JPH11160344A - 加速度センサ及び三軸加速度センサ - Google Patents

加速度センサ及び三軸加速度センサ

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JPH11160344A
JPH11160344A JP10266323A JP26632398A JPH11160344A JP H11160344 A JPH11160344 A JP H11160344A JP 10266323 A JP10266323 A JP 10266323A JP 26632398 A JP26632398 A JP 26632398A JP H11160344 A JPH11160344 A JP H11160344A
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piezoelectric ceramic
electrode
axis
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佳幸 中溝
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    • G01P15/02Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses
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    • G01P2015/0805Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration
    • G01P2015/0822Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining out-of-plane movement of the mass
    • G01P2015/084Measuring acceleration; Measuring deceleration; Measuring shock, i.e. sudden change of acceleration by making use of inertia forces using solid seismic masses with conversion into electric or magnetic values being provided with a particular type of spring-mass-system for defining the displacement of a seismic mass due to an external acceleration for defining out-of-plane movement of the mass the mass being suspended at more than one of its sides, e.g. membrane-type suspension, so as to permit multi-axis movement of the mass

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加速度検出電極から出力電極までの間の静電
容量が原因となって発生する出力の低下を抑制できる加
速度センサを得る。 【解決手段】 重錘固定領域5A内において、接続線L
X1と圧電セラミックス基板5との間に低誘電率層8を
形成する。中間領域5Bの外側において、接続線LX
2,LY1,LZ4及び出力電極OXと圧電セラミック
ス基板5との間に低誘電率層9を形成する。低誘電率層
8及び9を、圧電セラミックス基板5の比誘電率よりも
比誘電率が十分に小さい低誘電率物質により形成する。
低誘電率層8,9の存在により、配線パターン及び出力
電極と対向電極パターンとの間に生じる静電容量が小さ
くなって、この静電容量に蓄積される自発分極電荷の量
を少なくできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電セラミックス
を利用して加速度を検出する加速度センサ及び三軸加速
度センサに関するものである。
【0002】
【従来の技術】表面に加速度検出用電極と、出力電極
と、加速度検出用電極と出力電極とを接続する配線パタ
ーンが形成され、裏面に少なくとも加速度検出用電極と
対向する対向電極が形成された圧電セラミックス基板
と、圧電セラミックス基板の裏面に接合されたダイアフ
ラムと、ダイアフラムの裏面に接合されて圧電セラミッ
クス基板の加速度検出用電極が形成された領域に加速度
に応じた応力を発生させる重錘を備えた構造の加速度セ
ンサが、知られている。
【0003】また圧電セラミックス基板と重錘とを用い
て相互に直交するX軸,Y軸及びZ軸方向の加速度を検
出することができる三軸加速度センサの基本技術が国際
公開WO93/02342(PCT/JP92/008
82,USP5,365,799号)、USP5,57
1,972号等に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、圧電セ
ラミックス基板は比誘電率が高いため、従来の加速度セ
ンサでは、配線パターン及び出力電極と対向電極パター
ンとの間にも当然にして静電容量が発生する。加速度検
出用電極と対向電極パターンとの間に発生した自発分極
電荷は、この静電容量にも蓄積される。そのため従来の
加速度センサでは、出力電極から外部に取り出される加
速度信号(電圧信号または電流信号)の出力がある程度
低下するという問題が生じる。そのため、従来は、増幅
器を用いて加速度信号を所望の値まで増幅している。し
かしながら、増幅度が大きくなればなるほど、増幅器の
増幅特性が原因となって検出精度が低下する。
