JPH11162399A - ポンプ共用型誘導結合プラズマ質量分析装置 - Google Patents

ポンプ共用型誘導結合プラズマ質量分析装置

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JPH11162399A
JPH11162399A JP9324626A JP32462697A JPH11162399A JP H11162399 A JPH11162399 A JP H11162399A JP 9324626 A JP9324626 A JP 9324626A JP 32462697 A JP32462697 A JP 32462697A JP H11162399 A JPH11162399 A JP H11162399A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 誘導結合プラズマ質量分析装置のコストのか
なりの割合を占めるロータリポンプやターボポンプを削
減して、コストを削減する。 【解決手段】 ターボポンプ60、80のバッキングラ
インを、インターフェースチャンバ20を排気するロー
タリポンプ50に接続して、バッキングライン用開閉弁
72により開閉可能とし、プラズマ点火時は、インター
フェースチャンバ20の圧力が十分に下がるまで、前記
バッキングライン用開閉弁72を一時的に閉じることに
より、共通のロータリポンプ50で、インターフェース
チャンバ20とターボポンプ60、80のバッキングラ
インを、共に排気可能とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インターフェース
チャンバを排気するロータリポンプと、少なくともアナ
ライザチャンバを排気するターボポンプを備えた誘導結
合プラズマ質量分析装置に係り、特に、使用ポンプの数
を減らして、コストを削減することが可能な、ポンプ共
用型の誘導結合プラズマ質量分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、発光分析の光源に用いられている
誘導結合プラズマを、質量分析計のイオン源として用い
て、溶液中の元素分析をイオンによって行う誘導結合プ
ラズマ(Inductive Coupled Plasma:ICP)質量分析
装置が提案されている(例えば特開昭62−26757
参照)。
【0003】この誘導結合プラズマ質量分析装置10の
真空系は、例えば図4に示す如く、大気圧下のイオン化
部(図示省略)でイオン化された元素をサンプリングし
て、高真空化のイオンレンズチャンバ30に導入するた
めの、イオン化部のトーチ12内で発生したイオンの運
動エネルギの方向を揃えるためのサンプリングコーン2
2、及び、該サンプリングコーン22を通過したイオン
の一部を通過させるためのスキマーコーン24を含むイ
ンターフェースチャンバ20と、該インターフェースチ
ャンバ20を通過したイオンを収束してアナライザチャ
ンバ40に導くための、静電イオンレンズを用いた引出
電極、収束レンズ、イオンレンズ等のレンズ群32、及
び、プラズマが点灯していないときに真空度が下がるの
を防止するために閉じられるゲート弁34を含むイオン
レンズチャンバ30と、該イオンレンズチャンバ30か
ら導入されるイオンの質量を選択するためのマスフィル
タを構成する四重極(Qポールと称する)42、及び、
該Qポール42を通過してきた測定質量数のイオンを計
数するための、例えば2次電子増倍管が用いられた検出
器44を含むアナライザチャンバ40とを備えている。
【0004】前記インターフェースチャンバ20には、
配管52を介して、インターフェースチャンバ排気用の
第1のロータリポンプ(RP)50が接続され、該ロー
タリポンプ50によって達成可能な低真空が得られる。
【0005】又、前記イオンレンズチャンバ30及びア
ナライザチャンバ40には、それぞれ独立した第1及び
第2のターボ(分子)ポンプ(TMP)60、62が接
続され、測定に必要な高真空が得られるようになってい
る。このターボポンプ60及び62のバッキングポート
は、バッキングライン用の配管64を介して、バッキン
グライン排気用の第2のロータリポンプ(RP)66に
接続され、前記ターボポンプ60、62を稼働させるの
に必要な低真空が、ターボポンプ60、62の背圧側に
得られるようにされている。
【0006】図において、68は、工場出荷時の真空度
を可能な限り維持して、客先現場でのスタートアップ時
間を短くするための、配管64に設けられたバッキング
