JPH11163115A - ウェーハ押さえ部材、これを組み込んだウェーハ収納用容器 - Google Patents
ウェーハ押さえ部材、これを組み込んだウェーハ収納用容器Info
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- JPH11163115A JPH11163115A JP9328194A JP32819497A JPH11163115A JP H11163115 A JPH11163115 A JP H11163115A JP 9328194 A JP9328194 A JP 9328194A JP 32819497 A JP32819497 A JP 32819497A JP H11163115 A JPH11163115 A JP H11163115A
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Abstract
物が少なく、収納されたウェーハの汚染を極力低減しう
るウェーハ押さえ部材及びこれを組み込んだウェーハ収
納用容器を提供する。 【解決手段】 内部温度60℃の密閉容器内に120分
間放置した後の該容器内の揮発性有機物量が全材料重量
に対して50ppm以下となるように、予め真空加熱処
理を施した熱可塑性ポリエステル系エラストマー材料
を、内部温度60℃の密閉容器内に120分間放置した
後の該容器内の揮発性有機物量が全材料重量に対して5
0ppm以下となるように射出成形する。
Description
(以下、単にウェーハと称する)を輸送、保管する際に
使用するウェーハ収納容器の構成部材の一つであるウェ
ーハ押さえ部材及びこれをウェーハ押さえ部材として用
いたウェーハ収納用容器に関する。
に記載されているように、複数枚のウェーハを支持する
ウェーハ支持リブ1と、対向した位置にウェーハ支持リ
ブ1を有するキャリア2と、キャリア2を収納する容器
本体3と、容器本体3の外周に沿って嵌合し、開閉する
ことができる蓋体4と、ウェーハを固定するウェーハ押
さえ部材5と、容器本体3と蓋体4との間の外周に沿っ
て設置されるガスケット6とから構成されたものが広く
知られており、また、実際に多用されている。これらの
構成部材には、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカ
ーボネート、ポリブチレンテレフタレートといった、軽
量性、成形性等に優れた材料が使用され、各構成部材の
要求特性に応じて選択されている。
材5については、保管、運搬、移送、輸送等中に受ける
外的な振動や衝撃からウェーハの破損や回転を防止する
ため、ポリエステルやポリオレフィン等を主成分とする
熱可塑性エラストマー材料、特に、耐熱性やクリープ特
性等の点から、熱可塑性ポリエステル系エラストマー材
料が多用されている。
度化、高集積化に伴い、構成部材同士あるいは構成部材
とウェーハとの摩擦から生じる粉塵などによるウェーハ
汚染の他に、各構成部材から発生する微量の揮発性有機
物によるウェーハ汚染が問題となってきた。特に、ウェ
ーハ押さえ部材5は、ウェーハに直接、接触して保持、
固定するため、ウェーハに対する影響が大きい。
量の対象物を密閉容器内に封入し、所定の温度で放置し
た後、密閉容器内のガスを捕集して、ガスクロマトグラ
フィー、マススペクトル等によって定量、定性分析する
ヘッドスペース法とよばれる方法がある。この方法によ
り、ウェーハ押さえ部材5の原料である熱可塑性ポリエ
ステル系エラストマー材料を、60℃の密閉容器内に1
20分間放置して分析したところ、定性的には、揮発性
有機物のほとんどはTHF(( CH2)4 O:テトラヒド
ロフラン、以下THF) であることが確認された。この
THFは、その構造式から、上記エラストマー材料を構
成するポリブチレンテレフタレート成分(ハード成分)
もしくはポリオキシテトラメチレングリコール(ソフト