【0005】また従来の三軸加速度センサでは、重錘に
等量のX軸方向加速度、Y軸方向加速度またはZ軸方向
加速度が単独で加わったときに、X軸方向加速度出力電
極Xから出力されるX軸方向加速度信号、Y軸方向加速
度出力電極Yから出力されるY軸方向加速度信号及びZ
軸方向加速度出力電極Zから得られるZ軸方向加速度信
号のレベルが一致しないのが一般的であった。このレベ
ルの差が大きくなると、検出精度が低下する。そこで、
従来は、増幅器を用いて加速度信号の増幅レベルを調整
することにより、各方向の加速度信号のレベルを一致さ
せる補正を行っていた。しかしながら、増幅レベルの調
整作業は繁雑であるため、生産性を低下させる大きな原
因となっていた。
【0006】本発明の目的は、加速度検出用電極から出
力電極までの静電容量が原因となって発生する出力の低
下を抑制できる加速度センサ及び三軸加速度センサを提
供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、出力電極の出力を増
幅する増幅器の増幅度をあまり大きくする必要のない加
速度センサを提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、増幅器を用いて信号
レベルの調整をする必要がないか、または調整作業が僅
かですむ三軸加速度センサを提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、各方向の加速度信号
の信号レベルをできるだけ近付けることができる三軸加
速度センサを提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、少なくとも配線パタ
ーンと対向電極パターンとの間に形成される静電容量を
小さくできる加速度センサ及び三軸加速度センサを提供
することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】発明者は、従来の三軸加
速度センサにおける各方向の信号レベルの不一致の原因
を探求した結果、圧電セラミックス基板は比誘電率が高
いため、各出力電極及び配線パターンと対向電極パター
ンとの間に静電容量が発生し、この静電容量が出力の低
下と信号レベルの不一致の原因の一つになっていること
を見出した。加速度検出電極で発生した自発分極電荷
は、加速度検出電極と出力電極との間の静電容量にも蓄
積される。この蓄積量が多くなればなるほど、出力電極
から出力される加速度信号が小さくなるのである。また
三軸加速度センサの場合には、各出力電極及び配線パタ
ーンはその形状及び面積が異なるため、X軸加速度出力
電極及びこの電極に接続される配線パターンと対向電極
パターンとの間で発生する静電容量と、Y軸加速度出力
電極及びこの電極に接続される配線パターンと対向電極
パターンとの間で発生する静電容量と、Z軸加速度出力
電極及びこの電極に接続せれる配線パターンと対向電極
パターンとの間で発生する静電容量とが異なってくるの
普通である。前述の通りこれらの静電容量にも、対応す
る加速度検出用電極で発生した自発分極電荷が蓄積され
るため、X軸方向加速度信号、Y軸方向加速度信号及び
Z軸方向加速度信号のレベルが異なってくるのである。
【0012】本発明が改良の対象とする加速度センサ
は、基本的な構成要素として、圧電セラミックス基板
と、圧電セラミックス基板の表面上に形成された、加速
度に応じた信号を出力する加速度検出用電極、加速度検
出用電極の出力を外部に出力する出力電極及び加速度検
出用電極と出力電極とを電気的に接続する配線パターン
を含む表面電極パターンと、圧電セラミックス基板の裏
面上に形成されて少なくとも加速度検出用電極と対向す
る対向電極パターンと、圧電セラミックス基板に対して
固定状態に配置されて加速度検出用電極が形成された領
域に加速度に応じた応力を発生させる重錘とを具備して
いる。なお圧電セラミックス基板の加速度検出用電極と
対向電極パターンとの間の部分は分極処理が施されてい
る。
【0013】このような加速度センサにおいて、本発明
では、表面電極パターンのうち少なくとも配線パターン
の全部またはその主要部と圧電セラミックス基板との間
に低誘電率層を配置する。そしてこの低誘電率層の比誘
電率を、圧電セラミックス基板の比誘電率よりも十分に
小さくする。
【0014】このような低誘電率層を形成すると、比誘
電率の高い圧電セラミックス基板と比誘電率の低い低誘
電率層とが直接に接続された関係になり、言い換えれば
圧電セラミックス基板のみにより発生する静電容量C1
と低誘電率層により発生する静電容量C2とが直列接続
された関係になる。単純に考えて、低誘電率層を設けた
場合の電極間の静電容量CはC=C1・C2/(C1+
C2)となり、C2がC1よりも十分に小さいとする
と、CはC1よりも大幅に小さくなる。例えばC2がC
1の1/10以下であれば、静電容量CはC1の0.0
9倍まで低下する。そのため、本発明によれば、少なく
とも配線パターンの全部または主要部と圧電セラミック
ス基板との間の静電容量を大幅に小さくして、出力の低
下を抑制できる(即ち静電容量に蓄積される自発分極電
荷の量を小さくすることができる)。
【0015】最も静電容量を小さくするためには、配線
電極パターンの全部及び出力電極と圧電セラミックス基
板との間に低誘電率層を配置すべきである。しかしなが
ら実際に低誘電率層を形成してみると、配線電極パター
ンの全部及び出力電極と圧電セラミックス基板との間に
低誘電率層を配置しなくても、実用上は差し支えない程
度まで静電容量を小さくできることが分かった。具体的
には、低誘電層を、配線パターンのうち加速度検出用電
極が形成された領域の外側に位置する配線パターン部分
と圧電セラミックス基板との間に配置するだけでも、実
用上差し支えない程度まで静電容量を小さくできる。低
誘電層を設ける部分が少なくなれば、それだけ低誘電層
の印刷が容易になるだけでなく、低誘電層の形成材料が
