JP2015160399A - 医療用成形体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ノルボルネン系開環重合体水素添加物などのノルボルネン系重合体70〜90重量%と、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重合体ブロックからなるブロック共重合体の水素化物などの水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーからなるブロック共重合体10〜30重量%とを含有する樹脂組成物を、前記ノルボルネン系重合体のガラス転移点(Tg)+130〜160℃に加熱して医療用射出成形品又は医療用ブロー成形品を製造する製造方法。
【選択図】なし
Description
シクロオレフィン系共重合体に芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重合体ブロックからなるブロック共重合体を配合することで透明性と耐衝撃性と低応力白化のバランスに優れたブリスタパック等の医療用途にも好適なシクロオレフィン系共重合体樹脂組成物が知られている(特許文献1、2)。
また、特許文献3には、高温高湿下に曝されても透明性の低下を抑えることのできる成形体を得るべく、熱可塑性エラストマーの含有量が0.1質量%以上2質量%以下である環状オレフィン樹脂を含む樹脂組成物からなる成形体の製造方法として、シリンダー温度が環状オレフィン樹脂のTg+170℃以下の温度条件で成形することが提案されている。通常シリンダー温度は、樹脂温度とほぼ同じか樹脂温度の方がやや高くなる。
このほか、ノルボルネン系重合体の、皮脂の付着による各種の問題を解決する方法として、例えば容器表面に透明インクを印刷する方法(特許文献4)、ブロー成形時のプリフォームの部位別の温度差を小さくする方法(特許文献5)、保護フィルムを積層する方法(特許文献6)、及び特定のモノマー構成でノルボルネン系重合体を得る方法(特許文献7)などが提案されている。
前記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーは、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重合体ブロックからなるブロック共重合体を水素化したものであるのが好ましい。
前記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーは、スチレン−イソブチレン−スチレン三元共重合体であるのが好ましい。
本発明に用いるノルボルネン系重合体は、ノルボルネン骨格を有する単量体であるノルボルネン系単量体を重合してなるものであり、開環重合によって得られるものと、付加重合によって得られるものに大別される。
置換基としては、アルキル基、アルキレン基、ビニル基、アルコキシカルボニル基、アルキリデン基などが例示でき、上記ノルボルネン系単量体は、これらを2種以上有していてもよい。具体的には、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
これらのノルボルネン系単量体は、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて用いられる。
これらの、ノルボルネン系単量体と開環共重合可能なその他の単量体は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系単量体とこれと開環共重合可能なその他の単量体とを開環共重合する場合は、開環重合体中のノルボルネン系単量体由来の構造単位と開環共重合可能なその他の単量体由来の構造単位との割合が、重量比で通常70:30〜99:1、好ましくは80:20〜99:1、より好ましくは90:10〜99:1の範囲となるように適宜選択される。
これらの、ノルボルネン系単量体と付加共重合可能なその他の単量体は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。ノルボルネン系単量体とこれと付加共重合可能なその他の単量体とを付加共重合する場合は、付加重合体中のノルボルネン系単量体由来の構造単位と付加共重合可能なその他の単量体由来の構造単位との割合が、重量比で通常30:70〜99:1、好ましくは50:50〜97:3、より好ましくは70:30〜95:5の範囲となるように適宜選択される。
ノルボルネン系単量体の開環重合体水素化物は、通常、上記開環重合体の重合溶液に、ニッケル、パラジウムなどの遷移金属を含む公知の水素化触媒を添加し、炭素−炭素不飽和結合を水素化することにより得ることができる。
本発明に用いる水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーは、主として芳香族ビニル単量体と共役ジエン単量体からなるブロック共重合体の共役ジエン単量体部分が部分的あるいはすべて水素添加されたブロック共重合体ばかりでなく、ブチレンやイソブチレンなどのように炭素−炭素二重結合を1個だけ有するものを用いて重合した後、結果的に得られた重合体が水素添加したものと同等なものになるブロック共重合体であっても良い。
