JP2015103688A - 接合方法、半導体装置、製造システムおよび酸化膜除去装置(無洗浄フラックスを用いたチップ接合プロセス) - Google Patents
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Abstract
【課題】 フラックス剤を用いてチップおよび基板をはんだ接合する接合方法、半導体装置、製造システムおよび酸化膜除去装置を提供すること。【解決手段】 本接合方法は、チップ120および基板110の少なくとも一方の電極部112,122の酸化膜を除去する工程(S102)と、酸化膜の除去後、無洗浄型フラックス剤114を塗布する工程(S104)と、それぞれの電極部112,122を接触させてチップ120を基板110上に積載する工程(S106)と、積載された基板110およびチップ120の電極部112,122間をはんだ接合する工程(S108)と、はんだ接合されたチップ120および基板110の間にアンダーフィル剤104を充填する工程(S112)とを含む。【選択図】 図1
Description
本発明は、チップおよび基板間の接合方法、半導体装置、製造システムおよび酸化膜除去装置に関する。本発明は、より詳細には、フラックス剤を用いてチップおよび基板をはんだ接合する接合方法、チップおよび基板がはんだ接合されて形成された半導体装置、半導体装置を製造するための製造システムおよび酸化膜除去装置に関する。
近年、半導体デバイスの高性能化のため、配線層の層間絶縁膜材料に誘電率の低い材料を用いる、いわゆる低誘電率化(Low−k化)が進められている。しかしながら、誘電率の低い材料ほど、機械的に脆い性質を有する傾向がある。このため、低誘電率化を図る上で、パッケージング工程における熱機械的なストレスにより、配線層の誘電体層にクラックを生じさせてしまうことが問題となっている。これは、シリコン・チップと有機基板との熱膨張係数のミスマッチに起因するものであり、クラックの発生は、はんだの鉛フリー化、ダイ・サイズの大型化に伴って顕著となる。
図5は、従来技術におけるフリップチップ型のチップ接合プロセスを示す図である。図5に示すように、従来技術のチップ接合プロセスでは、(S10)有機基板500上にフラックス剤504が塗布された後、(S11)半導体チップ520のはんだバンプ522が基板500のプレソルダ502に合わせられて積載され、(S12)リフロー処理が行われる。このとき、リフロー後の有機基板500表面にフラックス残渣512が残るため、これを水洗浄する必要がある。水洗浄工程(S13)では、リフロー時の温度250℃から、典型的には50℃〜常温まで冷却される。このとき、その温度差に起因して、基板500およびチップ520間に機械的なストレスを発生させ、特にチップの周縁部において、ホワイトバンプと呼ばれる欠陥を生じさせる可能性がある。
上記温度差によるストレスを回避するため、無洗浄型フラックス剤(No Clean Flux)を用いて上述した水による洗浄工程を省略することができるプロセスも知られている(特許文献1:米国特許第7588968号明細書)。
図6は、従来技術における無洗浄型フラックスを用いたチップ接合プロセスを示す図である。無洗浄型フラックス剤554を基板550上に塗布することにより、図5で示したリフロー後の水洗浄工程(S13)および乾燥工程(S14)を省略することが可能となる。これは、リフロー時またはリフロー後の熱処理において、フラックス剤の主要な成分が蒸発するためである。
上記無洗浄型フラックスを用いたチップ接合プロセスは、比較的ピッチの広いチップ接合では有効であった。しかしながら、無洗浄型フラックス剤は、多くの成分がリフロー時またはその後の熱処理で気化するものの、一部の成分や、フラックス剤により化学的に除去された酸化膜の成分が気化せず、基板550上に残留物562として残される。このような残留物562は、電極510間の絶縁性を低下させ、また、アンダーフィル580とチップ570との密着強度に影響を与える可能性がある。このため、狭ピッチ化に伴い、フリップチップ接合に適用することが難しくなってきた。
また、上記特許文献1の従来技術では、また、図5に示すプロセスでアンダーフィル塗布前に行われていた真空酸素プラズマ処理(S15)が、温度の保持が容易ではないことから省略されている。このため、チップ表面の改質および微小量の残渣成分の除去が不充分となり、半導体チップの大型化、狭ピッチ化に伴い、長期信頼性を維持することが難しくなってきた。
さらに、近年、三次元実装に関し、チップ上にチップを重ねるCoC(Chip on Chip)技術、ウエハにチップを積層し後で分割するCoW(Chip on Wafer)などのチップ積層技術が開発されている。このようなチップ積層技術においては、チップおよび基板間の間隙が狭くなる傾向があり、水洗浄自体が難しくなるという問題もある。
上述した背景から、信頼性高くチップおよび基板間を接合することができる、洗浄工程が不要なチップ接合技術の開発が望まれていた。
本発明は、上記従来技術における問題点に鑑みてなされたものであり、本発明は、接合後に残される残渣成分を低減することで、接合後に洗浄工程を行わなくても、充分な信頼性高くチップおよび基板を接合することができる、チップおよび基板の接合方法を提供することを目的とする。