少なくとも済む。
【0016】なお対向電極パターンは、圧電セラミック
ス基板の裏面上に少なくとも加速度検出用電極と対向す
るように形成されていればよい。対向電極パターンは、
加速度検出用電極のみと対向するように形成されていて
もよく、また表面電極パターン全体と対向するように形
成されていてもよい。対向電極パターンが加速度検出用
電極のみと対向するように形成されている場合は、対向
電極パターンは、配線パターン及び出力電極とは直接対
向せず、斜めに対向する。その結果、容量値は低くな
る。しかし、斜めに対向している部分の静電容量が無く
なるわけではない。本発明のように低誘電率層を用いれ
ば、斜めに対向する配線パターン及び出力電極と対向電
極パターンとの間の静電容量も小さくすることができ
る。
【0017】また、対向電極パターンが表面電極パター
ン全体と対向するように形成されている場合には、対向
電極パターンは、配線パターン及び出力電極と直接対向
するため、比較的大きな静電容量が発生する。このよう
な場合に低誘電率層を用いれば、静電容量の低減の効果
は大きなものとなる。また、この場合、加速度検出用電
極を除く圧電セラミックス基板全体に低誘電率層を形成
すれば、静電容量の低減効果はより大きくなる。
【0018】圧電セラミックス基板に対しては、従来と
同様にダイアフラムをその裏面に接合してもよい。この
場合には、重錘をダイアフラムの中央部に接合すればよ
い。しかしダイアフラムを用いずに、圧電セラミックス
基板の裏面の中央部に直接重錘を設けても構わない。こ
のようにすれば、重錘の変位により圧電セラミックス基
板が直接撓む。そのため、重錘に作用した加速度によっ
て生じた重錘の変化による応力が圧電セラミックス基板
内に直接発生するため、加速度センサの測定精度または
感度を高くできる。また、ダイアフラムを用いる必要が
ないので、部品点数を少なくできる。
【0019】また、配線パターン及び加速度出力電極と
対向電極パターンとの間に形成される静電容量の存在に
より出力電極に現われる加速度信号のレベルの低下が、
実質的に無視できる程度になるように低誘電率層の比誘
電率及びその厚みを選択すれば、従来のように増幅器を
用いて出力信号を大きく増幅する必要がなくなる場合も
ある。実際的には、低誘電率層の比誘電率を圧電セラミ
ックス基板の比誘電率の1/100以下とし、低誘電率
層の厚みを圧電セラミックス基板の厚みの0.2倍以上
にすればよい。低誘電率層の厚みが0.2倍を下回る
と、静電容量を効果的に低下させることができない。
【0020】低誘電率層は、ガラスまたは、エポキシ等
の熱硬化性樹脂を用いて形成することができる。熱硬化
性樹脂を主成分として低誘電率層を形成する場合には、
配線パータン及び加速度出力電極は熱硬化性樹脂に導電
性粉末が含まれてなる樹脂系の導電性ペーストを用いて
形成する。このようにすれば、配線パータン及び加速度
出力電極を形成するときの熱で、低誘電率層が変質する
のを防止できる。
【0021】本発明を三軸加速度センサに適用する場合
は、X軸方向加速度を検出する1以上のX軸方向加速度
検出用電極、Y軸方向加速度を検出する1以上のY軸方
向加速度検出用電極、Z軸方向加速度を検出する1以上
のZ軸方向加速度検出用電極、1以上のX軸方向加速度
出力電極、1以上のY軸方向加速度出力電極、1以上の
Z軸方向加速度出力電極、1以上のX軸方向加速度検出
用電極と1以上のX軸方向加速度出力電極を接続する第
1の配線パターン、1以上のY軸方向加速度検出用電極
と1以上のY軸方向加速度出力電極を接続する第2の配
線パターン、1以上のZ軸方向加速度検出用電極と1以
上のZ軸方向加速度出力電極を接続する第3の配線パタ
ーンを含む電極パターンが表面上に形成され、裏面上に
電極パターンと全体的に対向する対向電極パターンが形
成され、1以上のX軸方向加速度検出用電極、1以上の
Y軸方向加速度検出用電極及び1以上のZ軸方向加速度
検出用電極と対向電極パターンとの間の部分が分極処理
されている圧電セラミックス基板を用いる。そして、少
なくとも第1乃至第3の配線パターンの全部またはその
主要部と圧電セラミックス基板との間に、圧電セラミッ
クス基板の比誘電率よりも比誘電率が小さい低誘電率層
を形成すればよい。
【0022】本発明により、少なくとも第1〜第3の配
線パターンの全部または主要部と対向電極パターンとの
間に形成される静電容量を小さくすると、この静電容量
が原因となって生じる各方向の加速度出力電極に現われ
る加速度信号のレベルの低下を大幅に抑制できる。その
結果、電極の寸法及び配線パターンの形状及び長さをほ
とんど気にすることなく、三軸加速度センサを設計する
ことができる。また従来のように各出力電極から出力さ
れる各信号レベルのズレが大きくなることが少なく、信
号レベルの補正をする必要が殆どなくなる。各信号レベ
ルにズレが発生しても、その差は僅かであり、簡単に信
号レベルの調整を行える。そのため、本発明によれば設
計が容易で、しかも生産性を大幅に高めることができ
る。また、三軸加速度センサの組立精度を高めれば、加
速度信号の補正を行う必要が全くなくなって、三軸加速
度センサの製造を更に容易にすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態の一例を説明する。図1は本発明の実施の形態の
三軸加速度センサ1の平面図であり、図2は図1のII−
II線端面図である。両図に示すように、この三軸加速度
センサ1はセンサ本体3とこのセンサ本体3の外周部を
支持する筒形の金属製の台座(支持部材)4とから構成
されており、台座4が接着剤により取付部材2に接合さ
れることにより、三軸加速度センサ1は金属製の取付部
材2に取付けられている。センサ本体3は、圧電セラミ
ックス基板5と、この圧電セラミックス基板5に接合さ
れた金属製ダイアフラム6と、この金属製ダイアフラム
6に接合された重錘7とから構成されている。圧電セラ
