JPH11163036A - バンプ形成方法、はんだ接合用前処理方法、はんだ接合方法、バンプ形成装置、はんだ接合用前処理装置およびはんだ接合装置 - Google Patents

バンプ形成方法、はんだ接合用前処理方法、はんだ接合方法、バンプ形成装置、はんだ接合用前処理装置およびはんだ接合装置

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JPH11163036A
JPH11163036A JP26219598A JP26219598A JPH11163036A JP H11163036 A JPH11163036 A JP H11163036A JP 26219598 A JP26219598 A JP 26219598A JP 26219598 A JP26219598 A JP 26219598A JP H11163036 A JPH11163036 A JP H11163036A
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JP
Japan
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plasma
solder
solder alloy
hydrogen
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JP26219598A
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English (en)
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Masahiko Furuno
雅彦 古野
Tsugunori Masuda
二紀 増田
Hideo Aoki
秀夫 青木
Kazuhide Doi
一英 土井
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Toshiba Corp
Tamura Corp
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Toshiba Corp
Tamura Corp
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    • H01ELECTRIC ELEMENTS
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    • H01L2224/00Indexing scheme for arrangements for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies and methods related thereto as covered by H01L24/00
    • H01L2224/01Means for bonding being attached to, or being formed on, the surface to be connected, e.g. chip-to-package, die-attach, "first-level" interconnects; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/10Bump connectors; Manufacturing methods related thereto
    • H01L2224/11Manufacturing methods
    • H01L2224/118Post-treatment of the bump connector
    • H01L2224/1181Cleaning, e.g. oxide removal step, desmearing
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/013Alloys
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  • Wire Bonding (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子部品の小型化にともなう部品電極のはん
だバンプ形成に関して、安価な軟質はんだ合金を用い
て、融材を使用しないため洗浄工程が不要で、信頼性面
でも優れたバンプ形電極端子を形成するバンプ形成方法
を提供する。 【解決手段】 真空チャンバ12内のプラズマ発生手段21
に対しガス供給手段31よりプロセスガスを供給しなが
ら、プラズマ発生手段21により低圧下で水素含有プラズ
マを発生させる。この水素含有プラズマ中に処理対象物
曝し手段15により保持した処理対象物11の表面の軟質は
んだ合金を曝して、水素含有プラズマを照射する。この
照射と同時にまたは連続的に、軟質はんだ合金を加熱手
段36により真空中でリフローする。これにより、処理対
象物11の表面の軟質はんだ合金により、接続端子となる
はんだバンプを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械的かつ電気的
接続端子となるはんだバンプを形成するバンプ形成方
法、このバンプ形成方法と技術的に関連するはんだ接合
用前処理方法、このはんだ接合用前処理方法を発展させ
たはんだ接合方法、これらの方法を実施するためのバン
プ形成装置、はんだ接合用前処理装置およびはんだ接合
装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、半導体に代表される微細加工が施
されたベアチップ等は、プリント回路基板に実装し易い
ようにバーケージングされている。一般にはベアチップ
に設けられた電極パッド部はワイヤーによってリードフ
レームのインナーリード部に接続され、樹脂またはセラ
ミックで封止され、外部に伸びたアウターリード部をプ
リント回路基板の実装面への機械的・電気的接続端子と
していた。
【0003】しかし、昨今の急速な電子機器の軽薄短小
化と高速化に伴い、電子部品も小型化および高速化対応
が迫られている。その一例としてパッケージの4辺にリ
ードを配したクオードフラットパッケージ(QFP)と
呼ばれる半導体パッケージは、そのリードピッチを0.
65mmから0.4mmへと狭ピッチ化することが進め
られてきたが、更なる小型化対応の為に表面実装型のエ
リアアレイパッケージの開発が盛んに進められている。
【0004】エリアアレイパッケージとは、パッケージ
の底面に格子状に電極を配置したもので、辺から面への
電極の配置変更により小型多ピン化が可能である。また
プリント回路基板との接続用端子はリードフレームから
電極上に形成された突起状の端子(バンプ)へと変化し
た。
【0005】パッケージ内部の配線もワイヤーからチッ
プ電極部に形成されたバンプを用いたフリップチップ接
合が必要となっている。これはワイヤーの持つインタク
タンス成分等が高速化における障害となると共に、同時
スイッチングノイズによる動作不良等の問題を引き起こ
すためである。
【0006】エリアアレイパッケージとしては、QFP
の代替となるボールグリッドアレイ(BGA)やさらに
チップ寸法と同程度までに小型化したチップスケールパ
ッケージ(CSP)がある。
【0007】一方、ベアチップを直接プリント基板に実
装するフリップチップアタッチ(FCA)技術も一部実
用化されている。
【0008】これらの電子部品の端子には、従来のリー
ドフレームからバンプ形状の端子が設けられるが、主た
るものは、従来のプリント回路基板の生産工法である一
括リフロー工程に対応可能なはんだバンプが用いられて
いる。
【0009】次に、従来から、バンプ形成技術に関して
は幾つかの方法が提案されている。大別すると金ワイヤ
ーを使う方法とはんだ合金を使う方法である。
【0010】金ワイヤーを使う方法としては、九州松下
電器株式会社が提案するスタッドバンプボンディング
(SBB)技術(IEMT'93 pp.362-365 1993 )や、日本
電気株式会社が提案するプレスコンタクト技術(Mate'9
7 Microjoining and AssemblyTechnology in Electroni
cs pp.15-18 1997 )がある。
【0011】共に金ワイヤーを用いてベアチップの電極
側にワイヤーボンターで金のバンプを形成する。基板側
との接続には、SBB技術では銀ペーストを介して行
い、プレスコンタクト技術では、アンダーフィル樹脂の
収縮応力だけで金バンプと基板側電極パッドとの接触を
維持している。
【0012】これらの技術に共通する問題点は、 1)金ワイヤーをワイヤーボンダーを用いてベアチップ
の電極パッドに1個ずつ打って形成するためバンプ形成
に時間がかかる。
【0013】2)高価な金を使用するため、1バンプ当
りのコストが高い。
【0014】3)他の表面実装部品との一括リフローが
できず、プリント回路基板への個別実装となる。
【0015】また、プレスコンタクト技術では、各金バ
ンプの高さバラツキ精度と、基板の平坦度が、実装性つ
まり確実な電気的接続に大きく影響し、製品の歩留り上
の大きな問題となる。
【0016】次に、はんだ合金を用いる方法がある。こ
れらには、規格値内のはんだボールをベアチップ上の融
材(以下、この融材を「フラックス」という)を塗布し
た電極パッド上に配置し、リフローしてバンプを形成す
る方法が一般的で、BGA用にはんだボールは既に供給
されている。
【0017】また、日本電気株式会社はマイクロパンチ
ング技術を用い、はんだテープを打ち抜いて、ベアチッ
プ上のフラックスを塗布した電極パッド上にはんだピー
スを置き、リフローしてバンプを形成する方法を提案し
ている('95 Japan IEMT Symposium pp.117-120 )。
【0018】さらに、日立テクノエンジニアリング株式
会社のソルダーペースト印刷法(Mate'97 Microjoining
and Assembly Technology in Electronics PP.19-22)
や、株式会社東芝のメッキ法(Mate'97 Microjoining a
nd Assembly Technology inElectronics PP.23-28)等
が提案されている。
【0019】これらは、何等かの形で電極パッド上には
んだ合金を設けてリフローしてはんだバンプを形成する
方法で、このリフロー時には必ずフラックスを用い、後
で洗浄してフラックスを除去している。
【0020】すなわち、はんだバンプを形成する方法で
は、フラックスが必須であり、その結果洗浄工程が不可
欠となる。洗浄はその度合でフラックス残渣を生じ、電
子部品の信頼性に著しい影響を及ぼす。
【0021】したがって、洗浄工程では洗浄能力の高い
代替フロン等を使わざる得ない等、地球環境に依然負荷
を及ぽす工程が必要となる他、高い設備および廃液処理
等、製造コストを大幅に増大させている。
【0022】また、関連特許出願には、特開昭63−2
93952号公報、特開平1−148481号公報、特
開平5−500026号公報に示される技術がある。
【0023】特開昭63−293952号公報には、電
極部に設けたはんだを真空下で、加熱溶融する際に、水
素プラズマ還元により表面の酸化物を除去する方法が示
されている。
【0024】しかし、水素還元はベアチップのパッシベ
ーション膜を損傷する。また水素ガスを用いるため爆発
の危険があり、排ガスに対する対策が必須でありコスト
高となる。
【0025】特開平1−148481号公報には、アル
ゴンプラズマによる酸化物除去方法が示されている。
【0026】しかし、平坦な表面同士を加熱接合する場
合に限られ、バンプ形成には適応できない。またアルゴ
ンプラズマによる処理では、試験の結果、良好なバンプ
形成ができないことを確認している。
【0027】また、アルゴンガスへの過剰な水素添加
は、そのプラズマによってはんだ組織の中で、錫に富む
相を選択的に著しくエッチングし、はんだバンプの表面
を損傷することが我々の実験で明らかになっており、水
素添加量は10%以下に抑えることが望ましい。
【0028】さらに、チャンバ内の初期真空度を10-5
Torr程度まで下げる必要があり、装置コストが非常
に高くつく。また油拡散ポンプを使用する場合、油によ
る汚染が問題となる。
【0029】特開平5−500026号公報には、弗素
含有プラズマによるはんだ表面の弗化処理により、はん
だ付けの際に濡れを阻害する酸化膜を除去する方法が示
されている。