また、本発明の他の目的は、上記接合方法により接合されたチップおよび基板を含む半導体装置、該半導体装置を製造するための製造システムおよび酸化膜除去装置を提供することである。
本発明では、上記課題を解決するために、下記特徴を有するチップおよび基板の接合方法を提供する。本接合方法は、チップおよび基板の少なくとも一方の電極部の酸化膜を除去する工程と、酸化膜の除去後、無洗浄型フラックス剤を塗布する工程と、それぞれの電極部を接触させてチップを基板上に積載する工程と、積載された基板およびチップの電極部間をはんだ接合する工程と、はんだ接合されたチップおよび基板の間にアンダーフィル剤を充填する工程とを含む。
本発明によれば、半導体装置であって、また、チップおよび基板の少なくとも一方の電極部の酸化膜を除去した後、無洗浄型フラックス剤を塗布し、積載された基板およびチップ間の電極部間をはんだ接合して、さらにチップおよび基板の間にアンダーフィル剤を充填して形成される、半導体装置を提供することができる。
本発明によれば、さらに、半導体装置を製造するための製造システムであって、チップおよび基板の少なくとも一方の電極部の酸化膜を除去する酸化膜除去装置と、上記酸化膜除去装置の後段に設けられ、無洗浄型フラックス剤を塗布するフラックス塗布装置と、それぞれの電極部を接触させてチップを基板上に積載する積載装置と、積載された基板およびチップの電極部間をはんだ接合させるリフロー炉と、はんだ接合されたチップおよび基板の間にアンダーフィル剤を充填するアンダーフィル充填装置とを含む、製造システムを提供することができる。
さらに、本発明によれば、無洗浄型フラックス剤を塗布するためのフラックス塗布装置の前段に設けられる酸化膜除去装置であって、処理室と、該処理室内にチップおよび基板の少なくとも一方を搬送する搬送装置と、該搬送装置により搬送されるチップおよび基板の少なくとも一方の電極部に対し、還元性ガスの大気圧プラズマ処理を施す還元性プラズマ処理装置と、上記少なくとも一方の電極部に対し、不活性ガスの大気圧プラズマ処理を施す不活性プラズマ処理装置とを含む、酸化膜除去装置を提供することができる。
上記構成により、接合後に残される残渣成分を低減することで、接合後に洗浄を行わなくても、充分な信頼性高くチップおよび基板を接合することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付の図面を参照しながら説明するが、本発明は、添付の図面に示す実施形態に限定されるものではない。なお、添付の図面は、縮尺比に従って縮小または拡大されたものではないことに留意されたい。
本発明の実施形態による接合方法は、無洗浄型フラックス剤を用いてチップと基板とをはんだ接合するチップ接合プロセスにおいて、フラックス剤の機能のうちの電極部の酸化膜の除去を事前実施することを特徴としている。これにより、はんだ接合後に残される酸化膜由来の残渣を低減し、はんだ接合後の洗浄工程を不要としつつも、電極間の絶縁性の低下を防止し、ひいては、半導体装置の長期信頼性の向上を図っている。
以下、本発明の実施形態によるチップと基板との接合方法について、集積回路が形成されたチップを、C4(Controlled Collapse Chip Connection)工法で基板上に接合するフリップチップ接合プロセスを一例に説明する。
図1は、本実施形態によるフリップチップ接合プロセスの流れを説明するブロック図である。なお、図1において各処理ブロックは、基板110、チップ120、これらのアセンブリ100を模式的に示す断面図とともに示されている。
図1に示すチップ接合プロセスは、チップおよび基板の準備工程(S100)、表面酸化膜除去処理工程(S102)、無洗浄型フラックス塗布工程(S104)、チップ積載工程(S106)、加熱リフロー工程(S108)、アンダーフィル充填工程(S112)およびアンダーフィル硬化工程(S114)を含む。また、好適な実施形態では、加熱リフロー工程(S108)後、アンダーフィル充填工程(S112)前に、残渣除去処理工程(S110)を含むことができる。以下、図1を参照しながら、各工程について説明する。
図1に示す接合プロセスは、工程S100から開始され、まず、基板110およびチップ120が準備される。準備される基板110は、典型的には樹脂で構成された有機基板であり、基板110の配線パターン形成面に複数の電極パッド(図示せず。)が設けられ、電極パッド各々には、プレソルダ112が形成されている。電極パッドおよびプレソルダ112が基板側の電極部を構成する。プレソルダ112は、特に限定されるものではないが、射出成型ソルダ(Injection Molded Soldering)法、ボール搭載法、蒸着法、メッキ法、はんだペースト印刷法などの技術によって形成される。
準備されるチップ120は、典型的には、回路形成されたシリコンウエハから個片化されたダイであり、チップ120の回路形成面に複数の電極パッド(図示せず。)が設けられ、電極パッド各々には、はんだバンプ122が形成されている。電極パッドおよびはんだバンプ122がチップ側の電極部を構成する。はんだバンプ122は、特に限定されるものではないが、射出成型ソルダ法、ボール搭載法、蒸着法、メッキ法、はんだペースト印刷法などの技術によって形成される。