ミックス基板5は、内部に応力が加わると自発分極電荷
が発生するように分極処理が施されている圧電セラミッ
クス基板であり、この圧電セラミックス基板5は輪郭形
状が四角形をなしている。分極処理については後に詳細
に説明する。また、圧電セラミックス基板5の一方の面
(表面)には表面電極パターンE1が形成され、圧電セ
ラミックス基板5の他方の面(裏面)には、対向電極パ
ターンE0が形成されている。圧電セラミックス基板5
の裏面側には、対向電極パターンE0を介して金属製ダ
イアフラム6が接着剤を用いて接合されている。
【0024】圧電セラミックス基板5は、重錘固定領域
5Aと中間領域5Bと外周領域5Cを有している。重錘
固定領域5Aは、圧電セラミックス基板1の中心部にお
いて円形の形状を有している。この重錘固定領域5Aに
は、対向電極パターンE0及び金属製ダイアフラム6を
介して重錘7が固定状態に配置されている。重錘7はア
ルミ合金、銅合金、鉄合金により円柱状に形成されてい
る。重錘7は、静止状態においてその重心を通る軸線が
重錘固定領域5Aの中心を通って圧電セラミックス基板
5の面と直交するように、金属製ダイアフラム6に固定
されている。
【0025】中間領域5Bは、重錘固定領域5Aを囲む
環状の形状を有している。中間領域5Bは、重錘7に対
して圧電セラミックス基板1と平行な方向(X軸方向ま
たはY軸方向)に加速度が作用すると、重錘7の重心を
中心として点対称に異なった状態(引っ張り応力が加わ
った状態と、圧縮応力が加わった状態と)に変形する領
域である。また、重錘7に対して圧電セラミックス基板
1と直交する方向(Z軸方向)に加速度が作用すると、
中間領域5Bの各部は同じ状態(引っ張り応力が加った
状態)に変形する。
【0026】圧電セラミックス基板5の表面及び裏面に
形成された表面電極パターンE1及び対向電極パターン
E0は、いずれも熱硬化性樹脂に銀粉からなる導電性粉
末が含まれてなる銀ペーストを用いてスクリーン印刷に
より形成されている。これらの表面電極パターンE1と
対向電極パターンE0との間に発生する自発分極電荷の
変化により、重錘7に加わった三軸(X軸,Y軸,Z
軸)方向の加速度が測定される。なお、ここでいうX
軸,Y軸,Z軸は互いに直交する方向に延びる軸であ
る。X軸及びY軸は圧電セラミックス基板5の面方向に
延びており、Z軸は圧電セラミックス基板5の面方向と
直交する方向に延びている。この例では、対向電極パタ
ーンE0は、表面電極パターンE1の全てに対応する部
分に形成されており、10μmの厚みを有している。圧
電セラミックス基板5の裏面は、対向電極パターンE0
を介して接着剤により金属製ダイアフラム6に接合され
ている。図示していないが、対向電極パターンE0の裏
面には凹凸があり、接着剤は、対向電極パターンE0の
裏面の凹部に入り込んで対向電極パターンE0と金属製
ダイアフラム6とを接合している。そして、対向電極パ
ターンE0の凸部は、金属製ダイアフラム6と接合して
いる。これにより、対向電極パターンE0は、金属製ダ
イアフラム6及び台座(支持部材)4を介して取付部材
2に接地される。なお、接地用パターンを別に設け、接
地用パターンを導電性接着剤を介して金属製ダイアフラ
ム6に接合することにより、接地をより確実なものとし
てもよい。表面電極パターンE1は、三軸(X軸,Y
軸,Z軸)方向のそれぞれの電極パターン部を有してお
り、対向電極パターンE0と同様に10μmの厚みを有
している。表面電極パターンE1のX軸方向の電極パタ
ーン部は、2つのX軸方向加速度検出用電極DX1,D
X2とX軸方向出力電極OXとが接続線LX1,LX2
により直列に接続された構造を有している。本例では、
2つのパターン部LX1,LX2により第1の配線パタ
ーンが構成されている。なお、パターン部LX1は、検
出用電極DX1,DX2と接続される端部に銀ペースト
からなる接続部を有している。また、パターン部LX2
は、検出用電極DX2と接続される端部に銀ペーストか
らなる接続部を有している。
【0027】検出用電極DX1及びDX2は、いずれも
大部分が中間領域5Bに位置する面上に形成され、しか
も一部が重錘固定領域5Aと中間領域5Bとに跨がるよ
うに形成された弧状をなしている。そして、検出用電極
DX1及びDX2は、圧電セラミックス基板5の面上を
延びる仮想X軸直線XL(II−II線と重複する線)上に
位置し且つ重錘固定領域5Aを間に挟むように対称的に
配置されている。接続線LX1は、検出用電極DX1と
検出用電極DX2とを最短で接続するように重錘固定領
域5A上を延びている。出力電極OXは、ほぼ正方形の
形状を有しており、中間領域5Bの外側にある外周領域
5Cに形成されている。
【0028】Y軸方向の電極パターン部は、2つのY軸
方向加速度検出用電極DY1,DY2とY軸方向出力電
極OYとが接続線LY1〜LY3により直列に接続され
た構造を有している。具体的には、Y軸方向加速度検出
用電極DY1とY軸方向加速度検出用電極DY2とが接
続線LY1,LY2により接続されており、Y軸方向加
速度検出用電極DY1とY軸方向出力電極OYとが接続
線LY2,LY3により接続されている。本例では、接
続線LY1〜LY3により第2の配線パターンが構成さ
れている。なお、接続線LY1及びLY2も銀ペースト
からなる接続部を有している。
【0029】Y軸方向加速度検出用電極DY1及びDY
2は、X軸方向加速度検出用電極DX1及びDX2と同
様に弧状をなしており、大部分が中間領域5Bに位置す
る面上に形成され、しかも一部が重錘固定領域5Aと中
間領域5Bとに跨がるように形成されている。そしてY
軸方向加速度検出用電極DY1及びDY2は、一対のX
軸方向加速度検出用電極DX1,DX2を結ぶ仮想X軸
直線XLと直交して圧電セラミックス基板5の面と水平
に延びる仮想Y軸直線YL上に位置し且つ重錘固定領域
5Aを間に挟むようにして対称的に配置されている。仮