ブロック共重合体を構成する共役ジエン単量体としては、1,3−ブタジエン、イソプレン等を挙げることができる。水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーの具体例としては、芳香族ビニル系化合物重合体ブロックとブタジエン系重合体ブロックからなるスチレン−ブタジエン共重合体を水素化したスチレン−エチレン/ブチレン−スチレン三元共重合体(SEBS)、芳香族ビニル系化合物重合体ブロックとイソプレン系重合体ブロックからなるスチレン−イソプレン共重合体を水素化したスチレン−エチレン/プロピレン−スチレン三元共重合体(SEPS)、芳香族ビニル系化合物重合体ブロックとイソペンタジエン系重合体ブロックからなるスチレン−イソペンタジエン共重合体を水素化したスチレン−エチレン−エチレン/プロピレン−スチレン三元共重合体(SEEPS)等の、スチレンブロックとジエンブロックとを有する共重合体のジエンブロックを完全又は部分水素添加して得られたもの;スチレン−イソブチレン−スチレン三元共重合体等の、炭素−炭素二重結合を1個だけ有するものを用いて重合した後、結果的に得られた重合体が水素添加したものと同等なものになるブロック共重合体が挙げられる。
これらの中でも、スチレン−イソブチレン−スチレン三元共重合体がノルボルネン系重合体との混練品における透明性の観点から好適である。
重量平均分子量が30,000よりも低い場合には機械的な物性が十分に発現されない傾向があり、一方300,000を超える場合には流動性、加工性が悪化する傾向がある。さらには加工安定性の観点からイソブチレン系ブロック共重合体の重量平均分子量/数平均分子量が1.4以下であることが好ましい。
(CR1R2X)nR3
(式中Xはハロゲン原子、炭素数1〜6のアルコキシ基またはアシロキシ基から選ばれる置換基、R1、R2はそれぞれ水素原子または炭素数1〜6の1価炭化水素基でR1、R2は同一であっても異なっていても良く、R3は一価若しくは多価芳香族炭化水素基または一価若しくは多価脂肪族炭化水素基であり、nは1〜6の自然数を示す。)
上記一般式で表わされる化合物は開始剤となるものでルイス酸等の存在下、炭素陽イオンを生成し、カチオン重合の開始点になると考えられる。
これらの中でも、特に好ましいのはビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[C6H4(C(CH3)2Cl)2]、トリス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン[(ClC(CH3)2)3C6H3]である。
溶媒の使用量は、得られる重合体溶液の粘度や除熱の容易さを考慮して、重合体の濃度が1〜50wt%、好ましくは5〜35wt%となるように決定される。
実際の重合を行うに当たっては、各成分を冷却下例えば−100℃以上0℃未満の温度で混合する。エネルギーコストと重合の安定性を釣り合わせるために、特に好ましい温度範囲は−30℃〜−80℃である。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、その他の各種配合剤(樹脂工業において通常用いられる配合剤)を単独で、又は2種以上混合して用いることができる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系光安定剤を挙げることができる。
顔料としては、ジアリリド系顔料、アゾレーキ系顔料、縮合アゾ系顔料、ペンズイミダゾロン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、アントラキノン系顔料が挙げられる。
帯電防止剤としては、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどの長鎖アルキルアルコール、グリセリンモノステアレート、ペンタエリスリトールモノステアレートなどの多価アルコールの脂肪酸エステルなどが挙げられるが、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールが特に好ましい。
その他の樹脂としては、柔軟性を付与するためのポリオレフィン樹脂などが挙げられる。
本発明では、上記各成分を必要に応じて混合して使用される。混合方法は、重合体中に配合剤が十分に分散する方法であれば、特に限定されない。例えば、ミキサー、一軸混練機、二軸混練機、ロール、ブラベンダー、押出機などで樹脂を溶融状態で混練する方法、適当な溶剤に溶解して分散させて凝固法、キャスト法、又は直接乾燥法により溶剤を除去する方法などがある。
本発明の樹脂組成物の成形加工方法としては、射出成形法又はブロー成形法が挙げられる。ブロー成形法に関しては、エクストルージョンブロー成形法、インジェクションブロー成形法、二段ブロー成形法、多層ブロー成形法、コネクションブロー成形法、延伸ブロー成形法など、いずれの方法でも良い。
<医療用薬剤容器>
医療用薬剤容器の具体例としては、広口瓶、狭口瓶、バイアル瓶、プレフィラブル・シリンジ、プレフィルド・シリンジ、ワクチン用プレフィルド・シリンジ、抗がん剤用プレフィルド・シリンジ、ニードルレス・シリンジ、アンプルおよびプレス・スルー・パッケージ、輸液用バッグ、点滴薬容器、点眼薬容器などの液体または粉体、固体の薬品容器、血液検査用のサンプリング用試験管、採血管、検体容器などのサンプル容器などが挙げられる。