成分)に含まれる−(CH2)4 O−部分が熱によって連
鎖的に生成した分解物([化1]参照)、およびエラス
トマー材料中の原料の残査や副反応から生成した低分子
量成分、あるいは、これらから派生した成分より生成し
たものであると推定される。
で定量的に測定したところ、揮発性有機物が多量に検出
された。
して得られるウェーハ押さえ部材についても、同様の分
析を行ったところ、該部材には上記の残留したままの諸
成分、また、成形時に受ける熱によって上記の機構によ
り新たに生成したと思われる多量の揮発性有機物が検出
された。この結果から、熱可塑性ポリエステル系エラス
トマー材料からなる、従来のウェーハ押さえ部材を使用
すると、揮発性有機物がウェーハに付着してウェーハが
汚染される可能性が高い。そこで、この点について研究
したところ、ウェーハ押さえ部材を内部温度60℃の密
閉用器内に120分間放置した後の該容器内の揮発性有
機物量が、該部材の全重量に対して50ppmを超える
場合はウェーハへの付着物量が多くなってウェーハ表面
が汚染され、製作する素子の特性や歩留まりに悪影響を
与えることが明らかとなった。また、熱可塑性ポリエス
テル系エラストマー材料を射出成形して得られる、従来
のウェーハ押さえ部材について、上記条件下、ヘッドス
ペース法により揮発性有機物量を調べたところ、50p
pmを超えることが分った。
る揮発性有機物量が50ppmと少なく、収納されたウ
ェーハの汚染を極力低減しうるウェーハ押さえ部材及び
これを用いたウェーハ収納用容器を提供することを目的
とする。
部温度60℃の密閉容器内に120分間放置した後の該
容器内の揮発性有機物量が全材料重量に対して50pp
m以下、望ましくは10ppm以下の熱可塑性ポリエス
テル系エラストマー材料を、245℃以下の成形温度で
射出成形することにより得られることを特徴とするウェ
ーハ押さえ部材、これを用いたウェーハ収納用容器であ
る。
ー材料の曲げ弾性率は、後述する理由により、4,00
0kg/cm2 から14,000kg/cm2 の範囲か
ら選ばれたものであることが好ましい。
熱可塑性ポリエステル系エラストマー材料からなる。こ
のエラストマー材料は、テレフタル酸ジメチル、1,4
−ブタンジオール、ポリオキシテトラメチレングリコー
ルを原料とし、触媒の存在下、エステル交換反応から合
成するか、又は、ジメチルテレフタレートの替わりにテ
レフタル酸を使用して直接重合から合成する方法があ
り、いずれの場合も、ポリブチレンテレフタレート(P
BT)を硬質成分(ハード成分)、ポリオキシテトラメ
チレングリコール(PTMG)をゴム成分(ソフト成
分)としたブロック共重合体として構成される。両成分
の構成比を変えることにより、所望の硬さ又は弾性率と
することができる。また、本発明はこれらに限られるも
のでなく、セグメントとなり、溶融重縮合によって得ら
れ、ソフト成分がポリエステルからなるポリエステル・
ポリエステル型があり、さらにソフトセグメントを長鎖
脂肪酸やポリブタジエングリコール、ポリラクトン等の
脂肪族ポリエステルに、また、ポリプロピレングリコー
ルや1,4−ブチンジオールに変性した例などが考えら
れるが、本発明はいずれかの型に限られるものではな
い。
ー材料に、各種の安定剤を加えることにより、種々の環
境要因、例えば、重合時やペレット化の際に与える熱や
光、材料中の残存微量水分や酸化過程で生ずる水分によ
って引き起こされる劣化による低分子量化、及びその結
果、発生する揮発性有機物量を低減することができる。
また、発生する揮発性有機物が吸着され、上記材料から
の揮散が防止される。すなわち、酸化防止剤、光安定
剤、耐熱安定剤、加水分解防止剤、ガス捕捉剤、核剤の
うち、少なくとも1種の添加剤を添加することにより、
環境要因に起因する揮発性有機物量を低減し、真空加熱
処理を施す樹脂、及び該樹脂を所定の成形温度内で成形
したウェーハ押さえ部材から発生する揮発性有機物量を
低減することができる。これらの添加剤の種類について