想Y軸直線YLと仮想X軸直線XLとは互いに直交する
ので、検出用電極DX1、DY1、DX2及びDY2は
それぞれ90度の角度間隔をあけて配置されることにな
る。接続線LY1〜LY3は、接続線LX1等と交差し
ないように中間領域5Bの外側の外周領域5Cに形成さ
れている。接続線LY1,LY3は連続する円弧状に形
成されており、接続線LY2は接続線LY1と接続線L
Y3との連結部から検出用電極DY2に延びる直線形状
を有している。Y軸方向出力電極OYはほぼ正方形の形
状を有しており、中間領域5Bの外側にある外周領域5
CにX軸方向出力電極OXと並んで形成されている。
【0030】Z軸方向の電極パターン部は、パイロ対策
用電極(焦電対策用電極)AZ1,Z軸方向加速度検出
用電極DZ1,Z軸方向加速度検出用電極DZ2,パイ
ロ対策用電極AZ2,パイロ対策用電極AZ3,Z軸方
向加速度検出用電極DZ3,Z軸方向加速度検出用電極
DZ4,パイロ対策用電極AZ4,Z軸出力電極OZ
が、これらの順に接続線LZ1〜LZ8によって直列に
接続された構造を有している。本例では、接続線LZ1
〜LZ8により第3の配線パターンが構成されている。
なお、接続線LZ2,LZ4,LZ6及びLZ8も銀ペ
ーストからなる接続部を有している。検出用電極DZ1
と検出用電極DZ2とを接続する接続線LZ2と、検出
用電極DZ3と検出用電極DZ4とを接続する接続線L
Z6とは、X軸方向の電極パターン部の接続線LX1を
挟んで並ぶように重錘固定領域5A上を延びている。パ
イロ対策用電極AZ2とパイロ対策用電極AZ3とを接
続する接続線LZ4は、接続線LY1の円弧の内側(圧
電セラミックス基板5の中心寄り)を円弧形状に延びて
いる。Z軸出力電極OZはほぼ正方形の形状を有してお
り、中間領域5Bの外側の外周領域5Cに位置するよう
にX軸方向出力電極OX及びY軸方向出力電極OYと並
んで形成されている。これらX軸方向出力電極OX,Y
軸方向出力電極OY,Z軸方向出力電極OZは図示しな
い演算回路に接続されており、各電極からは演算回路に
電圧信号または電流信号の加速度信号が送られる。
【0031】4つのZ軸方向加速度検出用電極DZ1〜
DZ4は、いずれも大部分が中間領域5Bに位置する面
上に形成され、しかも一部が重錘固定領域5Aと中間領
域5Bとに跨がるように形成された矩形状をなしてい
る。4つのZ軸方向加速度検出用電極DZ1〜DZ4
は、検出用電極DX2と検出用電極DY1との間,検出
用電極DY1と検出用電極DX1との間,検出用電極D
X1と検出用電極DY2との間,検出用電極DY2と検
出用電極DX2との間の各中央部にそれぞれ配置されて
いる。したがって、検出用電極DZ1〜DZ4は、それ
ぞれ90度の角度間隔をあけて配置されている。また、
このような配置により、検出用電極DX1,DX2,D
Y1,DY2,DZ1〜DZ4は、重錘固定領域5Aと
中間領域5Bとに跨がった環状の電極列を構成してい
る。
【0032】Z軸方向加速度検出用電極DZ1〜DZ4
にそれぞれ直列接続されたパイロ対策用電極AZ1〜A
Z4は、中間領域5Bに近接した応力発生領域の表面上
に形成されており、いずれも矩形に近い形状を有してい
る。パイロ対策用電極AZ1〜AZ4は、温度変化によ
り圧電セラミックス基板5の内部に発生する引っ張り応
力や圧縮応力によりZ軸方向加速度検出用電極DZ1〜
DZ4より生じる出力を中和する役割を果たしている。
なおこのパイロ対策用電極AZ1〜AZ4を設けること
については、本出願の出願人の先願である特願平8−2
88080号に詳細に説明してある。
【0033】X軸方向加速度検出用電極DX1,DX2
に対応する圧電セラミックス基板5の各部分には、各部
分に同種類の応力が発生したとき(Y軸方向またはZ軸
方向にのみ加速度が発生したとき)に重錘固定領域5A
の一方の側に位置するX軸方向加速度検出用電極DX1
と他方の側に位置するX軸方向加速度検出用電極DX2
とにそれぞれ逆極性の自発分極電荷が現れるように分極
処理が施されている。この例では、X軸方向加速度検出
用電極DX1,DX2に対応する圧電セラミックス基板
5の各部分に引っ張り応力が発生したときに、X軸方向
加速度検出用電極DX1にプラスの自発分極電荷が現
れ、X軸方向加速度検出用電極DX2にマイナスの自発
分極電荷が現れるように分極処理が施されている。
【0034】また、Y軸方向加速度検出用電極DY1,
DY2に対応する圧電セラミックス基板5の各部分もX
軸方向加速度検出用電極DX1,DX2に対応する圧電
セラミックス基板5の各部分と同様に、各部分に同種類
の応力が発生したとき(X軸方向またはZ軸方向にのみ
加速度が発生したとき)に重錘固定領域5Aの一方の側
に位置するY軸方向加速度検出用電極DY1と他方の側
に位置するY軸方向加速度検出用電極DY2とにそれぞ
れ逆極性の自発分極電荷が現れるように分極処理が施さ
れている。この例では、Y軸方向加速度検出用電極DY
1,DY2に対応する圧電セラミックス基板5の各部分
に引っ張り応力が発生したときに、Y軸方向加速度検出
用電極DY1にプラスの自発分極電荷が現れ、Y軸方向
加速度検出用電極DY2にマイナスの自発分極電荷が現
れるように分極処理が施されている。
【0035】また、Z軸方向加速度検出用電極DZ1〜
DZ4に対応する圧電セラミックス基板5の各部分は、
各部分に同種類の応力が発生したとき(Z軸方向にのみ
加速度が発生したとき)にすべてのZ軸方向加速度検出
用電極DZ1〜DZ4に同じ極性の自発分極電荷が現れ
るように分極処理が施されている。この例では、Z軸方
向加速度検出用電極DZ1〜DZ4に対応する圧電セラ
ミックス基板5の部分に引っ張り応力が生じた際にZ軸
方向加速度検出用電極DZ1〜DZ4にプラスの自発分
極電荷が現れるように分極処理が施されている。これら
の分極処理は、表面電極パターンE1の各検出用電極D
X1…及び対向電極パターンE0を形成した後に圧電セ
