JPH11164887A - 筒状成形体 - Google Patents

筒状成形体

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JPH11164887A
JPH11164887A JP9352411A JP35241197A JPH11164887A JP H11164887 A JPH11164887 A JP H11164887A JP 9352411 A JP9352411 A JP 9352411A JP 35241197 A JP35241197 A JP 35241197A JP H11164887 A JPH11164887 A JP H11164887A
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JP
Japan
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polymer
syringe
weight
cylindrical molding
cylinder
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Application number
JP9352411A
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English (en)
Inventor
Koji Minami
幸治 南
Teiji Obara
禎二 小原
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Zeon Corp
Original Assignee
Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 射出成形時の金型離型抵抗が小さく、残留応
力が発生し難く、機械的強度、耐ソルベントクラック
性、耐スチーム滅菌性が向上した筒状成形体を提供する
こと。 【解決手段】 主鎖もしくは側鎖に単環の脂環構造(特
に好ましくは6員環)を有する環状炭化水素樹脂により
一体に成形してある筒状成形体であって、筒状成形体の
筒本体部の抜きテーパ角が1/100000〜1/10
0、好ましくは1/50000〜1/500、特に好ま
しくは1/30000〜1/1000の範囲である。こ
の筒状成形体における面と面との交差部が曲率を有す
る。この筒状成形体には、ルアーロック構造を有する接
続部が一体的に成形してある。筒状成形体は、医療用ま
たはその他の用途のシリンジ用筒として好適に用いるこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、筒状成形体に係
り、さらに詳しくは、たとえば注射筒(シリンジ用筒)
などとして用いて好適な筒状成形体に関する。
【0002】
【従来の技術】シリンジなどの医療用器材は、繰り返し
の使用によるウィルスの二次感染を防止するために、最
近では、使い捨てのものに置き換えられつつある。ま
た、注射薬なども、従来は注射の際に滅菌されたアンプ
ル中から注射器で吸引して用いていたが、最近では、予
め注射器中に注射薬を吸入してあるプレフィルドシリン
ジが用いられ、注射後の注射器は廃棄されるようになっ
てきた。
【0003】したがって、シリンジ用筒としては、耐薬
品性を有する材料で構成されることが好ましく、シリン
ジ用筒を構成する材料から注射薬液中に成分が溶出する
ことなく、注射薬液が変質することがあってはならな
い。
【0004】このような観点から、特開平6−1999
50号公報に示すように、シリンジ用筒などの医療用器
材を、ビニル化環状炭化水素系重合体から成る成形材で
成形したものが提案されている。この公報に示すビニル
化環状炭化水素系重合体から成る成形材で成形したシリ
ンジ用筒では、耐薬品性が向上することが期待される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、この公報に
示す技術においては、シリンジ用筒などの筒状成形体の
筒状本体部を長手方向に沿って同一の外径および内径に
成形するため、シリンジ用筒を射出成形する際に、金型
の離型抵抗が大きく、残留応力が発生しやすいと言う課
題があった。そのため、筒状成形体の機械的強度、耐ソ
ルベントクラック性および耐スチーム滅菌性などの点で
課題を有していた。
【0006】本発明は、このような実状に鑑みてなさ
れ、射出成形時の金型離型抵抗が小さく、残留応力が発
生し難く、機械的強度、耐ソルベントクラック性、耐ス
チーム滅菌性が向上した筒状成形体を提供することを目
的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る筒状成形体は、主鎖もしくは側鎖に単
環の脂環構造(特に好ましくは6員環)を有する環状炭
化水素樹脂により一体に成形してある筒状成形体であっ
て、筒状成形体の筒本体部の抜きテーパ角が1/100
000〜1/100、好ましくは1/50000〜1/
500、特に好ましくは1/30000〜1/1000
の範囲であることを特徴とする。
【0008】抜きテーパ角度とは、成形体を射出成形に
より成形する際に、金型と成形体との剥離を容易にする
ために設けられる角度である。このテーパ角度を上記範
囲とすることで、射出成形時の金型の離型抵抗が小さく
なり、成形体に残留応力が発生し難くなり、成形体の機
械的強度、耐ソルベントクラック性、耐スチーム滅菌性
が向上することが、本発明者等により見出された。
【0009】筒状成形体の肉厚は、特に限定されない
が、好ましくは0.5〜5mm、特に好ましくは0.7
〜3mmである。このような肉厚範囲とすることで、た
とえばシリンジ用筒として要求される強度を十分に満足
することができると共に、軽量なものとなる。
【0010】前記筒状成形体における面と面との交差部
が曲率(曲率半径を意味する丸み)を有することが好ま
しい。曲率(R)を形成することで、成形体の残留応力
をさらに低減することができる。その曲率は、好ましく
は0.01〜5mm、さらに好ましくは0.02〜2m
m、特に好ましくは0.05〜1mm程度である。
【0011】前記筒状成形体には、ルアーロック構造を
有する接続部が一体的に成形してあることが好ましい。
ルアーロック構造を成形することで、筒状成形体の先端
部に注射針や活栓を、ワンタッチ式に極めて容易に接続
することができる。
【0012】本発明に係る筒状成形体は、透明性、耐熱
性、耐薬品性などの特性に加え、機械的強度にも優れる
ので、注射筒等の医療容器、特に、プレフィルドシリン
ジ用の注射器または容器として好適である。または、本
発明の筒状成形体は、医療用またはその他の用途のシリ
ンジ用筒として好適に用いることができる。
【0013】プレフィルドシリンジは、(1)後述する
主鎖もしくは側鎖に単環の脂環構造を有する環状炭化水
素樹脂を射出成形により成形して、注射器または容器を
製造し、次に、(2)製造された注射器または容器を、
湿熱、エチレンオキサイドガス、電子線あるいはγ線等
により滅菌処理後、注射器または容器の先端部に栓をす
る、その後(3)充填機にて滅菌済みの薬液を無菌的な
操作、環境下で充填し、あるいは、薬液を充填した後、
滅菌しようとする容器の圧力と(オートクレーブ内であ
って)その容器の外圧をほぼ等しくするように調整した
圧力調整型湿滅菌または通常のオートクレーブを用いて
蒸気滅菌を行う、などの方法により製造化することがで
きる。
【0014】主鎖もしくは側鎖に単環の脂環構造を有す
る環状炭化水素樹脂 本発明に係る筒状成形体は、主鎖もしくは側鎖に単環の
脂環構造を有する環状炭化水素樹脂により一体に成形し
てある。
【0015】主鎖または側鎖に単環の脂環構造を有する
環状炭化水素樹脂としては、たとえば、ビニル系環状炭
化水素重合体、環状共役ジエン系付加重合体などが例示
される。
【0016】ビニル系環状炭化水素重合体 ビニル系環状炭化水素重合体としては、特に限定されな
いが、(A)芳香族ビニル化合物またはその置換体の重
合体の水素添加物、(B)ビニルシクロヘキセン系化合
物および/またはビニルシクロヘキサン系化合物の重合
体またはその水素添加物であることが好ましい。
【0017】ビニル系環状炭化水素系重合体を得るため
に用いられるビニル系環状炭化水素系単量体としては、
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、α−エチルス
チレン、α−プロピルスチレン、α−イソプロピルスチ
レン、α−t−ブチルスチレン、2−メチルスチレン、
3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2,4−ジ
イソプロピルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、4
−t−ブチルスチレン、5−t−ブチル−2−メチルス
チレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレン、モノ
フルオロスチレン、4−フェニルスチレンなどのスチレ
ン系単量体;ビニルシクロヘキサン、3−メチルイソプ