は、収納するウェーハに影響を与えない範囲内で選択、
添加されるべきであり、特には、できるだけ低揮発性の
ものが望ましい。
ル系、リン系、チオエーテル系の各種酸化防止剤、光安
定剤としては、紫外線吸収剤やヒンダードアミン系光安
定剤(HALS)等、耐熱安定剤としては、ポリカプロ
ラクタム等を含むポリアミド型安定剤、加水分解防止剤
としては、カルボジイミド、エポキシ化合物、ガス捕足
剤としては、ゼオライトや顔料等の無機物、核剤として
は、ソルビトール系等が挙げられる。また、これらの添
加剤の添加量については、既述の通り最終的には収納す
るウェーハへの影響によって判断されるべきであるが、
ウェーハ収納容器用部材の目安としては、トータルで
1,000ppm以下であることが望ましい。
は、上記の熱可塑性ポリエステル系エラストマー材料を
射出成形する前に、例えば、100mmHg以下、好ま
しくは10mmHg以下の減圧下、80℃〜150℃で
の真空加熱処理を該エラストマー材料に5時間から24
時間行って、内部温度60℃の密閉容器内に120分間
放置した後の該容器内の揮発性有機物量が全材料重量に
対して50ppm以下、好ましくは10ppm以下とな
るようにしておく。ここで、真空加熱処理について、圧
力と温度及び時間との関係で考慮する必要があるが、圧
力を100mmHgより大きくすると、材料の内部に残
留したTHF等の揮発性有機物を材料の劣化を引き起こ
さない処理温度や時間の範囲内で低減することが困難と
なり、結果的に上記条件で測定される揮発性有機物が5
0ppmを超えて残留することになる。また、温度を8
0℃未満にすると沸点が約65℃であるTHFを十分に
除去することが困難となり、150℃より大きくすると
既述の機構で新たに樹脂末端からの分解によってTHF
が生成して揮発性有機物量が増えるほか、材料骨格の劣
化が進行して物性が低下するなどの支障を来す恐れがあ
る。また、真空加熱処理の処理時間を5時間〜24時間
としたのは、5時間未満ではTHFを十分に除去するこ
とが困難となり、24時間を超えると材料の劣化が進行
するからである。また、ヘッドスペース法により測定さ
れる揮発性有機物量が50ppmを超える場合は、射出
成形した後のウェーハ押さえ部材中にこれらが残留して
収納するウェーハへの付着物量が多くなってウェーハ表
面を汚染する。
ポリエステル系エラストマー材料の温度を245℃を超
えない範囲で射出成形する。ここで、成形温度を245
℃より大きくすると、前記条件でヘッドスペース法によ
り測定される揮発性有機物量が、ウェーハ押さえ部材の
重量に対して50ppmを超えるようになる。すなわ
ち、射出成形前のエラストマー材料の真空加熱処理だけ
では、成形温度によって必ずしも揮発性有機物量の少な
いウェーハ押さえ部材が得られるとは限らず、上記成形
温度の範囲内で成形した場合に限って、揮発性有機物量
が50ppm以下のウェーハ押さえ部材が得られる。こ
のような挙動は、主に、熱可塑性ポリエステル系エラス
トマー材料中の前記揮発性有機物成分のうち、ポリエス
テル成分又はポリエーテル成分中の− (CH2)4 O−部
分の熱による分解物に起因するものと推定される。特
に、− (CH2)4 O−部分が、揮発性有機物の主成分で
あるTHFの発生源となることへの影響が大きいと思わ
れる。また、この射出成形の段階においては、ベント型
射出成形機を使用して、可塑化工程を通し、シリンダー
部から真空吸引によって発生するガスを除去して、さら
に揮発性有機物量を低減することも可能である。さら
に、このようにして射出成形したウェーハ押さえ部材を
成形後に適宜の加熱処理又は真空加熱処理を施して、さ
らに揮発性有機物量を低減することもできる。この場合
の温度、時間等の具体的な処理条件としては、結果とし
て得られるウェーハ押さえ部材の揮発性有機物量におい
て決定されるべきだが、処理後の成形品の寸法精度、熱
可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂の耐熱性等を考