ラミックス基板5に直流電圧を印加することにより行っ
た。
【0036】分極処理が施された圧電セラミックス基板
5の表面側には、重錘固定領域5Aとパイロ対策用電極
AZ1〜AZ4が形成された部分を除く外周領域5Cの
大部分に対応して低誘電率層8及び9が形成されてい
る。低誘電率層8及び9は、いずれも圧電セラミックス
基板5よりも比誘電率が十分に小さいガラスペーストか
らなる熱硬化性樹脂(比誘電率:10)を用いてスクリ
ーン印刷により形成されており、約20μmの厚みを有
している。低誘電率層は、圧電セラミックス基板5の1
/100以下の比誘電率を有する誘電物質を用いて圧電
セラミックス基板5の厚みの0.2倍以上に形成するの
が好ましい。誘電物質としては、圧電セラミックス基板
5よりも比誘電率が十分に小さいものであればよく、ガ
ラス及びエポキシ等の熱硬化性樹脂を用いることができ
る。低誘電率層8は、重錘固定領域5A内において、接
続線LZ2,LX1,LZ6と、圧電セラミックス基板
5との間に位置するように形成されており、円形の形状
を有している。低誘電率層9は、中間領域5Bの外側に
おいて、接続線LX2,LY1,LY2,LY3,LZ
4,LZ8及び出力電極OX,OY,OZと圧電セラミ
ックス基板5との間に位置するように形成されており、
環状の電極列(DX1…)及びパイロ対策用電極AZ1
〜AZ4が形成された領域を隔てて、低誘電率層8を囲
む形状を有している。
【0037】本例では、接続線LZ2,LX1,LZ6
と圧電セラミックス基板5との間に形成された低誘電率
層8の部分の面積と、接続線LX2,LY1,LY2,
LY3,LZ4,LZ8及び出力電極OX,OY,OZ
と圧電セラミックス基板5との間に形成された低誘電率
層9の部分の面積の合計(S1)が約19.3mm2
ある。そして圧電セラミックス基板5の比誘電率が21
50(誘電率19.03×10-9F/m)で、しかもそ
の厚みが約100μmであり、低誘電率層8及び9がな
いとすると、この合計面積S1のパターンと対向電極パ
ターンE0との間に形成される静電容量Cは、ほぼ3.
67×10-9Fである。これに対して本実施例のように
低誘電率層8及び9を形成した場合には、圧電セラミッ
クス基板5の上に重ねられる低誘電率層8及び9の比誘
電率が小さいために、この合計面積S1のパターンと対
向電極パターンE0との間に形成される静電容量C´
は、ほぼ4.22×10-11 となる。静電容量CとC´
とを比較すると、その値はほぼ1/100近くに小さく
なっている。その結果、各接続線(LX1…)及び各出
力電極(OX…)と、対向電極パターンE0との間に形
成される静電容量の存在によって各出力電極(OX…)
に現われる加速度信号のレベルが低下するのを大幅に抑
制できる(またはを実質的に無視することができる)。
【0038】図3は本発明の他の実施の形態の三軸加速
度センサ10の端面図である。本実施の形態の三軸加速
度センサ10の平面図は、図1に示す三軸加速度センサ
1の平面図と同じである。この例では、対向電極パター
ンE10は、表面電極パターンE1の検出用電極DX
1,DX2,DY1,DY2,DZ1〜DZ4と対向す
るように、円環状に形成されている。言い換えるなら
ば、各出力電極OX1…及び各配線パターンLX1…と
直接対向しないように対向電極パターンE10は形成さ
れている。対向電極パターンE10が形成されていない
部分では、圧電セラミックス基板5は接着層Sにより金
属製ダイアフラム6と接合されている。また、対向電極
パターンE10が形成されている部分では、対向電極パ
ターンE10を介して、接着剤により圧電セラミックス
基板5は金属製ダイアフラム6と接合されている。この
例においても、図2に示す実施の形態の三軸加速度セン
サ1と同様に、対向電極パターンE10は、金属製ダイ
アフラム6及び台座(支持部材)4を介して取付部材2
に接地されている。この例では、各出力電極OX1…及
び各配線パターンLX1…と対向電極パターンE10と
は、斜めに対向している。この場合でも、両者の間で発
生する静電容量は、低誘電率層8及び9により低下す
る。
【0039】なお、上記例においては、ダイアフラム6
は金属製であるが、ダイアフラムは金属に限られるもの
ではない。ダイアフラムをガラス等の非金属で形成する
場合には、対向電極パターンE0は、図示しない演算回
路に直接接続すればよい。また上記例では、重錘7とダ
イアフラム6を別体に構成しているが、これらを一体に
構成してもよいのは勿論である。
【0040】図4は、本発明の更に他の実施の形態の三
軸加速度センサ11の平面図であり、図5は図4のV−
V線端面図である。本実施の形態の三軸加速度センサで
は、図1乃至図3に示した三軸加速度センサと異なっ
て、ダイアフラムを用いずに、圧電セラミックス基板5
の裏面側に接着剤層を介して重錘7及び台座4を直接接
合している。また、この三軸加速度センサ11では、外
周領域5Cの上に形成された第1〜第3の配線パターン
のパターン部と圧電セラミックス基板5との間にのみ低
誘電率層18,19及び20が形成されている。具体的
には、パターン部LX2と圧電セラミックス基板5との
間に低誘電率層18が形成され、パターン部LY1〜L
Y3及びLZ4と圧電セラミックス基板5との間に低誘
電率層19が形成され、パターン部LZ8と圧電セラミ
ックス基板5との間に低誘電率層20が形成されてい
る。特に、対向電極パターンE10が、電極パターンE
1の検出用電極DX1…とだけ対向するように形成され
ている場合には、本例のように配線パターンの主要なパ
ターン部と圧電セラミックス基板5との間にのみに低誘
電率層を形成するだけでも、静電容量の低減の効果は大
きなものとなる。また、このように低誘電率層を形成す
れば、図1に示す例に比べて低誘電率層の形成部分の面
積を小さくすることができて、三軸加速度センサの製造
コストをさげることができる。
【0041】なお、この例では、配線パターンの主要な