ライン用の開閉弁である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の真空
系の誘導結合プラズマ質量分析装置においては、ロータ
リポンプ、ターボポンプ共に2台ずつポンプが必要であ
り、質量分析装置のコストのかなりの割合を占めている
という問題点を有していた。
【0008】このような問題点を解決するべく、ターボ
ポンプ62のバッキングポートをターボポンプ60に接
続することにより、2つのターボポンプ60と62をタ
ンデムに接続し、第1のロータリポンプ50のみで、同
時に第1のターボポンプ60のバッキングラインも排気
することが考えられるが、この場合、ロータリポンプ5
0で常時ターボポンプ60のバッキングラインを排気す
るように構成すると、プラズマ点火時にインターフェー
スチャンバ30内を粗引きする際に、ロータリポンプ5
0によって引かれた、低真空のイオンレンズチャンバ3
0内のガスがターボポンプ60側に廻り込んでしまい、
そのバッキングライン圧力が急激に上昇して、ターボポ
ンプ60に大きな負荷を与え、ポンプ寿命を短くすると
いう問題があった。
【0009】本発明は、前記従来の問題点を解消するべ
くなされたもので、ターボポンプに大きな負荷を与える
ことなく、ロータリポンプを共通化することを第1の課
題とする。
【0010】本発明は、又、ターボポンプを共通化する
ことを第2の課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、インターフェ
ースチャンバを排気するロータリポンプと、少なくとも
アナライザチャンバを排気するターボポンプを備えた誘
導結合プラズマ質量分析装置において、前記ターボポン
プのバッキングポートを前記ロータリポンプに接続する
バッキングライン用配管と、該配管を開閉するためのバ
ッキングライン用開閉弁とを備え、プラズマ点火時は、
インターフェースチャンバの圧力が十分に下がるまで、
前記バッキングライン用開閉弁を一時的に閉じることに
より、共通のロータリポンプで、インターフェースチャ
ンバとターボポンプのバッキングラインを、共に排気可
能として、前記第1の課題を解決したものである。
【0012】又、インターフェースチャンバを排気する
ロータリポンプと、アナライザチャンバを排気するター
ボポンプを備えた誘導結合プラズマ質量分析装置におい
て、前記ターボポンプに中間ポートを備え、該中間ポー
トを、前記アナライザチャンバより上流側のイオンレン
ズチャンバに接続することによって、共通のターボポン
プで、アナライザチャンバとイオンレンズチャンバを共
に排気可能として、前記第2の課題を解決したものであ
る。
【0013】又、前記ロータリポンプとインターフェー
スチャンバを接続する配管にインターフェース用開閉弁
を備えると共に、イオンレンズチャンバにゲート弁を備
え、非使用時は、前記インターフェース用開閉弁及びゲ
ート弁を閉じて、前記バッキングライン用開閉弁のみ開
き、ブラズマ点火時は、まず前記バッキングライン用開
閉弁を一旦閉じて、前記インターフェース用開閉弁を開
き、インターフェースチャンバの圧力が十分に下がった
ら、前記ゲート弁を開いてその下流にガスを導入し、前
記バッキングラインの圧力がインターフェースチャンバ
の圧力とほぼ同じになったら、前記バッキングライン用
開閉弁を開いて測定を可能とし、プラズマ消火時は、ま
ず前記ゲート弁を閉じ、次にインターフェース用開閉弁
を閉じてから、プラズマを消火するようにしたものであ
る。
【0014】又、前記インターフェース用開閉弁を、圧
力調節も可能な可変弁として、前記インターフェースチ
ャンバの圧力調節を可能としたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0016】本発明の第1実施形態は、図4に示した従
来例と同様の誘導結合プラズマ質量分析装置において、
図1に示す如く、第2のターボポンプ62のバッキング
ポートを、バッキングライン用の配管65で第1のター
ボポンプ60に接続して、2つのターボポンプ60、6
2をタンデムに接続すると共に、前記第1のターボポン
プ60のバッキングポートを、バッキングライン用の配
管70でロータリポンプ50に接続し、該配管70をバ
ッキングライン用開閉弁72で開閉可能とし、更に、前
記ロータリポンプ50とインターフェースチャンバ20
を接続する配管52にインターフェース用開閉弁54を
設けたものである。
【0017】本実施形態において、非使用時は、前記イ
ンターフェース用開閉弁54及びゲート弁34は閉じて
おり、バッキングライン用開閉弁72のみ開いていて、