チップ120は、BEOL(Back End of Line)層において誘電体層を含んでいる。この誘電体層は、半導体集積回路の性能向上を図る観点から、低誘電率化(Low−k化)が進められている。低誘電率といわれる誘電体層は、典型的には、比誘電率が3.0以下であり、比誘電率が2.7以下の誘電体層は、超低誘電(Ultra Low-k)材料と呼ばれている。
プレソルダ112およびはんだバンプ122のはんだ材料としては、特に限定されるものではないが、典型的には、Snを主成分としてAg、Cu、Zn、Bi、InまたはSbを有する錫合金からなる無鉛はんだなどを用いることができる。
なお、以下、電極部として、チップ120側にボール状のはんだバンプ122が形成され、基板110側にプレソルダ112が形成されているものとして説明するが、特に限定されるものではない。他の実施形態では、基板110側にはんだバンプが形成されていてもよいし、他方のプレソルダを省略してもよい。また、例えばチップ側を銅などの他の金属または合金のバンプとし、基板側にプレソルダを形成してもよい。
基板110およびチップ120が準備されると、工程S102では、基板110およびチップ120それぞれの電極部112,122に対し、表面酸化膜の除去処理を施す。ここで除去される対象となるのは、典型的には、プレソルダ112およびはんだバンプ122の一方または両方の表面に形成された錫酸化膜である。酸化膜の除去処理としては、酸を用いる酸処理、還元性ガスのプラズマを照射するプラズマ処理を挙げることができる。また、はんだ表面は、酸化膜の除去処理後も雰囲気中の酸素によって酸化され得るおそれがあるため、上記酸化膜の除去処理は、N2ガスなどの不活性ガスを処理室内に充満させ、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
好ましい実施形態では、製造工程のインライン化を図る観点から、酸化膜の除去処理としては、ドライプロセスであり、大気圧下で行うことができる還元性ガス含有の大気圧プラズマ処理を用いることができる。また、局所的なプラズマ照射を可能とする観点から、また、高密度のプラズマを照射する観点からは、酸化膜の除去処理としては、好適には、大気圧マイクロプラズマジェット処理を用いることができる。あるいは、酸化膜の除去処理として、リニア型の大気圧プラズマ処理を用いることで、複数基板あるいはウエハ全面を一括走査するように処理することもできる。なお、説明する実施形態では、基板110およびチップ120の両方の電極部を酸化膜除去処理の対象としているが、いずれか一方だけを対象としてもよく、その場合には、表面積の大きな方の電極部を対象とすることが有効である。
好適な実施形態による酸化膜の除去処理工程では、還元性ガスの大気圧プラズマ処理として、水素ガス含有(H2/Ar)の大気圧プラズマ処理を施す工程を含むことができる。また、水素ガス含有の大気圧プラズマ処理が施されると、接触角が大きくなり、濡れ性が低下するおそれがあるため、水素ガス含有の大気圧プラズマ処理工程の後、窒素ガス含有(N2/Ar)の大気圧プラズマ処理を施す工程を含むことが好ましい。窒素ガス含有の大気圧プラズマ処理により、水素ガス含有の大気圧プラズマで一旦低下した濡れ性を改善することができる。また、上記大気圧プラズマ処理は、N2ガスなどの不活性ガスを処理室内に充満させ、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
基板110およびチップ120の電極部112,122の表面酸化膜の除去を行った後、工程S104では、基板110上に、電極部112を保護するように無洗浄型フラックス剤114を塗布する。フラックス剤の塗布は、スプレー、スクリーン印刷、インクジェットなどの種々の方式により行うことができる。無洗浄型フラックス剤は、後段のリフロー後にほとんどすべてが蒸発してしまうように、かつ、後段のリフロー中にはんだが溶融する前にフラックス剤が蒸発しきらないように、揮発性を調整した材料を用いることが好ましい。
無洗浄型フラックス剤としては、市販されたまたは特注の種々の材料を用いることができる。無洗浄型フラックス剤としては、特に限定されるものではないが、有機酸、多価アルコール、またはこれらの混合物を含む材料を用いることができ、さらに、これらに添加物を加えた材料を用いてもよい。なお、説明する実施形態では、基板110側にフラックス剤114を塗布する構成としているが、特に限定されるものではなく、チップ120側にフラックス剤が塗布されてもよい。
無洗浄型フラックス剤を塗布した後、工程S106では、基板110およびチップ120それぞれの対応する電極部112,122を接触させるように位置合わせし、チップ120を基板110上に積載する。
基板110にチップ120が積載された後、工程S108では、加熱リフローを行い、積載された基板110およびチップ120の電極部112、122間をはんだ接合102する。加熱リフロー工程では、典型的には、最大温度で220℃〜260℃まで加熱し、接触するはんだバンプ122およびプレソルダ112を溶融接合する。上述した無洗浄型フラックス剤は、好ましくは、加熱リフロー工程中に充分に蒸発し、その後、フラックス剤由来の好ましくない残渣成分は、実質的に残されない。