【0030】しかし、弗素プラズマは珪素ならびにパッ
シベーション膜を腐食する。また、反応生成物である四
弗化珪素は、時には、はんだバンプと反応し、はんだバ
ンプを損傷する。さらに、弗素の残留はその程度により
信頼性に大きく影響する。
【0031】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の金
ワイヤーを使う方法は、時間およびコストがかかるとと
もに基板実装上の問題などがあり、また、従来のはんだ
合金を使う方法は、融材を用いる必要があるため、その
後洗浄に伴う問題があり、さらに、従来のプラズマ処理
方法には、はんだバンプの形成に適するものがない。
【0032】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、電子部品の小型化にともなう部品電極端子として
のはんだバンプ形成に関して、安価な軟質はんだ合金を
用いて、融材を使用しないため後洗浄工程が不要で、信
頼性面でも優れたはんだバンプを形成できるフラックス
レスのバンプ形成方法およびバンプ形成装置と、同様の
課題を解決できるはんだ接合用前処理方法およびはんだ
接合用前処理装置と、これらを発展させたはんだ接合方
法およびはんだ接合装置を提供することを目的とする。
【0033】
【課題を解決するための手段】本発明のバンプ形成方法
は、処理対象物の表面に軟質はんだ合金を堆積し、この
堆積された軟質はんだ合金に少なくとも水素含有プラズ
マを照射し、少なくとも水素含有プラズマが照射された
軟質はんだ合金をリフローして処理対象物の表面に接続
端子となるはんだバンプを形成する方法である。
【0034】このように、堆積した軟質はんだ合金に水
素含有プラズマを照射し、軟質はんだ合金中の水酸化物
や酸化物を除去するから、リフロー時に融材を必要とす
ることなく、機械的・電気的接続端子としてのバンプを
形成する。
【0035】前記バンプ形成方法において、真空中で、
水素含有プラズマの照射およびリフローを、同時もしく
は連続して行う。
【0036】これにより、品質および生産性の向上を図
ることができる。特に、真空中でリフローすることによ
り、リフロー時の軟質はんだ合金の再酸化を防ぐことが
可能である。また、真空中でプラズマ照射とリフローと
を同時処理もしくは連続処理することにより、品質およ
び生産性の向上を図れる。
【0037】前記バンプ形成方法において、リフロー
を、窒素雰囲気などの不活性ガス雰囲気中および還元性
雰囲気中の一方で行う。
【0038】これにより、リフロー時の軟質はんだ合金
の再酸化を防ぐことができ、品質の向上を図れる。
【0039】前記バンプ形成方法において、軟質はんだ
合金に水素含有プラズマを、室温を含む軟質はんだ合金
の融点以下で照射する。
【0040】これにより、軟質はんだ合金のプラズマ処
理工程とリフロー工程とを明確に区別して、各工程を適
切に行うことができる。
【0041】前記バンプ形成方法において、水素含有プ
ラズマ発生用のプロセスガスを、不活性ガスと、水素分
子換算で3容量%以上8容量%未満の水素含有率の水素
ガスとを含む混合ガスとする。
【0042】そして、不活性ガスと、水素または水素含
有ガスとを別々に供給した混合ガス、または予め混合し
ておいた混合ガスを用いて、プラズマを照射する。不活
性ガスに水素ガスを3容量%以上8容量%未満添加した
混合ガスをプロセスガスとすることにより、高いプラズ
マ処理効果が得られ、また、安全性やコスト等の点でも
望ましい。すなわち、水素含有率を3容量%以上とする
ことにより、軟質はんだ合金中の水酸化物や酸化物の除
去効果を確保でき、水素含有率を8容量%未満とするこ
とにより、安全性を確保できるとともに排ガス処理の必
要性をなくすことができる。
【0043】前記バンプ形成方法において、プラズマ照
射時間を2分未満とする。この2分未満のプラズマ照射
で、軟質はんだ合金を十分に改質処理して、良好なはん
だバンプを形成できるとともに、処理対象物に損傷を与
えることを防止できる。
【0044】前記バンプ形成方法において、リフローを
真空中で輻射加熱により行う。この輻射加熱により真空
中でも効果的なリフロー加熱を行える。
【0045】前記バンプ形成方法は、水素含有プラズマ
の照射後に、弗素含有プラズマを照射する。
【0046】これにより、シリコンウエハなどの処理対
象物上に形成された微細回路の保護膜であるパッシベー
ション膜の損傷を抑えることができ、例えば、酸化珪素
や窒化珪素などのエッチングや有機膜の灰化を抑制でき
る。
【0047】前記バンプ形成方法において、弗素含有プ
ラズマは、アルゴンおよび酸素の少なくとも一方を含
む。
【0048】この水素含有プラズマ照射後の弗素含有プ
ラズマにより、表面処理の短時間化を図ることができ、
パッシベーション膜の損傷を抑制することが可能とな
る。
【0049】前記バンプ形成方法において、弗素含有プ
ラズマの照射時間を60秒以内とし、弗素含有プラズマ
の照射温度を室温を含む軟質はんだ合金の融点以下とす
る。
【0050】この水素含有プラズマ照射後の弗素含有プ
ラズマの照射時間と照射温度とにより、表面処理の短時
間化を図れるとともに、パッシベーション膜の損傷を抑
制することが可能となる。
【0051】前記バンプ形成方法において、リフローに
当って処理対象物を100℃以下で予加熱する。
【0052】これにより、改質された処理対象物の表面
がリフロー時に変質するおそれを防ぐことが可能であ
る。これは、処理対象物および接合相手物の表面間を接
合する際の接合性を向上させることが可能となる。
【0053】前記バンプ形成方法におけるリフロー後
に、再度、水素含有プラズマを照射する。
【0054】このリフロー後に再度プラズマ照射する
と、溶融時に表面に新たに露出した僅かな酸化物等の不
純物を除去し、より清浄な表面を有するバンプを形成す
ることが可能である。
【0055】また、本発明のはんだ接合方法は、前記バ
ンプ形成方法におけるリフロー時に、処理対象物の表面
の軟質はんだ合金を接合相手物の表面に接触させ、処理
対象物の表面と接合相手物の表面とをはんだ接合する方
法である。
【0056】このように、プラズマ照射により改質処理
された処理対象物の軟質はんだ合金の表面と、接合相手
物の表面とを接触させ、これらをリフロー加熱すること
で、後洗浄を必要とする融材を用いることなく、バンプ
を形成するとともに、はんだ接合が可能となる。
【0057】本発明のバンプ形成装置は、処理対象物の
表面に設けられた軟質はんだ合金により接続端子となる
はんだバンプを形成するものであって、低圧下で少なく
とも水素含有プラズマを発生させるプラズマ発生手段
と、このプラズマ発生手段にプロセスガスを供給するガ
ス供給手段と、少なくとも水素含有プラズマ中に処理対
象物の表面の軟質はんだ合金を曝す処理対象物曝し手段
と、軟質はんだ合金を真空中でリフローする加熱手段と
を具備した装置である。
【0058】このように、水素含有プラズマのプラズマ
発生手段、プロセスガスのガス供給手段および水素含有
プラズマ中に処理対象物を曝す処理対象物曝し手段によ
り、処理対象物の軟質はんだ合金に水素含有プラズマを
照射して、軟質はんだ合金中の水酸化物や酸化物を除去
できる。さらに、加熱手段により真空中でリフローする
ことにより、リフロー時の軟質はんだ合金の再酸化を防
止できる。
【0059】前記バンプ形成装置において、前記プラズ
マ発生手段は、高周波電源と、この高周波電源に接続さ
れプラズマを生成する電極とを備え、この電極は、プロ
セスガスの供給を受ける中空の電極本体と、この電極本
体の処理対象物とは反対側に穿設されたプロセスガスの
供給口と、電極本体の供給口側から反対側に貫通形成さ
れた貫通穴とを具備した装置である。
【0060】これにより、処理対象物と反対側の供給口
から噴出したプロセスガスにより発生したプラズマのイ
オンが貫通穴を通過するときに、このイオンを、イオン
トラップ用のエッチトンネル穴として機能する貫通穴に
より捕捉除去でき、処理対象物に対してイオンが衝突す
るおそれを防止したので、イオン衝撃によるハードな物
理的エッチングで生じやすい処理対象物のパッシベーシ
ョン膜などの損傷を防止できる。一方、励起状態にあっ
てソフトな化学的反応によりエッチングを行う活性種
は、前記貫通穴を通過させて有効に利用できる。
【0061】前記バンプ形成装置において、加熱手段
は、処理対象物の裏面を輻射加熱する光源と、この光源
の光束を調整する反射鏡とを具備したものである。
【0062】これにより、光源の光束を反射鏡により調
整する輻射加熱により、真空中でも処理対象物のみを短
時間で集中的に加熱でき、温度制御も容易にできる。
【0063】前記バンプ形成装置において、処理対象物
を介してガス供給手段の反対側に設けられ電極間で生成
されたプラズマを処理対象物に運ぶガス流れを形成する
ガス回収手段を具備したものである。
【0064】そして、ガス供給手段と、処理対象物を介
してガス供給手段の反対側に設けられたガス回収手段と
により、電極間で生成されたプラズマまたはラジカル
(活性種)を処理対象物に運ぶガス流れを形成するよう
にしたから、プラズマ照射を効率良く行うことができ
る。
【0065】前記バンプ形成装置において、加熱手段
は、プラズマに曝されない位置に設けられた輔射加熱用
の光源と、この光源から処理対象物に至る光路を形成す
る反射板とを具備したものである。
【0066】これにより、プラズマによる光源などの損
傷または還元のおそれを回避できる。
【0067】前記バンプ形成装置において、不活性ガス
と、水素分子換算で3容量%以上8容量%未満の水素含
有率の水素ガスとを含む混合ガスをプロセスガスとして
供給するガス供給手段を具備したものである。
【0068】プロセスガスとしては、水素基を有するガ
スが良く、安全性やコスト等を考慮すると、不活性ガス
と水素ガスとの混合ガスが適当である。特に、処理効果
の観点からは不活性ガスに水素ガスを3容量%以上8容
量%未満添加した混合ガスが望ましい。3容量%以上の
水素含有率によって、軟質はんだ合金中の水酸化物や酸
化物を効果的に除去できる高いプラズマ処理効果が得ら
れるとともに、8容量%未満の水素含有率によって、安
全性を確保できるとともに、排ガス処理の必要性を回避
できる。
【0069】前記バンプ形成装置において、周波数1
3.56MHzおよび2.45GHzの一方の高周波電
源を具備したものである。
【0070】この安価で入手し易い13.56MHzや
2.45GHzの高周波電源により、プロセスガスを励
起してプラズマ化する。
【0071】前記バンプ形成装置において、プラズマ発
生手段は、水素含有プラズマに加えて、アルゴンおよび
酸素の少なくとも一方を含む弗素含有プラズマを発生さ
せるものである。
【0072】これにより、処理対象物上に形成された保
護膜の損傷を抑え、かつ、はんだ付けに優れた表面に改
質することが可能となり、処理対象物の軟質はんだ合金
と接合相手物の表面とをより高い信頼性で接合すること
が可能となる。
【0073】本発明のはんだ接合装置は、前記バンプ形
成装置と、プラズマに曝された処理対象物の表面の軟質
はんだ合金と接合相手物の表面とを位置決めして接触さ
せる位置決め手段と、軟質はんだ合金の皮膜をリフロー
して処理対象物の表面と接合相手物の表面とをはんだ接
合する加熱手段とを具備したものである。
【0074】これにより、プラズマ処理された処理対象
物の表面と接合相手物の表面とを位置決め手段により位
置決めして接触させ、加熱手段により軟質はんだ合金の
皮膜をリフローすることで、後洗浄を必要とする融材を
用いることなく、バンプを形成すると同時のはんだ接合
が可能となる。
【0075】また、本発明のバンプ形成方法は、処理対
象物上に堆積された軟質はんだ合金の表面を粗面化し、
粗面化された軟質はんだ合金の表面に、弗素を含有する
層を形成する表面改質を施し、表面改質された軟質はん
だ合金をリフローして処理対象物の表面に接続端子とな
るはんだバンプを形成する方法である。
【0076】さらに、本発明のはんだ接合用前処理方法
は、はんだ接合に当たって、処理対象物に形成された軟
質はんだ合金のはんだバンプの表面を粗面化し、粗面化
されたはんだバンプの表面に、弗素を含有する層を形成
する表面改質を施す前処理方法である。
【0077】その上、本発明のはんだ接合方法は、処理
対象物に形成された軟質はんだ合金のはんだバンプの表
面を粗面化し、粗面化されたはんだバンプの表面に、弗
素を含有する層を形成する表面改質を施し、粗面化およ
び表面改質を施されたはんだバンプを有する処理対象物
と他の処理対象物とを接触させてリフローすることによ
