JP3433401B2 - 静電容量型加速度センサ - Google Patents

静電容量型加速度センサ

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JP3433401B2
JP3433401B2 JP11941695A JP11941695A JP3433401B2 JP 3433401 B2 JP3433401 B2 JP 3433401B2 JP 11941695 A JP11941695 A JP 11941695A JP 11941695 A JP11941695 A JP 11941695A JP 3433401 B2 JP3433401 B2 JP 3433401B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加速度が加わったと
き、その加速度の大きさを静電容量の変化として検出す
る静電容量型加速度センサに関するものであり、車両等
のエアバックシステム、アクティブサスペンションシス
テム、ロボットの姿勢制御等に使用可能である。
【0002】
【従来の技術】公知の加速度センサには、歪ゲージ式、
ピエゾ抵抗式等がある。しかし、これらは温度条件によ
ってその特性が変化し、温度変化によって精度が乱れる
という問題点がある。そこで、今日では、温度変化に影
響され難い加速度センサとして静電容量型加速度センサ
が使用されるようになってきた。
【0003】この種の静電容量型加速度センサの従来例
として、特開平5−203667号公報に掲載の技術が
ある。
【0004】この公報に掲載の技術は、3方向の加速度
を1個の質量部の3つの変位成分に変換し、この変位を
質量部の面に形成した可動電極及びこれに対向する固定
電極からなる複数個の電極対の容量の変化を検出するこ
とにより、加速度を検出するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この技術は、
可動電極側が複数に分割されており、そこに導線を導く
とその導線の浮遊容量が問題となる。また、構造が複雑
となり、製造コストが高くなる。また、機械的変位が発
生する個所に導線を通す必要があり、導線の寿命が問題
となる。
【0006】そこで、本発明においては、構造を簡単と
し、かつ、浮遊容量の影響を受け難く、廉価な製造コス
トで長寿命の静電容量型加速度センサの提供を課題とす
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる静電容
量型加速度センサは、固定部に両端が固着された弾性体
からなる梁に取付けられ、前記梁の両取付点を直線で結
ぶ直線上から離れて所定の質量の中心が位置する質量部
と、前記質量部の両面に形成された所定の面積を有する
可動電極と、前記可動電極に対向するように前記固定部
に形成され、前記可動電極の面積に近似する範囲を3以
上の奇数列の分割固定電極で形成した2組の分割固定電
極とを具備するものである。
【0008】請求項2にかかる静電容量型加速度センサ
の前記分割固定電極の中央に配置される分割固定電極以
外の前記分割固定電極は、中央の前記分割固定電極に対
して対称位置に配置されるものである。
【0009】請求項3にかかる静電容量型加速度センサ
の前記2組の分割固定電極は、互いに直交する配置とす
るものである。
【0010】
【0011】
【作用】請求項1においては、両端を固定部に固着した
弾性体からなる梁に対して、前記梁の両取付点を直線で
結ぶ直線上から離れた位置に質量中心が位置する質量部
を配設し、加速度によって質量部に回動力を付与する。
質量部に加わった回動力は梁の変位となり、質量部の一
方の面に形成された可動電極とその可動電極に対向する
3以上の奇数列の分割固定電極からなる分割固定電極と
の間に静電容量の変化が発生し、その静電容量の変化が
加速度の大きさとして検出できる。また、分割固定電極
を略中央に1枚配置し、総数3枚以上の奇数列配置とす