基板110およびチップ120がはんだ接合された後、好適な実施形態では、工程S110で、基板110およびチップ120のアセンブリ100に対し、特にチップ側壁近傍において、残渣除去処理を施すことができる。残渣除去処理としては、酸化性ガスまたは不活性ガスのプラズマを照射するプラズマ処理を挙げることができる。酸化性ガスの大気圧プラズマ処理としては、酸素ガス含有(O2/Ar)の大気圧プラズマ処理を含むことができる。また、不活性ガスの大気圧プラズマ処理としては、窒素ガス含有(N2/Ar)の大気圧プラズマ処理を含むことができる。好ましい実施形態では、製造工程のインライン化を図る観点から、また高密度のプラズマを照射する観点からは、大気圧プラズマジェット処理を施すことができる。あるいは、リニア型の大気圧プラズマ処理を用いてもよい。残渣除去処理を施すことにより、チップ周辺部に残された微量の残渣成分が除去され、後の工程で充填されるアンダーフィル剤の流れやすさや基板やチップとの密着性が向上し、アンダーフィルとチップや基板との密着強度を向上させることができる。
基板110およびチップ120がはんだ接合された後、好ましくはさらに残渣除去処理が行われた後、工程S112では、キャピラリーフロー工法等により、ノズル262を用いて、はんだ接合された基板110およびチップ120のチップ周辺部分にアンダーフィル剤を塗布し、アンダーフィル剤104を充填する。アンダーフィル剤としては、市販されたまたは特注の種々の材料を用いることができ、特に限定されるものではない。アンダーフィル剤としては、例えば、エポキシ樹脂を用いることができる。
アンダーフィル剤が充填された後、工程S114では、オーブン内で、アンダーフィル剤の硬化温度まで加熱し、充填されたアンダーフィル剤104を硬化させる。上記硬化は、材料にもよるが、典型的には、150℃〜170℃程度の温度下で、2時間程度行われる。アンダーフィル剤の充填および硬化により、基板110およびチップ120の構造が強固に固着される。
図2は、図1に示すフリップチップ接合プロセス中の温度プロファイルを示す図である。図2に示すように、表面酸化物の除去処理(工程S102)、無洗浄型フラックス塗布(工程S104)およびチップ積載(工程S106)などのリフロー前の処理は、通常、常温環境下で行われ、リフロー(工程S108)中、リフロー温度(例えば250℃)まで昇温される。
本実施形態によるチップ接合プロセスでは、無洗浄型フラックス剤の塗布前に電極部のはんだ表面の酸化膜の除去処理が行われる。このため、従来技術のフラックス剤を用いる場合に必要となり、また無洗浄型フラックス剤を用いる場合でも狭ピッチ化された場合に実施が望ましい洗浄工程を省略しても、充分な接続信頼性を得られるようになる。このため、リフロー工程(S108)後からアンダーフィル硬化工程(S114)前までの間、所定温度を維持できるようになる。
上述した加熱リフロー工程(S108)後、アンダーフィル硬化工程(S114)前に行われる残渣除去処理工程(S110)およびアンダーフィル充填工程(S112)中は、リフロー工程におけるピーク温度からの温度差が110℃〜160℃、より好ましくは120℃〜150℃であり、かつ、アンダーフィル剤の硬化温度未満である温度範囲に維持されることが好ましい。上述した温度範囲に維持することにより、リフロー後からアンダーフィルが硬化されるまでの間にアセンブリ100が経験する温度差を低減することができる。
例えば、リフロー最大温度が250℃程度であり、アンダーフィル剤硬化温度が150℃程度であるとすると、好ましくは、100℃〜130℃程度に維持して、残渣除去処理およびアンダーフィル充填を行うことができる。この場合、リフロー最大温度から維持温度までの温度差を、120℃〜150℃程度、つまり常温まで下げる場合に比較して概ね1/2程度から2/3程度まで温度差を抑制することができる。
以上説明した実施形態によるフリップチップ接合プロセスでは、無洗浄型フラックス剤が用いられており、さらに、フラックス剤の塗布前に電極部のはんだ表面の酸化膜の除去処理が行われている。このため、リフロー後の洗浄工程を省略しても、酸化物由来の残渣成分を充分に低減することができ、ピッチ間隔が比較的狭くなっても、高い接続信頼性を維持できるようになる。ひいては、水洗浄工程および水洗浄後の乾燥工程が省略できる分だけ、熱サイクルを削減することができ、基板110およびチップ120間に作用する熱機械的なストレスが緩和される。
また、リフロー後の表面に残される酸化物由来の残渣が減少し、さらに、好適な実施形態では、リフロー後の微量残渣の除去が行われるため、残渣によるアンダーフィルに対する悪影響が低減される。このため、基板110上でのアンダーフィル剤の流れが良好になり、ボイドの発生が防止され、また、アンダーフィル剤と基板110およびチップ120との間の密着性が向上され、ひいては、アンダーフィルの密着強度が向上される。
なお、上記では、有機材料で形成された基板110として説明したが、これに限定されるものではなく、基板110は、有機基板の他、セラミック基板であってもよいし、チップ・オン・チップ(CoC)積層におけるマザーチップ、チップ・オン・ウエハ積層におけるウエハを基板としてもよく、チップを搭載可能ないかなる形態の部材であってよい。また、上記では、シリコンウエハから個片化されたダイをチップ120として説明したが、これに限定されるものではなく、チップ120は、ベア・チップの他、再配線層を含むウエハーレベル・チップサイズ・パッケージ(WL−CSP)、シリコン貫通ビアなどで接続された積層チップなど、基板に搭載可能ないかなる形態の部材であってよい。
