JPH11162800A - 微小ドットマークが刻印されてなる半導体ウェハ - Google Patents

微小ドットマークが刻印されてなる半導体ウェハ

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JPH11162800A
JPH11162800A JP9323081A JP32308197A JPH11162800A JP H11162800 A JPH11162800 A JP H11162800A JP 9323081 A JP9323081 A JP 9323081A JP 32308197 A JP32308197 A JP 32308197A JP H11162800 A JPH11162800 A JP H11162800A
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彰 森
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Hideaki Okubo
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  • Laser Beam Processing (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】微小なドットマークであるがゆえに従来ではマ
ーキング領域としては予測し得ない部位に視認性の低下
が少ない微小なドットマーキングがなされ、多様な表面
処理を経ても十分に視認性が維持される半導体ウェハを
提供する。 【解決手段】ビームホモジナイザ(20)により前記レーザ
発振器(10)から照射されるレーザビームのエネルギー分
布を均整化し、これを所望のマークパターンを表示した
1ドットの最大長さが50〜2000μmである前記液
晶マスク(30)に照射する。一方、ビームプロファイル変
換手段(40)を前記液晶マスク(30)のドットマトリックス
に対応する同一サイズのドットマトリックスにて構成
し、前記ビームプロファイル変換手段(40)を通過させ
て、レーザビームのエネルギー密度分布をドット単位で
所望の形状に成形したレーザビームを、前記レンズユニ
ットにより1ドットの最大長さが1〜15μmとなるよ
うに縮小し、前記半導体ウェハ表面のスクライブライン
(SL)上に結像させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は半導体ウェハ表面の
所定領域に微小で且つ視認性に優れたドットマーキング
がなされた半導体ウェハに関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程にあっては、各工程ごと
に多様で且つ厳密な製造条件を設定する必要があり、こ
れらを管理するために、半導体ウェハの一部表面に数
字、文字或いはバーコードなどからなるマークがドット
表示される。しかして、半導体の製造工程数は100工
程以上にもおよび、しかも各工程において多数の素子形
成処理や平坦化処理がなされる。これらの処理には、例
えばレジスト塗布、レジスト上へのパターンの縮小投影
やレジスト現像、或いは銅配線などにより発生するギャ
ップの埋め込みのための絶縁膜や金属膜などの各種の成
膜による平坦化がある。
【0003】一方、上記ドットによるマーキングは、通
常、連続パルスレーザビームを光学系を介して半導体ウ
ェハの一部表面に照射することによりなされる。しか
も、このマーキングは一回に限らず、各製造工程の履歴
特性を知るためにも、各製造工程にて必要最小限の履歴
データをマーキングすることが多い。しかしながら、半
導体ウェハにおけるマーキングは極めて狭い領域に限ら
れているため、マーキングされるドットの大きさ及び数
にも限界があり、そのマーキング領域の広さ、ドットの
大きさ、ドット数がSEMI規格などにより規定されて
いる。
【0004】ドットマーキングがなされた半導体ウェハ
は、例えば特開平2−299216号公報に開示されて
いる如く、He−Neレーザのレーザ光の照射による反
射率の変化、或いは通常のレーザ光の熱波の振動の変化
として読み取られ、その読み取られた情報に基づき、以
降の製造工程における各種の製造条件が設定される。従
って、前述の読み取りが正確になされず、誤った情報と
して読み取る場合には、偶然を除くと全てが不良品とな
る。その読み取り不良の原因の大半はドットマーキング
によるマークの不鮮明さに基づいている。この不鮮明の
1つの要因としては、マークを形成するドットの深さが
少ない場合に、上述の成膜によるドットが埋没があり、
そのためドットの深さをある程度深くする必要がある。
【0005】そこで、所要のドット深さを得ようとし
て、通常は1回の大エネルギーのレーザビーム照射によ
り半導体ウェハの一部をスポット状に溶融除去してドッ
トを形成しているが、この場合に溶融除去された溶融物
がドット周辺に高く堆積し、或いは飛散してその飛散物
がドットの周辺部に付着し、素子形成を不可能にしたり
して品質に大きな影響を与える。更には、YAGレーザ
によるドットマーキングの場合には、YAGレーザの特
殊性により、或いはそのQスイッチ操作のためレーザ出
力に変動が生じやすく、ドットの深さや大きさにバラツ
キが生じる。
【0006】かかる不具合を解消すべく、例えば特開昭
59−84515号公報、特開平2−205281号公
報によると、比較的小さいエネルギーのパルスレーザ光
を同一ポイントに重複して照射するものがある。前者に
あっては、1個のドットを形成するにあたり各パルスご
とに順次ドット径を小さくして、同一ポイントに複数回
重複して照射し、ドットの穴径を順次小さくしながら深
いドットを形成しており、後者にあっては、1回目のレ
ーザパルス照射を1KHZ 以下の周波数とし、続いて照
射されるレーザパルスの周波数を2〜5KHZ の高繰り
返し周波数として、0.5〜1.0μm或いは1.0〜
1.5μmの深さのドットを形成している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかして、上記ドット
に対する読み取りの不鮮明さ(以下、視認性という。)
の原因の一つとしては上述の深さにあることも確かでは
あるが、ドットの深さが深くされていても、その開口部
の径が大きい場合には、例えば所要の深さを得るに十分
なレーザ光を照射しても、そのエネルギー密度は一般に
ガウシアン分布であるため、穴内部が全体として滑らか
な曲面となってしまい、上述の如き読み取り手段では周
辺との差を判断しがたい場合が生じる。
【0008】一方、上記特開平2−205281号公報
にはドット深さについて上述の如く0.5〜1.0μm
或いは1.0〜1.5μmである旨が具体的に記載され
ているが、その径については何ら記載がなく、またその
ドット形状についてもガウシアン形状であると紹介され
ているに過ぎない。
【0009】また、上記特開昭59−84515号公報
の開示によれば、第1回目のドットの開口径が100〜
200μmに対して深さが1μm以下とあり、具体的に
は4回のレーザ光照射がなされることが記載されている
ことから、この場合のドット深さはせいぜい3〜4μm
である。また同公報の図面から、1回に形成されるドッ
ト形状もガウシアン形状に近似している。
【0010】従って、これらの公報に開示されたマーキ
ング方法によって、所要のドット深さ及びある程度の均
整な大きさのドットが形成されるとは考えられるが、形
成されたドット形状は従来の形状に近いため、上記視認
性の点では相変わらず確実性に欠けているといわざるを
得ない。また、形成されるドットの大きさ(径)につい
てみても、これを微小にするという点について格別の開
示がなされていないことから、従来の寸法を変更するも
のではなく、従って現時点における、例えばSEMI規