イオンレンズチャンバ30のゲート弁34より下流側及
びアナライザチャンバ40を真空に排気している。
【0018】プラズマ点火時には、バッキングライン用
開閉弁72を開いたままインターフェース用開閉弁54
を開いてしまうと、真空度の低いインターフェースチャ
ンバ20内のガスが、配管52、70を経由して、第1
のターボポンプ60のバッキングラインに入ってしま
い、ターボポンプ60に大きな負荷を与え、ポンプ寿命
を短くしてしまう恐れがある。
【0019】そこで本実施形態では、プラズマ点火時
に、まずバッキングライン用開閉弁72を一旦閉じ、イ
ンターフェース用開閉弁54を開いて、インターフェー
スチャンバ20の圧力が十分に下がったら、ゲート弁3
4を開き、イオンレンズチャンバ20のゲート弁34よ
り下流側及びアナライザチャンバ40内にガスを導入
し、第1のターボポンプ60のバッキングライン圧力が
インターフェース圧力とほぼ同じになったところで、イ
ンターフェース用開閉弁54を開き、測定ができる状態
とする。なお、ゲート弁でなく、他にゲート弁34より
下流の真空チャンバにガス導入用の開閉弁を設けて、こ
れを開閉しても良い。
【0020】測定終了後のプラズマ消火時は、まず、ゲ
ート弁34を閉じ、次にインターフェース用開閉弁54
を閉じてから、プラズマを消火する。
【0021】従来は、インターフェース排気用とターボ
ポンプのバッキングライン排気用に、2台のロータリポ
ンプが必要であったのが、本実施形態によれば、インタ
ーフェースチャンバ20とターボポンプ60、62のバ
ッキングラインを1台のロータリポンプ50で排気する
ことができ、しかも、ターボポンプ60に急激な負荷は
与えずにすむので、ターボポンプ60の寿命が短くなる
ことはない。又、バッキングラインの急激な圧力上昇に
よる、ターボポンプ60、62からイオンレンズチャン
バ30やアナライザチャンバ40へのオイル上がりも防
ぐことができる。
【0022】なお、本実施形態においては、ターボポン
プ62のバッキングライン(配管65)をターボポンプ
60に接続していたが、ターボポンプ60のバッキング
ライン(配管70)に直接接続しても良い。又、イオン
レンズチャンバ30に接続しても良い。
【0023】次に、ターボポンプも共用化した、本発明
の第2実施形態を詳細に説明する。
【0024】本実施形態は、前記第1実施形態と同様の
ロータリポンプ共用型誘導結合プラズマ質量分析装置に
おいて、図2に示す如く、アナライザチャンバ40を排
気するための第2のターボポンプとして、中間ポート付
ターボポンプ80を用い、該ターボポンプ80の中間ポ
ート82を、配管84でイオンレンズチャンバ30のゲ
ート弁34より下流側に接続することによって、共通の
ターボポンプ80で、アナライザチャンバ40とイオン
レンズチャンバ30が共に排気できるようにしたもので
ある。
【0025】前記中間ポート付ターボポンプ80として
は、例えば図3に示すような構成の市販品(例えばバリ
アン社製Turbo−V250SF)を用いることができ
る。図において、86はバッキングポート、88はベン
トポートである。
【0026】本実施形態においては、ロータリポンプだ
けでなく、ターボポンプも共通化することができ、コス
トを大幅に削減できる。なお、インターフェースチャン
バ排気用のロータリポンプ50とは別に、ターボポンプ
80のバッキングライン排気用のロータリポンプを設け
ることもできる。
【0027】前記実施形態においては、いずれも、イン
ターフェース用開閉54として、単純な開閉弁が用いら
れていたが、このインターフェース用開閉弁54自体
を、圧力調節可能な可変弁(例えばニードル弁)とした
り、又は、開閉弁54と直列に別体の可変弁を挿入し
て、インターフェースチャンバ20の圧力調節を可能と
することもできる。
【0028】即ち、ホットプラズマで検出限界を良くす
るためには、前記インターフェースチャンバ20の圧力
を低くする必要があり、一方、シールドトーチを使った
クールプラズマで分子イオンのバックグラウンドを下げ
るためには、前記インターフェースチャンバ20の圧力
を高くする必要があるが、可変弁を用いた場合には、イ
ンターフェースチャンバの圧力が調節可能となり、ホッ
トプラズマ、クールプラズマの両者に容易に対応可能と
なる。
【0029】なお、前記実施形態においては、いずれ
も、マスフィルタとしてQポールが用いられ、検出器と
して2次電子増倍管を用いた場合を例示していたが、マ
スフィルタや検出器の種類等は、これに限定されない。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、ロータリポンプやター