以下、本発明の実施形態による製造システムについて、集積回路が形成されたチップを基板上に接合するフリップチップ接合を行う、半導体デバイスの製造システムを一例に説明する。
図3は、本実施形態による半導体デバイスの製造システムを示すブロック図である。好適な実施形態では、製造システム200は、インライン化された製造ラインとして構成される。製造システム200において、基板110、チップ120およびこれらのアセンブリ100は、ローダ、アンローダ、コンベアなどの運搬装置によって、各処理工程が行われる位置へ搬送される。なお、図3は、電極部112,122が形成された基板110およびチップ120の準備が完了した以降からアンダーフィル硬化までの製造ラインを示している。
本実施形態による製造システム200では、無洗浄型フラックス塗布装置220の前段に、表面酸化膜除去装置210が設けられている。表面酸化膜除去装置210は、搬送される基板110およびチップ120それぞれの電極部112,122に対し、不活性雰囲気下、還元性ガス含有の大気圧プラズマを照射し、電極部112,122の表面酸化物を除去する。
図4は、本実施形態による製造システム200における表面酸化膜除去装置210の構成を示す図である。図4(A)は、側面図を示し、図4(B)は、上面図を示す。図4に示す表面酸化膜除去装置210は、処理室212と、この処理室212内に基板110およびチップ120を搬送するベルト202と、複数のプラズマヘッド214,216とを含み構成される。
プラズマヘッド214は、搬送される基板110およびチップ120の電極部112,122に対し、還元性ガス含有(H2/Ar)の大気圧マイクロプラズマを照射する。これに対して、プラズマヘッド216は、還元性のプラズマヘッド214の後段で、電極部112,122に対し、不活性ガス含有(N2/Ar)の大気圧マイクロプラズマを照射する。
プラズマヘッド214,216は、高周波電源からの電力供給およびガスボンベ等からのガス供給を受けて、誘導結合方式によりプラズマを発生させる。プラズマヘッド214,216は、ベルト202上を搬送される基板110およびチップ120の電極部112,122が通過するタイミングで走査されて、電極部112,122に対応した小領域にプラズマ照射を行う。例えば還元性ガスの場合について説明すると、放電管に導入されたArガスが活性化されてArプラズマが生成され、この生成したArプラズマが、混合器中に供給されるH2/ArガスのArガスおよびH2ガスを次々に活性化させる。電極部112,122の表面の錫酸化膜は、活性化された水素プラズマに晒されることで、還元される。
上記処理室212には、入口側カーテン212INと、出口側カーテン212OUTとが設けられる。カーテン212IN,212OUTは、それぞれ、搬送される基板110およびチップ120を処理室212内に出し入れを可能とする開閉部材であり、また、処理室212内の酸素濃度を一定の水準以下に保つため、供給される不活性ガス(例えば窒素ガス)を内部に滞留させる手段である。処理室212内の酸素濃度を低減させることにより、酸化物除去処理が施された電極部112,122の表面酸化を防止し、ひいては、リフロー後に残される酸化物由来の残渣成分を低減することができる。
再び図3を参照すると、製造システム200では、表面酸化膜除去装置210の後段に、無洗浄型フラックス塗布装置220およびチップ積載装置230が設けられている。無洗浄型フラックス塗布装置220は、無洗浄型フラックス剤を基板110上に塗布する。チップ積載装置230は、電極部122を上側に向けて搬送されるチップ120をピックアップし、チップ120の電極部122が、基板110の対応する電極部112に対向するように、チップ120をフェースダウンさせて位置決めし、電極部112,122を接触させて基板110上にチップ120を積載する。
チップ積載装置230の後段には、リフロー炉240が設けられている。リフロー炉240内は、典型的には窒素雰囲気下で、250℃程度に常時保たれている。コンベアにより積載された状態で搬送された基板110およびチップ120は、リフロー炉240内で加熱されて、はんだ接合し、リフロー炉240外へ搬送される。
リフロー炉240の後段には、好適な実施形態では、残渣除去装置250が設けられている。残渣除去装置250は、コンベアにより搬送されるアセンブリが通過するタイミングで、チップ周辺部分を走査し、チップ側壁部分にプラズマ照射を行う酸化性ガス含有または窒素ガス含有の大気圧マイクロプラズマを照射するプラズマヘッドを含む。
リフロー炉240の後段、好ましくは残渣除去装置250の後段には、アンダーフィル充填装置260が設けられている。アンダーフィル充填装置260は、ノズル262により、搬送されるアセンブリ100のチップ周辺部分にアンダーフィル剤を塗布し、基板110およびチップ120間の間隙に行きわたらせる。
製造システム200には、さらに、上記残渣除去装置250およびアンダーフィル充填装置260において、ホットプレート280が設けられる。ホットプレート280は、残渣除去装置250でのプラズマ処理およびアンダーフィル充填処理の間、リフロー炉240内の温度からの温度差が120℃〜150℃であり、かつ、アンダーフィル剤の硬化温度未満である範囲に温度を維持する。