ロペニルシクロヘキサンなどのビニルシクロヘキサン系
単量体; 4−ビニルシクロヘキセン、4−イソプロペ
ニルシクロヘキセン、1−メチル−4−ビニルシクロヘ
キセン、1−メチル−4−イソプロペニルシクロヘキセ
ン、2−メチル−4−ビニルシクロヘキセン、2−メチ
ル−4−イソプロペニルシクロヘキセンなどのビニルシ
クロヘキセン系単量体;d−テルペン、l−テルペン、
ジテルペンなどのテルペン系単量体などのビニル化六員
環炭化水素系単量体またはその置換体などが挙げられ
る。芳香環を含有するスチレン系単量体を用いる場合
は、水素添加反応により、水素添加率が80%以上にす
ることが好ましい。
【0018】また、本発明においては、重合体中の繰り
返し単位が50重量%未満となる範囲で前述の単量体以
外の単量体を共重合させてもよい。共重合可能な単量体
としては、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合
などの重合法において共重合可能なものであれば特に制
限はなく、例えば、エチレン、プロピレン、イソブテ
ン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−1−ペンテ
ン、4−メチル−1−ペンテンなどのα−オレフィン系
単量体; シクロペンタジエン、1−メチルシクロペン
タジエン、2−メチルシクロペンタジエン、2−エチル
シクロペンタジエン、5−メチルシクロペンタジエン、
5、5−ジメチルシクロペンタジエンなどのシクロペン
タジエン系単量体; シクロブテン、シクロペンテン、
シクロヘキセン、ジシクロペンタジエンなどの環状オレ
フィン系単量体; ブタジエン、イソプレン、1,3−
ペンタジエン、フラン、チオフェン、1,3−シクロヘ
キセンなどの共役ジエン系単量体; アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル
などのニトリル系単量体; メタクリル酸メチルエステ
ル、メタアクリル酸エチルエステル、メタアクリル酸プ
ロピルエステル、メタアクリル酸ブチルエステル、アク
リル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、ア
クリル酸プロピルエステル、アクリル酸ブチルエステ
ル、などの(メタ)アクリル酸エステル系単量体; ア
クリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸などの不飽和
脂肪酸系単量体; フェニルマレイミド; エチレンオ
キサイド、プロピレンオキサイド、トリメチレンオキサ
イド、トリオキサン、ジオキサン、シクロヘキセンオキ
サイド、スチレンオキサイド、エピクロルヒドリン、テ
トラヒドロフランなどの環状エーテル系単量体; メチ
ルビニルエーテル、N−ビニルカルバゾール、N−ビニ
ル−2−ピロリドンなどの複素環含有ビニル化合物系単
量体などが挙げられる。一般に、ビニル系環状炭化水素
単量体以外の単量体に由来する繰り返し単位の含有量が
多くなると重合体の透明性が低下する。
【0019】ビニル系環状炭化水素単量体またはその置
換体の繰り返し単位の含有量は、使用目的に応じて適宜
選択されるが、通常は50重量%以上、好ましくは70
重量%以上、より好ましくは80重量%以上、最も好ま
しくは90重量%以上である。
【0020】また、芳香環もしくはシクロヘキセン環の
水素添加率は、80%以上、好ましくは90%以上、よ
り好ましくは95%以上である。水素添加率が過度に少
ないと、低複屈折性に劣り好ましくない。尚、水素添加
率は、 1H−NMR測定により求めることができる。
【0021】本発明において、ビニル系環状炭化水素重
合体の重量平均分子量(Mw)は、GPCにより測定さ
れるポリスチレン換算値で、通常10,000〜1,0
00,000、好ましくは50,000〜500,00
0、より好ましくは100,000〜300,000の
範囲であり、且つ分子量分布は、ゲルパーミエーション
クロマトグラフィー(GPC)で測定されるポリスチレ
ン換算の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)との比(Mw/Mn)で通常5.0以下、好ましく
は3.0以下、より好ましくは2.5以下、最も好まし
くは2.0以下である。ビニル系環状炭化水素重合体の
Mw/Mnが上記範囲にあるとき、重合体の機械強度、
耐熱性に特に優れ、重量平均分子量(Mw)が上記範囲
にあると、重合体の強度特性と成形性、複屈折がバラン
スされて好適である。
【0022】水素添加物の場合は、未水素添加重合体の
重量平均分子量(Mw)が過度に大きいと、環の水素添
加反応が困難で、100%近くまで強制的に水素添加反
応を進ませると競争反応である分子鎖切断反応が進んで
分子量分布が大きくなり、また低分子量成分が増加する
ため強度特性や耐熱性が低下し、逆に、過度に小さい
と、強度特性に劣り十分な成形品が成形できず、いずれ
も好ましくないため、上記範囲にあるときが機械強度、
耐熱性等が高度にバランスされて好適である。
【0023】本発明のビニル系環状炭化水素重合体の製
造方法はラジカル重合、アニオン重合、アニオンリビン
グ重合、カチオン重合、カチオンリビング重合などの公
知の重合方法を用いて重合することにより得られる。
【0024】重合方法としては、ラジカル重合の場合に
は有機過酸化物を用いて公知の方法で重合でき、カチオ
ン重合の場合にはBF3 、PF6 などを用いて公知の方
法で重合できる。
【0025】分子量分布の小さい重合体を得るにはアニ
オンリビング重合で重合するのが好ましく、具体的に
は、炭化水素系溶媒中で、有機アルカリ金属を開始剤と
して重合することにより容易に得られる。
【0026】有機アルカリ金属としては、例えば、n−
ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチル
リチウム、ヘキシルリチウム、フェニルリチウム、スチ
ルベンリチウムなどのモノ有機リチウム化合物;ジリチ
オメタン、1,4−ジリチオブタン、1,4−ジリチオ
−2−エチルシクロヘキサン、1,3,5−トリリチオ
ベンゼンなどの多官能性有機リチウム化合物;ナトリウ
ムナフタレン、カリウムナフタレンなどが挙げられる。
これらの中でも、有機リチウム化合物が好ましく、モノ
有機リチウム化合物が特に好ましい。
【0027】これらの有機アルカリ金属は、それぞれ単
独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることがで
きる。有機アルカリ金属の使用量は、要求される生成重
合体の分子量によって適宜選択され、通常、単量体10
0重量部当り、0.05〜100ミリモル、好ましくは
0.10〜50ミリモル、より好ましくは0.15〜2
0ミリモルの範囲である。
【0028】重合方法としては、塊状重合、乳化重合、
懸濁重合、溶液重合等が適用できるが、水素化反応を連
続して行うためには溶液重合が好ましい。
【0029】溶液重合の場合に使用する溶媒としては炭
化水素系溶媒が好ましく具体的には、上記開始剤を破壊
しないものであれば格別な制限はなく、例えば、n−ブ
タン、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサ
ン、n−ヘプタン、iso−オクタンなどの脂肪族炭化
水素類; シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシ
クロペンタン、メチルシクロヘキサン、デカリンなどの
脂環式炭化水素類; ベンゼン、トルエンなどの芳香族
炭化水素類; テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエ
ーテル類; などが挙げられる。これらの中でも、脂肪
族炭化水素類や脂環式炭化水素類を用いると、水素添加
反応をそのまま行うことができるので好ましい。これら
の炭化水素系溶媒は、それぞれ単独で、あるいは2種以
上を組み合わせて、通常、単量体濃度が1〜40重量%
になる量比で用いられる。
【0030】重合反応は、等温反応、断熱反応のいずれ
でもよく、通常は−70〜150°C、好ましくは−5
0〜120°Cの重合温度範囲で行われる。重合時間
は、0.01〜20時間、好ましくは0.1〜10時間
の範囲である。
【0031】重合反応後は、スチームストリッピング
法、直接脱溶媒法、アルコール凝固法等の公知の方法で
重合体を回収できる。また、本発明においては、重合時
に水素添加反応に不活性な溶媒を用いた場合は、重合溶
液から重合体を回収せず、そのまま水素添加工程に供す
ることができる。
【0032】重合体の水素添加方法は、格別な制限はな
く、常法に従えばよい。好ましくは、芳香族環の水素添
加率が高く、且つ重合体鎖切断の少ない水素添加方法で
あり、例えば、有機溶媒中で、ニッケル、コバルト、
鉄、チタン、ロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム
及びレニウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含む