ることにより、中央の電極の静電容量が変化せず、その
回転角度と静電容量の関係を一義的に決定することがで
き、全体の静電容量の変化により二次元または2種類の
加速度の検出が可能となる。
【0012】請求項2においては、中央の分割固定電極
の両側に等距離で分割固定電極が配置されるので、例え
ば、中央の分割固定電極とその両側の分割固定電極間の
静電容量の変化は、互いにその絶対値が等しく、その正
負の符号のみが相違する加速度検出信号として検出が可
能となる。
【0013】
【0014】請求項3においては、質量部の両側に形成
した分割固定電極を、略中央に1枚配置し、総数3枚以
上の奇数列配置とし、しかも、前記総数3枚以上の奇数
列配置は直交する配置とすることにより、両側の中央の
電極の静電容量が変化せず、その中央の電極の両側の変
位を検出すること、及び全体の静電容量の変化により三
次元の検出が可能となる。質量部の上下に、各々上側の
分割固定電極、下側の分割固定電極を設け、上側及び下
側の分割固定電極を互いに直交させるので、X方向の加
速度検出信号とY方向の加速度検出信号とが干渉するこ
と(クロストーク)が回避できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0016】図1は本発明の第一実施例の静電容量型加
速度センサの断面図であり、図2は図1に示す実施例の
静電容量型加速度センサの上部の電極相互の配置を説明
する正面からみた説明図、及び図3は図1に示す実施例
の静電容量型加速度センサの下部の電極相互の配置を説
明する正面からみた説明図、図4(a)及び(b)は図
1に示す実施例の静電容量型加速度センサの質量部と梁
の関係を示す正面からみた説明図である。
【0017】図において、正方形の枠体を形成するハウ
ジング1は、前記ハウジング1の大部分を構成する本体
部1A、及び本体部1Aに梁6を安定した挾持状態に維
持するのに使用され補助部1Bから形成される。本体部
1Aと補助部1Bは、梁6を挾持し全体を均一の押圧力
で固着するために、両者は図示しない接着剤及び捩子に
よって堅固に固着される。合成樹脂板、ガラス板等の絶
縁物からなる絶縁基板2は、平面精度を良くした平板か
らなり、その一面には3列に同一幅で形成した第1分割
固定電極3a,3b,3cが配設されている。第1分割
固定電極3bは図2に示すハウジング1の中央線X−X
と同一の中央線X−Xを有しており、第1分割固定電極
3bは中央線X−Xに対して線対称の幅となっている。
第1分割固定電極3a及び第1分割固定電極3cは中央
線X−Xに対して線対称の位置となっている。この第1
分割固定電極3a,3b,3cは、絶縁基板2に対し、
蒸着またはスパッタリング、プリントによって形成され
る。また、絶縁基板2の第1分割固定電極3a,3b,
3cは、ハウジング1の内側に向けて堅固に固着され
る。
【0018】同様に、平面精度を良くした絶縁物の平板
からなる絶縁基板4の一面には、3列に同一幅で形成し
た第2分割固定電極5a,5b,5cが配設されてい
る。第2分割固定電極5bは図3に示すハウジング1の
中央線X−Xと垂直に交差する中央線Y−Yを有してお
り、第2分割固定電極5bは中央線Y−Yに対して線対
称の幅となっている。第2分割固定電極5a及び第2分
割固定電極5cは中央線Y−Yに対して線対称の位置と
なっている。この第2分割固定電極5a,5b,5c
は、絶縁基板4に対し、蒸着またはスパッタリング、プ
リントによって形成される。また、絶縁基板4の第2分
割固定電極5a,5b,5cは、ハウジング1の内側に
向けて堅固に固着される。
【0019】前記本体部1Aと補助部1B間で固着され
る梁6Aは、弾性に富む平板状(ストリップ)で図4
(a)に示すように、ハウジング1の側面に平行、即
ち、ハウジング1の中央線X−Xとその中央線X−Xと
垂直に交差する中央線Y−Yに平行に配設される。また
は前記本体部1Aと補助部1B間で固着される梁6B