アンダーフィル充填装置260の後段には、アンダーフィル硬化オーブン270が設けられている。アンダーフィル硬化オーブン270は、搬送されてくるアンダーフィル充填済みのアセンブリ100を収容し、アセンブリ100を硬化温度で数時間加熱し、アンダーフィルの硬化を完了させる。
以上説明した実施形態による製造システム200では、無洗浄型フラックス剤の塗布前の表面酸化膜除去が、還元性の大気圧マイクロプラズマの照射によって行われる。チップ積載前は、通常、図4(B)に示すように、ダイシングテープTなどの有機材料上にチップ120が準備されているが、大気圧マイクロプラズマヘッドを用いることにより、電極部112,122以外の部分へのプラズマ照射が防止される。
また、本実施形態による表面酸化膜除去装置210では、還元性のプラズマヘッド214の後段に不活性ガス含有の大気圧マイクロプラズマを照射するプラズマヘッド216が設けられている。窒素ガス含有の大気圧プラズマ処理により、水素ガス含有の大気圧プラズマにより一旦低下した濡れ性を好適に改善することができる。
さらに、本実施形態による表面酸化膜除去装置210では、不活性ガスが、処理室212内に導入され、カーテン212IN,212OUTにより処理室212内に滞留させられる。このため、処理室212内の酸素濃度が低下し、ひいては、はんだ表面の錫酸化膜の再形成が防止され、リフロー後の酸化物由来の残渣成分を好適に低減することができる。
また、図5に示す従来技術のチップ接合プロセスでは、水洗浄後の乾燥工程(S14)、真空酸素プラズマ処理工程(S15)がバッチ処理されるため、チップおよび基板の処理室内への出し入れにより、外部の空気に晒され、さらなる熱サイクルを経験してしまう可能性があった。しかしながら、上述した実施形態による製造システム200では、チップおよび基板の準備後からアンダーフィル硬化までインライン化することができるので、各処理室内への出し入れによる余分な熱サイクルを回避することができる。さらに、大気圧酸素プラズマ処理を採用しているので、温度を維持しながら、インラインでチップ接合後の微量残渣の除去を行うことが可能となり、アンダーフィルの密着性をさらに向上させることが可能となる。
なお、上述した実施形態では、各装置210〜270について、各機能を専ら担当する個別の装置として説明してきたが、製造システム200は、これらの装置210〜270の機能のうちの複数の機能を有する複合的な装置を含んでいてもよい。例えば、上述した実施形態では、チップ積載装置230によりチップを搭載した後、リフロー炉240に基板110およびチップ120が搬送されるものとして説明したが、チップ積載装置230およびリフロー炉240は、チップの搭載および接合を略同時に実行するフリップチップボンダとして実装されてもよい。また、プラズマヘッドとして、小領域にプラズマ照射を行う大気圧マイクロプラズマジェットのプラズマヘッドについて説明したが、上述したようにリニア型の大気圧プラズマヘッドを用いてもよい。
以上説明したように、本発明の実施形態によれば、接合後に残される残渣成分を低減することで、接合後に洗浄工程を行わなくても、充分な信頼性高くチップおよび基板を接合することができる、チップおよび基板の接合方法が提供される。さらに、本発明の実施形態によれば、上記接合方法により接合されたチップおよび基板を含む半導体装置、該半導体装置を製造するための製造システムおよび酸化膜除去装置が提供される。
上述した実施形態による接合方法、半導体装置、製造システムおよび酸化膜除去装置によれば、従来では、機械的な特性の不足により適用することができなかった低誘電率材料を配線層に用いることができるようになり、半導体装置の性能向上を図ることが可能となる。また、チップ準備後から、アンダーフィルを硬化するまでの工程をインライン化することにより、上記機械特性の不足に起因するホワイトバンプの発生を回避しつつ、半導体装置の製造コストを削減することが可能となる。さらに、3次元デバイスを含むハイエンドの半導体モジュールにおいて必要とされる微細ピッチの電極間接合においても、フラックス残渣のリスクが少ないため、洗浄工程を省略した熱機械的なストレスが小さなインライン製造プロセスを実現することができる。
これまで本発明を、特定の実施形態をもって説明してきたが、本発明は、上述までの実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
以下、本発明の実施形態によるチップ接合プロセスについて、実施例を用いて、より具体的に説明する。しかしながら、本発明は、特定の実施例に限定されるものではない。
(実験例1)
SnAg(Ag2.5質量%)はんだバンプのエリアアレイを150μmピッチで形成した20×20×0.725mmのシリコン・チップと、同ピッチでSnAgCu(Ag3.0質量%、Cu0.5質量%)プレソルダを形成した47.5×47.5×0.76mmの有機基板を準備した。
SnAg(Ag2.5質量%)はんだバンプのエリアアレイを150μmピッチで形成した20×20×0.725mmのシリコン・チップと、同ピッチでSnAgCu(Ag3.0質量%、Cu0.5質量%)プレソルダを形成した47.5×47.5×0.76mmの有機基板を準備した。