ボポンプを共通化して、誘導結合プラズマ質量分析装置
のコストのかなりの割合を占める、これらのポンプのコ
ストを削減できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の構成を示す断面図
【図2】同じく第2実施形態の構成を示す断面図
【図3】第2実施形態で用いられている中間ポート付タ
ーボポンプの構成を示す正面図
【図4】従来例の構成を示す断面図
【符号の説明】
10…誘導結合プラズマ質量分析装置 20…インターフェースチャンバ 30…イオンレンズチャンバ 34…ゲート弁 40…アナライザチャンバ 50…ロータリポンプ(RP) 52、65、70、84…配管 54…インターフェース用開閉弁 60、62…ターボポンプ(TMP) 72…バッキングライン用開閉弁 80…中間ポート付ターボポンプ 82…中間ポート

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】インターフェースチャンバを排気するロー
    タリポンプと、少なくともアナライザチャンバを排気す
    るターボポンプを備えた誘導結合プラズマ質量分析装置
    において、 前記ターボポンプのバッキングポートを前記ロータリポ
    ンプに接続するバッキングライン用配管と、 該配管を開閉するためのバッキングライン用開閉弁とを
    備え、 プラズマ点火時は、インターフェースチャンバの圧力が
    十分に下がるまで、前記バッキングライン用開閉弁を一
    時的に閉じることにより、共通のロータリポンプで、イ
    ンターフェースチャンバとターボポンプのバッキングラ
    インが、共に排気可能とされていることを特徴とするポ
    ンプ共用型誘導結合プラズマ質量分析装置。
  2. 【請求項2】インターフェースチャンバを排気するロー
    タリポンプと、アナライザチャンバを排気するターボポ
    ンプを備えた誘導結合プラズマ質量分析装置において、 前記ターボポンプに中間ポートが備えられ、 該中間ポートを、前記アナライザチャンバにより上流側
    のイオンレンズチャンバに接続することによって、共通
    のターボポンプで、アナライザチャンバとイオンレンズ
    チャンバが、共に排気可能とされていることを特徴とす
    るポンプ共用型誘導結合プラズマ質量分析装置。
  3. 【請求項3】請求項1において、前記ロータリポンプと
    インターフェースチャンバを接続する配管にインターフ
    ェース用開閉弁が備えられると共に、イオンレンズチャ
    ンバにゲート弁が備えられ、 非使用時は、前記インターフェース用開閉弁及びゲート
    弁を閉じて、前記バッキングライン用開閉弁のみ開き、
    ブラズマ点火時は、まず前記バッキングライン用開閉弁
    を一旦閉じて、前記インターフェース用開閉弁を開き、
    インターフェースチャンバの圧力が十分に下がったら、
    前記ゲート弁を開いてその下流にガスを導入し、前記バ
    ッキングラインの圧力がインターフェースチャンバの圧
    力とほぼ同じになったら、前記バッキングライン用開閉
    弁を開いて測定を可能とし、プラズマ消火時は、まず前
    記ゲート弁を閉じ、次にインターフェース用開閉弁を閉
    じてから、プラズマを消火するようにされていることを
    特徴とするポンプ共用型誘導結合プラズマ質量分析装
    置。
  4. 【請求項4】請求項3において、前記インターフェース
    用開閉弁が、圧力調節も可能な可変弁とされ、前記イン
    ターフェースチャンバの圧力調節が可能とされているこ
    とを特徴とするポンプ共用型誘導結合プラズマ質量分析
    装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7850434B2 (en) 2004-05-21 2010-12-14 Edwards Limited Pumping arrangement
GB2472638A (en) * 2009-08-14 2011-02-16 Edwards Ltd A vacuum system for a mass spectrometer
JP2013143196A (ja) * 2012-01-06 2013-07-22 Agilent Technologies Inc 誘導結合プラズマms/ms型質量分析装置

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