は、図4(b)に示すように、ハウジング1の各コーナ
間を直線で結ぶ、即ち、ハウジング1の中央線X−Xと
その中央線X−Xと垂直に交差する中央線Y−Yに対し
て45度の傾度を持って配設される。なお、全体を通し
て、梁6Aまたは梁6Bと符号を付して記載しない場合
には、梁6は梁6Aまたは梁6Bの何れの形態も採用で
きることを意味する。
【0020】前記梁6の交点を中心に、その中心に正面
からみた重心が位置し、所定の重量を有する均一な質量
分布の絶縁物からなる質量部7が配設されている。この
質量部7は両側の面を第1分割固定電極3a,3b,3
c及び第2分割固定電極5a,5b,5cに平行する平
面とし、両側の面には第1可動電極8及び第2可動電極
9が形成される。なお、質量部7はその質量が大きいほ
ど精度を上げることができるから、絶縁物のみで所定の
質量が得られないときには、全体或いは中心部或いは板
状に鉄または鉛で形成したものに絶縁層を形成し、その
絶縁層の上面に第1可動電極8と第2可動電極9を形成
してもよい。通常、第1可動電極8と第2可動電極9は
蒸着またはスパッタリング、プリントによって形成され
る。
【0021】定常状態では、第1可動電極8と第1分割
固定電極3a,3b,3cは、均一な間隔t1 で平行面
を形成し、また、第2可動電極9と第2分割固定電極5
a,5b,5cは、均一な間隔t2 で平行面を形成して
いる。通常、第1可動電極8と第1分割固定電極3a,
3b,3cとの間隔t1 、第2可動電極9と第2分割固
定電極5a,5b,5cの間隔t2 は、等しく形成され
る。第1可動電極8と第1分割固定電極3a,3b,3
c、また、第2可動電極9と第2分割固定電極5a,5
b,5cは、その外周の長さが同一長さとなっており、
図2及び図3に示すように、両者の外周の大きさは等し
く一致している。なお、本実施例では、第1可動電極8
と第1分割固定電極3a,3b,3c、第2可動電極9
と第2分割固定電極5a,5b,5cを同一の外周の長
さとしているが、本発明を実施する場合には、略一致す
るものであればよい。しかし、第1可動電極8と第1分
割固定電極3a,3b,3cとの中心、第2可動電極9
と第2分割固定電極5a,5b,5cとの中心は、互い
に一致させる必要がある。
【0022】ここで、第1分割固定電極3a,3b,3
c及び第2分割固定電極5a,5b,5cは、多層印刷
基板の技術によって、スルーホールによってリード線を
絶縁基板2または絶縁基板4に形成した図示しないスル
ーホールによって設けることができる。この種のスルー
ホールによって第1分割固定電極3a,3b,3c及び
第2分割固定電極5a,5b,5cの裏面からリード線
を引出したものは、浮遊容量を最小に抑えることがで
き、かつ、そのシール性を向上できる。勿論、絶縁基板
2または絶縁基板4の第1分割固定電極3a,3b,3
c及び第2分割固定電極5a,5b,5cの表面から引
出すことができる。
【0023】なお、第1分割固定電極3a,3b,3c
と第2分割固定電極5a,5b,5cの周囲には所定の
間隔を隔てて、浮遊容量による誤差をなくすために、シ
ールド電極を配設する場合があるが、本実施例ではそれ
を省略している。
【0024】図5は本発明の第二実施例の静電容量型加
速度センサの質量部と梁の関係を示す上面からみた説明
図である。
【0025】本実施例においては、質量部7を両端に所
定の厚みの正方形の金属板を取付け、その両者間を金属
で連結してなるものである。即ち、所定の厚みの正方形
の金属板によって質量板7Aと質量板7Bを両側に配置
し、両者間を金属柱7Cで連結してなるものである。こ
の質量部7の重心Gは金属柱7Cの中心に位置する。質
量板7Aと質量板7Bの外側の表面には、絶縁層10ま
たは絶縁層11が形成されている。この絶縁層10また
は絶縁層11の外表面には第1可動電極18及び第2可
動電極19が配設される。なお、本実施例の質量部7と
図1に示す質量部7はその仕様においては相違するもの