慮して、温度的には80℃程度を上限として設定するの
が好ましい。このように、射出成形前にエラストマー材
料を予め真空加熱処理し、さらにこれを245℃以下の
温度範囲の条件で射出成形することにより、揮発性有機
物量が50ppm以下であるウェーハ押さえ部材が得ら
れる。
ー材料の曲げ弾性率は、4,000〜14,000kg
/cm2 (JIS規格による測定数値)であることが好
ましい。ウェーハ押さえ部材としては既に種々の形状が
提案されており、その形状によって要求される曲げ弾性
率は異なるものの、いずれの形状においても、原料とな
るエラストマー材料の曲げ弾性率が4,000kg/c
m2 以下ではウェーハを保持する力が弱く、輸送中に受
ける振動や衝撃に対してウェーハが回転したり、所定の
スロットを越えてウェーハが外れる可能性がある。一
方、14,000kg/cm2 を超えると、押さえ部材
としてウェーハを保持する弾性力が高すぎ、ウェーハ接
触部位においてウェーハとの擦れによってパーティクル
を発生する可能性が高くなったり、ウェーハ収納中にウ
ェーハを破損する恐れがある。
に説明する。
納用容器は、複数枚の半導体用ウェーハ(図示せず)を
図1に示したように、一定間隔を置いて配列担持しうる
ウェーハ支持リブ1が複数、並列突設し、該ウェーハ支
持リブ1、1間に、例えば、V溝状のウェーハ収納溝を
形成したケース状のキャリア2を、ウェーハ収納用容器
の本体3に嵌脱自在に設け、該容器本体3に蓋体4が開
閉自在に設けられ、該蓋体4の内面に嵌装されるウェー
ハ押さえ部材5と容器本体3及び蓋体4間に介在される
シール機能のあるガスケット6とから構成されたもので
ある。また、キャリア、容器本体、蓋体及びガスケット
は、いずれもウェーハ収納用容器としての使用に適する
低ガス性、低金属・イオン溶出性等の低汚染性や機械的
特性の要求を満たした合成樹脂とし、すなわち、それぞ
れ、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリオレフィ
ン系エラストマーを材料として使用して、適宜の条件下
で射出成形することにより得られたものである。
して、曲げ弾性率が8,000kg/cm2 (JIS
K 7203)であり、安定剤等の添加剤を含まない、
市販の熱可塑性ポリエステル系エラストマー樹脂のペレ
ット状材料ペルプレン(東洋紡績社製、商品名)を使用
した。そして、まず、この材料をタンブラー型真空加熱
処理槽において撹拌しながら、真空下、120℃での真
空加熱処理を20時間施した後、放置冷却した。
を、以下に述べる方法で測定したところ、表1に示すよ
うに、真空加熱処理前が63ppm、処理後が9ppm
であった。なお、揮発性有機物を定性する場合は、マス
スペクトルの結果から、ライブラリーを基にして定性す
るが、本発明において検出される揮発性有機物はほとん
どがTHFであった。また、上記エラストマー材料の引
張り強度、曲げ強度、曲げ弾性率、衝撃強度等の機械的
特性及び流動性等の成形性は、真空加熱処理の前後で変
化はなかった。なお、上記エラストマー材料から発生す
るTHF量の測定は、以下のようにして行った。すなわ
ち、まず、30mlバイヤル瓶に試料4.0gを精秤
し、これに内部標準として所定量のn−デカンを注入
し、テフロン(商品名)にてシールし、予め60℃に設
定した恒温槽で120分間加熱した。冷却後、バイヤル
瓶内部の気相部をシリンジにより採取して、ガスクロマ
トグラフィーへ注入し、得られたn−デカン標準のピー
ク面積に対するTHF成分のピーク面積比と、予め作成
しておいたTHFとn−デカンによるTHF検量線から
測定した。
0トンの射出成形機にて、シリンダー温度230℃、金
型温度50℃、成形サイクル40秒、射出圧力700k
gの成形条件で、図1に示すようなウェーハ押さえ部材
を成形した。そして、この一部を数mm大(2〜6m
m)のサイズに切断し、前記手法によりTHF量を測定