(1)ノルボルネン系重合体70〜90重量%及び芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重合体ブロックからなるブロック共重合体10〜30重量%の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、シクロヘキサンを溶離液とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)による標準ポリイソプレン換算値として測定した。
(2)水素添加率は、1H−NMRにより測定した。
(3)ガラス転移温度は、JIS K 7121に基づき、示差走査熱量分析計(ナノテクロノジー社製、製品名「DSC6220S11」)を用い、ガラス転移温度より30℃以上に加熱した後、冷却速度−10℃/分で室温まで冷却し、その後、昇温速度10℃/分で昇温する過程で測定した。
(4)スキンクリーム塗布試験は、ニベアクリーム(登録商標;ニベア花王社製)をブロー成形品の外表面に塗布し、40℃、24時間静置した後、亀裂の発生の有無を確認した。
(5)落下衝撃試験は、ブロー成形品に純水を充填後、キャップにて密封し、温度23℃、湿度50%下に1時間静置した。その後、ブロー成形品の底面を下向きにし、高さ1.8mから鉛直方向に繰り返し10回落下後、変形及び漏水の有無を確認した。
(6)光線透過率は、厚さ3mmの試験片を用いて、紫外可視赤外分光光度計(日本分光株式会社製、型式「V−570」)にて測定した。
窒素雰囲気下、脱水したシクロヘキサン500部に、1−ヘキセン0.82部、ジブチルエーテル0.15部、及びトリイソブチルアルミニウム0.30部を室温で反応器に入れ混合した後、45℃に保ちながら、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン、以下、「DCP」と略記する。)76部と、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン(以下「TCD」と略す)70部と、テトラシクロ[7.4.0.02,7.110,13]トリデカ−2,4,6,11−テトラエン(以下「MTF」と略す)54部と、六塩化タングステン(0.7%トルエン溶液)80部とを、並行して2時間かけて連続的に添加し重合した。次いで、重合溶液にブチルグリシジルエーテル1.06部とイソプロピルアルコール0.52部を加えて重合触媒を不活性化し重合反応を停止させた。得られた開環重合体を含有する反応溶液をガスクロマトグラフィー分析したところ、各モノマーの重合転化率は、99.5%であった。
シクロヘキサン258リットルを装入した反応容器に、常温、窒素気流下でビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(以下、「NB」という)120kgを加え、5分間撹拌を行った。さらにトリイソブチルアルミニウムを系内の濃度が1.0ml/リットルとなるように添加した。続いて、撹拌しながら常圧でエチレンを流通させ系内をエチレン雰囲気とした。オートクレーブの内温を70℃に保ち、エチレンにて内圧がゲージ圧で6kg/cm2となるように加圧した。10分間撹拌した後、予め用意したイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリド及びメチルアルモキサンを含むトルエン溶液0.4リットルを系内に添加することによって、エチレンとNBとの共重合反応を開始させた。このときの触媒濃度は、全系に対してイソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(インデニル)ジルコニウムジクロリドが0.018mmol/リットルであり、メチルアルモキサンが8.0mmol/リットルである。
乾燥し、窒素置換した重合反応器に、DCP30モル%、TCD26モル%、及びNB44モル%からなる単量体混合物7部(重合に使用するモノマー全量に対して1%)、脱水したシクロヘキサン1,600部、分子量調節剤として1−ヘキセン3.0部、ジイソプロピルエ−テル1.3部、イソブチルアルコール0.33部、トリイソブチルアルミニウム0.84部並びに六塩化タングステン0.66%シクロヘキサン溶液30部を入れ、55℃で10分間攪拌した。
次いで、反応系を55℃に保持し、攪拌しながら、前記重合反応器中に前記単量体混合物693部と六塩化タングステン0.77%シクロヘキサン溶液72部を各々150分かけて連続的に滴下し、さらに滴下終了後30分間攪拌した後にイソプロピルアルコール1.0部を添加して重合反応を停止させた。ガスクロマトグラフィーによって重合反応溶液を測定したしたところ、モノマーの重合体への転化率は100%であった。
水素化反応終了後、珪藻土(昭和化学工業社製、製品名「ラヂオライト(登録商標)♯500」)をろ過床として、加圧ろ過器(IHI社製、製品名「フンダフィルタ−」)を使用し、圧力0.25MPaで加圧ろ過して、無色透明な溶液を得た。
次いで、得られた溶液に、前記水素添加物100部当り、酸化防止剤として、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート](BASFジャパン社製、製品名「イルガノックス(登録商標)1010」)0.5部を加えて溶解させた。