格で規定された数値を踏襲しているに過ぎず、ドット数
及びドット形成領域の広さについても実質的には大幅な
増加が期待できない。
【0011】また、上記各公報に開示されたマーキング
も同様であるが、従来のこの種のマーキングは、例えば
特開平6−301690号公報や特開平2−29921
6号公報にも開示されているごとく、半導体ウェハのオ
リエンテーションフラット部の近傍や各チップの集積回
路加工面の周辺部の余白領域に、製造された半導体装置
の品種名、ロット名、ウェハ番号などの識別コードがマ
ーキングされる。
【0012】しかして、前述のごとく集積回路の加工面
であるかぎり、たとえその余白領域ではあっても、上述
のドットマーキングの視認性が維持される保障はない。
何となれば、半導体ウェハの前記集積回路の加工面には
上述のごとく多様な成膜工程とその部分的な除膜工程が
繰り返されること、更には特にウェハ周辺部が把持と開
放が繰り返される領域であることから表面管理が他の部
分よりもしにくいため、前記成膜時、或いは同膜の除去
時に、前記成膜のためドットマークが埋め込まれ、或い
は除膜が過剰に過ぎてマーク深さが浅くなり、複数の処
理を経るたびにその視認性の低下を来すことが多い。
【0013】本発明は、かかる従来の課題を解消すべく
なされたものであり、その具体的な目的は、微小なドッ
トマークであるがゆえに従来ではマーキング領域として
は予測し得ない部位に視認性の低下の少ないマーキング
がなされることを可能にし、多様な表面処理を経ても十
分に視認性が維持し得る半導体ウェハを提供することに
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段及び作用効果】ところで、
従来の半導体ウェハに対するドットマーキングは上述の
如くすべからく半導体ウェハ表面の周辺部であるか、或
いは半導体ウェハの裏面になされる。しかるに、半導体
ウェハは既述したとおり半導体素子の各製造工程におい
て把持と開放が繰り返されるため、その周辺部は様々な
影響を受けやすい。また、上記各種の成膜やその除去に
あたっても、ウェハの素子形成領域である中央部にあっ
ては処理が厳格に管理されているため、多工程を経たの
ちにもウェハ表面の形態は安定しているが、ウェハ周辺
部は機械的又は吸着などによる把持部であって、例えば
その領域の成膜量や除膜量を厳密に制御することは不可
能である。そのため、前記ドットマークがレーザマーキ
ングによる場合には、穴内の膜が蓄積され厚くなりやす
く、また除膜量が大きすぎると穴周辺のウェハ本体まで
も削り取り穴の深さを浅くしてしまい、既述したとおり
視認性を低下させてしまう。これは、何もドットマーク
が穴形状でなく、フォトリソグラフィによるドットマー
キングについても同様のことが言える。
【0015】そこで、本発明者等は最も表面状態の変化
が少ない素子形成領域である半導体ウェハの中央部にド
ットマークが形成できれば、視認性が確保しやすいと考
えた。しかるに、素子形成領域に直接ドットマークを形
成することは不可能である。そこで、請求項2に係る発
明にごとく、特に半導体ウェハを素子単位に切断すると
きの切断領域であるスクライブラインに着目した。
【0016】前記スクライブラインは、既述したように
集積回路製造の各工程にて厳格に管理される。その最終
形態はシリコン( 半導体) が露出した状態にある。通常
は、途中の工程にあっても厳しく管理されるため露出シ
リコンに非常に近い状態を維持している。従って、この
スクライブラインはドットマーキング領域としては、特
に理想的な場所であるといえる。
【0017】かかる前提の下に更に検討を重ねた結果、
前記スクライブライン以外にもドットマーキングが可能
な領域があることを知った。通常、半導体ウェハには最
終製品としての半導体素子を形成する領域内に、試験用
のチップ形成領域がある。また、半導体ウェハの周辺部
には、個々のデバイス単位をなすチップの不完全形成領
域が存在する。更には、各素子の周辺部に露出する多数
の引出し電極のうち、いくつかが実際には使用されない
余分の電極として存在する。従って、本件請求項3〜5
に係る発明のごとく、これらの部分にもドットマークの
形成が可能であれば極めて有効である。また、従来と同
様に半導体ウェハの側面も本発明のドットマーキング対
象領域となり得る。
【0018】しかし、前記スクライブライン、試験用チ
ップ形成領域、或いは引出電極やオリエンテーションフ
ラットの側面は、いずれにしてもドットマーキングので
きる面積は限られてしまい、多数のマークを形成しよう
とすれば、従来と同様の寸法形態をもつドットマークで
は何ら意味をなさない。これに対し、スクライブライン
に微小ドット径で英数文字を刻印してデータを書き入れ
ることによって新たな自由度が開けてくる。8in.の
半導体ウェハでは、スクライブラインの全長は少なくと
も30cm以上が可能であり、これは各段に大きなデー
タ空間であると言える。
【0019】このデータ空間の拡大は従来では予測し得
ない大きなメリットが期待できる。すなわち、2次元コ
ードを自由につかうことができ、また1次元又は2次元
コードに関わらず情報バイト数を格段に増やすことがで
きる。従って、同一情報を一度ならず二度三度と書き込
むことが可能となる。図20に矢印で示す領域が、本発
明のドットマーキングが可能な領域の例を模式的に示し
ており、同図におけるDAはスクライブライン、DBは
試験用チップ形成領域、DCはチップの不完全形成領
域、DEは引出し電極表面である。
【0020】しかして、上述の如く従来のドットマーク
のように100〜200μmφの寸法からなる場合に
は、前述のごとき狭小な領域であるスクライブラインで
は如何にしてもマーキング量が少な過ぎ、特に2Dコー
ドによる文字情報はもとより多量のデータ入力は不可能
である。
【0021】本発明者等は、更に従来の各種のドットマ
ーキング装置、方法及びドット形状について改めて詳し
い検討及び分析を行ったところ、微小であるにも関わら
ず視認性を確実にする主な要因はドット形状にあり、そ
の理想的な形状を得るためには従来のマーキング装置及
び方法では実現が不可能であることを知った。
【0022】すなわち、例えば図18に示し、上記特開
平2−205281号公報にも開示されているように、
従来のマーキング装置によれば、先ず半導体ウェハに印
字するための文字入力、マーキングモードが入力部18
において設定される。マーカーコントローラ16は、設
定されたマーキングモードに従って所定の深さをもつド
ットをウェハ15にマーキングするため、超音波Qスイ
ッチ素子2、内部シャッタ5、外部シャッタ7、アッテ
ネータ(光減衰器)12及びガルバノミラー13を制御
し、1個のドットに対して1回のQスイッチパルスでマ
ーキングする。なお、同図中の符号1は全反射鏡、3は
内部アパーチャ(モードセレクタ)、4はランプハウ
ス、6は出力鏡、8はアパーチャ、9はレベリングミラ
ー、10はガリレオ式エキスパンダ、11はアパーチ
ャ、14はf−θレンズ、17はYAGレーザ発振器で
ある。
【0023】かかる一般的なレーザマーキング方式によ
ると、既述したとおり半導体ウェハ表面に照射されるレ
ーザ光のエネルギー密度分布はガウシアン形状を呈して
いるため、ウェハ表面に形成されるドットマークもその
エネルギー密度分布に影響されてドット内面がなだらか
な曲面をなす。これらのマーキング方式は米国特許第
4,522,656号の発明に基づいている。この特許
の特徴は、マーキングするドット径の1.5〜6.5倍
の径をもつレーザ光径をウェハ表面に照射することで、
周囲への熱伝導を防止し、エネルギーを効果的に利用し
て、照射ポイントの中央部を溶融して穴を形成すること
にある。つまり、レーザ光が有するガウシアン形状に分
布されたエネルギー密度を有効に利用する方法であっ
て、前記エネルギー密度分布形状の裾野にあたるレーザ