り、複数の処理対象物をはんだ接合する方法である。こ
の場合、他の処理対象物は、粗面化され表面改質された
はんだバンプを持つものであっても良いし、そうでない
ものも含む。
【0078】このようなバンプ形成方法、はんだ接合用
前処理方法、はんだ接合方法は、軟質はんだ合金の表面
を粗面化して、その後の表面改質を短時間化すること
で、チップや回路基板などの損傷をなくし、また、表面
改質で形成された弗素を含有する層は、はんだ濡れ性を
良くするとともに、はんだ表面の再酸化を防止するた
め、リフロー工程時にフラックスを必要とせず、このた
め後洗浄工程を排除できる。
【0079】前記バンプ形成方法、前記はんだ接合用前
処理方法および前記はんだ接合方法における粗面化は、
水素を添加した不活性ガスのプラズマ励起を用いる。
【0080】前記粗面化における水素の添加量は、3容
量%以上8容量%未満である。
【0081】前記粗面化における不活性ガスとしてはア
ルゴンを用いる。
【0082】前記バンプ形成方法、前記はんだ接合用前
処理方法および前記はんだ接合方法における表面改質
は、酸素およびアルゴンの少なくとも一方を添加した弗
素化合物の混合ガスのプラズマ励起を用いる。
【0083】前記表面改質における弗素化合物は、弗化
炭素系化合物、六弗化硫黄および三弗化窒素の少なくと
も一つである。
【0084】また、本発明のバンプ形成装置は、処理対
象物上に堆積された軟質はんだ合金の表面を粗面化する
表面粗面化機構と、粗面化された軟質はんだ合金の表面
に弗素を含有する層を形成する表面改質を施す表面改質
機構と、表面改質された軟質はんだ合金をリフローして
処理対象物の表面に接続端子となるはんだバンプを形成
する加熱溶融部とを具備した装置である。
【0085】さらに、本発明のはんだ接合用前処理装置
は、処理対象物に形成された軟質はんだ合金のはんだバ
ンプの表面を粗面化する表面粗面化機構と、粗面化され
たはんだバンプの表面に弗素を含有する層を形成する表
面改質を施す表面改質機構とを具備した装置である。
【0086】その上、本発明のはんだ接合装置は、処理
対象物に形成された軟質はんだ合金のはんだバンプの表
面を粗面化する表面粗面化機構と、粗面化されたはんだ
バンプの表面に弗素を含有する層を形成する表面改質を
施す表面改質機構と、粗面化および表面改質を施された
はんだバンプを有する処理対象物と他の処理対象物とを
接触させてリフローすることにより複数の処理対象物を
はんだ接合する加熱溶融部とを具備した装置である。
【0087】これらのバンプ形成装置、はんだ接合用前
処理装置、はんだ接合装置は、処理対象物上に堆積され
た軟質はんだ合金の表面や、処理対象物に形成された軟
質はんだ合金のはんだバンプの表面を、表面粗面化機構
により粗面化することで、その後の表面改質を短時間化
でき、チップや回路基板などの損傷を防止でき、また、
表面改質機構による表面改質で形成された弗素を含有す
る層は、はんだ濡れ性を良くするとともに、はんだ表面
の再酸化を防止するため、軟質はんだ合金を用いても、
加熱溶融部でのリフロー工程時にフラックスを必要とせ
ず、このため後洗浄工程を排除できる。
【0088】これらのバンプ形成装置、はんだ接合用前
処理装置およびはんだ接合装置における表面粗面化機構
は、プラズマ励起によって軟質はんだ合金の表面を粗面
化するプラズマ励起機構であり、このプラズマ励起機構
と表面改質機構とを独立した異なる雰囲気下で連続的に
運転するものである。
【0089】これにより、独立した異なる雰囲気下で、
粗面化と表面改質とが相互に悪影響を及ぼし合うおそれ
を防止できる。
【0090】前記はんだ接合用前処理装置およびはんだ
接合装置における表面粗面化機構は、軟質はんだ合金の
はんだバンプの表面を機械的に粗面化するもので、確実
性を有する。
【0091】
【発明の実施の形態】以下、本発明を、図1に示された
装置による第1実施形態、図2に示された装置による第
2実施形態、図3に示された装置による第3実施形態、
図4に示された装置による第4実施形態、図6に示され
た装置による第5実施形態、図4に示された装置による
第6実施形態をそれぞれ参照しながら説明する。
【0092】(第1実施形態)図1は、本発明によるバ
ンプ形成装置の第1実施形態を示す。11は処理対象物と
してのシリコンウエハ(シリコン基板)であり、このシ
リコンウエハ11は、アルミ電極パッド上に、メタライズ
層を介して、軟質はんだ合金としての共晶はんだのメッ
キが施されている。
【0093】図1(A)に示されるように、シリコンウ
エハ11を挿入して密閉できる真空チャンバ12の中段部に
グラウンドプレート13が機械的に一体に取付けられ、か
つ電気的に接続されている。
【0094】このグラウンドプレート13の中央部には開
口部14が設けられ、この開口部14の下側縁には、プラズ
マ中にシリコンウエハ11の表面の軟質はんだ合金を曝す
処理対象物曝し手段としての保持治具15が設けられてい
る。この保持治具15は、シリコンウエハ11の周縁部を保
持する。
【0095】処理対象物曝し手段は、処理対象物を定位
置で保持する保持治具15だけでなく、処理対象物をプラ
ズマ処理中に保持して移動する搬送手段も含む。
【0096】真空チャンバ12には、ガス回収手段として
の減圧用のロータリポンプ16が流量調整用のスロットル
バルブ17を介して接続され、また、真空チャンバ12内の
圧力を測定するための真空計18が接続されている。
【0097】このロータリポンプ16によって低圧となっ
た真空チャンバ12内でプラズマを発生させるプラズマ発
生手段21が、真空チャンバ12の内外にわたって設けられ
ている。
【0098】このプラズマ発生手段21は、真空チャンバ
12内の底板部12a に対し薄箱形の電極22が平行に配置さ
れ、この電極22に高周波電源23の一方が容量性負荷整合
器24を介して接続され、他方が真空チャンバ12に接続さ
れたもので、主として電極22と真空チャンバ12の底板部
12a との間でプラズマが生成される。
【0099】このプラズマは、水素含有プラズマを用い
るが、必要に応じて弗素含有プラズマを併用してもよ
い。弗素含有プラズマは、アルゴンおよび酸素の少なく
とも一方を含む。
【0100】電極22は、図1(B)に示されるように、
内部にプロセスガスの供給を受ける中空の電極本体25に
て、シリコンウエハ11とは反対側(下側)の面板にプロ
セスガスの供給口26が穿設され、また、電極本体25の上
下方向に貫通穴27が形成されている。この貫通穴27は、
プラズマのイオンをトラップするためのエッチトンネル
穴として機能する。
【0101】このようなプラズマ発生手段21の電極22に
対し、プロセスガスを供給するガス供給手段31が設けら
れている。
【0102】このガス供給手段31は、プロセスガス供給
源32から上記中空の電極22の一端にプロセスガス供給管
33が接続され、このプロセスガス供給管33中に、プロセ
スガス流量制御用のマスフローコントローラ34が設けら
れている。
【0103】プロセスガス供給源32から供給されるプロ
セスガスは、不活性ガスと水素または水素含有ガスとの
混合ガスが望ましい。
【0104】このプロセスガスの供給を受ける電極22か
ら見て、シリコンウエハ11を介し反対側に、ガス回収手
段としても機能する減圧用のロータリポンプ16およびス
ロットルバルブ17が設けられており、これらの電極22と
ロータリポンプ16との位置関係により、主として電極22
と真空チャンバ12の底板部12a との間で生成されたプラ
ズマまたはラジカルをシリコンウエハ11に運ぶガス流れ
を形成する。
【0105】シリコンウエハ11の上側には、シリコンウ
エハ11の軟質はんだ合金をリフローするための加熱手段
36が設けられている。
【0106】この加熱手段36は、シリコンウエハ11の裏
面を輻射加熱する光源としてのハロゲンランプ37と、シ
リコンウエハ11に対しハロゲンランプ37の反対側に配置
された光束調整用の反射鏡38と、ハロゲンランプ37に接
続された直流電源39とにより形成されている。
【0107】次に、この第1実施形態の作用を説明す
る。
【0108】真空チャンバ12内は、ロータリポンプ16に
より0.1〜1Torrに減圧される。処理対象物とし
てのシリコンウエハ11は、アルミ電極パッド上にメタラ
イズ層を介して共晶はんだのメッキを施したもので、グ
ラウンドプレート13に設けられた保持治具15により保持
固定され、メッキ処理されたはんだ面は下側、つまり高
周波電源23に接続された電極22と対向している。
【0109】電極22は、その下面に開口されたプロセス
ガスの供給口26よりシリコンウエハ11とは反対側の真空
チャンバ12の底板部12a に向けてプロセスガスを放出す
る。真空チャンバ12は、グラウンドプレート13とともに
高周波電源23に接続されている。
【0110】電極22に穿孔された多数の貫通穴27は、イ
オントラップ用のエッチトンネル穴として機能し、電極
22と真空チャンバ12の底板部12a との間で生成されたプ
ラズマのイオンを捕捉除去する。プラズマは電極22とグ
ラウンドプレート13との間でも弱いながらも発生するた
め、イオンの効果が全く無いわけではない。
【0111】このように、電極22にてシリコンウエハ11
とは反対側の供給口26から噴出したプロセスガスにより
発生したプラズマのイオンを多数の貫通穴27で捕捉除去
するから、シリコンウエハ11に対してイオンが衝突する
おそれを防止でき、イオン衝撃によるハードな物理的エ
ッチングで生じやすいシリコンウエハ11のパッシベーシ
ョン膜などの損傷を防止できる。
【0112】一方、励起状態にあってソフトな化学的反
応によりエッチングを行うラジカルすなわち活性種は、
電極22の貫通穴27を通過させて有効に利用する。
【0113】プラズマ発生用のプロセスガスは、アルゴ
ンと水素または水素含有ガスとの混合ガスであり、マス
フローコントローラ34により流量制御され、電極22に設
けられた供給口26から真空チャンバ12の底板部12a に向
けて供給され、さらに、電極22の貫通穴27を通って上昇
し、シリコンウエハ11を経て真空チャンバ12の上側に設
けられた排気口からスロットルバルブ17を経由してロー
タリポンプ16により排気される。
【0114】真空チャンバ12内の圧力は、真空計18にて
モニタしながら、スロットルバルブ17およびマスフロー
コントローラ34の一方または両方によるガス流量制御に
より調整する。
【0115】高周波電源23から容量性負荷整合器24を介
して電極22に電力を供給してプラズマを発生させる。
【0116】このプラズマをシリコンウエハ11に所定時
間照射した後、プロセスガスの供給を停止し、ハロゲン
ランプ37に直流電源39より電力を印加して、シリコンウ
エハ11を輻射加熱するリフロー工程に入る。
【0117】リフロー加熱では、ハロゲンランプ37から
の光は、反射鏡38によりシリコンウエハ11に一様に当た
るよう調整されている。
【0118】このリフロー工程は、プラズマ照射した
後、直ちに真空中で加熱することが望ましい。大気に曝
すことによる軟質はんだ合金の表面の再酸化を防止して
品質の向上を図り、真空中でのプラズマ照射およびリフ
ローの連続処理により生産性の向上を図る観点からであ
る。
【0119】一方、リフロー加熱時に、不活性ガスを導
入して対流加熱する方法も考えられるが、装置自体が加
熱される、加熱時間がかかる、温度制御が難しい等の問
題があるので、真空中で加熱することが望ましい。
【0120】メッキされた軟質はんだ合金の加熱溶融時
に、軟質はんだ合金中に含まれた僅かな液体(吸着ガ
ス)はガス化して外部に放出され、形成されたはんだバ
ンプ内にはボイド(気泡)は残らない。
【0121】リフローによりはんだメッキが溶融した後
に、ハロゲンランプ37に対する電力供給を停止して、シ
リコンウエハ11を冷却させる。
【0122】この結果、軟質はんだ合金により、シリコ
ンウエハ11の表面に接続端子となる球形のはんだバンプ
が形成される。
【0123】復圧は、このはんだバンプが固相線温度以
下に下がった時点で行う。ガス流によるバンプ形状の変
形を避けるためである。
【0124】以上のプラズマ照射およびリフロー工程
で、融材(以下、この融材を「フラックス」という)は
一切使用されていないため、洗浄工程は不要であり、ま
た洗浄残渣による信頼性低下の懸念もなく、地球環境へ
の負荷が少なく、品質の優れたバンプ形成が可能とな
る。
【0125】また、リフロー後のはんだバンプに、再
度、水素含有プラズマを照射することにより、溶融時に
表面に新たに露出した僅かな酸化物等の不純物を除去
し、より清浄な表面を有するバンプを形成することが可
能である。