でないので、以下の質量部7とは両者を示すものとす
る。
【0026】図6は本発明の第一実施例の静電容量型加
速度センサの可動電極と分割固定電極の関係を示す説明
図、図7は本発明の第一実施例の静電容量型加速度セン
サの質量部が回動したときの第1可動電極と第1分割固
定電極の関係を示す説明図である。なお、第2可動電極
と第2分割固定電極の関係についても同様であるから、
その説明を省略する。
【0027】図6において、第1可動電極8と第1分割
固定電極3a,3b,3cは対向して配設されているか
ら、対向する両者間に静電容量C3a,C3b,C3cが形成
される。
【0028】ハウジング1の中央線X−Xに平行する中
央線に対して線対称の電極である第1分割固定電極3b
は、図7に示すように、質量部7の重心Gを中心に回動
するとき、常に、第1可動電極8と第1分割固定電極3
bとの距離の積分値が一定し、両者間の静電容量C3bが
一定となる。しかし、第1可動電極8と第1分割固定電
極3aとの距離、第1可動電極8と第1分割固定電極3
cとの距離が変化し、質量部7が重心Gを中心に回動す
る方向によって、それらの静電容量が変化する。
【0029】一方、図1の上面からみた質量部7は、そ
の図1の左右方向の加速度を受けると質量部7は回動
し、第1可動電極8と第1分割固定電極3aとの距離、
第1可動電極8と第1分割固定電極3cとの距離が変化
し、質量部7が重心Gを中心に回動する方向によって、
それらの静電容量C3a及び静電容量C3cが変化する。し
かし、第2可動電極9と第2分割固定電極5a,5b,
5cとの距離はその平均が変化しない。即ち、図1の左
右方向の加速度を受け、質量部7が回動し、質量部7が
重心Gを中心に回動しても、それらの静電容量C5a,C
5b,C5cが変化しない。
【0030】また、図1の上面からみた質量部7は、図
1の表裏方向の加速度を受けると質量部7は表裏に回動
し、第2可動電極9と第2分割固定電極5aとの距離、
第2可動電極9と第2分割固定電極5cとの距離が変化
し、質量部7が重心Gを中心に回動する方向によって、
それらの静電容量C5a及び静電容量C5cが変化する。し
かし、第1可動電極8と第1分割固定電極3a,3b,
3cとの距離はその平均が変化しない。即ち、図1の表
裏方向の加速度を受け、質量部7が表裏に回動し、質量
部7が重心Gを中心に回動しても、それらの静電容量C
3a,C3b,C3cが変化しない。
【0031】そして、図1の上面からみた質量部7は、
その図1の上下方向の加速度を受けると質量部7は上下
動し、第1可動電極8と第1分割固定電極3a,3b,
3cとの距離が変化し、質量部7が重心Gを移動する方
向によって、それらの静電容量C3a及び静電容量C3cが
変化する。同時に、第2可動電極9と第2分割固定電極
5a,5b,5cとの距離も変化し、それらの静電容量
C5a,C5b,C5cが変化する。しかし、前者とは異な
り、第1分割固定電極3aと第1分割固定電極3b、第
2分割固定電極5aと第2分割固定電極5bは、互いに
その値(符号を含む)を等しくしている。
【0032】即ち、図1の左右方向の加速度及び表裏方
向の加速度は、第1分割固定電極3aと第1分割固定電
極3b、及び第2分割固定電極5aと第2分割固定電極
5bは、互いにその絶対値を等しくし、その正負の符号
のみが相違するものであるから、両者はその差をとるこ
とにより2倍の信号として検出することができる。ま
た、図1の上下方向の加速度は、第1分割固定電極3
a,3c、及び第2分割固定電極5a,5cは、互いに
その値を等しくするものであるから、両者はその和をと
ることにより2倍の信号として検出することができる。
【0033】このように、図1の実施例の静電容量型加
速度センサは、三次元加速度センサとして動作する。
【0034】図8は本発明の第一実施例の静電容量型加
速度センサの三次元加速度を検出する信号検出回路図で
ある。また、図9は図8の増幅回路図、同じく図10は