この脂環構造含有開環重合体の水素添加物(ノルボルネン系重合体C)の分子量はMw=46,000、Mn=17,000、Mw/Mn=2.70であり、水素化率は99.9%、Tgは70℃であった。
芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重合体ブロックからなるブロック共重合体(D)の製造方法
2リットルのセパラブルフラスコの重合容器内を窒素置換したのち、注射器を用いてn−ヘキサン456.4ml及び塩化ブチル656.3ml(いずれもモレキュラーシーブスで乾燥したもの)を加え、重合容器を−70℃のドライアイス/メタノールバス中につけて冷却した。イソブチレンモノマー235ml(2910mmol)が入っている三方コック付耐圧ガラス製液化採取管にポリテトラフルオロエチレン製の送液チューブを接続し、重合容器内にイソブチレンモノマーを窒素圧により送液した。ビス(1−クロル−1−メチルエチル)ベンゼン0.733g(3.2mmol)及びα−ピコリン1.30g(14mmol)を加えた。次にさらに四塩化チタン8.67ml(79.1mmol)を加えて重合を開始した。重合開始から3時間同じ温度で撹拌を行なったのち、あらかじめ−70℃に冷却しておいたスチレンモノマー149g(1433mmol)、n−ヘキサン14.1ml及び塩化ブチル20.4mlの混合溶液を重合容器内に添加した。さらに2.5時間後大量の水を加えて反応を終了させた。
反応溶液を2回水洗し、溶媒を蒸発させ、得られた重合体を60℃で24時間真空乾燥することによりMwが160000であるブロック共重合体(D)を得た。
製造例1で得られたノルボルネン系重合体A90部と芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重合体ブロックからなるブロック共重合体D10部、酸化防止剤としてペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.5部とを、ブレンダーで混合し、次いで70℃で6時間、0.1hPaで真空乾燥した。ホッパーを窒素置換した2軸混練機を用い、270℃のシリンダー温度で混練して押し出し、ペレット化した樹脂組成物1を得た。このペレット化した樹脂組成物1について、樹脂温度265℃(Tg+130℃)、型温度60℃で射出成形し、全長145.4mm、最大外形29.7mm、肉厚4.7mmのプリフォームを作成した。このプリフォームを、ブロー成形機(フロンティア社製、型式「EFB−1000ET」)にて、プリフォーム加熱温度178℃、ブロー時間2.10秒、サイクルタイム5.26秒の条件で、縦1.55倍、横2.00倍に延伸し、ブロー成形品を作成した。このブロー成形品を用いて、スキンクリーム塗布試験及び落下衝撃試験を行った。尚、ここでプリフォームが得られた場合、表1における「射出成形」の項目を「可」となり、プリフォームが得られなかった場合、表1における「射出成形」の項目を「不可」とした。
また、ペレット化した樹脂組成物1を樹脂温度265℃(Tg+130℃)、型温度120℃で射出成形し、厚さ3.0mmの試験片を作成した。成形した試験片を用い、光線透過率を測定した。
射出成形時の樹脂温度を295℃(Tg+160℃)に変えた以外は実施例1と同様にして、ブロー成形品及び厚さ3.0mmの試験片を得た。
ノルボルネン系重合体A70部と芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重合体ブロックからなるブロック共重合体D30部に変えた以外は実施例1と同様にして、ペレット化した樹脂組成物2を得た。このペレット化した樹脂組成物2から実施例1と同様にして、射出成形時の樹脂温度265℃(Tg+130℃)でブロー成形品及び厚さ3.0mmの試験片を得た。
射出成形時の樹脂温度を295℃(Tg+160℃)に変えた以外は実施例3と同様にして、ブロー成形品及び厚さ3.0mmの試験片を得た。
製造例2で得られたノルボルネン系重合体B90部と芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重合体ブロックからなるブロック共重合体D10部に変えた以外は実施例1と同様にして、ペレット化した樹脂組成物3を得た。このペレット化した樹脂組成物3から実施例1と同様にして、射出成形時の樹脂温度265℃(Tg+130℃)でブロー成形品及び厚さ3.0mmの試験片を得た。
射出成形時の樹脂温度を295℃(Tg+160℃)に変えた以外は実施例5と同様にして、ブロー成形品及び厚さ3.0mmの試験片を得た。
製造例3で得られたノルボルネン系重合体C90部と芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重合体ブロックからなるブロック共重合体D10部、酸化防止剤としてペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]0.5部とを、ブレンダーで混合し、次いで40℃で6時間、0.1hPaで真空乾燥した。ホッパーを窒素置換した2軸混練機を用い、210℃のシリンダー温度で混練して押し出し、ペレット化した樹脂組成物4を得た。このペレット化した樹脂組成物4について、樹脂温度200℃(Tg+130℃)、型温度40℃で射出成形し、全長145.4mm、最大外形29.7mm、肉厚4.7mmのプリフォームを作成した。このプリフォームを、ブロー成形機(フロンティア社製、型式「EFB−1000ET」)にて、プリフォーム加熱温度:130℃、ブロー時間:2.70秒、サイクルタイム:5.86秒の条件で、縦1.55倍、横2.00倍に延伸し、ブロー成形品を作成した。このブロー成形品を用いて、スキンクリーム塗布試験及び落下衝撃試験を行った。