強度の低い部分のエネルギーを穴加工部の周辺に照射す
ることによって穴周辺部を暖め、穴中央部からの熱伝導
による熱エネルギーの損失を防ぎ、中央部に効果的に穴
加工を実現しようとするものである。
【0024】しかしながら、この方式はレーザエネルギ
ーの一部が直接穴加工に使われず消費されることにな
り、相変わらず非効率的であるばかりでなく、穴の周囲
へのレーザ照射により穴周辺部に熱履歴が残り、そのた
め製品に悪い影響を与えかねない。また、この方式の他
の限界は、1〜15μmの微小ドット径を実現できない
ことである。
【0025】かかる課題は、特に本件請求項9及び10
に係る方法の発明により解決される。請求項9に係る発
明は、レーザ発振器と、前記レーザ発振器から照射され
るレーザビームのエネルギー分布を平滑化するビームホ
モジナイザと、パターンの表示に合わせて前記レーザビ
ームの透過/非透過状態に駆動制御される液晶マスク
と、前記液晶マスクの1ドットに対応して、ドット単位
で前記レーザビームのエネルギー密度分布を所要の分布
形状に成形変換するビームプロファイル変換手段と、前
記液晶マスクの透過ビームをドット単位で半導体ウェハ
表面に結像させるレンズユニットとを備えてなるレーザ
ビームによる微小マーキング装置を用いることが前提と
なる。そして、前記ビームホモジナイザにより前記レー
ザ発振器から照射されるレーザビームのエネルギー分布
を均整化する。
【0026】1ドットの最大長さが50〜2000μm
である前記液晶マスクを駆動制御して所望のマークパタ
ーンを表示して、前記ビームホモジナイザにより均整化
されたレーザビームを前記液晶マスクに照射する。
【0027】一方、前記ビームプロファイル変換手段を
前記液晶マスクのドットマトリックスに対応する同一サ
イズのドットマトリックスにて構成して、前記ビームプ
ロファイル変換手段を通過するレーザビームのエネルギ
ー密度分布をドット単位で所望の形状に成形する。この
ビームプロファイル変換手段により所望の形状に成形さ
れた1ドットごとの各レーザビームを、前記レンズユニ
ットにより1ドットの最大長さが1〜15μmとなるよ
うに縮小して前記半導体ウェハ表面のスクライブライン
上に結像させることにより本発明の半導体ウェハが得ら
れる。
【0028】ここで、本発明の半導体ウェハとは、シリ
コンウェハそれ自体である場合が代表的ではあるが、そ
の他にウェハ表面に酸化膜(SiO2) や窒化膜(SiN) が形
成されたもの、更にはエピタキシャル成長させたウェ
ハ、ガリウム砒素、インジウムリン化合物が表面に形成
されたウェハをも含むものである。
【0029】前記スクライブラインは、既述したとおり
半導体ウェハをチップ単位に切断するための切断領域で
ある。そのため、スクライブラインの状態は集積回路製
造の各工程にて厳格に管理される。その最終形態はシリ
コン( 半導体) が露出した状態にある。一般的には、途
中の工程にあっても厳しく管理されるためシリコンがほ
ぼ露出した状態を維持している。従って、スクライブラ
インはドットマーキング領域としては理想的な場所であ
るといえる。
【0030】請求項2に係る発明は、特に微小なドット
マークによるドットマーキング領域として、前記スクラ
イブラインの領域に着目したものである。従来のドット
寸法では、通常要求されているドット数の形成は不可能
であるため、このドット寸法を微小に形成すべく多様な
実験を繰り返した。この実験により、単に微小な寸法の
ドットマークを形成できれば足りるともいえないことを
更に知った。すなわち、レーザ発振器から照射されるレ
ーザ光を単に縮小して微小なドットマークを形成するだ
けでは、既述したとおりレーザ光のエネルギー密度分布
がガウシアン形状をなすため、微小で且つ深さが浅く、
なだらかな曲面からなる穴形状しか得られない。
【0031】穴に対する上記視認性に関しては、穴とそ
の周辺における光の反射方向及びその反射量に大きな差
がある場合に視認性が高くなることは理解できよう。従
って、既述したとおり穴が開口径との関係において相対
的に深い場合には視認性が高くなることは、一定の入射
角度で入射された穴内部における反射光はその反射方向
が一律ではなく乱反射するため、穴の開口から外部に出
射して来る反射光が少なくなり、一方で穴周辺部が平滑
面であることを前提とすれば、その周辺部における反射
光は一定方向に反射することから明度が高くなる。その
明暗の差が大きい場合に視認性は高くなるといえる。
【0032】図16(a)は穴径に対する深さが相対的
に浅く、同時に既述したように穴周辺部に溶融して堆積
した部分を有するドット形状をもつ従来の穴の反射光の
方向と穴の視認性を示している。この図からも理解でき
るように、前記堆積部分及び穴底面において穴周辺部と
同一方向に反射する反射光が存在する。そのため穴の反
射光とその周辺部における反射光との間に余り明暗の差
が発生せず、視認性が低くなる。これに対して、図16
(b)からも明らかなように、穴径に対する深さが相対
的に深く、同時に既述したように穴周辺部に溶融堆積物
が存在しない平滑面からなるドット形状の穴では、その
周辺部の反射光は方向性が得られるにも関わらず、穴内
部からの反射光が殆どなくなるため、穴とその周辺との
間の明暗差は大きくなり、視認性も高くなって、ドット
の読み込みが確実になされるようになる。
【0033】視認性を高くする穴形状について、更に詳
しく検討を加えたところ、穴の縦断面において開口部に
おける内壁面が急峻な角度で傾斜するほど、穴とその周
辺部との明暗差が大きくなることが判明した。最も、典
型的な穴形状としては藤壺型で深い形状をもつことが望
ましい。
【0034】そして、かかる形状の微小ドットを一般的
なレーザマーキング装置により形成するには、1ドット
単位に照射されるレーザ光の質及び量に対する高精度な
制御が必要である。大きなビーム径のレーザ光から本発
明でいう微小径のレーザ光を得るには、高品質で高出力
のレーザ光が必要であるが、高出力レーザによる回析現
象のため、これ以上小さく絞ることは困難であり、また
仮に小さく絞れたとしても、レンズの射出角が大きくな
り、焦点深度が極めて小さくなって、実加工ができると
は考えがたい。また、解像度などの点からも超精密のレ
ンズ系が要求される。かかるレンズ系を装備させる場合
には、その設備費が一段と高騰し、経済性の観点からも
適用は不可能である。
【0035】そこで、本発明者等は更に検討を進めた結
果、通常のレンズ系をもってドットの微小化を実現する
には、レーザ発振器から出射されるレーザ光自体を1ド
ットのマーキングに必要且つ十分なエネルギーをもつ小
径のレーザ光に分割変換するとともに、各ドット単位の
レーザ光のエネルギー密度分布を前述の穴形状に加工す
るに相応しいプロファイルに変換することが必要である
ことを知った。そして、かかる好適で且つ均整なプロフ
ァイルを成形するには、その前段階にて前記変換される
以前の各ドット単位のレーザ光におけるエネルギー密度
分布を平滑化しておく必要のあることも分かった。
【0036】前記微小化のための光源を得るには、中央
制御部に書き込まれた各種データに基づいて液晶マスク
の各液晶単位で任意に光の透過・非透過を駆動制御でき
る液晶がマトリックス状に配列された液晶マスクを採用
することが合理的である。
【0037】また、エネルギー密度分布がガウシアン形
状をもつレーザ発振器から出射されるレーザ光のエネル
ギー密度分布を、例えばトップハット形状に類似した平
滑化された形状に変換するには、例えばフライアイレン
ズやバイナリーオプティクス、シリンドリカルレンズを
使用したマスク面上を一括して照射する方式や、ポリゴ
ンミラー、ミラースキャナなどのアクチュエータにより
ミラー駆動してマスク面上をビーム操作する方式を備え
たビームホモジナイザを採用することができる。
【0038】更に、前述のビームホモジナイザによりエ