整流回路図、図11は減算回路図、図12は加算回路図
である。
【0035】まず、図8の信号検出回路図に使用された
回路について簡単に説明する。
【0036】図9は、抵抗R01と抵抗R02とオペアンプ
OP1 で反転増幅回路を構成する回路、及び抵抗R03と
抵抗R04とオペアンプOP2 で反転増幅回路を構成する
回路からなる増幅回路である。図10は、抵抗R11と抵
抗R12及びダイオードD1 及びダイオードD2 とオペア
ンプOP3 で半波整流回路を構成し、また、抵抗R13と
抵抗R15とオペアンプOP4 で反転増幅回路を構成し、
そこに抵抗R14で交流入力を加算してなる整流回路であ
る。図11は、抵抗R21と抵抗R22と抵抗R23と抵抗R
24及びオペアンプOP5 で差動入力形減算回路を構成
し、抵抗R22から抵抗R21に入力された信号が減算され
た出力となる。図12は、抵抗R31と抵抗R32と抵抗R
33及びオペアンプOP6 で反転形加算回路を構成し、抵
抗R31と抵抗R32に入力された信号が負符号が付されて
加算された出力となる。
【0037】なお、ローパスフィルタは公知のCR回路
のL形或いはπ形の回路で構成される。
【0038】次に、図8の信号検出回路について説明す
る。
【0039】図8において、発振回路21は高い正弦周
波数を発生する発振器で、その出力を第1分割固定電極
3bに印加している。そして、第1分割固定電極3aと
第1分割固定電極3bは、共通する抵抗値の抵抗R1 ま
たは抵抗R2 を介して発振回路21の他方の電源に接続
している。
【0040】即ち、抵抗R1 または抵抗R2 の端子間電
圧は、第1分割固定電極3bと第1分割固定電極3aと
抵抗R1 の直列回路による抵抗R1 の電圧降下として、
また、第1分割固定電極3bと第1分割固定電極3cと
抵抗R2 の直列回路による抵抗R2 の電圧降下として検
出する。
【0041】抵抗R1 の電圧降下として検出された信号
は、それぞれ増幅回路22及び整流回路24及びローパ
スフィルタ26を介して減算回路28の一方の端子に入
力される。また、抵抗R2 の電圧降下として検出された
信号は、それぞれ増幅回路23及び整流回路25及びロ
ーパスフィルタ27を介して減算回路28の他方の端子
に入力される。したがって、図1の左右方向の加速度
は、第1分割固定電極3aと第1分割固定電極3bは、
互いにその絶対値を等しくし、その正負の符号のみが相
違するものであるから、両者はその差をとることにより
2倍の信号として検出することができ、因に、これをX
軸方向検出信号とする。
【0042】図示しないが同一回路を、第2分割固定電
極5bと第2分割固定電極5aと抵抗の直列回路による
抵抗の電圧降下として、また、第2分割固定電極5bと
第2分割固定電極5cと抵抗の直列回路による抵抗の電
圧降下として検出する。第2分割固定電極5bと第2分
割固定電極5aと抵抗の直列回路による抵抗の電圧降下
として検出された信号は、それぞれ増幅回路及び整流回
路及びローパスフィルタを介して減算回路48の一方の
端子に入力される。また、第2分割固定電極5bと第2
分割固定電極5cと抵抗の直列回路による抵抗の電圧降
下として検出された信号は、それぞれ増幅回路及び整流
回路及びローパスフィルタを介して減算回路48の他方
の端子に入力される。したがって、図1の左右方向の加
速度は、第2分割固定電極5aと第2分割固定電極5b
は、互いにその絶対値を等しくし、その正負の符号のみ
が相違するものであるから、両者はその差をとることに
より2倍の信号として検出することができ、因に、これ
をY軸方向検出信号とする。
【0043】更に、第1分割固定電極3bと第1分割固
定電極3aと抵抗の直列回路による抵抗の電圧降下とし
て、また、第1分割固定電極3bと第1分割固定電極3
cと抵抗の直列回路による抵抗の電圧降下として検出
し、それぞれ増幅回路22,23及び整流回路24,2
5及びローパスフィルタ26,27を介して加算回路2