水素化触媒を用いて行うことができる。水素化触媒は、
これらの中でも、ニッケル触媒が特にMw/Mnの小さ
い水素添加物が得られるので好適である。水素化触媒
は、不均一触媒、均一触媒のいずれでもよい。
【0033】不均一系触媒は、金属または金属化合物の
まま、または適当な担体に担持して用いることができ
る。担体としては、例えば、活性炭、シリカ、アルミ
ナ、炭酸カルシウム、チタニア、マグネシア、ジルコニ
ア、ケイソウ土、炭化珪素等が挙げられ、この場合の担
体上の上記金属の担持量は、通常0.01〜80重量%
の範囲、好ましくは0.05〜60重量%の範囲であ
る。
【0034】均一系触媒としては、ニッケル、コバル
ト、チタンまたは鉄化合物と有機金属化合物、例えば、
有機アルミ、有機リチウム化合物とを組み合わせた触
媒;またはロジウム、パラジウム、白金、ルテニウム、
レニウム等の有機金属錯体を用いることができる。均一
系触媒に用いられるニッケル、コバルト、チタンまたは
鉄化合物としては、例えば、各種金属のアセチルアセト
ン塩、ナフテン酸塩、シクロペンタジエニル化合物、シ
クロペンタジエニルジクロロ化合物等が用いられる。有
機アルミニウムとしては、トリエチルアルミニウム、ト
リイソブチルアルミニウム等のアルキルアルミニウム;
ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジ
クロリド等のハロゲン化アルキルアルミニウム;ジイソ
ブチルアルミニウムハイドライド等の水素化アルキルア
ルミニウム;などが好適に用いられる。
【0035】有機金属錯体の例としては、上記各金属の
γ−ジクロロ−π−ペンゼン錯体、ジクロロ−トリス
(トリフェニルホスフィン)錯体、ヒドリッド−クロロ
−トリス(トリフェニルホスフィン)錯体等の金属錯体
が使用される。
【0036】これらの水素添加触媒は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。水素添加触媒の使用量は、芳香族ビニル系重合体1
00重量部当り、通常0.03〜50重量部、好ましく
は0.16〜33重量部、より好ましくは0.33〜1
5重量部の範囲である。
【0037】水素化反応に用いる有機溶媒としては、例
えば、前述の重合反応に用いた溶媒の他にアルコール類
などが挙げられる。これらの有機溶媒は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができ
る。有機溶媒の使用量は、芳香族系重合体の濃度が、通
常1〜50重量%、好ましくは3〜40重量%である。
【0038】水素添加反応は、温度が通常10〜250
°C、好ましくは50〜200°C、より好ましくは8
0〜180°Cの範囲であり、水素圧力が、通常1〜3
00kg/cm2 、好ましくは5〜250kg/c
2 、より好ましくは10〜200kg/cm2 の範囲
で行う。
【0039】環状共役ジエン系付加重合体 環状共役ジエン系付加重合体としては、特に限定されな
いが、1,3−シクロペンタジエン、1,3−シクロヘ
キサジエン、1,3シクロヘプタジエン、1,3−シク
ロオクタジエンなどの5〜8員炭素環を有する環状共役
ジエンの重合体および共重合体の水素化物が挙げられ
る。
【0040】5〜8員炭素環を有する環状共役ジエンと
共重合可能な他の単量体としては、1,3−ブタジエ
ン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエンなど
の鎖状共役ジエン系単量体、スチレン、α−メチルスチ
レン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−
tert−ブチルスチレン、1,3−ジメチルスチレ
ン、ジビニルベンゼン、ビニルナフタレン、ジフェニル
エチレン、ビニルビリジンなどのビニル芳香族系単量
体、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリロ
ニトリル、メチルビニルケトン、α−シアノアクリル酸
メチルなどの極性ビニル系単量体もしくはエチレンオキ
シド、プロピレンオキシド、環状テクトン、環状ラクタ
ム環状シロキサンなどの極性単量体、あるいはエチレン
単量体およびα−オレフィン系単量体などが挙げられ
る。これら共重合可能な単量体の割合は60重量%以
下、好ましくは50重量%以下である。
【0041】上記5〜8員炭素環を有する環状共役ジエ
ンの重合体および共重合体の水素添加方法、水素添加触
媒については公知のものを採用することができる。
【0042】水素化物の分子量は、1,2,4−トリク
ロロベンゼン溶液のGPC法で測定したポリスチレン換
算平均分子量として、通常、5,000〜1,000,
000、好ましくは10,000〜500,000であ
る。
【0043】本発明において、上記に各種例示したよう
な、主鎖もしくは側鎖に単環の脂環構造を有する環状炭
化水素樹脂は、それぞれ単独であるいは複数種組み合わ
せて用いることができる。これら主鎖もしくは側鎖に単
環の脂環構造を有する環状炭化水素樹脂として、特に好
ましくは水素化ポリスチレンおよびポリシクロヘキサジ
エンである。
【0044】任意成分 本発明に係る筒状成形体を製造するにおいて用いられ
る、上記したような主鎖もしくは側鎖に単環の脂環構造
を有する環状炭化水素樹脂には、必要に応じて、各種の
配合剤を添加することができる。配合剤としては有機化
合物、無機化合物のいずれであってもよく、有機化合物
の場合は、老化防止剤、安定剤、難燃剤、可塑剤等のよ
うな低分子量の配合剤ではなく、溶出等の原因となりに
くい、有機高分子化合物、有機オリゴマー成分が好まし
く、特にゴム質重合体が好ましい。
【0045】ゴム質重合体 ゴム質重合体は、ガラス転移温度(Tg)が0°C以下
の重合体であって、通常のゴム状重合体及び熱可塑性エ
ラストマーが含まれる。ゴム質重合体のムーニー粘度
(ML1+4,100°C)は、使用目的に応じて適宜
選択され、通常5〜200である。
【0046】ゴム質重合体の例としては、イソプレン・
ゴム、その水素添加物;クロロプレンゴム、その水素添
加物;エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・α−
オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重
合体などの飽和ポリオレフィンゴム;エチレン・プロピ
レン・ジエン共重合体、α−オレフィン・ジエン共重合
体、ジエン共重合体、イソブチレン・イソプレン共重合
体、イソブチレン・ジエン共重合体などのジエン系重合
体、これらのハロゲン化物、ジエン系重合体またはその
ハロゲン化物の水素添加物;アクリロニトリル・ブタジ
エン共重合体、その水素添加物;フッ化ビニリデン・三
フッ化エチレン共重合体、フッ化ビニリデン・六フッ化
プロピレン共重合体、フッ化ビニリデン・六フッ化プロ
ピレン・四フッ化エチレン共重合体、プロピレン・四フ
ッ化エチレン共重合体などのフッ素ゴム;ウレタンゴ
ム、シリコーンゴム、ポリエーテル系ゴム、アクリルゴ
ム、クロルスルホン化ポリエチレンゴム、エピクロルヒ
ドリンゴム、プロピレンオキサイドゴム、エチレンアク
リルゴムなどの特殊ゴム;ノルボルネン系単量体とエチ
レンまたはα−オレフィンの共重合体、ノルボルネン系
単量体とエチレンとα−オレフィンの三元共重合体、ノ
ルボルネン系単量体の開環重合体、ノルボルネン系単量
体の開環重合体水素添加物などのノルボルネン系ゴム質
重合体;乳化重合または溶液重合したスチレン・ブタジ
エン・ゴム、ハイスチレンゴムなどのランダムまたはブ
ロック・スチレン・ブタジエン系共重合体、これらの水
素添加物;スチレン・ブタジエン・スチレン・ゴム、ス
チレン・イソプレン・スチレン・ゴム、スチレン・エチ
レン・ブタジエン・スチレン・ゴムなどの芳香族ビニル
系モノマー・共役ジエンのランダム共重合体、これらの
水素添加物;スチレン・ブタジエン・スチレン・ゴム、
スチレン・イソプレン・スチレン・ゴム、スチレン・エ
チレン・ブタジエン・スチレン・ゴムなどの芳香族ビニ
ル系モノマー・共役ジエンの直鎖状または放射状ブロッ
ク共重合体、それらの水素添加物などのスチレン系熱可
塑性エラストマーをはじめ、ウレタン系熱可塑性エラス
トマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマー、1,2−
ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系
熱可塑性エラストマー、フッ素系熱可塑性エラストマー
などの熱可塑性エラストマー等が挙げられる。
【0047】これらの中でも、芳香族ビニル系モノマー
と共役ジエン系モノマーの共重合体、及びその水素添加
物が、主成分である樹脂との分散性が良いのが通常であ
り、その点で好ましい。芳香族ビニル系モノマーと共役
ジエン系モノマーの共重合体はブロック共重合体でもラ
ンダム共重合体でも良い。耐候性の点から芳香環以外の
部分を水添しているものがより好ましい。具体的には、
スチレン・ブタジエンブロック共重合体、スチレン・ブ
タジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イ
ソプレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・
スチレン・ブロック共重合体、およびこれらの水素添加
物、スチレン・ブタジエン・ランダム共重合体およびこ
れらの水素添加物などが挙げられる。
【0048】本発明において、主成分である主鎖もしく
は側鎖に単環の脂環構造を有する環状炭化水素樹脂に、
上記したようなゴム質重合体を添加すれば、例えば高温
高湿条件下においても、得られる筒状成形体に白濁が生
じにくく高い透明性が維持されるために好ましい。
【0049】その他の有機高分子化合物 その他の有機高分子化合物としては、例えば、低密度ポ
リエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエ
チレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ
4−メチル−ペンテン−1、環状オレフィン系重合体な
どのポリオレフィン系重合体;エチレン−エチルアクリ
レート共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体などの
オレフィンと他の単量体との共重合体;ポリスチレンな
どのスチレン系重合体;ポリメチルメタクリレート、シ
クロヘキシルメタクリレート−メチルメタクリレート共
重合体などの(メタ)アクリル系重合体;ポリフェニレ
ンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリスルフォ
ンなどのポリエーテル系重合体;液晶プラスチック、芳
香族ポリエステル、ポリアリレート、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボ
ネート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケ
トンどのポリエステル系重合体;その他、ポリアクリロ
ニトリル、ポリアミド、ポリアクリロニトリルスチレン
(AS樹脂)、ポリメチルメタクリレートスチレン(M
S樹脂)などが挙げられる。
【0050】これらのゴム状重合体やその他の有機高分
子化合物樹脂は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を
組み合わせて用いることができ、その配合量は、本発明
の目的を損なわない範囲で適宜選択される。一般的に
は、ゴム状重合体やその他の有機高分子化合物樹脂の配
合量は、環状炭化水素樹脂100重量部に対して通常
0.01〜5.0重量部、好ましくは0.05〜2.0
重量部の範囲である。
【0051】部分エーテル化合物および部分エステル化
合物 また本発明において、得られる筒状成形体における白濁
を防止するために、少なくとも1個のアルコール性水酸
基と、少なくとも1つのエーテル結合を有する有機化合
物、あるいは、少なくとも1個のアルコール性水酸基
と、少なくとも1つのエステル結合を有する有機化合物
を、前記したようなゴム質重合体に代えて、あるいはゴ
ム質重合体と共に、主成分である主鎖もしくは側鎖に単
環の脂環構造を有する環状炭化水素樹脂に配合すること
も可能である。しかしながら、前記したように溶出等の
生じる虞れが少ないことから、白濁防止作用を付与する
上からはゴム質重合体を用いることが望ましい。
【0052】少なくとも1個のアルコール性水酸基と、
少なくとも1個のエーテル結合とを有する有機化合物と
は、フェノール性の水酸基ではないアルコール性の水酸
基を少なくとも1個と、分子中にエーテル結合単位を少
なくとも1個有する有機化合物であれば特に限定はされ
ないが、例えば2価以上の多価アルコール、より好まし
くは3価以上の多価アルコール、さらに好ましくは3〜
8個の水酸基を有する多価アルコールなどの水酸基の少
なくとも1つがエーテル化された部分エーテル化合物が
挙げられる。
【0053】また、少なくとも1個のアルコール性水酸
基と、少なくとも1個のエステル結合とを有する有機化
合物とは、フェノール性の水酸基ではないアルコール性
の水酸基を少なくとも1個と、分子中にエステル結合単
位を少なくとも1個有する有機化合物であれば特に限定
はされないが、例えば2価以上の多価アルコール、より
好ましくは3価以上の多価アルコール、さらに好ましく
は3〜8個の水酸基を有する多価アルコールなどの水酸
基の少なくとも1つがエステル化された部分エステル化
合物が挙げられる。
【0054】2価以上の多価アルコールとしては例え
ば、ポリエチレングリコール、グリセロール、トリメチ
ロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジグリセロー
ル、トリグリセロール、ジペンタエリスリトール、1,
6,7−トリヒドロキシ−2,2−ジ(ヒドリキシメチ
ル)−4−オキソヘプタン、ソルビトール、2−メチル
−1,6,7−トリヒドロキシ−2−ヒドロキシメチル
−4−オキソヘプタン、1,5,6−トリヒドロキシ−
3−オキソヘキサンペンタエリスリトール、ジペンタエ
リスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシ
アヌレートなどが挙げられが、これらのうち、特に3価
以上の多価アルコール、さらには3〜8個の水酸基を有
する多価アルコールが好ましい。また部分エステル化物
を得る場合には、α、β−ジオールを含む部分エステル
化合物が合成可能なグリセロール、ジグリセロール、ト
リグリセロールなどが好ましい。
【0055】このような部分エーテル化物および部分エ
ステル化物として、具体的には例えば、グリセリンモノ
ステアレート、グリセリンモノラウレート、グリセリン
モノベヘネート、ジグリセリンモノステアレート、グリ
セリンジステアレート、グリセリンジラウレート、ペン
タエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリト
ールモノラウレート、ペンタエリスリトールモノベヘレ
ート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエ
リスリトールジラウレート、ペンタエリスリトールトリ
ステアレート、ジペンタエリスリトールジステアレート
などの多価アルコールのエーテル化物、エステル化物;
3−(オクチルオキシ)−1,2−プロパンジオール、
3−(デシルオキシ)−1,2−プロパンジオール、3
−(ラウリルオキシ)−1,2−プロパンジオール、3
−(4−ノニイルフェニルオキシ)−1,2−プロパン
ジオール、1,6−ジヒドロキシ−2,2−ジ(ヒドロ
キシメチル)−7−(4−ノニルフェニルオキシ)−4
−オキソヘプタン、p−ノニルフェノールとホルムアル
デヒドの縮合体とグリシドールの反応により得られるエ
ーテル化合物、p−オクチルフェノールとホルムアルデ
ヒドの縮合体とグリシドールの反応により得られるエー
テル化合物、p−オクチルフェノールとジシクロペンタ
ジエンの縮合体とグリシドールの反応により得られるエ
ーテル化合物などの多価アルコールのエステル化物が挙
げられる。
【0056】これらの多価アルコールのエーテル化物ま
たはエステル化物の分子量は特に限定しないが、通常5
00〜2000、好ましくは800〜1500のもの
が、溶出しにくく、かつ透明性の低下も少なく好まし
い。これらの多価アルコールのエーテル化物またはエス
テル化物は単独でまたは2種以上を組み合わせて使用さ
れ、その配合量は、本発明の目的を損なわない範囲で適
宜選択される。
【0057】その他の配合物 さらに本発明においては、必要に応じて、樹脂工業にお
いて通常用いられる配合剤を配合することができる。配
合剤としては、例えば、安定剤、紫外線吸収剤、結晶核
剤、塩酸吸収剤、顔料、染料、帯電防止剤、充填剤、滑
剤、ブロッキング防止剤、難燃剤などを挙げることがで
きる。
【0058】安定剤としては、例えば、フェノール系酸
化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤など
が挙げられ、これらの中でも、フェノール系酸化防止剤
が好ましく、アルキル置換フェノール系酸化防止剤が特
に好ましい。
【0059】フェノール系酸化防止剤としては、従来公
知のものが使用でき、例えば、2−t−ブチル−6−
(3−t−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジ
ル)−4−メチルフェニル アクリレート、2、4−ジ
−t−アミル−6−(1−(3,5−ジ−t−アミル−
2−ヒドロキシフェニル)エチル)フェニル アクリレ
ートなどの特開昭63−179953号公報や特開平1
−168643号公報に記載されるアクリレート系化合
物;2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、
2,6−ジ−t−ブチル−4−エチルフェノール、オク
タデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロピオネート、2,2′−メチレン−
ビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、4,
4′−ブチリデン−ビス(6−t−ブチル−m−クレゾ
ール)、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブ
チルフェノール)、ビス(3−シクロヘキシル−2−ヒ
ドロキシ−5−メチルフェニル)メタン、3,9−ビス
(2−(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−
メチルフェニル)プロピオニルオキシ)−1,1−ジメ
チルエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ
[5,5]ウンデカン、1,1,3−トリス(2−メチ
ル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタ
ン、1,3,5−トリメチル−2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン、テトラキス(メチレン−3−(3′,5′−
ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオ
ネート)メタン[すなわち、ペンタエリスリチル−テト
ラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート〕]、トリエチレングリコ
ール ビス(3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−
5−メチルフェニル)プロピオネート)、トコフェロー
ルなどのアルキル置換フェノール系化合物;6−(4−
ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルアニリノ)−2,
4−ビス−オクチルチオ−1,3,5−トリアジン、6
−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルアニリノ)−
2,4−ビス−オクチルチオ−1,3,5−トリアジ
ン、6−(4−ヒドロキシ−3−メチル−5−t−ブチ
ルアニリノ)−2,4−ビス−オクチルチオ−1,3,
5−トリアジン、2−オクチルチオ−4,6−ビス−
(3,5−ジ−t−ブチル−4−オキシアニリノ)−
1,3,5−トリアジンなどのトリアジン基含有フェノ
ール系化合物;などが挙げられる。
【0060】リン系酸化防止剤としては、一般の樹脂工
業で通常使用されているものであれば格別な制限はな
く、例えば、トリフェニルホスファイト、ジフェニルイ
ソデシルホスファイト、フェニルジイソデシルホスファ
イト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス
(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、トリス(2−
t−ブチル−4−メチルフェニル)ホスファイト、トリ
ス(シクロヘキシルフェニル)ホスファイト、2,2−
メチレンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オク
チルホスファイト、9,10−ジヒドロ−9−オキサ−
10−ホスファフェナントレン−10−オキサイド、1
0−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジ
ル)−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスフ
ァフェナントレン−10−オキサイド、10−デシロキ
シ−9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−ホスファ
フェナントレンなどのモノホスファイト系化合物;4,
4’−ブチリデン−ビス(3−メチル−6−t−ブチル
フェニル−ジ−トリデシルホスファイト)、4,4′−
イソプロピリデン−ビス(フェニル−ジ−アルキル(C
12〜C15)ホスファイト)、4,4′−イソプロピ
リデン−ビス(ジフェニルモノアルキル(C12〜C1
5)ホスファイト)、1,1,3−トリス(2−メチル
−4−ジ−トリデシルホスファイト−5−t−ブチルフ
ェニル)ブタン、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチル
フェニル)−4,4′−ビフェニレンジホスファイト、
サイクリックネオペンタンテトライルビス(オクタデシ
ルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテトライ
ルビス(イソデシルホスファイト)、サイクリックネオ
ペンタンテトライルビス(ノニルフェニルホスファイ
ト)、サイクリックネオペンタンテトライルビス(2,
4−ジ−t−ブチルフェニルホスファイト)、サイクリ
ックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジメチルフ
ェニルホスファイト)、サイクリックネオペンタンテト
ライルビス(2,6−ジ−t−ブチルフェニルホスファ
イト)などのジホスファイト系化合物などが挙げられ
る。これらの中でも、モノホスファイト系化合物が好ま
しく、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリス
(ジノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4−
ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどが特に好ま
しい。
【0061】イオウ系酸化防止剤としては、例えば、ジ
ラウリル3,3′−チオジプロピオネート、ジミリスチ
ル3,3′−チオジプロピオネート、ジステアリル3,
3′−チオジプロピオネート、ラウリルステアリル3,
3′−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトール−
テトラキス−(β−ラウリル−チオ−プロピオネー
ト)、3,9−ビス(2−ドデシルチオエチル)−2,
4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカ
ンなどが挙げられる。
【0062】これらの酸化防止剤は、それぞれ単独で、
あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化防止剤の配合量は、熱可塑性樹脂100重量部に対
して通常0.001〜5重量部、好ましくは0.01〜
1重量部の範囲である。
【0063】紫外線吸収剤としては、例えば、2,2,
6,6−テトラメチル−4−ピペリジル ベンゾエー
ト、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリ
ジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロ
ネート、4−(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒ
ドロキシフェニル)プロピオニルオキシ)−1−(2−
(3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェ
ニル)プロピオニルオキシ)エチル)−2,2,6,6
−テトラメチルピペリジンなどのヒンダードアミン系紫
外線吸収剤;2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)ベンゾトリアゾール、2−(3−t−ブチル−2−
ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−5−クロロベンゾ
トリアゾール、2−(3,5−ジ−t−ブチル−2−ヒ
ドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(3,5−ジ−t−アミル−2−ヒドロキシフェニ
ル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫
外線吸収剤;2,4−ジ−t−ブチルフェニル−3,5
−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキ
サデシル−3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベ
ンゾエートなどのベゾエート系紫外線吸収剤;などが挙
げられる。
【0064】これらの紫外線吸収剤は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができ
る。紫外線吸収剤の配合量は、熱可塑性樹脂100重量
に対して通常0.001〜5重量部、好ましくは0.0
1〜1重量部の範囲である。
【0065】結晶核剤としては、例えば、安息香酸の
塩、ジベンジリデンソルビトール類、燐酸エステルの
塩、あるいはポリビニルシクロヘキサン、ポリ−3−メ
チルブテン、結晶性ポリスチレン類、トリメチルビニル
シランなどの融点の高いポリマー類が好ましく、また、