また、ペレット化した樹脂組成物4を樹脂温度200℃(Tg+130℃)、型温度40℃で射出成形し、厚さ3.0mmの試験片を作成した。成形した試験片を用い、光線透過率を測定した。
射出成形時の樹脂温度を230℃(Tg+160℃)に変えた以外は実施例7と同様にして、ブロー成形品及び厚さ3.0mmの試験片を得た。
射出成形時の樹脂温度を235℃(Tg+100℃)に変えた以外は実施例1と同様にした。樹脂温度が低いため、成形することができなかった。
[比較例2]
射出成形時の樹脂温度を315℃(Tg+180℃)に変えた以外は実施例1と同様にして、ブロー成形品及び厚さ3.0mmの試験片を得た。
[比較例3]
射出成形時の樹脂温度を235℃(Tg+100℃)に変えた以外は実施例3と同様にした。樹脂温度が低いため、成形することができなかった。
[比較例4]
射出成形時の樹脂温度を315℃(Tg+180℃)に変えた以外は実施例3と同様にして、ブロー成形品及び厚さ3.0mmの試験片を得た。
[比較例5]
射出成形する際の樹脂温度を235℃(Tg+100℃)に変えた以外は実施例5と同様にした。樹脂温度が低いため、成形することができなかった。
[比較例6]
射出成形時の樹脂温度を315℃(Tg+180℃)に変えた以外は実施例5と同様にして、ブロー成形品及び厚さ3.0mmの試験片を得た。
[比較例7]
射出成形時の樹脂温度を170℃(Tg+100℃)に変えた以外は実施例7と同様にした。樹脂温度が低いため、成形することができなかった。
[比較例8]
射出成形時の樹脂温度を250℃(Tg+180℃)に変えた以外は実施例7と同様にした。樹脂の酸化及び焼けの発生がみられ、評価に適した成形品を得ることができなかった。
[比較例9]
ノルボルネン系重合体A95部と芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重合体ブロックからなるブロック共重合体D5部に変えた以外は実施例1と同様にして、ブロー成形品及び厚さ3.0mmの試験片を得た。
[比較例10]
ノルボルネン系重合体A65部と芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重合体ブロックからなるブロック共重合体D35部に変えた以外は実施例1と同様にして、ブロー成形品及び厚さ3.0mmの試験片を得た。
実施例1〜8、比較例1〜10の結果を表1に示す。
ノルボルネン系重合体及び芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重合体ブロックからなるブロック共重合体からなる樹脂組成物について、射出成形時の樹脂温度をTg+130℃以上160℃以下の条件に設定することで、耐脂性、耐衝撃性、透明性に優れた射出成形品及びブロー成形品を得ることができる(実施例1〜8)。さらには、樹脂温度は範囲内で低い方が、耐脂性、耐衝撃性、透明性に優れることがわかる(実施例1〜8)。
それに対して、樹脂温度をTg+100℃に設定する場合、流動性が乏しく射出成形することができない(比較例1、3、5、7)。また、樹脂温度をTg+180℃に設定する場合、樹脂の酸化劣化が発生する(比較例2、4、6、8)。
イソブチレン系重合体ブロックからなるブロック共重合体が少なすぎる場合、透明性に優れるが耐脂性、耐衝撃性に劣る(比較例9)。また、イソブチレン系重合体ブロックからなるブロック共重合体が多すぎる場合、耐脂性、耐衝撃性に優れるが透明性に劣る(比較例10)。
Claims (4)
- ノルボルネン系重合体70〜90重量%と水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーからなるブロック共重合体10〜30重量%とを含有する樹脂組成物を、前記ノルボルネン系重合体のガラス転移点(Tg)+130℃以上160℃以下に加熱して成形することを特徴とする医療用射出成形品又は医療用ブロー成形品の製造方法。
- 前記ノルボルネン系重合体がノルボルネン系開環重合体水素添加物である請求項1記載の医療用射出成形品又は医療用ブロー成形品の製造方法。
- 前記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーが、芳香族ビニル化合物系重合体ブロックとイソブチレン系重合体ブロックからなるブロック共重合体を水素化したものである請求項1又は2に記載の医療用射出成形品又は医療用ブロー成形品の製造方法。
- 前記水素添加スチレン系熱可塑性エラストマーが、スチレン−イソブチレン−スチレン三元共重合体である請求項1〜3のいずれかに記載の医療用射出成形品又は医療用ブロー成形品の製造方法。
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