【0126】なお、プラズマ照射工程では、水素含有プ
ラズマの照射後に、弗素含有プラズマを照射するように
しても良い。この弗素含有プラズマは、アルゴンおよび
酸素の少なくとも一方を含む。この弗素含有プラズマの
照射時間は60秒以内で、その照射温度は室温(常温)
を含む軟質はんだ合金の融点以下であることが望まし
い。
【0127】この水素含有プラズマ照射後の弗素含有プ
ラズマ照射により、シリコンウエハ11などの表面に形成
された微細回路の保護膜であるパッシベーション膜の損
傷を抑制でき、例えば、酸化珪素や窒化珪素などのエッ
チングや有機膜の灰化を抑制することが可能となる。ま
た、はんだ付けに優れた表面に改質することが可能とな
り、軟質はんだ合金と接合相手物の表面との接合をより
高い信頼性で実施できる。
【0128】特に、60秒以内の弗素含有プラズマ照射
時間と、軟質はんだ合金の融点以下の照射温度とによ
り、表面処理の短時間化を図れるとともに、パッシベー
ション膜の損傷を抑制することが可能となる。
【0129】さらに、シリコンウエハ11の輻射加熱で
は、リフロー工程に入る直前にプリヒート工程を確保
し、100℃以下で予加熱を行うようにすると良い。こ
の予加熱により、プラズマ照射で改質されたシリコンウ
エハ11の表面がリフロー時に変質するおそれを防ぐこと
が可能である。これは、シリコンウエハ11および接合相
手物の表面間を接合する際の接合性の向上につながる。
【0130】(第2実施形態)次に、図2は、本発明に
係る第2実施形態を示し、図1に示された実施形態と類
似部分が多いので、同一の箇所は同一符号を付して、そ
の説明を省略する。
【0131】図1に示された実施形態では、ハロゲンラ
ンプ37および反射鏡38がプラズマにさらされる場所にあ
ったものを、図2に示された実施形態では、真空チャン
バ12にて直接プラズマに曝されない上部の側面位置に拡
張チャンバ41を設け、この拡張チャンバ41に加熱手段36
を設けたものである。
【0132】すなわち、この加熱手段36は、拡張チャン
バ41内に輔射加熱用の光源としてのハロゲンランプ37お
よび反射鏡38を設置し、また、ハロゲンランプ37から処
理対象物としてのシリコンウエハ11に至る光路を形成す
る反射板42を配置し、この反射板42の設置角度により光
路を調整し、定位置に保持されたシリコンウエハ11に光
を照射して輔射加熱する。
【0133】この実施形態は、水素含有プラズマによる
ハロゲンランプ37および絶縁碍子部の損傷または還元の
危険性を回避するとともに、真空チャンバ12内での作業
性を改善したものである。
【0134】(第3実施形態)次に、図3は、本発明に
係る第3実施形態を示す。なお、図1に示された実施形
態と同様の部分には同一符号を付して、その説明を省略
する場合もある。
【0135】この図3に示された実施形態は、ダウンフ
ロー形のマイクロ波プラズマを用いるもので、そのプラ
ズマ発生手段51は、真空チャンバ52の小部屋53上に逆U
字形のプラズマ発生管54が一体に形成され、このプラズ
マ発生管54に高周波電源としてのマイクロ波電源55が導
波管56を介して接続されている。
【0136】プラズマ発生管54の上部には、プロセスガ
スを供給するガス供給手段31が設けられている。このガ
ス供給手段31は、プロセスガス供給源32からプラズマ発
生管54にプロセスガス供給管33が接続され、このプロセ
スガス供給管33中に、流量制御用のマスフローコントロ
ーラ34が設けられている。
【0137】プラズマ発生管54と対向する小部屋53の底
面には、ガス回収手段としての減圧用のドライポンプ16
a がスロットルバルブ17を介して接続されている。ドラ
イポンプ16a により減圧された真空チャンバ52内の圧力
は、小部屋53の上部に設置された真空計18により測定さ
れる。
【0138】処理対象物としてのベアチップ57は、処理
対象物曝し手段としてのマニュピレータ58により、プラ
ズマ発生管54の下部開口59の真下に保持される。このマ
ニュピレータ58は、ベアチップ57を把持して、プラズマ
発生管54から下降するプラズマ中にベアチップ57の表面
の軟質はんだ合金を曝す働きをする。
【0139】真空チャンバ52の右側には大部屋61が形成
され、この大部屋61の底面に基坂保持台62が設置され、
この基坂保持台62にベアチップ57と接合される接合相手
物としての基板63が保持されている。
【0140】基板保持台62には、基板63をリフロー前に
予加熱するための加熱手段(図示せず)と、リフロー後
に冷却するための冷却手段(図示せず)とが、それぞれ
設けられている。
【0141】この基板63の上側には、プラズマに曝され
たベアチップ57の表面と基板63の表面とを位置決めして
接触させる位置決め手段64が設けられている。
【0142】この位置決め手段64は、大部屋61の下側隅
部に機構本体65が設置され、この機構本体65の内部に流
体圧シリンダまたは送りネジ機構などにより上下方向に
作動する上下動機構66が設けられ、この上下動機構66に
モータなどにより回動する回転機構67が設けられ、この
回転機構67に流体圧シリンダまたは送りネジ機構などに
より水平方向に伸縮作動する伸縮機構68が設けられ、こ
の伸縮機構68の先端にマニュピレータ58が設けられたも
のである。
【0143】この位置決め手段64により、ベアチップ57
は、プラズマ発生管54の下側と基板63の上面との間で移
動され、反転され、位置決め調整される。
【0144】基板保持台62および基板63と対向する真空
チャンバ52の上部には、チャージ・カップルド・デバイ
ス・カメラ(以下、このカメラを「CCDカメラ」とい
う)69が下向きに設置されている。
【0145】真空チャンバ52の大部屋61内には、ベアチ
ップ57と基板63とを位置決めした状態でベアチップ57の
軟質はんだ合金の皮膜をリフローすることによりベアチ
ップ57の表面と基板63の表面とをはんだ接合する加熱手
段36が配設されている。
【0146】この加熱手段36は、プラズマに曝されない
大部屋61内にてベアチップ57の裏面を輻射加熱する光源
としてのハロゲンランプ37が横向きに設置され、このハ
ロゲンランプ37の右側に光束調整用の反射鏡38が配置さ
れ、ハロゲンランプ37の左側に下向きの光路を形成する
ための反射板42が配置されている。
【0147】この反射板42は、真空チャンバ52にヒンジ
70により回動調整可能に取付けられ、ハロゲンランプ37
から基板63上のベアチップ57に至る光路を調整すること
ができる。
【0148】次に、この図3に示された実施形態の作用
を説明する。
【0149】図には示されていないが、ベアチップ57は
リフロー接合する基板63に位置決めされた状態で、基坂
保持台62にセットされる。この時、真空チャンバ52の上
部に設けられたCCDカメラ69により、ベアチップ57お
よび基板63の相対位置が確認される。
【0150】その後、ベアチップ57は、マニュピレータ
58に保持され、上下動機構66、回転機構67および伸縮機
構68により、図3に示されたプラズマ発生管54の下側に
位置するプラズマ照射部へ搬送される。
【0151】一方、2.45GHzのマイクロ波電源55
より導波管56を伝わった電力により、マスフローコント
ローラ34を経て供給されたプロセスガスが励起され、プ
ラズマ化して、マイクロ波プラズマが発生する。
【0152】このマイクロ波プラズマは、ベアチップ57
に向けて流れ(ダウンフロー)、さらに下部のスロット
ルバルブ17を経てドライポンプ16a により排気される。
処理時の内部圧力は真空計18にて常時モニタリングし、
マスフローコントローラ34およびスロットルバルブ17の
一方または両方により流量調整する。
【0153】ベアチップ57は、軟質はんだ合金の接合面
を上にして、プラズマに曝され、その接合面をマイクロ
波プラズマにより改質処理される。
【0154】プラズマ照射後に、マニュピレータ58に保
持されているベアチップ57は、上下動機構66、回転機構
67および伸縮機構68により、基板63上の元の位置にCC
Dカメラ69による初期値に基づき位置決めされる。
【0155】位置決め後、直流電源39に接続されたハロ
ゲンランプ37から放射された光の光束を反射鏡38にて絞
り、反射板42にてその光束を下方へ反射し、ベアチップ
57を輔射加熱し、ベアチップ57の下向きに反転されたプ
ラズマ処理済みの接合面を基板63にはんだ接合する。
【0156】反射板42はCCDカメラ69による位置確認
の妨げにならないよう、ヒンジ70を支点として図示され
ないモータ等により回動可能であり、リフロー時には光
束をベアチップ57に照射できる角度に回動することがで
きる。
【0157】また、リフロー時には、基板保持台62に設
けられている加熱手段および冷却手段により、基板をリ
フロー前に予加熱するとともにリフロー後に冷却すると
良い。
【0158】このように、上記はんだ接合は、ベアチッ
プ57の真空チャンバ52内における位置を確認した後、上
述した軟質はんだ合金のプラズマ処理を施し、次に、は
んだ接合する基板63の位置にベアチップ57を搬送し、ベ
アチップ57の軟質はんだ合金と基板63の電極部とを接触
させて、ベアチップ側からベアチップ57および基板63を
輻射加熱により加熱し、軟質はんだ合金を溶解し、ベア
チップ57と基板63の電極部とをはんだ接合する。
【0159】この時のベアチップ57と基板63との若干の
ミスアラインメントは、すなわち基板63に再度ベアチッ
プ57を搭載した時の若干の位置ずれは、リフロー時の溶
融はんだのセルフアラインメント効果により自動的に補
正される。
【0160】以上のように、メッキ法などにより軟質は
んだ合金を堆積した後、リフロー工程時にフラックスを
必要とせず、そのためはんだバンプ形成後のフラックス
洗浄工程を排除できる。
【0161】これは、堆積した軟質はんだ合金に、水素
含有プラズマを照射し、軟質はんだ合金中の水酸化物や
酸化物を除去し、さらに真空中でリフローすることによ
り、リフロー時の軟質はんだ合金の再酸化を防ぐことが
可能であるからである。
【0162】また、バンプに他の表面を接触させリフロ
ーすることで、フラックスを用いないはんだ接合が可能
となる。
【0163】さらに、軟質はんだ合金によるはんだバン
プ形成において、はんだリフロー時にフラックスを用い
ることなく、そのため後のフラックス洗浄工程が不要
で、フラックス残渣がないため信頼性に優れるバンプ形
成方法およびその装置を提供できる。
【0164】また、フラックスを用いることなく、バン
プに他の表面を接触させリフローしてはんだ接合を行う
ため、信頼性に優れたはんだ接合方法およびその装置を
提供できる。
【0165】電極パッド上の軟質はんだ合金は、メッキ
法により形成する方法がコスト的に優位であるが、蒸着
法等の真空プロセスを用いても良い。メッキ法により電
極パッド上に堆積した軟質はんだ合金は、比較的ポーラ
スな構造をとり、水酸化物や酸化物を伴っている。さら
にはメッキ液成分が僅かながら混入していると考えられ
る。
【0166】はんだバンプ表面の水酸化物または酸化物
は、0.1〜1Torr程度の減圧下で水素含有プラズ
マを照射することにより還元または物理的スパッタによ
り除去されると考えられる。
【0167】プラズマの発生方法は特に問わない。例え
ば、平行平板に高周波電圧を印加して発生させたプラズ
マ中に曝すか、プラズマに直接曝さずにガス流れによっ
て運ばれるラジカルのみを選択的に照射するか、もしく
は若干のイオンの効果も考慮した中間的なプラズマの利
用も良い。
【0168】高周波電圧は、数十kHzから数GHzま
で適当な周波数を用い、それに応じたプラズマ発生装置
を構成すれば良い。一般には入手し易い13.56MH
zや2.45GHzの電源がよい。
【0169】プロセスガスとしては、水素基を有するガ
スならば特に問わないが、安全性やコスト等を考慮する
とアルゴンと水素ガスとの混合ガスが適当である。さら
に処理効果の観点からはアルゴンに水素ガスを3容量%
以上8容量%未満添加した混合ガスが望ましい。爆発の
危険性もなく、特別な排ガス処理の必要もない。
【0170】その他に水素ガスの代わりにメタン等の炭
化水素ガスやシラン等のガスを用いることも可能であ
る。
【0171】次に、リフロー工程はプラズマ照射した
後、直ちに真空中で加熱することが望ましい。大気に曝
すことによる軟質はんだ合金表面の再酸化を防止して品
質の向上を図り、真空中でのプラズマ照射およびリフロ
ーの同時処理もしくは連続処理により生産性の向上を図
る観点からである。
【0172】加熱方法は真空中で行う。不活性ガスを導