ネルギー密度分布が平滑化されたレーザ光を、上述の好
適な穴形状が得られるエネルギー密度分布のプロファイ
ルに再変換するビームプロファイル変換器としては、例
えば後述するように回析光学素子、ホログラフィック光
学素子、吸収/透過領域を備えた開口マスク或いは液晶
マスク、凸型のマイクロレンズアレイなどが挙げられ
る。
【0039】すなわち、本発明にあって、図3は前述の
ごときレーザ発振器から出射され、ビームホモジナイザ
によりエネルギー密度分布が平滑化されたビームのエネ
ルギー密度分布を、上記ビームプロファイル変換器によ
り更に様々な形状の穴加工に対応するエネルギー密度分
布のプロファイルに変換したときに得られる各種の穴の
形成過程を模式的に示している。
【0040】この図において注目すべき点は、レーザ光
の光軸付近のエネルギー密度を少なくし、或いは無くす
ことにより内壁面が急峻な傾斜角度をもつ穴形状が得ら
れることである。勿論、これらの図は模式的なものであ
るから、極端に描かれてはいるが、前述のエネルギー密
度分布形状を適当に選択すれば、多様な形状の穴が得ら
れることは、その後の実験により立証されている。
【0041】半導体ウェハ表面に形成される本発明にお
ける微小ドットとは、1ドットの最大長さが50〜20
00μmである液晶マスクを透過するレーザ光がレンズ
系を通して得られる縮小結像、すなわち液晶マスクを透
過するレーザ光の1ドットの最大長さがレンズユニット
を通して1/50〜1/200に縮小され、ウェハ表面
に1ドットの最大長さが1〜15μmとされて照射され
ることより形成されるドットマークの寸法をいう。これ
らの値は、例えばSEMI規格で許容されるドットマー
ク寸法の最大限の値である100μmと比較すると、3/
20〜1/100 であって、如何に微小な寸法であるか理解で
きよう。
【0042】一方で、既述したように半導体基板の複数
の製造工程にあっては、その各工程でマーキング部分に
成膜やエッチングなどが繰り返されるため、徐々にその
表面が荒れてきたり、或いはマーク穴が浅くなる可能性
が高い。特に、前述のごとき微小な径をもつドットマー
クでは、その影響を受けやすく上述の視認性を著しく低
下させる。この低下の度合は、従来の技術ではドットマ
ークの刻印をやむを得ず最も表面管理が難しい半導体ウ
ェハの周縁部に施したために甚だ大きなものであった。
【0043】上述のごとく本発明によれば、微小ドット
の形成が可能となり、且つ狭小な領域にあっても充分な
数のドットマークを形成することが可能となるため、本
件請求項6〜8ではそれらのドットマークにより特に2
Dコードのエンコード態様を具体的に規定している。す
なわち、請求項6に係る発明にあっては2Dコードの同
一のドット形成領域内に重要データが重複してドットマ
ーキングをなしており、請求項7に係る発明では同一工
程内で2Dコードの異なるドット形成領域内に同一内容
の2Dコードをドットマーキングしている。また、請求
項8に係る発明にあっては前記同一内容からなる複数の
2Dコードのドットマークが異なる深さで形成される。
かかるエンコード態様を採用することにより、読取り率
が一段と向上する。
【0044】本件発明により狭小なマーキング領域に前
述のごとく多数の情報をエンコードできることは極めて
有利である。例えばSEMI規格No.M13−88に
おいてウェハID番号として18桁まで登録が可能であ
り、1〜8桁:ウェハ識別番号、9〜10桁:ベンダー
コード、11〜14桁:抵抗率識別、15:ドーパント
種類、16:F;結晶方位、及び17,18桁:チェッ
ク文字と規定されている。ここで、例えばこれらのマー
ク上に成膜の一部がかかったり、かすれたりして、全て
の情報が取り出せないことがあり得る。
【0045】そこで、ウェハの識別番号のみを18桁の
後にエンコードさせることにより、たとえ前述のような
事態により1〜8桁の情報が取り出せない場合にも、1
9桁移行のドットマークを読みだすことにより、結果と
して全情報が取り出せることになる。また、1つのマー
キング領域外の複数の領域に同一のマーキングが重複し
て可能であれば、そのうちの1の領域において読み出し
が不可能であっても他のいずれかの領域において補完さ
れるため信頼性が確保される。更には、マーク読み出し
手段が異なる場合に、同一内容からなる複数の2Dコー
ドのドットマークが異なる深さで形成してあれば、多様
な読み出し手段に対応が可能となる。
【0046】ところで、上記液晶マスクに対するレーザ
ビームの照射には、一括照射又は液晶マスクに対してレ
ーザビームを走査させて照射する方法が採用できる。一
括照射による場合には、マークを分割して液晶マスク上
にパターン表示させることが望ましく、全てのマークを
一括して照射する場合には装置の大型化につながりやす
く、コストアップと設備の専有空間の増加を招き、格別
の事情がないかぎり採用しがたいが、走査方式を採用す
る場合には、これらの課題はほぼ解消されるため、この
走査方式の採用が一般的である。前記分割方式又は走査
方式を採用する場合に、1回の照射範囲は、本発明にあ
って上記ホモジナイザを通して変換されたトップハット
型のエネルギー密度分布形状のレーザ光にあって液晶マ
スクの100前後のドット数の範囲を1回で捉えること
ができるものである。勿論、レーザ出力とその断面形状
により前記数値範囲は異なることになる。
【0047】更に、本件請求項11に係る発明にあって
は、上記請求項10に係る発明の構成に加えて、更に前
記1ドットごとの加工深さを0.5〜10μmと規定し
ている。上述の穴形状に加えてその加工深さを0.5〜
10μmと規定することにより、たとえマーキング部分
に成膜やエッチングなどの加工が繰り返しなされても、
ドットマークと周辺との間に明暗差が維持され、視認性
が確保される。
【0048】一般に、この種のレーザ光によるドットマ
ーキングは、ウェハ表面にパーティクルが飛散して付着
することを防止するため、主にソフトマークと呼ばれる
溶融現象を利用した穴加工がなされており、穴周辺に盛
り上がり部が形成され、レーザ光のエネルギー密度分布
形状と異なったものとなる。図4(a)は従来のガウシ
アン形状のエネルギー密度分布をもつ一般的なレーザ光
により形成される穴形状を示しており、同図(b)は本
発明により形成される穴形状を示している。また、図5
(a)(b)は前記穴形状をもつ各ドットマークを光学
的読み取り装置により読み取ったときの、穴とその周辺
部との明暗差を示している。
【0049】これらの図から理解できるように、従来の
ソフトマークでは、穴が浅いことと、その縦断面形状が
なだらかな曲面をなすに過ぎないため、元々が穴と周辺
部との明暗差が少なく、しかも、例えば化学機械的研磨
(Chemical Mechanical Poli-shing 、以下単にCMPと
いう。 )などの処理により穴表面が削られ、或いは穴に
厚い膜が形成されるなどして、更に穴深さが浅くなり、
穴とその周辺部との明暗差が更に低下することになる。
【0050】これに対して、本発明のごとくビームプロ
ファイル変換器によりレーザ光のエネルギー密度分布形
状を、急峻な傾斜角度を有し、且つ深い穴形状を得るに
適した形状に変換して形成される穴形状によれば、マー
キング後に複数の成膜処理やエッチングなどがなされて
も、上記明暗差の低下が少なく、視認性が永く維持され
る。
【0051】上記ビームプロファイル変換手段は前記液
晶マスクの前後のいずれに配してもよい。すなわち、レ
ーザ発振器から出射されるレーザ光を、一旦ビームホモ
ジナイザを通して尖頭値が均整に揃ったエネルギー密度
分布をもつプロファイルに成形したのち、これを液晶マ
スク又はビームプロファイル変換手段を通して各ドット
単位に分割し、各ドットごとに上述のごとく所望の形状
で且つ同一形状のプロファイルをもつエネルギー密度分
布に変換する。