タルク、カオリン、マイカ等の無機化合物も好ましく使
用できる。これらの結晶核剤は、それぞれ単独で、ある
いは2種以上を組み合わせて用いることが出来る。その
使用量は、通常0.0001〜1重量%の範囲である。
【0066】塩酸吸収剤としては、例えば、ステアリン
酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン
酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸リチウ
ム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム、12−
ヒドロキシステアリン酸カルシウム、12−ヒドロキシ
ステアリン酸マグネシウム、12−ヒドロキシステアリ
ン酸亜鉛などの脂肪酸金属塩;エポキシ化ステアリン酸
オクチル、エポキシ化大豆油等のエポキシ系化合物;水
酸化マグネシウム、水酸化カルシウム、ハイドロタルナ
イト等の無機化合物などが挙げられる。これらの塩酸吸
収剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わ
せて用いられる。塩酸吸収剤の配合量は、熱可塑性ノル
ボルネン系樹脂100重量部に対して、通常0.001
〜5重量部、好ましくは0.01〜1重量部の範囲であ
る。
【0067】帯電防止剤としては、例えば、アルキルス
ルホン酸ナトリウム塩及び/またはアルキルスルホン酸
ホスホニウム塩などや、ステアリン酸のグリセリンエス
テル等の脂肪酸エステルヒドロキシアミン系化合物等を
例示することができる。これらの帯電防止剤は、それぞ
れ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いること
ができる。帯電防止剤の配合量は、熱可塑性樹脂100
重量部に対して、通常0〜5重量部の範囲である。
【0068】充填剤としては、例えば、シリカ、ケイ藻
土、アルミナ、酸化チタン、酸化マグネシウム、軽石
粉、軽石バルーン、塩基性炭酸マグネシウム、ドロマイ
ト、硫酸カルシウム、チタン酸カリウム、硫酸バリウ
ム、亜硫酸カルシウム、タルク、クレー、マイカ、アス
ベスト、ガラス繊維、ガラスフレーク、ガラスビーズ、
ケイ酸カルシウム、モンモリロナイト、ベントナイト、
グラファイト、アルミニウム粉、硫化モリブデン、ボロ
ン繊維、炭化ケイ素繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロ
ピレン繊維、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維などを
例示できる。
【0069】滑剤としては、例えば、天然油、合成油、
ワックス、あるいはステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カ
ルシウム、1,2−ヒドロキシステアリン酸カルシウム
などの脂肪酸金属塩、グリセリンモノステアレート、グ
リセリンジステアレート、ペンタエリスリトールジステ
アレート、ペンタエリスリトールトリステアレートなど
の多価アルコール脂肪酸エステル等を挙げることができ
る。
【0070】顔料や染料などの着色剤は、本発明におい
ては任意成分であるが、例えば、本発明のビニル系環状
炭化水素樹脂には、このような染料や顔料などの着色剤
や特定波長領域の光線のみを吸収する吸収剤を均一分散
配合してフィルター機能を持たせることができる。
【0071】着色剤としては、有機着色剤と無機着色剤
が挙げられるが、均一分散性の点から有機着色剤が好ま
しい。有機着色剤としては、有機顔料及び染料を用いる
ことができる。染料は、水不溶性のものが好ましい。
【0072】有機着色剤としては、格別な限定はなく、
透明性樹脂に一般的に配合される有機顔料や染料を用い
ることができる。有機着色剤の好適な例としては、例え
ば、ピグメントレッド38等のジアリリド系顔料;ピグ
メントレッド48:2、ピグメントレッド53、ピグメ
ントレッド57:1等のアゾレーキ系顔料;ピグメント
レッド144、ピグメントレッド166、ピグメントレ
ッド220、ピグメントレッド221、ピグメントレッ
ド248等の縮合アゾ系顔料;ピグメントレッド17
1、ピグメントレッド175、ピグメントレッド17
6、ピグメントレッド185、ピグメントレッド208
等のペンズイミダゾロン系顔料;ピグメントレッド12
2等のキナクリドン系顔料;ピグメントレッド149、
ピグメントレッド178、ピグメントレッド179等の
ペリレン系顔料;ピグメントレッド177等のアントラ
キノン系顔料;アントラキノン系着色染料を挙げること
ができる。
【0073】吸収剤や着色剤は格別な限定はないが、6
00〜2500nmの近赤外線波長領域において任意の
波長領域の光線を選択的に吸収する近赤外線吸収剤;6
00nm以下の可視光域の光線波長領域の光線を選択的
に吸収する染料や顔料などの着色剤などが挙げられる。
【0074】近赤外線吸収剤の具体例としては、例え
ば、シアニン系近赤外線吸収剤、ピリリウム系近赤外線
吸収剤、スクワリリウム系近赤外線吸収剤、クロコニウ
ム系近赤外線吸収剤、アズレニウム系近赤外線吸収剤、
フタロシアニン系近赤外線吸収剤、ジチオール金属錯体
系近赤外線吸収剤、ナフトキノン系近赤外線吸収剤、ア
ントラキノン系近赤外線吸収剤、インドフェノール系近
赤外線吸収剤、アジ系近赤外線吸収剤、などが挙げられ
る。市販の近赤外線吸収剤としては、例えば、SIR−
103、SIR−114、SIR−128、SIR−1
30、SIR−132、SIR−152、SIR−15
9、SIR−162(以上、三井東圧染料社製)、Ka
yasorb IR−750、Kayasorb IR
G−002、Kayasorb IRG−003、IR
−820B、Kayasorb IRG−022、Ka
yasorbIRG−023、Kayasorb CY
−2、Kayasorb cCY−4、Kayasor
b CY−9(以上、日本火薬社製)等などを挙げるこ
とができる。
【0075】これら吸収剤や着色剤は、それぞれ単独
で、あるいは2種以上を組み合せて用いることがことが
でき、使用目的に応じて適宜選択される。
【0076】配合剤の配合 これら配合剤を添加する方法は、配合剤が樹脂中で光線
透過率を低下させない程度に十分に分散する方法であれ
ば、特に限定されない。例えば、ミキサーや一軸混練
機、二軸混練機などで樹脂を溶融した状態で配合剤を添
加して混練する方法や、適当な溶剤に溶解して配合剤を
分散させた後、凝固法、キャスト法、または直接乾燥法
により溶剤を除去する方法などがある。
【0077】混練する場合には、一般に、樹脂のガラス
転移温度をTgとすると、Tg+20°C〜Tg+15
0°Cの樹脂温度で、十分にシェアをかける。樹脂温度
が低すぎると粘度が高くなり混練が困難であり、高すぎ
ると樹脂や配合剤が劣化し、粘度や融点の差により両者
がうまく混練できない。
【0078】なお、成形体の透明性を向上させる観点か
らは、配合剤と樹脂との屈折率の差が小さいことが好ま
しい。屈折率の差は、好ましくは0.2以下、より好ま
しくは0.1以下、特に好ましくは0.05以下であ
る。特に透明性が要求される場合は、一般に0.02以
下、好ましくは0.015以下、より好ましくは0.0
1以下の屈折率の差にする。屈折率の差が大きいものを
混合すると、多量に添加した場合に不透明となりやす
い。芳香族ビニル系重合体の水素添加物の種類が異なれ
ば屈折率も異なるが、例えば、ゴム質重合体はモノマー
の比率を変化させたり、主鎖の不飽和結合の数を水素添
加などにより変化させることにより、連続的に屈折率を
変えることが可能である。用いる芳香族ビニル系重合体
の水素添加物の屈折率に応じて、適当な屈折率を有する
ゴム質重合体を選択することが好ましい。
【0079】筒状成形体の透明性 本発明に係る筒状成形体は、射出成形により成形され、
該成形体は、特に医療用透明用途などに使用されるため
に、400nm〜800nmの任意波長における、成形
体の当初の光線透過率(a)と、医療用途の滅菌条件で
ある121°Cのスチーム環境下、20分間保持後に室
温に戻す操作を2回繰り返した後の400nm〜800
nmの任意波長における光線透過率(c)との関係で
(c)/(a)×100≧60を満たすことが好まし
い。
【0080】400〜800nmの任意波長における光
線透過率 400〜800nmの任意波長における光線透過率と
は、該波長領域中の特定の一波長における光線透過率の
場合でも、複数の波長全ての光線透過率でも、ある該波
長領域内である一定の波長領域の全光線透過率の場合で
も特に限定はされない。
【0081】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図面に示す実施
形態に基づき説明する。
【0082】図1は本発明の1実施形態に係るシリンジ
用筒の断面図、図2は図1に示すシリンジ用筒の要部拡
大断面図、図3は図1に示すシリンジ用筒を製造するた
めの金型の断面図、図4は試験片の破断応力を求めるた
めの説明図である。
【0083】図1に示すように、本発明の1実施形態に
係るシリンジ用筒(筒状成形体)2は、筒本体部4を有