入して対流加熱する方法も考えられるが、装置自体が加
熱される他、加熱時間がかかる他温度制御が難しい。優
れた方法は輻射加熱で、ハロゲンランプ等の光源と、光
束調整用の反射鏡を、さらに反射板を用い光路を調整し
て処理対象物を加熱する。
【0173】光源は他にキセノン、水銀灯、遠赤外線
(IR)ヒータ等が挙げられるが、特殊な電源を必要と
せず容易に加熱できるハロゲンランプが優れている。
【0174】リフロー加熱は、プラズマ照射中に同時に
行っても差し支えない。一方、光源の前面に光源保護用
のシャッタ(図示せず)を設け、プラズマ処理中は、こ
のシャッタを閉じて光源を保護し、プラズマ処理後に、
このシャッタを開けて光源によりリフロー加熱を行うよ
うにしても良い。
【0175】また、輻射加熱のような非接触式ではな
く、加熱源を直接接触させる方法も考えられる。試料台
にヒータを付けておいて、加熱しても良いが、加熱手段
および冷却手段を試料台に具備させる必要があるため、
予めある程度に加熱しておいた治具を試料に押し付け
て、さらにリフロー温度まで加熱し、一定時間保持した
後、治具を試料から離し自然冷却させても良い。しか
し、この場合、ヒートショックの影響や、治具の加熱冷
却を十分に考慮した温度制御が必要になる。
【0176】加熱溶融時に、メッキ中に含まれた僅かな
液体(吸着ガス)はガス化して外部に放出されるから、
形成されたはんだバンプ内にボイド(気泡)は残らな
い。
【0177】復圧は、はんだバンプが固相線温度以下に
下がった時点で行う。ガス流によるバンプ形状の変形を
避けるためである。
【0178】以上の工程でフラックスは一切使用されて
いない為、洗浄工程は不要であり、また洗浄残渣による
信頼性低下の懸念もなく、地球環境への負荷が少なく、
品質の優れたバンプ形成が可能となる。
【0179】また、リフロー後に、再度、プラズマ照射
することにより、溶融時に表面に新たに露出した僅かな
酸化物等の不純物を除去し、より清浄な表面を有するバ
ンプを形成することが可能である。
【0180】はんだ接合に関しては、例えばベアチップ
のチャンバ内に於ける位置を確認した後、上述した軟質
はんだ合金のプラズマ処理を施す。次にはんだ接合する
基板の位置にベアチップを搬送し、ベアチップの軟質は
んだ合金と基板の電極部とを接触させて、ベアチップ側
からベアチップおよび基板を輻射加熱により加熱し、軟
質はんだ合金を溶解し、ベアチップと基板側電極部との
はんだ接合を行う。この時のベアチップと基板との若干
のミスアラインメントは、はんだのセルフアラインメン
ト効果により自動的に補正される。
【0181】(第4実施形態)次に、図4に基づき、シ
リコンウエハ上にはんだバンプを形成する場合の本発明
に係る第4実施形態を示す。
【0182】この第4実施形態に係る装置の概略を説明
すると、処理対象物(シリコンウエハ)71を収容するチ
ャンバ72a 内には、このチャンバ72a の対向電極を兼ね
た金属トレイ73が設けられ、この金属トレイ73上に処理
対象物71を保持する保持治具74が設けられている。
【0183】チャンバ72a の下部には、スロットルバル
ブ75a を介して減圧用のロータリポンプ76a が接続さ
れ、また、チャンバ72a 内の上部にはシャワー式電極77
a が設置され、このシャワー式電極77a には、マッチン
グボックス78a を介して高周波電源79a が電気的に接続
されている。
【0184】シャワー式電極77a は、中空管状または中
空箱形の電極で、その下面には複数のガス噴出穴が開口
されている。このシャワー式電極77a には、ガス供給流
量を制御するマスフローコントローラ80a と、電極冷却
用の冷却水用配管81a とが、それぞれ電気的には絶縁さ
れた状態で接続されている。
【0185】チャンバ72a の上部には、チャンバ72a 内
の真空度を計測するための隔膜式真空計82a が設置され
ている。マスフローコントローラ80a には、水素を添加
した不活性ガス、例えば水素添加アルゴンガスを供給す
るガス供給配管83a が接続され、このガス供給配管83a
中には管路開閉用のストップバルブ83a'が介在されてい
る。
【0186】一方のチャンバ72a に対し、隔壁シャッタ
84を介して隣接する他方のチャンバ72b が設置されてい
る。一方のチャンバ72a には金属トレイ73を他方のチャ
ンバ72b へ搬送するための搬送用ロボットアーム85が設
置され、他方のチャンバ72bには、金属トレイ73を受取
る保持台86が設置されている。
【0187】チャンバ72a の下部には、窒素ガスをチャ
ンバ72a 内に導入してチャンバ72a内を大気圧に戻すた
めの復圧用管路87a が接続され、この復圧用管路87a 中
には管路開閉用の復圧弁87a'が介在されている。
【0188】さらに、一方のチャンバ72a に対するのと
同様に、他方のチャンバ72b に対しても、スロットルバ
ルブ75b 、ロータリポンプ76b 、シャワー式電極77b 、
マッチングボックス78b 、高周波電源79b 、2系統のマ
スフローコントローラ80b ,80c 、冷却水用配管81b 、
隔膜式真空計82b 、2系統のガス供給配管83b ,83c、
ストップバルブ83b',83c'、復圧用管路87b および復圧
弁87b'がそれぞれ設けられている。
【0189】ここで、一方のチャンバ72a に設けられた
ロータリポンプ76a 、シャワー式電極77a 、高周波電源
79a 、ガス供給配管83a 、復圧用管路87a などは、処理
対象物71の導体上に堆積された軟質はんだ合金の表面を
粗面化するための表面粗面化機構A1 を形成している。
この表面粗面化機構A1 は、プラズマ励起によって軟質
はんだ合金の表面を粗面化するプラズマ励起機構であ
る。
【0190】また、他方のチャンバ72b に設けられたロ
ータリポンプ76b 、シャワー式電極77b 、高周波電源79
b 、ガス供給配管83b ,83c 、復圧用管路87b などは、
表面粗面化機構A1 で粗面化された軟質はんだ合金の表
面にプラズマ励起によって弗素を含有する層を形成する
表面改質を施す表面改質機構B1 を構成している。
【0191】さらに、これらのチャンバ72a ,72b とは
別個に、一方のチャンバ72a 内で表面を粗面化処理され
他方のチャンバ72b 内で表面改質された軟質はんだ合金
を加熱溶融して導体上にはんだ接合するための加熱溶融
部としての窒素雰囲気リフロー炉C1 が設置されてい
る。
【0192】この窒素雰囲気リフロー炉C1 は、不活性
ガスである窒素雰囲気中で遠赤外線または熱風などを軟
質はんだ合金に当て、軟質はんだ合金を加熱溶融する。
【0193】加熱溶融部としては、この窒素雰囲気リフ
ロー炉C1 だけでなく、蒸気相が有する気化潜熱を利用
して加熱溶融する気相はんだ付け装置すなわちベーパ・
フェイズ・ソルダリングマシンを用いても良い。
【0194】次に、このように構成された装置を用い
て、はんだバンプを形成するバンプ形成方法の概略を、
図5を参照しながら説明する。
【0195】図5(A)に示されるように、処理対象物
71としてのシリコンウエハ71a には、その電極上のメタ
ライズ層71b に、鍍金法または蒸着法により軟質はんだ
合金としての錫/鉛(Sn /Pb)共晶はんだ71c が堆
積されている。
【0196】図5(B)に示されるように、この錫/鉛
共晶はんだ71c の表面71d を表面粗面化機構A1 により
粗面化処理する。この粗面化処理は、一方のチャンバ72
a 内において、ガス供給配管83a よりシャワー式電極77
a に供給された水素添加アルゴンガスの高周波グロー放
電により施す。
【0197】図5(C)に示されるように、この粗面化
された錫/鉛共晶はんだ71c の表面71d に、表面改質機
構B1 により、弗素を含有する層71e を形成する表面改
質処理を施す。この表面改質処理は、他方のチャンバ72
b 内において、ガス供給配管83b ,83c よりシャワー式
電極77b に供給されたアルゴン(Ar )および四弗化炭
素(CF4 )の混合ガスの高周波グロー放電により施し
た。
【0198】このとき、水素の添加量は7容量%、四弗
化炭素の含有量は60容量%である。処理圧力は、30
パスカル(以下、パスカルをPaと表記する)で、1
3.56MHzの高周波電源79a ,79b を用い、500
Wの出力で粗面化処理は60秒、表面改質処理は30秒
である。
【0199】さらに、図5(D)に示されるように、こ
の表面改質された錫/鉛共晶はんだ71c を窒素雰囲気リ
フロー炉C1 内でリフローして、シリコンウエハ71a の
表面に接続端子となるはんだバンプ71f を形成した。
【0200】次に、この図4に示された装置の作用をさ
らに詳しく説明する。
【0201】処理対象物71は、チャンバ72a の対向電極
を兼ねた金属トレイ73上の保持治具74に置かれる。チャ
ンバ72a は、スロットルバルブ75a を介してロータリポ
ンプ76a で減圧される。チャンバ72a の上部のシャワー
式電極77a には、高周波電源79a よりマッチングボック
ス78a を介して、13.56MHzの高周波電力が供給
される。
【0202】また、ガス供給配管83a に圧送された水素
添加アルゴンガスは、マスフローコントローラ80a で流
量制御され、シャワー式電極77a に開けられた複数個の
穴からチャンバ72a 内に供給される。
【0203】チャンバ72a 内の真空度は隔膜式真空計82
a でモニタリングされ、スロットルバルブ75a にて内圧
を調整する。粗面化処理が終わった後、ストップバルブ
83a'を閉めて水素添加アルゴンガスの供給を停止し、内
圧を5Pa以下にする。
【0204】次いで、隣接するチャンバ72b との隔壁シ
ャッタ84を開き、搬送用ロボットアーム85にて金属トレ
イ73をチャンバ72b 内の保持台86上に移動する。
【0205】移動終了後、搬送用ロボットアーム85を戻
して、隔壁シャッタ84を閉め、ガス供給配管83b ,83c
よりアルゴン(Ar )および四弗化炭素(CF4 )の各
ガスをマスフローコントローラ80b ,80c およびシャワ
ー式電極77b を経てチャンバ72b に供給する。
【0206】ガスが安定した後、高周波電源79b よりマ
ッチングボックス78b を介して500Wの高周波をシャ
ワー式電極77b に供給して、高周波グロー放電を生じさ
せることにより、表面改質処理を施す。
【0207】このように、隔壁シャッタ84を介して独立
した異なる雰囲気下で、粗面化処理と表面改質処理とが
施されるので、相互に悪影響を及ぼし合うおそれを防止
できる。例えば、チャンバ72a 内での粗面化処理に際し
て、チャンバ72a 内に供給される水素添加アルゴンガス
に、チャンバ72b 内に供給されるべき四弗化炭素ガスが
多量に混入している場合は、弗化水素(HF)とアルゴ
ンプラズマとが発生するが、アルゴンプラズマは効果的
な粗面化処理に適さないが、隔壁シャッタ84によりこれ
を防止できる。
【0208】処理終了後、復圧弁87b'を開き、窒素ガス
をチャンバ72b 内に導入して大気圧に戻してから、処理
対象物をチャンバ72b 内から取出し、窒素雰囲気リフロ
ー炉C1 にて加熱し、軟質はんだ合金をリフローして、
はんだバンプを形成する。
【0209】このリフロー時の加熱温度は、軟質はんだ
合金の融点以上で、目安として融点より40〜60℃高
めの温度設定とする。この第4実施形態では、Sn /P
b共晶はんだを用いたので、230℃に加熱した。窒素
雰囲気リフロー炉C1 内の酸素濃度は100ppmであ
る。
【0210】(第5実施形態)次に、樹脂基板上に設け
られたSn /Pb共晶はんだバンプに、シリコンチップ
をはんだ接合する場合の第5実施形態を、以下に説明す
る。図6は、樹脂基板上のはんだバンプを処理するため
の装置の概要を示す。
【0211】この図6に示されるように、はんだバンプ
91を有する処理対象物としての樹脂基板92は、対向電極
を兼ねた金属トレイ93を介して搬送用のローラ94上に設
置される。このローラ94は、チャンバ95内の一端から他
端にわたって配列されている。
【0212】一つの搬送用のローラ94a の上側にバンプ
整形用ローラ96が配置され、このバンプ整形用ローラ96
は調整治具97により上下動調整可能に設けられている。
【0213】また、バンプ整形用ローラ96を介して反対
側のチャンバ95内には、上部にシャワー式電極98が設置
され、下部に金属トレイ93を検知するためのセンサ99が
設置されている。チャンバ95の下部には、スロットルバ
ルブ100 を介して減圧用のロータリポンプ101 が接続さ
れている。
【0214】さらに、シャワー式電極98には、電極冷却