【0052】しかして、前記液晶マスクとビームプロフ
ァイル変換手段との配置間隔は、ウェハ表面に照射され
る結像に崩れを生じさせない点で重要な要素をなすもの
である。つまり、前記液晶マスクの1ドットの最大長さ
を、前記ビームプロファイル変換手段と前記液晶マスク
との配置間隔の0.1〜10倍に設定する。かかる範囲
に前記配置間隔を規定することにより、ウェハ表面に照
射される結像に崩れが生じない。
【0053】更に請求項7に係る発明にあっては、ウェ
ハ表面にドットマーキングのための穴加工を施すに必要
十分なレーザ光エネルギーを付与するため、例えば液晶
マスクの駆動電圧を制御して前記液晶マスクの透過率を
制御し、或いは同時に前記ビームプロファイル変換手段
によるエネルギー密度分布形状を変更させて、レーザ光
のエネルギー及び/又はその尖頭値の形状を制御する。
【0054】そして、前記ビームプロファイル変換手段
としては、通常、屈折現象を利用する光学部材などを採
用できる。また、最も望ましいドット形状は藤壺型であ
り、この場合のレーザ光のエネルギー密度分布形状は、
図3(b)に示すごとくガウシアン形状の尖頭部分を凹
状に陥没する形状に設計する。勿論、本発明にあって、
ドット形状は前述の藤壺型に限定されるものではなく、
例えば同図(c)に示すごとく穴底面を凹凸にするため
1ドット単位のレーザ光を更に複数に分割したエネルギ
ー密度分布形状を採用する場合もある。
【0055】本発明の微小マーキングは、以上の微小マ
ーキング方法を使って実施される。その代表的な方法
は、前記ビームホモジナイザにより前記レーザ発振器か
ら照射されるレーザビームのエネルギー分布を均整化す
ること、1ドットの最大長さが50〜2000μmであ
る前記液晶マスクを駆動制御して所望のパターンを形成
し、前記ビームホモジナイザにより均整化されたレーザ
ビームを前記液晶マスクに照射すること、前記ビームプ
ロファイル変換手段を前記液晶マスクのドットマトリッ
クスに対応する同一サイズのドットマトリックスにて構
成すること、前記ビームプロファイル変換手段を通過す
るレーザビームのエネルギー密度分布をドット単位で所
望の形状に成形すること、及び前記ビームプロファイル
変換手段により所望の形状に成形された1ドットごとの
各レーザビームを、前記レンズユニットにより1ドット
の最大長さが1〜15μmとなるように縮小して前記半
導体ウェハ表面に結像させることを特徴としている。更
に、請求項10の発明のごとく、前記1ドットごとの加
工深さを0.5〜10μmとすることが既述した理由か
ら望ましい。
【0056】
【発明の実施形態】以下、本発明の好適な実施の形態を
レーザマーキング装置によるドットマーキングについて
添付図面に基づいて具体的に説明する。勿論、本発明は
微小なドットマーキングが可能であれば、レーザマーキ
ング装置に限定されるものではなく、例えばリソグラフ
ィによっても実施が可能である。
【0057】図1は本発明の微小ドットマーキングを形
成するためのレーザマーキング装置と、そのマーキング
原理とを模式的に示した説明図であり、図2は液晶パタ
ーンに従った微小マーキングの形成原理を同じく模式的
に示す説明図である。
【0058】図1において、符号10はレーザ発振器、
20はビームホモジナイザ、30は液晶マスク、40は
ビームプロファイル変換器、50は結像レンズユニッ
ト、Wは半導体ウェハである。ここで、本発明における
半導体ウェハとはシリコンウェハのみならず、同ウェハ
表面に酸化膜や窒化膜が形成されたもの、更にはエピタ
キシャル成長させた半導体ウェハ、ガリウム砒素、イン
ジウムリン化合物などにより成膜された半導体ウェハ一
般を総称するものである。
【0059】本実施例にあっては、レーザ発振器10か
ら出射されるガウシアン形状のエネルギー密度分布を有
するレーザ光を、まずビームホモジナイザ20を通し
て、尖頭値がほぼ均一なトップハット型のエネルギー密
度分布形状(B)に成形する。
【0060】前記ビームホモジナイザ20は、例えばガ
ウシアン形状のエネルギー密度分布をもつレーザ光を、
平滑化されたエネルギー密度分布の形状に成形するため
の光学部品を総称する。この光学部品としては、例えば
フライアイレンズやバイナリーオプティクス、シリンド
リカルレンズを使用して、そのマスク面上に一括照射す
るか或いはポリゴンミラーやミラースキャナなどのアク
チュエータによるミラー駆動によってマスク面上を走査
させる方式がある。
【0061】こうしてエネルギー密度分布が均一に成形
されたレーザ光は、次いで液晶マスク30の表面に照射
される。このとき、液晶マスク30は広く知られている
ように所要のマーキングパターンをマスク上に駆動表示
することが可能であり、図2に示すごとく前記レーザ光
は同パターン表示領域内の光透過可能な状態にあるドッ
ト部分を透過する。この各ドットごとに分割されて透過
したのちの各透過光のエネルギー密度分布も、前記ビー
ムホモジナイザ20により成形された形状(B)と同一
であって均一に分布されている。
【0062】また、本実施例にあって前記液晶マスク3
0に1回で照射する領域は、ドット数で5×10〜10
×10個であり、これをレーザ光をもって一括照射する
が、かかるドット数では必要とする全てのドットマーク
数を満足し得ないことが多いため、マークパターンを数
区画に分割して順次液晶マスクに表示させ、これを切り
換えながら組み合わせて全体のマークパターンをウェハ
表面に形成するようにしている。この場合、ウェハ表面
に結像させるときはウェハ又は照射位置を当然に制御移
動させる必要がある。かかる制御手法としては従来から
公知とされている様々な手法が採用できる。
【0063】上記液晶マスク30を通過したドット単位
のレーザ光は、続いてビームプロファイル変換器40に
照射される。このビームプロファイル変換器40は前記
液晶マスク30のマトリックス状に配された個々の液晶
に対応して同じくマトリックス状に配列されている。従
って、液晶マスク30を透過したレーザ光は、1対1に
対応してドットごとに前記ビームプロファイル変換器4
0を通過して、ビームホモジナイザ20によりそれぞれ
に平滑化されたエネルギー密度分布のレーザ光が本発明
特有の微小な穴形状を形成するに必要なエネルギー密度
分布形状へと変換される。本実施例では前述のごとく液
晶マスク30を通過した後のレーザ光を、ビームプロフ
ァイル変換器40を通過させて、そのエネルギー密度分
布形状を変換しているが、液晶マスク30を通過させる
前にビームプロファイル変換器40を通過させて、その
プロファイルを変換させるようにしてもよい。
【0064】ビームプロファイル変換器40を通過した
レーザ光はレンズユニット50により絞られ、半導体ウ
ェハWのスクライブラインSL表面の所定の位置に照射
され、同表面に必要なドットマーキングがなされる。従
来のこの種のドットマーキングは、既述したとおり半導
体ウェハの周辺部になされている。かかる部位へのマー
キングではウェハ周辺部における膜厚の制御が困難であ
ることに由来して、例えばエッチング不足の場合には、
CMP処理のたびにCMP膜(特にメタル系)がドット
マーク上に少しずつ堆積し、読み取りを不可能にし、或
いはCMP膜を完全に除去しようとして、ウェハ表面を
削ってしまい、結果としてドットマークの深さが浅くな
り、同じく読み取りを不可能にする。ミクロン単位の微
小なドットマークにあっては、かかる事態は致命的であ
る。
【0065】その点、半導体ウェハの切断領域であるス
クライブラインSLにあっては、前述のウェハ周辺部を
回避できる上に、成膜処理や除膜処理などの視認性に影
響する加工がなられることがないため、本発明のごとく
スクライブラインSLの表面にドットマーキングがなさ
れることは望ましいことである。しかしながら、従来の
ドット寸法では所要のドット数をスクライブラインSL