フラックス塗布前の酸化膜除去処理として、上記シリコン・チップを希塩酸中にディップし、洗浄および乾燥した。続いて、無洗浄型フラックス剤(ナミックス株式会社製)を、有機基板の電極部にスプレー塗布し、酸化膜除去処理が行われたシリコン・チップを有機基板に積載し、リフローし、はんだ接合した。リフローは、窒素雰囲気下、最大250℃で50秒間維持して行った。
事前の表面酸化膜除去処理実施によるリフロー後の残渣の低減効果を確認するため、接合後、常温において、有機基板からシリコン・チップを機械的に取り外し、チップ側電極部をXPS(X-ray Photoelectron Spectroscopy)により表面分析した。XPS分析の結果、チップ側電極部表面の炭素原子の濃度は、77.9原子パーセントであり、酸素原子の濃度は、20.57原子パーセントであり、錫原子の濃度は、1.53原子パーセントであった。
(実験例2)
比較例として、実験例1と同一のシリコン・チップおよび有機基板を準備して、無洗浄型フラックス剤を有機基板の電極部に塗布し、表面酸化膜除去処理を施していないシリコン・チップを有機基板に積載し、同様に、リフローし、はんだ接合した。
比較例として、実験例1と同一のシリコン・チップおよび有機基板を準備して、無洗浄型フラックス剤を有機基板の電極部に塗布し、表面酸化膜除去処理を施していないシリコン・チップを有機基板に積載し、同様に、リフローし、はんだ接合した。
接合後、常温で有機基板からシリコン・チップを取り外し、チップ側電極部をXPS表面分析したところ、表面における炭素原子の濃度は、64.15原子パーセントであり、酸素原子の濃度は、23.71原子パーセントであり、錫原子の濃度は、4.74原子パーセントであった。
(実験例3)
さらに、比較例として、実験例1と同一のシリコン・チップおよび有機基板を準備し、無洗浄型ではない通常のフラックス剤を有機基板の電極部に塗布して、表面酸化膜除去処理を施していないシリコン・チップを有機基板にはんだ接合した。接合後、シリコン・チップおよび有機基板からなるアセンブリを、一旦常温に冷却し、50度で水洗浄を行った。
さらに、比較例として、実験例1と同一のシリコン・チップおよび有機基板を準備し、無洗浄型ではない通常のフラックス剤を有機基板の電極部に塗布して、表面酸化膜除去処理を施していないシリコン・チップを有機基板にはんだ接合した。接合後、シリコン・チップおよび有機基板からなるアセンブリを、一旦常温に冷却し、50度で水洗浄を行った。
水洗浄後、常温で有機基板からシリコン・チップを取り外し、チップ側電極部をXPS表面分析した。XPS分析の結果、チップ側電極部表面の炭素原子の濃度は、74.22原子パーセントであり、酸素原子の濃度は、19.15原子パーセントであり、錫原子の濃度は、0.68原子パーセントであった。
(まとめ)
上記実験例1(実施例)、上記実験例2(比較例)および上記実験例3(比較例)のXPS分析結果を表1にまとめる。
上記実験例1(実施例)、上記実験例2(比較例)および上記実験例3(比較例)のXPS分析結果を表1にまとめる。
表1に示す実験例2は、酸化物除去処理を行わない場合の比較例に対応しているが、この場合、チップ電極部表面には、4.74原子パーセントの錫元素が検出された。これは錫酸化物に由来する残渣成分の存在を示している。これに対して、酸化物除去処理を事前実施した上で無洗浄フラックス剤を用いてチップ接合を行う実験例1では、チップ電極部表面の錫濃度が、1.53原子パーセント程度であり、酸化物除去処理を行わない場合に比較して錫元素を含む残渣成分の低減効果が確認された。
表1に示す実験例3は、水洗浄を行う場合に達成される錫原子の濃度の値(概ね目標となる値)を示すが、実験例1の錫原子の濃度は、実験例3と比較してそん色ない値である。なお、実験例1では、チップ側のはんだバンプのみが酸化膜除去処理されており、はんだバンプの1/4程度の面積を有する基板側のプレソルダの酸化膜除去は行われていない。したがって、はんだバンプに加えて、基板のプレソルダの表面酸化膜を除去することにより、錫原子の濃度がさらに減少する可能性がある。
このように、無洗浄フラックス剤を塗布する前に酸化膜除去処理を事前実施することで、洗浄工程を省略しても、リフロー後に電極部に残されるはんだ合金由来の残渣成分を低減できることが示された。超低誘電材料(Ultra Low-k材料)の誘電体層を配線層に用いたチップの場合、最大250℃でのリフロー後、70℃程度まで冷却した場合には、誘電体層の劣化が認められたが、100℃程度までであれば冷却しても誘電体層の劣化が認められなかったという知見がある。したがって、リフロー後、水洗浄工程を省略して、そのまま100℃程度に維持し、アンダーフィル剤の充填を行い、硬化することにより、誘電体層を劣化させずに、充分な接続信頼性を維持できることが期待できる。
100…アセンブリ、102…はんだ接合、104…アンダーフィル、110…基板、112…プレソルダ、114…無洗浄型フラックス剤、120…チップ、122…はんだバンプ、200…製造システム、202…ベルト、210…表面酸化膜除去装置、212…処理室、214…プラズマヘッド、216…プラズマヘッド、220…無洗浄型フラックス塗布装置、230…チップ積載装置、240…リフロー炉、250…残渣除去装置、260…アンダーフィル充填装置、270…アンダーフィル硬化オーブン、280…ホットプレート、500,550…基板、502…プレソルダ、504…フラックス剤、510,560…はんだ接合、512,562…残渣、520,570…チップ、522,572…はんだバンプ、530,580…アンダーフィル、554…無洗浄型フラックス剤