用の冷却水用配管102 と、ガス供給流量を制御する2系
統のマスフローコントローラ103a,103bとが、それぞれ
電気的には絶縁された状態で接続されている。
【0215】これらのマスフローコントローラ103a,10
3bには、ガス供給配管104a,104bがそれぞれ接続され、
これらのガス供給配管104a,104b中には管路開閉用のス
トップバルブ104a' ,104b' がそれぞれ介在されてい
る。予め混合したガスを使用する場合は、ガス供給配管
104a,104bを1系統にまとめても良い。
【0216】チャンバ95の上部には、チャンバ95内の真
空度を計測する隔膜式真空計105 が設置されている。ま
た、シャワー式電極98には、マッチングボックス106 を
介して高周波電源107 が電気的に接続されている。
【0217】チャンバ95の下部には、窒素ガスをチャン
バ95内に導入してチャンバ95内を大気圧に戻すための復
圧用管路108 が接続され、この復圧用管路108 中には管
路開閉用の復圧弁108 ´が介在されている。
【0218】ここで、チャンバ95内に設けられた搬送用
のローラ94a 、バンプ整形用ローラ96および調整治具97
などは、処理対象物71の導体上に堆積された軟質はんだ
合金の表面を機械的に粗面化する表面粗面化機構A2 を
形成している。
【0219】また、チャンバ95に対して設けられたシャ
ワー式電極98、ロータリポンプ101、ガス供給配管104
a,104b、高周波電源107 、復圧用管路108 などは、表
面粗面化機構A2 で粗面化された軟質はんだ合金バンプ
の表面に表面改質を施す表面改質機構B2 を形成してい
る。
【0220】さらに、これらの粗面化処理および表面改
質処理に用いられるチャンバ95とは別個に、表面改質処
理された軟質はんだ合金バンプを加熱溶融して他の導体
上にはんだ接合するための加熱溶融部としての窒素雰囲
気リフロー炉C2 が設置されている。なお、加熱溶融部
としては、気相はんだ付け装置でも良い。
【0221】次に、このように構成された装置を用い
て、はんだ接合用前処理を施し、さらにはんだ接合する
方法を説明する。
【0222】表面粗面化機構A2 のバンプ整形用ローラ
96により、樹脂基板92に形成されたはんだバンプ91の表
面を押圧して機械的に粗面化し、次に、表面改質機構B
2 のチャンバ95内で、酸素を添加した弗素化合物の混合
ガスのプラズマ励起を用いて、粗面化されたはんだバン
プ91の表面に、弗素を含有する層を形成する表面改質を
施し、はんだ接合用前処理を完了する。
【0223】さらに、この粗面化処理および表面改質処
理を施された樹脂基板92のはんだバンプ91に、他の処理
対象物としてのシリコンチップを接触させて、窒素雰囲
気リフロー炉C2 に搬入し、これらをリフローすること
により、はんだ接合する。シリコンチップは、粗面化処
理および表面改質処理を施されている場合と、それらの
処理を施されていない場合とがあり、必要に応じて選択
する。
【0224】次に、図6に示された装置の作用をさらに
詳しく説明する。
【0225】はんだバンプ91を上に向けた樹脂基板92
は、対向電極を兼ねた金属トレイ93の上に置かれ、連続
したローラ94によりチャンバ95内を移動する。なお、ロ
ーラ94の駆動用モータおよびローラ間をつなぐチェン
は、図6には示されていない。
【0226】ローラ94で搬送される樹脂基板92はバンプ
整形用ローラ96にて、基板上のはんだバンプが粗面化さ
れる。粗面化の程度はバンプ整形用ローラ96の表面粗さ
と、金属トレイ93とバンプ整形用ローラ96とのクリアラ
ンスによる。このクリアランスは、調整治具97により任
意に調整できる。
【0227】バンプ整形用ローラ96を通ってシャワー式
電極98の下側に樹脂基板92を載せた金属トレイ93が移動
し終わったら、ローラ94を停止する。金属トレイ93の移
動終了は、チャンバ95内に設けられたセンサ99にて自動
的に検知される。この間、チャンバ95内は、スロットル
バルブ100 を介した真空ポンプ101 によって減圧されて
いる。
【0228】チャンバ95の内部の圧力は隔膜式真空計10
5 にてモニタされ、ガス導入以降は設定圧力になるよ
う、スロットルバルブ100 にて圧力調整される。
【0229】樹脂基板92を載せた金属トレイ93がシャワ
ー式電極98の下側に来て搬送が停止したら、マスフロー
コントローラ103a,103bを介して酸素と四弗化炭素が供
給される。酸素濃度は40容量%で、混合ガスはシャワ
ー式電極98に設けられた複数個の穴からチャンバ95内に
導入される。
【0230】ガス供給により、チャンバ内圧が30Pa
に安定した後、シャワー式電極98にマッチングボックス
106 を介した13.56MHzの高周波電源107 から6
00Wの高周波電力が供給され、高周波グロー放電を生
じさせて改質処理を施す。処理時間は60秒である。
【0231】ここで、粗面化しなかった場合に要する改
質処理時間は120秒以上であり、しかも樹脂基板の表
面のソルダレジストに灰化現象が生じた。
【0232】高周波グロー放電が終了した後、復圧弁10
8'を開けて、窒素ガスをチャンバ95内に導入し、大気圧
に復圧する。復圧終了後、樹脂基板を取出す。図6に
は、チャンバ95の扉は特に記載されていない。
【0233】一方、樹脂基板上にはんだ接合されるシリ
コンチップは、第4実施形態の処理により予め表面改質
を済ませておく。
【0234】次に、大気中にて、樹脂基板92上にシリコ
ンチップを位置合わせして搭載する。このとき、はんだ
バンプが5μm程度潰れるほど加圧する。最後に、酸素
濃度100ppmの窒素雰囲気リフロー炉C2 にて加熱
し、はんだ接合を得る。加熱温度は230℃である。
【0235】なお、第4実施形態および第5実施形態に
おいて、表面改質機構B1 ,B2 は、シャワー式電極77
b ,98の替わりに紫外線ランプや、レーザーの使用が可
能である。この場合、高周波電源79b ,107 の替わり
に、紫外線ランプ用の電源や、レーザー用の電源を使用
する。
【0236】(第6実施形態)次に、樹脂基板上に設け
られたSn /Pb共晶はんだバンプと、シリコンチップ
に設けられたはんだバンプとをはんだ接合する場合の第
6実施形態を、図4に示された装置例に基き説明する。
この場合、樹脂基板側は、粗面化および改質処理する
が、シリコンチップ側は粗面化および改質処理しなくて
も良い。
【0237】図4に示される金属トレイ73上に、保持治
具74を介して、処理対象物としての樹脂基板71を、その
はんだバンプをシャワー電極77a 側に向けて配置する。
はんだバンプの粗面化処理は、チャンバ72a において、
アルゴン7容量%を含む水素ガスをプロセスガスとし
て、処理圧力約40Pa、高周波電源79a の出力600
Wで、120秒間プラズマ処理を施す。
【0238】なお、金属トレイ73側を高周波電源79a と
接続して、保持治具74を用いず、リアクティブ・イオン
・エッチング・モードで処理しても良い。
【0239】プラズマ処理後、隔壁シャッタ84を開け
て、搬送用ロボットアーム85により樹脂基板71をチャン
バ72b に移送する。樹脂基板71を載せた金属トレイ73を
保持台86に載せた後、搬送用ロボットアーム85をチャン
バ72a に戻し、隔壁シャッタ84を閉める。
【0240】チャンバ72b 内にプロセスガスとして、酸
素と四弗化炭素の混合ガスを、その混合比が60:40
になるようにマスフローメータ80b ,80c にて調整しな
がら供給する。このチャンバ72b 内でのプラズマ処理
は、処理圧力約40Pa、高周波電源79b の出力600
Wで、60秒間施す。
【0241】以上の処理を施した樹脂基板71上に、はん
だバンプを設けたシリコンチップをバンプの位置合わせ
後搭載する。このとき、はんだバンプが約5μmほど潰
れる程度に圧力を加える。このチップ搭載は、大気中で
行うことができる。
【0242】次いで、酸素濃度を100ppm程度に制
御した窒素雰囲気リフロー炉C1 にてチップ搭載樹脂基
板を加熱し、樹脂基板のはんだバンプ上にシリコンチッ
プをはんだ溶融接合する。上記工程ではフラックスを用
いないため、後洗浄する必要はなく、アンダーフィル材
をチップと樹脂基板との間隙に充填した後、加熱硬化さ
せるとアッセンブリ工程は完了する。
【0243】第5実施形態または第6実施形態で説明し
たように、複数の処理対象物をはんだ接合する例として
は、図7(A)に示されたプリント回路基板へのベアチ
ップの直接実装例のように、多層プリント回路基板111
に接続用バンプ112 を介して半導体ベアチップ113 をは
んだ接合する場合や、図7(B)に示されたフリップチ
ップ接続半導体パッケージの構造例のように、プリント
基板接続用はんだバンプ114 が形成された積層基板(イ
ンターポーザ)115 に、内部接続用バンプ116を介して
半導体ベアチップ117 をはんだ接合する場合や、図7
(C)に示されたチップ・オン・チップ(COC)の構
造例のように、大型の大規模集積回路装置(LSIチッ
プ)121 に、接続用バンプ122 を介して小型のLSIチ
ップ123 をはんだ接合するとともに、接続用バンプ124
を介してメモリチップ125 をはんだ接合する場合や、図
示しないウエハ・オン・ウエハ(WOW)のように、分
割する前のウエハ上にウエハをバンプ接合する場合があ
り、本発明はこれらに適用できる。
【0244】以上のように、軟質はんだ合金を鍍金法や
蒸着法などによりチップなどの電子部品や回路基板に堆
積した後、リフローして、はんだプリコートまたははん
だバンプを形成するに当り、フラックスを用いることな
く、その結果フラックス残渣の洗浄工程が不要で、フラ
ックス残渣がないため電気的信頼性に優れる方法および
装置を提供できる。
【0245】微細なパターンに対応できるはんだバンプ
形成方法、すなわちはんだプリコート法としては、処理
対象物の表面にスクリーン印刷法でメタルマスクを介し
てソルダペーストを所望のパターンに印刷塗布し、これ
をリフローすることではんだプリコート膜を形成する方
法や、また、処理対象物の表面に有機酸鉛塩と錫粉末と
活性剤とを混練したペーストを印刷し、リフローにより
このペースト中の有機酸鉛塩と錫との反応によってはん
だを生成し、パターン上にはんだプリコート膜を析出さ
せるスーパーソルダ法や、さらに、処理対象物の表面に
粘着膜を形成し、この粘着膜にはんだ粉末を付け、フラ
ックス塗布後にリフローすることではんだプリコート膜
を形成するスーパージャフィット法などがあり、これら
の方法により形成されたはんだバンプに対しても、本発
明のはんだ接合用前処理方法、はんだ接合方法およびそ
れらの装置を適用できる。
【0246】また、既に図7に基づいて説明したよう
に、一方の処理対象物の表面に形成されたはんだバンプ
またははんだプリコートと、他方の処理対象物の表面に
形成された同様のはんだバンプまたははんだプリコート
とを接触させ、これらのはんだバンプまたははんだプリ
コートをリフローしてはんだ接合するには、種々の形態
があり、本発明のはんだ接合方法およびその装置は、そ
れらの各接合形態において、フラックスを用いず電気的
信頼性に優れた微細なはんだ接合を行える。
【0247】さらに、電極パッド上の軟質はんだ合金
は、鍍金法により形成する方法がコスト的に有利である
が、蒸着法などの真空プロセスを用いても良い。このよ
うにして電極上に堆積された軟質はんだ合金を機械的に
押し潰すなどして表面を粗面化する。
【0248】例えば、細かい凹凸のあるローラを用い
て、搬送途中かチャンバ内などで軟質はんだ合金を押し
潰すことで、軟質はんだ合金の表面の粗面化を機械的に
図れる。または、細かい凹凸のある板によるスタンピン
グで、機械的に粗面化を施しても良い。
【0249】また、水素を3容量%以上8容量%未満添
加したアルゴンガスを用いたグロー放電中に曝すこと
で、軟質はんだ合金の表面を粗面化できる。なお、アル
ゴンのスパッタリングでは粗面化はできない。
【0250】この粗面化により、酸化膜が除去または破
壊されて、はんだの新生面が露出する。
【0251】次いで、C2 4 、C3 6 などのプラズ
マ重合膜を形成するガスを除いた弗素化合物ガス、例え
ば四弗化炭素(CF4 )、CHF3 、CH3 FまたはC
2 6 などの弗化炭素系化合物、六弗化硫黄(SF6
および三弗化窒素(NF3 )の少なくとも一つと、酸素
またはアルゴンの少なくとも一方との混合ガスを用いた
プラズマ励起により、軟質はんだ表面を改質する。
【0252】このプラズマ励起は、平行平板型直流グロ
ー放電または高周波グロー放電を用いても良い。また、
マイクロ波を用いたプラズマでも良く、さらには紫外線