パターン部と圧電セラミックス基板5との間にのみ低誘
電率層を形成したが、配線パターンのパターン部に加え
て各出力電極(OX…)と圧電セラミックス基板5との
間に低誘電率層を形成しても構わない。
【0042】また、上記各例では、パイロ対策用電極A
Z1〜AZ4が形成されているが、本発明は、パイロ対
策用電極AZ1〜AZ4を有しないタイプの三軸加速度
センサにも当然にして適用できる。また上記例では、X
軸方向出力電極及びY軸方向出力電極をそれぞれ1つず
つ設けているが、検出用電極DX1及びDX2にそれぞ
れ出力電極を設け、更に検出用電極DY1及びDY2に
それぞれ出力電極を設けるようにしてもよい。
【0043】本発明を三軸加速センサに適用する場合、
各方向の加速度信号のレベルを一致させるためには、
X,Y及びZの各方向にそれぞれ同じ大きさの加速度が
加わった場合に、各方向の検出電極に発生する自発分極
電荷の総量が同じになるように、各検出電極のパターン
及び配置を考えるのが好ましい。
【0044】また上記例は、本発明を三軸加速度センサ
に適用した例であるが、本発明は一軸及び二軸の加速度
センサにも当然適用できる。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、少なくとも配線パター
ンの全体または主要部と対向電極パターンとの間の静電
容量を小さくすることができ、その結果出力の低下を抑
制することができる。
【0046】また、本発明を三軸加速度センサに適用に
すれば、各方向における加速度出力電極及び配線パター
ンと対向電極パターンとの間で発生する静電容量の相違
を実質的に無視できる程度まで小さくすることができ
る。そのため、各方向の加速度信号を増幅処理して信号
レベルの補正をする必要がなくなる。なお実際上は、信
号レベルを完全に一致させることは容易ではない。しか
しながら本発明によれば、ある程度実用上許容できる範
囲まで信号レベルを等しくすること(または一致させる
こと)ができる。もし更に高精度を必要とする用途に用
いる三軸加速度センサを製造する場合には、従来のよう
に増幅器を用いて各方向の加速度信号のレベルの調整を
行えばよい。但し、この場合でも、本発明によれば、す
でに各方向の加速度信号のレベルは、ほぼ一致している
ため、レベル調整は容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の三軸加速度センサの平
面図である。
【図2】 図1のII−II線端面図である。
【図3】 本発明の他の実施の形態の三軸加速度センサ
の概略端面図である。
【図4】 本発明の更に他の実施の形態の三軸加速度セ
ンサの平面図である。
【図5】 図4のV−V線端面図である。
【符号の説明】
4 台座 5 圧電セラミックス基板 5A 重錘固定領域 5B 中間領域 5C 外周領域 6 ダイアフラム 7 重錘 8,9,18,19,20 低誘電率層 E1 表面電極パターン E0,E10 対向電極 DX1,DX2 X軸方向加速度検出用電極 DY1,DY2 Y軸方向加速度検出用電極 DZ1〜DZ4 Z軸方向加速度検出用電極 OX X軸方向加速度出力電極 OY Y軸方向加速度出力電極 OZ Z軸方向加速度出力電極 LX1,LX2 第1の配線パターンの接続線 LY1〜LY3 第2の配線パターンの接続線 LZ1〜LZ8 第3の配線パターンの接続線

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電セラミックス基板と、 前記圧電セラミックス基板の表面上に形成された、加速
    度に応じた信号を出力する加速度検出用電極、前記加速
    度検出用電極の出力を外部に出力する出力電極、及び前
    記加速度検出用電極と前記出力電極とを電気的に接続す
    る配線パターンを含む表面電極パターンと、 前記圧電セラミックス基板の裏面上に形成されて、少な
    くとも前記加速度検出用電極と対向する対向電極パター
    ンと、 前記圧電セラミックス基板に対して固定状態に配置され
    て前記加速度検出用電極が形成された領域に前記加速度
    に応じた応力を発生させる重錘と、 少なくとも前記配線パターンの全部またはその主要部と
    前記圧電セラミックス基板との間に配置された低誘電率
    層とを具備し、 前記低誘電率層は、前記圧電セラミックス基板の比誘電
    率よりも比誘電率が十分に小さく、 前記圧電セラミックス基板の前記加速度検出用電極と前
    記対向電極パターンとの間の部分が分極処理されている
    加速度センサ。
  2. 【請求項2】 前記重錘は、前記圧電セラミックス基板
    の裏面の中央部に直接接合されている請求項1に記載の
    加速度センサ。
  3. 【請求項3】 前記圧電セラミックス基板の裏面にはダ
    イアフラムが接合されており、 前記重錘は前記ダイアフラムの中央部に設けられている
    請求項1に記載の加速度センサ。
  4. 【請求項4】 前記低誘電層は、前記配線パターンのう
    ち前記加速度検出用電極が形成された領域の外側に位置
    する配線パターン部分と前記圧電セラミックス基板との
    間に配置されている請求項1に記載の加速度センサ。
  5. 【請求項5】 前記低誘電層が、前記出力電力と前記前
    記圧電セラミックス基板との間に更に配置されている請
    求項4に記載の加速度センサ。
  6. 【請求項6】 前記配線パターン及び前記出力電極と前
    記対向電極パターンとの間に形成される静電容量の存在
    により前記出力電極から出力される加速度信号のレベル
    の低下が、実質的に無視できる程度になるように前記低
    誘電率層の比誘電率及び厚みが選択されている請求項1
    に記載の加速度センサ。
  7. 【請求項7】 前記低誘電率層の比誘電率は、前記圧電