したところ、9ppmであった。
に示す構成のウェーハ収納用容器に洗浄直後の8インチ
ウェーハ1枚をキャリアの中央部に挿入し、蓋体を閉め
た密閉状態にてクリーンルーム中、室温で15日間放置
した。その後、該ウェーハを取り出し、市販の加熱脱離
型ガスクロマトグラフィー質量分析計(ジーエルサイエ
ンス社製、SWA−256)を用いて測定することによ
り行った。ウェーハ表面からの有機物の脱離は、400
℃で30分間の加熱で行い、このときに脱離した有機物
は一旦、捕集カラム(TENAX、商品名)に集めら
れ、ウェーハの加熱終了後、捕集カラムを270℃で加
熱することで、捕集カラムから有機物を再脱離させ、サ
ーマルデソープションコールドトラップインジェクター
(CHROMPACK CP−4020、商品名)で、
液体窒素を用いて冷却して体積収縮させ、その後、25
0℃に急速加熱することで捕集したガス成分を一気にガ
スクロマトグラフィーに導入して測定した。ウェーハ表
面有機物量の定量は、C20H42の物質で予め検量線を作
成しておき、ウェーハを測定したときに検出される有機
物のピーク面積をC20H42の量で換算することで行っ
た。検出された有機物は、洗浄後のウェーハからは検出
されない熱可塑性ポリエステル系エラストマーから発生
するTHFに起因すると思われる炭素数4を主とする成
分であったが、これらのトータルの揮発性有機物量は、
7ng/cm2 であり、後述する比較例に比べて約7割
程度とウェーハの品質に問題のないレベルに改善される
ことがわかった。さらに、ウェーハ押さえ部材としての
ウェーハ保持機能を確認するため、図1に示すウェーハ
収納用容器に25枚のウェーハを収納し、振動試験器に
固定し、振幅0.75mm(縦方向)、10Hz→55
Hz→10Hzを60秒で掃引、これを1サイクルとし
て、10サイクル行った後のウェーハのワレ、回転、破
損等の変化を調べたところ、いずれのウェーハも全く問
題がなかった。
ポリエステル系エラストマー樹脂にフェノール系酸化防
止剤として、アデカスタブAO−60(旭電化社製、商
品名)を樹脂重量に対して500ppm、押し出し混練
時に添加した以外、同様の条件、操作、評価を行い、添
加剤の効果を調べた。ウェーハ押さえ部材から発生した
THF量は8ppm、ウェーハに付着した有機物量は、
6ng/cm2 であり、実施例1よりさらに良好な結果
が得られた。また、振動試験においても問題がなかっ
た。
処理を行わなかった以外は、実施例1と同様の条件、操
作、評価を行ったところ、ペレットのTHF量、ウェー
ハ押さえ部材THF量、ウェーハ付着有機物量は、それ
ぞれ63ppm、86ppm、10ng/cm2 であっ
た。ペレット、ウェーハ押さえ部材とも発生するTHF
量が多く、収納したウェーハの表面汚染度も高かった。
外は、実施例1と同様の条件、操作、評価をしたとこ
ろ、ペレットのTHF量、ウェーハ押さえ部材THF
量、ウェーハ付着有機物量は、それぞれ9ppm、70
ppm、9.5ng/cm2 であった。真空加熱処理を
行ってペレット段階でTHF量を低減しても、成形時の
エラストマー材料温度が高いとウェーハ押さえ部材から
発生するTHF量が高くなるとともに、ウェーハへの吸
着量も多く、ウェーハを汚染する可能性が高くなる。
弾性率が、3,000kg/cm2 (JIS K720
3)である以外は、実施例1と同様の条件、操作、評価
をしたところ、ペレットのTHF量、ウェーハ押さえ部
材THF量、ウェーハ付着有機物量は、それぞれ9pp
m、8ppm、6ng/cm2 であり、問題のない結果
であったが、ウェーハを保持する力が弱いため、振動試
験において、25枚のウェーハ中4枚のウェーハにスロ
ットはずれ、9枚のウェーハに回転が認められ、ウェー
ハ押さえ部材としてウェーハを安全に保持する機能を満
足しない結果であった。
弾性率が、16,000kg/cm2 (JISK 72
03)である以外は、実施例1と同様の条件、操作、評