9に入力される。そして、第2分割固定電極5bと第2
分割固定電極5aと抵抗の直列回路による抵抗の電圧降
下として、また、第2分割固定電極5bと第2分割固定
電極5cと抵抗の直列回路による抵抗の電圧降下として
検出し、それぞれ図示しない増幅回路及び整流回路及び
ローパスフィルタを介して加算回路49に入力される。
それらの加算回路29と加算回路49の出力を減算回路
30で減算し、両者の差をとることにより2倍の信号と
して検出することができ、因に、これをZ軸方向検出信
号とする。
【0044】ところで、上記実施例では、質量部7の両
側に電極を配設する二次元加速度センサまたは三次元加
速度センサとして使用できる実施例について説明した
が、本発明を実施する場合には、質量部7の片側のみの
電極配置とすることができる。
【0045】このように、本実施例の静電容量型加速度
センサは、ハウシング1からなる固定部に両端が固着さ
れた弾性体からなる梁6に取付けられ、梁6の両取付点
を直線で結ぶ直線上から離れて所定の位置に重心Gが位
置する質量部7と、質量部7の一方の面に形成された所
定の面積を有する第1可動電極8または第2可動電極9
からなる可動電極と、第1可動電極8または第2可動電
極9からなる可動電極に対向したハウシング1からなる
固定部に形成され、第1可動電極8または第2可動電極
9からなる可動電極に対向する面積の範囲に近似する範
囲を複数に分割してなる第1分割固定電極3a,3b,
3cまたは第2分割固定電極5a,5b,5cからなる
分割固定電極とを具備するものであり、これを請求項1
の実施例とすることができる。
【0046】したがって、両端をハウシング1からなる
固定部に固着した弾性体からなる梁6に対して、梁6の
両取付点を直線で結ぶ直線上から離れた位置に重心Gが
位置する質量部7を配設し、加速度によって質量部7に
回動力が付与されるから、質量部7に加わった回動力は
梁6の変位となり、質量部7の一方の面に形成された第
1可動電極8または第2可動電極9からなる可動電極と
その第1可動電極8または第2可動電極9からなる可動
電極に対向する複数に分割してなる第1分割固定電極3
a,3b,3cまたは第2分割固定電極5a,5b,5
cからなる分割固定電極との間に静電容量の変化が発生
し、その静電容量の変化が一次元的な加速度の大きさと
して検出できる。
【0047】故に、簡単な構造で、かつ、全体がハウシ
ング1からなる固定部の内に位置し、その配線が第1可
動電極8または第2可動電極9からなる可動電極側に位
置しないから浮遊容量の影響を受け難く、また、第1可
動電極8または第2可動電極9からなる可動電極及び第
1分割固定電極3a,3b,3cまたは第2分割固定電
極5a,5b,5cからなる分割固定電極等の電極の形
成が簡単であり、更に、製造コストが廉価となり、そし
て、可動部に導電部分が存在しないから、長寿命とする
ことができる。
【0048】また、上記実施例の静電容量型加速度セン
サは、ハウシング1からなる固定部に両端が固着された
弾性体からなる梁6に取付けられ、梁6の両取付点を直
線で結ぶ直線上から離れて所定の位置に重心Gが位置す
る質量部7と、質量部7の両面に形成された所定の面積
を有する第1可動電極8及び第2可動電極9からなる可
動電極と、第1可動電極8及び第2可動電極9からなる
可動電極に対向したハウシング1からなる固定部に形成
され、第1可動電極8及び第2可動電極9からなる可動
電極に対向する面積の範囲に近似する範囲を複数に分割
してなる第1分割固定電極3a,3b,3c及び第2分
割固定電極5a,5b,5cからなる分割固定電極とを
具備するものであり、これを請求項2の実施例とするこ
とができる。即ち、第1可動電極8及び第2可動電極9
からなる可動電極と第1分割固定電極3a,3b,3c
及び第2分割固定電極5a,5b,5cからなる分割固
定電極は、質量部7の両側に形成したものであり、これ
を請求項2の実施例とすることができる。