し、この筒本体部4の第1端部(図示、上端部)にフラ
ンジ6が一体に成形してあり、第2端部(図示、下端
部)に底板部8が一体に形成してある。底板部8は、中
央部に向けてすり鉢状に傾斜してあり、その中央部に
は、ルアーロック構造10が一体成形してある。
【0084】図2に示すように、ルアーロック構造10
は、注射針や活栓などを接続するためのもので、保護筒
部12と、送液管部16とを有する。保護筒部12の内
周面には、メスネジ部14が一体に成形してある。送液
管部16には、シリンジ用筒2の内部に連通する貫通孔
18が形成してある。
【0085】メスネジ部14が形成してある保護筒部1
2の内部には、注射針や活栓を、ワンタッチ式に極めて
容易に接続することができる。
【0086】本実施形態においては、筒本体部4の抜き
テーパ角θ(図1参照)が1/100000〜1/10
0の範囲である。すなわち、筒本体部4は、フランジ6
側から底板部8側に向けて徐々に外径および内径が小さ
くなるように成形してある。
【0087】筒本体部4のフランジ側の内径D1は、特
に限定されないが、1.0〜50mm程度が好ましい。
また、筒状本体部4の軸方向長さL1は、30〜200
mm程度が好ましい。さらに、筒本体部4の厚みt1
は、0.5〜5.0mm程度が好ましい。フランジ部6
の厚みt2は、t1の50〜300%程度であることが
好ましい。底板部8の厚みt3は、t1の80〜200
%程度であることが好ましい。
【0088】ルアーロック構造を有する送液管部16の
外周には、一般には6/100のテーパが形成されてい
る。なお、送液管部16の先端側外径D3は、一般には
4.00±0.10mm、保護筒部12の外径D2は、
0.5〜3.0mm程度が好ましい。
【0089】また、本実施形態に係るシリンジ用筒2に
おいては、成形体の面と面との交差部22,24,2
5,26,28に、曲率Rが形成してある。この曲率R
は、好ましくは0.01〜5mm、さらに好ましくは
0.02〜2mm、特に好ましくは0.05〜1mm程
度である。
【0090】図1に示すシリンジ用筒2は、図3に示す
金型装置30を用いて射出成形を行うことにより成形す
る。金型装置30は、シリンジ用筒の内周面を形成する
ための第1金型32と、シリンジ用筒の外周面とルアー
ロック構造とを成形するための第2金型34とから成
り、これら金型32,34を組み合わせることで、内部
にキャビティ36が形成されるようになっている。キャ
ビティ36には、注入口38から射出成形のための成形
材が射出されるようになっている。なお、注入口38の
形成位置は、特に限定されず、金型32,34の割面に
形成しても良い。金型32,34の材質は、特に限定さ
れないが、ステンレス鋼が用いられることが好ましい。
【0091】射出成形に用いられる成形材としては、上
記したように、主鎖もしくは側鎖に単環の脂環構造(特
に好ましくは6員環)を有する環状炭化水素樹脂であれ
ば、特に限定されない。
【0092】本実施形態においては、筒本体部4には、
抜きテーパ角度が付与してあるため、射出成形時の金型
32,34の離型抵抗が小さくなり、成形体としてのシ
リンジ用筒2に残留応力が発生し難くなり、シリンジ用
筒の機械的強度、耐ソルベントクラック性、耐スチーム
滅菌性が向上する。
【0093】また、面と面との交差部に曲率Rが形成し
てあるため、成形体としてのシリンジ用筒2の残留応力
をさらに充分に小さくでき、長期間にわたっての薬液と
の接触によるクラックの発生や外部衝撃に対する割れ等
を低減できるので好適である。
【0094】なお、本発明は、上述した実施形態に限定
されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変する
ことができる。
【0095】たとえば、本発明に係る筒状成形体は、医
療用シリンジ用筒以外の用途にも用いることができる。
【0096】
【実施例】以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づ
き説明するが、本発明は、これら実施例に限定されな
い。また、以下の例において、特に断りのない限り、部
及び%は重量基準である。
【0097】なお、各種の物性の測定は、下記の方法に
従って行った。
【0098】(1)分子量は、トルエンを溶媒にしてG
PCで測定し、標準ポリスチレン換算の重量平均分子量
(Mw)を求めた。
【0099】(2)分子量分布は、トルエンを溶媒にし
てGPCで測定し、標準ポリスチレン換算の重量平均分
子量(Mw)と数平均分子量(Mn)を求め、重量平均
分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/M
n)を算出した。
【0100】(3)ガラス転移温度は、示差走査熱量計
(DSC)により測定した。
【0101】(4)芳香環の水素添加率は、 1H−NM
Rを測定し算出した。
【0102】(5)高温高湿度試験は、恒温恒湿度試験
器内65°C、90%相対湿度の環境下に成形物を1,
000時間放置し、急激に室温環境(試験器外)に取り
出して数分経過後の白濁状態(光線透過率の変化)を観
察して評価した。
【0103】(6)耐スチーム滅菌試験は、オートクレ
ーブ中121°C、飽和蒸気圧1.1kg/cm2 にて
成形物を20分間保持し、その後オートクレーブ外に成
形品を取り出して数分経過後の透過率変化を測定する操
作を合計2回繰り返す毎に行って評価した。
【0104】(7)成形品の残留応力は、後述する実施
例1に示したBergen法によって測定した。
【0105】製造例1(芳香族ビニル系重合体の水素添
加物Aの製造) 十分に乾燥し窒素置換した、内容量が1リットルの電磁
攪拌装置を備えたステンレス鋼製オートクレーブに、脱
水シクロヘキサン320部、スチレンモノマー80部及
びジブチルエーテル1.83部を仕込み、40°Cで4
00rpmで攪拌しながらn−ブチルリチウム溶液(1
5%含有ヘキサン溶液)0.31部を添加して重合を開
始した。同条件下で3時間重合を行った後、イソプロピ
ルアルコール0.42部を添加して反応を停止させた。
製造された芳香族ビニル系重合体aの重量平均分子量
(Mw)と数平均分子量(Mn)を測定したところ、M
n=113,636、Mw=125,000であった。
【0106】次いで、上記芳香族ビニル系重合体a含有
の重合溶液400部に安定化ニッケル水素化触媒N16
3A(日本化学工業社製;40%ニッケル担持シリカ−
アルミナ担体)12部を添加混合し、水素化反応温度を
調節するための電熱加熱装置と電磁攪拌装置を備えた内
容積1.2リットルのスチンレス鋼製オートクレーブに
仕込んだ。仕込み終了後、オートクレーブ内部を窒素ガ
スで置換し、700rpmの回転速度で攪拌しながら、
230°C、水素圧45kg/cm2 で8時間水素添加
反応を行った。
【0107】水素添加反応終了後、反応溶液からろ過に
より水素添加触媒を除去し、シクロヘキサン1200部
を加えた後、10リットルのイソプロパノール中に注ぎ
芳香族ビニル系重合体の水素添加物Aを析出させた。
【0108】水素添加物Aをろ過により分離後、減圧乾
燥器により乾燥させ芳香族ビニル系重合体水素添加物A
を回収した。得られた水素添加物Aの物性はMn=4
8,421、Mw=92,000、Mw/Mn=1.9
0、水素化率は100%、Tg=140°Cであった。
【0109】[実施例1]上記製造例1で製造した芳香
族ビニル系重合体の水素添加物Aにゴム質重合体(旭化
成社製タフテックH1052、ガラス転移温度0°C以
下)0.2部、老化防止剤(チバガイギー社製イルガノ
ックス1010)0.05部を添加し、2軸混練機(東
芝機械社製TEM−35B、スクリュー径37mm、L
/D=32、スクリュー回転数250rpm、樹脂温度
240°C、フィードレート10kg/時間)で混練
し、押し出し、ペレット化した。
【0110】(残留応力の測定)得られたペレットを用
いて、日精樹脂工業社製のFE210型射出成形機に
て、成形時の樹脂温度300°C、金型温度120°C
の条件で射出成形し、図2に示すルアーロック構造10
を有し、図1に示す内径D1=34mm、厚みt1=2
mm、長さL1=150mmの筒本体部4、外径50m
m、厚みt2=3mmのフランジ6を有するシリンジ用
筒aを成形した。なお、筒本体部4の抜きテーパは、1
/10,000であり、面と面との交差部22、24、
25、26、28には、R=0.07mmの曲率を付け
た。
【0111】成形したシリンジ用筒aについて、下記の
Bergen法に従って残留応力を測定すると、100
kg/cm2 以下であった。
【0112】残留応力(kg/cm2 )の測定法 (1)試験液の破断応力の測定 曲げ弾性率E(kg/cm2 )の測定 ポリマーAを射出成形により127mm×12.7mm
×6.3mmの棒状物を成形し、曲げ弾性率Eを測定し
たところ、E=22000kgf/cm2 であった。
【0113】試験片の歪みe ポリマーAを電熱プレス(型温度200°C、ゲージ圧
200kg/cm2 )でプレス成形して1mm×10m
m×130mmの試験片を50枚作製した。図4に示す
ように、得られた試験片41を(y/4)2 +(x/