価をしたところ、ペレットのTHF量、ウェーハ押さえ
部材THF量、ウェーハ付着有機物量は、それぞれ9p
pm、8ppm、6ng/cm2 であり、問題のない結
果であったが、ウェーハの保持力が高すぎ、振動試験に
おいて、25枚のウェーハ中2枚のウェーハに破損が認
められ、ウェーハ押さえ部材としてウェーハを安全に保
持する機能を満足しない結果であった。
み込んだウェーハ収納用容器は、熱可塑性ポリエステル
エラストマー材料の段階で、予め真空加熱処理を行い、
その上で成形時のエラストマー材料温度が245℃を超
えない条件で射出成形することにより、ウェーハ押さえ
部材から発生する揮発性有機物量を50ppm以下にす
ることができ、その結果、収納するウェーハの表面汚染
が抑制され、ウェーハの清浄度を維持することができ
る。
る。
Claims (5)
- 【請求項1】 内部温度60℃の密閉容器内に120分
間放置した後の該容器内の揮発性有機物量が全材料重量
に対して50ppm以下となるように、予め真空加熱処
理を施した熱可塑性ポリエステル系エラストマー材料
を、内部温度60℃の密閉容器内に120分間放置した
後の該容器内の揮発性有機物量が全材料重量に対して5
0ppm以下となるように射出成形することにより得ら
れることを特徴とするウェーハ押さえ部材。 - 【請求項2】 熱可塑性ポリエステル系エラストマー材
料が、酸化防止剤、光安定剤、耐熱安定剤、加水分解防
止剤、核剤のうち、少なくとも1種の添加剤を含有して
いることを特徴とする請求項1記載のウェーハ押さえ部
材。 - 【請求項3】 熱可塑性ポリエステル系エラストマー材
料の曲げ弾性率が、4,000kg/cm2 から14,
000kg/cm2 であることを特徴とする請求項1、
2記載のウェーハ押さえ部材。 - 【請求項4】 請求項1ないし3記載のウェーハ押さえ
部材を組み込んでなることを特徴とするウェーハ収納用
容器。 - 【請求項5】 内部温度60℃の密閉容器内に120分
間放置した後の該容器内の揮発性有機物量が全材料重量
に対して50ppm以下の熱可塑性ポリエステル系エラ
ストマーのペレットを用いて、内部温度60℃の密閉容
器内に120分間放置した後の該容器内の揮発性有機物
量が全材料重量に対して50ppm以下となるように射
出成形することにより得られることを特徴とするウェー
ハ押さえ部材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9328194A JPH11163115A (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | ウェーハ押さえ部材、これを組み込んだウェーハ収納用容器 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9328194A JPH11163115A (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | ウェーハ押さえ部材、これを組み込んだウェーハ収納用容器 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11163115A true JPH11163115A (ja) | 1999-06-18 |
Family
ID=18207516
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9328194A Pending JPH11163115A (ja) | 1997-11-28 | 1997-11-28 | ウェーハ押さえ部材、これを組み込んだウェーハ収納用容器 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH11163115A (ja) |
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