上に形成することは不可能である。そこで、上述のごと
くマイクロ単位の微小なドットマーキングが要求される
ことになる。
【0066】ここで、ミクロン単位のマーキングを複数
のウェハ表面に均一に形成しようとする場合には、その
マーキング面と集光レンズとの間の距離や光軸合わせを
ミクロン単位で調節する必要がある。本実施例によれ
ば、焦点検出はレーザ顕微鏡などで一般に使用されてい
る共焦点方式で高さ計測を行い、この値からレンズの縦
方向の微小位置決め機構にフィードバックさせて、自動
的に焦点の位置決めがなされる。また、光軸合わせや光
学構成部品の位置決め及び調整は、一般的に知られた方
法が採用され、例えばHe−Neレーザなどのガイド光
を通じて、予め設定されている基準スポットに適合させ
るべくネジ調整機構などによって調整する。この調整は
組立時に一回だけ行えばよい。
【0067】一方、ドットマークの各ドットの大きさ
は、加工する光源の波長に依存することが判明した。一
般に、 パターニングの分解能=k1 ・λ/NA 加工焦点深度( 加工可能な焦点方向距離の幅) =k1 ・
λ/(NA) で表される。ただし、K はプロセスファクタ( 比例定
数) 、λは光源波長、NAはワーク表面への射出角であ
る。
【0068】前記式から、パターニングの分解能を小さ
くするためには、光源波長を小さくするか、或いはワー
クへの射出角を大きくすることが考えられるが、焦点深
度との兼ね合いでワーク表面への射出角はある値に制限
されてしまう。従って、本発明では波長の短いレーザ光
を使うことが好ましい。従来、ウェハ上へのマーキング
用光源として、YAGレーザの基本波(波長:1064
nm)がたようされているが、本実施例によればYAG
レーザの2倍波(波長:532nm)か3倍波(355
nm)、或いはその波長範囲に則した波長のレーザ光源
を使用している。
【0069】このように、本実施例にあって微細ドット
マーキングが実現されると、それに伴って焦点深度が小
さくなる。一方、半導体ウェハ表面にマーキングを施す
にあたり、ウェハの厚み誤差やウェハ自身のそり、うね
り、更にはウェハハンドリングの位置出し精度などの影
響があるため、焦点深度よりもその影響が大きい。その
結果、焦点位置を検出して自動的に位置出しをするため
の自動焦点位置出し手段が不可欠となる。前記焦点位置
の検出手段としては、上述のごとく一般の共焦点顕微鏡
による検出方法や三角点測定法が採用できる。しかし
て、装置の小型化と測定精度を考慮すると共焦点法が最
も好ましい。前記自動焦点位置出しの機能は、前記焦点
位置検出手段によるフィードバック信号で微小位置決め
を行うことが実現される。
【0070】また、スクライブラインSLのような極め
て微小な領域に対する加工にあっては、そのための位置
決め手段が特に重要である。すなわち、それらの微小領
域の直ぐ脇には重要な半導体基板の表面が存在するた
め、スクライブラインSLなどの加工域以外の加工は絶
対に許されない。誤って、加工領域以外に加工がなされ
るようなことがあっても、これを阻止することが必要で
ある。
【0071】スクライブラインSLの検出自体は、従来
のダイシング時における公知の手法が採用できる。具体
的には、画像処理法により複数点を観察し、平面位置に
加えて回転方向位置を検出する手法である。一方、マー
キング位置が誤った場合のマーキング防止手段として
は、半導体ウェハ表面に近接させてスクライブラインS
Lなどの加工パターンと同一のパターンをもつマスクを
設置すればよい。
【0072】上記ビームプロファイル変換器40は、前
記ビームホモジナイザ20により平滑化されたエネルギ
ー密度分布を本発明に特有のドット形状を得るために最
適なエネルギー密度分布の形状に変換させるための光学
部品であり、回析現象、屈折現象或いはレーザ照射ポイ
ントにおける光透過率を任意に異ならせるなどして、入
射レーザ光のエネルギー密度分布のプロファイルを任意
の形状に変換するものである。
【0073】図3(a)〜(c)は、本発明によるビー
ムプロファイル変換器40で変換されるエネルギー密度
分布の形状に基づき形成されるドットマークの典型的な
形状例を示している。なお、同図はレーザ光による1ド
ット単位のドットマーキングの形成にあたっての過程を
示しており、同図に示すごとくビームホモジナイザ20
により平滑化されたエネルギー密度分布をもつレーザ光
は、ビームプロファイル変換器40により同図(a−
1)〜(c−1)に示すエネルギー分布形状(B)に変
換する。同図(a)では、尖頭値の大きいガウシアン形
状をなしており、これを結像レンズユニット50を通過
させて、縮小された像を半導体ウェハWの照射ポイント
に照射すると、ウェハ表面にはドット深さの大きいドッ
トマークが形成される。
【0074】同図(b)では、ビームホモジナイザ20
により平滑化されたエネルギー密度分布をもつレーザ光
が、ガウシアン形状の頂上付近が凹状に陥没したエネル
ギー密度分布形状(B)に変換されている。これを結像
レンズユニット50により縮小させて、半導体ウェハW
の照射ポイントに照射すると、同図(b−1)に示すご
とくウェハ表面にはドット深さが深く、且つその内壁面
が底面に向けて急峻な傾斜角度で落ち込む形状に形成さ
れる。また、同図(c−1)に示すごとくビームホモジ
ナイザ20により平滑化されたエネルギー密度分布をも
つレーザ光をビームプロファイル変換器40により複数
のガウシアン形状のエネルギー密度分布に変換すると、
前述のようにして形成されるドット形状は同図(c−
2)に示すごとくドット内周壁面が急峻に落ち込むとと
もに、底部が凹凸面となったドット形状が得られる。
【0075】こうした形状を有する本発明装置により形
成されるドットマークは、例えば図4(a)に示す従来
のドットマークの形状と異なり、図5に示すごとくドッ
トとその周辺との明暗に大きなコントラストが得られ、
以降に多様な処理がなされてもスクライブラインSLに
直接影響しないこともあって、マーク読み取りに誤りが
生じない。つまり、既述したとおりドット径に対する深
さが相対的に深く、同時にドット周辺部に溶融堆積物が
存在しない平滑面からなる形状のドットマークでは、そ
の穴周辺部の反射光には方向性が得られ、穴内部からの
反射光は内部で散乱して殆どなくなるため、穴とその周
辺との間の明暗差が大きくなり、視認性も高くなって、
ドットの読み込みが確実になされるようになる。更に、
前記ドットの縦断面における開口部分の内壁面が急峻な
角度で下方に傾斜するほど、微小な寸法からなるドット
マークであっても穴とその周辺部との明暗差が大きくな
り視認性が更に確保される。
【0076】本発明にあって、微小なドットマークとは
最大長さが1〜10μmの寸法範囲にあり、穴深さが
0.5〜10μmにある。このような寸法のドットマー
クを形成するには、縮小レンズユニットの解像度などに
よる半導体ウェハWの表面の照射ポイントにおける結像
に崩れを生じさせないようにするためと、液晶マスクの
製作上必要な開口率を確保するために、上記液晶マスク
の1ドット当たりの1辺長さが50〜2000μmであ
ることが必要である。更には、前記ビームプロファイル
変換器40と前記液晶マスク30との配置間隔が余り大
き過ぎても或いは小さ過ぎても、周辺の光線の影響を受
け或いは光軸の不安定さの影響を受けて、半導体ウェハ
表面の結像に乱れを生じやすい。そこで、本発明にあっ
ては、図18において前記液晶マスク30の1ドットの
最大長さYを、前記ビームプロファイル変換器40と前
記液晶マスク30との配置間隔Xの0.1〜10倍に設
定する必要がある。かかる範囲に前記配置間隔を規定す
ることにより、ウェハ表面に照射される結像が鮮明なも
のとなる。
【0077】次に、本発明の上記ビームプロファイル変
換器40によるレーザ光のエネルギー密度分布の変換方
法を具体例に基づいて説明する。図6及び図7は回析現