【0049】したがって、両端をハウシング1からなる
固定部に固着した弾性体からなる梁6に対して、梁6の
両取付点を直線で結ぶ直線上から離れた位置に重心Gが
位置する質量部7を配設し、加速度によって質量部7に
回動力が付与されるから、質量部7に加わった回動力は
梁6の変位となり、質量部7の一方の面に形成された第
1可動電極8及び第2可動電極9からなる可動電極とそ
の第1可動電極8及び第2可動電極9からなる可動電極
に対向する複数に分割してなる第1分割固定電極3a,
3b,3c及び第2分割固定電極5a,5b,5cから
なる分割固定電極との間に静電容量の変化が発生し、そ
の静電容量の変化が二次元的または三次元的加速度の大
きさとして検出できる。
【0050】故に、簡単な構造で、全体がハウシング1
からなる固定部の内に位置し、その配線が第1可動電極
8及び第2可動電極9からなる可動電極側に位置しない
から浮遊容量の影響を受け難く、また、第1可動電極8
及び第2可動電極9からなる可動電極及び第1分割固定
電極3a,3b,3c及び第2分割固定電極5a,5
b,5cからなる分割固定電極等の電極の形成が簡単で
あり、更に、製造コストが廉価となり、そして、可動部
に導電部分が存在しないから、長寿命とすることができ
る。更に、二次元的または三次元的加速度の大きさを検
出できる。
【0051】そして、上記実施例の静電容量型加速度セ
ンサの第1分割固定電極3a,3b,3c及び第2分割
固定電極5a,5b,5cからなる分割固定電極は、略
中央に1枚配置し、総数3枚の奇数列配置としたもので
あるが、本発明を実施する場合には、略中央に1枚配置
した3枚以上の奇数列配置とすればよい。即ち、中央の
電極と直列に両側の電極が配置できればよい。これを請
求項3の実施例とすることができる。特に、このとき、
中央の電極は可動電極の回動によってもその静電容量が
変化しないから、その回転角度と静電容量の関係を一義
的に決定することができる。
【0052】更に、上記実施例の静電容量型加速度セン
サの質量部7の両側に形成した第1分割固定電極3a,
3b,3c及び第2分割固定電極5a,5b,5cから
なる分割固定電極は、略中央に1枚配置し、総数3枚の
奇数列配置とし、更に、前記総数3枚以上の奇数列配置
は直交する配置としたものであるから、特に、二次元的
加速度の検出及び三次元的加速度の検出が可能となる。
これを請求項4の実施例とすることができる。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の静電容
量型加速度センサは、両端を固定部に固着した弾性体か
らなる梁に対して、前記梁の両取付点を直線で結ぶ直線
上から離れた位置に質量中心が位置する質量部を配設
し、加速度によって質量部に回動力を付与する。質量部
に加わった回動力は梁の変位となり、質量部の一方の面
に形成された可動電極とその可動電極に対向する3以上
の奇数列の分割固定電極からなる分割固定電極との間に
静電容量の変化が発生し、その静電容量の変化が加速度
の大きさとして検出できる。また、分割固定電極を略中
央に1枚配置し、総数3枚以上の奇数列配置とすること
により、中央の電極の静電容量が変化せず、その回転角
度と静電容量の関係を一義的に決定することができ、全
体の静電容量の変化により二次元または2種類の加速度
の検出が可能となる。
【0054】したがって、簡単な構造で、かつ、可動電
極側に導電部となる配線を配設しないので、信頼性が向
上する。また、可動電極および分割固定電極等の電極の
形成が簡単であり、更に、製造コストが廉価となり、そ
して、可動部に導電部分が存在しないから、長寿命とす
ることができる。
【0055】請求項2の静電容量型加速度センサは、請
求項1の効果に加えて、中央の分割固定電極の両側に等
距離で分割固定電極が配置されるので、例えば、中央の
分割固定電極とその両側の分割固定電極間の静電容量の
変化は、互いにその絶対値が等しく、その正負の符号の