やレーザなどによるラジカル生成手段を用いても良い。
【0253】ただし、弗素は、シリコンのエッチャント
であり、酸素は有機物を分解するが、粗面化処理が予め
なされているために、シリコンやソルダレジストなどへ
の損傷を抑えた処理が可能となる。
【0254】この表面改質後、軟質はんだ合金の融点以
上の温度に非酸化性雰囲気中で加熱することで軟質はん
だ合金をリフローする。このリフローには、一般的に用
いられている窒素雰囲気リフロー炉や、気相はんだ付け
装置すなわちベーパフェイズソルダリングマシンなどの
使用が可能である。
【0255】回路基板上の軟質はんだ合金上や、シリコ
ンチップ上の金パッド上や、軟質はんだバンプ上に、軟
質はんだや、パラジウム(Pd)、銀(Ag)、金(A
u)などのメッキを施された電極部分を有する電子部品
や、軟質はんだ合金のバンプを有するシリコンチップを
実装する場合には、各々の軟質はんだ合金などの表面に
粗面化処理および表面改質処理を施した上で、位置合わ
せし搭載した後に、非酸化性雰囲気中で軟質はんだ合金
の融点以上に加熱してリフローすることで、はんだ接合
できる。
【0256】電子部品の場合、回路基板側の軟質はんだ
量が十分であれば、電子部品側の前記処理を除いても、
はんだ接合は可能である。軟質はんだ合金のバンプ同士
の接合であれば、位置合わせ時にバンプが5μm程度潰
れるくらいの加圧ができれば十分である。
【0257】以上のように、本発明は、電子部品および
回路基板におけるはんだプリコートまたははんだバンプ
の形成およびはんだ接合に適用され、また、フラックス
を用いることなく、軟質はんだ合金を用いて、チップの
電極パッドや部品リードと、回路基板の電極とを接合す
る場合に適用される。
【0258】
【実施例】(実施例1)次に、図1に示されたバンプ形
成装置を用いて実験を行ったので、その結果を具体的な
数値に基づき説明する。
【0259】処理対象物はシリコンウエハ11であり、ア
ルミ電極パッド上にメタライズ層を介して軟質はんだ合
金としての共晶はんだのメッキが施してある。
【0260】真空チャンバ12内の圧力はスロットルバル
ブ17またはマスフローコントローラ34によるガス流量制
御により、約0.4Torrに調整した。
【0261】高周波電源23には、入手容易な13.56
MHzのRF(Radio Frequency )電源を用い、容量性
負荷整合器24を介して電極22に600Wの電力を供給し
てプラズマを発生させた。
【0262】60秒間のプラズマ照射の後、プロセスガ
スの供給を停止し、ハロゲンランプ37に直流電源39より
約100Wの電力を印加し、シリコンウエハ11を輻射加
熱した。ハロゲンランプ37からの光は、反射鏡38により
シリコンウエハ11に一様に当たるよう調整されている。
【0263】はんだメッキ溶融後、ハロゲンランプ37を
切って、その状態を冷却のため30秒間保持した。
【0264】以上のようにして形成したシリコンウエハ
11上のはんだバンプは、きれいな球形を呈し、表面に酸
化物はなかった。
【0265】一方、比較対象のため、プロセスガスとし
てアルゴンのみを用いた同一の処理方法での結果は、球
形にはなるが、表面に酸化物が多く表面がゴツゴツした
形状となった。
【0266】また、プロセスガスとして弗素含有ガスの
み、例えば4弗化炭素のみを用いた場合、シリコンウエ
ハ11のパッシベーション膜がエッチングされる点と、エ
ッチングされたシリコンの反応生成物である弗化珪素が
バンプに付着する等の問題があった。
【0267】(実施例2)次に、図1に示されたバンプ
形成装置を用いて別の実験を行ったので、その結果を説
明する。
【0268】図1の装置を用いてシリコンウエハ11上に
バンプ形成されたチップと、はんだ接合する接合相手物
としての基板とに、それぞれプラズマ照射を施す。
【0269】先ず、水素7容量%含有アルゴンガスプラ
ズマにより約0.4Torrの圧力下、600ワットの
RF電源出力で60秒処理する。
【0270】続いて、4弗化炭素70容量%含有酸素ガ
スプラズマにより約0.3Torrの圧力下、500ワ
ットのRF電源出力で30秒処理する。
【0271】このチップと基板とを真空チャンバ12から
取出し、チップを基板上に位置合わせして、はんだバン
プが少し潰れる程度の荷重を加え、酸素濃度が100pp
m 程度に保たれたリフロー炉に通す。
【0272】このリフロー炉内で、予加熱温度が80
℃、リフロー温度が230℃、チップ搭載基板の搬送速
度が1.3m/分の条件にて、リフロー接合を行う。
【0273】この結果、フラックスを用いなくとも、バ
レル形の接合形態をとる接合が得られた。
【0274】次に、図4に示されたはんだ接合装置を用
いて、基板上にチップをはんだ接合する実験を行ったの
で、その結果を次の実施例3および実施例4に説明す
る。
【0275】(実施例3)先ず、基板を、水素7容量%
含有アルゴンガスプラズマにより、約0.4Torrの
圧力下、600ワットのRF電源出力で120秒、粗面
化処理する。
【0276】続いて、この水素含有アルゴンガスプラズ
マで粗面化処理された基板を、4弗化炭素60〜70容
量%含有酸素ガスプラズマにより約0.4Torrの圧
力下、600ワットのRF電源出力で60秒、表面改質
処理する。
【0277】一方、チップは、水素7容量%含有アルゴ
ンガスプラズマにより、約0.4Torrの圧力下、5
00ワットのRF電源出力で60秒、粗面化処理する。
【0278】続いて、この水素含有アルゴンガスプラズ
マで粗面化処理されたチップを、4弗化炭素40〜60
容量%含有アルゴンガスプラズマにより約0.4Tor
rの圧力下、500ワットのRF電源出力で30秒、表
面改質処理する。
【0279】このように処理した基板上にチップをマウ
ントし、これらを酸素濃度100ppm 程度に保たれた窒
素雰囲気リフロー炉C1 内に搬入してリフローした結
果、フラックスを用いなくとも、良好なはんだ接合が得
られた。
【0280】(実施例4)基板を、水素7容量%含有ア
ルゴンガスプラズマにより、約0.4Torrの圧力
下、600ワットのRF電源出力で120秒、粗面化処
理する。
【0281】続いて、この水素含有アルゴンガスプラズ
マで粗面化処理された基板を、4弗化炭素60容量%含
有酸素ガスプラズマにより約0.4Torrの圧力下、
600ワットのRF電源出力で60秒、表面改質処理す
る。
【0282】このように処理した基板上に、未処理のチ
ップをマウントした後、酸素濃度100ppm 程度に保た
れた窒素雰囲気リフロー炉C1 内に搬入してリフローし
た結果、フラックスを用いなくとも、良好なはんだ接合
が得られた。
【0283】
【発明の効果】本発明のバンプ形成方法によれば、処理
対象物の表面に堆積した軟質はんだ合金に水素含有プラ
ズマを照射し、軟質はんだ合金中の水酸化物や酸化物を
除去するから、リフロー時に融材を必要とすることな
く、電子部品における機械的・電気的接続端子としての
バンプを形成でき、後洗浄も必要としない。
【0284】本発明のはんだ接合方法によれば、水素含
有プラズマの照射された処理対象物の表面の軟質はんだ
合金と、接合相手物の表面とを接触させてリフローする
ことで、後洗浄を必要とする融材を用いることなく、バ
ンプの形成と、はんだ接合とを同時に行うことができ
る。
【0285】本発明のバンプ形成装置によれば、少なく
とも水素含有プラズマを発生させるプラズマ発生手段、
プロセスガスのガス供給手段および少なくとも水素含有
プラズマ中に処理対象物を曝す処理対象物曝し手段によ
り、処理対象物の軟質はんだ合金に水素含有プラズマを
照射し、軟質はんだ合金中の水酸化物や酸化物を除去
し、さらに加熱手段により真空中でリフローすることに
より、リフロー時の軟質はんだ合金の再酸化を防ぐこと
が可能であるから、軟質はんだ合金のリフロー時に融材
を必要とせず、そのためはんだバンプ形成後の融材の洗
浄工程を排除でき、融材の洗浄による環境問題を解決で
きる。
【0286】本発明のはんだ接合装置によれば、前記バ
ンプ形成装置によりプラズマ処理された処理対象物の表
面と、接合相手物の表面とを位置決め手段により位置決
めして接触させ、加熱手段により軟質はんだ合金の皮膜
をリフローすることで、後洗浄を必要とする融材を用い
ることなく、処理対象物の表面にバンプを形成すると同
時に、そのバンプを接合相手物の表面にはんだ接合でき
る。
【0287】また、本発明のバンプ形成方法、はんだ接
合用前処理方法、はんだ接合方法によれば、処理対象物
上に堆積された軟質はんだ合金の表面や、処理対象物に
形成された軟質はんだ合金のはんだバンプの表面を粗面
化することで、その後の表面改質を短時間化でき、チッ
プや回路基板などの損傷を防止でき、また、表面改質で
形成された弗素を含有する層は、はんだ濡れ性を良くす
るとともに、はんだ表面の再酸化を防止するため、軟質
はんだ合金を用いても、リフロー工程時にフラックスを
必要とせず、このため後洗浄工程を排除できる。
【0288】さらに、本発明のバンプ形成装置、はんだ
接合用前処理装置、はんだ接合装置によれば、処理対象
物上に堆積された軟質はんだ合金の表面や、処理対象物
に形成された軟質はんだ合金のはんだバンプの表面を、
表面粗面化機構により粗面化することで、その後の表面
改質を短時間化でき、チップや回路基板などの損傷を防
止でき、また、表面改質機構による表面改質処理で形成
された弗素を含有する層は、はんだ濡れ性を良くすると
ともに、はんだ表面の再酸化を防止するため、軟質はん
だ合金を用いても、加熱溶融部でのリフロー工程時にフ
ラックスを必要とせず、このため後洗浄工程を排除でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るバンプ形成装置の第1実施形態を
示す断面図である。
【図2】本発明に係るバンプ形成装置の第2実施形態を
示す断面図である。
【図3】本発明に係るバンプ形成装置の第3実施形態お
よびはんだ接合装置の一実施形態を示す断面図である。
【図4】本発明に係るバンプ形成装置の第4実施形態、
およびはんだ接合用前処理装置を含むはんだ接合装置の
他の実施形態を示す断面図である。
【図5】本発明に係るバンプ形成方法の実施形態を示す
断面図である。
【図6】本発明に係るはんだ接合用前処理装置を含むは
んだ接合装置のさらに別の実施形態を示す断面図であ
る。
【図7】はんだバンプによる種々のはんだ接合形態を示
す断面図である。
【符号の説明】
11 処理対象物としてのシリコンウエハ 15 処理対象物曝し手段としての保持治具 16 ガス回収手段としてのロータリポンプ 16a ガス回収手段としてのドライポンプ 21 プラズマ発生手段 22 電極 23 高周波電源 25 電極本体 26 供給口 27 貫通穴 31 ガス供給手段 36 加熱手段 37 光源としてのハロゲンランプ 38 反射鏡 42 反射板 51 プラズマ発生手段 55 高周波電源としてのマイクロ波電源 57 処理対象物としてのベアチップ 58 処理対象物曝し手段としてのマニュピレータ 63 接合相手物としての基板 64 位置決め手段 71 処理対象物 91 はんだバンプ 92 処理対象物としての樹脂基板 A1 表面粗面化機構 B1 表面改質機構 C1 加熱溶融部としての窒素雰囲気リフロー炉 A2 表面粗面化機構 B2 表面改質機構 C2 加熱溶融部としての窒素雰囲気リフロー炉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 秀夫 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33番地 株 式会社東芝生産技術研究所内 (72)発明者 土井 一英 神奈川県横浜市磯子区新磯子町33番地 株 式会社東芝生産技術研究所内

Claims (48)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理対象物の表面に軟質はんだ合金を堆
    積し、 この堆積された軟質はんだ合金に少なくとも水素含有プ
    ラズマを照射し、 少なくとも水素含有プラズマが照射された軟質はんだ合
    金をリフローして処理対象物の表面に接続端子となるは
    んだバンプを形成することを特徴とするバンプ形成方
    法。
  2. 【請求項2】 水素含有プラズマの照射およびリフロー
    を、真空中で行うことを特徴とする請求項1記載のバン
    プ形成方法。
  3. 【請求項3】 リフローを、不活性ガス雰囲気および還
    元性雰囲気の一方中で行うことを特徴とする請求項1ま
    たは2記載のバンプ形成方法。
