-12-05 JP JP33541897A patent/JPH11166051A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2001151929A (ja) * | 1999-11-29 | 2001-06-05 | Ube Ind Ltd | 多孔質ポリイミドフィルムの製造法及びフィルム |
JP2006274040A (ja) * | 2005-03-29 | 2006-10-12 | Du Pont Toray Co Ltd | ポリイミドフィルムおよびそれを用いたフレキシブル回路基板 |
KR101294433B1 (ko) * | 2012-11-05 | 2013-08-08 | (주)상아프론테크 | 다층본딩시트 |
WO2023128495A1 (ko) * | 2021-12-27 | 2023-07-06 | 피아이첨단소재 주식회사 | 유연성과 신율이 향상된 폴리이미드 전구체 조성물 |
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