象を利用したビームプロファイル変換器によるエネルギ
ー密度分布の変換説明図である。本実施例では、回析光
学素子(Diffractive O-ptical Element) を使用してい
る。図6(b)は5×5ドットの液晶マスク30と、こ
れに対応して配された同じく5×5ドットの回析光学素
子からなるビームプロファイル変換マスク40−1とを
平行に配設した模式図である。図6(a)は前記液晶マ
スク30を介して前記ビームプロファイル変換マスク4
0−1を透過したときのレーザ光のエネルギー密度分布
の変換状態を示している。図7は前記回析光学素子の構
造を模式的に示した平面図であり、同図に示すごとく回
析光学素子を透過するレーザ光中の矩形外周部はそのま
ま透過し、中央部に入射されるレーザ光は外周方向に回
析される。
【0078】すなわち、前記ビームホモジナイザ10に
より尖頭値が平滑化されたレーザ光は、前記ビームプロ
ファイル変換マスク40−1の1素子に入射されると、
外周部の入射光は直線的に透過し、中央部の入射光は外
周側に回析して、図6(a)に示すごとく外周部に向か
うにつれてエネルギー密度が高くなり、中心部に向けて
エネルギー密度が漸減する密度分布形状となる。そし
て、前記回析の角度及び間隔はレーザ光の回析条件を決
定することにより算出される。かかるエネルギー密度分
布に変換されたレーザ光の縮小像が半導体ウェハ表面の
照射ポイントに照射されると、形成されるドットマーク
は周辺部に大きなエネルギーをもっているため穴周壁部
がエネルギー損失なく速やかに溶融加工されるとともに
穴中央部では周辺の強力な熱伝導により同様に溶融し、
図4(b)に示すごとく深く且つ縦断面が略矩形に近い
穴形状に形成される。
【0079】図8は前記実施例と同様に回析現象を利用
したビームプロファイル変換器の他の実施例の製作法を
示しており、同図によるビームプロファイル変換器とし
てはホログラフィック光学素子が用いられている。その
製作方法は、同図に示すごとく後述する開口マスク41
からのプロファイルをリレーレンズ42及びハーフミラ
ー43を介してフィルムタイプの透過型ホログラム44
上に結像させ、これを物体光として均一な参照光と干渉
させることにより、前記ホログラム44上に干渉縞を記
録する。このホログラム44に前記参照光と同様の一様
なプロファイルの再生光(例えば、液晶マスク30を透
過したレーザ光)を入射させることにより、ホログラム
44上に開口マスク41に存在したビームプロファイル
が再生される。こうして製作されるホログラフィク光学
素子は、上記実施例におけるビームプロファイル変換マ
スク40−1と類似の光学素子として取り扱うことがで
きる。
【0080】なお、前記開口マスク41は、例えば図7
に模式的に示すごとく矩形外周領域を遮光部41aと
し、中央領域を矩形の回析格子状の半透過部41bと
し、その中間領域を透過部41cとして構成する。本発
明にあっては、図10に示すように前記開口マスク41
の半透過部41bを単なる半透過部として構成し、これ
をそのままビームプロファイル変換器として利用するこ
とも可能である。
【0081】図11は同開口マスク41をマトリックス
状に配したビームプロファイル変換器と同開口マスク4
1を透過したレーザ光のエネルギー密度分布を示してい
る。同図から理解できるように、平滑化されたレーザ光
は開口マスク41を透過すると半透過部を透過する光量
が最も大きく且つ均一であり、中央部を透過する半透過
光は矩形状の光量が半減化されたエネルギー密度を有し
ている。このように変換されたエネルギー密度分布をも
つレーザ光を半導体ウェハWの表面に照射すると、上記
実施例と同様に熱の逸散がなく効率的に且つ初期の穴形
状をもつドットマーキングがなされる。
【0082】図12は光透過型の液晶マスクを利用した
ビームプロファイル変換手段の実施例を示している。同
図によれば1ドットのマーキングに対して3×3ドット
の液晶マスク45を使用する。そして、この液晶マスク
45の中央の液晶を非駆動状態におき非透過状態とす
る。一方、その他の液晶を駆動して透過状態とする。か
かる構成により、前記液晶マスク45に平滑化されたレ
ーザ光を入射すると、図11(a)に示したエネルギー
密度分布のレーザ光に変換されることになる。液晶マス
ク45のドット数を増加させれは、任意の透過部及び非
透過部からなるパターンが形成できる。
【0083】図13は屈折現象を利用したビームプロフ
ァイル変換手段とそのエネルギー密度分布の変換状態の
実施例を示している。図13ではビームプロファイル変
換器47として凸型のマイクロレンズアレイをマトリッ
クス状に配置しており、同ビームプロファイル変換器4
7をドット単位で通過したレーザ光のエネルギー密度分
布は、同図(a)に示すごとく細長いガウシアン形状を
呈し、その形状を任意に絞れば開口寸法と比較して穴深
さの大きいドットマーキングが形成される。
【0084】図14は単にマトリックス状に多数の開口
を形成した開口マスクをビームプロファイル変換器48
として利用する例を示している。この例によれば、回析
現象を利用して開口の大きさや形状を変更することによ
り、ビームプロファイル、すなわちビームの形状そのも
ののを任意に制御できる。例えば、前記開口の形状を図
15(a)のごとく方形とする場合には、その方形の開
口を通過するビームホモジナイザ10によりエネルギー
密度分布が平滑化されたレーザ光は略円形に近いレーザ
光に変換され、同図(b)に示すごとく方形の各辺を内
側に括った開口形状を採用する場合には、同開口を通過
後のレーザ光は略方形断面を有することになる。
【0085】図19は上述の実施例により半導体ウェハ
SのスクライブラインSLに形成されたシングルドット
文字と2Dコードマークの配列例を示している。この例
では、レーザ光がグリーンレーザの波長を緑域とし、ビ
ームの広がりを0.5mrad以下、パルス数を100
ns以下に設定している。スクライブラインSL上に形
成されたドットマークの径Dは5μmである。
【0086】一方、スクライブラインSLはダイサーの
厚さにより規定されるが、現状では50〜60μmが限
界であると考えられている。そこで、本実施例ではスク
ライブラインSLの幅をその下方の限界である50μm
と仮定して、縦長さL1を40μm、横寸法L2を16
0μmと設定し、その領域に8×32ドットを形成する
ことを可能として、2Dコードマークを形成した。この
2Dコードにより英数字の13文字が登録可能である。
また、前記2Dコードマークに隣接させて、5×7のシ
ングルドットマークを形成している。
【0087】以上の説明からも明らかなように、本発明
に係る半導体ウェハはその特有なドットマーキング法に
よりスクライブラインSL上に従来の3/20〜1/100 の大
きさの微小なドットマーキングを形成することができる
上に、そのドット形状が穴径に比して深さが大きく、し
かも穴の周壁が急峻な角度をもって下方に傾斜した本発
明特有の形状が任意に得られるため、マーキング後にウ
ェハ表面に多様な成膜処理と除膜処理とがなされても、
その穴内部と周辺との明暗差が維持され、以降の読み込
みが常に正確になされる。
【0088】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、例えば図示は省略したが本発明による微小
なドットマークの形成領域としては、上記スクライブラ
インの他に、半導体ウェハの試験用チップの形成領域、
半導体ウェハの個々のデバイス単位をなすチップの不完
全形成領域、半導体ウェハの個々のデバイス単位をなす
各チップ内の余剰引出し電極表面を挙げることができ、
更には微小ドットマーキングとしてリソグラフィによる
マーキング手法も採用が可能であって、上記実施例から
当業者が容易に変更可能な技術的な範囲は当然に本発明