Claims (16)
- チップと基板とを接合するための接合方法であって、
チップおよび基板の少なくとも一方の電極部の酸化膜を除去する工程と、
酸化膜の除去後、無洗浄型フラックス剤を塗布する工程と、
それぞれの電極部を接触させてチップを基板上に積載する工程と、
積載された基板およびチップの電極部間をはんだ接合する工程と、
はんだ接合されたチップおよび基板の間にアンダーフィル剤を充填する工程と
を含む、接合方法。 - 前記酸化膜を除去する工程は、還元性ガス含有の大気圧プラズマ処理を施す工程を含む、請求項1に記載の接合方法。
- 前記酸化膜を除去する工程は、水素ガス含有の大気圧プラズマ処理を施す工程と、窒素ガス含有の大気圧プラズマ処理を施す工程とを含む、請求項1に記載の接合方法。
- 前記大気圧プラズマ処理は、不活性ガス雰囲気下で行われる、請求項2または3に記載の接合方法。
- 前記はんだ接合する工程後、前記充填する工程前に、大気圧プラズマ処理により残渣成分を除去する工程をさらに含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の接合方法。
- 前記残渣成分を除去する工程および前記充填する工程中、前記はんだ接合する工程中のリフローのピーク温度からの温度差が120℃〜150℃であり、かつ、前記アンダーフィル剤の硬化温度未満である温度範囲に維持される、請求項5に記載の接合方法。
- 前記チップは、比誘電率が2.7以下である誘電体層を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の接合方法。
- チップと基板とが接合された半導体装置であって、前記チップおよび前記基板の少なくとも一方の電極部の酸化膜を除去した後、無洗浄型フラックス剤を塗布し、積載された前記基板および前記チップ間の電極部間をはんだ接合して、前記チップおよび前記基板の間にアンダーフィル剤を充填して形成される、半導体装置。
- チップおよび基板が接合された半導体装置を製造するための製造システムであって、
チップおよび基板の少なくとも一方の電極部の酸化膜を除去する酸化膜除去装置と、
前記酸化膜除去装置の後段に設けられ、無洗浄型フラックス剤を塗布するフラックス塗布装置と、
それぞれの電極部を接触させてチップを基板上に積載する積載装置と、
積載された基板およびチップの電極部間をはんだ接合させるリフロー炉と、
はんだ接合されたチップおよび基板の間にアンダーフィル剤を充填するアンダーフィル充填装置と
を含む、製造システム。 - 前記酸化膜除去装置は、
チップおよび基板の少なくとも一方の電極部に対し、不活性雰囲気下、還元性ガス含有の大気圧プラズマ処理を施す還元性プラズマ処理装置
を含む、請求項9に記載の製造システム。 - 前記リフロー炉と前記アンダーフィル充填装置との間に設けられ、大気圧プラズマ処理により残渣成分を除去する残渣除去装置をさらに含む、請求項9または10に記載の製造システム。
- 前記残渣除去装置および前記アンダーフィル充填装置において、大気圧プラズマ処理および充填中、前記リフロー炉内の温度からの温度差が120℃〜150℃であり、かつ、前記アンダーフィル剤の硬化温度未満である範囲に温度を維持するためのヒータ装置をさらに含む、請求項11に記載の製造システム。
- 前記酸化膜除去装置、前記フラックス塗布装置、前記積載装置、前記リフロー炉および前記アンダーフィル充填装置は、インラインで実装される、請求項9〜12のいずれか1項に記載の製造システム。
- 無洗浄型フラックス剤を塗布するためのフラックス塗布装置の前段に設けられる酸化膜除去装置であって、
処理室と、
前記処理室内にチップおよび基板の少なくとも一方を搬送する搬送装置と、
前記搬送装置により搬送されるチップおよび基板の少なくとも一方の電極部に対し、還元性ガスの大気圧プラズマ処理を施す還元性プラズマ処理装置と、
前記搬送装置により搬送されるチップおよび基板の少なくとも一方の電極部に対し、不活性ガスの大気圧プラズマ処理を施す不活性プラズマ処理装置と
を含む、酸化膜除去装置。 - 前記処理室は、不活性ガスを内部に滞留させるための入口開閉部材と、出口開閉部材とを含む、請求項14に記載の酸化膜除去装置。
- 前記酸化膜除去装置は、前記フラックス塗布装置、該フラックス塗布装置の後段の積載装置、および該積載装置の後段のリフロー炉とインライン化される、請求項14または15に記載の酸化膜除去装置。
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KR20220108737A (ko) | 2021-01-27 | 2022-08-03 | 아이메카테크 가부시키가이샤 | 범프 형성 장치, 범프 형성 방법, 땜납 볼 리페어 장치, 및, 땜납 볼 리페어 방법 |
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- 2013-11-26 JP JP2013243644A patent/JP2015103688A/ja active Pending
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