    セラミックス基板の比誘電率の1/100以下であり、
    前記低誘電率層の厚みは、前記圧電セラミックス基板の
    厚みの0.2倍以上である請求項1に記載の加速度セン
    サ。
  8. 【請求項8】 前記低誘電率層は、ガラスまた熱硬化性
    樹脂を主成分として形成されている請求項7に記載の三
    軸加速度センサ。
  9. 【請求項9】 前記低誘電率層は熱硬化性樹脂を主成分
    として形成され、前記配線パータン及び前記加速度出力
    電極は熱硬化性樹脂に導電性粉末が含まれてなる導電性
    ペーストを用いて形成されている請求項7に記載の加速
    度センサ。
  10. 【請求項10】 圧電セラミックス基板と、 前記圧電セラミックス基板の表面上に形成されたX軸方
    向加速度を検出する1以上のX軸方向加速度検出用電
    極、Y軸方向加速度を検出する1以上のY軸方向加速度
    検出用電極、Z軸方向加速度を検出する1以上のZ軸方
    向加速度検出用電極、1以上のX軸方向加速度出力電
    極、1以上のY軸方向加速度出力電極、1以上のZ軸方
    向加速度出力電極、前記1以上のX軸方向加速度検出用
    電極と前記1以上のX軸方向加速度出力電極を接続する
    第1の配線パターン、前記1以上のY軸方向加速度検出
    用電極と前記1以上のY軸方向加速度出力電極を接続す
    る第2の配線パターン、前記1以上のZ軸方向加速度検
    出用電極と前記1以上のZ軸方向加速度出力電極を接続
    する第3の配線パターンを含む表面電極パターンと、 前記圧電セラミックス基板の裏面上に形成されて、少な
    くとも前記1以上のX軸方向加速度検出用電極、前記1
    以上のY軸方向加速度検出用電極及び前記1以上のZ軸
    方向加速度検出用電極と対向する対向電極パターンと、 前記圧電セラミックス基板に対して固定状態に配置され
    て前記1以上のX軸方向加速度検出用電極、前記1以上
    のY軸方向加速度検出用電極及び前記1以上のZ軸方向
    加速度検出用電極が形成された領域に前記加速度に応じ
    た応力を発生させる重錘と、 少なくとも前記第1乃至第3の配線パターンの全部また
    はその主要部と前記圧電セラミックス基板との間に配置
    された低誘電率層とを具備し、 前記低誘電率層は、前記圧電セラミックス基板の比誘電
    率よりも比誘電率が十分に小さく、 前記1以上のX軸方向加速度検出用電極、前記1以上の
    Y軸方向加速度検出用電極及び前記1以上のZ軸方向加
    速度検出用電極と前記対向電極パターンとの間の部分が
    分極処理されている三軸加速度センサ。
  11. 【請求項11】 前記重錘は、前記圧電セラミックス基
    板の裏面の中央部に直接接合されている請求項10に記
    載の三軸加速度センサ。
  12. 【請求項12】 前記圧電セラミックス基板の裏面には
    ダイアフラムが接合されており、 前記重錘は前記ダイアフラムの中央部に設けられている
    請求項10に記載の三軸加速度センサ。
  13. 【請求項13】 前記低誘電層は、前記第1〜第3の配
    線パターンのうち前記1以上のX軸方向加速度検出用電
    極、前記1以上のY軸方向加速度検出用電極及び前記1
    以上のZ軸方向加速度検出用電極が形成された領域の外
    側に位置する配線パターン部分と前記圧電セラミックス
    基板との間に配置されている請求項10に記載の三軸加
    速度センサ。
  14. 【請求項14】 前記低誘電層が、前記1以上のX軸方
    向加速度出力電極、前記1以上のY軸方向加速度出力電
    極及び前記1以上のZ軸方向加速度出力電極と前記圧電
    セラミックス基板との間に更に配置されている請求項1
    3に記載の三軸加速度センサ。
  15. 【請求項15】 前記第1乃至第3の配線パターンと前
    記対向電極パターンとの間に形成される静電容量の存在
    によって前記1以上のX軸方向加速度出力電極、前記1
    以上のY軸方向加速度出力電極及び前記1以上のZ軸方
    向加速度出力電極に現われる加速度信号のレベルの低下
    が実質的に無視できる程度になるように前記低誘電率層
    の比誘電率及び厚みが選択されていることを特徴とする
    請求項10に記載の三軸加速度センサ。
  16. 【請求項16】 前記低誘電率層の比誘電率は、前記圧
    電セラミックス基板の比誘電率の1/100以下であ
    り、前記低誘電率層の厚みは、前記圧電セラミックス基
    板の厚みの0.2倍以上である請求項10に記載の三軸
    加速度センサ。
  17. 【請求項17】 前記低誘電率層は、ガラスまた熱硬化
    性樹脂を主成分として形成されている請求項16に記載
    の三軸加速度センサ。
  18. 【請求項18】 前記低誘電率層は熱硬化性樹脂を主成
    分として形成され、前記配線パータン及び前記加速度出
    力電極は熱硬化性樹脂に導電性粉末が含まれてなる導電
    性ペーストを用いて形成されている請求項16に記載の
    三軸加速度センサ。
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JP2002062310A (ja) * 2000-08-23 2002-02-28 Hokuriku Electric Ind Co Ltd 圧電型加速度センサ
JP2010156704A (ja) * 2010-02-18 2010-07-15 Hokuriku Electric Ind Co Ltd 圧電型三軸加速度センサ
JP2015184122A (ja) * 2014-03-24 2015-10-22 積水化学工業株式会社 圧電センサ

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