  4. 【請求項4】 水素含有プラズマの照射を、軟質はんだ
    合金の融点以下で行うことを特徴とする請求項1乃至3
    のいずれかに記載のバンプ形成方法。
  5. 【請求項5】 水素含有プラズマ発生用のプロセスガス
    を、不活性ガスと、水素分子換算で3容量%以上8容量
    %未満の水素含有率の水素ガスとを含む混合ガスとした
    ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のバ
    ンプ形成方法。
  6. 【請求項6】 プラズマ照射時間を2分未満としたこと
    を特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のバンプ
    形成方法。
  7. 【請求項7】 リフローを、真空中で輻射加熱により行
    うことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の
    バンプ形成方法。
  8. 【請求項8】 水素含有プラズマの照射後に、弗素含有
    プラズマを照射することを特徴とする請求項1乃至7の
    いずれかに記載のバンプ形成方法。
  9. 【請求項9】 弗素含有プラズマは、アルゴンおよび酸
    素の少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項8記
    載のバンプ形成方法。
  10. 【請求項10】 弗素含有プラズマの照射時間は60秒
    以内であり、弗素含有プラズマの照射温度は室温を含む
    軟質はんだ合金の融点以下であることを特徴とする請求
    項8または9記載のバンプ形成方法。
  11. 【請求項11】 リフロー時に、予加熱を100℃以下
    で行うことを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに
    記載のバンプ形成方法。
  12. 【請求項12】 リフロー後に、再度水素含有プラズマ
    を照射することを特徴とする請求項1乃至11のいずれ
    かに記載のバンプ形成方法。
  13. 【請求項13】 請求項1乃至12のいずれかに記載さ
    れたバンプ形成方法のリフロー時に、処理対象物の表面
    の軟質はんだ合金を接合相手物の表面に接触させ、処理
    対象物の表面と接合相手物の表面とをはんだ接合するこ
    とを特徴とするはんだ接合方法。
  14. 【請求項14】 処理対象物の表面に設けられた軟質は
    んだ合金により接続端子となるはんだバンプを形成する
    バンプ形成装置であって、 低圧下で少なくとも水素含有プラズマを発生させるプラ
    ズマ発生手段と、 このプラズマ発生手段にプロセスガスを供給するガス供
    給手段と、 少なくとも水素含有プラズマ中に処理対象物の表面の軟
    質はんだ合金を曝す処理対象物曝し手段と、 軟質はんだ合金を真空中でリフローする加熱手段とを具
    備したことを特徴とするバンプ形成装置。
  15. 【請求項15】 プラズマ発生手段は、 高周波電源と、 この高周波電源に接続されプラズマを生成する電極とを
    備え、 電極は、 プロセスガスの供給を受ける中空の電極本体と、 電極本体の処理対象物とは反対側に穿設されたプロセス
    ガスの供給口と、 電極本体の供給口側から反対側に貫通形成された貫通穴
    と を具備したことを特徴とする請求項14記載のバンプ形
    成装置。
  16. 【請求項16】 加熱手段は、 処理対象物の裏面を輻射加熱する光源と、 この光源の光束を調整する反射鏡とを具備したことを特
    徴とする請求項14または15記載のバンプ形成装置。
  17. 【請求項17】 処理対象物を介してガス供給手段の反
    対側に設けられ電極間で生成されたプラズマを処理対象
    物に運ぶガス流れを形成するガス回収手段を具備したこ
    とを特徴とする請求項14乃至16のいずれかに記載の
    バンプ形成装置。
  18. 【請求項18】 加熱手段は、 プラズマに曝されない位置に設けられた輔射加熱用の光
    源と、 この光源から処理対象物に至る光路を形成する反射板と
    を具備したことを特徴とする請求項14乃至17のいず
    れかに記載のバンプ形成装置。
  19. 【請求項19】 不活性ガスと、水素分子換算で3容量
    %以上8容量%未満の水素含有率の水素ガスとを含む混
    合ガスをプロセスガスとして供給するガス供給手段を具
    備したことを特徴とする請求項14乃至18のいずれか
    に記載のバンプ形成装置。
  20. 【請求項20】 周波数13.56MHzおよび2.4
    5GHzの一方の高周波電源を具備したことを特徴とす
    る請求項14乃至19のいずれかに記載のバンプ形成装
    置。
  21. 【請求項21】 プラズマ発生手段は、 水素含有プラズマに加えて、アルゴンおよび酸素の少な
    くとも一方を含む弗素含有プラズマを発生させることを
    特徴とする請求項14乃至20のいずれかに記載のバン
    プ形成装置。
  22. 【請求項22】 請求項14乃至21のいずれかに記載
    されたバンプ形成装置と、 プラズマに曝された処理対象物の表面の軟質はんだ合金
    と接合相手物の表面とを位置決めして接触させる位置決
    め手段と、 軟質はんだ合金の皮膜をリフローして処理対象物の表面
    と接合相手物の表面とをはんだ接合する加熱手段とを具
    備したことを特徴とするはんだ接合装置。
  23. 【請求項23】 処理対象物上に堆積された軟質はんだ
    合金の表面を粗面化し、 粗面化された軟質はんだ合金の表面に、弗素を含有する
    層を形成する表面改質を施し、 表面改質された軟質はんだ合金をリフローして処理対象
    物の表面に接続端子となるはんだバンプを形成すること
    を特徴とするバンプ形成方法。
  24. 【請求項24】 粗面化は、水素を添加した不活性ガス
    のプラズマ励起を用いることを特徴とする請求項23記
    載のバンプ形成方法。
  25. 【請求項25】 水素の添加量は、3容量%以上8容量
    %未満であることを特徴とする請求項24記載のバンプ
    形成方法。
  26. 【請求項26】 不活性ガスは、アルゴンを用いること
    を特徴とする請求項24記載のバンプ形成方法。
  27. 【請求項27】 表面改質は、酸素およびアルゴンの少
    なくとも一方を添加した弗素化合物の混合ガスのプラズ
    マ励起を用いることを特徴とする請求項23乃至26の
    いずれかに記載のバンプ形成方法。
  28. 【請求項28】 弗素化合物は、弗化炭素系化合物、六
    弗化硫黄および三弗化窒素の少なくとも一つであること
    を特徴とする請求項27記載のバンプ形成方法。
  29. 【請求項29】 処理対象物に形成された軟質はんだ合
    金のはんだバンプの表面を粗面化し、 粗面化されたはんだバンプの表面に、弗素を含有する層
    を形成する表面改質を施したことを特徴とするはんだ接
    合用前処理方法。
  30. 【請求項30】 粗面化は、水素を添加した不活性ガス
    のプラズマ励起を用いることを特徴とする請求項29記
    載のはんだ接合用前処理方法。
  31. 【請求項31】 水素の添加量は、3容量%以上8容量
    %未満であることを特徴とする請求項30記載のはんだ
    接合用前処理方法。
  32. 【請求項32】 不活性ガスは、アルゴンを用いること
    を特徴とする請求項30記載のはんだ接合用前処理方
    法。
  33. 【請求項33】 表面改質は、酸素およびアルゴンの少
    なくとも一方を添加した弗素化合物の混合ガスのプラズ
    マ励起を用いることを特徴とする請求項29乃至32の
    いずれかに記載のはんだ接合用前処理方法。
  34. 【請求項34】 弗素化合物は、弗化炭素系化合物、六
    弗化硫黄および三弗化窒素の少なくとも一つであること
    を特徴とする請求項33記載のはんだ接合用前処理方
    法。
  35. 【請求項35】 処理対象物に形成された軟質はんだ合
    金のはんだバンプの表面を粗面化し、 粗面化されたはんだバンプの表面に、弗素を含有する層
    を形成する表面改質を施し、 粗面化および表面改質を施されたはんだバンプを有する
    処理対象物と他の処理対象物とを接触させてリフローす
    ることにより、複数の処理対象物をはんだ接合すること
    を特徴とするはんだ接合方法。
  36. 【請求項36】 粗面化は、水素を添加した不活性ガス
    のプラズマ励起を用いることを特徴とする請求項35記
    載のはんだ接合方法。
  37. 【請求項37】 水素の添加量は、3容量%以上8容量
    %未満であることを特徴とする請求項36記載のはんだ
    接合方法。
  38. 【請求項38】 不活性ガスは、アルゴンを用いること
    を特徴とする請求項36記載のはんだ接合方法。
  39. 【請求項39】 表面改質は、酸素およびアルゴンの少
    なくとも一方を添加した弗素化合物の混合ガスのプラズ
    マ励起を用いることを特徴とする請求項35乃至38の
    いずれかに記載のはんだ接合方法。
  40. 【請求項40】 弗素化合物は、弗化炭素系化合物、六
    弗化硫黄および三弗化窒素の少なくとも一つであること
    を特徴とする請求項39記載のはんだ接合方法。
  41. 【請求項41】 処理対象物上に堆積された軟質はんだ
    合金の表面を粗面化する表面粗面化機構と、 粗面化された軟質はんだ合金の表面に弗素を含有する層
    を形成する表面改質を施す表面改質機構と、 表面改質された軟質はんだ合金をリフローして処理対象
    物の表面に接続端子となるはんだバンプを形成する加熱
    溶融部とを具備したことを特徴とするバンプ形成装置。
  42. 【請求項42】 表面粗面化機構は、プラズマ励起によ
    って軟質はんだ合金の表面を粗面化するプラズマ励起機
    構であり、 このプラズマ励起機構と表面改質機構とを独立した異な
    る雰囲気下で連続的に運転することを特徴とする請求項
    41記載のバンプ形成装置。
  43. 【請求項43】 処理対象物に形成された軟質はんだ合
    金のはんだバンプの表面を粗面化する表面粗面化機構
    と、 粗面化されたはんだバンプの表面に弗素を含有する層を
    形成する表面改質を施す表面改質機構とを具備したこと
    を特徴とするはんだ接合用前処理装置。
  44. 【請求項44】 表面粗面化機構は、プラズマ励起によ
    って軟質はんだ合金の表面を粗面化するプラズマ励起機
    構であり、 このプラズマ励起機構と表面改質機構とを独立した異な
    る雰囲気下で連続的に運転することを特徴とする請求項
    43記載のはんだ接合用前処理装置。
  45. 【請求項45】 表面粗面化機構は、機械的に軟質はん
    だ合金の表面を粗面化するものであることを特徴とする
    請求項43記載のはんだ接合用前処理装置。
  46. 【請求項46】 処理対象物に形成された軟質はんだ合
    金のはんだバンプの表面を粗面化する表面粗面化機構
    と、 粗面化されたはんだバンプの表面に弗素を含有する層を
    形成する表面改質を施す表面改質機構と、 粗面化および表面改質を施されたはんだバンプを有する
    処理対象物と他の処理対象物とを接触させてリフローす
    ることにより複数の処理対象物をはんだ接合する加熱溶
    融部とを具備したことを特徴とするはんだ接合装置。
  47. 【請求項47】 表面粗面化機構は、プラズマ励起によ
    って軟質はんだ合金の表面を粗面化するプラズマ励起機
    構であり、 このプラズマ励起機構と表面改質機構とを独立した異な
    る雰囲気下で連続的に運転することを特徴とする請求項
    46記載のはんだ接合装置。
  48. 【請求項48】 表面粗面化機構は、機械的に軟質はん
    だ合金の表面を粗面化するものであることを特徴とする
    請求項46記載のはんだ接合装置。
JP26219598A 1997-09-17 1998-09-17 バンプ形成方法、はんだ接合用前処理方法、はんだ接合方法、バンプ形成装置、はんだ接合用前処理装置およびはんだ接合装置 Pending JPH11163036A (ja)

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