に包含される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の微小ドットマークを半導体ウェハのス
クライブライン上に形成するためのレーザマーキング装
置とレーザ光のエネルギー密度分布(ビームプロファイ
ル)の変換過程を模式的に示す説明図である。
【図2】同装置における液晶マスクの表示パターンに従
って形成されるドットマークとレーザ光のエネルギー密
度分布の変換過程を模式的に示す説明図である。
【図3】同装置におけるビームプロファイル変換器によ
るビームプロファイルの変換形状に基づき形成されるド
ット形状例の説明図である。
【図4】従来のドットマーク及び本発明によるドットマ
ークとその反射光の進路比較図である。
【図5】従来のドットマークと本発明によるドットマー
クの明暗差を模式的に示す比較図である。
【図6】回析現象を利用した上記ビームプロファイル変
換器を採用したときのビームプロファイルの変換形状の
一例を模式的に示す説明図である。
【図7】前記ビームプロファイル変換器に使用される回
析光学素子の平面図である。
【図8】回析現象を利用したホログラフィック光学素子
の製作法を示す説明図である。
【図9】同ホログラフィック光学素子によるビームプロ
ファイル変換器と同変換器によるビームプロファイルの
変換形状の一例を示す説明図である。
【図10】吸収/透過領域を有する開口マスクの平面図
である。
【図11】同開口マスクからなるビームプロファイル変
換器によるビームプロファイルの変換形状の一例を模式
的に示す説明図である。
【図12】液晶マスクを利用したビームプロファイル変
換器の一例を示す平面図である。
【図13】屈折現象を利用した凸型レンズアレイによる
ビームプロファイル変換器とビームプロファイルの変換
形状例の説明図である。
【図14】単純な開口マスクによるビームプロファイル
変換器を採用したドットマーキング装置の概略構成図で
ある。
【図15】単純な開口マスクの開口形状とその形状に対
応するドットマークの比較図である。
【図16】穴形状による視認性の説明図である。
【図17】液晶マスクとビームプロファイル変換器の配
置関係を示す説明図である。
【図18】レーザ光による一般的なドットマーキング装
置の一例を示す全体構成図である。
【図19】本発明に係る半導体ウェハ上に形成されるド
ットマークの一例とその拡大図を示す平面図である。
【図20】本発明による半導体ウェハ表面のドットマー
ク形成領域例を示す平面図である。
【符号の説明】
10 レーザ発振器 20 ビームホモジナイザ 30 液晶マスク 40 ビームプロファイル変換器 40−1 ビームプロファイル変換マスク 41 開口マスク 41a 遮光部 41b 半透過部 41c 透過部 45 液晶マスク 46〜48 ビームプロファイル変換器 50 縮小レンズユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大久保 英明 神奈川県平塚市万田1200 株式会社小松製 作所研究本部内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体ウェハ表面の所定領域に、1ドッ
    トの最大長さが1〜15μmの微小なドットマークが形
    成されてなることを特徴とする半導体ウェハ。
  2. 【請求項2】 前記所定領域が半導体ウェハの切断領域
    であるスクライブライン上である請求項1記載の半導体
    ウェハ。
  3. 【請求項3】 前記所定領域が半導体ウェハの試験用チ
    ップの形成領域である請求項1記載の半導体ウェハ。領
    域である請求項1記載の半導体ウェハ。
  4. 【請求項4】 前記所定領域が半導体ウェハの個々のデ
    バイス単位をなすチップの不完全形成領域である請求項
    1記載の半導体ウェハ。
  5. 【請求項5】 前記所定領域が半導体ウェハの個々のデ
    バイス単位をなす各チップ表面である請求項1記載の半
    導体ウェハ。
  6. 【請求項6】 2Dコードの同一のドット形成領域内に
    重要データが重複してドットマーキングされてなる請求
    項1〜5のいずれかに記載の半導体ウェハ。
  7. 【請求項7】 同一工程内で2Dコードの異なるドット
    形成領域内に同一内容の2Dコードがドットマーキング
    されてなる請求項1〜5のいずれか記載の半導体ウェ
    ハ。
  8. 【請求項8】 前記同一内容からなる複数の2Dコード
    のドットマークが異なる深さで形成されてなる請求項7
    記載の半導体ウェハ。
  9. 【請求項9】 レーザ発振器と、前記レーザ発振器から
    照射されるレーザビームのエネルギー分布を平滑化する
    ビームホモジナイザと、パターンの表示に合わせて前記
    レーザビームの透過/非透過状態に駆動制御される液晶
    マスクと、前記液晶マスクの1ドットに対応して、ドッ
    ト単位で前記レーザビームのエネルギー密度分布を所要
    の分布形状に成形変換するビームプロファイル変換手段
    と、前記液晶マスクの透過ビームをドット単位で半導体
    ウェハの所定領域に結像させるレンズユニットとを備え
    てなるレーザビームによる微小マーキング装置を用い、 前記ビームホモジナイザにより前記レーザ発振器から照
    射されるレーザビームのエネルギー分布を均整化するこ
    と、 1ドットの最大長さが50〜2000μmである前記液
    晶マスクを駆動制御して所望のマークパターンを表示
    し、前記ビームホモジナイザにより均整化されたレーザ
    ビームを前記液晶マスクに照射すること、 前記ビームプロファイル変換手段を前記液晶マスクのド
    ットマトリックスに対応する同一サイズのドットマトリ
    ックスにて構成すること、 前記ビームプロファイル変換手段を通過するレーザビー
    ムのエネルギー密度分布をドット単位で所望の形状に成
    形すること、及び前記ビームプロファイル変換手段によ
    り所望の形状に成形された1ドットごとの各レーザビー
    ムを、前記レンズユニットにより1ドットの最大長さが
    1〜10μmとなるように縮小して前記半導体ウェハの
    上記所定領域に結像させること、により得られることを
    特徴とする請求項1〜5記載の半導体ウェハ。
  10. 【請求項10】 前記1ドットごとの加工深さが0.5
    〜10μmである請求項8又は9記載の半導体ウェハ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH11326845A (ja) * 1998-03-31 1999-11-26 Johnson & Johnson Vision Prod Inc マ―ク入りコンタクトレンズ
FR2809541A1 (fr) * 2000-05-24 2001-11-30 Komatsu Mfg Co Ltd Forme de micropoint forme par faisceau laser et procede de marquage de micropoints
US6777820B2 (en) 1999-01-28 2004-08-17 Komatsu Electronic Metals Co., Ltd. Semiconductor wafer
WO2004093174A1 (ja) * 2003-04-10 2004-10-28 Phoeton Corp. レーザ処理装置及びレーザ処理方法
JP2007175777A (ja) * 1999-07-19 2007-07-12 Regents Of The Univ Of California レーザピーニングにより金属に形状および輪郭を形成するための装置

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