10)2 =1の楕円形を有する楕円形治具42(縦1
00mm、高さ40mm、幅20mm)に縛り付け、試
験液に25°Cで2時間浸漬し、図4記載のx軸座標方
向の破断距離Xcmを測定した。試験液をメチルエチル
ケトン、メチルアクリレート、エチルアルコールとした
場合の破断距離は、それぞれ7.1cm、7.6cm、
8.7cmであった。
【0114】上記関係式の楕円のx軸座標方向での距離
(破断距離)Xcmにおける試験片の歪みeは、次式
(1)より求めることができる。この場合のtは、試験
片の厚みである。
【0115】
【数1】 e=0.02×(1−0.0084X2-3/2 ・t …(1) 各試験液の破断応力Y(kgf/cm2 ) 各試験液の破断応力Yは、上記で求めた曲げ弾性率E
(kgf/cm2 )と歪みeとから、次式(2)式より
算出した。
【0116】
【数2】 Y=E・e(kgf/cm2 ) …(2) [結果] ・エチルアルコール =210kgf/cm2 ・メチルアクリレート=120kgf/cm2 ・メチルエチルケトン=100kgf/cm2 従って、成形体を上記破断応力を測定した試験液に浸
漬した破断の結果で残留応力が測定される。
【0117】(i)エチルアルコール試験液で破断した
成形体の残留応力は、210kgf/cm2 以上 (ii)エチルアルコール試験液で破断しなかった成形
体の残留応力は、210kgf/cm2 未満 (iii)メチルアクリレート試験液で破断した成形体
の残留応力は、120kgf/cm2 以上 (iv)メチルアクリレート試験液で破断しなかった成
形体の残留応力は、120kgf/cm2 未満 (v)メチルエチルケトン試験液で破断した成形体の残
留応力は、100kgf/cm2 以上 (vi)メチルエチルケトン試験液で破断しなかった成
形体の残留応力は、100kgf/cm2 未満 (2)シリンジ用筒aの残留応力の測定 シリンジ用筒aをメチルエチルケトン、メチルアクリレ
ート、エチルアルコールにそれぞれ浸漬、25°Cで2
時間静置後取り出したところ、いずれの試験液に浸漬し
たものでも外観変化(クラック)はなく、重量変化も見
られなかった。従って、シリンジ用筒aの残留応力は1
00kgf/cm2 未満であった。
【0118】(耐スチーム滅菌性の評価)シリンジ用筒
aをオートクレーブに入れ、前述(6)の耐スチーム試
験を合計2回実施して透明性を観察したところ、2回目
の耐スチーム試験実施後でもシリンジ用筒の透明性は変
化が観察されず、(試験後の全光線透過率/成形直後の
全光線透過率)×100=99%であった。
【0119】[比較例1] (残留応力の測定)筒状本体部の抜きテーパが0であっ
た以外は、実施例1と同様の成形条件にて射出成形を行
い、比較例1に係るシリンジ用筒bを成形した。
【0120】実施例1と同様にしてシリンジ用筒bの残
留応力を測定した。シリンジ用筒bは、エチルアルコー
ルに浸漬しても外観、重量ともに問題はないが、メチル
アクリレート及びメチルエチルケトンに浸漬したものは
クラックが生じた。従って、シリンジ用筒bの残留応力
は、120kgf/cm2 以上210kgf/cm2
満の範囲と判断した。
【0121】(耐スチーム滅菌性の評価)シリンジ用筒
bをオートクレーブに入れ、実施例1と同様に、前述
(6)の耐スチーム試験を合計2回実施して透明性を観
察したところ、2回目の耐スチーム試験実施後にシリン
ジ用筒の白化現象によって透明性が低下し、(試験後の
全光線透過率/成形直後の全光線透過率)×100=7
0%以下になった。
【0122】製造例2(水素添加物Bの製造) 十分に乾燥し窒素置換した、内容量が1リットルの電磁
攪拌装置を備えたステンレス鋼製オートクレーブに、ス
チレンモノマー100部及びアゾビスイソブチロニトリ
ル0.05部を仕込み、70°Cで400rpmで攪拌
しながら24時間重合を行い、シクロヘキサン1200
部を加えた後、10リットルのイソプロパノール中に注
ぎ重合体析出させた。重合体をろ過により分離後、減圧
乾燥器により乾燥させ90部のポリスチレンを得た。こ
の重合体80部を脱水シクロヘキサン320部に溶解
し、実施例1と同様に12時間水添し水素添加物Bを得
た。得られた水素添加物Bの物性はMn=69,56
5、Mw=160,000、Mw/Mn=2.30、水
素化率は99%、Tg=140°Cであった。
【0123】[実施例2] (残留応力の測定)上記製造例2で得られた芳香族ビニ
ル系重合体の水素添加物Bを使用する以外は、前記実施
例1と同様の抜きテーパを有し、同一形状のシリンジ用
筒cを成形した。
【0124】実施例1と同様にしてシリンジ用筒cの残
留応力を測定した結果、110kgf/cm2 以上12
0kgf/cm2 未満の範囲と判断することができた。
【0125】(耐スチーム滅菌性の評価)シリンジ用筒
cをオートクレーブに入れ、前述(6)の耐スチーム試
験を合計2回実施して透明性を観察したところ、2回目
の耐スチーム試験実施後でもシリンジ用筒の透明性は変
化が観察されず、(試験後の全光線透過率/成形直後の
全光線透過率)×100=99%であった。
【0126】[比較例2] (残留応力の測定)シリンジ用筒の形状が、面と面との
交差部に曲率Rを有していない以外は、実施例2と同様
の方法で、シリンジ用筒dを成形し、残留応力を測定し
た。シリンジ用筒dは、エチルアルコールに浸漬しても
外観、重量ともに問題はないが、メチルアクリレート及
びメチルエチルケトンに浸漬したものは、特に面と面と
の交差部にクラックが生じた。したがって、シリンジ用
筒dの残留応力は、120kgf/cm2 以上210k
gf/cm2 未満の範囲と判断することができた。
【0127】(耐スチーム滅菌性の評価)シリンジ用筒
dをオートクレーブに入れ、実施例1と同様に前述
(6)の耐スチーム試験を合計2回実施して透明性を観
察したところ、2回目の耐スチーム試験実施後にシリン
ジ用筒dに白化現象が発生して(特に面と面との交差部
に集中的に発生)透明性が低下し、(試験後の全光線透
過率/成形直後の全光線透過率)×100=80%以下
になった。
【0128】製造例3(水素添加物Cの製造) アゾビスイソブチロニトリル0.04部、重合温度を9
0°Cとした以外は製造例2と同様に行い水素添加物C
を得た。得られた水素添加物Cの物性はMn=25,5
56、Mw=92,000、Mw/Mn=3.60、水
素化率は99%、Tg=139°Cであった。
【0129】[実施例3] (残留応力の測定)上記製造例3で得られた芳香族ビニ
ル系重合体の水素添加物Cを使用する以外は、実施例1
と同様の抜きテーパを有し、同一形状のシリンジ用筒e
を成形した。
【0130】実施例1と同様にしてシリンジ用筒eの残
留応力を測定した結果、110kgf/cm2 以上12
0kgf/cm2 未満の範囲と判断することができた。
【0131】(耐スチーム滅菌性の評価)シリンジ用筒
eをオートクレーブに入れ、前述(6)の耐スチーム試
験を合計2回実施して透明性を観察したところ、2回目
の耐スチーム試験実施後でもシリンジ用筒の透明性は変
化が観察されず、(試験後の全光線透過率/成形直後の
全光線透過率)×100=99%であった。
【0132】評価 前記実施例1〜3に示すように、ポリマーの分子量分布
がブロードになっても、本実施例の抜きテーパおよび曲
率を持つシリンジ用筒を成形する限りは、残留応力、耐
スチーム滅菌性の評価とも、比較例に比較して優れてい
ることが確認された。
【0133】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、射出成形時の金型離型抵抗が小さく、残留応力が発
生し難く、機械的強度、耐ソルベントクラック性、耐ス
チーム滅菌性が向上した筒状成形体を提供することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の1実施形態に係るシリンジ用筒
の断面図である。
【図2】図2は図1に示すシリンジ用筒の要部拡大断面
図である。
【図3】図3は図1に示すシリンジ用筒を製造するため
の金型の断面図である。
【図4】図4は試験片の破断応力を求めるための説明図
である。
【符号の説明】
2… シリンジ用筒 4… 筒本体部 6… フランジ部 8… 底板部 10… ルアーロック構造 30… 金型装置 32,34… 金型 36… キャビティ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主鎖もしくは側鎖に単環の脂環構造を有
    する環状炭化水素樹脂により一体に成形してある筒状成
    形体であって、 筒状成形体の筒本体部の抜きテーパ角が1/10000
    0〜1/100の範囲であることを特徴とする筒状成形
    体。
  2. 【請求項2】 前記筒状成形体における面と面との交差
    部が曲率を有することを特徴とする請求項1に記載の筒
    状成形体。
  3. 【請求項3】 ルアーロック構造を有する接続部が一体
    的に成形してあることを特徴とする請求項1または2に
    記載の筒状成形体。
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