みが相違する加速度検出信号として検出が可能となる。
【0056】請求項3の静電容量型加速度センサは、請
求項1または請求項2の効果に加えて、別個に配置され
る分割固定電極は互いに直交して配置されるので、例え
ば、X方向の加速度検出信号とY方向の加速度検出信号
とが干渉するのを回避でき、二次元及び三次元の加速度
検出が可能となる。
【0057】
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の第一実施例の静電容量型加速
度センサの断面図である。
【図2】 図2は図1に示す実施例の静電容量型加速度
センサの上部の電極相互の配置を説明する正面からみた
説明図である。
【図3】 図3は図1に示す実施例の静電容量型加速度
センサの下部の電極相互の配置を説明する正面からみた
説明図である。
【図4】 図4(a)及び(b)は図1に示す実施例の
静電容量型加速度センサの質量部と梁の関係を示す正面
からみた説明図である。
【図5】 図5は本発明の第二実施例の静電容量型加速
度センサの質量部と梁の関係を示す上面からみた説明図
である。
【図6】 図6は本発明の第一実施例の静電容量型加速
度センサの可動電極と分割固定電極の関係を示す説明図
である。
【図7】 図7は本発明の第一実施例の静電容量型加速
度センサの質量部が回動したときの第1可動電極と第1
分割固定電極の関係を示す説明図である。
【図8】 図8は本発明の第一実施例の静電容量型加速
度センサの第1可動電極と第1分割固定電極の関係を示
す信号検出回路図である。
【図9】 図9は図8の実施例の信号検出回路に使用さ
れた増幅回路図である。
【図10】 図10は図8の実施例の信号検出回路に使
用された整流回路図である。
【図11】 図11は図8の実施例の信号検出回路に使
用された減算回路図である。
【図12】 図12は図8の実施例の信号検出回路に使
用された加算回路図である。
【符号の説明】
1 ハウシング 6,6A,6B 梁 7 質量部 8 第1可動電極 9 第2可動電極 3a,3b,3c 第1分割固定電極 5a,5b,5c 第2分割固定電極
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−342008(JP,A) 特開 平6−148233(JP,A) 特開 平6−34654(JP,A) 特開 平8−129026(JP,A) 特開 平5−118942(JP,A) 特開 平4−249726(JP,A) 特開 平8−166404(JP,A) 実開 平6−53977(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01P 15/125 G01P 15/18

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固定部に両端が固着された弾性体からな
    る梁に取付けられ、前記梁の両取付点を直線で結ぶ直線
    上から離れた所定の位置に重心が存在する質量部と、 前記質量部の両面に形成された所定の面積を有する可動
    電極と、 前記可動電極に対向するように前記固定部に形成され、
    前記可動電極の面積に近似する範囲を3以上の奇数列の
    分割固定電極で形成した2組の分割固定電極とを具備す
    ることを特徴とする静電容量型加速度センサ。
  2. 【請求項2】 前記分割固定電極の中央に配置される前
    記分割固定電極以外の前記分割固定電極は、中央の前記
    分割固定電極に対して対称位置に配置されることを特徴
    とする請求項1に記載の静電容量型加速度センサ。
  3. 【請求項3】 前記2組の分割固定電極は、互いに直交
    する配置とすることを特徴とする請求項1または請求項
    2に記載の静電容量型加速度センサ。
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